(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】エアロゾル発生基体の中空ロッドを備えるエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20231108BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20231108BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2020568766
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2019066399
(87)【国際公開番号】W WO2019243538
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-17
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ブリフカニ ノーリ モヤード
(72)【発明者】
【氏名】プラッテ パスカル アンドレ ダニエル ジャン
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/089126(WO,A1)
【文献】特表2017-518041(JP,A)
【文献】国際公開第2017/207674(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱された時に、吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、
エアロゾル発生基体の中空円筒状ロッドと、
前記ロッドを囲むラッパーと、
前記ロッドの長軸方向軸に沿って延びる、かつエアロゾル発生物品の中央気流チャネルを画定する中空管であって、前記管の壁を通って延びる複数の開口を備え、これによって前記ロッドの中の前記エアロゾル発生基体が前記開口を通して前記中央気流チャネルと流体連通している、中空管と、を備え、
前記複数の開口の累積断面積と前記中央気流チャネルの断面積との間の比が、
0.042~
0.672である、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記少なくとも一つの開口が、前記中空管の周囲の周りに前記中空管の第一の端から所定の距離で離隔した開口の少なくとも第一の列を備える、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記少なくとも一つの開口が、前記中空管の周囲の周りに離隔した開口の少なくとも第二の列を備え、前記開口の第二の列が、前記開口の第一の列から少なくとも
1センチメートルだけ長軸方向に離隔している、請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記開口が、前記中空管の外表面の周りにらせん状に配設されている、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記中空管の外径が、
2.0ミリメートル~
2.5ミリメートルである、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記
複数の開口のうちの少なくとも1つの開口
の等価直径が、
0.5ミリメートル~0.7ミリメートルである、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記中空管の厚さが、
0.4ミリメートル~
1ミリメートルである、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記中空管が、少なくとも
60ミリメートルH
2Oの引き出し抵抗(RTD)を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記少なくとも一つの開口が、前記中空管のRTDの50パーセント未満のRTDを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
エアロゾル発生物品と、ヒーター、および前記エアロゾル発生物品を受容するように構成された細長い加熱チャンバーを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置とを備え、これによって前記エアロゾル発生物品が前記加熱チャンバーの中で加熱される、エアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生物品が、
エアロゾル発生基体の中空円筒状ロッドと、
前記ロッドを囲むラッパーと、
前記ロッドの長軸方向軸に沿って延びる、かつ前記エアロゾル発生物品の中央気流チャネルを画定する中空管であって、前記管の壁を通って延びる
複数の開口を備え、これによって前記ロッドの中の前記エアロゾル発生基体が前記開口を通して前記中央気流チャネルと流体連通している、中空管と、を備え
、前記複数の開口の累積断面積と前記中央気流チャネルの断面積との間の比が、0.042~0.672である、
エアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記中央気流チャネルの断面面積が、
3.14平方ミリメートル~
4.52平方ミリメートルであり、かつ前記
複数の開口のうちの少なくとも一つの開口の断面積が
0.19平方ミリメートル~
0.38平方ミリメートルである、請求項10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記ヒーターが、実質的に円筒状の細長い発熱体を備え、かつ前記加熱チャンバーが前記ヒーターの円周状の長軸方向の表面の周りに配置されている、請求項10または請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
加熱されたエアロゾル発生基体からの熱損失を低減するために、前記加熱チャンバーと前記
エアロゾル発生装置の外
部との間に配設された断熱手段を備える、請求項10
~請求項12
のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当業界で周知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源に接触して、または熱源の中に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置していてもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷えるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
例えばランダムに配向させた、たばこ材料の断片、ストランド、または細片などから、加熱式エアロゾル発生物品用の基体を製造するために利用できる、幾つかの代替的な方法がある。最近では、国際特許公開公報第2012/164009号(WO,A)は、ロッドに沿った空隙率のより良好な制御を可能にする均質化したたばこ材料のシートの集合体から形成された加熱式エアロゾル発生物品用のロッドを開示している。
【0004】
多くの先行技術文書で、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置が開示されている。こうした装置には、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が含まれる。エアロゾル発生装置は、例えばユーザーによって挿入することができ、また使用後にユーザーによって取り外されることができるエアロゾル発生基体を取り外し可能に受容するように適合された加熱チャンバーを備えてもよい。従って、こうした装置において、エアロゾル発生基体は、加熱チャンバーの包囲する表面から熱を受容する場合がある。
【0005】
エアロゾル発生物品の挿入および取り外しを容易にするために、加熱チャンバーの内径は、エアロゾル発生物品の外径より大きいことが好ましい。これはまた、エアロゾル発生物品の外径のわずかな差異を説明するのに役立つという点で望ましい。これに反して、加熱チャンバーの内径がエアロゾル発生物品の外径と非常に類似していた場合、エアロゾル発生物品の外径の変動は、エアロゾル発生物品が装置の中に挿入されるのを妨げる場合があり、また一般にエアロゾル発生物品の部分は、加熱表面に直接接触する、または押し付けられる場合さえもあり、これはエアロゾル発生物品の局所的な過熱または燃焼さえも生じる場合がある。
【0006】
その上、一般に加熱式エアロゾル発生物品において必要なエアロゾル発生基体の量は、基体が燃焼されるエアロゾル発生物品(従来のフィルター付き紙巻たばこなど)と比較してより少ないことが分かっている。それ故に、加熱された時に、吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品は、従来のフィルター付き紙巻たばこの直径と類似の直径を有してもよく、一方で従来のフィルター付き紙巻たばこよりも短い。加熱された時に、吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品は、従来のフィルター付き紙巻たばこの長さと大まかに同一の長さを有し、一方で従来のフィルター付き紙巻たばこより細くてもよい。
【0007】
より細いタイプのエアロゾル発生物品は、長さ単位当たりの加熱する材料がより少ないので、素早く加熱することができる。さらに、エアロゾル発生基体の異なる長軸方向の部分を連続的に独立して加熱することが可能な場合があり、これはエアロゾル発生基体を経時的に消費する方法の微細な管理を可能にする場合がある。
【0008】
しかしながら、より細いエアロゾル発生物品は、ヒーターブレードなどの発熱体がエアロゾル発生基体の中へと挿入される内部加熱機構で使用するのに、あまり適切でない。これは、エアロゾル発生基体の中への発熱体の挿入が、基体または発熱体自体を損傷する場合があるためである。
【0009】
にもかかわらず、エアロゾル発生物品を受容するように適合された加熱チャンバーを備える装置で使用される時、より細いエアロゾル発生物品は、加熱チャンバーからより摺動して出やすく、また典型的に加熱チャンバー内の理想的な中心の位置に保持されず、そのためエアロゾル発生基体への熱エネルギーの供給は可能な限り均一ではない場合がある。加えて、熱がエアロゾル発生物品の周辺から供給されるため、基体の中央部分にも熱を供給しようと企てて、基体の外側部分が過熱される場合があり、または全体的な熱効率の全般的な低減となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
過熱またはその他の方法で熱エネルギーを無駄にすることなく、大半のエアロゾル発生基体を効率的に望ましい温度にするように、効率的に加熱することがより簡単な、代替的なエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、加熱された時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品に関し、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の中空円筒状ロッドと、ロッドを囲むラッパーと、ロッドの長軸方向軸に沿って延びる、かつエアロゾル発生物品の中央気流チャネルを画定する中空管とを備える。中空管は、ロッドの中のエアロゾル発生基体が開口を通して中央気流チャネルと流体連通しているように、管の壁を通って延びる少なくとも一つの開口を備える。中央気流チャネルの断面表面積は、約3.14平方ミリメートル~約4.52平方ミリメートルであり、少なくとも一つの開口の断面積は約0.19平方ミリメートル~約0.38平方ミリメートルである。
【0012】
さらに本開示は、加熱された時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品に関し、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の中空円筒状ロッドと、ロッドを囲むラッパーと、ロッドの長軸方向軸に沿って延びる、かつエアロゾル発生物品の中央気流チャネルを画定する中空管とを備える。中空管は、ロッドの中のエアロゾル発生基体が開口を通して中央気流チャネルと流体連通しているように、管の壁を通って延びる少なくとも一つの開口を備える。少なくとも一つの開口の断面積と中央気流チャネルの断面積との間の比は、約0.042~約0.121である。
【0013】
本発明の一態様によると、加熱された時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品が提供されていて、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の中空円筒状ロッドと、ロッドを囲むラッパーと、ロッドの長軸方向軸に沿って延びる、かつエアロゾル発生物品の中央気流チャネルを画定する中空管とを備える。ロッドの中のエアロゾル発生基体が開口を通して中央気流チャネルと流体連通しているように、中空管は、管の壁を通って延びる複数の開口を備える。複数の開口の累積断面積と中央気流チャネルの断面積との間の比は、約0.042~約0.672である。
【0014】
本発明のさらなる態様によると、エアロゾル発生物品および電気的に作動するエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムが提供されていて、エアロゾル発生装置は、ヒーターと、エアロゾル発生物品を受容するように構成された細長い加熱チャンバーとを備え、これによってエアロゾル発生物品は加熱チャンバーの中で加熱され、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の中空円筒状ロッドと、ロッドを囲むラッパーと、ロッドの長軸方向軸に沿って延びる、かつエアロゾル発生物品の中央気流チャネルを画定する中空管とを備える。中空管は、ロッドの中のエアロゾル発生基体が開口を通して中央気流チャネルと流体連通しているように、管の壁を通って延びる少なくとも一つの開口を備える。
【0015】
当然のことながら、本発明の一態様に関して説明した任意の特徴は、本発明の任意の他の態様にも等しく適用可能である。
【0016】
本明細書で使用される「加熱式エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されるエアロゾル発生基体を含むエアロゾルの生成のためのエアロゾル発生物品を指す。従来の紙巻たばこは、ユーザーが紙巻たばこの一方の端に炎を当てて、もう一方の端を通して空気を引き出す時に点火される。炎と紙巻たばこを通して引き出された空気中の酸素によって提供された局在化した熱は、紙巻たばこの端部を点火させて、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を発生する。これに反して、加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは風味発生基体(たばこなど)を加熱することによって発生される。周知の加熱式エアロゾル発生物品としては例えば、電気加熱式エアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素または熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル形成材料に伝達することによってエアロゾルが発生されるエアロゾル発生物品とが挙げられる。
【0017】
本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を、加熱に伴い放出する能力を有する基体を指す。本明細書に記載のエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体から発生したエアロゾルは、可視または不可視であってもよく、またベイパー(蒸気)(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の、気体状態にある物質の微粒子)ならびに気体および凝縮されたベイパーの液滴を含んでもよい。
【0018】
本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に多角形の断面、および好ましくは円形状、長円形状または楕円形状の断面の、概して円筒状の要素を指す。
【0019】
本明細書で使用される「中空管」という用語は、その長軸方向軸に沿った管腔または気流通路を画定する中空の細長い要素を意味する。
【0020】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端と下流端の間に延びる、エアロゾル発生物品の主要な長軸方向軸に対応する方向を指す。使用中、空気はエアロゾル発生物品を通して長軸方向に引き出される。「横断方向」という用語は、長軸方向軸に対して直角を成す方向を指す。
【0021】
エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面」への任意の言及は、別途記載のない限り、横断断面を指す。エアロゾル発生物品の「断面積」またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面積」は、物品または構成要素の長軸方向軸と実質的に直角を成す平面内で測定した通りの物品の断面、またはその構成要素の断面の表面積である。
【0022】
本明細書で使用される「長さ」という用語は、長軸方向における構成要素の寸法を指し、また「幅」という用語は、横断方向における構成要素の寸法を指す。例えば、円形断面を有するロッドの場合、最大幅は円の直径に対応する。
【0023】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に対する、エアロゾル発生物品の要素または要素の部分の相対的な位置を説明する。
【0024】
「等価直径」という用語は本明細書において、中空管の開口など、要素の横断断面と同一の表面積を有する円の直径を意味するために使用される。一般に、中空管の開口の横断断面は任意の形状を有してもよいが、長円形状または楕円形状などの円形または準円形の形状が好ましい。円形の横断断面を有する開口の場合、等価直径は開口の断面の直径である。
【0025】
簡単に上述した通り、本発明のエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の中空円筒状ロッドと、ロッドを囲むラッパーとを組み込む。中空管は、ロッドの長軸方向軸に沿って延び、かつエアロゾル発生物品の中央気流チャネルを画定する。中空管は、ロッドの中のエアロゾル発生基体が開口(複数可)を通して中央気流チャネルと流体連通しているように、管の壁を通って延びる少なくとも一つの開口を備える。複数の開口の累積断面積と中央気流チャネルの断面積との間の比は、約0.042~約0.672である。
【0026】
エアロゾル発生基体はエアロゾル発生物品の周辺を占めるので、エアロゾル発生物品が中に受容される加熱チャンバーの壁から半径方向に対流によって熱が供給される時、実質的にエアロゾル発生基体のみを加熱するのは簡単である。これはエアロゾル発生基体の中央コアへのエネルギーの損失の可能性を最小化し、そのようなエアロゾル発生基体は時折、周知のエアロゾル発生物品において、最適なエアロゾル形成および消費者への最適なエアロゾル送達のために適切な温度に達することができない場合がある。
【0027】
さらに、エアロゾル形成基体と中空管によって画定された気流チャネルとの間の流体連通を確立することによって、また中空管の壁を通して形成された開口のサイズおよび数、または中空管のサイズ、またはその両方を調整することによって、凝縮して吸入可能なエアロゾルを形成していく加熱された蒸気の気流を効果的に制御することによるエアロゾル化プロセスの制御が有利なことに可能である。消費者がエアロゾル発生物品の端を吸って物品からエアロゾルを引き出す時、中空管の壁に形成された開口は、中央気流チャネルに沿って移動する主流気流の中への加熱された蒸気の流れを可能にする。これは有利なことに、より大量のエアロゾルにつながる。
【0028】
加えて、中空管の壁を通して形成された開口のサイズおよび数、または中空管のサイズ、またはその両方を調整することによって、また中空管の長さに沿った、かつ中空管の周辺の異なる場所に開口を提供することによって、エアロゾル発生物品の全体的なRTDを制御することも有利なことに可能であり、これによって従来の紙巻たばこでの吸い込みに類似した体験を消費者に提供する。
【0029】
本発明によるエアロゾル発生物品の中空円筒状ロッドの中に提供されたエアロゾル発生基体は、再構成たばこまたは均質化したたばこのシートを含む、たばこ材料の断片、ストランド、または細片から形成されてもよい。本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、たばこ材料の粒子の凝集によって形成された任意のたばこ材料を包含する。均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成される。加えて、均質化したたばこ材料は、たばこの処理中、取り扱い中、および移送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、およびその他の粒子状のたばこ副産物、ならびに結合剤、エアロゾル形成体、風味剤、その他の植物材料のようなその他の非たばこ材料(繊維や他のものを含む)のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料のシートは、キャスティング、押出成形、製紙プロセス、または当業界で周知の他の任意の適切なプロセスによって生産されてもよい。
【0030】
エアロゾル形成材料の連続的なシートは、滑らかなシートであってもよい。連続的なシートはシートの集合を容易にするために処理されてもよい。例えば、連続的なシートは、虚弱線を提供して集合を容易にするために、溝付け、筋付け、折り畳み、きめ付け、エンボス加工、またはその他の方法の処理が施されてもよい。連続的なシートのための好ましい処理は捲縮である。本明細書で使用される「捲縮」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。一つ以上の捲縮したシートの包含は、ロッド内の隣接するシート間の間隔を保持するために役立つ場合がある。
【0031】
シートは多孔性たばこ材料で形成されてもよい。「多孔性」という用語は本明細書では、材料を通した空気の通過を可能にする複数の細孔または開口を提供する材料を指すために使用される。たばこ材料は、十分な細孔または隙間が各シートの構造の中に提供されて、長軸方向でシートを通した空気の流れを可能にするように、固有の空隙率内で製造されてもよい。別の方法として、または追加的に、たばこ材料の各シートは、望ましい空隙率を提供するために複数の気流穴を備えてもよい。例えば、たばこ材料のシートは、エアロゾル発生基体のロッドの製造中に、気流穴のパターンで穿孔されてもよい。気流穴は、シートにわたって無作為にまたは均一に穿孔されてもよい。気流穴のパターンは、実質的にシートの全表面を覆ってもよく、またはシートの一つ以上の特定の区域を覆い、残りの区域には気流穴がなくてもよい。
【0032】
たばこ材料の断片、ストランド、または細片は、ロッド内に無作為に配設されてもよい。別の方法として、たばこ材料の断片、ストランド、または細片は、ロッドの長軸方向軸と実質的に平行であって、かつ整列されてもよい。
【0033】
エアロゾル発生基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を説明する。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリン)またはこれらの混合物である。
【0034】
エアロゾル形成体は、液体またはゲルとして提供されてもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成体は、ニコチン、または風味剤、またはその両方をさらに含む組成物中に提供されてもよい。
【0035】
均質化したたばこ材料は、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、結合剤および溶剤などの様々な他の添加物をさらに含んでもよい。
【0036】
本発明による物品の中空円筒状ロッドにおいて、エアロゾル発生基体は、中央気流チャネルとラッパーの内表面とを画定する中空管の外表面から実質的に延びる環状の空間を占める。中空円筒状ロッドの断面は、実質的に環状形状である。好ましい実施形態において、中空円筒状ロッドの断面は、実質的にリング形状であり、二つの同心円によって境界がつけられる領域を画定する。それ故に、二つの同心円の直径に対応する中空円筒状ロッドに対して、外径および内径を特定することができる。中空円筒状ロッドの「半径方向の厚さ」という用語は本明細書において、中空円筒状ロッドの断面の外径と内径の間の差を意味するために使用される。
【0037】
エアロゾル発生基体の中空ロッドは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0038】
エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも5ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径、例えば約5ミリメートル~約10ミリメートル、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは7.3ミリメートル±10パーセント以内の外径を有する。
【0039】
エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約100mmの長さを有してもよい。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約5ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。加えて、または別の方法として、エアロゾル発生基体のロッドは、約75ミリメートル未満の長さを有することが好ましく、約50ミリメートル未満の長さを有することがより好ましい。一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約40ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約43ミリメートルの長さを有する。
【0040】
エアロゾル発生基体のロッドは、ロッドの長さに沿って実質的に均一な断面を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、実質的に環状の断面を有し、環状の内径および外径は、中空ロッドの長軸方向軸に沿って実質的に一定であることが特に好ましい。
【0041】
下記により詳細に説明する通り、エアロゾル発生基体の環状の半径方向厚さはまた概して、中央気流チャネルを画定する中空管のサイズに依存する。好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体の環状の半径方向厚さは、少なくとも約2ミリメートルである。エアロゾル発生基体の環状の半径方向厚さは、少なくとも約2.2ミリメートルであることが、なおより好ましい。
【0042】
簡単に上述した通り、本発明のエアロゾル発生物品において、エアロゾル発生基体はラッパーによって囲まれている。ラッパーは、多孔性または非多孔性のシート材料で形成されてもよい。ラッパーは任意の適切な材料または材料の組み合わせで形成されてもよい。ラッパーは紙ラッパーであることが好ましい。
【0043】
一部の実施形態において、ラッパーはロッドのみを囲む。他の実施形態において、エアロゾル発生物品が、ロッドと実質的に整列した一つ以上の追加的な構成要素を備える場合、ラッパーは、一つ以上の追加的な構成要素も同様に少なくとも部分的に囲む場合がある。実際には、ロッドおよび任意の追加的な構成要素は、同一のラッパー内で組み立てられてもよい。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、マウスピース、エアロゾル冷却要素、支持要素(中空アセテート管など)のうちの少なくとも一つをさらに備えてもよい。例えば、一つの好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は直線状の連続的な配設で、上述の通りのエアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル発生基体のすぐ下流に位置する支持要素と、支持要素の下流に位置するエアロゾル冷却要素と、ロッド、支持要素、およびエアロゾル冷却要素を囲むラッパーとを備える。
【0044】
加えて、または別の方法として、エアロゾル発生物品は、マウスピースフィルター、または口側端の空洞を画定する中空管セグメント、またはその両方を備えてもよい。フィルターはエアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルターは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。フィルターは好ましい一実施形態において、およそ7mmの長さであるが、およそ5mm~およそ10mmの長さを有してもよい。
【0045】
中空管は高分子材料または紙材料から形成されてもよい。例えば、中空管セグメントは押出成形されたプラスチック管から形成されることができる。別の方法として、中空管セグメントは、複数の平行に巻かれた紙層または複数のらせん状に巻かれた紙層などの、複数の重なり合った紙層から形成されてもよい。複数の重なり合った紙層から中空管セグメントを形成することは、紙ベースの中空管の崩壊または変形に対する抵抗力を向上させるのに役立ちうる。一つのこうした中空管は少なくとも二つの紙層を備えることが好ましい。別の方法として、または追加的に、中空管は11個未満の紙層を備えることが好ましい。
【0046】
複数の巻かれた紙層から中空管を形成するための例示的な方法は、複数の実質的に連続的な紙の細片を円筒状のマンドレルの周りに重ね合わせる方法で巻くことを含む。細片は、マンドレル上に実質的に連続的な管を形成するように、平行に、またはらせん状に巻かれる。形成された管は、例えばゴムベルトを使用して、マンドレルを中心として回転されてもよく、これによって紙層は連続的に引き込まれ、かつマンドレルの周りに巻かれてもよい。その後、形成された管を、マンドレルの下流で必要とされる長さに切断することができる。
【0047】
エアロゾル発生物品は、中空管の壁に形成された複数の開口を備えることが好ましい。
【0048】
好ましい実施形態において、少なくとも一つの開口は、中空管の第一の端から所定の距離で中空管の周囲の周りに離隔した開口の少なくとも第一の列を含む。これは、エアロゾル形成基体から中央気流チャネルの中への加熱された蒸気のより均一な移動を容易にするという点で有利であり、これは結果として、消費者によって吸入される流れにおける凝縮したエアロゾル種のより均一な分布につながる場合がある。
【0049】
好ましい実施形態において、少なくとも一つの開口は、中空管の周囲の周りに離隔した開口の少なくとも第二の列を含み、開口の第二の列は、少なくとも約1センチメートルだけ開口の第一の列から長軸方向に離隔されている。これは有利なことに、エアロゾル形成基体がその全体でエアロゾル種の供与源として使用されるのをより簡単にする。
【0050】
一部の代替的な実施形態において、複数の開口は中空管の壁に形成されていて、開口は中空管の外表面の周りにらせん状に配設されている。この代替的な配設はまた、エアロゾル形成基体全体の効率的な使用を可能にする場合がある。
【0051】
中空管の外径は、少なくとも約2.0ミリメートルであることが好ましい。中空管の外径は、少なくとも約2.1ミリメートルであることがより好ましい。
【0052】
加えて、または別の方法として、中空管の外径は、約3ミリメートル未満からであることが好ましい。中空管の外径は、約2.8ミリメートル未満であることがより好ましい。中空管の外径は、約2.5ミリメートル未満であることがなおより好ましい。
【0053】
特に好ましい実施形態において、中空管の外径は、約2.0ミリメートル~約2.5ミリメートルであることが好ましい。
【0054】
中空管の壁厚さは、少なくとも約0.2ミリメートルであることが好ましい。中空管の壁厚さは、少なくとも約0.4ミリメートルであることがより好ましい。中空管の壁厚さは、約1ミリメートル未満であってもよい。中空管の壁厚さは、約0.8ミリメートル未満であることがより好ましい。特に好ましい実施形態において、中空管の壁厚さは、約0.2ミリメートル~約1ミリメートルであり、約0.4ミリメートル~約0.8ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0055】
開口(複数可)の等価直径は、少なくとも約0.5ミリメートルであることが好ましい。加えて、または別の方法として、開口(複数可)の等価直径は、約0.7ミリメートル未満である。この範囲内に収まる等価直径を有する開口と関連する圧力降下は、使用中に加熱された蒸気種が中空管によって画定された中央気流チャネルの中に簡単に引き出されるようなものであることが分かっている。
【0056】
好ましい実施形態において、中空管は、少なくとも約60ミリメートルH2Oの引き出し抵抗(RTD)を有する。中空管は、少なくとも約70ミリメートルH2Oの引き出し抵抗(RTD)を有することがより好ましい。中空管は、少なくとも約80ミリメートルH2Oの引き出し抵抗(RTD)を有することがなおより好ましい。
【0057】
別の実施例によると、加熱された時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の中空円筒状ロッドと、ロッドを囲むラッパーと、ロッドの長軸方向軸に沿って延びる、かつエアロゾル発生物品の中央気流チャネルを画定する中空管とを備え、中空管は、管の壁を通って延びる少なくとも一つの開口を備え、これによってロッドの中のエアロゾル発生基体は開口を通して中央気流チャネルと流体連通している。少なくとも一つの開口の断面積と中央気流チャネルの断面積との間の比は、約0.042~約0.121である。
【0058】
少なくとも一つの開口の断面積と中央気流チャネルの断面積との間の比は、少なくとも約0.05であることが好ましい。少なくとも一つの開口の断面積と中央気流チャネルの断面積との間の比は、少なくとも約0.07であることがより好ましい。加えて、または別の方法として、少なくとも一つの開口の断面積と中央気流チャネルの断面積との間の比は、約0.10未満であることが好ましい。少なくとも一つの開口の断面積と中央気流チャネルの断面積との間の比は、約0.08未満であることがより好ましい。
【0059】
上記で説明の通り、本発明の態様によると、加熱された時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の中空円筒状ロッドと、ロッドを囲むラッパーと、ロッドの長軸方向軸に沿って延びる、かつエアロゾル発生物品の中央気流チャネルを画定する中空管とを備える。ロッドの中のエアロゾル発生基体が開口を通して中央気流チャネルと流体連通しているように、中空管は、管の壁を通って延びる複数の開口を備える。複数の開口の累積断面積と中央気流チャネルの断面積との間の比は、約0.042~約0.672である。
【0060】
理論に束縛されることを望むものではないが、円筒状または準円筒状導管と関連する圧力降下は、(ハーゲン・ポアズイユの式によって示唆される通り)導管の等価直径の二乗に反比例すると理解される。このように、中空管の壁の各開口と関連する圧力降下だけでなく、中央気流チャネルにわたる圧力降下も、各開口および中空管の断面積にそれぞれ反比例すると考えることができる。中空管の壁の単一の開口の断面積と中央気流チャネルの断面積との間の比の場合、エアロゾル発生物品の使用中に特に有利な流体力学条件が設定され、これによって、加熱された蒸気種が中央気流チャネルの中に簡単に引き出されて、かつ消費者の吸入に伴い主流気流と混合されることを発明者らは見いだした。これはまた、中空管の壁に形成されたすべての開口の累積断面積と、中空管によって画定された中央気流チャネルの断面積との間のある特定の比に及ぶ。
【0061】
さらに、上述の範囲の中に収まるようにサイズ設定された開口および中空管を有するエアロゾル発生物品は、従来の紙巻たばこでの吸い込みに非常によく似た体験を消費者に提供するように適合された全体的なRTDを有することが望ましい。
【0062】
本発明の別の態様によると、上述のタイプのエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムが提供されている。より詳細には、一つのこうしたシステムは、ヒーターと、エアロゾル発生物品を受容するように構成された細長い加熱チャンバーとを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置を備え、これによってエアロゾル発生物品は、加熱チャンバーの中で加熱される。
【0063】
は、実質的に円筒状の細長い発熱体を備え、また加熱チャンバーは、ヒーターの円周状の長軸方向の表面の周りに配置されていることが好ましい。その結果、使用中に、ヒーターによって供給された熱エネルギーは、ヒーターの表面から加熱チャンバーおよびエアロゾル発生物品の中に半径方向外向きに移動する。ヒーターによって供給された熱エネルギーは、エアロゾル発生基体を効率的に加熱するために中空管の外表面に達することのみが必要であり、またそのため、装置によって発生した熱をより効率良く使用することが簡単である。
【0064】
しかしながら、ヒーターおよび加熱チャンバーの他の形状および構成を代替的に使用することができる。
【0065】
ヒーターは、複数の個別の発熱体を備えてもよく、様々な発熱体は、エアロゾル発生物品を加熱するために異なる時点で異なる要素を起動することができるように、互いに独立して動作可能である。一例として、ヒーターは、ヒーターの長さに沿って複数の独立した加熱ゾーンを提供する複数の軸方向に整列した発熱体を備えてもよい。各発熱体は、ヒーターの全長よりも著しく短い長さを有してもよい。それ故に、一つの個別の発熱体が起動された時、この発熱体は、発熱体の近くで半径方向に位置するエアロゾル発生基体の一部分に熱エネルギーを供給し、そのエアロゾル発生基体の残りの部分を実質的に加熱しない。それ故に、エアロゾル発生基体の異なるセクションは、独立して、かつ異なる時点で加熱されてもよい。
【0066】
別の方法として、または追加的に、ヒーターは、ヒーターの長軸方向軸の周囲の異なる場所に、複数の細長い長軸方向に延びる発熱体を備えてもよい。それ故に、一つの個別の発熱体が起動された時、この発熱体は、発熱体に対して実質的に平行かつ隣接して置かれたエアロゾル発生基体の長軸方向の部分に熱エネルギーを供給した。この配設はまた、別個の部分でのエアロゾル発生基体の独立した加熱を可能にする。
【0067】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生システムは、加熱されたエアロゾル発生基体からの熱損失を低減するために、加熱チャンバーと器具の外装との間に配設された断熱手段をさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】
図1は、本発明によるエアロゾル発生物品の長軸方向の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
ここで、本発明によるエアロゾル発生物品の長軸方向の概略断面図を示す、
図1の図面を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0070】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、紙ラッパー14によって囲まれたエアロゾル発生基体の中空円筒状ロッド12を備える。ロッド12は、ロッド内に実質的に無作為に配設された均質化したたばこ材料の複数のストランドまたは細片を備える。ストランドは、約1.4ミリメートルの幅および少なくとも約10ミリメートルの長さを有する。ロッド12の外径は約7.4ミリメートルである。ロッドの内径は約4.2ミリメートルである。ロッド12の長さは約50ミリメートルである。
【0071】
さらに、エアロゾル発生物品10は、高分子材料で作製され、ロッドの長軸方向軸に沿って延びる、かつエアロゾル発生物品の中央気流チャネル16を画定する中空管14を備える。中空管14は、約4.2ミリメートルの外径および約1ミリメートルの壁厚さを有する。それ故に、中空管の内径は約2.2ミリメートルであり、中央気流チャネルの断面積は約3.8平方ミリメートルである。
【0072】
中空管は、管の壁を通って延びる複数の開口18を備え、これらの開口はロッド12の中のエアロゾル発生基体と中央気流チャネル16との間の流体連通を確立する。各開口18は、約0.6ミリメートルの直径、および約0.28平方ミリメートルの断面を有する。それ故に、各単一の開口18の断面の面積と中央気流チャネル16の断面の面積との間の比は、約0.073である。
【0073】
開口18は、中空管14の周辺に直径方向に反対側の場所に位置する4対の開口として提供されている。隣接する開口の対は長軸方向に相互から約9ミリメートル離隔している。8個の開口18の累積断面積は、約2.24平方ミリメートルである。それ故に、開口18の累積断面積と中央気流チャネル16の断面の面積との間の比は、約0.59である。
【0074】
下流端にて、エアロゾル発生物品10はフィルター20を備える。
【0075】
使用時に、上述のエアロゾル発生物品10は、加熱チャンバーの中のエアロゾル発生物品に熱を供給するように構成されたヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置の細長い加熱チャンバーの中に受容されている。この目的のために、ヒーターは実質的に円筒状の細長い発熱体を備えてもよく、加熱チャンバーは、ヒーターの円周状の長軸方向の表面の周りに配置されている。消費者はエアロゾル発生物品の口側端を吸い、空気は反対側の端にてエアロゾル発生物品の中に引き出される。
図1の矢印は、中央気流チャネル16に沿って移動する主流気流の流れの方向を概略的に示す。