(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】フィルムコネクタ装置、及びそのフィルムコネクタ装置を含む化学物質漏れ感知センサシステム
(51)【国際特許分類】
H01R 12/77 20110101AFI20231108BHJP
H01R 4/58 20060101ALI20231108BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H01R12/77
H01R4/58 Z
H01R13/52 301H
(21)【出願番号】P 2020079519
(22)【出願日】2020-04-28
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0082233
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514130585
【氏名又は名称】ヘソン・ディーエス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲ヒュン▼兌
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0036246(US,A1)
【文献】特開2006-351327(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1847359(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1905100(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0096967(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/77
H01R 4/58
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方が開放されて外部と連結された電気ケーブルが設置される上部ハウジングと、
前記上部ハウジングの内部に設けられ、前記電気ケーブルと電気的に連結されるターミナル端子と、
前記上部ハウジングの開放された部位を覆うように、前記上部ハウジングに結合され、側方から伝導性フィルムがスライディング結合されるフィルム結合部を具備した下部ハウジングと、
を含むフィルムコネクタ装置において、
前記ターミナル端子は、前記伝導性フィルムに加圧される方向に、弾性変形自在に、弾性変形構造物を含
み、
前記ターミナル端子の弾性変形構造物は、面ファスナーのフック構造、面ファスナーのループ構造、不織布生地構造、フェルト生地構造及び蹄鉄状の構造のいずれかに構成されたことを特徴とするフィルムコネクタ装置。
【請求項2】
前記上部
ハウジングの下面に、凹状に形成された第1溝部に、リング状に装着された第1ガスケットと、
前記下部
ハウジングの上面に、凹状に形成された第2溝部に、リング状に装着された第2ガスケットと、を含み、
前記第1ガスケットと前記第2ガスケットは、互いに加圧接触されるように組み立てられたことを特徴とする請求項1に記載のフィルムコネクタ装置。
【請求項3】
前記電気ケーブルと、前記上部ハウジングとの間には、硬質素材からなる防水カバーが設けられ、前記防水カバーには、Oリングが設けられたことを特徴とする請求項1に記載のフィルムコネクタ装置。
【請求項4】
前記防水カバーに設けられるものの、Oリングを加圧するように、前記防水カバーに螺合されるナット状の加圧部材を含むことを特徴とする請求項
3に記載のフィルムコネクタ装置。
【請求項5】
前記ターミナル端子は、互いに平行に1対が具備され、前記伝導性フィルムは、U字形に構成され、前記1対のターミナル端子に、各端部が電気的に連結されたことを特徴とする請求項1に記載のフィルムコネクタ装置。
【請求項6】
前記ターミナル端子は、互いに対向するように1対が具備され、前記伝導性フィルムは、直線状に構成され、前記1対のターミナル端子に、各端部が電気的に連結されたことを特徴とする請求項1に記載のフィルムコネクタ装置。
【請求項7】
前記電気ケーブルは、前記上部ハウジングの側面に結合されたことを特徴とする請求項1に記載のフィルムコネクタ装置。
【請求項8】
前記電気ケーブルは、前記上部ハウジングの上面に結合されたことを特徴とする請求項1に記載のフィルムコネクタ装置。
【請求項9】
請求項1ないし
8のうちいずれか1項に記載のフィルムコネクタ装置を含む化学物質漏れ感知センサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムコネクタ装置、及びそのフィルムコネクタ装置を含む化学物質漏れ感知センサシステムに係り、さらに具体的には、伝導性フィルムを電線と電気的に連結し、機械的に固定するフィルムコネクタ装置と、その装置を含む化学物質漏れ感知センサシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムコネクタ装置は、フィルム型電線を電気的に連結するために必要な装置である。フィルム型電線は、薄くて軽い構造であり、設計可能であるために、自動車または電子部品などに多用されている。また、フィルム型電線は、化学薬品漏れ感知システムにも適用される。化学薬品漏れ感知システムは、化学薬品の水漏れや液漏れを検出するシステムである。化学薬品漏れ感知システムは、建物及び各種産業施設の事故発生を感知し、事故発生危険をリアルタイムで確認し、事故危険予防及び事故拡散防止の機能を遂行する。特に、最近、大型化学薬品漏れ事故が発生し、経済的、社会的に大きい損失をもたらした事例が頻発している。それにより、関連法規も強化されている。最近、微量化学物質を検出するために、フィルム型電線が適用されたフィルム型センサが多用されている実情を示している。
【0003】
従来、化学薬品の液漏れや水漏れの感知を目的に使用するフィルム型液漏れセンサは、伝導性物質が塗布されたフィルム型センサに、液漏れや水漏れが発生する場合、抵抗変化が発生し、該抵抗変化を感知し、液漏れや水漏れを検出する構造によってなる。そのような構造のフィルム型液漏れセンサのコネクタ装置の一例が特許文献1に開示されている。
【0004】
ところで、従来のフィルム型液漏れセンサのコネクタ装置は、フィルム内部の金属導線を、制御モジュールに電気的に連結するために、
図1に図示されているように、先が尖ったターミナル端子1が、伝導性フィルム100表面を突き抜け、ターミナル端子1と伝導性フィルム100とが電気的に連結される構造からなっている。そのように、伝導性フィルム100の表面に接触される尖ったターミナル端子1は、伝導性フィルム100を損傷させ、接触抵抗を増大させ、フィルム型センサの機能を低下させてしまう問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】大韓民国特許出願公開第2010-0096967号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前述のような問題点を解消するために案出されたものであり、伝導性フィルムを制御モジュールに電気的に連結するフィルムコネクタ装置の構造を改善させることにより、伝導性フィルムが損傷されないようにし、機能低下が発生しない優秀な品質のフィルムコネクタ装置、及びそのフィルムコネクタ装置を含むセンサシステムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の一実施形態によるフィルムコネクタ装置は、下方が開放されて外部と連結された電気ケーブルが設置される上部ハウジングと、
前記上部ハウジングの内部に設けられ、前記電気ケーブルと電気的に連結されるターミナル端子と、
前記上部ハウジングの開放された部位を覆うように、前記上部ハウジングに結合され、側方から伝導性フィルムがスライディング結合されるフィルム結合部を具備した下部ハウジングと、
を含むフィルムコネクタ装置において、
前記ターミナル端子は、前記伝導性フィルムに加圧される方向に弾性変形自在に、弾性変形構造物を含む点に特徴がある。
【0008】
前記ターミナル端子の弾性変形構造物は、面ファスナーのフック(hook)構造によっても構成される。
【0009】
前記ターミナル端子の弾性変形構造物は、面ファスナーのループ(loop)構造によっても構成される。
【0010】
前記ターミナル端子の弾性変形構造物は、不織布生地構造によっても構成される。
【0011】
前記ターミナル端子の弾性変形構造物は、フェルト(felt)生地構造によっても構成される。
【0012】
前記ターミナル端子の弾性変形構造物は、コイルスプリング構造によっても構成される。
【0013】
前記ターミナル端子の弾性変形構造物は、蹄鉄(horse shoe)状の構造によっても構成される。
【0014】
前記ターミナル端子の弾性変形構造物は、前記伝導性フィルムと面接触されるスプリング構造物によっても構成される。
【0015】
前記上部カバーの下面に、凹状に形成された第1溝部に、リング形態に装着された第1ガスケットと、
前記下部カバーの上面に、凹状に形成された第2溝部に、リング形態に装着された第2ガスケットと、を含み、
前記第1ガスケットと前記第2ガスケットは、互いに加圧接触されるように組み立てられたことが望ましい。
【0016】
前記電気ケーブルと、前記上部ハウジングとの間には、硬質素材からなる防水カバーが設けられ、前記防水カバーには、Oリングが設けられたことが望ましい。
【0017】
前記防水カバーに設けられるものの、Oリングを加圧するように、前記防水カバーに螺合されるナット状の加圧部材を含むことが望ましい。
【0018】
前記ターミナル端子は、互いに平行に1対が具備され、前記伝導性フィルムは、U字形に構成され、前記1対のターミナル端子に、各端部が電気的にも連結される。
【0019】
前記ターミナル端子は、互いに対向するように1対が具備され、前記伝導性フィルムは、直線状に構成され、前記1対のターミナル端子に、各端部が電気的にも連結される。
【0020】
前記電気ケーブルは、前記上部ハウジングの側面にも結合される。
【0021】
前記電気ケーブルは、前記上部ハウジングの上面にも結合される。
【0022】
いずれか1つの前記フィルムコネクタ装置を含む化学物質漏れ感知センサシステムを構成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるフィルムコネクタ装置は、上部ハウジングに設けられたターミナル端子が伝導性フィルムと電気的に接触される過程において、前記ターミナル端子が伝導性フィルムに加圧される方向に、弾性変形自在に、弾性変形構造物を含んでおり、伝導性フィルムに物理的な損傷を与えず、接触抵抗を最小化させ、伝導性フィルムの機能低下を防止する効果を提供する。
【0024】
また、本発明の望ましい実施形態のように、上部ハウジングに設けられた第1ガスケットと、下部ハウジングに設けられた第2ガスケットとが互いに加圧接触されるように組み立てられる場合には、上部ハウジングと下部ハウジングとの結合部位において、水漏れの可能性が顕著に低下する効果を提供する。
【0025】
また、本発明の望ましい実施形態のように、上部ハウジングに結合される電気ケーブルと、前記上部ハウジングとの間に、硬質素材の防水カバーがOリングと共に設置された場合には、電線と上部ハウジングとの結合部位において、水漏れが発生することを防止する効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来のフィルムターミナル端子の問題点について説明するための図面である。
【
図2】本発明の第1実施形態によるフィルムターミナル端子の斜視図である。
【
図3】
図2に図示されたフィルムターミナル端子の分離斜視図である。
【
図4】
図2に図示されたIV-IV線断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態によるターミナル端子の構造を示す図面である。
【
図6】本発明の第3実施形態によるターミナル端子の構造を示す図面である。
【
図7】本発明の第4実施形態によるターミナル端子の構造を示す図面である。
【
図8】本発明の第5実施形態によるターミナル端子の構造を示す図面である。
【
図9】伝導性フィルムの断面構造を示す図面である。
【
図10】
図9に図示された伝導性フィルムの立体構造を示す図面である。
【
図11】本発明の第6実施形態によるターミナル端子と伝導性フィルムとの配置構造を示す図面である。
【
図12】本発明の第7実施形態によるターミナル端子の伝導性フィルムの配置構造を示す図面である。
【
図13】本発明の他の実施形態であり、上部ハウジングの上面に電気ケーブルが連結された構造を示す図面である。
【
図14】本発明によるフィルムコネクタ装置を含む化学物質漏れ感知システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明による望ましい実施形態について、添付図面を参照し、さらに詳細に説明する。
【0028】
図2は、本発明の第1実施形態によるフィルムターミナル端子の斜視図である。
図3は、
図2に図示されたフィルムターミナル端子の分離斜視図である。
図4は、
図2に図示されたIV-IV線断面図である。
図5は、本発明の第2実施形態によるターミナル端子の構造を示す図面である。
図6は、本発明の第3実施形態によるターミナル端子の構造を示す図面である。
図7は、本発明の第4実施形態によるターミナル端子の構造を示す図面である。
図8は、本発明の第5実施形態によるターミナル端子の構造を示す図面である。
図9は、伝導性フィルムの断面構造を示す図面である。
図10は、
図9に図示された伝導性フィルムの立体構造を示す図面である。
図11は、本発明の第6実施形態によるターミナル端子と伝導性フィルムとの配置構造を示す図面である。
図12は、本発明の第7実施形態によるターミナル端子の伝導性フィルムの配置構造を示す図面である。
図13は、本発明の他の実施形態であり、上部ハウジングの上面に電気ケーブルが連結された構造を示す図面である。
図14は、本発明によるフィルムコネクタ装置を含む化学物質漏れ感知システムの構成図である。
【0029】
図2ないし
図14を参照すれば、本発明の第1実施形態によるフィルムコネクタ装置10は、上部ハウジング20と、ターミナル端子30と、下部ハウジング40と、第1ガスケット60と、第2ガスケット70と、防水カバー80と、加圧部材90とを含む。
【0030】
前記上部ハウジング20は、合成樹脂からも製造される。前記上部ハウジング20は、透明な素材によっても製造される。前記上部ハウジング20は、下方が開放された構造物である。前記上部ハウジング20には、外部に連結された電気ケーブル50が設置される。前記上部ハウジング20の下面フランジには、第1溝部24が具備される。前記第1溝部24は、前記上部ハウジング20のフランジに沿って、リング状に形成された凹状溝部である。前記第1溝部24には、第1ガスケット60が装着される。前記第1ガスケット60の縦断面は、円形、四角形などにも構成される。前記第1ガスケット60は、ゴムやシリコン樹脂によっても製造される。前記第1ガスケット60は、金型により、前記第1溝部24の形状に合うようにも製造される。前記電気ケーブル50は、前記上部ハウジング20の側面にも結合される。一方、前記電気ケーブル50は、前記上部ハウジング20の上面にも結合される。
【0031】
前記伝導性フィルム100は、
図9及び
図10に図示されているように、柔軟性があるフィルム状のベース基板102の一面に、伝導性物質が含まれた反応物質104が塗布され、その反応物質104に、前記ベース基板102に粘着させる粘着剤105と、保護基板107が順次に塗布された構造物である。前記粘着剤105と保護基板107は、ラインに沿って、一定間隔で通孔を形成し、前記反応物質104が外部に露出された状態になるようにする。前記反応物質104に、水漏れまたは液漏れが接触すれば、化学反応が起こり、前記反応物質104の抵抗が変化する。
【0032】
前記ターミナル端子30は、前記上部ハウジング20の内部に設けられる。前記ターミナル端子30は、前記電気ケーブル50と電気的に連結される電気端子である。前記ターミナル端子30は、前記上部ハウジング20に固定される。例えば、前記ターミナル端子30は、前記上部ハウジング20に接着剤によっても固定される。
【0033】
前記下部ハウジング40は、前記上部ハウジング20の開放された部位を覆うように、前記上部ハウジング20に結合される。前記下部ハウジング40は、フィルム結合部44を具備する。前記フィルム結合部44は、伝導性フィルム100が、前記下部ハウジング40の側方から結合されるように設けられる。前記フィルム結合部44の境界は、テーパ状にも構成される。前記フィルム結合部44は、伝導性フィルム100の端部が、後述するターミナル端子30と電気的に連結されるように、一定位置に配置されるようにガイドする役割を行う。
【0034】
前記下部ハウジング40は、ボルトやスクリューのような手段により、前記上部ハウジング20に固定される。前記下部ハウジング40の上面フランジには、第2溝部42が具備される。前記第2溝部42は、前記下部ハウジング40の上面フランジに沿って、リング状に形成される。前記第2溝部42には、第2ガスケット70が装着される。前記第2ガスケット70は、前述の第1ガスケット60と同一素材によっても製造される。
【0035】
前記第1ガスケット60と前記第2ガスケット70は、互いに加圧接触されるように組み立てられる。すなわち、前記上部ハウジング20と前記下部ハウジング40とが結合された状態で、前記第1ガスケット60と前記第2ガスケット70は、互いに加圧接触されるように組み立てられることにより、気密性を向上させることができる。
【0036】
前記ターミナル端子30は、前記伝導性フィルム100に加圧される方向に、弾性変形自在に、弾性変形構造物32を含む。前記弾性変形構造物32は、電気伝導性にすぐれる銀(Ag)からも構成される。前記弾性変形構造物32は、例えば、
図4に図示されているように、面ファスナーのフック(hook)構造によっても構成される。前記フック構造物は、接着のための面ファスナーフックの中間部位が切断された構造物と異なり、切断されていないフック構造物によって構成されることが望ましい。前記弾性変形構造物32は、前記伝導性フィルム100と電気的に連結される過程において、加圧されて弾性変形が起こるので、前記伝導性フィルム100の表面損傷を最小化させることができる効果を提供する。それにより、前記伝導性フィルム100の接触抵抗が増大しないので、前記伝導性フィルム100の機能が低下しないという長所がある。
【0037】
図5ないし
図8には、第2実施形態ないし第5実施形態による弾性変形構造物32の構造が例示的に図示される。前記弾性変形構造物32は、
図5に図示されているように、面ファスナーループ(loop)構造によっても形成される。面ファスナーループ構造物は、面ファスナーフック構造物に比べ、伝導性フィルム100の表面損傷をさらに低減させることができる。前記弾性変形構造物32は、面ファスナーループ構造以外にも、不織布、フェルトの(felt)生地構造によっても構成される。そのように、前記弾性変形構造物32が無秩序な微細なフィラメント纎維によっても構成される。一方、前記弾性変形構造物32は、
図6に図示されているように、コイルスプリング構造によっても構成される。一方、前記弾性変形構造物32は、
図7に図示されているように、蹄鉄(horse shoe)状の構造によっても構成される。前記弾性変形構造物32は、前記伝導性フィルム100と面接触されるスプリング構造物によっても構成されるし、
図8には、曲げ弾性変形が容易になされるように形成された棒状のスプリング構造物が例示されている。
【0038】
前記防水カバー80は、前記電気ケーブル50と、前記上部ハウジング20との間に設置される。前記防水カバー80は、伸縮性がある電気ケーブル50を一定形態に固定する構造物である。それにより、前記防水カバー80は、硬質素材からなる。前記防水カバー80には、Oリング85が設けられることにより、前記防水カバー80と前記上部ハウジング20との間に密封性が維持される。前記防水カバー80には、電気ケーブル50が圧縮された形態で挿入されるので、防水カバー80と前記電気ケーブル50との間にも、密封性が良好に維持される。
【0039】
一方、前記防水カバー80に設けられるものの、Oリング85を加圧するように、前記防水カバー80に螺合されるナット状の加圧部材90を含んでもよい。前記加圧部材90は、Oリング85を、前記上部ハウジング20に加圧されるように、前記防水カバー80に螺合される。Oリング85は、前記防水カバー80に複数結合されもする。
【0040】
一方、
図11に図示された第6実施形態のように、点状の液漏れを感知することができるポイント型の、伝導性フィルムが結合されたフィルムコネクタ装置10には、ターミナル端子30が互いに平行に1対具備される。
図11において、伝導性フィルム100は、U字形に構成される。前記伝導性フィルム100の両端部は、前記1対のターミナル端子30にそれぞれ電気的に連結される。その場合、前記フィルムコネクタ装置10を構成する上部ハウジング20と下部ハウジング40は、内部に貫通孔を具備し、その貫通孔を介して、前記伝導性フィルム100が外部に露出された状態に維持される。
【0041】
一方、
図12に図示された第7実施形態において、フィルムコネクタ装置10は、ターミナル端子30が互いに対向するように、1対が具備される。
図12において、伝導性フィルム100は、直線状に構成される。前記伝導性フィルム100は、前記1対のターミナル端子30に、各端部が電気的に連結される。その場合、前記フィルムコネクタ装置10を構成する上部ハウジング20と下部ハウジング40は、内部に貫通孔を具備し、その貫通孔を介して、前記伝導性フィルム100が外部に露出された状態に維持される。
【0042】
一方、前記電気ケーブル50は、前記上部ハウジング20の側面にも結合される。前記電気ケーブル50が、前記上部ハウジング20の側面に結合された場合には、前記伝導性フィルム100が長く配置され、両端部に、前記フィルムコネクタ装置10が設けられる。
【0043】
一方、
図13に図示されているように、前記電気ケーブル50は、前記上部ハウジング20の上面にも結合される。前記電気ケーブル50が、前記上部ハウジング20の上面に結合されたフィルムコネクタ装置10は、特定部位に限定して液漏れの有無を検出するポイント型の、伝導性フィルムが結合されたフィルムコネクタ装置10にも適用される。
【0044】
以下では、前述のような構成要素を含むフィルムコネクタ装置10と伝導性フィルム100とを結合する過程について説明する。
【0045】
まず、上部ハウジング20と下部ハウジング40とが分離された状態から敍述を始める。前記上部ハウジング20に電気ケーブル50を設ける。前記電気ケーブル50は、防水カバー80とOリング85とを介して、気密性が維持されるように、前記上部ハウジング20にも結合される。さらに具体的には、前記電気ケーブル50と前記防水カバー80とを組み立てる。前記防水カバー80にOリング85を結合する。前記電気ケーブル50が組み立てられた防水カバー80を、前記上部ハウジング20に嵌め込む。前記防水カバー80に加圧部材90を螺合する。前記防水カバー80は、螺合されながら、前記Oリング85を加圧し、前記上部ハウジング20と前記防水カバー80との密封を維持する。
【0046】
ここで、前記ターミナル端子30と前記電気ケーブル50とを電気的に連結する。前記ターミナル端子30と前記電気ケーブル50は、例えば、半田付けによって電気的にも連結される。一方、ターミナル端子30と電気ケーブル50は、ソケット状にも電気的連結が可能である。上部ハウジング20に第1ガスケット60を装着する。
【0047】
前記フィルム結合部44に伝導性フィルム100をスライディングさせ、仮組み立てを行う。下部ハウジング40に上部ハウジング20を結合する。この過程において、前記下部ハウジング40には、第2ガスケット70をまず装着する。前記下部ハウジング40が伝導性フィルム100を加圧することにより、伝導性フィルム100とターミナル端子30は、互いに加圧接触される。この過程において、ターミナル端子30に具備された弾性変形構造物32が加圧される方向に弾性変形が起こることにより、伝導性フィルム100の表面が損傷されずに、電気的に連結される。下部ハウジング40と上部ハウジング20とを、ボルトやスクリューを介して堅固に固定する。この過程において、第1ガスケット60と第2ガスケット70は、互いに接触された状態で加圧され、下部ハウジング40と上部ハウジング20との密封性が維持される。また、前記第1ガスケット60と前記第2ガスケット70は、フィルム結合部44に設けられた伝導性フィルム100の上面と下面とをサンドイッチ状に加圧支持するので、伝導性フィルム100と、上部ハウジング20及び下部ハウジング40との密封性が良好に維持される。
【0048】
前述のように、本発明によるフィルムコネクタ装置は、上部ハウジングに設けられたターミナル端子が、伝導性フィルムと電気的に接触される過程において、前記ターミナル端子が、伝導性フィルムに加圧される方向に、弾性変形自在に、弾性変形構造物を含んでおり、伝導性フィルムに物理的な損傷を与えず、接触抵抗を最小化させ、伝導性フィルムの機能低下を防止する効果を提供する。
【0049】
また、本発明の望ましい実施形態のように、上部ハウジングに設けられた第1ガスケットと、下部ハウジングに設けられた第2ガスケットとが互いに加圧接触されるように組み立てられる場合には、上部ハウジングと下部ハウジングとの結合部位において、水漏れの可能性が顕著に低下する効果を提供する。
【0050】
また、本発明の望ましい実施形態のように、上部ハウジングに結合される電気ケーブルと、前記上部ハウジングとの間に、硬質素材の防水カバーがOリングと共に設けられた場合には、電線と上部ハウジングとの結合部位において、水漏れ発生を防止する効果を提供する。
【0051】
図14は、前述のようなフィルムコネクタ装置を採用した化学物質漏れ感知センサシステムの構成図である。フィルムコネクタ装置10に、伝導性フィルム100が電気的に連結され、前記フィルムコネクタ装置10は、制御モジュール200に電気ケーブル50で連結されることにより、1つのセンサシステムが構成される。前記制御モジュール200は、伝導性フィルム100に液漏れが接触する場合に発生する抵抗の変化を感知し、化学物質が漏れたという信号を発する。前記制御モジュール200は、伝導性フィルム100が複数配置される場合、複数具備されもする。前記制御モジュール200は、遠隔地サーバ(図示せず)に無線または有線でデータを伝送するようにも構成される。
【0052】
以上、望ましい実施形態を挙げ、本発明について説明したが、本発明は、そのような例によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想を外れない範疇内において、多様な実施形態が具体化されるのである。
【符号の説明】
【0053】
10 フィルムコネクタ装置
20 上部ハウジング
24 第1溝部
30 ターミナル端子
32 弾性変形構造物
40 下部ハウジング
42 第2溝部
44 フィルム結合部
50 電気ケーブル
60 第1ガスケット
70 第2ガスケット
80 防水カバー
85 Oリング
90 加圧部材
100 伝導性フィルム
102 ベース基板
104 反応物質
105 粘着剤
107 保護基板