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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/12 20060101AFI20231108BHJP
   B62D 55/104 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B62D55/12 Z
B62D55/104
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020210664
(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公開番号】P2022097208
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】迫 和志
(72)【発明者】
【氏名】安田 和男
(72)【発明者】
【氏名】中島 和喜
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-070164(JP,A)
【文献】特開2004-276671(JP,A)
【文献】特開2017-035968(JP,A)
【文献】特開2013-056626(JP,A)
【文献】特開2002-053083(JP,A)
【文献】特開2011-062122(JP,A)
【文献】国際公開第2015/114964(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/10
B62D 55/104
B62D 55/12
B62D 55/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に沿って配置された左右の前後向きフレームを有する機体と、
駆動輪と、テンション輪と、転輪と、前記転輪を支持するトラックフレームと、クローラベルトとを有し、前記機体を支持する左右の走行装置と、
走行用の変速装置を有するミッションケースと、
前記ミッションケースの右部及び左部に連結され、前記ミッションケースから横外方に向けて延出された左右の車軸ケースと、
前記車軸ケースに内装され、前記機体の外側に向けて延出され、前記駆動輪を支持した左右の車軸とが備えられ、
前記変速装置の動力が、前記車軸を介して前記駆動輪に伝達され、前記駆動輪及び前記クローラベルトが回転駆動されるように構成され、
前記前後向きフレームに添わされるように、前記前後向きフレームの前後方向一方側の端部に連結された左右の車軸支持部が備えられ、
前記右の車軸ケースが前記右の車軸支持部に支持され、前記左の車軸ケースが前記左の車軸支持部に支持され、
左右方向に沿った第1軸芯周りに揺動可能に、前記前後向きフレームに支持された左右の第1リンクと、
左右方向に沿った第2軸芯周りに揺動可能に、前記前後向きフレームにおける前記第1リンクよりも後側の部分に支持された左右の第2リンクとが備えられ、
前記右の第1リンクの延出端部及び前記右の第2リンクの延出端部が、前記右のトラックフレームに揺動可能に接続され、
前記左の第1リンクの延出端部及び前記左の第2リンクの延出端部が、前記左のトラックフレームに揺動可能に接続され、
前記第1リンクにおける前記前後向きフレームに支持される箇所から上方に向けて延出された左右の第1アームと、
前記第2リンクにおける前記前後向きフレームに支持される箇所から上方に向けて延出された左右の第2アームと、
前記第1アームと前記第2アームとに亘って接続された左右の連係リンクと、
前記第1アーム及び前記第2アームの一方を揺動操作可能な左右の油圧シリンダとが備えられ、
前記油圧シリンダにより前記第1アーム及び前記第2アームの一方が揺動操作されることにより、前記連係リンクを介して、前記第1アーム及び前記第2アームの他方が揺動操作されるように構成され、
前記第1リンク及び前記第2リンクが揺動操作されることにより、前記機体が前記走行装置に対して昇降操作されるように構成され、
前記右の車軸支持部と前記左の車軸支持部とに亘って連結された左右向きの横フレームが備えられ、
前記横フレームが、前記第1リンク及び前記第2リンクに対して前記前後方向一方側に配置され、
前記第1リンク及び前記第2リンクの前記前後方向一方側と前記連係リンクとの上側接続部分と、前記第1リンク及び前記第2リンクの前記前後方向一方側と前記トラックフレームとの下側接続部分とにおいて、
前記横フレームが、前記上側接続部分と前記下側接続部分との間の高さに配置されている作業車。
【請求項2】
前後方向に沿って配置された左右の前後向きフレームを有する機体と、
駆動輪と、テンション輪と、転輪と、前記転輪を支持するトラックフレームと、クローラベルトとを有し、前記機体を支持する左右の走行装置と、
走行用の変速装置を有するミッションケースと、
前記ミッションケースの右部及び左部に連結され、前記ミッションケースから横外方に向けて延出された左右の車軸ケースと、
前記車軸ケースに内装され、前記機体の外側に向けて延出され、前記駆動輪を支持した左右の車軸とが備えられ、
前記変速装置の動力が、前記車軸を介して前記駆動輪に伝達され、前記駆動輪及び前記クローラベルトが回転駆動されるように構成され、
前記前後向きフレームに添わされるように、前記前後向きフレームの前後方向一方側の端部に連結された左右の車軸支持部が備えられ、
前記右の車軸ケースが前記右の車軸支持部に支持され、前記左の車軸ケースが前記左の車軸支持部に支持され、
前記右の車軸支持部と前記左の車軸支持部とに亘って連結された左右向きの横フレームが備えられ、
前記ミッションケースの内部に、前記車軸に連結された車軸ギヤと、前記車軸ギヤに対して上側に配置され、前記車軸ギヤと咬合し、前記変速装置の動力を前記車軸ギヤに伝達する伝動ギヤと、が設けられ、
前記横フレームが、前記伝動ギヤの回転軸芯と前記車軸ギヤの回転軸芯との間の高さに配置されている作業車。
【請求項3】
前記ミッションケースが、前記横フレームに支持されている請求項1又は2に記載の作業車。
【請求項4】
左右方向に沿って前記機体に設けられた左右向きフレームが備えられ、
前記ミッションケースが、前記左右向きフレームに支持されている請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クローラ型式の左右の走行装置を備えた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
クローラ型式の走行装置を備えた作業車の一例であるコンバインが、特許文献1に開示されている。
特許文献1において、走行装置は、駆動輪、テンション輪、転輪、転輪を支持するトラックフレーム及びクローラベルトを有している。左右の車軸ケースがミッションケースの右部及び左部に連結されて横外方に向けて延出されており、車軸ケースの延出端部に駆動輪が回転可能に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-56626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、左右の車軸ケースが、前後方向に沿って配置された左右の前後向きフレームの前端部に支持されて、ミッションケースが機体に支持されている。
本発明は、クローラ型式の左右の走行装置を備えた作業車において、ミッションケースを十分な強度で支持することができるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の作業車は、前後方向に沿って配置された左右の前後向きフレームを有する機体と、駆動輪と、テンション輪と、転輪と、前記転輪を支持するトラックフレームと、クローラベルトとを有し、前記機体を支持する左右の走行装置と、走行用の変速装置を有するミッションケースと、前記ミッションケースの右部及び左部に連結され、前記ミッションケースから横外方に向けて延出された左右の車軸ケースと、前記車軸ケースに内装され、前記機体の外側に向けて延出され、前記駆動輪を支持した左右の車軸とが備えられ、前記変速装置の動力が、前記車軸を介して前記駆動輪に伝達され、前記駆動輪及び前記クローラベルトが回転駆動されるように構成され、前記前後向きフレームに添わされるように、前記前後向きフレームの前後方向一方側の端部に連結された左右の車軸支持部が備えられ、前記右の車軸ケースが前記右の車軸支持部に支持され、前記左の車軸ケースが前記左の車軸支持部に支持され、左右方向に沿った第1軸芯周りに揺動可能に、前記前後向きフレームに支持された左右の第1リンクと、左右方向に沿った第2軸芯周りに揺動可能に、前記前後向きフレームにおける前記第1リンクよりも後側の部分に支持された左右の第2リンクとが備えられ、前記右の第1リンクの延出端部及び前記右の第2リンクの延出端部が、前記右のトラックフレームに揺動可能に接続され、前記左の第1リンクの延出端部及び前記左の第2リンクの延出端部が、前記左のトラックフレームに揺動可能に接続され、
前記第1リンクにおける前記前後向きフレームに支持される箇所から上方に向けて延出された左右の第1アームと、前記第2リンクにおける前記前後向きフレームに支持される箇所から上方に向けて延出された左右の第2アームと、前記第1アームと前記第2アームとに亘って接続された左右の連係リンクと、前記第1アーム及び前記第2アームの一方を揺動操作可能な左右の油圧シリンダとが備えられ、前記油圧シリンダにより前記第1アーム及び前記第2アームの一方が揺動操作されることにより、前記連係リンクを介して、前記第1アーム及び前記第2アームの他方が揺動操作されるように構成され、前記第1リンク及び前記第2リンクが揺動操作されることにより、前記機体が前記走行装置に対して昇降操作されるように構成され、前記右の車軸支持部と前記左の車軸支持部とに亘って連結された左右向きの横フレームが備えられ、前記横フレームが、前記第1リンク及び前記第2リンクに対して前記前後方向一方側に配置され、前記第1リンク及び前記第2リンクの前記前後方向一方側と前記連係リンクとの上側接続部分と、前記第1リンク及び前記第2リンクの前記前後方向一方側と前記トラックフレームとの下側接続部分とにおいて、前記横フレームが、前記上側接続部分と前記下側接続部分との間の高さに配置されている。
【0006】
本発明によると、前後方向に沿って配置された左右の前後向きフレームにおいて、左右の車軸支持部が、前後向きフレームの前後方向一方側の端部に連結されている。
この場合、車軸支持部が、前後向きフレームに添わされるように連結されており、十分な強度で前後向きフレームに連結されているので、車軸支持部により車軸ケースを十分な強度で支持することができ、ミッションケースを十分な強度で支持することができる。
【0007】
【0008】
本発明によると、横フレームが左右の車軸支持部に亘って連結されているので、横フレームにより、左右の車軸支持部が補強され、車軸支持部を介して左右の前後向きフレームが補強される。
これにより、車軸ケース及びミッションケースを十分な強度で支持するという面で有利である。
【0009】
【0010】
クローラ型式の走行装置では、揺動可能に前後向きフレームに支持された第1リンク及び第2リンクが備えられ、第1リンク及び第2リンクがトラックフレームに接続されており、第1リンク及び第2リンクが揺動操作されることにより、機体が走行装置に対して昇降操作されるように構成されることがある。
【0011】
クローラ型式の走行装置において、駆動輪によりクローラベルトが回転駆動されて、機体が前進(後進)する際に、クローラベルトに発生する張力により、駆動輪がクローラベルトの前後中央に向けて押されようとする負荷が生じることがある。
【0012】
本発明によると、車軸支持部及び横フレームにより、車軸ケース及びミッションケースを十分な強度で支持されることによって、前述の負荷が十分に支持される。
本発明によると、横フレームが第1リンク及び第2リンクに対して前後方向一方側に配置されているので、前述の負荷が第1リンク及び第2リンクに掛かることが、車軸支持部及び横フレームにより防止される。
【0013】
【0014】
クローラ型式の走行装置において、前述のように、第1リンク及び第2リンクにより機体を走行装置に対して昇降操作可能に構成した場合、本発明によると、油圧シリンダにより第1アーム及び第2リンクの前後方向一方側が揺動操作されることにより、第1リンク及び第2リンクの前後方向一方側が揺動操作され、第1リンク及び第2リンクの前後方向一方側の作動が、連係リンクを介して、第1アーム及び第2アームの前後方向他方側に伝達されて、第1リンク及び第2リンクの前後方向他方側が揺動操作される。
【0015】
本発明によると、前述の構成において、第1リンク及び第2リンクの前後方向一方側と連係リンクとの上側接続部分、並びに、第1リンク及び第2リンクの前後方向一方側とトラックフレームとの下側接続部分を想定した場合、横フレームが上側接続部分と下側接続部分との間の高さに配置されている。
【0016】
これにより、前述のクローラベルトに発生する張力により駆動輪がクローラベルトの前後中央に向けて押されようとする負荷が、車軸支持部及び横フレームにより受け止められ易くなり、前述の負荷が第1リンク及び第2リンクに掛かることを防止するという面で有利である。
【0017】
本発明の作業車は、前後方向に沿って配置された左右の前後向きフレームを有する機体と、駆動輪と、テンション輪と、転輪と、前記転輪を支持するトラックフレームと、クローラベルトとを有し、前記機体を支持する左右の走行装置と、走行用の変速装置を有するミッションケースと、前記ミッションケースの右部及び左部に連結され、前記ミッションケースから横外方に向けて延出された左右の車軸ケースと、前記車軸ケースに内装され、前記機体の外側に向けて延出され、前記駆動輪を支持した左右の車軸とが備えられ、前記変速装置の動力が、前記車軸を介して前記駆動輪に伝達され、前記駆動輪及び前記クローラベルトが回転駆動されるように構成され、前記前後向きフレームに添わされるように、前記前後向きフレームの前後方向一方側の端部に連結された左右の車軸支持部が備えられ、前記右の車軸ケースが前記右の車軸支持部に支持され、前記左の車軸ケースが前記左の車軸支持部に支持され、前記右の車軸支持部と前記左の車軸支持部とに亘って連結された左右向きの横フレームが備えられ、前記ミッションケースの内部に、前記車軸に連結された車軸ギヤと、前記車軸ギヤに対して上側に配置され、前記車軸ギヤと咬合し、前記変速装置の動力を前記車軸ギヤに伝達する伝動ギヤと、が設けられ、前記横フレームが、前記伝動ギヤの回転軸芯と前記車軸ギヤの回転軸芯との間の高さに配置されてい
【0018】
本発明によると、前後方向に沿って配置された左右の前後向きフレームにおいて、左右の車軸支持部が、前後向きフレームの前後方向一方側の端部に連結されている。
この場合、車軸支持部が、前後向きフレームに添わされるように連結されており、十分な強度で前後向きフレームに連結されているので、車軸支持部により車軸ケースを十分な強度で支持することができ、ミッションケースを十分な強度で支持することができる。
本発明によると、横フレームが左右の車軸支持部に亘って連結されているので、横フレームにより、左右の車軸支持部が補強され、車軸支持部を介して左右の前後向きフレームが補強される。
これにより、車軸ケース及びミッションケースを十分な強度で支持するという面で有利である。
前述のように、クローラベルトに発生する張力により駆動輪がクローラベルトの前後中央に向けて押されようとする負荷が発生した場合、ミッションケースに負荷が掛かることがある。
【0019】
本発明によると、横フレームが、ミッションケースの内部の伝動ギヤの回転軸芯と車軸ギヤの回転軸芯との間の高さに配置されているので、前述の負荷が駆動輪から横フレームにより無理なく受け止められるようになって、ミッションケースに掛かる負荷が軽減される。
【0020】
本発明において、前記ミッションケースが、前記横フレームに支持されていると好適である。
【0021】
クローラ型式の走行装置において、駆動輪によりクローラベルトが回転駆動されて、機体が前進(後進)する際に、クローラベルトからの反力により、ミッションケースが車軸ケース周りに駆動輪の逆方向に回転駆動されようとすることがある。
【0022】
本発明によると、ミッションケースが横フレームに支持されているので、ミッションケースが車軸ケース周りに駆動輪の逆方向に回転駆動されようとする状態が、横フレームによる受け止められて、ミッションケースが支持される。
【0023】
本発明において、左右方向に沿って前記機体に設けられた左右向きフレームが備えられ、前記ミッションケースが、前記左右向きフレームに支持されていると好適である。
【0024】
クローラ型式の走行装置において、駆動輪によりクローラベルトが回転駆動されて、機体が前進(後進)する際に、クローラベルトからの反力により、ミッションケースが車軸ケース周りに駆動輪の逆方向に回転駆動されようとすることがある。
【0025】
本発明によると、左右向きフレームが左右方向に沿って機体に設けられ、ミッションケースが左右向きフレームに支持されているので、ミッションケースが車軸ケース周りに駆動輪の逆方向に回転駆動されようとする状態が、左右向きフレームによる受け止められてミッションケースが支持される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】コンバインの右側面図である。
図2】コンバインの平面図である。
図3】コンバインの背面図である。
図4】機体及び走行装置の付近の平面図である。
図5】機体及び走行装置の付近の右側面図である。
図6】機体及び走行装置の付近の右側面図である。
図7】機体及びトラックフレームの付近の分解斜視図である。
図8図5におけるVIII―VIII方向から視た断面図である。
図9図5におけるIX―IX方向から視た断面図である。
図10】脱穀装置及びグレンタンク、エンジン及びミッションケース、伝動機構及び刈取脱穀伝動機構の付近の横断平面図である。
図11】脱穀装置、エンジン及びミッションケース、伝動機構及び刈取脱穀伝動機構の付近の縦断右側面図である。
図12】グレンタンク、エンジン及びミッションケース、伝動機構及び刈取脱穀伝動機構の付近の縦断左側面図である。
図13】エンジン、伝動機構及び刈取脱穀伝動機構の付近の縦断左側面図である。
図14】脱穀装置及びグレンタンク、伝動機構の付近の縦断背面図である。
図15】ミッションケース、脱穀装置及びグレンタンクの付近の縦断背面図である。
図16】ミッションケース及び燃料タンクの付近の縦断左側面図である。
図17】ミッションケース及び車軸支持部の付近の分解斜視図である。
図18】エンジンから脱穀装置及び刈取部への伝動構造を示す概略図である。
図19】脱穀装置の前部付近の縦断正面図である。
図20】脱穀装置の前部付近の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1図20に、作業車の一例及び収穫機の一例である普通型のコンバインが示されており、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示し、Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
【0028】
(コンバインの全体構成)
図1,2,3に示すように、クローラ型式の走行装置2により機体1が支持されて、機体の前部に刈取部3及び運転部4が設けられている。機体1の左部に脱穀装置5が設けられ、機体1の右部にグレンタンク6が設けられており、作物の排出装置24がグレンタンク6の後部の下部に接続されている。
【0029】
機体1の前進に伴って、圃場の作物が刈取部3により刈り取られ、刈り取られた作物が脱穀装置5に供給されて脱穀処理され、脱穀装置5により脱穀処理された作物がグレンタンク6に供給されて貯留される。グレンタンク6が満杯になると、グレンタンク6の作物を排出装置24によって排出する。
【0030】
(機体の構成)
図4,5,6に示すように、機体1は、複数の前後向きフレーム7,12、左右向きフレーム8,9,10,11を有して、枠状に構成されている。
【0031】
左右の前後向きフレーム7は、複数の角パイプが上下に重ねて連結されて構成されており、前後方向に沿って配置されている。複数の左右向きフレーム8,9,10,11が、左右方向に沿って配置されて、左右の前後向きフレーム7に亘って連結されている。左右の前後向きフレーム12が、前後方向に沿って配置されて、左右向きフレーム8,10,11の右端部及び左端部が亘って連結されている。
【0032】
(走行装置の構成)
図4,5,6に示すように、左右の走行装置2は、駆動輪13、テンション輪14、複数の転輪15、ガイド部材16、トラックフレーム17、クローラベルト18及び上部転輪19を有している。
【0033】
左右の第1支持部17aが、トラックフレーム17の前部の上面部に設けられ、トラックフレーム17から上方に向けて延出されている。左右の第2支持部17bが、トラックフレーム17における第1支持部17aよりも後側の部分の上面部に設けられ、トラックフレーム17から上方に向けて延出されている。
【0034】
テンション輪14が、左右の調節機構20を介してトラックフレーム17の第1支持部17aの上部に設けられて、走行装置2の前端部に配置されている。調節機構20は、トラックフレーム17の第1支持部17aから前方に向けて延出されており、テンション輪14の位置を前後方向に沿って変更することができる。転輪15及びガイド部材16が、トラックフレーム17に支持されている。
【0035】
左右の第1機体側支持部7aが、前後向きフレーム7(機体1)の前部の下面部に設けられ、前後向きフレーム7(機体1)から下方に向けて延出されている。左右の第2機体側支持部7bが、前後向きフレーム7(機体1)における第1機体側支持部7aよりも後側の部分の下面部に設けられ、前後向きフレーム7(機体1)から下方に向けて延出されている。
【0036】
後述の(ミッションケースの支持の構成)に記載のように、左右の車軸支持部23が、前後向きフレーム7の後端部に連結されており、駆動輪13が、車軸支持部23の位置に配置されて、走行装置2の後端部に配置されている。上部転輪19が、前後向きフレーム7の第1機体側支持部7aに支持されている。
【0037】
クローラベルト18が、駆動輪13、テンション輪14、転輪15、ガイド部材16及び上部転輪19に亘って取り付けられている。調節機構20により、テンション輪14の位置を前後方向に沿って変更することによって、クローラベルト18の張り具合を調節することができる。ガイド部材16により、クローラベルト18の転輪15からの外れが防止される。
【0038】
テンション輪14が最前の転輪15よりも前側で且つ高い位置に配置されることによって、クローラベルト18の前部が、側面視で、最前の転輪15から斜め前上方のテンション輪14に向けて延出された状態となっている。
【0039】
駆動輪13が最後の転輪15よりも後側で且つ高い位置に配置されることによって、クローラベルト18の後部が、側面視で、最後の転輪15から斜め後上方の駆動輪13に向けて延出された状態となっている。
【0040】
(走行装置に対する機体の昇降操作の構成)
図7及び図8に示すように、左右の第1リンク21が設けられており、第1リンク21は、第1リンク21の基部に連結された支点軸21bと、支点軸21bの端部に連結された第1アーム21aと、第1リンク21の延出端部に連結された支点軸21cとを有している。
【0041】
図7及び図9に示すように、左右の第2リンク22が設けられており、第2リンク22は、第2リンク22の基部に連結された支点軸22bと、支点軸22bの端部に連結された第2アーム22aと、第2リンク22の端部に前後揺動可能に支持された揺動リンク22cとを有している。
【0042】
図4,5,7,8に示すように、左右の第1リンク21の支点軸21bが、左右方向に沿った第1軸芯である軸芯P1周りに回転可能に、前後向きフレーム7(機体1)の第1機体側支持部7aに支持されている。
【0043】
これにより、第1リンク21が、軸芯P1から斜め前下方に向けて延出されて、軸芯P1周りに起立側及び倒伏側に揺動可能に、前後向きフレーム7(機体1)の第1機体側支持部7aに支持されている。第1リンク21の第1アーム21aが、第1リンク21における前後向きフレーム7(機体1)に支持される箇所である支点軸21bから上方に向けて延出されている。
【0044】
図4,5,7,9に示すように、左右の第2リンク22の支点軸22bが、左右方向に沿った第2軸芯である軸芯P2周りに回転可能に、第1リンク21よりも後側の部分である前後向きフレーム7(機体1)の第2機体側支持部7bに支持されている。
【0045】
これにより、第2リンク22が、軸芯P2から斜め前下方に向けて延出されて、軸芯P2周りに起立側及び倒伏側に揺動可能に、前後向きフレーム7(機体1)の第2機体側支持部7bに支持されている。第2リンク22の第2アーム22aが、第2リンク22における前後向きフレーム7(機体)に支持される箇所である支点軸22bから上方に向けて延出されている。
【0046】
図4,5,7,8,9に示すように、第1リンク21の支点軸21cが、トラックフレーム17の第1支持部17aに揺動可能に接続されている。トラックフレーム17の第1支持部17aにおいて、調節機構20が第1リンク21の支点軸21cよりも高い位置に配置されている。第2リンク22の延出端部である揺動リンク22cが、トラックフレーム17の第2支持部17bに、支点軸25を介して揺動可能に接続されている。
【0047】
図5,6,7に示すように、第1リンク21とトラックフレーム17の第1支持部17aとの接続部分である支点軸21cが、第2リンク22(揺動リンク22c)とトラックフレーム17の第2支持部17bとの接続部分である支点軸25よりも、高い位置に配置されている。
【0048】
図4,5,6,8,9に示すように、左右の連係リンク26が設けられており、連係リンク26が、第1リンク21の第1アーム21aと第2リンク22の第2アーム22aとに亘って接続されている。
【0049】
左右の単動型の油圧シリンダ27が設けられており、油圧シリンダ27が第1リンク21の第1アーム21aに対して後側に配置されている。前後向きフレーム7と左右向きフレーム9との連結部分に支持ブラケット28が連結されており、油圧シリンダ27が第1リンク21の第1アーム21aと支持ブラケット28とに亘って接続されている。
【0050】
図4図7に示すように、第1横フレームである横フレーム31が、右の前後向きフレーム7の第1機体側支持部7aにおける第1リンク21の支持部分(支点軸21b)に前後方向で隣接する部分(支点軸21bに対して前側の部分)と、左の前後向きフレーム7の第1機体側支持部7aにおける第1リンク21の支持部分(支点軸21b)に前後方向で隣接する部分(支点軸21bに対して前側の部分)とに亘って、連結されて架設されている。
【0051】
第2横フレームである横フレーム32が、右の前後向きフレーム7の第2機体側支持部7bにおける第2リンク22の支持部分(支点軸22b)に前後方向で隣接する部分(支点軸22bに対して前側の部分)と、左の前後向きフレーム7の第2機体側支持部7bにおける第2リンク22の支持部分(支点軸22b)に前後方向で隣接する部分(支点軸22bに対して前側の部分)とに亘って、連結されて架設されている。
【0052】
(走行装置に対する機体の昇降操作の状態)
図5から図6に示すように、油圧シリンダ27が伸長作動して第1リンク21の第1アーム21aを前方に押し操作(揺動操作)することにより、第1リンク21が起立側に揺動操作される。これに伴って連係リンク26を介して、第2リンク22の第2アーム22aが前方に揺動操作され、第2リンク22の第2アーム22aを介して、第2リンク22が起立側に揺動操作されて、機体1が走行装置2(トラックフレーム17)に対して上昇操作される。
【0053】
図6から図5に示すように、油圧シリンダ27が収縮作動すると、機体1の重量によって、第1リンク21の第1アーム21aが後方に操作(揺動操作)され、第1リンク21が倒伏側に揺動操作される。これに伴って連係リンク26を介して、第2リンク22の第2アーム22aが後方に揺動操作され、第2リンク22の第2アーム22aを介して、第2リンク22が倒伏側に揺動操作されて、機体1が走行装置2(トラックフレーム17)に対して下降操作される。
【0054】
図4,5,6に示すように、ポテンショメータ型式の左右の高さセンサー29が、前後向きフレーム7の後部に支持されており、第2リンク22の第2アーム22aと高さセンサー29とに亘って、連係部材30が接続されている。前述のように機体1が走行装置2に対して昇降操作された場合、走行装置2に対する機体1の高さが、第2リンク22の第2アーム22a及び連係部材30を介して、高さセンサー29により検出される。
【0055】
水平面に対する機体1の左右方向での傾斜角度を検出する傾斜センサー(図示せず)が設けられている。傾斜センサー及び高さセンサー29の検出値に基づいて、機体1に対して左右の走行装置2(トラックフレーム17)を独立して昇降操作することにより、機体1を水平に維持することができる。機体1を水平に維持した状態で、機体1を走行装置2(トラックフレーム17)に対して上昇させたり下降させたりすることができる。
【0056】
(脱穀装置及びグレンタンクに関する構成)
図1,2,3に示すように、機体1の左部に脱穀装置5が設けられ、機体1の右部にグレンタンク6が設けられて、脱穀装置5とグレンタンク6とが、左右方向に沿って横並び状態で機体1に設けられている。
【0057】
図10,11,12,14に示すように、脱穀装置5において脱穀処理されて選別された作物(1番物)が、脱穀装置5の下部の前部に設けられた1番物回収部34に回収される。スクリュー型式の搬送装置35が、脱穀装置5とグレンタンク6との間の空間において、1番物回収部34とグレンタンク6の上部の前部とに亘って接続されている。1番物回収部34に回収された作物は、搬送装置35により上方に向けて搬送され、搬送装置35の上端部からグレンタンク6の内部に供給されて、グレンタンク6に貯留される。
【0058】
脱穀装置5において、脱穀処理の不十分な作物(2番物)が、2番物回収部36に回収されるのであり、2番物回収部36は、脱穀装置5の下部における1番物回収部34よりも後側の部分に設けられている。
【0059】
スクリュー型式の還元装置37が、脱穀装置5とグレンタンク6との間の空間で、脱穀装置5と搬送装置35との間の空間において、2番物回収部36と脱穀装置5の前部の上下中間部とに亘って接続されている。2番物回収部36に回収された作物(2番物)は、還元装置37により脱穀装置5に戻されて再処理される。
【0060】
図10,12,14に示すように、グレンタンク6において、グレンタンク6の下部6aが、背面視で、下側ほど左右幅が狭くなる下すぼまり状に形成されており、グレンタンク6の作物を排出装置24に向けて搬送する底スクリュー38が、グレンタンク6の下部6aの底部に前後方向に沿って設けられている。
【0061】
グレンタンク6の下部6aにおいて、脱穀装置5の側の部分の後部に、グレンタンク6の左右中央に向けて入り込む入り込み部6bが設けられている。
脱穀装置5に向けて張り出す張り出し部6cが、グレンタンク6の後部で、入り込み部6bの上方の部分に設けられている。
【0062】
(エンジンに関する構成)
図10,12,13に示すように、エンジン33が、左右向きフレーム8(図4参照)の右部に左右方向に沿って設けられており、運転部4に設けられた運転座席39の下方に配置されている。エンジン33は、機体1の左右中央CL1及び左右の走行装置2の左右中央CL2(図3参照)に対して、グレンタンク6の側である右側に偏移して配置され、グレンタンク6の前方に配置されており、機体1の前部に設けられている。
【0063】
図1,2,10,12に示すように、ラジエータ109及びインタークーラー(図示せず)が、エンジン33に対して右側に配置され、プレクリーナ40及びエアクリーナ41が、エンジン33の上方に配置されている。ターボチャージャー42がエンジン33の前部に設けられ、燃料噴射装置43がエンジン33の後部に設けられている。
【0064】
空気が、プレクリーナ40から吸入されパイプ44を通ってエアクリーナ41に供給される。エアクリーナ41からの空気が、パイプ(図示せず)を通ってターボチャージャー42に供給され、パイプ(図示せず)を通ってインタークーラーに供給され、パイプ(図示せず)を通ってエンジン33に供給される。
【0065】
図1,3,12,13に示すように、マフラー48がエンジン33に対して左側に配置されており、エンジン33及びターボチャージャー42からの排気管(図示せず)がマフラー48に接続されている。
【0066】
マフラー48(エンジン33)からの排気管50が、マフラー48の後部から上方に向けて延出され、還元装置37の上端部の上方で、後向きに向きが変更されており、脱穀装置5と搬送装置35との間の空間を通りながら、脱穀装置5とグレンタンク6との間の空間で、且つ、グレンタンク6の張り出し部6cの上方に配置されて、後方に向けて延出されている。
【0067】
(ミッションケース及び燃料タンクの配置に関する構成)
図1図4及び図10,11,12に示すように、ミッションケース51が、機体1における還元装置37よりも後側の部分に設けられて、機体1の後部に設けられており、機体1の左右中央CL1及び左右の走行装置2の左右中央CL2に対して、グレンタンク6の側である右側に偏移して配置されている。
【0068】
燃料タンク52が、機体1におけるミッションケース51よりも後側の部分に設けられて、機体1の後部に設けられており、機体1の左右中央CL1及び左右の走行装置2の左右中央CL2に対して、グレンタンク6の側である右側に偏移して配置されている。
【0069】
図10,11,12,15,16に示すように、ミッションケース51及び燃料タンク52が、脱穀装置5とグレンタンク6との間の空間に配置されて、機体1の後部に設けられている。ミッションケース51及び燃料タンク52と、グレンタンク6の後部及び脱穀装置5の後部とが、前後方向で重複している。
【0070】
ミッションケース51及び燃料タンク52が、グレンタンク6の下部6aに対して下側の領域に入り込んでいる。グレンタンク6の入り込み部6bが、グレンタンク6の下部6aにおけるミッションケース51及び燃料タンク52に対向する部分に設けられている。
グレンタンク6の張り出し部6cが、グレンタンク6におけるミッションケース51及び燃料タンク52の上方の部分に設けられている。
【0071】
(エンジンの動力をミッションケースに伝達する伝動機構の構成)
図10,11,12に示すように、エンジン33の動力をミッションケース51に伝達する伝動機構53が、脱穀装置5の下部とグレンタンク6の下部6aとの間の空間に、前後方向に沿って配置されている。
【0072】
伝動機構53は、以下の説明のように、出力回転体である出力プーリー54、入力回転体である入力プーリー55、支持ケース56、カウンタ軸57、第1中継回転体である第1中継プーリー61、第2中継回転体である第2中継プーリー62、第1無端回動体である第1伝動ベルト63、第2無端回動体である第2伝動ベルト64、第1テンション輪65及び第2テンション輪66を有している。
【0073】
図10図14に示すように、エンジン33の出力軸33aが、エンジン33から脱穀装置5の側である左側に向けて出ており、出力プーリー54がエンジン33の出力軸33aに連結されて設けられている。入力プーリー55がミッションケース51の入力軸51a(後述の(ミッションケースに関する構成)を参照)に連結されて設けられている。
【0074】
左右向きフレーム9に支持ブラケット9a(図4参照)が設けられている。支持ケース56が、左右方向に沿って左右向きフレーム9の支持ブラケット9aに連結されて、エンジン33とミッションケース51との間の空間に配置されており、エンジン33と搬送装置35との間の空間に配置されている。
【0075】
カウンタ軸57が、回転可能に左右方向に沿って支持ケース56に支持されている。第1中継プーリー61が、カウンタ軸57の左右一方の端部である左端部に連結されて設けられている。第2中継プーリー62が、カウンタ軸57の左右他方の端部である右端部に連結されて設けられている。
【0076】
第1伝動ベルト63が、出力プーリー54と第1中継プーリー61とに亘って取り付けられている。第2伝動ベルト64が、第2中継プーリー62と入力プーリー55とに亘って取り付けられている。第2伝動ベルト64が、グレンタンク6と搬送装置35及び還元装置37との間の空間に配置されており、グレンタンク6の下部6aに対して下側の領域に入り込んでいる。
【0077】
カウンタ軸57における第1中継プーリー61と支持ケース56との間の部分に、ボス部58が回転可能に支持され、アーム59がボス部58に連結されて斜め前下方に向けて延出されている。
【0078】
第1テンション輪65がアーム59の端部に回転可能に支持されており、支持ケース56の上部に設けられブラケット56aとアーム59とに亘って、アーム59を上方に付勢するバネ60が接続されている。第1テンション輪65が、ボス部58及びアーム59、カウンタ軸57を介して支持ケース56に支持されている。
【0079】
カウンタ軸57における第2中継プーリー62と支持ケース56との間の部分に、ボス部67が回転可能に支持され、アーム68がボス部67に連結されて斜め後下方に向けて延出されている。
【0080】
第2テンション輪66がアーム68の端部に回転可能に支持されており、支持ケース56の上部に設けられブラケット56bとアーム68とに亘って、アーム68を上方に付勢するバネ69が接続されている。第2テンション輪66が、ボス部67及びアーム68、カウンタ軸57を介して支持ケース56に支持されている。
【0081】
第1テンション輪65及び第2テンション輪66が、第1伝動ベルト63の下部及び第2伝動ベルト64の下部に上向きに押圧されており、第1テンション輪65及び第2テンション輪66により、第1伝動ベルト63の張り状態及び第2伝動ベルト64の張り状態が維持されている。
【0082】
以上の構成により、エンジン33の出力軸33aの動力が、出力プーリー54、第1伝動ベルト63、第1中継プーリー61、カウンタ軸57、第2中継プーリー62、第2伝動ベルト64、入力プーリー55を介して、ミッションケース51の入力軸51aに伝達される。
【0083】
(ミッションケースに関する構成)
図10,11,12に示すように、ミッションケース51の入力軸51aが、ミッションケース51の上部からグレンタンク6の側である右側に向けて出ており、入力プーリー55がミッションケース51の入力軸51aに連結されて設けられている。
【0084】
図11,12,15,16,17に示すように、走行用の変速装置である左右の静油圧式無段変速装置70が、ミッションケース51の上部の右部及び左部に設けられている。
静油圧式無段変速装置70は、中立位置、前進の高速側及び後進の高速側に無段階に変速可能である。
【0085】
円筒状の右の車軸ケース102が、ミッションケース51の右部の下部に連結されて、ミッションケース51から右の横外方に向けて延出されている。円筒状の左の車軸ケース102が、ミッションケース51の左部の下部に連結されて、ミッションケース51から左の横外方に向けて延出されている。
【0086】
右の車軸103が、右の車軸ケース102に内装されて、機体1の右の外側に向けて延出されており、右の車軸103の端部に右の駆動輪13が支持されている。左の車軸103が、左の車軸ケース102に内装されて、機体1の左の外側に向けて延出されており、左の車軸103の端部に左の駆動輪13が支持されている。
【0087】
この場合、前述の(ミッションケース及び燃料タンクの配置に関する構成)に記載のように、ミッションケース51が機体1の左右中央CL1及び左右の走行装置2の左右中央CL2に対して、グレンタンク6の側である右側に偏移して配置されるようにする為に、左の車軸ケース102及び車軸103が、右の車軸ケース102及び車軸103よりも長いものに構成されている。
【0088】
図15及び図16に示すように、ミッションケース51の内部において、左右の車軸103の端部に左右の車軸ギヤ105が連結されている。左右の伝動ギヤ104が、車軸ギヤ105に対して上側に配置されて車軸ギヤ105と咬合している。
【0089】
前述の(エンジンの動力をミッションケースに伝達する伝動機構の構成)に記載のように、ミッションケース51の入力軸51aに伝達された動力は、ミッションケース51の内部の伝動系により左右に分岐されて、左右の静油圧式無段変速装置70に並列的に伝達される。
【0090】
右の静油圧式無段変速装置70により変速された動力は、ミッションケース51の内部の右の伝動系を介して右の伝動ギヤ104に伝達され、右の伝動ギヤ104から右の車軸ギヤ105及び右の車軸103を介して右の駆動輪13に伝達されて、右の駆動輪13及び右のクローラベルト18が回転駆動される。
【0091】
左の静油圧式無段変速装置70により変速された動力は、ミッションケース51の内部の左の伝動系を介して左の伝動ギヤ104に伝達され、左の伝動ギヤ104から左の車軸ギヤ105及び左の車軸103を介して左の駆動輪13に伝達されて、左の駆動輪13及び左のクローラベルト18が回転駆動される。
【0092】
左右の静油圧式無段変速装置70を独立に操作することにより、前進及び後進、左右の走行装置2に速度差を与えて行う右(左)への緩旋回、右又は左の走行装置2を停止させて行う右(左)への信地旋回、左右の走行装置2を互いに逆転させて行う右(左)への超信地旋回を行うことができる。
【0093】
(ミッションケースの支持の構成)
図4,5,6,7に示すように、右の車軸支持部23が、右の前後向きフレーム7に添わされるように、右の前後向きフレーム7(機体1)の前後方向一方側の端部である後端部に連結されている。左の車軸支持部23が、左の前後向きフレーム7に添わされるように、左の前後向きフレーム7(機体1)の前後方向一方側の端部である後端部に連結されている。
【0094】
図7,11,12,15,17に示すように、左右の車軸支持部23の後端部に、断面半円状で後方に向いた凹部23aが設けられている。断面半円状の左右の固定部108が設けられており、固定部108は車軸支持部23に着脱可能である。車軸支持部23は前後向きフレーム7とは別部材であるので、前後向きフレーム7の影響を受けることなく、車軸支持部23を車軸ケース102の支持に適した構造に構成することが容易である。
【0095】
左右向きの横フレーム106が、右の車軸支持部23と左の車軸支持部23とに亘って連結されており、右の前後向きフレーム7と左の前後向きフレーム7とに亘って連結されている。
【0096】
図4,5,6に示すように、横フレーム106は、側面視で、第1リンク21及び第2リンク22に対して前後方向一方側である後側に配置されており、車軸ケース102に対して前側に配置されている。
【0097】
図15及び図16に示すように、横フレーム106は、側面視で、伝動ギヤ104の回転軸芯(仮想線L3参照)と、車軸ギヤ105(車軸103)の回転軸芯(仮想線L4参照)との間の高さに配置されている。
【0098】
図5に示すように、第1リンク21及び第2リンク22の前後方向一方側である第2リンク22と連係リンク26との上側接続部分A1と、第1リンク21及び第2リンク22の前後方向一方側である第2リンク22とトラックフレーム17(第2支持部17b)との下側接続部分である支点軸25とにおいて、横フレーム106が、側面視で、上側接続部分A1(仮想線L1参照)と、支点軸25(仮想線L2参照)との間の高さに配置されている。
【0099】
図11,12,15,16,17に示すように、側面視で三角形状の支持部材107が設けられており、支持部材107が、左右向きフレーム11(前述の(機体の構成)及び図4を参照)における左右の前後向きフレーム7の間の部分と、横フレーム106における左右の前後向きフレーム7の間の部分とに亘って連結されている。
【0100】
以上の構成により、車軸ケース102が、車軸支持部23の凹部23aに対して後側から、車軸支持部23の凹部23aに入れ込まれている。固定部108が車軸支持部23に連結されており、車軸支持部23の凹部23aに入り込んだ車軸ケース102が、車軸支持部23と固定部108とにより前後方向で挟み込まれている。これにより、右の車軸ケース102が右の車軸支持部23に固定されて支持され、左の車軸ケース102が左の車軸支持部23に固定されて支持されている。
車軸ケース102が車軸支持部23に固定されることに加えて、ミッションケース51の前部が、支持部材107に連結されている。
【0101】
ミッションケース51は、右の車軸支持部23(右の車軸ケース102)、左の車軸支持部23(左の車軸ケース102)、支持部材107の3箇所で、機体1に連結されて支持されている。ミッションケース51は、支持部材107を介して左右向きフレーム11に連結されて支持されており、支持部材107を介して横フレーム106に連結されて支持されている。
ミッションケース51は、側面視で、機体1を構成するフレームである前後向きフレーム7及び左右向きフレーム11に対して上側と下側とに亘って配置されている。
【0102】
燃料タンク52を取り外し、ミッションケース51と支持部材107との連結を解除して、固定部108を車軸支持部23から取り外すことにより、車軸ケース102を車軸支持部23の凹部23aから後方に向けての取り外すことが許容されて、ミッションケースを後方に向けて取り外すことができる。
【0103】
(脱穀装置及び刈取部、グレンタンクへの伝動の構成)
図10図13及び図18に示すように、機体1における脱穀装置5の前方の部分に、中継軸71が左右方向沿って支持されており、中継軸71がエンジン33の出力軸33aに対して前側に配置されている。
【0104】
図18,19,20に示すように、入力プーリー72が、中継軸71のエンジン33の側の端部である右端部に連結されており、出力プーリー54と入力プーリー72とに亘って、伝動ベルト73が取り付けられている。中継プーリー45が、中継軸71の左端部に連結されている。
【0105】
作物の脱穀処理を行う扱胴46が、脱穀装置5の内部の上部に前後方向に沿って配置されており、駆動ケース47が脱穀装置5の前部の上部に設けられている。伝動軸49が駆動ケース47から左方に向けて延出されており、伝動軸49の左端部に連結された伝動プーリー49aと、中継プーリー45とに亘って、伝動ベルト76が取り付けられている。
駆動ケース47の内部において、扱胴46の駆動軸46aに連結されたベベルギヤ46bと、伝動軸49の右端部に連結されたベベルギヤ49bとが咬合している。
【0106】
図10,18,20に示すように、選別風を発生させる唐箕77が、脱穀装置5の前部の下部に設けられており、唐箕77の左端部に連結された入力プーリー77aと、中継プーリー45とに亘って、伝動ベルト78が取り付けられている。
【0107】
1番物回収部34の左端部に入力プーリー34aが連結され、2番物回収部36の左端部に入力プーリー36aが連結されている。脱穀装置5に設けられた選別部(図示せず)を駆動する選別軸79が、脱穀装置5の後部に左右方向に沿って配置されており、選別軸79の左端部に入力プーリー79aが連結されている。1番物回収部34の入力プーリー34aと2番物回収部36の入力プーリー36aとの間に、中継プーリー80が配置されている。
【0108】
伝動ベルト81が、唐箕77の入力プーリー77aと、1番物回収部34の入力プーリー34aと、2番物回収部36の入力プーリー36aと、中継プーリー80とに亘って取り付けられている。伝動ベルト82が、中継プーリー80と選別軸79の入力プーリー79aとに亘って取り付けられている。
【0109】
図18,19,20に示すように、刈取部3の入力軸83が、駆動ケース47の下方に左右方向に沿って配置されており、入力軸83の左端部に連結された入力プーリー83aと伝動軸49の伝動プーリー49aとに亘って、伝動ベルト84が取り付けられている。
【0110】
図10に示すように、エンジン33の出力プーリー33bが、エンジン33に対して脱穀装置5の反対側である右部に配置されており、グレンタンク6の前部に駆動ケース85が設けられている。エンジン33の出力プーリー33bと駆動ケース85の入力プーリー85aとに亘って、伝動ベルト86が取り付けられており、伝動ベルト86に対して排出クラッチ87が設けられている。
【0111】
(脱穀装置及び刈取部、グレンタンクへの伝動の状態)
前述の(脱穀装置及び刈取部への伝動の構成)及び図18に示すように、エンジン33の動力が、エンジン33の出力軸33a、出力プーリー54、伝動ベルト73及び入力プーリー72を介して、中継軸71に伝達される。
【0112】
図10図13に示すように、刈取脱穀伝動機構である入力プーリー72及び伝動ベルト73が、エンジン33の出力軸33aから前後方向に沿って、伝動機構53の第1伝動ベルト63の反対側に向けて延出されるように配置されている。
【0113】
図10及び図18に示すように、中継軸71に伝達された動力が、伝動ベルト78を介して唐箕77に伝達され、伝動ベルト81を介して1番物回収部34及び2番物回収部36に伝達され、中継プーリー80及び伝動ベルト82を介して選別軸79に伝達される。
【0114】
図18,19,20に示すように、中継軸71に伝達された動力が、伝動ベルト76及び伝動軸49を介して、扱胴46に伝達される。以上のようにして、中継軸71に伝達された動力が、脱穀装置5の各部に伝達される。
中継軸71に伝達された動力が、伝動軸49から分岐して、伝動ベルト84を介して入力軸83に伝達されるのであり、入力軸83から刈取部3の各部に伝達される。
【0115】
図10に示すように、エンジン33の出力プーリー33bの動力が、伝動ベルト86(排出クラッチ87の伝動状態)及び駆動ケース85を介して、底スクリュー38に伝達されるのであり、底スクリュー38から排出装置24に伝達される。排出クラッチ87が遮断状態に操作されることにより、底スクリュー38及び排出装置24が停止する。
【0116】
(刈取脱穀クラッチの構成)
図10図13及び図18,19に示すように、伝動状態及び遮断状態に操作可能な刈取脱穀クラッチ88が、刈取脱穀伝動機構である伝動ベルト73に設けられており、刈取脱穀クラッチ88は伝動ベルト73及びクラッチアーム74を構成要素としている。
【0117】
刈取脱穀クラッチ88において、天秤状のクラッチアーム74が、中継軸71の左部に揺動可能に支持されて、中継軸71から斜め後上方及び斜め前上方に延出されている。テンション輪74aがクラッチアーム74の後部に回転可能支持されて、戻しバネ75が、クラッチアーム74の後部に接続されている。刈取脱穀レバー89が運転部4に設けられて、刈取脱穀レバー89とクラッチアーム74の前部とに亘って、連係ロッド90及び融通用のバネ91が接続されている。
【0118】
図11,12,13に示す状態は、刈取脱穀レバー89が伝動位置に操作された状態であり、連係ロッド90及び融通用のバネ91が図13の上方に操作され、クラッチアーム74が戻しバネ75に抗して図13の時計方向に揺動操作され、クラッチアーム74のテンション輪74aが伝動ベルト73に押圧された状態である。この状態が、刈取脱穀クラッチ88が伝動状態に操作された状態である。
【0119】
刈取脱穀クラッチ88が伝動状態に操作された状態において、エンジン33の出力軸33aの動力が、伝動ベルト73を介して中継軸71に伝達されるのであり、中継軸71から脱穀装置5の各部及び刈取部3の各部に伝達される。
【0120】
刈取脱穀レバー89が伝動位置から上方の遮断位置に操作されると、連係ロッド90及び融通用のバネ91が図13の下方に操作され、クラッチアーム74が戻しバネ75により図13の反時計方向に揺動操作されて、クラッチアーム74のテンション輪74aが伝動ベルト73から上方に離れる。この状態が、刈取脱穀クラッチ88が遮断状態に操作された状態であり、伝動ベルト73の位置において動力が遮断されて、脱穀装置5及び刈取部3が停止する。
【0121】
入力プーリー72の前方の近傍を覆うカバー92が設けられており、刈取脱穀クラッチ88が遮断状態に操作された際に、伝動ベルト73の入力プーリー72からの外れが防止される。
【0122】
(刈取クラッチの構成)
図18,19,20に示すように、伝動状態及び遮断状態に操作可能な刈取クラッチ93が、伝動ベルト84に設けられている。刈取クラッチ93は、伝動ベルト84及びクラッチアーム94を構成要素としている。
【0123】
刈取クラッチ93において、クラッチアーム94が、入力軸83の左部に揺動可能に支持されて、テンション輪94aがクラッチアーム94の上部に回転可能支持されている。
刈取レバー95が運転部4に設けられて、刈取レバー95とクラッチアーム94に連結されたアーム部94bとに亘って、ワイヤ96及び融通用のバネ97が接続されている。
【0124】
図20に示す状態は、刈取レバー95が伝動位置に操作された状態であり、ワイヤ96及び融通用のバネ97が図20の下方に引き操作され、クラッチアーム94が図20の時計方向に揺動操作されて、クラッチアーム94のテンション輪94aが伝動ベルト84に押圧された状態である。この状態が、刈取クラッチ93が伝動状態に操作された状態である。
【0125】
刈取クラッチ93が伝動状態に操作された状態において、伝動軸49の動力が、伝動ベルト84を介して入力軸83に伝達されるのであり、入力軸83から刈取部3の各部に伝達される。この場合、刈取脱穀クラッチ88(前述の(刈取脱穀クラッチの構成)を参照)が伝動状態に操作されていることが必要である。
【0126】
刈取レバー95が伝動位置から上方の遮断位置に操作されると、ワイヤ96及び融通用のバネ97が図20の上方に操作され、クラッチアーム94が図20の反時計方向に揺動操作されて、クラッチアーム94のテンション輪94aが伝動ベルト84から前方に離れる。この状態が、刈取クラッチ93が遮断状態に操作された状態であり、伝動ベルト84の位置において動力が遮断されて、刈取部3が停止する。
【0127】
(刈取部の逆転の構成)
図18及び図19に示すように、伝動軸98が駆動ケース47から右方に向けて延出されており、伝動軸98の右端部に連結された伝動プーリー98aと、入力軸83の右端部に連結された出力プーリー83bとに亘って、伝動ベルト99が取り付けられている。駆動ケース47の内部において、扱胴46のベベルギヤ46bと、伝動軸98の左端部に連結されたベベルギヤ98bとが咬合している。
【0128】
伝動状態及び遮断状態に操作可能な刈取逆転クラッチ100が、伝動ベルト99に設けられている。刈取逆転クラッチ100は、伝動ベルト99及びクラッチアーム101、及び逆転レバー(図示せず)を構成要素としている。
【0129】
刈取逆転クラッチ100において、クラッチアーム101が、伝動軸98の右部に揺動可能に支持されて、テンション輪101aがクラッチアーム1010に回転可能支持されており、逆転レバー(図示せず)がクラッチアーム101に連結されている。
【0130】
刈取脱穀クラッチ88が伝動状態に操作されていると、伝動軸49の動力が、伝動軸49のベベルギヤ49b、扱胴46のベベルギヤ46b及び伝動軸98のベベルギヤ98bにより、逆転の動力となって伝動軸98に伝達されている。
【0131】
通常の作業状態では、クラッチアーム101のテンション輪101aは伝動ベルト99から離れて、刈取逆転クラッチ100は遮断状態に操作されており、伝動軸98の逆転の動力は入力軸83に伝達されない。
刈取部3に作物の詰まり等が発生した場合、以下の説明のように、刈取部3を逆転作動させて、刈取部3の作物の詰まり等を解消する。
【0132】
刈取脱穀クラッチ88を伝動状態に操作し、刈取クラッチ93を遮断状態に操作した状態において、逆転レバーを持ってクラッチアーム101を揺動操作し、クラッチアーム101のテンション輪101aを伝動ベルト99に押圧して、刈取逆転クラッチ100を伝動状態に操作する。
【0133】
これにより、伝動軸98の逆転の動力が、伝動ベルト99を介して入力軸83に伝達され、刈取部3が逆転作動する。逆転レバーから手を離すと、直ちにクラッチアーム101が伝動ベルト99から離れるので、刈取逆転クラッチ100が遮断状態に操作されて、刈取部3が停止する。
【0134】
(発明の実施の第1別形態)
車軸支持部23が、前後向きフレーム7の前後方向一方側の端部である前端部に連結されるように構成してもよい。
【0135】
この構成によると、ミッションケース51は機体1の前部に設けられ、テンション輪14が走行装置2の後端部に配置され、駆動輪13が走行装置2の前端部に配置される。
横フレーム106は、側面視で、第1リンク21及び第2リンク22に対して前後方向一方側である前側に配置され、車軸ケース102に対して後側に配置される。
横フレーム106は、第1リンク21及び第2リンク22の前後方向一方側である第1リンク21と連係リンク26との上側接続部分と、第1リンク21及び第2リンク22の前後方向一方側である第1リンク21とトラックフレーム17(第1支持部17a)との下側接続部分との間の高さに配置される。
【0136】
(発明の実施の第2別形態)
第1リンク21及び第2リンク22が、軸芯P1,P2から斜め後下方に向けて延出されて、軸芯P1,P2周りに起立側及び倒伏側に揺動可能に構成されてもよい。
【0137】
この構成によると、油圧シリンダ27が第1リンク21の第1アーム21aに対して前側配置される。油圧シリンダ27が伸長作動して第1リンク21の第1アーム21aを後方に押し操作(揺動操作)することにより、第1リンク21が起立側に揺動操作される。
これに伴って連係リンク26を介して、第2リンク22の第2アーム22aが後方に揺動操作され、第2リンク22の第2アーム22aを介して、第2リンク22が起立側に揺動操作されて、機体1が走行装置2(トラックフレーム17)に対して上昇操作される。
【0138】
(発明の実施の第3別形態)
図4,5,6に示す構成及び(発明の実施の第2別形態)において、油圧シリンダ27を第2リンク22の第2アーム22aに接続して、油圧シリンダ27により第2リンク22が揺動操作されるように構成してもよい。
【0139】
この構成によると、油圧シリンダ27によって第2リンク22の第2アーム22aが揺動操作されることにより、第2リンク22が揺動操作され、これに伴って連係リンク26を介して、第1リンク21の第1アーム21aが揺動操作され、第1リンク21の第1アーム21aを介して、第1リンク21が揺動操作される。
【0140】
(発明の実施の第4別形態)
支持部材107が廃止されて、ミッションケース51が左右向きフレーム11に直接に連結されて支持されるように構成してもよい。
支持部材107が廃止されて、ミッションケース51が横フレーム106に直接に連結されて支持されるように構成してもよい。
【0141】
(発明の実施の第5別形態)
静油圧式無段変速装置70に代えて、ベルト式の無段変速装置(図示せず)や、有段のギヤ変速型式の変速装置(図示せず)を、走行用の変速装置としてミッションケース51に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明は、普通型のコンバインばかりではなく、自脱型のコンバインや、コンバイン以外の収穫機や作業車にも適用できる。
【符号の説明】
【0143】
1 機体
2 走行装置
7 前後向きフレーム
11 左右向きフレーム
13 駆動輪
14 テンション輪
15 転輪
17 トラックフレーム
18 クローラベルト
21 第1リンク
21a 第1アーム
21b 支点軸(箇所)
22 第2リンク
22a 第2アーム
22b 支点軸(箇所)
23 車軸支持部
25 支点軸(下側接続部分)
26 連係リンク
27 油圧シリンダ
51 ミッションケース
70 静油圧式無段変速装置(変速装置)
102 車軸ケース
103 車軸
104 伝動ギヤ
105 車軸ギヤ
106 横フレーム
A1 上側接続部分
P1 軸芯(第1軸芯)
P2 軸芯(第2軸芯)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20