(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】材料の帯を捲縮するための装置
(51)【国際特許分類】
A24B 3/14 20060101AFI20231108BHJP
A24D 3/02 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A24B3/14
A24D3/02
(21)【出願番号】P 2021505779
(86)(22)【出願日】2019-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2019072106
(87)【国際公開番号】W WO2020038869
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-08-19
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】ラ ポルタ ピエトロ ダヴィデ
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-204683(JP,A)
【文献】特開2003-38157(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2666624(EP,A1)
【文献】国際公開第2013/098353(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/023965(WO,A1)
【文献】特開平9-300493(JP,A)
【文献】米国特許第2197447(US,A)
【文献】米国特許第3220056(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第3473113(EP,A1)
【文献】特表2020-517233(JP,A)
【文献】国際公開第2019/123210(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 3/14
A24D 3/02
B31F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料の帯を捲縮するための装置であって、
第一の回転軸を中心に回転可能な第一の捲縮ローラーと、第二の回転軸を中心に回転可能な第二の捲縮ローラーとを備える捲縮部分であって、前記第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーが、前記材料の帯が前記第一の捲縮ローラーと前記第二の捲縮ローラーとの間を通り、かつ隣接する装置に向かうことを可能にするように構成されており、前記材料の帯が、前記材料の帯が前記第一の捲縮ローラーと前記第二の捲縮ローラーとの間で圧迫される捲縮位置において捲縮される、捲縮部分と、
前記第一の回転軸および第二の回転軸の少なくとも一方の回転軸の位置を前記第一の回転軸および第二の回転軸の他方の位置に対して回転自在に平行移動させ、または前記第一の回転軸および第二の回転軸の両方の位置を前記隣接する装置の位置に対して平行移動させ、それによって前記捲縮部分と前記隣接する装置との間の前記材料の帯の張力を調整するように構成された調整部分であって、前記捲縮位置と前記隣接する装置との間の経路長さを調整することによって前記材料の帯の張力を調整するように構成されている調整部分と、を備える、装置。
【請求項2】
前記第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーが、前記第一の回転軸および第二の回転軸を中心にそれぞれ回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記調整部分が、前記第一の回転軸および第二の回転軸のうちの少なくとも一つの前記位置が前記隣接する装置の位置に対して調整される際に、捲縮位置と前記隣接する装置の間の、前記帯によって取られる前記経路の前記長さも調整されるように構成されている、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記調整部分が、前記第一の回転軸に対して前記第二の回転軸の前記位置を調整して、それによって前記材料の帯の前記張力を調整するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記調整部分が、前記第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーに連結された調整プレートを含み、前記調整プレートが回転して、それによって前記隣接する装置の前記位置に対して前記第一の回転軸および第二の回転軸のうちの少なくとも一つの前記位置を調整するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーが、前記調整プレートから実質的に垂直に延びる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記調整プレートが平面を画定し、前記調整プレートが、前記平面に垂直な第三の回転軸を中心に回転可能である、請求項5または請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第三の回転軸が前記第一の回転軸と一致し、これによって前記第二の捲縮ローラーが、前記調整プレートが前記第三の回転軸を中心に回転する際に、前記第三の回転軸を中心に回転するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記隣接する装置に対する前記第一の軸および第二の軸の前記平行移動が、前記第一の軸および第二の軸と実質的に垂直な方向である、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記隣接する装置に対する前記第一の回転軸および第二の回転軸の前記平行移動が、実質的に縦方向である、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記調整部分が、前記捲縮部分と前記隣接する装置の間の前記帯の前記張力を測定するように構成された少なくとも一つの張力センサーを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記調整部分が、前記張力センサーによって感知された前記張力に応答して、前記帯の前記張力を調整するように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
材料の帯を捲縮および成形するためのシステムであって、
前記材料の帯を捲縮するための装置であって、
第一の回転軸を中心に回転可能な第一の捲縮ローラー、および第二の回転軸を中心に回転可能な第二の捲縮ローラーを備える捲縮部分と、
調整部分と、を備える装置と、
前記材料の帯を成形するための成形装置と、を備え、
前記第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーが、前記材料の帯が前記第一の捲縮ローラーと前記第二の捲縮ローラーとの間を通り、前記成形装置に向かって、かつ前記成形装置を通過することを可能にするように構成されていて、前記材料の帯が、前記材料の帯が前記第一の捲縮ローラーと前記第二の捲縮ローラーとの間で圧迫される捲縮位置において捲縮され、
前記調整部分が、前記第一の回転軸および第二の回転軸の少なくとも一方の前記位置を前記第一の回転軸および第二の回転軸の他方の位置に対して回転自在に平行移動させ、または前記第一の回転軸および第二の回転軸の両方の位置を前記成形装置の前記位置に対して平行移動させ、それによって前記捲縮位置と前記成形装置との間の経路長さを調整することによって前記材料の帯の張力を調整するように構成されている、システム。
【請求項14】
材料の帯を捲縮および成形するための方法であって、
システムを提供することであって、
前記材料の帯を捲縮するための装置であって、
第一の回転軸を中心に回転可能な第一の捲縮ローラー、および第二の回転軸を中心に回転可能な第二の捲縮ローラーを備える捲縮部分と、
調整部分と、を備える装置と、
前記材料の帯を成形するための成形装置と、を備えるシステムを提供することと、
前記材料の帯を前記第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーの間で通し、前記成形装置に向かって、かつ前記成形装置を通過させることであって、前記材料の帯が、前記材料の帯が前記第一の捲縮ローラーと前記第二の捲縮ローラーとの間で圧迫される捲縮位置において捲縮される、ことと、
前記第一の回転軸および第二の回転軸の少なくとも一方の前記位置を前記第一の回転軸および第二の回転軸の他方の位置に対して回転自在に平行移動させ、または前記第一の回転軸および第二の回転軸の両方の位置を前記成形装置の前記位置に対して平行移動させ、それによって前記捲縮位置と前記成形装置との間の経路長さを調整することによって前記材料の帯の張力を調整することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、材料の帯を捲縮するための装置と、材料シートを捲縮および成形する方法とに関する。特に、しかし排他的ではないが、本発明は、喫煙物品で使用する材料の帯を捲縮するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ業界では、材料捲縮プロセスにおいてローラーが使用されている。こうしたプロセスにおいて、材料の帯または材料シートS’(例えば、たばこキャストリーフ帯(TCL)またはポリ乳酸のシート(PLA)の形態)は、捲縮装置300の第一の捲縮ローラー302と第二の捲縮ローラー303の間を通される(
図1に示す通り)。捲縮ローラー302、303は各々、第一の端302a、303a、第二の端302b、303b、およびそれらの間に延びる長軸方向回転軸A’、B’を有する。ローラー302、303は各々、逆回転するように駆動される。すなわち、第一の捲縮ローラー302は、第一の方向に回転し、第二の捲縮ローラー303は、反対の第二の方向に回転する(
図1に矢印によって示す通り)。
【0003】
典型的に、捲縮ローラー302、303の各々は、その円周作業面上に形成されたパターンを有する。パターンは使用時に互いに協働するように構成されている。例えば、第一の捲縮ローラー302の円周作業面上の溝のパターンは、第二の捲縮ローラー303の円周作業面上の隆起のパターンと協働するように構成されてもよい。使用時に、第一の捲縮ローラー302および第二の捲縮ローラー303は、一方上にあるパターンがもう一方上にあるパターンと協働するように配設されていて、それによってそれらの間を通った材料シートS’を捲縮する。たばこ業界で使用する捲縮ローラー302、303上に、それぞれの円周作業面上のパターン(例えば、複数の溝および隆起)が典型的に、マイクロメートル規模の特徴部によって形成されている。一方で、材料シートS’は比較的薄くてもよい。
【0004】
捲縮の後、材料の帯は典型的に、
図2に示す通り、捲縮した帯の処理に関連するさらなる装置(例えば、成形装置310)に向かって通り、かつそれを通過する。捲縮した帯は成形装置の中に供給され、これは、漏斗のような装置の内側で帯を所望の直径に圧縮し、それを連続的な円柱へと巻き、そしてそれをTCLまたはPLAの個別のスティックに切断する。こうしたプロセスは、加熱非燃焼式喫煙物品用の「ロッド」または従来の紙巻たばこのフィルターを作製するために使用されてもよい。
【0005】
捲縮ローラーは、捲縮ローラーの上流に位置するボビンから材料の帯を引っ張る。材料の帯(および結果としてもたらされた連続的な円柱)はまた、成形装置を通して(典型的にはガルニチュールテープを介して)引っ張られる。起動中にこれらのシステムの速度は一定であるが、使用中に(例えば材料の帯を供給するボビンが変更された時に)、二つのシステムの間で速度差が生じる場合がある。特に、速度差が、捲縮ローラーの出口と、成形装置の漏斗の入口との間で生じる可能性がある。こうした速度差は、この効果を低減するためのバッファシステムの使用にもかかわらず、材料の帯の張力の変動をもたらす場合がある。材料の帯の張力の変動は、最終製品内に非一貫性をもたらす場合があり、例えば成形装置内の帯の圧縮が影響を受ける場合があり、引き出し抵抗(RTD)とロッドまたはフィルター内の材料の全体的な機能性とに影響を与える場合がある。
【0006】
捲縮装置と成形装置の間の材料の帯の張力を調節する周知のやり方は、捲縮装置とテンションローラーの間にテンションローラー(ダンサー)を提供することである。こうしたローラーは、材料の帯を押す回転レバーとして作用し、レバーの回転(従って、ローラーによって帯上に加えられる圧力)は、ばねによって制御され、かつ加えられる。しかしながら、こうしたテンションローラーの使用は、比較的に非効果的であり、かつ複雑である可能性があり、張力ローラーが帯の張力を調整する際に、捲縮ローラーの速度調整を必要とする。
【0007】
米国特許出願公開第20170245542A1号は、エアロゾル発生物品用の捲縮したウェブを製造するための装置および方法を開示している。
【0008】
米国特許出願公開第20140166032A1号は、喫煙物品で使用するロッドを開示していて、ロッドは、ラッパーによって囲まれた均質化したたばこ材料のシートの集合体を含む。
【0009】
国際特許公開公報第2017089545A1号は、均質化したたばこシートの生産ラインを開示している。
【0010】
米国特許第4618339A号は、紙巻たばこフィルターロッドのその後の製造のためのフィルタートウの調整のための装置を開示している。
【0011】
米国特許第5466209A号は、フィルターロッド用の自動化された重量制御装置を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
材料の帯を捲縮するための装置および材料の帯を捲縮する方法を提供することが望ましいことになり、これは上記の問題を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第一の態様によると、材料の帯を捲縮するための装置が提供されていて、装置は、
第一の回転軸を画定する第一の捲縮ローラーと、第二の回転軸を画定する第二の捲縮ローラーとを備える捲縮部分であって、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーが、材料の帯がそれらの間を通り、かつ所望の方向で出ることを可能にするように構成されている、捲縮部分と、
隣接する装置の位置に対して第一の回転軸および第二の回転軸のうちの少なくとも一つの位置を調整して、それによって捲縮部分と所望の方向の間の材料の帯の位置、または角度、または位置と角度の両方を調整するように構成された調整部分とを備える。
【0014】
材料の帯の位置または角度(または両方)を調整することは、捲縮部分からの材料の帯の張力を調整することである。これは、捲縮部分と所定の場所の間の張力を調整することであってもよい。所定の場所は、プロセスの次の結果的な工程、隣接する装置、材料の帯を支持または保持することが可能な任意のものであってもよい。
【0015】
適切には、所望の方向は、捲縮ローラーのうちの一つの周りを部分的に包むことを含む、捲縮部分からの任意の角度とすることができる。
【0016】
適切には、所望の方向は、二つの捲縮ローラーの軸を接合する線から測定して、捲縮部分の捲縮位置から0~180度、適切には10~170度、または30~150度とすることができる。
【0017】
適切には、所望の方向は、所定の場所、例えばプロセスにおける次の工程、または隣接する装置に向かう。すなわち、本発明の一態様によると、材料の帯を捲縮するための装置が提供されていて、装置は、
第一の回転軸を画定する第一の捲縮ローラーと、第二の回転軸を画定する第二の捲縮ローラーとを備える捲縮部分であって、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーが、材料の帯がそれらの間を通り、かつ所定の場所に向かうことを可能にするように構成されている、捲縮部分と、
所定の場所に対して第一の回転軸および第二の回転軸のうちの少なくとも一つの位置を調整して、それによって捲縮部分と所定の場所の間の材料の帯の張力を調整するように構成された調整部分と、を備える。
【0018】
適切には、所定の場所は、隣接する装置の場所である。すなわち、本発明の一態様によると、材料の帯を捲縮するための装置が提供されていて、装置は、
第一の回転軸を画定する第一の捲縮ローラーと、第二の回転軸を画定する第二の捲縮ローラーとを備える捲縮部分であって、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーが、材料の帯がそれらの間を通り、かつ隣接する装置に向かうことを可能にするように構成されている、捲縮部分と、
隣接する装置の位置に対して第一の回転軸および第二の回転軸のうちの少なくとも一つの位置を調整して、それによって捲縮部分と隣接する装置との間の材料の帯の張力を調整するように構成された調整部分と、を備える。
【0019】
適切には、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、それぞれ第一の回転軸および第二の回転軸を中心に回転可能である。
【0020】
適切には、調整部分は、第一の回転軸および第二の回転軸のうちの少なくとも一つの位置が所定の場所(または隣接する装置)の位置に対して調整される際に、捲縮位置と所定の場所(または隣接する装置)との間の帯によって取られる経路の長さも調整されるように構成されている。
【0021】
適切には、調整部分は、第一の回転軸に対する第二の回転軸の位置を調整して、それによって材料の帯の張力を調整するように構成されている。
【0022】
適切には、調整部分は、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーに連結された調整プレートを含み、調整プレートは回転して、それによって所定の場所(または隣接する装置)の位置に対して第一の回転軸および第二の回転軸のうちの少なくとも一つの位置を調整するように構成されている。
【0023】
適切には、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、調整プレートから実質的に垂直に延びる。
【0024】
適切には、調整プレートは平面を画定し、調整プレートは、平面に垂直な第三の回転軸を中心に回転可能である。
【0025】
適切には、第三の回転軸は第一の回転軸と一致し、これによって第二の捲縮ローラーは、調整プレートが第三の回転軸を中心に回転する際に、第三の回転軸を中心に回転するように構成されている。
【0026】
適切には、調整部分は所定の場所(または隣接する装置)に対して第一の回転軸および第二の回転軸を平行移動して、それによって材料の帯の張力を調整するように構成されている。
【0027】
適切には、所定の場所(または隣接する装置)に対する第一の軸および第二の軸の平行移動は、第一の軸および第二の軸と実質的に垂直な方向である。
【0028】
適切には、所定の場所(または隣接する装置)に対する第一の回転軸および第二の回転軸の平行移動は、実質的に垂直な方向である。
【0029】
適切には、調整部分は、捲縮部分と所定の場所(または隣接する装置)の間の帯の張力を測定するように構成された少なくとも一つの張力センサーを含む。
【0030】
適切には、調整部分は、張力センサーによって感知された張力に応答して、帯の張力を調整するように構成されている。
【0031】
本発明の第二の態様によると、材料の帯を捲縮および成形するためのシステムが提供されていて、システムは、
材料の帯を捲縮するための装置であって、
第一の回転軸を画定する第一の捲縮ローラー、および第二の回転軸を画定する第二の捲縮ローラーを備える捲縮部分と、
調整部分と、を備える装置と、
材料の帯を成形するための成形装置と、を備え、
第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、材料の帯がそれらの間を通り、成形装置に向かって、かつ成形装置を通過することを可能にするように構成されていて、かつ
調整部分は、成形装置の位置に対して第一の回転軸および第二の回転軸のうちの少なくとも一つの位置を調整して、それによって捲縮部分と成形装置の間の材料の帯の張力を調整するように構成されている。
【0032】
本発明の第三の態様によると、材料の帯を捲縮および成形する方法が提供されていて、方法は、
システムを提供することであって、
材料の帯を捲縮するための装置であって、
第一の回転軸を画定する第一の捲縮ローラー、および第二の回転軸を画定する第二の捲縮ローラーを備える捲縮部分と、
調整部分と、を備える装置と、
材料の帯を成形するための成形装置と、を備えるシステムを提供することと、
材料の帯を第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーの間で通し、成形装置に向かって、かつ成形装置を通過させることと、
成形装置の位置に対して第一の回転軸および第二の回転軸のうちの少なくとも一つの位置を調整して、それによって捲縮部分と成形装置の間の材料の帯の張力を調整することと、を含む。
【0033】
第三の態様の方法は、第一の態様および第二の態様に関して記載のいずれかの装置またはシステムの特徴とともに使用することができる。
【0034】
本発明のある特定の実施形態は、装置が材料の帯を捲縮するために提供されていて、装置は帯の張力を調整することができるという利点を提供する。帯の張力の調整(および、それ故に調節)を可能にすることによって、装置は周知の装置と比較して、より一貫した製品を生産するために使用することができる。
【0035】
本明細書で使用される「平行移動」という用語は、実体の移動を記述するために使用され、ここで実体のあらゆる点は、所与の方向に同一の距離だけ移動される。すなわち、隣接する装置に対する軸の平行移動は、隣接する装置に対する所与の方向における軸のあらゆる点の移動を伴う(つまり、隣接する装置に対する軸の向きを変更することがない)。
【0036】
本明細書で使用される「張力」という用語は、引張力または引っ張る力を記述するために使用される。材料の帯を指す時、張力は、材料の帯内の軸方向の引張力または引っ張る力である。すなわち、張力は、材料の帯が軸方向に引っ張られている程度である。
【0037】
本明細書で使用される「捲縮」という用語は、複数の波形または隆起および溝を備える捲縮された材料の帯を形成するために、材料の帯を加工することを記述するために使用される。捲縮するために一対のローラーを使用する時、加工することは、一対のローラーの間に材料シートを通すことと、捲縮したシート中または上に波形または隆起および溝を形成することとを含む。
【0038】
本明細書で使用される「捲縮部分」という用語は、材料の帯を捲縮するために構成された装置の一部分を記述するために使用される。
【0039】
本明細書で使用される「捲縮位置」という用語は、材料の帯が捲縮される位置を記述するために使用される。具体的に、捲縮部分の捲縮位置は、材料の帯が圧迫される位置であり、これ故に捲縮ローラー間で捲縮される。
【0040】
本明細書で使用される「捲縮ローラー」という用語は、第一の端から第二の端に延び、かつ実質的に円筒状の円周作業面を有する、概して円筒状の本体を記述するために使用される。円周作業面は、ローラーの第一の端と第二の端の間に延びる長軸方向軸と概して平行である。少なくとも一つのローラーの円周作業面は、円周作業面上に形成されたパターンを含むことが好ましい。パターンは、例えば隆起の間に溝を有する複数の隆起を含む隆起したパターンを含むことが好ましい。隆起したパターンは、マイクロメートル規模の特徴部を含むことが好ましい。
【0041】
本明細書で使用される「隣接する装置」という用語は、システム/生産ライン中の捲縮装置に対してすぐ下流/上流に位置する装置を記述するために使用される。例えば、以下に記載の実施例において、隣接する装置は、材料の帯を捲縮および成形するためのシステム中の捲縮装置の下流に位置する成形装置である。
【0042】
本明細書で使用される「成形装置」という用語は、材料の帯を成形または集合するための装置を記述するために使用される。例えば、成形装置は、材料の帯をロッドまたはフィルターに成形するように構成されてもよい。成形装置は、材料の帯を所望の直径に徐々に圧縮するための漏斗要素を含んでもよい。
【0043】
本明細書で使用される「調整部分」という用語は、材料の帯の張力を調整するように構成された装置の一部分を記述するために使用される。調整部分は、成形装置または隣接する装置に対する捲縮ローラーのうちの少なくとも一つの回転軸の位置を調整する。このように、捲縮ローラーの出口点と成形装置または隣接する装置との間の距離は調整されて、それによって捲縮部分と成形装置または隣接する装置との間に延びる材料の帯の張力を調整してもよい。
【0044】
疑義を避けるために、本明細書に記載の特徴のうちの任意の特徴は、本発明の任意の態様に等しく適用される。本出願の範囲内で、先行する段落において、特許請求の範囲において、または以下の記述および図面、また特に、その特定の個別の特徴において提示された様々な態様、実施形態、実施例、代替物は、独立してまたは任意の組み合わせで取り上げられうることが明示的に想定される。本発明の一態様または実施形態に関連して説明した特徴は、こうした特徴が不適合でない限り、すべての態様または実施形態に適用可能である。
【0045】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】
図1は、材料の帯を捲縮する一対の先行技術のローラーの概略斜視図を図示する。
【
図2】
図2は、材料の帯を捲縮および成形するための先行技術の装置の概略斜視図を図示する。
【
図3】
図3は、材料の帯を捲縮するための装置の概略斜視図を図示する。
【
図4a】
図4aは、第一の回転位置および第二の回転位置にある
図3の装置の側面図を図示する。
【
図4b】
図4bは、第一の回転位置および第二の回転位置にある
図3の装置の側面図を図示する。
【
図5a】
図5aは、それぞれ第一の回転位置および第二の回転位置にある
図3の装置を含む、材料の帯を捲縮および成形するためのシステムの側面図を図示する。
【
図5b】
図5bは、それぞれ第一の回転位置および第二の回転位置にある
図3の装置を含む、材料の帯を捲縮および成形するためのシステムの側面図を図示する。
【
図6a】
図6aは、それぞれ第一の動作構成および第二の動作構成にある材料の帯を捲縮および成形するための代替的なシステムの側面図を図示する。
【
図6b】
図6bは、それぞれ第一の動作構成および第二の動作構成にある材料の帯を捲縮および成形するための代替的なシステムの側面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
ここで
図3を参照すると、第一の実施形態による材料の帯を捲縮するための装置100が示されている。装置100は、第一回転軸Aを画定する第一の捲縮ローラー2と、第二の回転軸Bを画定する第二の捲縮ローラー3とを含む捲縮部分1を含む。第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3は、材料の帯がそれらの間を通り、かつ隣接する装置に向かうことを可能にするように構成されている。第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3の各々は、それらの間を通るシート材料をパターン形成するためのパターンを含みうる円周作業面を備える。第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3は、それぞれ第一の回転軸および第二の回転軸を中心に回転可能である。この実施例において、第一の回転軸Aおよび第二の回転軸Bは平行である。
【0048】
装置100は、隣接する装置の位置に対して、第一の回転軸Aおよび第二の回転軸Bのうちの少なくとも一つの位置を調整し、それによって、捲縮部分1と隣接する装置の間の材料の帯の張力を調整するように構成された調整部分20をさらに含む。
【0049】
この実施例において、調整部分20は、第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3に連結された調整プレート22を含む。第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3は、調整プレート22から実質的に垂直に延びる。具体的に、調整プレート22は、第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3の第一の端2a、3aが調整プレート22に近接していて、かつ第二の端2b、3bが調整プレート22の遠位であり、これによって長軸方向回転軸A、Bが調整プレート22の平面に対して垂直(直角)である平面(つまり、この実施例において、調整プレート22の前面34上の平面)を画定する。
【0050】
第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3は、第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3がそれぞれ第一の回転軸および第二の回転軸を中心に回転できるように、調整プレートに回転可能に据え付けられている。例えば、捲縮ローラー2、3の各々の軸は、各捲縮ローラー2、3のそのそれぞれの軸A、Bを中心とした回転移動を可能にするように、調整プレートの中に延びてもよい。この実施例において、捲縮部分100は、第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3の回転を駆動するための駆動手段(図示せず)をさらに含む。この実施例において、駆動手段は、第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3の各々のための別個のモーターを含む。この実施例において、駆動手段は調整プレート22内に位置する。
【0051】
調整プレート22は、調整プレートの平面(つまり、前面34)に垂直な第三の回転軸を中心に回転可能である。この実施例において、調整部分20は、第三の回転軸の周りでの調整プレート20の回転を駆動するための駆動手段(図示せず)をさらに含む。この実施例において、駆動手段はモーターである。
【0052】
この実施例において、第二の捲縮ローラー3は、調整プレート22が第三の回転軸を中心に回転するにつれて、第三の回転軸を中心に回転するように構成されている。すなわち、第二の捲縮ローラー3の回転軸と調整プレート22の回転軸との間の相対距離は、(調整プレート22に据え付けられている第二の捲縮ローラーのおかげで)一定である。つまり、第二の捲縮ローラー3の回転軸は、第三の回転軸(調整プレートの回転軸)からずれている。
【0053】
図4aおよび
図4bは、それぞれ第一の回転位置および第二の回転位置にある装置100を図示する。すなわち、
図4aは、調整プレートの回転前の初期位置(中立位置)にある装置100を図示する。
図4bは、第三の回転軸を中心とした調整プレートの反時計回り(矢印24で示す通り)の回転後の装置100を図示する。この例において、第三の回転軸は第一の回転軸と一致する。つまり、第一の捲縮ローラーは調整プレートと同軸である。このようにして、第二の捲縮ローラー3は、
図4bに矢印26によって示す通り、調整プレート22が第三の回転軸を中心に回転するにつれて、第一の捲縮ローラー(すなわち、具体的にはその第一の回転軸)を中心として回転するように構成されている。当然のことながら、第二の捲縮ローラー3はまた、第三の回転軸を中心に回転する。
【0054】
装置100は、
図5aおよび
図5bに示す通り、使用時に材料の帯を捲縮および成形するためのシステム150の一部を形成するように構成されている。システムは、装置100および隣接する装置10(または「次の段階の装置」、すなわち装置100から材料の帯を受容する装置)を含む。この実施例において、材料の帯は、TCLまたはPLAの帯であり、加熱非燃焼式装置で消耗品として使用されるTCLスティックまたはPLAスティックに変換される。他の実施例において、材料の帯は、従来の紙巻たばこ用のフィルターに変換されるフィルター材料であってもよい。この実施例において、隣接する装置10は、材料の帯Sを成形するための成形装置である。
【0055】
図5aは、第一の動作構成にあるシステム150を図示する。装置100の調整部分20は、明瞭化のために
図5aおよび
図5bに示されていないことに留意されたい。この実施例において、材料の帯Sは、ボビン(図示せず)上に提供されている。材料の帯Sは、第一の捲縮ローラー2と第二の捲縮ローラー3の間を通り、成形装置10に向かって、かつ成形装置10を通過する。この実施例において、材料の帯が捲縮ローラー2と捲縮ローラー3の間を通る際、帯は捲縮位置にて両方のローラーの作業面と係合する。すなわち、捲縮部分の捲縮位置は、材料の帯Sが圧迫され、これ故に捲縮ローラー2と捲縮ローラー3の両方の間で捲縮される位置である。つまり、材料の帯は、捲縮位置にて捲縮ローラー2と捲縮ローラー3との間に効果的に保持される。
【0056】
第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3は、各々逆回転するように(
図5aに矢印によって示す通り)駆動される。つまり、第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3は反対方向に回転して、矢印28によって図示された方向でそれを通る材料の帯Sの通過を可能にする。
【0057】
動作中、捲縮ローラーが駆動され、捲縮ローラー2、3の回転が材料の帯Sをボビンから引っ張る。成形装置はまた、(周知の成形装置の通りに)駆動され、捲縮ローラーから帯を引っ張り、これによって材料の帯は矢印28の方向に(この例では実質的に水平方向に)移動する。材料の帯は、捲縮位置にて第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3の作業面と接触するにつれて、捲縮(またはパターン化)される。帯が成形装置によって引っ張られ、かつ捲縮部分によって捲縮された結果として、捲縮の位置と成形装置の間の帯の長さに沿って張力が発生する。
【0058】
図5aの第一の動作構成において、装置100は、
図4aに示す通り第一の回転位置(中立位置)にある。使用時に、成形装置の位置に対する第二の回転軸の位置は調整可能であり、それによって捲縮部分と成形装置10の間の材料の帯Sの張力を調整する。
【0059】
図5bは、第二の動作構成にあるシステムを図示し、ここで帯Sの張力は、調整プレートの回転によって第一の動作構成での張力から変化している。
図5bの構成において、装置は、
図4bに示す通り第二の回転位置に実質的に対応する回転位置にある。具体的に、第二の捲縮ローラー3は、第三の回転軸を中心に回転していて、これは、この実施例において、第一の捲縮ローラー2の回転軸を中心とする回転に対応している(矢印30で示す通り)。すなわち、調整部分20は、第一の回転軸に対して第二の回転軸の位置を調整していて、それによって(第一の回転軸と第三の回転軸が同軸であることのおかげで)材料の帯の張力を調整する。
【0060】
捲縮部分と隣接する装置との間の帯の張力の変化は、捲縮部分の捲縮位置(帯が捲縮される位置)と成形装置の位置との間の帯によって取られた経路の距離の変化によって引き起こされる。
【0061】
具体的に、所与の時に(つまり、静止している帯の場合)、捲縮位置と成形装置の間の帯のセクションは効果的に一定である。すなわち、帯のセクションの一端は、捲縮ローラー間で捲縮位置に保持され、また帯のセクションの反対側の端は成形装置によって保持される。捲縮位置と成形装置の間(つまり、固定端間)の帯のセクションによって取られた経路の距離の調整は、帯のセクションの長さの変化をもたらす。これは、捲縮位置と成形装置の間の帯の張力の変化を発生させる。
【0062】
この実施例において、第二の回転軸が第一の捲縮ローラーの周りを回転すると、第二の捲縮ローラーは、捲縮部分から成形装置への経路28から帯の部分を変位するように作用する。その際に、捲縮位置と成形装置の間の帯のセクションの長さは変化(この実施例では増大)し、これ故に張力も変化(この実施例では増大)する。具体的に、この実施例において、帯は、第二の捲縮ローラーの円周の一部の周りに強制され、これは経路の長さを増大する。
【0063】
この実施例において、システムは使用中に第一の動作構成から第二の動作構成になり、つまり捲縮ローラー2、3はそれぞれの軸を中心に回転し、これ故に捲縮動作を行う。
【0064】
図6aおよび
図6bは、第二の実施形態による装置200(システム250の一部として示される)を図示する。装置200は、装置100に対応する特徴を有し、対応する特徴は同一の方法で標識されている。調整部分20は、図の明瞭化のために図示されていない。
図6aは、成形装置10に対して第一の場所にある捲縮ローラー2、3(または具体的に、その第一の回転軸および第二の回転軸)を有する、第一の動作構成にあるシステム250を図示する。
【0065】
この実施例において、調整部分20は、隣接する装置(この例では成形装置10)に対して第一の回転軸および第二の回転軸を平行移動し、それによって材料の帯の張力を調整するように構成されている。調整部分20は、第一の回転軸および第二の回転軸を任意の適切な様態で平行移動してもよい。例えば、調整部分20はそれ自体、レールおよびプーリーのシステムを介して平行移動されてもよい。
【0066】
図6bは、材料の帯の張力を調整するための第一の回転軸および第二の回転軸の平行移動の後のシステム250を図示する。この実施例において、成形装置10に対する第一の軸および第二の軸の平行移動は、第一の軸および第二の軸に実質的に垂直な方向である。特に、成形装置に対する第一の回転軸および第二の回転軸の平行移動は、矢印32によって示す通り実質的に垂直方向である。
【0067】
前述の実施形態で考察したのと同じ様態で、成形装置に対する第一の回転軸および第二の回転軸の平行移動(つまり、第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3の平行移動)は、成形装置に対する帯の捲縮位置を変位させる。その際に、捲縮位置と成形装置の間の帯の経路、これ故に捲縮位置と成形装置の間の帯のセクションの長さが変化する(この実施例では増大する)。結果として、張力も変化する(この実施例では増大する)。
【0068】
上述の両方の実施例において、調整部分20は、捲縮部分と成形装置の間の帯の張力を測定するように構成された少なくとも一つの張力センサー(図示せず)を含む。この実施例において、少なくとも一つの張力センサーは、材料の帯の経路を横切って位置付けられた赤外線センサーのアレイ(図示せず)であり、これによって、初期経路(つまり、この実施例では矢印28)からの帯の逸脱は、帯の張力の変化を示すことになる。特に、帯がその初期位置の下方にぶら下がっていることをセンサーが示す場合、これは帯が緩すぎる(つまり張力が低すぎる)ことを示していることになる。同様に、帯が初期位置の上方にあることをセンサーが示す場合、これは帯がきつすぎる(つまり張力が高すぎる)ことを示していることになる。代替的な実施例において、任意の適切な張力センサーが使用されてもよい。例えば、少なくとも一つのテンソルセンサーは、帯の上に延びるローラーであってもよく、前記ローラーの位置は、帯の張力を決定するためにモニターされている。
【0069】
記載の実施例において、調整部分20は、張力センサーによって感知された張力に応答して、帯の張力を調整する(張力を調節する)ように構成されている。すなわち、第一の実施例の場合、第二の回転軸は、感知された張力から必要とされるレベルに張力を調整する(増大または減少する)任意の量だけ(成形装置に対して)回転されてもよい。
【0070】
同様に、第二の実施例の場合、第一の回転軸および第二の回転軸は、感知された張力から必要とされるレベルに張力を調整する(増大または減少する)任意の量だけ平行移動されてもよい。
【0071】
これらの実施例において、調整部分20は、張力センサーからの信号を処理するよう構成された制御ユニット(図示せず)を含む。制御ユニットは、張力センサーから受信した信号に従って、第一の回転軸または第二の回転軸(または第一の回転軸と第二の回転軸の両方)の位置の必要とされる調整について調整部分に命令するように構成されている。
【0072】
上述の通りの詳細な配設の様々な変更が可能である。例えば、隣接する装置は、材料の帯の捲縮に続く生産ラインで使用される任意の適切な装置であってもよい。
【0073】
捲縮は部分的であっても、または全体であってもよく、すなわち材料の帯の表面全体が捲縮されてもよく、または表面の一部のみが捲縮されてもよい。捲縮は、一方のローラーまたは両方のローラーを使用してもよく、すなわち捲縮ローラーのうちの一方または両方の円周作業面は捲縮パターンを含んでもよい。後者の場合、第一の捲縮ローラーの作動面上のパターンと第二の捲縮ローラーの作動面上のパターンとの間には、相補的な適合があってもよく、なくてもよい。
【0074】
代替的な実施例において、第一の回転軸と第三の回転軸は同軸でなくてもよい。すなわち、第一の捲縮ローラーの第一の回転軸は、第三の回転軸からずれていてもよい。例えば、第一の回転軸と第二の回転軸の両方は、第三の回転軸からずれていてもよい。こうした実施例において、調整部分は、隣接する装置の位置に対して第一の回転軸と第二の回転軸の両方の位置を調整し、それによって捲縮部分と隣接する装置との間の材料の帯の張力を調整するように構成されている。こうした実施例において、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、調整プレートが第三の回転軸を中心に回転するにつれて、第三の回転軸を中心に回転するように構成されている。こうした構成は、調整プレートの所与の回転のために張力のより大きい変化が必要とされる場合に好ましい場合がある。
【0075】
第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、任意の適切な様態で調整プレートに回転可能に据え付けられてもよい。例えば、第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーは、ピンもしくはねじによって、またはベアリング配設によって、調整プレートに回転可能に据え付けられてもよい。
【0076】
調整プレートは、任意の適切な材料、例えば金属(例えば、ステンレス鋼もしくはアルミニウム)またはプラスチックで作製されてもよい。記載の実施例において、調整プレートは円筒状であるが、任意の適切な形状が使用されてもよい。
【0077】
調整プレート22の平面(第三の回転軸は、これに対して画定されている)は、記載の実施例の通りに調整プレート22の前面でなくてもよい。別の方法として、調整プレート22の平面は、調整プレート22を通る断面であってもよい。
【0078】
捲縮ローラーおよび調整プレートの移動を駆動するために、任意の適切な駆動手段を使用してもよい。両方の捲縮ローラーを制御するために単一のモーターが使用されてもよい。別の方法として、一方の捲縮ローラーのみが駆動されてもよい(つまり、一つの能動ローラーと一つの受動ローラー)。第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーのための駆動手段は、どこに位置してもよく、例えば調整プレート上に、または調整プレートと捲縮ローラーの間に据え付けられてもよい。
【0079】
第一の捲縮ローラー2および第二の捲縮ローラー3は、帯の初期の所望の張力を提供するために、任意の適切な初期構成を有してもよい。すなわち、成形装置に対する第一の捲縮ローラーおよび第二の捲縮ローラーの初期の位置は、
図5aおよび
図6aに図示した「第一の動作構成」に対応しない場合がある。その代わりに、捲縮ローラーの初期の回転/平行移動は、帯の初期の張力を所望のレベルに較正するために必要とされる場合がある。
【0080】
第一の回転軸および第二の回転軸の平行移動は、帯の張力を調整するための任意の適切な方向であってもよい。例えば、第一の回転軸および第二の回転軸は、上、下、左、右に、またはこれらの任意の組み合わせで、(
図6aおよび6bに示す向きで)変位されてもよい。
【0081】
材料の帯は、捲縮位置に「効果的に保持」されない場合がある。その代わりに、材料の帯は、捲縮装置の上流または下流に位置する装置の両方において効果的に保持されてもよい。このようにして、材料の帯の経路における変化は、上流装置と下流装置と間の(これ故に、捲縮装置と下流装置の間の)張力の変化をもたらす。具体的に、所与の時に(つまり、静止している帯の場合)、上流装置と下流装置の間の帯のセクションは効果的に一定である。すなわち、帯のセクションの端は、捲縮装置の上流の装置(例えばボビン)に保持され、また帯のセクションの反対側の端は、捲縮装置の下流の装置(例えば成形装置)によって保持される。上流装置と下流装置の間の帯のセクションによって取られた経路の距離の調整は(つまり、捲縮装置の調整の結果として)、帯のセクションの長さの変化をもたらす。これは、上流装置と下流装置の間の帯の張力の変化を発生させる(これ故に、捲縮位置と上流装置および下流装置のそれぞれとの間の帯の張力の変化を発生させる)。
【0082】
第三の実施形態は、上述の第一の実施形態および第二の実施形態の機能性を組み合わせて実装されてもよい。すなわち、調整部分はローラーを回転および平行移動させることができる。この実施形態は、捲縮装置の上流と下流の両方にある材料の帯の張力を調整するのに特に有効である。
【0083】
制御ユニットは、フィードバックシステムを使用して動作するように構成されてもよい。例えば、制御ユニットは、第一の回転軸および第二の回転軸のうちの少なくとも一つの位置を調整するように調整部分に命令し、また帯の張力(張力センサーによって感知された張力)を、保存された所望の値(例えば、帯の所望の位置または張力)と常に比較する。
【0084】
制御ユニットはまた、第一の回転軸および第二の回転軸の周りのそれぞれの第一の捲縮ローラーまたは第二の捲縮ローラー(または第一の捲縮ローラーと第二の捲縮ローラーの両方)の回転速度を制御するように構成されてもよい。これは帯の張力に対して、さらなる調整を提供することができる。
【0085】
制御ユニットは、装置に対して任意の適切な様態で位置付けられてもよい。例えば、制御ユニットは調整プレート22内に収容されてもよい。別の方法として、制御ユニットは、例えば手動入力を可能にするために、装置とは別個に位置してもよい。
【0086】
制御ユニットは、任意の適切な様態で、張力センサーと、調整部分および捲縮部分の駆動手段とに連結されてもよい。例えば、制御ユニットは、「ハード」接続、つまり配線によって連結されてもよい。別の実施例において、制御ユニットは、無線通信手段によって張力センサーおよび調整部分と通信してもよい。
【0087】
制御ユニットは、システム中の装置のうちの一つ以上を制御するようにさらに構成されてもよい。すなわち、制御ユニットは、上流および下流の隣接する装置を制御してもよい。具体的に、制御ユニットは、隣接する装置の間の張力を調節するのを補助するために、隣接する装置間の相対速度を制御してもよい。つまり、制御ユニットは、成形装置が帯を捲縮ローラーから引っ張る速度を制御してもよい。
【0088】
また、前述の特徴または添付図面に示された特徴の任意の数の組み合わせは、先行技術に優る明確な利点を提供し、従って本明細書に記載の本発明の範囲内であることも当業者によって理解されるであろう。
【0089】
上述の配設で、捲縮位置と成形装置の間の帯の経路長さは、大きい範囲の張力調整が可能であるように、大きい範囲の構成に変化させることができる。
【0090】
張力センサーの使用は、帯の実際の張力を考慮して調整部分が張力を調整することを可能にする。これは装置を効率的にするのに役に立つ。
【0091】
張力センサーと組み合わせた制御ユニットの使用は、帯の張力をモニターし、必要とされるレベルまで調整するプロセスを自動化することを可能にする。
【0092】
概略図は必ずしも実寸に比例していなく、また図示の目的で提示されていて、限定するものではない。図面は本開示で説明される一つ以上の態様を描写する。しかし当然のことながら、図面に描写されていない他の態様が本開示の範囲に収まる。