(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20231108BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20231108BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231108BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20231108BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H01L29/78 657C
H01L29/78 653A
H01L29/78 652P
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/78 652Q
H01L29/78 657F
H01L29/78 658J
H01L27/06 102A
(21)【出願番号】P 2020152177
(22)【出願日】2020-09-10
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】井上 絵美子
(72)【発明者】
【氏名】西川 幸江
(72)【発明者】
【氏名】財満 康太郎
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-302977(JP,A)
【文献】特開2018-160488(JP,A)
【文献】国際公開第2019/208755(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/06
H01L 21/336
H01L 21/8234
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体部と、
前記半導体部の裏面上に設けられた第1電極と、
前記半導体部の表面側に設けられ、相互に離間した複数の第2電極と、
前記半導体部と前記複数の第2電極のそれぞれとの間に設けられ、前記半導体部から第1絶縁膜により電気的に絶縁され、前記複数の第2電極のそれぞれから第2絶縁膜により電気的に絶縁された制御電極と、
前記半導体部の前記表面側を覆い、前記複数の第2電極を露出させた複数の開口を有する樹脂層であって、前記複数の開口は、それぞれ、少なくとも4つの丸められた角を有する、樹脂層と、
前記半導体部と前記樹脂層との間に設けられ、前記半導体部の前記表面の中央に位置するセンサ素子と、
を備え、
前記半導体部は、前記第1電極と前記複数の第2電極との間に延在する第1導電形の第1半導体層と、前記第1半導体層と前記複数の第2電極との間にそれぞれ設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第2半導体層と前記複数の第2電極との間にそれぞれ設けられた第1導電形の第3半導体層と、を含み、
前記複数の第2電極は、それぞれ、前記第2半導体層および前記第3半導体層に電気的に接続され、
前記センサ素子は、前記樹脂層の前記複数の開口のうちの少なくとも3つの開口に囲まれた領域と前記半導体部との間に設けられ
、
前記樹脂層の前記領域は、前記複数の開口のうちの4つの開口に囲まれ、
前記領域は、前記4つの開口の丸められた角を含む外縁を有する半導体装置。
【請求項2】
前記樹脂層の前記領域は、前記複数の開口のうちの3つの開口に囲まれ、
前記領域は、前記3つの開口のうちの2つの開口の丸められた角と、残る1つの開口の一辺の一部と、を含む外縁を有する請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記樹脂層の前記領域の外縁に含まれる開口の角の曲率半径は、前記開口のそれ以外の角における曲率半径よりも大きい請求項1
または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体部と、
前記半導体部の裏面上に設けられた第1電極と、
前記半導体部の表面側に設けられ、相互に離間した複数の第2電極と、
前記半導体部と前記複数の第2電極のそれぞれとの間に設けられ、前記半導体部から第1絶縁膜により電気的に絶縁され、前記複数の第2電極のそれぞれから第2絶縁膜により電気的に絶縁された制御電極と、
前記半導体部の前記表面側を覆い、前記複数の第2電極を露出させた複数の開口を有する樹脂層であって、前記複数の開口は、それぞれ、少なくとも4つの丸められた角を有する、樹脂層と、
前記半導体部と前記樹脂層との間に設けられ、前記半導体部の前記表面の中央に位置するセンサ素子と、
を備え、
前記半導体部は、前記第1電極と前記複数の第2電極との間に延在する第1導電形の第1半導体層と、前記第1半導体層と前記複数の第2電極との間にそれぞれ設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第2半導体層と前記複数の第2電極との間にそれぞれ設けられた第1導電形の第3半導体層と、を含み、
前記複数の第2電極は、それぞれ、前記第2半導体層および前記第3半導体層に電気的に接続され、
前記センサ素子は、前記樹脂層の前記複数の開口のうちの少なくとも3つの開口に囲まれた領域と前記半導体部との間に設けられ
、
前記樹脂層の前記領域の外縁に含まれる開口の角の曲率半径は、前記開口のそれ以外の角における曲率半径よりも大きい半導体装置。
【請求項5】
前記複数の開口の前記丸められた角の曲率半径は、300マイクロメートル以上である請求項1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体部と、
前記半導体部の裏面上に設けられた第1電極と、
前記半導体部の表面側に設けられ、相互に離間した複数の第2電極と、
前記半導体部と前記複数の第2電極のそれぞれとの間に設けられ、前記半導体部から第1絶縁膜により電気的に絶縁され、前記複数の第2電極のそれぞれから第2絶縁膜により電気的に絶縁された制御電極と、
前記半導体部の前記表面側を覆い、前記複数の第2電極を露出させた複数の開口を有する樹脂層であって、前記複数の開口は、それぞれ、少なくとも4つの丸められた角を有する、樹脂層と、
前記半導体部と前記樹脂層との間に設けられ、前記半導体部の前記表面の中央に位置するセンサ素子と、
を備え、
前記半導体部は、前記第1電極と前記複数の第2電極との間に延在する第1導電形の第1半導体層と、前記第1半導体層と前記複数の第2電極との間にそれぞれ設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第2半導体層と前記複数の第2電極との間にそれぞれ設けられた第1導電形の第3半導体層と、を含み、
前記複数の第2電極は、それぞれ、前記第2半導体層および前記第3半導体層に電気的に接続され、
前記センサ素子は、前記樹脂層の前記複数の開口のうちの少なくとも3つの開口に囲まれた領域と前記半導体部との間に設けられ
、
前記複数の開口の前記丸められた角の曲率半径は、300マイクロメートル以上である半導体装置。
【請求項7】
前記半導体
部の前記表面に沿った方向における前記樹脂層の前記複数の開口の幅は、600マイクロメートル以上である請求項1~
6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体部と、
前記半導体部の裏面上に設けられた第1電極と、
前記半導体部の表面側に設けられ、相互に離間した複数の第2電極と、
前記半導体部と前記複数の第2電極のそれぞれとの間に設けられ、前記半導体部から第1絶縁膜により電気的に絶縁され、前記複数の第2電極のそれぞれから第2絶縁膜により電気的に絶縁された制御電極と、
前記半導体部の前記表面側を覆い、前記複数の第2電極を露出させた複数の開口を有する樹脂層であって、前記複数の開口は、それぞれ、少なくとも4つの丸められた角を有する、樹脂層と、
前記半導体部と前記樹脂層との間に設けられ、前記半導体部の前記表面の中央に位置するセンサ素子と、
を備え、
前記半導体部は、前記第1電極と前記複数の第2電極との間に延在する第1導電形の第1半導体層と、前記第1半導体層と前記複数の第2電極との間にそれぞれ設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第2半導体層と前記複数の第2電極との間にそれぞれ設けられた第1導電形の第3半導体層と、を含み、
前記複数の第2電極は、それぞれ、前記第2半導体層および前記第3半導体層に電気的に接続され、
前記センサ素子は、前記樹脂層の前記複数の開口のうちの少なくとも3つの開口に囲まれた領域と前記半導体部との間に設けられ
、
前記半導体
部の前記表面に沿った方向における前記樹脂層の前記複数の開口の幅は、600マイクロメートル以上である半導体装置。
【請求項9】
前記樹脂層の前記複数の開口は、4つの前記丸められた角を有する
方形の形状に設けられる請求項1~
8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタなどのスイッチング素子が設けられた半導体チップ上に温度センサを有する半導体装置がある。そのような温度センサは、スイッチング素子のレイアウトに適合し、チップ温度を正確に検出できる位置に設けられることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、温度センサを好適に配置した半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、半導体部と、前記半導体部の裏面上に設けられた第1電極と、前記半導体部の表面側に設けられ、相互に離間した複数の第2電極と、前記半導体部と前記複数の第2電極のそれぞれとの間に設けられた制御電極と、前記半導体部の前記表面側を覆い、前記複数の第2電極を露出させた複数の開口を有する樹脂層と、前記半導体部と前記樹脂層との間に設けられ、前記半導体部の前記表面の中央に位置するセンサ素子と、を備える。前記制御電極は、前記半導体部から第1絶縁膜により電気的に絶縁され、前記複数の第2電極のそれぞれから第2絶縁膜により電気的に絶縁される。前記半導体部は、前記第1電極と前記複数の第2電極との間に延在する第1導電形の第1半導体層と、前記第1半導体層と前記複数の第2電極との間にそれぞれ設けられた第2導電形の第2半導体層と、前記第2半導体層と前記複数の第2電極との間にそれぞれ設けられた第1導電形の第3半導体層と、を含む。前記複数の第2電極は、それぞれ、前記第2半導体層および前記第3半導体層に電気的に接続される。前記樹脂層の前記複数の開口は、それぞれが少なくとも4つの丸められた角を有する。前記センサ素子は、前記樹脂層の前記複数の開口のうちの少なくとも3つの開口に囲まれた領域と前記半導体部との間に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図2】第1実施形態に係る半導体装置を示す別の模式図である。
【
図3】第1実施形態に係る半導体装置を示すさらなる別の模式図である。
【
図4】第1実施形態の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図5】第1実施形態の別の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図6】第1実施形態のさらなる別の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図7】第2実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図8】第2実施形態の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図9】第2実施形態の別の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図10】第2実施形態のさらなる別の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図11】第3実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図12】第3実施形態の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図13】第3実施形態の別の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図14】第3実施形態のさらなる別の変形例に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図15】実施形態に係る半導体装置の特性を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
(第1実施形態)
図1(a)および(b)は、第1実施形態に係る半導体装置1Aを示す模式図である。
図1(a)は、
図1(b)中に示すA-A線に沿った断面図である。
図1(b)は、半導体装置1Aの上面を示す平面図である。
【0010】
半導体装置1Aは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。実施形態は、この例に限定される訳ではなく、例えば、MOSFETなどに適用可能である。他の実施例でも同様である。
【0011】
図1(a)に示すように、半導体装置1Aは、半導体部10と、第1電極20と、第2電極30と、制御電極40と、を含む。半導体部10は、例えば、シリコンである。第1電極20は、半導体部10の裏面上に設けられる。第2電極20は、半導体部10の表面側に設けられる。半導体部10は、第1電極20と第2電極30との間に設けられる。第1電極20は、例えば、コレクタであり、第2電極30は、例えば、エミッタである。第1電極20および第2電極30は、例えば、アルミニウムを含む金属層である。
【0012】
半導体部10は、第1導電形の第1半導体層11と、第2導電形の第2半導体層13と、第1導電形の第3半導体層15と、第2導電形の第4半導体層17と、第2導電形の第5半導体層19と、を含む。
【0013】
第1半導体層11は、第1電極20と第2電極30との間に延在する。第1半導体層11は、例えば、n形ベース層である。第2電極30は、複数設けられ(
図1(b)参照)、第1半導体層11は、第1電極20と複数の第2電極30との間に延在する。
【0014】
第2半導体層13は、第1半導体層11と第2電極30との間に設けられる。第2半導体層13は、例えば、p形ベース層である。第2半導体層13は、第2電極30に電気的に接続される。また、第2半導体層13は、複数設けられ、例えば、第1半導体層11と複数の第2電極30の間にそれぞれ設けられる。
【0015】
第3半導体層15は、第2半導体層と第2電極30との間に選択的に設けられる。第3半導体層15は、例えば、n形エミッタ層である。第2電極30は、第3半導体層15に電気的に接続される。
【0016】
第4半導体層17は、第1半導体層11と第2電極30との間において、第2半導体層13を囲むように設けられる。すなわち、第4半導体層17は、半導体部10の表面に沿って、第2半導体層13を囲む。第4半導体層17は、例えば、p形ガードリングである。第4半導体層17は、例えば、複数の第2半導体層13および制御電極40が設けられた領域を囲むように設けられる。
【0017】
この例では、第4半導体層17aと第4半導体層17bとが設けられる。第4半導体層17aは、第2半導体層13に接し、第4半導体層17bは、第4半導体層17aの外側に、第4半導体層17aから離間して設けられる。
【0018】
第5半導体層19は、第1半導体層11と第1電極20との間に設けられる。第5半導体層19は、例えば、p形コレクタ層である。第5半導体層19は、第1電極20に電気的に接続される。
【0019】
制御電極40は、半導体部10と第2電極30との間に設けられる。制御電極40は、半導体部10の表面側に設けられたトレンチGTの内部に設けられる。制御電極40は、例えば、ゲート電極である。制御電極40は、例えば、導電性を有するポリシリコンである。
【0020】
制御電極40は、半導体部10から絶縁膜43により電気的に絶縁され、第2電極30から絶縁膜45により電気的に絶縁される。絶縁膜43および絶縁膜45は、例えば、シリコン酸化膜である。制御電極40は、半導体部10中に延在し、絶縁膜43を介して、第1半導体層11および第2半導体層13に向き合うように設けられる。第3半導体層15は、第2半導体層13上に設けられ、絶縁膜43に接する。
【0021】
半導体装置1Aは、さらに、樹脂層50を含む。樹脂層50は、半導体部10の表面側を覆い、第2電極30の一部を露出させた開口を有する。樹脂層50は、例えば、ポリイミドである。
【0022】
図1(b)に示すように、半導体装置1Aは、複数の第2電極30A~30Cを有する。第2電極30A~30Cは、半導体部10の表面上に相互に離間して設けられる。また、半導体装置1Aは、センサ素子60、制御配線GI、センサ配線KIおよびAIをさらに備える。なお、
図1(b)では、樹脂層50を除いた、半導体装置1Aの表面を表している。
【0023】
センサ素子60は、第2電極30A~30Cに囲まれた領域に設けられる。センサ素子60は、例えば、温度センサである。半導体装置1Aでは、第1電極20から第2電極30A~30Cのそれぞれへ電流が流れる。センサ素子60は、第2電極30A、30Bおよび30Cに囲まれた位置に設けられる。すなわち、センサ素子60は、半導体部10の裏面から表面へ電流が流れる領域における表面側の中央に設けられる。これにより、半導体装置1Aの温度を正確に検出することができる。
【0024】
制御配線GIは、第2電極30A~30Cの外縁に沿って、それぞれを囲むように設けられる。センサ配線KIおよびAIは、第2電極30Bと第2電極30Cとの間のスペースに設けられ、センサ素子60に接続される。
【0025】
半導体装置1Aは、例えば、コンタクトパッドGP、AP、KP、SEおよびKEをさらに備える。コンタクトパッドGP、APおよびKPは、例えば、半導体部10の一辺に沿って並ぶ。コンタクトパッドGPは、制御配線GIに接続される。コンタクトパッドAPは、センサ配線AIに接続される。コンタクトパッドKPは、センサ配線KIに接続される。
【0026】
半導体装置1Aは、コンタクトパッドSEの下に設けられた電流センサ素子(図示しない)をさらに備える。電流センサ素子は、例えば、
図1(a)に示す断面と同じ構造を有する。コンタクトパッドSEは、例えば、電流センサ素子のエミッタ電極である。
【0027】
コンタクトパッドKEは、例えば、ケルビンエミッタ電極パッドである。コンタクトパッドKEは、例えば、第2電極30Cの一部である。コンタクトパッドKEは、例えば、コンタクトパッドSEと共に、外部の電流モニタ回路(図示しない)に電気的に接続される。
【0028】
図2(a)および(b)は、第1実施形態に係る半導体装置1Aを示す別の模式図である。
図2(a)は、樹脂層50の表面を示す平面図である。
図2(b)は、
図1(b)中に示すB-B線に沿った断面図である。
【0029】
図2(a)に示すように、樹脂層50は、開口50A~50Cを有する。開口50A~50Cには、第2電極30A~30Cのそれぞれの一部が露出される。開口50A~50Cは、例えば、丸められた角を有する方形状に設けられる。
【0030】
開口50Aは、それぞれの角において、曲率半径R1を有する。なお、開口50Aの4つの角における曲率半径R1は同じ値であっても良いし、それぞれ、異なる値であっても良い。以下、開口50Bおよび50Cの曲率半径R2、R3も同様である。
【0031】
開口50Aは、半導体部10の表面側を覆う樹脂層50を、例えば、ウェットエッチングにより選択的に除去することにより形成される。樹脂層50のZ方向の厚さは、例えば、10マイクロメートル(以下、μmと記載)以上である。このため、開口50Aの曲率半径R1が小さいと、開口内にエッチングの残渣が残り易い。また、開口50Aの短辺に沿った開口幅WAが狭いと、開口の内部に残渣が残る場合がある。
【0032】
図15(a)は、樹脂開口のコーナー部に残る残渣を示す模式平面図である。
図15(b)は、樹脂開口の中央に残る残渣を示す模式平面図である。
図15(c)は、開口の寸法と残渣の有無の関係を示す表である。
図15(c)中に示す寸法は、コーナー部の曲率半径RCおよび開口幅WLである。
【0033】
図15(c)に示すように、コーナー部の曲率半径RCが、20μmおよび100μmの時、
図15(a)に示すような残渣が残る。一方、曲率半径RCが300μmおよび600μmの時、コーナー部に残渣は生じない。すなわち、
図15(c)は、曲率半径RCが300μm以上であれば、コーナー部に残差が生じないことを示している。
【0034】
また、
図15(c)に示すように、開口幅WLが20μm、100μmおよび300μmの時、
図15(b)に示す残渣が開口内に生じる。一方、開口幅WLが600μmの時、開口内に残渣は生じない。すなわち、
図15(c)は、開口幅WLが600μm以上であれば、開口内に残渣が生じないことを表している。
【0035】
このように、開口50Aにおいて、曲率半径R1を、例えば、300μm以上とすることにより、コーナー部(角)にエッチング残渣を生じさせないことが可能となる。また、開口50Aにおいて、開口幅WAを600μm以上とすれば、エッチング残渣を生じさせないことが可能となる。開口50Aは、好ましくは、600μm以上の開口幅WAを有し、各角における曲率半径R1が300μm以上となるように設けられる。また、他の開口50Bおよび50Cにおいても同様である。
【0036】
図15(d)は、センサ配置の別の例を示している。この例では、センサの配置領域を覆う樹脂層は、センサを囲む各開口のコーナー部において、開口側に突き出るように設けられる。これにより、開口間にセンサを配置するスペースを確保することができる。しかしながら、各開口を形成するために樹脂層を選択的にエッチングする過程において、開口側に突き出た部分の先端が意図しない形状にエッチンされることがある。このような開口のエッチング異常は、形状不良と判定され、製造歩留りを低下させる要因となる。本実施形態では、各開口が丸められた角を有するため、このような形状不良が発生せず、製造歩留りを向上させることができる。
【0037】
図2(a)に示すように、開口50Bおよび50Cも、4つの角を丸めた方形状に設けられる。開口50Bは、例えば、3つの角の曲率半径R2が300μm以上となるように設けられる。さらに、開口50Bは、別の1つの角において、曲率半径R2Sを有する。曲率半径R2Sは、例えば、曲率半径R2よりも大きい。また、開口50Bの短辺に沿った方向の開口幅は、600μm以上である。
【0038】
開口50Cも、3つの角の曲率半径R3が、例えば、300μm以上となるように設けられる。さらに、開口50Cの別の1つの角における曲率半径R3Sは、曲率半径R3よりも大きい。開口50Cの短辺に沿った方向の開口幅も、600μm以上である。
【0039】
センサ素子60は、開口50Aの1つの辺、開口50Bの1つの角および開口50Cの1つの角に囲まれた樹脂層50の領域と半導体部10との間に設けられる。開口50Bの1つの角は、曲率半径R2Sを有し、開口50Cの1つの角は、曲率半径R3Sを有する。曲率半径R2SおよびR3Sは、1000μ以上であることが好ましい。曲率半径R2SおよびR3Sは、例えば、1028μmである。これにより、開口50Aの1つの辺、開口50Bの1つの角および開口50Cの1つの角に囲まれた樹脂層50の領域は、センサ素子60を覆うために十分な面積を有することができる。
【0040】
樹脂層50は、開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jをさらに有する。開口50Eは、コンタクトパッドKPを露出させ、開口50Fは、コンタクトパッドAPを露出させる。開口50Gは、コンタクトパッドGPを露出させる。さらに、開口50Hは、コンタクトパッドSEを露出させ、開口50Jは、コンタクトパッドKEを露出させる。開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jは、例えば、半径300μm以上の円形である。これにより、樹脂層50の選択エッチング時における残渣(
図15(b)参照)を除くことができる。
【0041】
図2(b)は、センサ素子60の構造を示す断面図である。センサ素子60は、第1導電形の第1半導体領域61と、第2導電形の第2半導体領域63と、第1センサ電極65と、第2センサ電極67と、を含む。
【0042】
第1半導体領域61および第2半導体領域63は、例えば、絶縁膜23を介して、半導体部10の上に設けられる。第1半導体領域61は、例えば、n形ポリシリコンである。第2半導体領域63は、例えば、p形ポリシリコンである。絶縁膜23は、例えば、シリコン酸化膜である。第1半導体領域61は、第2半導体領域63に接するように設けられる。すなわち、センサ素子60は、pn接合型のダイオードで構成される温度センサである。
【0043】
絶縁膜23上において、第1半導体領域61および第2半導体領域63は、絶縁膜25に覆われる。絶縁膜25は、例えば、シリコン酸化膜である。
【0044】
第1センサ電極65は、絶縁膜25に設けられたコンタクトホールを介して、第1半導体領域61に電気的に接続される。第1センサ電極65は、例えば、カソード電極である。第1センサ電極65は、センサ配線KIを介して、コンタクトパッドKPに電気的に接続される。第1センサ電極65は、例えば、アルミニウムを含む金属層である。
【0045】
第2センサ電極67は、絶縁膜25に設けられたコンタクトホールを介して、第2半導体領域63に電気的に接続される。第2センサ電極67は、例えば、アノード電極である。第2センサ電極67は、センサ配線AIを介して、コンタクトパッドAPに電気的に接続される。第2センサ電極67は、例えば、アルミニウムを含む金属層である。
【0046】
図3(a)および(b)は、第1実施形態に係る半導体装置1Aを示すさらなる別の模式図である。
図3(a)は、
図1(b)中に示すC-C線に沿った断面図である。
図3(b)は、
図1(b)中に示すD-D線に沿った断面図である。
【0047】
図3(a)に示すように、センサ配線AIおよびKIは、例えば、絶縁膜43および45を介して、半導体部10の上に設けられる。センサ配線AIおよびKIは、例えば、アルミニウムを含む金属層である。
【0048】
図3(a)および(b)に示すように、制御配線GIは、例えば、絶縁膜45の上に設けられる。制御配線GIは、例えば、絶縁膜45に設けられたコンタクトホールを介して、コンタクト層47に電気的に接続される。コンタクト層47は、例えば、絶縁膜43と絶縁膜45との間に設けられた導電性のポリシリコンである。コンタクト層47は、制御電極40につながるように設けられる。制御配線GIは、コンタクト層47を介して、制御電極40に電気的に接続される。
【0049】
図4は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置1Bを示す模式図である。この例では、樹脂層50は、開口50A~50Cおよび開口50Lを有する。センサ素子60は、開口50Aの一辺、開口50Bの1つの角および開口50Cの1つの角に囲まれた樹脂層50の領域と、半導体部10との間に設けられる(
図2(b)参照)。
【0050】
コンタクトパッドGP、AP、KP、SEおよびKEは、開口50Lの内側に露出される。開口50Lは、例えば、X方向に延在し、Y方向の開口幅WLを有する。開口50Lは、例えば、開口幅WLが600μm以上になるように設けられる。また、開口50LのX方向の端は、樹脂層50側に凸状に形成される。また、開口50Lは、その端において、例えば、曲率半径RPを有するように設けられる。曲率半径RPは、例えば、300μm以上である。
【0051】
図5(a)および(b)は、第1実施形態の別の変形例に係る半導体装置2Aを示す模式図である。
図5(a)は、樹脂層50を除いた、半導体装置2Aの上面を示す平面図である。
図5(b)は、樹脂層50の表面を示す平面図である。
【0052】
図5(a)に示すように、半導体装置2Aは、第2電極30A~30Dを含む。第2電極30A~30Dは、半導体部10の表面上に相互に離間して設けられる。第2電極30A~30Dは、センサ素子60を囲むように配置される。
【0053】
コンタクトパッドGP、APおよびKPは、半導体部10の外縁の一辺に沿って配置される。コンタクトパッドAPおよびKPは、半導体部10の外縁と第2電極30Bとの間に設けられる。コンタクトパッドGPは、半導体部10の外縁とセンサ素子60との間に設けられる。コンタクトパッドSEは、半導体部10の外縁と第2電極30Dとの間に設けられる。コンタクトパッドKEは、第2電極30Dの一部である。
【0054】
図5(b)に示すように、樹脂層50は、開口50A~50Dを有する。開口50A~50Dには、第2電極30A~30Dのそれぞれの一部が露出される。また、樹脂層50は、開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jを有する。開口50A、50F、50G、50Hおよび50Jには、コンタクトパッドKP、AP、GP、SEおよびKEがそれぞれ露出される。
【0055】
開口50A~50Dは、それぞれ丸められた4つの角を有する方形状に設けられる。センサ素子60は、開口50A~開口50Dのそれぞれの4つの角の1つに囲まれた樹脂層50の領域と半導体部10との間に設けられる。
【0056】
開口50Aの曲率半径R1は、300μm以上となるように設けられる。また、開口50Aの短辺に沿った方向の幅は、600μm以上である。
【0057】
開口50Bの1つの角における曲率半径R2Sは、他の3つの角における曲率半径R2よりも大きい。曲率半径R2は、300μm以上である。また、開口50Bの短辺に沿った方向の幅は、600μm以上である。曲率半径R2Sは、1000μm以上であることが好ましい。曲率半径R2Sは、例えば、1028μmである。
【0058】
開口50Cの曲率半径R3は、300μm以上となるように設けられる。また、開口50Cの短辺に沿った方向の幅は、600μm以上である。
【0059】
開口50Dの1つの角における曲率半径R4Sは、他の3つの角における曲率半径R4よりも大きい。曲率半径R4は、300μm以上である。また、開口50Dの短辺に沿った方向の幅は、600μm以上である。曲率半径R4Sは、1000μm以上であることが好ましい。曲率半径R4Sは、例えば、1028μmである。
【0060】
開口50E、50F、50G、50Hおよび50は、例えば、円形に設けられ、その半径は300μm以上である。
【0061】
図6は、第1実施形態のさらなる別の変形例に係る半導体装置2Bを示す模式図である。
図6は、樹脂層50の表面を表す平面図である。
【0062】
半導体装置2Bも、第2電極30A~30Dを有する。第2電極30A~30Dは、センサ素子60を囲むように配置される(
図5(a)参照)。
図6に示す開口50A~50Dは、第2電極30A~30Dのそれぞれの一部を樹脂層50から露出させる。開口50A~50Dは、それぞれ丸められた4つの角を有する方形である。センサ素子60は、開口50A~開口50Dのそれぞれの4つの角の1つに囲まれた樹脂層50の領域と半導体部10との間に設けられる。
【0063】
樹脂層50は、開口50Lをさらに有する。コンタクトパッドGP、AP、KP、SEおよびKEは、開口50Lの内側に露出される。開口50Lは、例えば、X方向に延在し、Y方向の開口幅WL(
図4参照)を有する。開口50Lは、例えば、開口幅WLが600μm以上になるように設けられる。また、開口50LのX方向の端は、樹脂層50に向かって凸状である。樹脂層50は、開口50Lの端において、曲率半径RPを有するように設けられる。曲率半径RPは、例えば、300μm以上である。
【0064】
なお、開口50Lを設ける場合であっても、コンタクトパッドGPとSEとの間、および、コンタクトパッドSEとKEとの間に位置するゲート配線GI一部(
図1(b)参照)を覆う樹脂を残すことが好ましい。
【0065】
(第2実施形態)
図7(a)および(b)は、第2実施形態に係る半導体装置3Aを示す模式図である。
図7(a)は、樹脂層50を除いた半導体装置3Aの上面を表す平面図である。
図7(b)は、センサ素子60Bを示す平面図である。
【0066】
図7(a)に示すように、半導体装置3Aは、複数の第2電極30A~30Cを含む。また、半導体装置3Aは、センサ素子60B、制御配線GI、センサ配線KIおよびAIをさらに備える。
【0067】
センサ素子60Bは、第2電極30Bと第2電極30Cとの間に設けられる。また、センサ素子60Bは、第2電極30Aの一辺に向き合うように配置される。制御配線GIは、第2電極30A~30Cの外縁に沿って、それぞれを囲むように設けられる。センサ配線KIおよびAIは、第2電極30Bと第2電極30Cとの間のスペースに設けられ、センサ素子60Bに接続される。
【0068】
図7(b)に示すように、センサ素子60Bは、第1半導体領域61と、第2半導体領域63と、第1センサ電極65と、第2センサ電極67と、を含む(
図2(b)参照)。第1センサ電極65は、第1半導体領域61の上に設けられ、第1半導体領域61に電気的に接続される。第2センサ電極67は、第2半導体領域63の上に設けられ、第2半導体領域63に電気的に接続される。第1センサ電極65は、センサ配線KIに接続され、第2センサ電極67は、センサ配線AIに接続される。
【0069】
第1半導体領域61および第2半導体領域63は、センサ配線KIおよびAIの延在方向(例えば、Y方向)に延伸した形状を有する。第1半導体領域61および第2半導体領域63のそれぞれのY方向の幅WEYは、第1半導体領域61および第2半導体領域63を合わせたX方向の幅WEXよりも広い。センサ素子60Bは、第2電極30Bと第2電極30Cとの間のスペースに適合するように設けられる。
【0070】
図8(a)および(b)は、第2実施形態に係る半導体装置3Aおよび3Bを示す模式平面図である。
図8(a)および(b)は、樹脂層50の表面を表す平面図である。
【0071】
図8(a)に示すように、半導体装置3Aの樹脂層50は、開口50A~50Cを有する。開口50A~50Cには、第2電極30A~30Cのそれぞれの一部が露出される。開口50A~50Cは、例えば、丸められた角を有する方形状に設けられる。センサ素子60Bは、開口50Aの1つの辺、開口50Bの1つの角および開口50Cの1つの角に囲まれた樹脂層50の領域と半導体部10との間に設けられる。
【0072】
開口50A~50Cの角の曲率半径は、300μm以上であることが好ましい。すべての曲率半径は、例えば600μmと同じであっても良いし、それぞれ異なる値であっても良い。
【0073】
樹脂層50は、開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jをさらに有する。開口50Eは、コンタクトパッドKPを露出させ、開口50Fは、コンタクトパッドAPを露出させる。開口50Gは、コンタクトパッドGPを露出させる。さらに、開口50Hは、コンタクトパッドSEを露出させ、開口50Jは、コンタクトパッドKEを露出させる。開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jは、例えば、半径300μm以上の円形である。
【0074】
図8(b)に示すように、半導体装置3Bの樹脂層50は、開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jに代えて、開口50Lを有する。コンタクトパッドGP、AP、KP、SEおよびKEは、開口50Lの内側に露出される。開口50Lは、例えば、X方向に延在し、Y方向の開口幅WL(
図4参照)を有する。開口50Lは、例えば、開口幅WLが600μm以上になるように設けられる。また、開口50LのX方向の端は、樹脂層50に向かって凸状である。樹脂層50は、開口50Lの端において、例えば、300μm以上の曲率半径RP(
図4参照)を有する。
【0075】
図9(a)および(b)は、第2実施形態の変形例に係る半導体装置4Aを示す模式図である。
図9(a)は、樹脂層50を除いた半導体装置4Aの上面を表す平面図である。
図9(b)は、樹脂層50の表面を示す平面図である。
【0076】
図9(a)に示すように、半導体装置4Aは、第2電極30A~30Dを含む。また、半導体装置4Aは、センサ素子60B、制御配線GI、センサ配線KIおよびAI、コンタクトパッドGP、AP、KP、SEおよびKEをさらに備える。
【0077】
センサ素子60Bは、第2電極30Bと第2電極30Dとの間に設けられる。また、センサ素子60Bは、第2電極30Aおよび30Cのそれぞれの1つの角に向き合うように配置される。制御配線GIは、第2電極30A~30Dの外縁に沿って、それぞれを囲むように設けられる。センサ配線KIおよびAIは、第2電極30Bと第2電極30Dとの間に延在し、センサ素子60Bに接続される。
【0078】
コンタクトパッドGP、APおよびKPは、半導体部10の外縁の一辺に沿って配置される。コンタクトパッドAPおよびKPは、半導体部10の外縁と第2電極30Bとの間に設けられる。コンタクトパッドGPは、半導体部10の外縁とセンサ素子60Bとの間に設けられる。コンタクトパッドSEは、半導体部10の外縁と第2電極30Dとの間に設けられる。コンタクトパッドKEは、第2電極30Dの一部である。
【0079】
図9(b)に示すように、樹脂層50は、開口50A~50Dを有する。開口50A~50Dには、第2電極30A~30Dのそれぞれの一部が露出される。また、樹脂層50は、開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jを有する。開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jには、コンタクトパッドKP、AP、GP、SEおよびKEがそれぞれ露出される。
【0080】
開口50A~50Dは、丸められた4つの角を有する方形状にそれぞれ設けられる。開口50A~50Dの角の曲率半径は、300μm以上であることが好ましい。すべての曲率半径は、例えば、600μmであっても良いし、それぞれ異なる値であっても良い。
【0081】
センサ素子60は、開口50A~開口50Dのそれぞれの4つの角の1つに囲まれた樹脂層50の領域と半導体部10との間に設けられる。開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jは、例えば、円形に設けられ、その半径は300μm以上である。
【0082】
図10は、第2実施形態の別の変形例に係る半導体装置4Bを示す模式図である。
図10は、樹脂層50の表面を表す平面図である。半導体装置4Bも、第2電極30A~30Dを有する。
【0083】
図10に示す開口50A~50Dは、第2電極30A~30Dのそれぞれの一部を樹脂層50から露出させる。開口50A~50Dは、それぞれ丸められた4つの角を有する方形である。センサ素子60Bは、開口50A~開口50Dのそれぞれの4つの角の1つに囲まれた樹脂層50の領域と半導体部10との間に設けられる。
【0084】
樹脂層50は、開口50Lをさらに有し、コンタクトパッドGP、AP、KP、SEおよびKEは、開口50Lの内側に露出される。開口50Lは、例えば、X方向に延在し、Y方向の開口幅WL(
図4参照)を有する。開口50Lは、例えば、開口幅WLが600μm以上になるように設けられる。また、開口50LのX方向の端は、樹脂層50側に凸状に設けられる。開口50Lは、その端において、曲率半径RP(
図4参照)を有するように設けられる。曲率半径RPは、例えば、300μm以上である。
【0085】
(第3実施形態)
図11(a)および(b)は、第3実施形態に係る半導体装置5Aを示す模式図である。
図11(a)は、樹脂層50を除いた半導体装置5Aの上面を表す平面図である。
図11(b)は、センサ素子60Cを示す平面図である。
【0086】
図11(a)に示すように、半導体装置5Aは、第2電極30A~30Cを含む。また、半導体装置5Aは、センサ素子60C、制御配線GI、センサ配線KIおよびAI、コンタクトパッドGP、AP、KP、SEおよびKEをさらに備える。
【0087】
センサ素子60Cは、第2電極30Aの1つの辺と、第2電極30Bの1つの角および第2電極30Cの1つの角に囲まれた領域に設けられる。制御配線GIは、第2電極30A~30Cの外縁に沿って、それぞれを囲むように設けられる。センサ配線KIおよびAIは、第2電極30Bと第2電極30Cとの間のスペースに設けられ、センサ素子60Cに接続される。
【0088】
コンタクトパッドGP、APおよびKPは、半導体部10の1つの辺に沿って並ぶ。また、コンタクトパッドAPおよびKPは、第2電極30Bと半導体部10の1つの辺との間に設けられる。コンタクトパッドGPは、センサ素子60Cと半導体部10の一の辺との間に設けられる。コンタクトパッドSEは、第2電極30Cと半導体部10の1つの辺との間に設けられる。コンタクトパッドKEは、第2電極30Cの一部である。
【0089】
図11(b)に示すように、センサ素子60Cは、第1半導体領域61と、第2半導体領域63と、第1センサ電極65と、第2センサ電極67と、を含む(
図2(b)参照)。第1センサ電極65は、第1半導体領域61の上に設けられ、第1半導体領域61に電気的に接続される。第2センサ電極67は、第2半導体領域63の上に設けられ、第2半導体領域63に電気的に接続される。第1センサ電極65は、センサ配線KIに接続され、第2センサ電極67は、センサ配線AIに接続される。
【0090】
第1半導体領域61および第2半導体領域63は、センサ配線KIおよびAIの延在方向と交差する方向(例えば、X方向)に延伸した形状を有する。第1半導体領域61および第2半導体領域63を合わせたY方向の幅WEYは、第1半導体領域61および第2半導体領域63のそれぞれのX方向の幅WEXよりも狭い。
【0091】
図12(a)および(b)は、第3実施形態の変形例に係る半導体装置5Aおよび5Bを示す模式図である。
図12(a)および(b)は、樹脂層50の表面を表す平面図である。
【0092】
図12(a)に示すように、半導体装置5Aの樹脂層50は、開口50A~50Cを有する。開口50A~50Cには、第2電極30A~30Cのそれぞれの一部が露出される。開口50A~50Cは、例えば、丸められた角を有する方形状に設けられる。
【0093】
開口50Aは、例えば、4つの角の曲率半径R1が300μm以上となるように設けられる。開口50Bおよび開口50Cは、例えば、3つの角の曲率半径R2、R3が300μm以上となるように設けられる。さらに、開口50Bの1つの角は、曲率半径R2Sを有し、開口50Cの1つの角は、曲率半径R3Sを有する。曲率半径R2SおよびR3Sは、1000μm以上であることが好ましい。曲率半径R2SおよびR3Sは、例えば、1028μmである。また、開口50A~50Bのそれぞれの短辺に沿った方向の開口幅は、600μm以上である。
【0094】
センサ素子60Cは、開口50Aの1つの辺、開口50Bの曲率半径R2Sを有する角および開口50Cの曲率半径R3Sを有する角に囲まれた樹脂層50の領域と半導体部10との間に設けられる(
図2(b)参照)。
【0095】
樹脂層50は、開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jをさらに有する。開口50Eは、コンタクトパッドKPを露出させ、開口50Fは、コンタクトパッドAPを露出させる。開口50Gは、コンタクトパッドGPを露出させる。さらに、開口50Hは、コンタクトパッドSEを露出させ、開口50Jは、コンタクトパッドKEを露出させる。開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jは、例えば、半径300μm以上の円形である。
【0096】
図12(b)に示すように、半導体装置5Bの樹脂層50は、開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jに代えて、開口50Lを有する。コンタクトパッドGP、AP、KP、SEおよびKEは、開口50Lの内側に露出される。開口50Lは、例えば、X方向に延在し、Y方向の開口幅WL(
図4参照)を有する。開口50Lは、例えば、開口幅WLが600μm以上になるように設けられる。また、開口50LのX方向の端は、樹脂層50側に凸状に設けられる。開口50Lは、その端において、例えば、300μm以上の曲率半径RP(
図4参照)を有するように設けられる。
【0097】
図13(a)および(b)は、第3実施形態の変形例に係る半導体装置6Aを示す模式図である。
図13(a)は、樹脂層50を除いた半導体装置6Aの上面を表す平面図である。
図13(b)は、樹脂層50の表面を示す平面図である。
【0098】
図13(a)に示すように、半導体装置5Aは、第2電極30A~30Dを含む。また、半導体装置5Aは、センサ素子60C、制御配線GI、センサ配線KIおよびAI、コンタクトパッドGP、AP、KP、SEおよびKEをさらに備える。
【0099】
センサ素子60Cは、第2電極30A~30Dのそれぞれの角に囲まれた領域に設けられる。制御配線GIは、第2電極30A~30Dの外縁に沿って、それぞれを囲むように設けられる。センサ配線KIおよびAIは、第2電極30Bと第2電極30Dとの間のスペースに設けられ、センサ素子60Cに接続される。
【0100】
コンタクトパッドGP、APおよびKPは、半導体部10の外縁の一辺に沿って配置される。コンタクトパッドAPおよびKPは、半導体部10の外縁と第2電極30Bとの間に設けられる。コンタクトパッドGPは、半導体部10の外縁とセンサ素子60Cとの間に設けられる。コンタクトパッドSEは、半導体部10の外縁と第2電極30Dとの間に設けられる。コンタクトパッドKEは、第2電極30Dの一部である。
【0101】
図13(b)に示すように、樹脂層50は、開口50A~50Dを有する。開口50A~50Dには、第2電極30A~30Dのそれぞれの一部が露出される。また、樹脂層50は、開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jを有する。開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jには、コンタクトパッドKP、AP、GP、SEおよびKEがそれぞれ露出される。
【0102】
開口50A~50Dは、それぞれ丸められた4つの角を有する方形状に設けられる。 開口50A、50Cの角の曲率半径R1、R3は、300μm以上となるように設けられる。また、開口50Aの短辺に沿った方向の幅は、600μm以上である。開口50Bの1つの角は、曲率半径R2Sを有し、開口50Dの1つの角は、曲率半径R4Sを有する。曲率半径R2SおよびR4Sは、1000μ以上であることが好ましい。曲率半径R2SおよびR4Sは、例えば、1028μmである。
【0103】
センサ素子60Cは、開口50Aおよび開口50Cのそれぞれの4つの角の1つ、開口50Bの曲率半径R2Sを有する角、および、開口50Dの曲率半径R4Sを有する角に囲まれた樹脂層50の領域と半導体部10との間に設けられる(
図2(b)参照)。開口50E、50F、50G、50Hおよび50Jは、例えば、円形に設けられ、その半径は300μm以上である。
【0104】
図14は、第3実施形態のさらなる別の変形例に係る半導体装置6Bを示す模式図である。
図14は、樹脂層50の表面を表す平面図である。半導体装置6Bも、第2電極30A~30Dを有する。
【0105】
図14に示す開口50A~50Dは、第2電極30A~30Dのそれぞれの一部を樹脂層50から露出させる。開口50A~50Dは、それぞれ丸められた4つの角を有する方形である。
【0106】
開口50Aは、曲率半径R1を有する4つの角を含み、開口50Cは、曲率半径R3を有する4つの角を含む。開口50Bは、曲率半径R2を有する3つの角と、曲率半径R2Sを有する1つの角を含む。また、開口50Dは、曲率半径R4を有する3つの角と、曲率半径R4Sを有する1つの角と、を含む。センサ素子60Bは、開口50Aおよび開口50Cのそれぞれの4つの角の1つと、開口50Bの曲率半径R2Sを有する角と、開口50Dの曲率半径R4Sを有する角と、に囲まれた樹脂層50の領域と半導体部10との間に設けられる(
図2(b)参照)。
【0107】
樹脂層50は、開口50Lをさらに有し、コンタクトパッドGP、AP、KP、SEおよびKEは、開口50Lの内側に露出される。開口50Lは、例えば、X方向に延在し、Y方向の開口幅WL(
図4参照)を有する。開口50Lは、例えば、開口幅WLが600μm以上になるように設けられる。また、開口50LのX方向の端は、樹脂層50に向かって凸状に設けられる。樹脂層50は、開口50Lの端において、曲率半径RP(
図4参照)を有するように設けられる。曲率半径RPは、例えば、300μm以上である。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、4B、5A、5B、6A、6B…半導体装置、 10…半導体部、 11…第1半導体層、 13…第2半導体層、 15…第3半導体層、 17a、17b…第4半導体層、 19…第5半導体層、 20…第1電極、 23、25、43、45…絶縁膜、 30、30A、30B、30C、30D…第2電極、 40…制御電極、 47…コンタクト層、 50…樹脂層、 50A~50H、50J、50L…開口、 60、60B、60C…センサ素子、 61…第1半導体領域、 63…第2半導体領域、 65…第1センサ電極、 67…第2センサ電極、 AI、KI…センサ配線、 AP、GP、KP、SE、KE…コンタクトパッド、 GI…制御配線、 GT…トレンチ