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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 57/26 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
A01D57/26
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020107950
(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公開番号】P2022002482
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】足立 純
(72)【発明者】
【氏名】木村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】井上 魁星
(72)【発明者】
【氏名】松林 智也
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】実公平06-047233(JP,Y2)
【文献】特開2013-074804(JP,A)
【文献】実開昭60-190224(JP,U)
【文献】特開2014-124161(JP,A)
【文献】特開2017-148000(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108575269(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 63/00 - 63/12
A01D 57/00 - 57/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫装置を備えると共に圃場において収穫作業を行う収穫機であって、
前記収穫装置は、刈取穀稈を受け入れる収穫フレームと、前記収穫フレームに支持されると共に収穫幅方向に延びる刈刃と、を備え、
前記収穫フレームは、左右の側壁と、前記収穫フレームの後端部に位置すると共に前記左右の側壁に亘る後壁と、を有しており、
前記左右の側壁のうちの少なくとも何れか一方に、前記刈刃により刈り取られた刈取穀稈を案内するガイド部が取り付けられており、
前記ガイド部は、前記刈刃よりも後側に位置すると共に、後側ほど収穫幅方向中央側に位置する状態で延びており、
前記ガイド部は、前記側壁と前記後壁とに亘る状態で設けられており、
前記収穫装置により収穫された刈取穀稈を後方へ搬送する搬送部を備え、
前記搬送部の前端部は前記後壁に接続されており、
前記ガイド部の後端は、左右方向において、前記搬送部の左端と右端との間に位置している収穫機
【請求項2】
回転駆動しながら植立穀稈を掻き込むリールと、
前記リールを昇降させるリールシリンダと、を備え、
前記ガイド部の前端は、前記リールシリンダよりも前側に位置している請求項1に記載の収穫機
【請求項3】
前記ガイド部は、側面視において前記側壁の上部に重複する位置に設けられている請求項1または2に記載の収穫機
【請求項4】
前記ガイド部は、棒状である請求項1からの何れか一項に記載の収穫機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫装置を備えると共に圃場において収穫作業を行う収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような収穫装置として、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この収穫装置(特許文献1では「刈取部」)は、収穫フレーム(特許文献1では「刈取フレーム」)と、収穫フレームに支持された刈刃(特許文献1では「切断装置」)と、を備えている。
【0003】
そして、収穫フレームは、刈刃によって切断された刈取穀稈を受け入れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-180319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の収穫装置において、収穫フレームの左右の側壁の近傍に位置する起立姿勢の刈取穀稈の上部が収穫幅方向外側へ倒れると、その刈取穀稈の上部は、収穫フレームの側壁を乗り越えて、収穫フレームから収穫幅方向外側へはみ出した状態となる。
【0006】
そして、このような刈取穀稈は、収穫フレームからこぼれ落ちやすい。その結果、収穫ロスが生じる。
【0007】
本発明の目的は、収穫ロスが生じにくい収穫機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、収穫装置を備えると共に圃場において収穫作業を行う収穫機であって、前記収穫装置は、刈取穀稈を受け入れる収穫フレームと、前記収穫フレームに支持されると共に収穫幅方向に延びる刈刃と、を備え、前記収穫フレームは、左右の側壁と、前記収穫フレームの後端部に位置すると共に前記左右の側壁に亘る後壁と、を有しており、前記左右の側壁のうちの少なくとも何れか一方に、前記刈刃により刈り取られた刈取穀稈を案内するガイド部が取り付けられており、前記ガイド部は、前記刈刃よりも後側に位置すると共に、後側ほど収穫幅方向中央側に位置する状態で延びており、前記ガイド部は、前記側壁と前記後壁とに亘る状態で設けられており、前記収穫装置により収穫された刈取穀稈を後方へ搬送する搬送部を備え、前記搬送部の前端部は前記後壁に接続されており、前記ガイド部の後端は、左右方向において、前記搬送部の左端と右端との間に位置していることにある。
【0009】
本発明であれば、刈取穀稈は、ガイド部により、収穫幅方向中央側へ案内される。これにより、刈取穀稈が収穫フレームから収穫幅方向外側へはみ出した状態となることを回避しやすい。また、収穫フレームから収穫幅方向外側へはみ出した状態の刈取穀稈は、ガイド部の案内作用を受けることにより、収穫フレームの内側に収まった状態になりやすい。その結果、収穫ロスが生じにくい。
【0010】
即ち、本発明であれば、収穫ロスが生じにくい収穫機を実現できる。
また、この構成によれば、ガイド部が後壁に届かない程度に短く構成されている場合に比べて、ガイド部の後端が収穫幅方向でより中央側に位置しやすい。これにより、刈取穀稈が、ガイド部によって収穫幅方向中央側へ確実に案内される。これにより、刈取穀稈が収穫フレームから収穫幅方向外側へはみ出した状態となることを、より確実に回避しやすい。また、収穫フレームから収穫幅方向外側へはみ出した状態の刈取穀稈は、ガイド部の案内作用を受けることにより、より確実に、収穫フレームの内側に収まった状態になりやすい。
【0011】
さらに、本発明において、回転駆動しながら植立穀稈を掻き込むリールと、前記リールを昇降させるリールシリンダと、を備え、前記ガイド部の前端は、前記リールシリンダよりも前側に位置していると好適である。
【0012】
ガイド部の前端がリールシリンダよりも後側に位置している場合、収穫フレームから収穫幅方向外側へはみ出した状態の刈取穀稈がリールシリンダに引っかかりがちである。そして、リールシリンダに引っかかった刈取穀稈は、ガイド部により案内されることなく、収穫フレームからこぼれ落ちやすい。
【0013】
ここで、上記の構成によれば、ガイド部の前端がリールシリンダよりも前側に位置している。そのため、収穫フレームに受け入れられた刈取穀稈は、前後方向におけるリールシリンダの位置へ到達する前に、ガイド部による案内作用を受けることとなる。これにより、刈取穀稈は、リールシリンダに接触しにくくなる。従って、刈取穀稈がリールシリンダに引っかかる事態を回避しやすい収穫機を実現できる。
【0014】
さらに、本発明において、前記ガイド部は、側面視において前記側壁の上部に重複する位置に設けられていると好適である。
【0015】
この構成によれば、ガイド部は、比較的高い位置に設けられることとなる。そのため、ガイド部は、刈取穀稈の上部に作用しやすい。これにより、ガイド部が刈取穀稈の下部に作用する場合に比べて、刈取穀稈を効果的に案内しやすい。
【0016】
【0017】
【0018】
さらに、本発明において、前記ガイド部は、棒状であると好適である。
【0019】
ガイド部が板状である場合、ガイド部の縁部が刈取穀稈に作用することにより、刈取穀稈が損傷する事態が想定される。
【0020】
ここで、上記の構成によれば、ガイド部は棒状である。そのため、ガイド部が板状である場合に比べて、ガイド部の作用により刈取穀稈が損傷することを回避しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】コンバインの左側面図である。
図2】収穫装置の構成を示す平面図である。
図3】収穫装置の構成を示す正面図である。
図4】収穫装置の構成を示す斜視図である。
図5】横送り部材の構成を示す平面図である。
図6図5のVI-VI断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、図1図2図5図6に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、図2図3図5に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図1図3図6に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0023】
〔コンバインの全体構成〕
図1に示すように、普通型のコンバイン1(本発明に係る「収穫機」に相当)は、収穫装置H、クローラ式の走行装置11、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14、搬送部16、穀粒排出装置18、エンジンEを備えている。
【0024】
走行装置11は、コンバイン1における下部に備えられている。また、走行装置11は、エンジンEからの動力によって駆動する。そして、コンバイン1は、走行装置11によって自走可能である。
【0025】
また、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14は、走行装置11の上側に備えられている。運転部12には、コンバイン1の作業を監視するオペレータが搭乗可能である。尚、オペレータは、コンバイン1の機外からコンバイン1の作業を監視していても良い。
【0026】
穀粒排出装置18は、穀粒タンク14の上側に設けられている。収穫装置Hは、コンバイン1における前部に備えられている。そして、搬送部16は、収穫装置Hの後側に設けられている。また、収穫装置Hは、刈刃15及びリール17を含んでいる。
【0027】
刈刃15は、圃場の植立穀稈を刈り取る。また、リール17は、機体左右方向に沿うリール軸芯17b周りに回転駆動しながら収穫対象の植立穀稈を掻き込む。刈刃15により刈り取られた刈取穀稈K(図4参照)は、搬送部16へ送られる。
【0028】
即ち、収穫装置Hは、回転駆動しながら植立穀稈を掻き込むリール17を備えている。
【0029】
この構成により、収穫装置Hは、圃場の穀物を収穫する。そして、コンバイン1は、刈刃15によって圃場の植立穀稈を刈り取りながら走行装置11によって走行する刈取走行が可能である。
【0030】
収穫装置Hにより収穫された刈取穀稈Kは、搬送部16によって機体後方へ搬送される。これにより、刈取穀稈Kは脱穀装置13へ搬送される。
【0031】
脱穀装置13において、刈取穀稈Kは脱穀処理される。脱穀処理により得られた穀粒は、穀粒タンク14に貯留される。穀粒タンク14に貯留された穀粒は、必要に応じて、穀粒排出装置18によって機外に排出される。
【0032】
ここで、収穫装置Hは、圃場において収穫作業を行うコンバイン1に設けられる。以下では、収穫装置Hの構成について詳述する。
【0033】
〔収穫装置の構成〕
図1から図3に示すように、収穫装置Hは、収穫フレーム20を備えている。収穫フレーム20は、刈刃15により刈り取られた刈取穀稈Kを受け入れるように構成されている。
【0034】
即ち、収穫装置Hは、刈取穀稈Kを受け入れる収穫フレーム20を備えている。
【0035】
収穫フレーム20は、左右の側壁21と、後壁22と、底板23と、を有している。後壁22は、収穫フレーム20の後端部に位置すると共に、左右の側壁21に亘る状態で設けられている。
【0036】
即ち、収穫フレーム20は、左右の側壁21と、収穫フレーム20の後端部に位置すると共に左右の側壁21に亘る後壁22と、を有している。
【0037】
底板23は、収穫フレーム20の下部に位置している。また、底板23は、左右の側壁21に亘る状態で設けられている。
【0038】
また、左右の側壁21の上部に、伸縮可能なリールシリンダ17Aが支持されている。リールシリンダ17Aが伸び方向に制御されると、リール17は、収穫フレーム20に対して上昇する。
【0039】
また、リールシリンダ17Aが縮み方向に制御されると、リール17は、収穫フレーム20に対して下降する。
【0040】
この構成により、図1に示すように、リール17は、収穫フレーム20に対して昇降可能である。即ち、収穫装置Hは、リール17を昇降させるリールシリンダ17Aを備えている。
【0041】
また、図2及び図3に示すように、刈刃15は、底板23に支持されている。また、刈刃15は、左右方向に延びている。尚、本実施形態において、収穫装置Hの収穫幅方向は、左右方向である。
【0042】
即ち、収穫装置Hは、収穫フレーム20に支持されると共に収穫幅方向に延びる刈刃15を備えている。
【0043】
刈刃15は、固定刃30及び可動刃31を有している。固定刃30は、前方に突出する状態で設けられている。固定刃30は、底板23に支持されている。また、可動刃31は、可動刃駆動機構(図示せず)から伝達される駆動力により、機体左右方向に往復運動する。これにより、可動刃31は、固定刃30に対して機体左右方向に往復運動する。そして、刈刃15は、固定刃30及び可動刃31によって、植立穀稈を切断する。
【0044】
ここで、図2における線Pは、収穫フレーム20の機体左右方向での中央位置を示している。搬送部16は、線Pよりも左側に位置している。即ち、搬送部16は、収穫フレーム20の機体左右方向での中央位置に対して左側に偏倚した位置に配置されている。そして、搬送部16の前端部は、後壁22に連通接続されている。
【0045】
また、収穫装置Hは、オーガ40を備えている。オーガ40は、オーガ軸芯40b回りに回転駆動する。オーガ軸芯40bは、機体左右方向に沿っている。
【0046】
図2及び図3に示すように、オーガ40は、第1スクリュー体41、第2スクリュー体42、掻込爪43を有している。第1スクリュー体41及び第2スクリュー体42は、螺旋状に形成されている。また、掻込爪43は、棒状であり、オーガ40の径方向外側へ向かって突出している。
【0047】
掻込爪43は、搬送部16の前端部に対向する位置に設けられている。また、第1スクリュー体41は、掻込爪43よりも右側に設けられている。また、第2スクリュー体42は、掻込爪43よりも左側に設けられている。
【0048】
オーガ40が回転駆動することに伴い、第1スクリュー体41は、収穫フレーム20に受け入れられた刈取穀稈Kを左方へ搬送する。これと同時に、第2スクリュー体42は、収穫フレーム20に受け入れられた刈取穀稈Kを右方へ搬送する。そして、掻込爪43は、刈取穀稈Kを機体後方へ掻き込む。
【0049】
また、図2及び図3に示すように、収穫装置Hは、前方へ突出する左右のデバイダ50を備えている。左のデバイダ50は、左の側壁21の前端部に支持されている。また、右のデバイダ50は、右の側壁21の前端部に支持されている。
【0050】
〔ガイド部の構成〕
図2及び図3に示すように、収穫装置Hは、ガイド部6を備えている。ガイド部6は、棒状である。また、図2に示すように、ガイド部6は、刈刃15よりも後側に位置している。
【0051】
本実施形態において、ガイド部6は、左の側壁21に取り付けられている。そして、ガイド部6は、左の側壁21と後壁22とに亘る状態で設けられている。そして、ガイド部6は、後側ほど右側に位置する状態で延びている。即ち、ガイド部6は、後側ほど収穫幅方向中央側に位置する状態で延びている。
【0052】
即ち、ガイド部6は、刈刃15よりも後側に位置すると共に、後側ほど収穫幅方向中央側に位置する状態で延びている。
【0053】
また、右の側壁21には、ガイド部6が取り付けられていない。
【0054】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、右の側壁21にガイド部6が取り付けられると共に、このガイド部6が、右の側壁21と後壁22とに亘る状態で設けられていても良い。この場合、左の側壁21には、ガイド部6が取り付けられていても良いし、取り付けられていなくても良い。
【0055】
即ち、ガイド部6は、側壁21と後壁22とに亘る状態で設けられている。
【0056】
そして、図4に示すように、ガイド部6は、収穫フレーム20における左端部に位置する刈取穀稈Kを、右側へ案内する。
【0057】
即ち、左右の側壁21のうちの少なくとも何れか一方に、刈刃15により刈り取られた刈取穀稈Kを案内するガイド部6が取り付けられている。
【0058】
また、図2に示すように、ガイド部6の前端は、リールシリンダ17Aよりも前側に位置している。また、図1に示すように、ガイド部6は、側面視において側壁21の上部に重複する位置に設けられている。
【0059】
尚、本実施形態において、ガイド部6は直線状に延びている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ガイド部6は、折れ曲がっていても良いし、なめらかに湾曲していても良い。
【0060】
〔横送り部材の構成〕
図2及び図5に示すように、収穫装置Hは、左右の横送り部材70を備えている。左右の横送り部材70は、可動刃31に固定されている。これにより、左右の横送り部材70は、可動刃31と共に機体左右方向に往復運動する。また、図6に示すように、各横送り部材70は、可動刃31から後上方へ延びる状態で設けられている。
【0061】
図2に示すように、左の横送り部材70の左右方向での長さは、右の横送り部材70の左右方向での長さよりも短い。そして、左の横送り部材70は、搬送部16に対して左側に偏倚した位置に配置されている。また、右の横送り部材70は、搬送部16に対して右側に偏倚した位置に配置されている。
【0062】
以上の構成により、左の横送り部材70は、機体左右方向に往復運動しながら刈取穀稈Kを右方へ搬送する。また、右の横送り部材70は、機体左右方向に往復運動しながら刈取穀稈Kを左方へ搬送する。
【0063】
ここで、図5及び図6に示すように、各横送り部材70は、複数の支持部71、及び、穀稈作用部72を有している。図6に示すように、支持部71と穀稈作用部72とは、第1ボルトナットb1によって互いに締結されている。また、支持部71は、第2ボルトナットb2により、可動刃31の上面に固定されている。
【0064】
尚、図6に示すように、底板23の前端部に、刈刃支持部51が固定されている。そして、刈刃支持部51に、固定刃30が固定されている。
【0065】
また、穀稈作用部72は、複数の突出部72aを有している。図2に示すように、左の横送り部材70において、複数の突出部72aは、右後方へ向かって延びている。また、右の横送り部材70において、複数の突出部72aは、左後方へ向かって延びている。
【0066】
ここで、図6に示した第1ボルトナットb1は、着脱可能に構成されている。そして、第1ボルトナットb1の締結を解除することにより、支持部71と穀稈作用部72とを互いに分離することができる。そして、図5に示すように、穀稈作用部72を裏返した状態で、再び、第1ボルトナットb1によって支持部71と穀稈作用部72とを締結することにより、複数の突出部72aの延びる方向が、左右方向で逆転する。
【0067】
即ち、左の横送り部材70における穀稈作用部72を裏返すことにより、左の横送り部材70における複数の突出部72aは、左後方へ向かって延びる状態となる。また、右の横送り部材70における穀稈作用部72を裏返すことにより、右の横送り部材70における複数の突出部72aは、右後方へ向かって延びる状態となる。
【0068】
ここで、図5には、基準線Qが示されている。基準線Qは、穀稈作用部72における左右のボルト孔72bの中央位置を示す線である。言い換えれば、基準線Qは、左右のボルト孔72bから等距離に位置する線である。複数の突出部72aの配置は、基準線Qに対して左右対称である。これにより、穀稈作用部72を裏返した際に、複数の突出部72aの延びる方向は左右方向で逆転するが、複数の突出部72aの配置は変化しない。尚、ボルト孔72bには、第1ボルトナットb1のボルトが挿入される。
【0069】
例えば、図5に示すように、左の穀稈作用部72は、3つの突出部72aを有している。そして、3つの突出部72aのうち、中央の突出部72aは、基準線Qの位置に設けられている。また、3つの突出部72aのうちの左側の突出部72aから基準線Qまでの距離と、3つの突出部72aのうちの右側の突出部72aから基準線Qまでの距離と、は互いに等しい。
【0070】
以上で説明した構成であれば、刈取穀稈Kは、ガイド部6により、収穫幅方向中央側へ案内される。これにより、刈取穀稈Kが収穫フレーム20から収穫幅方向外側へはみ出した状態となることを回避しやすい。また、収穫フレーム20から収穫幅方向外側へはみ出した状態の刈取穀稈Kは、ガイド部6の案内作用を受けることにより、収穫フレーム20の内側に収まった状態になりやすい。その結果、収穫ロスが生じにくい。
【0071】
即ち、以上で説明した構成であれば、収穫ロスが生じにくい収穫装置Hを実現できる。
【0072】
〔その他の実施形態〕
(1)走行装置11は、ホイール式であっても良いし、セミクローラ式であっても良い。
【0073】
(2)ガイド部6は、棒状でなくても良い。例えば、ガイド部6は、板状であっても良い。
【0074】
(3)ガイド部6の前端は、リールシリンダ17Aよりも後側に位置していても良い。
【0075】
(4)リールシリンダ17Aは設けられていなくても良い。
【0076】
(5)ガイド部6は、側面視において側壁21の上部に重複しない位置に設けられていても良い。
【0077】
(6)ガイド部6は、後壁22に届かない程度に短く構成されていても良い。
【0078】
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、コンバインだけでなく、コンバイン以外の種々の収穫機にも利用可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 コンバイン(収穫機)
6 ガイド部
15 刈刃
16 搬送部
17 リール
17A リールシリンダ
20 収穫フレーム
21 側壁
22 後壁
H 収穫装置
K 刈取穀稈
図1
図2
図3
図4
図5
図6