IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特許7381489温度に基づく制御を有するエアロゾル発生装置
<>
  • 特許-温度に基づく制御を有するエアロゾル発生装置 図1
  • 特許-温度に基づく制御を有するエアロゾル発生装置 図2
  • 特許-温度に基づく制御を有するエアロゾル発生装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】温度に基づく制御を有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20231108BHJP
【FI】
A24F40/57
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020558519
(86)(22)【出願日】2019-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2019060380
(87)【国際公開番号】W WO2019206916
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-15
(31)【優先権主張番号】18168846.6
(32)【優先日】2018-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ユテュリー ジェローム
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/019533(WO,A1)
【文献】特表2015-536648(JP,A)
【文献】特表2018-514191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を受容するための空洞と、
前記エアロゾル形成基体が前記空洞内に受容されている時に、エアロゾル形成基体を加熱するように配設された電気ヒーターと、
電源と、
第一の期間中、および前記第一の期間の後の第二の期間中に前記電源から前記電気ヒーターへの電力の供給を制御するように配設されたコントローラであって、前記第一の期間中に前記電気ヒーターの温度が第一の所定の温度から第二の所定の温度まで上昇するためにかかった時間を判定することによって前記第一の期間中に前記電気ヒーターの温度上昇速度を判定するよう配設され、かつ前記第一の期間中の前記判定された温度上昇速度に基づいて、前記第二の期間中に前記電源から前記電気ヒーターへの前記電力の供給を調整するように配設されている、コントローラと、を備えるエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記コントローラが、前記第一の期間の間、一定の割合で前記電源から前記電気ヒーターに電力を供給するように配設されている、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記判定された時間が第一の閾値を上回る時に、前記コントローラが、前記第二の期間中に第一の割合で前記電源から前記電気ヒーターに電力を供給するように配設されている、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記判定された時間が前記第一の閾値を下回る時に、前記コントローラが前記第二の期間中に電力を第二の割合で前記電源から前記電気ヒーターに供給するように配設されていて、前記第二の割合が前記第一の割合よりも大きい、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記判定された時間が第二の閾値を下回る時に、前記コントローラが第二の期間中に前記電源から前記電気ヒーターへの前記電力の供給を阻止するように配設されていて、前記第二の閾値が前記第一の閾値より小さい、請求項3または4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記コントローラが周囲温度を判定するように配設されていて、前記判定された時間が前記第一の閾値を上回り、かつ前記判定された周囲温度が周囲温度閾値を上回る時に、前記コントローラが電力を前記第一の割合で前記電源から前記電気ヒーターに供給するように配設されていて、かつ前記判定された時間が前記第一の閾値を上回り、かつ前記判定された周囲温度が前記周囲温度閾値を下回る時に、前記コントローラが電力を前記第二の割合で前記電源から前記電気ヒーターに供給するように配設されている、請求項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記周囲温度を感知するように配設された温度センサーをさらに備え、前記コントローラが前記温度センサーから受信した信号に基づいて前記周囲温度を判定するように配設されている、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記電気ヒーターが抵抗発熱体を備え、前記コントローラが前記抵抗発熱体の抵抗に基づいて前記抵抗発熱体の温度を判定するように配設されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
エアロゾル発生システムであって、
請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、
エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品と、を備えるエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記エアロゾル形成基体がたばこを含む、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
エアロゾル形成基体を受容するための空洞と、電源と、前記エアロゾル形成基体が前記空洞内に受容されている時に前記エアロゾル形成基体を加熱するように配設された電気ヒーターと、を有するエアロゾル発生装置を制御する方法であって、
第一の期間の間に、前記電源から前記電気ヒーターへの電力の供給を制御する工程と、
前記電気ヒーターの温度を第一の所定の温度から第二の所定の温度に上昇するためにかかった時間を判定することによって前記第一の期間中に前記電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程と、
前記第一の期間後の第二の期間中に前記電源から前記電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程であって、第二の期間中の前記電源から前記電気ヒーターへの電力の供給が、前記第一の期間中の判定された温度上昇速度に基づいて調整される、工程と、を含む、方法。
【請求項12】
第一の期間の間に前記電源から前記電気ヒーターへの電力の供給を制御する前記工程が、前記第一の期間の間に電力を一定の割合で前記電源から前記電気ヒーターに供給することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータまたは他の処理装置上で実行される時に、請求項11または12の方法を実行するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定された温度上昇速度に基づいて、電気ヒーターへの電力の供給を制御するように配設されたコントローラを有するエアロゾル発生装置に関する。本発明はまた、エアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムに関する。本発明はまた、エアロゾル発生装置を制御する方法および方法を実行するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。周知の手持ち式の電気的に作動する喫煙システムは典型的に、電池と、制御電子機器と、エアロゾル発生装置で使用するために特に設計された喫煙物品を加熱するための電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置を備える。喫煙物品はエアロゾル形成基体を備える。一部の実施例において、エアロゾル形成基体は、たばこプラグなどのプラグの形態であり、またエアロゾル発生装置内に包含された電気ヒーターは、喫煙物品がエアロゾル発生装置の中に挿入されている時に、エアロゾル形成基体の中に挿入されている。
【0003】
典型的に、エアロゾル発生装置は、所定の加熱プロファイルに従って電気ヒーターを使用して熱を発生するように構成されている。しかしながら、エアロゾル形成基体の変化は、ユーザー体験において望ましくない変化をもたらす場合がある。例えば、高湿度環境において、エアロゾル形成基体は高い含水量を呈する場合がある。水はエアロゾル発生装置の典型的な動作温度でエアロゾル化されるため、高い含水量はユーザーによって知覚される不必要に高いエアロゾル温度をもたらす場合がある。別の実施例において、既に加熱されているエアロゾル形成基体は、低い含水量を呈する場合がある。低い含水量は、ユーザーがエアロゾル発生装置中のエアロゾル形成基体を再加熱しようとする場合、エアロゾル形成基体からの熱伝達の低減をもたらすことになる。エアロゾル形成基体からの熱伝達の低減は、エアロゾル発生装置の過熱をもたらす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
周知のエアロゾル発生装置に伴う不都合の少なくとも一部を軽減または克服するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の態様によると、エアロゾル形成基体を受容するための空洞と、エアロゾル形成基体が空洞内に受容されている時にエアロゾル形成基体を加熱するように配設された電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置はまた、電源と、第一の期間中および第一の期間の後の第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御するように配設されたコントローラとを備える。コントローラはまた、第一の期間中に電気ヒーターの温度上昇速度を判定するように配設されている。コントローラはまた、第一の期間中の判定された温度上昇速度に基づいて、第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整するように配設されている。
【0006】
有利なことに、コントローラは第一の期間中に電気ヒーターの温度上昇速度を判定するように配設されている。有利なことに、判定された温度上昇速度は、空洞内に受容されたエアロゾル形成基体の含水量を示す場合がある。判定された比較的低い温度上昇速度は、比較的高い含水量を示す場合がある。判定された比較的高い温度上昇速度は、比較的低い含水量を示す場合がある。有利なことに、判定された温度上昇速度に基づいて、コントローラは、後続の第二の期間中に電気ヒーターへの電力の供給を変化させて電気ヒーターのさらなる加熱を調整する。
【0007】
第一の期間は、エアロゾル形成基体の広範な含水量にわたる、電気ヒーターの測定可能な温度上昇を確実にするために十分に長いことが好ましい。第一の期間は少なくとも約1秒であることが好ましく、少なくとも約2秒であることがより好ましく、少なくとも約3秒であることがより好ましい。
【0008】
第一の期間は、所望のユーザー体験を提供するために第二の期間中に電気ヒーターへの電力の供給をコントローラが変える前の時間を最小化するために十分に短いことが好ましい。第一の期間は約15秒未満であることが好ましく、約14秒未満であることがより好ましく、約13秒未満であることがより好ましく、約12秒未満であることがより好ましく、約11秒未満であることがより好ましく、約10秒未満であることがより好ましい。
【0009】
コントローラは、一定期間にわたる電気ヒーターの温度上昇を判定することによって電気ヒーターの温度上昇速度を判定するように配設されてもよい。コントローラは、第一の期間全体の間に電気ヒーターの温度上昇速度を判定するように配設されてもよい。コントローラは、第一の期間の開始時に判定された電気ヒーターの第一の温度と、第一の期間の終了時に判定された電気ヒーターの第二の温度とに基づいて電気ヒーターの温度上昇速度を判定するように配設されてもよい。
【0010】
コントローラは、電気ヒーターの所定の温度上昇が生じるためにかかった時間を判定することによって電気ヒーターの温度上昇速度を判定するように配設されてもよい。コントローラは、第一の期間の一部分中に電気ヒーターの温度上昇速度を判定するように配設されてもよい。コントローラは、第一の期間中に電気ヒーターの温度を第一の所定の温度から第二の所定の温度に上昇するためにかかった時間を判定するように配設されてもよく、判定された時間は、判定された温度上昇速度である。
【0011】
第一の所定の温度は、任意の予想される周囲温度を上回ることが好ましい。有利なことに、周囲温度を上回る第一の所定の温度は、電気ヒーターの判定された温度上昇速度での周囲温度の任意の変化を最小化するまたは無くす場合がある。第一の所定の温度は少なくとも摂氏約50度であることが好ましく、少なくとも摂氏約60度であることが好ましく、少なくとも摂氏約70度であることが好ましく、少なくとも摂氏約80度であることが好ましく、少なくとも摂氏約90度であることが好ましい。第一の所定の温度は摂氏100度であってもよい。
【0012】
本明細書で特定される数値は、製造公差および測定器具の精度からもたらされる変動に基づいて、特定された値の周りのある範囲の値を包含することが理解される。
【0013】
第二の所定の温度は、第二の期間中の電気ヒーターの標的動作温度を下回ることが好ましい。有利なことに、標的動作温度を下回る第二の所定の温度は、コントローラが第二の期間中に電気ヒーターへの電力の供給の調整を開始する必要がある前に、電気ヒーターの温度上昇速度の判定を容易にする場合がある。第二の所定の温度は摂氏約300度未満であることが好ましく、摂氏約290度未満であることが好ましく、摂氏約280度未満であることが好ましく、摂氏約270度未満であることが好ましく、摂氏約260度未満であることが好ましい。第二の所定の温度は摂氏250度であってもよい。
【0014】
コントローラは、第一の期間の間、一定の割合で電源から電気ヒーターに電力を供給するように配設されていることが好ましい。有利なことに、第一の期間の間、電力を一定の割合で電気ヒーターに供給することは、第一の期間中の電気ヒーターの温度上昇速度の正確な判定を容易にする場合がある。コントローラは、第一の期間中に少なくとも約95パーセントの負荷サイクルで電源から電気ヒーターに電力を供給するように配設されていることが好ましい。
【0015】
コントローラは、判定された温度上昇速度と第一の閾値との比較に基づいて、第二の期間中に電力を第一の割合または第二の割合で電源から電気ヒーターに供給するように配設されていることが好ましく、第二の割合は第一の割合より大きい。第一の割合は、低減された割合またはより低い割合として記述されてもよい。第二の割合は、通常の割合として記述されてもよい。第一の閾値は、エアロゾル形成基体の通常の含水量とエアロゾル形成基体の高い含水量との間の閾値を示す場合がある。言い換えれば、第一の閾値を下回る判定された温度上昇速度は、エアロゾル形成基体の高い含水量を示す場合がある。第一の閾値を上回る判定された温度上昇速度は、エアロゾル形成基体の通常の含水量を示す場合がある。
【0016】
一定期間にわたる電気ヒーターの温度上昇を判定することによって電気ヒーターの温度上昇速度をコントローラが判定する実施形態において、第一の閾値は温度上昇閾値である場合がある。コントローラは、判定された温度上昇が第一の閾値を下回る時に、電力を第一の割合で電気ヒーターに供給するように配設されている。コントローラは、判定された温度上昇が第一の閾値を上回る時に、電力を第二の割合で電気ヒーターに供給するように配設されている。第一の閾値は、摂氏約230度~摂氏約250度の温度上昇であってもよい。第一の閾値は、摂氏約240度~摂氏約250度の温度上昇であってもよい。
【0017】
電気ヒーターの所定の温度上昇が生じるためにかかった時間を判定することによって、コントローラが電気ヒーターの温度上昇速度を判定する実施形態において、第一の閾値は時間閾値であってもよい。コントローラは、判定された時間が第一の閾値を上回る時に、電力を第一の割合で電気ヒーターに供給するように配設されている。コントローラは、判定された時間が第一の閾値を下回る時に、電力を第二の割合で電気ヒーターに供給するように配設されている。第一の閾値は、約3秒~約10秒の時間であってもよい。第一の閾値は、約5秒~約7秒の時間であってもよい。第一の閾値は、5.2秒の時間であってもよい。
【0018】
コントローラは、判定された温度上昇速度と第二の閾値との比較に基づいて電源から電気ヒーターへの電力の供給を阻止するように配設されていることが好ましく、第二の閾値は第一の閾値と異なる。第二の閾値は、エアロゾル形成基体の通常の含水量とエアロゾル形成基体の低い含水量との間の閾値を示す場合がある。言い換えれば、第二の閾値を下回る判定された温度上昇速度は、エアロゾル形成基体の通常の含水量を示す場合がある。第二の閾値を上回る判定された温度上昇速度は、エアロゾル形成基体の低い含水量を示す場合がある。
【0019】
一定期間にわたる電気ヒーターの温度上昇を判定することによって電気ヒーターの温度上昇速度をコントローラが判定する実施形態において、第二の閾値は温度上昇閾値であってもよい。コントローラは、判定された温度上昇が第一の閾値を上回り、かつ第二の閾値を下回る時に、電力を第二の割合で電気ヒーターに供給するように配設されている。コントローラは、判定された温度上昇が第二の閾値を上回る時に、電気ヒーターへの電力の供給を阻止するように配設されている。第二の閾値は、摂氏約310度~摂氏約330度の温度上昇であってもよい。第二の閾値は、摂氏約310度~摂氏約320度の温度上昇であってもよい。
【0020】
電気ヒーターの所定の温度上昇が生じるためにかかった時間を判定することによって、コントローラが電気ヒーターの温度上昇速度を判定する実施形態において、第二の閾値は時間閾値であってもよい。コントローラは、判定された時間が第一の閾値を下回り、かつ第二の閾値を上回る時に、電力を第二の割合で電気ヒーターに供給するように配設されている。コントローラは、判定された時間が第二の閾値を下回る時に、電気ヒーターへの電力の供給を阻止するように配設されている。第二の閾値は、約4秒~約5秒の時間であってもよい。
【0021】
コントローラはまた、周囲温度を判定するように配設されていることが好ましい。
【0022】
第一の閾値が温度上昇閾値である実施形態において、判定された電気ヒーターの温度上昇が第一の閾値を下回り、かつ判定された周囲温度が周囲温度閾値を上回る時に、コントローラは電力を第一の割合で電源から電気ヒーターに供給するように配設されていることが好ましい。
【0023】
第一の閾値が時間閾値である実施形態において、判定された時間が第一の閾値を上回り、かつ判定された周囲温度が周囲温度閾値を上回る時に、コントローラは電力を第一の割合で電源から電気ヒーターに供給するように配設されていることが好ましい。
【0024】
第一の閾値が温度上昇閾値である実施形態において、判定された電気ヒーターの温度上昇が第一の閾値を下回り、かつ判定された周囲温度が周囲温度閾値を下回る時に、コントローラは電力を第二の割合で電源から電気ヒーターに供給するように配設されていることが好ましい。
【0025】
第一の閾値が時間閾値である実施形態において、判定された時間が第一の閾値を上回り、かつ判定された周囲温度が周囲温度閾値を下回る時に、コントローラは電力を第二の割合で電源から電気ヒーターに供給するように配設されていることが好ましい。
【0026】
本発明の発明者らは、周囲温度が低い時に、通常の含水量を有するエアロゾル形成基体の温度上昇速度が著しくより遅い場合があることを認識してきた。言い換えれば、低温環境において、通常の含水量を有するエアロゾル形成基体とともに使用される時の、判定された電気ヒーターの温度上昇速度は、通常の周囲温度にて高い含水量を有するエアロゾル形成基体とともに使用される時の、判定された電気ヒーターの温度上昇速度と類似している場合がある。従って、有利なことに、周囲温度が周囲温度閾値を上回る時のみ、第二の期間中に電力を第一の割合で電気ヒーターに供給することは、低い周囲温度にて通常の含水量を有するエアロゾル形成基体とともにエアロゾル発生装置を使用する時に、コントローラがエネルギーを第一の割合で供給することを低減または阻止する場合がある。本発明の発明者らは、周囲温度が低い時に、高い含水量を有するエアロゾル形成基体に対して、必ずしも電力を第一の割合で電気ヒーターに供給しなくてもよいことを認識している。特に、有利なことに、使用中にエアロゾル発生装置に入る低温の周囲空気は、エアロゾル形成基体が高い含水量を有する時でさえも、発生したエアロゾルの温度をユーザーにとって許容可能なレベルに維持するのに十分である。
【0027】
周囲温度閾値は摂氏約15度~摂氏約25度であることが好ましく、摂氏約17度~摂氏約23度であることが好ましい。周囲温度閾値は摂氏18度であってもよい。
【0028】
エアロゾル発生装置は、周囲温度を感知するように配設された温度センサーを備えてもよく、コントローラは温度センサーから受信した信号に基づいて周囲温度を判定するように配設されている。温度センサーは、サーミスタを備えてもよい。温度センサーは、熱電対を備えてもよい。温度センサーは、半導体温度センサーを備えてもよい。
【0029】
電気ヒーターの温度上昇速度を判定することを容易にするために、コントローラは電気ヒーターの温度を判定するように配設されていることが好ましい。電気ヒーターは少なくとも一つの抵抗発熱体を備え、コントローラは、少なくとも一つの抵抗発熱体の抵抗に基づいて少なくとも一つの抵抗発熱体の温度を判定するように配設されていることが好ましい。コントローラは、少なくとも一つの抵抗発熱体の抵抗を測定するように配設された回路を備えてもよい。コントローラは、測定した抵抗を、温度に対する抵抗の較正曲線と比較することによって、少なくとも一つの抵抗発熱体の温度を判定するように配設されてもよい。
【0030】
電気ヒーターは、複数の抵抗発熱体を備えることが好ましい。抵抗発熱体は、平行な配設で電気的に接続されていることが好ましい。有利なことに、平行な配設で電気的に接続された複数の抵抗発熱体を提供することは、望ましい電力を提供するために必要とされる電圧を低減または最小化しながら、電気ヒーターへの望ましい電力の送達を容易にする場合がある。有利なことに、電気ヒーターを動作させるために必要とされる電圧を低減または最小化することは、電源の物理的なサイズを低減または最小化することを容易にする場合がある。
【0031】
電気ヒーターは電気的に絶縁された基体を備えてもよく、少なくとも一つの抵抗発熱体が電気的に絶縁された基体上に提供される。
【0032】
電気的に絶縁された基体は、電気ヒーターの動作温度で安定していることが好ましい。電気的に絶縁された基体は、最高で摂氏約400度の温度で安定していることが好ましく、摂氏約500度で安定していることがより好ましく、摂氏約600度で安定していることがより好ましく、摂氏約700度で安定していることがより好ましく、摂氏約800度で安定していることがより好ましい。使用中の電気ヒーターの動作温度は、少なくとも摂氏約200度であってもよい。使用中の電気ヒーターの動作温度は、摂氏約700度未満であってもよい。使用中の電気ヒーターの動作温度は、摂氏約600度未満であってもよい。使用中の電気ヒーターの動作温度は、摂氏約500度未満であってもよい。使用中の電気ヒーターの動作温度は、摂氏約400度未満であってもよい。
【0033】
電気的に絶縁された基体は、ジルコニアまたはアルミナなどのセラミック材料であってもよい。電気的に絶縁された基体は、約2ワット毎メートル毎ケルビン以下の熱伝導率を有することが好ましい。
【0034】
少なくとも一つの抵抗発熱体を形成するための適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」セラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、ならびにセラミック材料および金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。
【0035】
一部の実施形態において、少なくとも一つの抵抗発熱体は、電気抵抗性材料(ステンレス鋼など)の一つ以上のスタンプ加工された部分を含む。別の方法として、少なくとも一つの抵抗発熱体は、加熱ワイヤーまたはフィラメント(例えばNi-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステンもしくは合金のワイヤー)を含んでもよい。
【0036】
電気ヒーターは、エアロゾル形成基体が空洞内に受容されている時に、エアロゾル形成基体の中への挿入のために配設されてもよい。電気ヒーターは空洞内に位置付けられてもよい。電気ヒーターは細長い電気ヒーターであってもよい。細長い電気ヒーターはブレード形状であってもよい。細長い電気ヒーターはピン形状であってもよい。細長い電気ヒーターは円錐形状であってもよい。細長い電気ヒーターはブレード形状であってもよい。
【0037】
電源はDC電圧源であってもよい。好ましい実施形態において、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、またエアロゾル発生装置を一つ以上のエアロゾル形成基体とともに使用するために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有する場合がある。
【0038】
エアロゾル発生装置はハウジングを備えることが好ましい。ハウジングは、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を少なくとも部分的に画定することが好ましい。
【0039】
エアロゾル発生装置は、空洞と流体連通する少なくとも一つの空気吸込み口を備えることが好ましい。エアロゾル発生装置がハウジングを備える実施形態において、ハウジングは、少なくとも一つの空気吸込み口を少なくとも部分的に画定することが好ましい。少なくとも一つの空気吸込み口は、空洞の上流端と流体連通していることが好ましい。電気ヒーターが、空洞内に位置付けられた細長い電気ヒーターである実施形態において、細長い電気ヒーターは、空洞の上流端から空洞の中に延びることが好ましい。
【0040】
エアロゾル発生装置は、消費者が吸煙していることを示す気流を検出するためのセンサーを備えてもよい。気流センサーは電気機械装置であってもよい。気流センサーは、機械式装置、光学式装置、光学機械式装置、および微小電気機械システム(MEMS)ベースのセンサーのうちのいずれかであってもよい。エアロゾル発生装置は、消費者が吸煙を開始するための手動操作可能なスイッチを備えてもよい。
【0041】
エアロゾル発生装置は、電気ヒーターが起動された時を示すためのインジケータを備えることが好ましい。インジケータは、電気ヒーターが起動された時に起動されるライトを備えてもよい。
【0042】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別の電気的な装置に接続することを可能にする、外部プラグまたはソケットのうちの少なくとも一つと、少なくとも一つの外部電気接点とを備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別のUSB使用可能装置に接続することを可能にする、USBプラグまたはUSBソケットを備えてもよい。例えば、USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置内の再充電可能電源を充電するために、USB充電装置へのエアロゾル発生装置の接続を可能にする場合がある。追加的に、または別の方法として、USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置へのデータ転送、またはエアロゾル発生装置からのデータ転送、またはエアロゾル発生装置へのデータ転送とエアロゾル発生装置からのデータ転送との両方に対応する場合がある。追加的に、または別の方法として、新しいエアロゾル発生物品のための新しい加熱プロファイルなどのデータを装置に転送するために、エアロゾル発生装置をコンピュータに接続してもよい。
【0043】
エアロゾル発生装置がUSBプラグまたはソケットを備える実施形態において、エアロゾル発生装置は、使用されていない時にUSBプラグまたはソケットを覆う取り外し可能なカバーをさらに備えてもよい。USBプラグまたはソケットがUSBプラグである実施形態において、USBプラグは追加的に、または別の方法として、装置内に選択的に格納可能であってもよい。
【0044】
本発明の第二の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。
【0045】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を、加熱された時に放出するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。
【0046】
エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。
【0047】
エアロゾル形成基体は、たばこのプラグを備えてもよい。たばこプラグは、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。随意に、たばこプラグは、たばこプラグの加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含有してもよい。随意に、たばこプラグはまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含むカプセルを包含してもよい。こうしたカプセルは、たばこプラグの加熱中に溶融してもよい。別の方法として、または追加的に、こうしたカプセルは、たばこプラグの加熱前、加熱中、または加熱後に押しつぶされてもよい。
【0048】
たばこプラグが均質化したたばこ材料を含む場合、均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。均質化したたばこ材料はシートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5パーセントより大きいエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、または別の方法で細かく砕くことによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよく、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱いおよび輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために、一つ以上の固有の結合剤(すなわち、たばこ内因性結合剤)、または一つ以上の外来性結合剤(すなわち、たばこ外因性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成することと、均質化したたばこ材料シートを支持表面から取り外すこととを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成されていることが好ましい。
【0049】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ13ミリメートルの外径を有してもよい。
【0050】
エアロゾル発生物品は、たばこプラグの下流に位置付けられたマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。マウスピースは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。マウスピースは、およそ7ミリメートルの長さであることが好ましいが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有することができる。
【0051】
たばこプラグは、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。たばこプラグは、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0052】
たばこプラグの直径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。
【0053】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ40ミリメートル~およそ50ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、およそ7.2ミリメートルの外径を有することが好ましい。
【0054】
本発明の第三の態様によると、エアロゾル形成基体を受容するための空洞と、電源と、エアロゾル形成基体が空洞内に受容されている時にエアロゾル形成基体を加熱するように配設された電気ヒーターとを有するエアロゾル発生装置を制御する方法が提供されている。方法は、第一の期間の間に電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御する工程を含む。方法はまた、第一の期間中の電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程を含む。方法はまた、第一の期間後の第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程を含み、第二の期間中の電源から電気ヒーターへの電力の供給は、第一の期間中の判定された温度上昇速度に基づいて調整される。
【0055】
本発明の第一の態様に関して本明細書に記載した通り、電気ヒーターの判定された温度上昇速度は、エアロゾル形成基体の含水量を示す場合がある。判定された比較的低い温度上昇速度は、比較的高い含水量を示す場合がある。判定された比較的高い温度上昇速度は、比較的低い含水量を示す場合がある。有利なことに、判定された温度上昇速度に基づいて、後続の第二の期間中の電気ヒーターへの電力の供給は、電気ヒーターのさらなる加熱を調整するために調整されてもよい。
【0056】
第一の期間は、エアロゾル形成基体の広範な含水量にわたる、電気ヒーターの測定可能な温度上昇を確実にするために十分に長いことが好ましい。第一の期間は少なくとも約1秒であることが好ましく、少なくとも約2秒であることがより好ましく、少なくとも約3秒であることがより好ましい。
【0057】
第一の期間は、所望のユーザー体験を提供するために第二の期間中に電気ヒーターへの電力の供給を調整する前の時間を最小化するために十分に短いことが好ましい。第一の期間は約15秒未満であることが好ましく、約14秒未満であることがより好ましく、約13秒未満であることがより好ましく、約12秒未満であることがより好ましく、約11秒未満であることがより好ましく、約10秒未満であることがより好ましい。
【0058】
電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程は、一定期間にわたる電気ヒーターの温度上昇を判定することを含んでもよい。電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程は、第一の期間全体の間の電気ヒーターの温度上昇速度を判定することを含んでもよい。電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程は、第一の期間の開始時に判定された電気ヒーターの第一の温度と、第一の期間の終了時に判定された電気ヒーターの第二の温度とに基づいて、電気ヒーターの温度上昇速度を判定することを含んでもよい。
【0059】
電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程は、電気ヒーターの所定の温度上昇が生じるためにかかった時間を判定することを含んでもよい。電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程は、第一の期間の一部分中の電気ヒーターの温度上昇速度を判定することを含んでもよい。電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程は、電気ヒーターの温度が第一の期間中に第一の所定の温度から第二の所定の温度まで上昇するためにかかった時間を判定することを含んでもよく、判定された時間は判定された温度上昇速度である。
【0060】
第一の所定の温度は、任意の予想される周囲温度を上回ることが好ましい。有利なことに、周囲温度を上回る第一の所定の温度は、電気ヒーターの判定された温度上昇速度での周囲温度の任意の変化を最小化するまたは無くす場合がある。第一の所定の温度は少なくとも摂氏約50度であることが好ましく、少なくとも摂氏約60度であることが好ましく、少なくとも摂氏約70度であることが好ましく、少なくとも摂氏約80度であることが好ましく、少なくとも摂氏約90度であることが好ましい。第一の所定の温度は摂氏約100度であってもよい。
【0061】
第二の所定の温度は、第二の期間中の電気ヒーターの標的動作温度を下回ることが好ましい。有利なことに、標的動作温度を下回る第二の所定の温度は、第二の期間中に電気ヒーターへの電力の供給を調整する前に、電気ヒーターの温度上昇速度の判定を容易にする場合がある。第二の所定の温度は摂氏約300度未満であることが好ましく、摂氏約290度未満であることが好ましく、摂氏約280度未満であることが好ましく、摂氏約270度未満であることが好ましく、摂氏約260度未満であることが好ましい。第二の所定の温度は摂氏約250度であってもよい。
【0062】
第一の期間の間、電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御する工程は、第一の期間の間に電力を一定の割合で電源から電気ヒーターに供給することを含むことが好ましい。有利なことに、第一の期間の間、電力を一定の割合で電気ヒーターに供給することは、第一の期間中の電気ヒーターの温度上昇速度の正確な判定を容易にする場合がある。
【0063】
第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された温度上昇速度と第一の閾値との比較に基づいて、第二の期間中に電力を第一の割合または第二の割合で電源から電気ヒーターに供給することを含むことが好ましく、第二の割合は第一の割合より大きい。第一の割合は、低減された割合またはより低い割合として記述されてもよい。第二の割合は、通常の割合として記述されてもよい。第一の閾値は、エアロゾル形成基体の通常の含水量とエアロゾル形成基体の高い含水量との間の閾値を示す場合がある。言い換えれば、第一の閾値を下回る判定された温度上昇速度は、エアロゾル形成基体の高い含水量を示す場合がある。第一の閾値を上回る判定された温度上昇速度は、エアロゾル形成基体の通常の含水量を示す場合がある。
【0064】
電気ヒーターの温度上昇速度が、一定期間にわたる電気ヒーターの温度上昇を判定することによって判定される実施形態において、第一の閾値は温度上昇閾値であってもよい。第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された温度上昇が第一の閾値を下回る時に、電力を第一の割合で電気ヒーターに供給することを含む。第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された温度上昇が第一の閾値を上回る時に、電力を第二の割合で電気ヒーターに供給することを含む。第一の閾値は、摂氏約230度~摂氏約250度の温度上昇であってもよい。第一の閾値は、摂氏約240度~摂氏約250度の温度上昇であってもよい。
【0065】
電気ヒーターの温度上昇速度が、電気ヒーターの所定の温度上昇が生じるのにかかった時間を判定することによって判定される実施形態において、第一の閾値は時間閾値であってもよい。第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された時間が第一の閾値を上回る時に、電力を第一の割合で電気ヒーターに供給することを含む。第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された時間が第一の閾値を下回る時に、電力を第二の割合で電気ヒーターに供給することを含む。第一の閾値は、約5秒~約6秒の時間であってもよい。第一の閾値は、約5.2秒の時間であってもよい。
【0066】
第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された温度上昇速度と第二の閾値との比較に基づいて、電源から電気ヒーターへの電力の供給を阻止することを含むことが好ましく、第二の閾値は第一の閾値と異なる。第二の閾値は、エアロゾル形成基体の通常の含水量とエアロゾル形成基体の低い含水量との間の閾値を示す場合がある。言い換えれば、第二の閾値を下回る判定された温度上昇速度は、エアロゾル形成基体の通常の含水量を示す場合がある。第二の閾値を上回る判定された温度上昇速度は、エアロゾル形成基体の低い含水量を示す場合がある。
【0067】
電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程が、一定期間にわたる電気ヒーターの温度上昇を判定することを含む実施形態において、第二の閾値は温度上昇閾値であってもよい。第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された温度上昇が第一の閾値を上回り、かつ第二の閾値を下回る時に、電力を第二の割合で電気ヒーターに供給することを含む。第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された温度上昇が第二の閾値を上回る時に、電気ヒーターへの電力の供給を阻止することを含む。第二の閾値は、摂氏約310度~摂氏約330度の温度上昇であってもよい。第二の閾値は、摂氏約310度~摂氏約320度の温度上昇であってもよい。
【0068】
電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程が、電気ヒーターの所定の温度上昇が生じるのにかかった時間を判定することを含む実施形態において、第二の閾値は時間閾値であってもよい。第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された時間が第一の閾値を下回り、かつ第二の閾値を上回る時に、電力を第二の割合で電気ヒーターに供給することを含む。第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された時間が第二の閾値を下回る時に、電気ヒーターへの電力の供給を阻止することを含む。第二の閾値は、約4秒~約5秒の時間であってもよい。
【0069】
方法は、周囲温度を判定する工程をさらに含むことが好ましい。周囲温度を判定する工程は、第一の期間の間に電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御する工程の前に実施されてもよい。周囲温度を判定する工程は、第一の期間の間に電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御する工程の後に、かつ第一の期間中に電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程の前に実施されてもよい。周囲温度を判定する工程は、第一の期間中に電気ヒーターの温度上昇速度を判定する工程の後に、かつ第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程の前に実施されてもよい。
【0070】
第一の閾値が温度上昇閾値である実施形態において、第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された電気ヒーターの温度上昇が第一の閾値を下回り、かつ判定された周囲温度が周囲温度閾値を上回る時に、電力を第一の割合で電源から電気ヒーターに供給することを含むことが好ましい。
【0071】
第一の閾値が時間閾値である実施形態において、第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された時間が第一の閾値を上回り、かつ判定された周囲温度が周囲温度閾値を上回る時に、電力を第一の割合で電源から電気ヒーターに供給することを含むことが好ましい。
【0072】
第一の閾値が温度上昇閾値である実施形態において、第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された電気ヒーターの温度上昇が第一の閾値を下回り、かつ判定された周囲温度が周囲温度閾値を下回る時に、電力を第二の割合で電源から電気ヒーターに供給することを含むことが好ましい。
【0073】
第一の閾値が時間閾値である実施形態において、第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された時間が第一の閾値を上回り、かつ判定された周囲温度が周囲温度閾値を下回る時に、電力を第二の割合で電源から電気ヒーターに供給することを含むことが好ましい。
【0074】
周囲温度閾値は摂氏約15度~摂氏約25度であることが好ましく、摂氏約17度~摂氏約23度であることが好ましい。周囲温度閾値は摂氏約18度であってもよい。
【0075】
本発明の第四の態様によると、コンピュータまたはその他の処理装置上で実行された時に、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第三の態様の方法を実行するコンピュータプログラムが提供されている。コンピュータプログラムは、プログラム可能なコントローラだけでなく、電気ヒーターおよび電源などのその他の必要とされるハードウエア要素を有するエアロゾル発生装置上で実行するために適切なソフトウエア製品として実装されてもよい。
【0076】
本発明の第五の態様によると、エアロゾル形成基体を受容するための空洞と、エアロゾル形成基体が空洞内に受容されている時にエアロゾル形成基体を加熱するように配設された電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置はまた、電源と、第一の期間中および第一の期間の後の第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御するように配設されたコントローラとを備える。コントローラはまた、周囲温度を判定するように配設されている。コントローラはまた、判定された周囲温度に基づいて、第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整するように配設されている。
【0077】
コントローラは、第一の期間の前に周囲温度を判定するように配設されてもよい。コントローラは、第一の期間の開始時に周囲温度を判定するように配設されてもよい。コントローラは、第一の期間中に周囲温度を判定するように配設されてもよい。コントローラは、第一の期間の終了時に周囲温度を判定するように配設されてもよい。
【0078】
判定された周囲温度が周囲温度閾値を上回る時に、コントローラは第二の期間中に電力を第一の割合で電源から電気ヒーターに供給するように配設されていることが好ましい。
【0079】
判定された周囲温度が周囲温度閾値を下回る時に、コントローラは第二の期間中に電力を第二の割合で電源から電気ヒーターに供給するように配設されていることが好ましく、第二の割合は第一の割合より大きい。
【0080】
周囲温度閾値は摂氏約15度~摂氏約25度であることが好ましく、摂氏約17度~摂氏約23度であることが好ましい。周囲温度閾値は摂氏18度であってもよい。
【0081】
エアロゾル発生装置は、周囲温度を感知するように配設された温度センサーを備えてもよく、コントローラは温度センサーから受信した信号に基づいて周囲温度を判定するように配設されている。温度センサーは、サーミスタを備えてもよい。温度センサーは、熱電対を備えてもよい。温度センサーは、半導体温度センサーを備えてもよい。
【0082】
エアロゾル発生装置は、本発明の第一の態様に関して本明細書に記載の特徴のうちのいずれかを備えてもよい。
【0083】
本発明の第六の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第五の態様によるエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムは、本発明の第二の態様に関して本明細書に記載の特徴のうちのいずれかを備えてもよい。
【0084】
本発明の第七の態様によると、エアロゾル形成基体を受容するための空洞と、電源と、エアロゾル形成基体が空洞内に受容されている時にエアロゾル形成基体を加熱するように配設された電気ヒーターとを有するエアロゾル発生装置を制御する方法が提供されている。方法は、第一の期間の間に電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御する工程を含む。方法はまた、周囲温度を判定する工程を含む。方法はまた、第一の期間後の第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程を含み、第二の期間中の電源から電気ヒーターへの電力の供給は、判定された周囲温度に基づいて調整される。
【0085】
周囲温度を判定する工程は、第一の期間の間に電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御する工程の前に実施されてもよい。周囲温度を判定する工程は、第一の期間の開始時に実施されてもよい。周囲温度を判定する工程は、第一の期間中に実施されてもよい。周囲温度を判定する工程は、第一の期間の終了時に実施されてもよい。
【0086】
第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された周囲温度が周囲温度閾値を上回る時に、第二の期間中に電力を第一の割合で電源から電気ヒーターに供給することを含むことが好ましい。
【0087】
第二の期間中に電源から電気ヒーターへの電力の供給を調整する工程は、判定された周囲温度が周囲温度閾値を下回る時に、第二の期間中に電力を第二の割合で電源から電気ヒーターに供給することを含むことが好ましく、第二の割合は第一の割合より大きい。
【0088】
周囲温度閾値は摂氏約15度~摂氏約25度であることが好ましく、摂氏約17度~摂氏約23度であることが好ましい。周囲温度閾値は摂氏18度であってもよい。
【0089】
方法は、本発明の第三の態様に関して本明細書に記載の特徴のうちのいずれかを備えてもよい。
【0090】
本発明の第八の態様によると、コンピュータまたはその他の処理装置上で実行された時に、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる本発明の第七の態様の方法を実行するコンピュータプログラムが提供されている。コンピュータプログラムは、プログラム可能なコントローラだけでなく、電気ヒーターおよび電源などのその他の必要とされるハードウエア要素を有するエアロゾル発生装置上で実行するために適切なソフトウエア製品として実装されてもよい。
【0091】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生装置の断面図を示す。
図2図2は、図1のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムの断面図を示す。
図3図3は、図1のエアロゾル発生装置のコントローラによって実施される方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0093】
図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生装置10の断面図を示す。エアロゾル発生装置10は、前方ハウジング部分13と後方ハウジング部分15とを備える概して円筒状のハウジング12を備える。前方ハウジング部分13は後方ハウジング部分15から摺動可能に取り外し可能であり、また図1において部分的に取り外された位置で図示されている。
【0094】
前方ハウジング部分13は、外壁17および内壁19を備え、内壁19はエアロゾル形成基体を受容するための空洞14を画定する。空気をエアロゾル発生装置12の中へと入れるための複数の空気吸込み口16は、前方ハウジング部分13の端にて外壁17と内壁19の間に画定されている。
【0095】
後方ハウジング部分15は、前方ハウジング部分13が後方ハウジング部分15に受容されている時に、前方ハウジング部分13の外壁17と内壁19の間に受容されている円筒状の壁21を備える。円筒状の壁21は、複数の細長いスロット23を画定する。
【0096】
また、エアロゾル発生装置10は、後方ハウジング部分15上に位置付けられた、および前方ハウジング部分13が後方ハウジング部分15に受容されている時に内壁19によって画定された開口部25を通って、かつ空洞14の中に延びるように配設された電気ヒーター18を備える。使用中に、空気は空気吸込み口16を通ってエアロゾル発生装置10の中に流れ、円筒状の壁21によって画定されたスロット23を通って、かつ開口部25を通って空洞14の中に流れる。
【0097】
電気ヒーター18は、基部部分20と、基部部分20から延びる細長い電気的に絶縁された基体22とを備える。細長い電気的に絶縁された基体22は、セラミック材料から形成されている。細長い電気的に絶縁された基体22は、エアロゾル形成基体が空洞14内に受容されている時に、細長い電気的に絶縁された基体22をエアロゾル形成基体の中に挿入することを容易にするようにブレード形状である。
【0098】
細長い電気ヒーター18はまた、細長い電気的に絶縁された基体22上に位置付けられた複数の抵抗発熱体24を備える。
【0099】
エアロゾル発生装置10はまた、電源26、コントローラ28、および温度センサー29をさらに備える。コントローラ28は、電源26から電気ヒーター18の抵抗発熱体24への電力の供給を制御することを含む、幾つかの機能を実施するように配設されてもよい。電源26は再充電可能電池を備える。
【0100】
図2は、図1のエアロゾル発生装置10と、エアロゾル発生装置10の空洞14内に受容されたエアロゾル発生物品52とを備えるエアロゾル発生システム50の断面図を示す。エアロゾル発生装置10は、後方ハウジング部分15に完全に受容された前方ハウジング部分13とともに、図2に図示されている。
【0101】
エアロゾル発生物品52は、たばこプラグの形態のエアロゾル形成基体54と、中空のアセテート管56と、高分子フィルター58と、マウスピース60と、外側ラッパー62とを備える。エアロゾル発生物品52がエアロゾル発生装置10の空洞14内に受容されている時に、細長い電気的に絶縁された基体22および電気ヒーター18の抵抗発熱体24は、たばこプラグ内に受容されている。
【0102】
エアロゾル発生装置10のコントローラ28は、エアロゾル発生物品52が空洞14の中に挿入されている時に、およびエアロゾル発生装置10がユーザーによってオンに切り替えられた時に、図3に図示した方法100を実行するように配設されている。
【0103】
第一の工程102において、コントローラ28は、温度センサー29を使用して周囲温度を判定する。
【0104】
第二の工程104において、コントローラ28は、第一の期間106の開始時に電源26から電気ヒーター18への一定割合での電力の供給を開始する。
【0105】
第三の工程108において、コントローラ28は、電気ヒーター18が摂氏100度の第一の所定の温度に到達する第一の時間を記録する。コントローラ28は、抵抗発熱体24の抵抗を測定することと、測定した抵抗を、コントローラ28に保存された温度に対する抵抗の較正曲線と比較することとによって電気ヒーター18の温度を判定するように配設されている。
【0106】
第四の工程110において、コントローラ28は、電気ヒーター18が摂氏250度の第二の所定の温度に到達する第二の時間を記録する。第五の工程112において、コントローラ18は、第一の期間中に電気ヒーター18の温度上昇速度を判定する。特に、コントローラ18は、第一の時間と第二の時間の間の差を判定して、電気ヒーター18の温度が第一の所定の温度から第二の所定の温度に上昇するのにかかった時間111を判定する。かかった時間は、エアロゾル形成基体54の含水量によって部分的に判定される。エアロゾル形成基体54が比較的高い含水量を有する場合、エアロゾル形成基体54からの水の気化は、第一の期間106中の電気ヒーター18からの熱エネルギーの伝達の速度を増加し、これは温度の上昇がより遅くなることと、第二の所定の温度に到達するのにかかる時間111がより長くなることにつながる。エアロゾル形成基体54が比較的低い含水量を有する場合、エアロゾル形成基体54からの水の気化の低減は、第一の期間106中の電気ヒーター18からの熱エネルギーの伝達の速度を低減し、これは温度の上昇がより速くなることと、第二の所定の温度に到達するのにかかる時間111がより短くなることにつながる。
【0107】
第六の工程114において、コントローラ28は、電気ヒーター18への一定割合での電力の供給の第一の期間を終了し、第二の期間116を開始する。第二の期間116中に、コントローラ28は、周囲温度と、電気ヒーター18の温度が第一の所定の温度から第二の所定の温度に上昇するのにかかった判定された時間とによって判定された割合で電力を電源26から電気ヒーター18に供給する。かかった時間が、5.2秒の第一の閾値を下回り、また4秒の第二の閾値を上回る場合、コントローラ28は電力を所定の通常の割合で電気ヒーター18に供給する。かかった時間が第一の閾値を上回り、かつ判定された周囲温度が摂氏18度の周囲温度閾値を上回る場合、コントローラ28は電力を通常の割合より低い低減された割合で電気ヒーター18に供給する。かかった時間が第一の閾値を上回り、かつ判定された周囲温度が周囲温度閾値を下回る場合、コントローラ28は電力を通常の割合で電気ヒーター18に供給する。かかった時間が第二の閾値を下回る場合、コントローラ28は、電気ヒーター18への第二の電力の供給を阻止して、エアロゾル形成基体54のさらなる加熱を阻止する。
図1
図2
図3