(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】データ再送を制御するための方法およびユーザ機器
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20231108BHJP
H04L 1/16 20230101ALI20231108BHJP
H04W 72/20 20230101ALI20231108BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04L1/16
H04W72/20
(21)【出願番号】P 2021509842
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2019102302
(87)【国際公開番号】W WO2020038468
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-02-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-20
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】シュ、ジン
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】新田 亮
【審判官】齋藤 哲
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-231950(JP,A)
【文献】特表2008-545330(JP,A)
【文献】特表2010-502096(JP,A)
【文献】特開2011-223127(JP,A)
【文献】Ericsson,Configured UL grant for NR-U[online],3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1809207,Internet<https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94/Docs/R1-1809207.zip>,2018年08月11日
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,On Configured Grant enhancements for NR URLLC[online],3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1808570,<https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94b/Docs/R1-1808570.zip>,2018年08月10日
【文献】Qualcomm,On reliable transmission of URLLC data[online],3GPP TSG RAN WG2 #99bis R2-1709125,Internet<https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_99/Docs/R2-1709125.zip>,2017年09月29日
【文献】Lenovo,Discussion on retransmission design for grant-free based UL transmission[online],3GPP TSG-RAN WG1#86b R1-1609400,Internet<https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Docs/R1-1609400.zip>,2016年10月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
UEにより実行される、データ再送を制御するための方法であって、
データをネットワークデバイスに伝送し、タイマ(401)を開始すること、
前記データに対応するHARQ-NACKフィードバックが、前記タイマが満了する前に前記ネットワークデバイスから受信される場合、前記データ(405)を再送すること、
前記データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、前記タイマが満了する前に受信されない場合、前記タイマが満了した後に前記データ(405)を再送すること、を含むものであり、
前記データ(405)を再送することが、
前記タイマに従って再送のための時間リソースを獲得すること、
前の伝送に従って再送のための周波数リソースを獲得すること、および
前記時間リソースおよび前記周波数リソースを用いて前記データを再送することを含むものであり、
前記時間リソースの場所は、T+Nによって決定され、Tは、前記タイマが満了する時間であり、Nは、既定のパラメータで
あり、
前記周波数リソースの場所は、RB+オフセットによって決定され、RBは、前記再送の前に前記データを伝送するための周波数リソースの場所であり、オフセットは、既定のパラメータであり、
オフセット=0である、方法。
【請求項2】
タイマの開始を制御するように構成される制御装置(144)と、
ネットワークデバイスからHARQ-ACKフィードバックまたはHARQ-NACKフィードバックを受信するように構成される受信装置(142)と、
送信装置(146)であって、
データを前記ネットワークデバイスに伝送し、
前記データに対応するHARQ-NACKフィードバックが、前記タイマが満了する前に前記ネットワークデバイスから前記受信装置(142)によって受信される場合、前記データを再送し、
前記データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、前記タイマが満了する前に前記受信装置(142)によって受信されない場合、前記データを再送するように構成される、送信装置(146)とを含むものであり、
前記送信装置(146)が、
前記タイマに従って再送のための時間リソースを獲得し、
前の伝送に従って再送のための周波数リソースを獲得し、
前記時間リソースおよび前記周波数リソースを用いて前記データを再送するように構成されるものであり、
前記時間リソースの場所は、T+Nによって決定され、Tは、前記タイマが満了する時間であり、Nは、既定のパラメータで
あり、
前記周波数リソースの場所は、RB+オフセットによって決定され、RBは、前記再送の前に前記データを伝送するための周波数リソースの場所であり、オフセットは、既定のパラメータである、
オフセット=0である、ユーザ機器(140)。
【請求項3】
前記制御装置(144)は、前記受信装置(142)が、前記タイマが満了する前に前記ネットワークデバイスから前記データに対応する前記HARQ-ACKフィードバックを受信する場合、HARQバッファ(148)をフラッシュするようにさらに構成される、
請求項2に記載のユーザ機器。
【請求項4】
前記制御装置(144)が、前記タイマが満了するときに別のタイマの開始を制御するようにさらに構成され、
前記受信装置(142)が、前記別のタイマが満了する前に前記ネットワークデバイスから再送の許可を受信するようにさらに構成され、
前記送信装置(146)が、前記再送の許可に従って前記データを再送するようにさらに構成される、
請求項2に記載のユーザ機器。
【請求項5】
前記制御装置(144)は、前記受信装置(142)が、前記別のタイマが満了する前に前記ネットワークデバイスから再送の許可を受信しない場合、HARQバッファ(148)をフラッシュするようにさらに構成される、
請求項4に記載のユーザ機器。
【請求項6】
前記HARQ-NACKフィードバックが、再送リソースを示す情報を含み、前記送信装置(146)が、
前記情報によって示される前記再送リソースにおいて前記データを再送するように構成される、
請求項2に記載のユーザ機器。
【請求項7】
前記制御装置(144)が、データ再送の数がしきい値に達する場合、HARQバッファ(148)をフラッシュするようにさらに構成され、
前記しきい値が、仕様内で規定されるか、または上位層によって構成される、
請求項2~6のいずれか一項に記載のユーザ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ワイヤレス通信、ならびにより詳細には、データ再送を制御するための方法および方法を実施するためのユーザ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューション(LTE)システムにおいて、ハイブリッド自動反復要求(HARQ)技術は、データ伝送の信頼性、具体的には、データ受信の信頼性を確実にするために利用される。伝送されるデータは、物理層内の伝送ブロック(TB)に対応し得、TBがきちんと受信されるかどうかを検証するために、巡回冗長検査(CRC)がTB内に設定され得る。下りリンクデータ伝送のためのユーザ機器(UE)、または上りリンクデータ伝送のためのgNB(次世代ノードB)もしくは他のネットワーク側デバイスであり得る受信機において、データが受信されるとき、この受信機は、データを復号することを試み、CRC検証に従って、データ復号の成功を示すHARQ-ACK、またはデータ復号の失敗を示すHARQ-NACKを送り返す。
【0003】
HARQ-ACKおよびHARQ-NACKに加えて、LTEは、受信機(例えば、UE)が指定の場所においていかなる下りリンクデータ伝送も検出しないことを示すための不連続伝送(DTX)も導入しており、考えられ得る原因は、対応するサブフレームがUEにスケジュールされていないか、または検出の見逃しがUEに発生していることであり得る。
【0004】
New Radio(NR)Rel-16においては、明確なHARQ-ACKが、DTXをNACKと区別することができることから、明確なHARQ-ACKは、上りリンク伝送信頼性を改善すると考えられている。しかしながら、現在、明確なHARQ-ACKのための確固たるスキームは存在しない。
【発明の概要】
【0005】
鍛造態様およびそれらのそれぞれの実装形態の特徴および詳細は、矛盾なく互いと組み合わされ得るか、または置き換えられ得る。
【0006】
本開示の第1の態様によると、以下を含むデータ再送を制御するための方法が提供される。データはネットワークデバイスに伝送され、タイマが開始される。データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、タイマが満了する前に受信されない場合、データは、タイマが満了した後に再送されるか、または、データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、タイマが満了する前にネットワークデバイスから受信される場合、データは再送される。
【0007】
第1の態様の1つの実装形態において、データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、タイマが満了する前にネットワークデバイスから受信される場合、HARQバッファは、フラッシュされる。
【0008】
第1の態様の1つの実装形態において、データは、タイマが満了するときに別のタイマを開始すること、および別のタイマが満了する前にネットワークデバイスから受信される再送の許可に従ってデータを再送することによって、再送される。
【0009】
第1の態様の1つの実装形態において、再送の許可が、別のタイマが満了する前にネットワークデバイスから受信されない場合、HARQバッファはフラッシュされる。
【0010】
第1の態様の1つの実装形態において、データは、タイマに従って再送のための時間リソースを獲得すること、前の伝送に従って再送のための周波数リソースを獲得すること、ならびに時間リソースおよび周波数リソースを用いてデータを再送することによって、再送される。
【0011】
第1の態様の1つの実装形態において、時間リソースの場所は、T+Nによって決定され、Tは、タイマが満了する時間であり、Nは、既定のパラメータである。
【0012】
第1の態様の1つの実装形態において、周波数リソースの場所は、RB+オフセットによって決定され、RBは、再送の前にデータを伝送するための周波数リソースの場所であり、オフセットは、既定のパラメータである。
【0013】
第1の態様の1つの実装形態において、オフセット=0である。
【0014】
第1の態様の1つの実装形態において、HARQ-NACKフィードバックは、再送リソースを示すための情報を含み、データは、この情報によって示される再送リソースにおいて再送される。
【0015】
第1の態様の1つの実装形態において、データ再送の数がしきい値に達する場合、HARQバッファはフラッシュされる。
【0016】
第1の態様の1つの実装形態において、しきい値は、仕様内で規定されるか、または上位層によって構成される。
【0017】
第2の態様によると、ユーザ機器が提供される。ユーザ機器は、プロセッサおよびメモリを含む。メモリは、プロセッサと結合され、プログラムコードを格納するように構成され、このプログラムコードは、プロセッサによって実行されるとき、第1の態様の実装形態の方法を実施するようにプロセッサにより動作可能である。
【0018】
第3の態様によると、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供される。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによって実行されるとき、第1の態様の実装形態の方法を実施するようにコンピュータにより動作可能であるプログラムを格納するように構成される。
【0019】
第4の態様によると、ユーザ機器が提供される。ユーザ機器は、制御装置、受信装置、および送信装置を含む。制御装置は、タイマの開始を制御するように構成される。受信装置は、ネットワークデバイスからHARQ-ACKフィードバックまたはHARQ-NACKフィードバックを受信するように構成される。送信装置は、データをネットワークデバイスに伝送するように構成される。送信装置は、データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、タイマが満了する前に受信されない場合、データを再送するようにさらに構成される。代替的に、送信装置は、データに対応するHARQ-NACKフィードバックが、タイマが満了する前にネットワークデバイスから受信される場合、データを再送するように構成される。
【0020】
第4の態様の1つの実装形態において、制御装置は、受信装置が、タイマが満了する前にネットワークデバイスからデータに対応するHARQ-ACKフィードバックを受信する場合、HARQバッファをフラッシュするようにさらに構成される。
【0021】
第4の態様の1つの実装形態において、制御装置は、タイマが満了するとき別のタイマの開始を制御するようにさらに構成され、受信装置は、別のタイマが満了する前にネットワークデバイスから再送の許可を受信するようにさらに構成され、送信装置は、再送の許可に従ってデータを再送するようにさらに構成される。
【0022】
第4の態様の1つの実装形態において、制御装置は、受信装置が、別のタイマが満了する前にネットワークデバイスから再送の許可を受信しない場合、HARQバッファをフラッシュするようにさらに構成される。
【0023】
第4の態様の1つの実装形態において、送信装置は、タイマに従って再送のための時間リソースを獲得し、前の伝送に従って再送のための周波数リソースを獲得し、時間リソースおよび周波数リソースを用いてデータを再送するように構成される。
【0024】
第4の態様の1つの実装形態において、時間リソースの場所は、T+Nによって決定され、Tは、タイマが満了する時間であり、Nは、既定のパラメータである。
【0025】
第4の態様の1つの実装形態において、周波数リソースの場所は、RB+オフセットによって決定され、RBは、再送の前にデータを伝送するための周波数リソースの場所であり、オフセットは、既定のパラメータである。
【0026】
第4の態様の1つの実装形態において、オフセット=0である。
【0027】
第4の態様の1つの実装形態において、HARQ-NACKフィードバックは、再送リソースを示すための情報を含み、送信装置は、この情報によって示される再送リソースにおいてデータを再送するように構成される。
【0028】
第4の態様の1つの実装形態において、制御装置は、データ再送の数がしきい値に達する場合、HARQバッファをフラッシュするようにさらに構成される。
【0029】
第4の態様の1つの実装形態において、しきい値は、仕様内で規定されるか、または上位層によって構成される。
【0030】
先述の態様およびそれらの実装形態の技術的スキームは、矛盾なく互いと組み合わされ得るか、または置き換えられ得る。
【0031】
本開示は、添付の図面と併せて読まれるときに以下の詳細な説明から最もよく理解される。慣行に従って、図面の様々な特徴は、縮尺通りではないことが強調される。逆に、様々な特徴の寸法は、明白性のために恣意的に拡大または縮小される。同じ参照番号は、図面全体を通じて、同様の構成要素または特徴を参照するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本明細書に関与するシステム環境を例証する概略図である。
【
図4】本開示の実施形態に従う、データ再送を制御するための方法を例証する概略フローチャートである。
【
図5】タイマが満了する前にHARQ-ACKフィードバックが受信される状況を例証する概略図である。
【
図6】タイマが満了する前にHARQ-ACKフィードバックが受信されない状況を例証する概略図である。
【
図8】非同期HARQ伝送を例証する概略図である。
【
図9】同期HARQ伝送を例証する別の概略図である。
【
図10】本開示の実施形態に従う、データ再送を制御するための方法を例証する別の概略フローチャートである。
【
図11】タイマが満了する前にHARQ-NACKフィードバックが受信される状況を例証する概略図である。
【
図12】タイマが満了する前にHARQ-NACKフィードバックが受信される状況を例証する別の概略図である。
【
図13】本開示の実施形態に従う、ユーザ機器を例証するブロック図である。
【
図14】本開示の別の実施形態に従う、ユーザ機器を例証するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
例証の目的のため、特定の例示的な実施形態が、これより図面と併せて以下に詳細に説明される。
【0034】
本明細書に明記される実施形態は、特許請求された主題を実践し、そのような主題を実践する方法を例証するのに十分な情報を表す。添付の図面を考慮して以下の説明を読むことにより、当業者は、特許請求された主題の概念を理解し、本明細書内で具体的に取り扱われないこれらの概念の応用を認識するものとする。これらの概念および応用は本開示の範囲、および添付の特許請求の範囲に入るということを理解されたい。
【0035】
さらには、命令を実行する本明細書に開示される任意のモジュール、構成要素、またはデバイスは、コンピュータ/プロセッサ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および/または他のデータなどの情報の格納のための非一時的なコンピュータ/プロセッサ可読記憶媒体(複数可)を含むか、または別途これへのアクセスを有し得るということを理解されたい。非一時的なコンピュータ/プロセッサ可読記憶媒体の例の非包括的なリストは、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶装置、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)などの光学ディスク、デジタルビデオディスクもしくはデジタル多目的ディスク(すなわち、DVD)、ブルーレイディスク(商標)、または他の光学ストレージ、任意の方法または技術に実装される揮発性および不揮発性のリムーバルおよび非リムーバルメディア、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、または他のメモリ技術を含む。任意のそのような非一時的なコンピュータ/プロセッサ記憶媒体は、デバイスの部分であり得るか、またはデバイスにアクセス可能もしくは接続可能であり得る。本明細書に説明される応用またはモジュールを実施するためのコンピュータ/プロセッサ可読/実行可能命令は、そのような非一時的なコンピュータ/プロセッサ可読記憶媒体に格納され得るか、または別途保持され得る。
【0036】
本発明を説明する前に、関連用語および本明細書に関与するシステム環境が、まず紹介される。
【0037】
図1は、本出願に関与するワイヤレス通信システムのシステムアーキテクチャを例証する。ワイヤレス通信システムは、高周波帯域で動作することができ、LTEシステム、5Gシステム、NRシステム、M2M(マシンツーマシン)システム、および同様のものであり得る。
図1に例証されるように、ワイヤレス通信システム10は、マスターノード(MN)11、二次ノード(SN)13、コアネットワーク15、および1つまたは複数の端末デバイス17を含む。端末デバイス17は、MN11SN13それぞれと接続を確立する。
【0038】
MN11およびSN13は、ネットワークデバイスである。例えば、MN11またはSN13は、TD-SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)内の基地局(BTS)、LTEシステム内のeNB、NRシステム内のgNBであり得る。別の観点からは、MN11またはSN13は、アクセスポイント(AP)、中央装置、または他のネットワークエンティティであり得、上記ネットワークエンティティの機能のすべてまたは部分を含み得る。MN11は、ワイヤレスインターフェース114を介して端末デバイス17と通信し、同様に、SN13は、ワイヤレスインターフェース115を介して端末デバイス17と通信し、インターフェース114および115は、Uuインターフェースであり得る。MN11およびSN13は、それぞれバックホールインターフェース112および113を通じてコアネットワークに結合される。
【0039】
端末デバイス17は、ワイヤレス通信システム10全体に分布され得、永続式または移動式であり得る。端末デバイス17は、モバイルデバイス、移動局、移動式装置、M2M端末、ワイヤレス装置、遠隔装置、ユーザジェント、モバイルクライアント、および他のユーザ機器として実装され得る。
【0040】
UEなどの端末デバイス17とgNBなどのネットワークデバイス11または13との通信は、これらの間に確立される物理チャネルを通じて行われる。例えば、UEは、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)を通じてGnbに上りリンクデータを伝送し、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を通じてgNBからデータおよびHARQシグナリングなどのシグナリングを受信することができる。
【0041】
伝送される“データ”は、“トランスポートブロック(TB)”または“コードブロックグループ(CBG)”または任意の他の種類のデータとして理解され得る。
【0042】
HARQバッファ:各HARQプロセスにおいて、受信機は、受信したデータを格納するために別個のバッファを有する必要があり、これにより、復号のために、そのようなデータを後続の受信したデータと組み合わせて、組み合わせたデータパケットを獲得する。
【0043】
フレーム構造:
図2に例証されるように、周波数分割二重化(FDD)モードでは、システムフレームは、長さ10msであり、各サブフレームが1msの10個のサブフレームからなる。1つのサブフレームは、各々が0.5msである2つの連続したスロットからなる。TDDの場合、上りリンク伝送および下りリンク伝送は、周波数領域によって区別され、各10ms内に、上りリンク伝送用の10個のサブフレームおよび下りリンク伝送用の10個のサブフレームが存在する。時間分割二重化(FDD)モードにおいては、
図3に示されるように、システムフレームは、長さ10msであり、5msの2つのハーフフレームからなる。各半フレームは、1msの5つのサブフレームを含む。周波数領域に関して、LTEでは、周波数領域のための基準ユニットは、1つのサブキャリアである。
【0044】
上で述べたように、DTXをNACKと区別することができる明確なHARQ-ACKのための確固たるスキームは存在しない。
【0045】
1つの簡単なソリューションは、gNBが、gNBがデータを正しく復号した後にのみHARQ-ACKをフィードバックするということである。しかしながら、HARQ-ACKが受信されない場合、次に何をすべきかUEには明白ではなく、これは、信頼性の高いデータ伝送ならびにデータ伝送率の改善の助けとならない。
【0046】
上記を考慮して、ここでは、少なくともHARQ-ACK/NACKフィードバックに基づいて上りリンクデータ再送をトリガすることができる信頼性の高いHARQ-ACKフィードバックスキームを提供する。
【0047】
本開示の実施形態によると、データ再送のための方法が提供され、データは、gNB(または任意の他の好適なネットワークデバイスまたはネットワークデバイス)に伝送され、タイマが同時に開始され、その後データは、(i)データに対応するHARQ-ACKフィードバックが受信されないこと、または(ii)データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、タイマが満了する前にgNBから受信されることを決定すると、タイマが満了した後に再送される。
【0048】
上記から分かるように、上りリンクデータ再送は、タイマおよびHARQ-ACKフィードバックによって、またはタイマおよびHARQ-ACK/NACKフィードバックによってトリガされ得、これについては以下に別個に詳述される。HARQ-ACKフィードバックは、gNBにおけるデータ受信の成功を示すものである。その一方、HARQ-NACKフィードバックは、例えば、誤り復号に起因する、gNBにおけるデータ受信の失敗を示すものである。
【0049】
I.再送が、タイマおよびHARQ-ACKフィードバックによってトリガされる。
この場合、UEがデータを送信するとき、タイマ1が同時に開始する(
図4の401)。タイマ1の持続時間は、UEによって継続してモニタリングされ得るPDCCHの数に従って、またはシステム要件に従って設定され得、一般的には、いくつかのサブフレームと時間が等しいように設定され得る。例えば、時間限定イベント(例えば、伝送されるべき、VoIPデータなどの新規データが存在する)のため、または節電の目的のために、UEがデータを素早く伝送することが望ましい場合、タイマ1の持続時間は、より短く設定され得る。
【0050】
データを再送するか否かを含む、UEのその後の動作は、そのデータに対応する任意のHARQ-ACKフィードバックがgNBから受信されるかどうかに依存する。
図4に例証されるように、HARQ-ACKフィードバックが、タイマ1が満了する前、または遅くともそれまでに受信される場合、UEは、例えば、HARQバッファをフラッシュする(
図4の403)ことができ、逆に、HARQ-ACKフィードバックが、タイマ1が満了する前、または遅くともそれまでに受信されない場合、UEは、データを再送する(
図4の405)ことができ、これは、
図5および
図6を参照して以下に詳述される。
【0051】
図5は、タイマが満了する前、または遅くともそれまでにHARQ-ACKフィードバックが受信される状況を例証する概略図である。
図5に例証されるように、UEが、タイマ1が満了する前、または遅くともそれまでに、データに対応するHARQ-ACKフィードバックを受信する場合、UEは、任意選択的に、データのHARQバッファをフラッシュすることができる。代替的に、UEは、HARQバッファに対して何もせず、他のデータを通常通りに伝送することを選択することができる。
【0052】
図6は、タイマが満了する前にHARQ-ACKフィードバックが受信されない状況を例証する概略図である。
図6に例証されるように、データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、タイマが満了する前に受信されない場合、UEは、データがきちんと受信されていないと仮定し、この効果は、HARQ-NACKフィードバックを受信することと等価である。この場合、UEは、データを再送する。さらには、この場合、UEは、データのHARQバッファをフラッシュしないことを選択し得る。
【0053】
データ伝送率を保証し、上りリンクデータリソースを取り過ぎることを回避するために、データ再送の最大数は事前に設定され得る。データ再送数が、仕様内で規定されるか、または上位層によって構成される上限に達した場合、UEは、HARQバッタをフラッシュすることができ、HARQ-ACKフィードバックが受信されるか否かに関係なく、それ以上はデータを再送しない。例えば、データ再送の最大数は、3に設定され得、データが3回伝送された場合、データがgNBにおいてきちんと受信されたかどうかに関係なく、データはもはや再送されない。
【0054】
再送スキームについては、同期再送および非同期再送が存在し得る。同期再送の場合、HARQプロセスの再送は、時間/および周波数において固定の場所で発生し、その一方で、非同期再送の場合、再送は、事前に受信機には知られていない任意の場所で発生し得る。
【0055】
上記に基づいて、本明細書で使用される再送スキームについては、1つのソリューションは、UEが特定のリソース内でデータを再送することである。“特定のリソース”は、規定の時間および/または周波数リソースの場所を意味し、同期再送と考えられ得る。1つの実装形態として、再送のための時間リソース(サブフレーム、スロット、および同様のものなど)は、タイマに従って獲得され得、再送のための周波数リソース(リソースブロックまたはリソースブロックのサブキャリアなど)は、前の伝送のための、すなわち、現在の再送の前にデータを伝送するための、周波数リソースの場所に従って獲得され得、次いでデータは、このように獲得された時間リソースおよび周波数リソースを用いて再送され得る。
【0056】
【0057】
図7に例証されるように、データ再送のための時間リソースの場所は、T+Nによって決定され、式中、Tは、タイマが満了する時間であり、Nは、上位層シグナリングによって構成され得るか、または仕様内で規定され得る既定のパラメータである。Tはまた、タイマの持続時間として設定され得る。そのようなものとして、例えば、UEは、データを再送するためのサブフレームを決定することができる。
【0058】
周波数リソースの場所は、RB+オフセットによって決定され、式中、RBは、現在の再送の前にデータを伝送するための周波数リソースの場所であり、オフセットは、上位層によって構成され得るか、または仕様内で規定され得る既定のパラメータである。そのようなものとして、UEは、データ再送のために、リソースブロック、あるいはリソースブロックのサブキャリアを獲得することができる。
【0059】
例えば、初期伝送または前の伝送(同じデータの再送の直前の伝送)は、{RB(1)、RB(2)、RB(3)、RB(4)}に位置し、次いでデータ再送は、{RB(1+オフセット)、RB(2+オフセット)、RB(3+オフセット)、RB(4+オフセット)}などのホッピングリソースに位置し得る。代替的に、データ再送は、同じ周波数リソース{RB(1)、RB(2)、RB(3)、RB(4)}に位置し得、この場合、オフセット=0である。
【0060】
見て分かるように、一般に、上記ソリューションは、同期HARQ再送である。
図8に例証されるように、別のタイマ(タイマ2)が提供される異なる非同期HARQ伝送が以下に提供される。
【0061】
タイマ2は、タイマ1が満了するときに開始され、データは、タイマ2が満了する前、または遅くともそれまでにgNBから受信される再送の許可に従って再送される。すなわち、UEは、タイマ2が満了するまで再送の許可を待つ。UEが、タイマ2が満了する前、または遅くともそれまでに再送の許可を受信する場合、UEは、その許可に従ってデータを再送し、そうでなければ、UEは、HARQバッファをフラッシュする。gNBから受信される再送の許可は、データ伝送のために必要とされるリソースを示すための情報を含み得る。依然として別の可能性は、
図9に例証されるように、タイマ2の持続時間がタイマ1のものよりも長い限りは、タイマ1およびタイマ2が同時に開始され得るということである。
図9から分かるように、タイマ2は、タイマ1よりも長い持続時間を有し、したがってタイマ2は、タイマ1が満了したときに依然として進行中であり、再送の許可が、タイマ2が満了する前、または遅くともそれまでにgNBから受信される場合、UEは、その許可に従ってデータを再送することができる。
【0062】
先述のソリューションにおいて、データ再送は、タイマおよびHARQ-ACKフィードバックによってトリガされ、これにより、2段階フィードバック機序によって高い信頼性を提供する。タイマが満了し、HARQ-ACKが受信されないとき、NACK対ACKエラーを回避するために、HACK-NACKが発生したと仮定される。HARQ-ACKは、1ビット情報であるため、そのようなHARQ-ACKのみのフィードバックスキームは、物理的なチャネルオーバーヘッドを低減する。
【0063】
II.再送が、タイマおよびHARQ-ACC/NACKフィードバックによってトリガされる。
このソリューションにおいては、
図10に例証されるように、UEは、gNBにデータを送信子、それと同時にタイマ1が開始する(
図10の101)が、
図4とは異なり、以下に詳述されるように、UEは、HARR-NACKフィードバックが、タイマ1が満了する前、または遅くともそれまでに受信されるときにのみ、データを再送する。
【0064】
ソリューションIと同様に、UEが、タイマ1が満了する前に、データに対応するHARQ-ACKフィードバックを受信する場合、UEは、
図10の103に例証されるように、HARQバッファをフラッシュし、データを再送しない。
【0065】
UEが、タイマが満了する前に、データに対応するHARQ-NACKフィードバックを受信する場合、UEは、
図10の105においてデータを再送し、この詳細は、
図11および
図12にそれぞれ例証される。タイマは、データに対応するHARQ-NACKフィードバックの受信時に終了され得る。データは、
図11および
図12に例証される再送スキームに従って再送され得る。
図11および
図12の違いは、UEで採用される再送スキームにある。典型的には、
図11は、再送リソースが、タイマ、および再送の前にデータを伝送するためのリソースに従って獲得される、
図7と同様の同期HARQ再送を例証し、
図12は、非同期HARQ伝送を例証する。
【0066】
非同期HARQ伝送の場合、再送リソースを示すための情報は、HARQ-NACKフィードバックに含まれ、UEは、HARQ-NACKフィードバックに含まれる情報に従ってデータを再送することができる。
【0067】
上記ソリューションの助けを借りて、データ再送は、タイマおよびHARQ-ACK/NACKフィードバックによってトリガされ、これにより、2段階フィードバック機序によって高い信頼性を提供し、データに対応する明確なHARQ-NACKフィードバックが、タイマが満了する前、または遅くともそれまでに受信されるとき、データは、NACK対ACKエラーを回避するように、再送信される。そのようなHARQ-NACK/ACKフィードバックは、早期HARQ-NACKによってできる限りすぐに再送をトリガすることができる。
【0068】
本開示の実施形態は、データ再送を制御するための先述の方法を実施するように構成され得るユーザ機器(UE)をさらに提供する。UEは、本開示の実施形態に従うUEを例証するブロック図である
図13に例証されるように構築され得る。
【0069】
図13に例証されるように、UE130は、1つまたは複数のプロセッサ131、メモリ132、通信インターフェース133、送信機135、受信機136、およびコントローラ139を含む。これらの構成要素は、バス134または他の手段を介して接続され得る。
図13に例証されるように、ネットワークデバイス130は、カプラ137、およびカプラ137に接続されるアンテナ138をさらに含み得る。
【0070】
通信インターフェース133は、LTE(4G)通信インターフェース、5G通信インターフェース、または未来の新規エアインターフェースであり得る。通信インターフェース133は、ネットワークデバイス130がネットワーク側のgNBまたは他のネットワークデバイスなどの他の通信デバイスと通信するために使用され得る。ネットワークデバイス130はまた、有線通信のための有線インターフェースを装備し得る。
【0071】
送信機135は、PUCCH内で信号またはデータを伝送するために使用され得る。受信機136は、アンテナ138を介して受信される信号またはデータの受信および/または処理のために使用され得、例えば、受信機136は、gNBからHARQ-ACK/NACKを受信するように構成され得る。いくつかの実施形態において、送信機135および受信機136は、ワイヤレスモデムと見なされ得る。UE130内には、2つ以上の送信機135が提供され得る。同様に、2つ以上の受信機136が提供され得る。
【0072】
プロセッサ131は、ワイヤレスチャネル管理、通信リンク確立、およびセルスイッチング制御を担い得る。プロセッサ131はまた、プロセッサに結合されるメモリ132に格納されるものなど、コンピュータ可読命令を読み出すこと、および実行することができる。
【0073】
メモリ132は、様々なソフトウェアプログラムおよび/または命令、オペレーティングシステム、ならびにネットワーク通信プログラムまたはプロトコルを格納するように構成される。メモリ132は、高速ランダムアクセスメモリ(RAM)を含み得、また、1つまたは複数のディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の不揮発性ソリッドステートストレージデバイスなど、非一時的なメモリを含み得る。メモリ132はまた、HARQバッファのための記憶領域を有し得る。代替的に、HARQバッファは、どこか他の場所に別個に設定され得る。
【0074】
コントローラ139は、タイマを設定し、タイマが満了しているか否かをモニタリングすることができる。
【0075】
上記構造に基づいて、UE130は、メモリ132からデータを獲得し、送信機135を通じて、獲得したデータをgNBに伝送し、同時に、コントローラ139が、例えば、タイマ1を開始する。
【0076】
1つの実施形態において、プロセッサ131は、データに対応する任意のHARQ-ACKフィードバックが、タイマ1が満了する前、または遅くともそれまでに、受信機136を通じて受信されるかどうかを決定し、正の場合、プロセッサ131は、HARQバッファをフラッシュし得るか、または、別のデータを伝送するのを待つ以外に何もしなくてもよい。そうでない場合、UE130は、特定の再送スキームに従って、送信機135を通じてデータを伝送する。再送スキームは、同期再送または非同期再送であり得る。同期再送の場合、UE130は、前の伝送に従って、言い換えると、再送の前にデータを伝送するためのリソースに従って、再送リソースを獲得することができ、また非同期再送の場合、UEは、gNBから受信される再送の命令または許可に従って、再送リソースを獲得することができる。そのようなリソース決定は、例えば、プロセッサ131によって行われ得る。
【0077】
別の実施形態において、UE130は、データに対応する任意のHARQ-ACKフィードバックまたはHARQ-NACKフィードバックが、タイマ1が満了する前、または遅くともそれまでに、受信機136を通じて受信されるかどうかを決定する。データに対応するHARQ-NACKフィードバックが、タイマ1が満了する前に受信される場合、UE130は、HARQ-NACKフィードバックに含まれるデータ再送を示すための情報に従って、データを再送する。データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、タイマ1が満了する前、または遅くともそれまでに、受信機136を通じて受信される場合、前に論じたのと同じように、プロセッサ131は、HARQバッファをフラッシュすることができ、データ再送は発生しない。
【0078】
別の実施形態に従うUEがさらに提供される。
図14は、UEを例証するブロック図である。
図14に例証されるように、UE140は、受信装置142、制御装置144、送信装置146、およびHAQRバッファ148を含む。制御装置144は、少なくとも1つのタイマの設定を制御するように構成される。実際のニーズまたは設計に従って、1つ、または2つ、または3つ以上のタイマが設定され得る。例えば、制御装置144は、タイマ1、タイマ2、および同様のものの開始を制御するように構成される。制御装置144は、受信装置142、送信装置146、およびHAQRバッファ148と結合され得る。送信装置146は、データをネットワークデバイスに伝送または再送するように構成され、受信装置142は、ネットワークデバイスからフィードバックを受信するように構成される。この文脈で言及されるフィードバックは、HARQ ACK、HARQ NACKを含み得る。
【0079】
送信装置146は、
図13の送信機135として実装され得る。受信装置142は、
図13の受信機136として実装され得る。制御装置144は、
図13のコントローラ139として実装され得る。さらにおそらくは、送信装置146、受信装置142、および/または制御装置144は、
図13のプロセッサ131など、プロセッサに統合され得る。
【0080】
UE140においてデータ伝送を行うとき、送信装置146は、データをネットワークデバイスに伝送し、同時に、制御装置144は、例えば、タイマ1を開始する。
【0081】
データ伝送の後、制御装置144は、データに対応する任意のHARQ-ACKフィードバックが、タイマ1が満了する前、または遅くともそれまでに、受信装置142によって受信されるかどうかを見るためにモニタリングし、正の場合、制御装置144は、HARQバッファをフラッシュし得るか、または、送信装置146が別のデータを伝送するのを待つ以外に何もしなくてもよい。逆に、データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、タイマ1が満了する前、または遅くともそれまでに、受信装置142によって受信されない場合、送信装置146は、特定の再送スキームに従ってデータを再送する。再送スキームは、同期再送または非同期再送であり得る。同期再送の場合、送信装置146は、タイマ1および/または再送の前にデータを伝送するためのリソースに従って再送リソースを獲得することができ、また非同期再送の場合、送信装置146は、gNBから受信される再送の命令または許可に従って、再送リソースを獲得することができる。
【0082】
別の実施形態として、データ伝送の後、制御装置144は、データに対応するHARQ-ACKフィードバックまたはHARQ-NACKフィードバックが、タイマ1が満了する前、または遅くともそれまでに、受信装置142によって受信されるかどうかを見るためにモニタリングする。データに対応するHARQ-ACKフィードバックが、タイマ1が満了する前に受信装置142によって受信される場合、制御装置144は、HARQバッファをフラッシュすることができ、ここでは、データ再送は発生しない。データに対応するHARQ-NACKフィードバックが、タイマ1が満了する前に受信装置142によって受信される場合、送信装置146は、前に述べたように、同期再送または非同期再送に従ってデータを再送する。
【0083】
当業者は、上の実施形態を実施するためのプロセスのすべてまたは部分が、関連ハードウェアに命令するためのコンピュータプログラムによって完了され得、このプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に格納され得るということを理解できる。この点に関して、本開示の実施形態によると、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供される。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによって実行されるとき、本開示のデータ再送を制御するための方法の動作のすべてまたは部分をコンピュータに実行させる少なくとも1つのコンピュータ可読プログラムを格納するように構成される。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の例は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムストレージメモリ(RAM)、ディスクまたは光学ディスク、および同様のものを含むが、これらに限定されない。
【0084】
本開示は、特定の実施形態と関連して説明されているが、本開示は開示された実施形態に限定されるべきではなく、逆に、添付の特許請求の範囲内に含まれる様々な修正形態および等価の構成を網羅することが意図され、この範囲とは、法律の下で許可されるようなすべてのそのような修正形態および等価の構造を包含するように最も広範な解釈と一致するものとする、ということを理解されたい。