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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 57/22 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
A01D57/22 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021014191
(22)【出願日】2021-02-01
(62)【分割の表示】P 2019120476の分割
【原出願日】2019-06-27
(65)【公開番号】P2021074008
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】小林 宜泰
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 雅行
(72)【発明者】
【氏名】一二三 慶城
(72)【発明者】
【氏名】谷 和樹
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-033671(JP,A)
【文献】特許第6436884(JP,B2)
【文献】特開2012-244924(JP,A)
【文献】特開2018-029545(JP,A)
【文献】特開2019-000058(JP,A)
【文献】特許第6521790(JP,B2)
【文献】特開2008-220280(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0360702(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 57/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
右及び左の側壁が設けられた刈取フレームと、
右及び左の前記側壁の間に位置するように前記刈取フレームに設けられて、圃場の作物を切断する切断装置と、
前記切断装置よりも前側に突出するように前記側壁に設けられた分草具と、
右及び左のうちの一方の前記分草具における刈幅方向の内面に設けられ、圃場の作物を前記刈取フレームの左右中央部側に向けて案内する一方側ガイド部及び一方側別ガイド部と、
右及び左のうちの他方の前記分草具における刈幅方向の内面に設けられ、圃場の作物を前記刈取フレームの左右中央部側に向けて案内する他方側ガイド部及び他方側別ガイド部と、が備えられ、
前記一方側別ガイド部は、平面視で前記一方側ガイド部と前記側壁との間に配置され
前記他方側別ガイド部は、平面視で前記他方側ガイド部と交差する収穫機。
【請求項2】
前記一方側別ガイド部は、側面視で前記一方側ガイド部と交差するように斜め後下側に延ばされる請求項1に記載の収穫機。
【請求項3】
前記一方側別ガイド部の後端部は、側面視で前記一方側ガイド部に対して下側に位置し、かつ前記切断装置の近傍に位置する請求項1又は2に記載の収穫機。
【請求項4】
前記他方側別ガイド部は、側面視で前記他方側ガイド部よりも上側の位置を、前記他方側ガイド部に沿って後方に延ばされる請求項1から3のいずれか1項に記載の収穫機。
【請求項5】
左右方向に沿った軸芯周りに回転駆動されて、前記切断装置により切断された作物を横送りするオーガが備えられ、
前記他方側別ガイド部の後端部は、側面視で前記他方側ガイド部に対して上側に位置し、前記オーガの外周部の回転軌跡と前記切断装置との間の位置まで延ばされる請求項1から4のいずれか1項に記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫機において圃場の作物を刈り取る刈取部の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
収穫機の一例である普通型のコンバインの刈取部では、特許文献1に開示されているように、刈取フレームに右及び左の側壁が設けられ、切断装置が右及び左の前記側壁の間に位置するように刈取フレームに設けられており、分草具が側壁に設けられて切断装置よりも前側に突出している。
【0003】
これにより、収穫機の進行に伴って側壁と分草具とによって、圃場の作物が、刈取部に導入される作物と、次の行程で刈り取られるように圃場に残される作物とに分けられながら、刈取部に導入された作物が切断装置により切断されて刈り取られる。
【0004】
特許文献1では、側壁の平坦状の底面と分草具の下部とが、側面視で連続するように接続されて、側壁の平坦状の底面と分草具の下部とが一つの直線上に並んでおり、分草具の下部が圃場面から少し上側に離れた位置となるように設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-213342号公報(図1及び図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
【0007】
本発明は、収穫機において、作物が滞留する状態を少なくすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の収穫機は、右及び左の側壁が設けられた刈取フレームと、右及び左の前記側壁の間に位置するように前記刈取フレームに設けられて、圃場の作物を切断する切断装置と、前記切断装置よりも前側に突出するように前記側壁に設けられた分草具と、右及び左のうちの一方の前記分草具における刈幅方向の内面に設けられ、圃場の作物を前記刈取フレームの左右中央部側に向けて案内する一方側ガイド部及び一方側別ガイド部と、右及び左のうちの他方の前記分草具における刈幅方向の内面に設けられ、圃場の作物を前記刈取フレームの左右中央部側に向けて案内する他方側ガイド部及び他方側別ガイド部と、が備えられ、前記一方側別ガイド部は、平面視で前記一方側ガイド部と前記側壁との間に配置され、前記他方側別ガイド部は、平面視で前記他方側ガイド部と交差する。
【0009】
本発明において、前記一方側別ガイド部は、側面視で前記一方側ガイド部と交差するように斜め後下側に延ばされると好適である。
本発明において、前記一方側別ガイド部の後端部は、側面視で前記一方側ガイド部に対して下側に位置し、かつ前記切断装置の近傍に位置すると好適である
発明において、前記他方側別ガイド部は、側面視で前記他方側ガイド部よりも上側の位置を、前記他方側ガイド部に沿って後方に延ばされると好適である。
本発明において、左右方向に沿った軸芯周りに回転駆動されて、前記切断装置により切断された作物を横送りするオーガが備えられ、前記他方側別ガイド部の後端部は、側面視で前記他方側ガイド部に対して上側に位置し、前記オーガの外周部の回転軌跡と前記切断装置との間の位置まで延ばされると好適である。
【0010】
これにより、収穫機の進行に伴って分草具により圃場の作物が分草される際に、分草具の付近の圃場の作物が、膨出部と圃場面との間に入り込む可能性は小さくなるのであり、分草具の付近の圃場の作物は、分草具により圃場から引き抜かれずに適切に分草されて、切断装置により切断され易くなる。
本発明によると、分草具の付近の圃場の作物が滞留する可能性を抑えることができ、分草具により圃場の作物が適切に分草されるようになって、収穫性能を向上させることができる。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】コンバインの右側面図である。
図2】コンバインの平面図である。
図3】刈取部の右側面図である。
図4】右の分草具及び取り外された右の膨出部の付近の右側面図である。
図5】右の分草具の付近の斜視図である。
図6】刈取部の平面図である。
図7】右の分草具及び右の膨出部の付近の左側面図である。
図8】左の分草具及び左の膨出部の付近の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1図8に、収穫機の一例である普通型のコンバインが示されており、図1図8において、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示し、Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
【0034】
(コンバインの全体構成)
図1及び図2に示すように、右及び左のクローラ型式の走行装置2により、機体1が支持されて、運転部3が機体1の前部の右部に設けられており、脱穀装置4が機体1の後部の左部に設けられ、穀粒ホッパー5が機体1の後部の右部に設けられている。
【0035】
フィーダ6が、脱穀装置4の前部に連結されて前側に延出され、刈取部7がフィーダ6の前部に連結されており、刈取部7に、掻き込みリール9、切断装置10、オーガ11及び分草具12が設けられている。
【0036】
以上の構成により、圃場の作物が、刈取部7の側壁15と分草具12とによって、刈取部7に導入される作物と、次の行程で刈り取られるように圃場に残される作物とに分けられ、刈取部7に導入される作物が、掻き込みリール9により、切断装置10に向けて掻き込まれる。
【0037】
掻き込みリール9により掻き込まれた作物は、切断装置10により切断されて、オーガ11によりフィーダ6の前部の入口に向けて横送りされ、フィーダ6を通って搬送されて脱穀装置4に供給されるのであり、脱穀装置4で脱穀処理された穀粒が、穀粒ホッパー5に投入される。
【0038】
(刈取部の全体構成)
図3及び図6に示すように、刈取部7において、刈取部7の骨格となる刈取フレーム8が設けられている。刈取フレーム8に、側面視で円弧状に形成された底部13が、刈取部7の左右方向の全幅に亘って設けられ、後壁部14が底部13の後部に連結されている。
フィーダ6の前部が後壁部14に連結されて、刈取部7がフィーダ6の前部に連結されている。
【0039】
底部13及び後壁部14の右部に、右の側壁15が連結され、底部13及び後壁部14の左部に、左の側壁15が連結されて、右及び左の側壁15が刈取フレーム8に設けられている。右及び左の分草具12が、切断装置10よりも前側に突出するように、右及び左の側壁15に連結されている。
【0040】
(掻き込みリールの構成)
図3に示すように、右及び左の支持フレーム17が、刈取部7の右後部及び左後部に、左右方向に沿った軸芯P2周りに上下に揺動可能に支持されて、前側に延ばれている。右及び左の支持フレーム17の位置を上下に変更可能な油圧シリンダ18が、側壁15と支持フレーム17とに亘って設けられている。
【0041】
右及び左の支持ブラケット19が、右及び左の支持フレーム17の前部に取り付けられており、支持ブラケット19は、支持フレーム17に沿って前後方向に位置変更可能及び固定可能である。駆動軸20が、左右方向に沿った軸芯P3周りに回転可能に、右及び左の支持ブラケット19に亘って支持されている。
【0042】
側面視で五角形状の右及び左のリールフレーム21が、駆動軸20の右部及び左部に連結されている。右の支持ブラケット19において、軸芯P3よりも少し後側の左右方向に沿った軸芯(図示せず)周りに、五角形状のリールフレーム22が、回転可能に支持されている。
【0043】
右及び左のリールフレーム21の5個の頂部に亘って、左右方向に沿った5本の支持軸23が、回転可能に取り付けられており、棒状の多数のタイン24が支持軸23に連結されている。リンク部材25が支持軸23の右端部に連結され、リンク部材25がリールフレーム22の5個の頂部に回転可能に接続されている。
【0044】
駆動軸20の右端部に連結された入力プーリー20aと、軸芯P2の位置に配置された駆動プーリー26とに亘って、伝動ベルト27が取り付けられており、伝動ベルト27の張力を維持するテンションプーリー28が、右の支持フレーム17に設けられている。
【0045】
以上の構成により、駆動プーリー26の動力が伝動ベルト27を介して駆動軸20の入力プーリー20aに伝達され、駆動軸20が図3の時計方向に回転駆動されて、駆動軸20と一体で右及び左のリールフレーム21が回転駆動される。
【0046】
リールフレーム21と一緒にリールフレーム22が回転することにより、リンク部材25及びリールフレーム22の5個の頂部によって、タイン24が常に図3に示す下向きの姿勢に維持されるのであり、支持軸23及びタイン24により圃場の作物が切断装置10に向けて掻き込まれる。
【0047】
支持ブラケット19が支持フレーム17に沿って前後方向に位置変更されて、掻き込みリール9が前後に位置変更される構成において、側面視で支持軸23の回転軌跡の最前端部を、掻き込みリール9の外周部の最前端部とした場合、分草具12(本体部34)の前端部34c(後述の(分草具の構成)を参照)との位置関係が、以下の説明のようになっている。
【0048】
図3に示すように、掻き込みリール9の外周部の最前端部が、側面視で分草具12(本体部34)の前端部34cよりも前側に位置する最前位置A1まで、掻き込みリール9が前側に位置変更可能である。
掻き込みリール9の外周部の最前端部が、側面視で分草具12(本体部34)の前端部34cよりも後側に位置する最後位置A2まで、掻き込みリール9が後側に位置変更可能である。
【0049】
(切断装置の構成)
図3及び図6に示すように、側面視でアングル状に形成された支持部材16が、底部13の前部に連結されて、刈取部7の左右方向の全幅に亘って設けられている。
【0050】
切断装置10が、支持部材16に連結されて、右及び左の側壁15の間に位置するように、刈取フレーム8に設けられている。切断装置10は、多数の固定刃と、固定刃に沿って左右方向に往復駆動される可動刃とを有しており、刈取部7の左右方向の全幅に亘って設けられている。
【0051】
以上の構成により、前述の(掻き込みリールの構成)に記載のように、圃場の作物が掻き込みリール9により切断装置10に向けて掻き込まれると、作物の株元が切断装置10により切断される。
【0052】
(オーガの構成)
図2,6,7,8に示すように、オーガ11は、円筒状の本体部11aと、本体部11aの外周部に連結された右及び左の螺旋部11bと、右及び左の螺旋部11bの間に配置された棒状の掻き込み部11cとを有している。オーガ11は、左右方向に沿った軸芯P1周りに回転可能に、右及び左の側壁15に亘って支持されており、図7の反時計方向に回転駆動される。
【0053】
以上の構成により、前述の(切断装置の構成)に記載のように、切断装置10により切断された作物が、オーガ11に送られる。オーガ11に送られた作物は、オーガ11の螺旋部11bにより、フィーダ6の前部の入口に向けて横送りされるのであり、オーガ11の掻き込み部11cにより、フィーダ6の入口に送られる。
【0054】
(刈取部における側壁の構成)
図3,5,7,8に示すように、底部13及び後壁部14の右部及び左部に連結された右及び左の側壁15において、角パイプ状のフレーム29が、側壁15の上部に前後方向に沿って連結されている。
【0055】
上下方向に沿ったフレーム30が、右の側壁15の外側部に連結されて、駆動軸31が前後方向に沿ってフレーム30に支持されており、駆動軸31の前端部に連結されたアーム部31aが、切断装置10に接続されている。駆動軸31が、前後方向に沿った自身の軸芯周りに往復回転駆動されることにより、駆動軸31のアーム部31aにより、切断装置10の可動刃が左右方向に往復駆動される。
【0056】
右及び左の前面部32が、右及び左の側壁15の前部に上下方向に沿って連結されており、前面部32は左右方向に沿って所定の横幅を有している。
右及び左の底面部33が、右及び左の側壁15の前部の下部に前後方向に沿って連結されており、底面部33は左右方向に沿って前面部32と同じ横幅を有している。底面部33は、側面視で切断装置10に対して下側に配置されており、側壁15のうち切断装置10と隣り合う部分に設けられた平坦状の底面である。
【0057】
右及び左の傾斜面部40が、前面部32の下端部と底面部33の前端部とに亘って、右及び左の側壁15の前部の下部に連結されており、傾斜面部40は左右方向に沿って前面部32及び底面部33と同じ横幅を有している。
【0058】
(分草具の構成)
図3,4,5に示すように、右及び左の側壁15が連結された右及び左の分草具12において、平板状の本体部34、本体部34の上部に前後方向に沿って連結された上面部35、本体部34の後部に上下方向に沿って連結された後面部36と、本体部34の外側部に連結されたガイド部37等が設けられている。右及び左の分草具12は、後面部36の上部の形状を除いて、左右対称の形状となっている。
【0059】
本体部34の下部が、後ろ下りの傾斜形状に形成されている。本体部34の下部において、後述の(膨出部の構成)に記載の膨出部43よりも前側の部分である前下部34a、及び前下部34aに対して後側に位置する後下部34bが設けられており、本体部34の前下部34aの傾斜角度が、本体部34の後下部34bの傾斜角度よりも大きなものに設定されている。
【0060】
本体部34の前端部34cよりも少し上側の部分と、本体部34の前下部34aの後端部34dとに亘って、丸棒材が折り曲げられて形成されたガード部材38が連結されている。
【0061】
本体部34の外側部において、ガイド部37の前端部が、本体部34の前下部34aの後端部34dの近傍部分に連結されて、ガイド部37が後面部36の位置まで後側に延ばされている。本体部34とガイド部37とに亘って、支持ステー39が連結されている。
【0062】
上面部35は、本体部34の前端部34cから後側に向かって次第に、左右方向に沿った横幅が大きくなっており、上面部35の後部の横幅は、フレーム29の横幅と同じである。
【0063】
後面部36の上端部36aが、後向きに折り曲げられて後側に延ばされている。右の分草具12において、後面部36の上部に切り欠き部36bが形成されており、後面部36の上端部36a横幅が、上面部35の後部の横幅及びフレーム29の横幅と同じになっている。
【0064】
以上の構成により、分草具12の後面部36が、側壁15の前面部32にボルト41により連結され、分草具12の後面部36の上端部36aが、側壁15のフレーム29にボルト42により連結されて、右及び左の分草具12が右及び左の側壁15に連結されている。
【0065】
図4及び図7に示すように、側面視で右及び左の側壁15の底面部33を含む仮想線B1を設定した場合、右及び左の分草具12が側壁15に連結された状態において、右及び左の分草具12(本体部34)の後下部34bが、仮想線B1上に位置する。
【0066】
図4及び図5に示すように、右の側壁15の前面部32において、右の分草具12の後面部36の切り欠き部36bに対応する部分に、傾斜部32aが設けられている。
前述の(掻き込みリールの構成)に記載のように、掻き込みリール9が最下降位置に操作された場合、伝動ベルト27が、右の側壁15の前面部32の傾斜部32a、及び、右の分草具12の後面部36の切り欠き部36bの付近に位置するのであり、伝動ベルト27と右の側壁15の前面部32及び右の分草具12の後面部36との接触が避けられる。
【0067】
(膨出部の構成)
図4,7,8に示すように、右及び左の分草具12の下部の内面に、右及び左の膨出部43が取り付けられている。
【0068】
膨出部43は、平板状の板材によって形成されており、側面視で膨出部43の下部が逆三角形状に形成されている。膨出部43の前端部43a及び後端部43b、前端部43aと後端部43bとの間の頂部43cに亘って、丸棒材が折り曲げられて形成されたガード部材44が連結されている。膨出部43の上部に沿って連結孔43dが開口されている。
【0069】
膨出部43の前端部43aと頂部43cとの間の部分(膨出部43の前部の底部に相当)が、後ろ下がりの傾斜形状に形成されている。
側面視で、膨出部43の頂部43cと膨出部43の後端部43bとに亘る前後方向の長さL1が、膨出部43の頂部43cと膨出部43の前端部43aとに亘る前後方向の長さL2よりも、長いものに設定されている。
【0070】
(膨出部が分草具に取り付けられた状態)
図4に示すように、右及び左の側壁15において、傾斜面部40よりも少し上側の部分に、連結孔15aが開口されている。右及び左の分草具12の本体部34において、後下部34bよりも少し上側の部分に、連結孔34fが開口されている。
【0071】
図3,4,7,8に示すように、右及び左の膨出部43が、分草具12及び側壁15の内面に当て付けられて、ボルト45が、膨出部43の連結孔43dと、側壁15の連結孔15a及び分草具12(本体部34)の連結孔34fとに亘って、挿入され締め付けられて、膨出部43が分草具12の下部に連結されている。ボルト45が外されることによって、膨出部43が分草具12から取り外し可能である。
【0072】
図7に示すように、右及び左の膨出部43が分草具12の下部に連結された状態において、側面視で、膨出部43が仮想線B1よりも下側に膨出しており、膨出部43が仮想線B1よりも下側に膨出する部分が、逆三角形状となっている。
【0073】
膨出部43は、側面視で、分草具12の下部から、側壁15の下部に沿って側壁15の底面部33まで延ばされており、膨出部43の後端部43bが、側壁15の底面部33の前端部と同じ位置に位置している。
【0074】
膨出部43の前端部43aと、分草具12(本体部34)の前下部34aの後端部34d(分草具の下部のうち膨出部よりも前側の部分の後端部に相当)とが、同じ位置に位置して滑らかに連続している。
【0075】
膨出部43の前端部43aと頂部43cとの間の部分が、後ろ下がりの傾斜形状に形成され、分草具12(本体部34)の前下部34aが、後ろ下りの傾斜形状に形成されており、膨出部43の前端部43aと頂部43cとの間の部分と、分草具12(本体部34)の前下部34aとが、後ろ下りの一直線状の傾斜形状になっている。
【0076】
ボルト45が外されて、右及び左の膨出部43が分草具12から取り外されると、前述の(分草具の構成)の記載及び図4に示すように、分草具12(本体部34)の後下部34bが、仮想線B1上に位置している。
【0077】
(右及び左のガイド部の構成)
図6,7,8に示すように、右及び左の分草具12における刈幅方向の内面に、圃場の作物を刈取フレーム8の左右中央部側に向けて案内する右及び左のガイド部46,47が備えられている。
【0078】
右及び左のガイド部46,47は、丸パイプにより形成されている。右及び左のガイド部46,47の前端部46a,47aが、膨出部43の頂部43cに対応する位置に、ボルト45により膨出部43と一緒に分草具12(本体部34)に連結されており、右及び左のガイド部46,47が、膨出部43の頂部43cに対応する位置から分草具12の内面に沿って後方に向けて延ばされている。
【0079】
右及び左のガイド部46,47に、支持ステー46c,47cが連結されており、右及び左のガイド部46,47の支持ステー46c,47cが、ボルト45により膨出部43と一緒に側壁15に連結されている。
【0080】
図7に示すように、右のガイド部46の後半部が、側面視で、右のガイド部46の前半部に対して少し斜め上側に延ばされており、右のガイド部46の後端部46bが、側面視で、オーガ11(螺旋部11b)の外周部の回転軌跡と切断装置10との間の位置まで延ばされている。
【0081】
図8に示すように、左のガイド部47は一直線状に後方に延ばされており、左のガイド部47の後端部47bが、側面視で、オーガ11(螺旋部11b)の外周部の回転軌跡と切断装置10との間の位置まで延ばされている。
【0082】
(右及び左の別ガイド部の構成)
図6,7,8に示すように、右及び左の分草具12における刈幅方向の内面に、圃場の作物を刈取フレーム8の左右中央部側に向けて案内する右及び左の別ガイド部48,49が備えられている。
【0083】
右及び左の別ガイド部48,49は、丸パイプにより形成されている。図6及び図7に示すように、右の別ガイド部48の前端部48aが、側面視で、右のガイド部46の前端部46aよりも後側に位置し、右のガイド部46よりも上側に位置するように、ボルト45により膨出部43と一緒に側壁15に連結されている。
【0084】
右の別ガイド部48は、平面視で、右のガイド部46と右の側壁15(膨出部43)との間に配置されており、側面視で、右のガイド部46と交差するように、斜め後下側に延ばされている。右の別ガイド部48の後端部48bが、側面視で、右のガイド部46に対して下側に位置しており、切断装置10の近傍に位置している。
【0085】
図6及び図8に示すように、左の別ガイド部49の前端部49aが、側面視で、左のガイド部47の前端部47aよりも後側に位置し、左のガイド部46よりも上側に位置するように、ボルト45により膨出部43と一緒に側壁15に連結されている。
【0086】
左の別ガイド部49は、側面視で、左のガイド部47よりも上側の位置を、左のガイド部47に沿って後方に延ばされており、平面視で、左のガイド部47と交差している。左の別ガイド部49の後端部49bが、側面視で、左のガイド部47に対して上側に位置しており、オーガ11(螺旋部11b)の外周部の回転軌跡と切断装置10との間の位置まで延ばされている。
【0087】
(発明の実施の第1別形態)
膨出部43が、逆三角形状に形成されるのではなく、側壁15の底面部33よりも前側の部分において、仮想線B1よりも下側に膨出する下向きの凸形状に構成されてもよい。
この構成によると、膨出部43は、分草具12に連結され、側壁15には連結されないことになる。
【0088】
(発明の実施の第2別形態)
右及び左の膨出部43が、互いに異なる形状であってもよい。
例えば、右の膨出部43が図4及び図7に示す形状に構成され、左の膨出部43が前述の(発明の実施の第1別形態)に示す形状に構成されてもよい。逆に左の膨出部43が図4及び図7に示す形状に構成され、右の膨出部43が前述の(発明の実施の第1別形態)に示す形状に構成されてもよい。
【0089】
(発明の実施の第3別形態)
右及び左の膨出部43において、左の膨出部43が設けられ、右の膨出部43が設けられないように構成されてもよい。右の膨出部43が設けられ、左の膨出部43が設けられないように構成されてもよい。
【0090】
(発明の実施の第4別形態)
図7及び図8に示すように、膨出部43の前端部43aと、分草具12(本体部34)の前下部34aの後端部34dとが、同じ位置に位置している場合、膨出部43の前端部43aと頂部43cとの間の部分の傾斜角度が、分草具12(本体部34)の前下部34aの傾斜角度に対して、少し大きな角度又は少し小さな角度に設定されてもよい。
この構成によると、膨出部43の前端部43aと頂部43cとの間の部分と、分草具12(本体部34)の前下部34aとが、一直線状ではなく少し折れ曲がった状態となる。
【0091】
(発明の実施の第5別形態)
右及び左の別ガイド部48,49において、右の別ガイド部48が設けられ、左の別ガイド部49が設けられないように構成されてもよい。左の別ガイド部49が設けられ、右の別ガイド部48が設けられないように構成されてもよい。右及び左の別ガイド部48,49が設けられないように構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、普通型のコンバインばかりではなく、とうもろこし収穫機等の収穫機にも適用できる。
【符号の説明】
【0093】
8 刈取フレーム
9 掻き込みリール
10 切断装置
11 オーガ
12 分草具
15 側壁
33 底面部(底面)
34a 前下部(分草具の下部のうち膨出部よりも前側の部分)
34b 後下部(下部)
34c 前端部
34d 後端部
43 膨出部
43a 前端部
43b 後端部
43c 頂部
46 ガイド部
46a 前端部
46b 後端部
47 ガイド部
47a 前端部
47b 後端部
48 別ガイド部
48a 前端部
49 別ガイド部
49a 前端部
A1 最前位置
A2 最後位置
B1 仮想線
L1 長さ
L2 長さ
P1 軸芯
P3 軸芯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8