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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】車両搭載型コンクリートポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 15/02 20060101AFI20231108BHJP
   F04B 9/10 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
F04B15/02 A
F04B9/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021536152
(86)(22)【出願日】2019-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2019071675
(87)【国際公開番号】W WO2020048745
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】102018214965.8
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519044656
【氏名又は名称】プツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PUTZMEISTER ENGINEERING GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クヌート カステン
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-163072(JP,A)
【文献】特開平10-037904(JP,A)
【文献】中国実用新案第201326277(CN,Y)
【文献】特開2017-077796(JP,A)
【文献】特開2003-239852(JP,A)
【文献】中国実用新案第202969950(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 15/02
F04B 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両搭載型コンクリートポンプ(1)であって、
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が、
- コンクリートポンプシステム(2)であって、該コンクリートポンプシステム(2)がコンクリートを圧送するように形成されている、コンクリートポンプシステム(2)と、
- 液圧駆動ポンプシステム(3)であって、該液圧駆動ポンプシステム(3)が前記コンクリートポンプシステム(2)を駆動するように形成され、液圧ポンプ駆動軸(4)を有している、液圧駆動ポンプシステム(3)と、
- 燃焼駆動モータシステム(5)であって、該燃焼駆動モータシステム(5)が前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)を駆動するように形成されている、燃焼駆動モータシステム(5)と、
- 液冷式同期駆動モータ(6)であって、該液冷式同期駆動モータ(6)が、前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)を駆動するように形成されている、液冷式同期駆動モータ(6)と、
- 上部構造(7)であって、該上部構造(7)が前記コンクリートポンプシステム(2)を支持している、上部構造(7)と、
- 車両フレーム(8)であって、該車両フレーム(8)が前記上部構造(7)を支持し、前記液冷式同期駆動モータ(6)が部分的に、前記上部構造(7)及び/又は前記車両フレーム(8)の主長手方向支持体(17)の間に空間的に配置されている、車両フレーム(8)と、
- 少なくとも1つの走行駆動車軸(9)であって、前記燃焼駆動モータシステム(5)が前記少なくとも1つの走行駆動車軸(9)を駆動するように形成されている、少なくとも1つの走行駆動車軸(9)と、
- 分配伝動装置(10)であって、前記分配伝動装置(10)が、前記燃焼駆動モータシステム(5)を前記少なくとも1つの走行駆動車軸(9)と、又は前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)と、機械的に結合するように形成されている、分配伝動装置(10)と、
を有し
- 前記液圧駆動ポンプシステム(3)が複数の液圧駆動ポンプ(12)を有しており、そして
- 前記分配伝動装置(10)が駆動側(IS)と反対側の出力側(OS)とを有しており、前記燃焼駆動モータシステム(5)及び前記液冷式同期駆動モータ(6)が前記駆動側(IS)に空間的に配置されており、そして前記複数の液圧駆動ポンプ(12)が前記出力側(OS)に空間的に配置されており、
- 前記液冷式同期駆動モータ(6)が、前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)と、前記分配伝動装置(10)によって機械的に結合されている、車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項2】
- 前記燃焼駆動モータシステム(5)が前記分配伝動装置(10)とルダン軸(11)によって結合されている、請求項に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項3】
前記複数の液圧駆動ポンプ(12)が前記分配伝動装置(10)に直接にフランジ結合されている、請求項1又は2に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項4】
前記複数の液圧駆動ポンプ(12)が前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)と機械的に不動に結合されいる、請求項1からまでのいずれか1項に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項5】
- 前記複数の液圧駆動ポンプ(12)が前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)に載置されている、請求項1から4までのいずれか1項に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項6】
- 前記液冷式同期駆動モータ(6)が少なくとも60kW公称電力(P6)のために形成されており、且つ/又は、
- 前記液冷式同期駆動モータ(6)が少なくとも0.4kW/kg公称電力密度(PD6)を有している、
請求項1からまでのいずれか1項に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項7】
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が
- 電力網接続部(13)を有しており、前記電力網接続部(13)が前記液冷式同期駆動モータ(6)と電気的に接続され、建築現場電力網接続部(14)に電気的に接続するように形成されている、
請求項1からまでのいずれか1項に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項8】
前記電力網接続部(13)がコンバータ(19)によって前記液冷式同期駆動モータ(6)と電気的に接続されている。
請求項7に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項9】
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が
- 電気エネルギー蓄積装置(15)有しており、前記電気エネルギー蓄積装置(15)が、前記液冷式同期駆動モータ(6)と電気的に接続され、そして電力(P15)を前記液冷式同期駆動モータ(6)に提供するように形成されている、
請求項1からまでのいずれか1項に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項10】
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が
- 電気エネルギー蓄積装置(15)を有しており、前記電気エネルギー蓄積装置(15)が前記液冷式同期駆動モータ(6)と電気的に接続され、そして電力(P15)を前記液冷式同期駆動モータ(6)に提供するように形成されており、
- 前記電気エネルギー蓄積装置(15)が、前記液冷式同期駆動モータ(6)によって必要とされない前記電力網接続部(13)からの電力(Pex)を受容するように、電気的に接続され且つ形成されており、そして、
- 前記電気エネルギー蓄積装置(15)が、前記電力網接続部(13)からの電力(Pin)に加えて前記液冷式同期駆動モータ(6)によって必要とされる電力(P15)を提供するように形成されている、
請求項に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項11】
前記電気エネルギー蓄積装置(15)がアキュムレータである、
請求項9又は10に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項12】
前記電気エネルギー蓄積装置(15)がコンバータ(19)によって前記液冷式同期駆動モータ(6)と電気的に接続されている、
請求項9~11までのいずれか1項に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【請求項13】
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が
- コンクリート分配マスト(16)を有しており、前記コンクリート分配マスト(16)が、圧送されたコンクリートを分配するように形成されており、
- 前記液圧駆動ポンプシステム(3)が前記コンクリート分配マスト(16)を駆動するように形成されている、
請求項1から12までのいずれか1項に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
使用分野及び背景技術
本発明は車両搭載型コンクリートポンプに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の根底を成す課題は、改善された特性を有する車両搭載型コンクリートポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、請求項1の特徴を有する車両搭載型コンクリートポンプを提供することにより、このような課題を解決する。本発明の有利なさらなる構成及び実施態様が従属請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0004】
本発明による車両搭載型コンクリートポンプはコンクリートポンプシステムと、液圧駆動ポンプシステムと、燃焼駆動モータシステムと、液冷式、特に水冷・油冷式の同期駆動モータとを有している。コンクリートポンプシステムは、コンクリートを特に自動的に圧送するように、もしくは特に自動的にポンピングするように形成されている。液圧駆動ポンプシステムは、コンクリートポンプシステムを特に自動的且つ/又は液圧的に駆動するように形成されている。さらに、液圧駆動ポンプシステムは液圧ポンプ駆動軸を有している。燃焼駆動モータシステムは、液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸を自動的且つ/又は機械的に駆動するように形成されている。液冷式同期駆動モータは、液圧駆動ポンプシステムの特に同じ液圧ポンプ駆動軸を、特に自動的且つ/又は機械的に駆動するように形成されている。
【0005】
液冷式同期駆動モータは比較的小さな体積、及び/又は比較的小さな質量、もしくは比較的小さな重量を有することができる。これにより、液冷式同期駆動モータは、液冷式同期駆動モータ及び燃焼駆動モータシステムが、液圧駆動ポンプシステムの特に同じ液圧ポンプ駆動軸を駆動するのを可能にする。特に、車両搭載型コンクリートポンプは、特にただ1つの液圧ポンプ駆動軸を有するただ1つの液圧駆動ポンプシステムを有することができる。換言すれば、車両搭載型コンクリートポンプは、複数の液圧ポンプ駆動軸を有する複数の液圧駆動ポンプシステムを有しなくてよく、或いは有する必要がない。これにより、液冷式同期駆動モータは、特に構成部分が比較的少ない、車両搭載型コンクリートポンプの比較的コンパクトな且つ/又は比較的軽量の構造を可能にする。これにより、車両搭載型コンクリートポンプは初めて、比較的僅かな又はそればかりかゼロの排ガスエミッションで、且つ/又は比較的低い騒音レベルもしくはラウドネスレベルで、効果的な作業、特にコンクリートの効果的な圧送を可能にする。特に、これにより車両搭載型コンクリートポンプは都市部の建設現場で使用することができる。
【0006】
特に、車両搭載型コンクリートポンプ(Autobetonpumpe)は、移動可能な、特に自己移動用のコンクリートポンプと呼ぶことができる。
【0007】
これに加えて又はこの代わりに、コンクリートポンプシステムは、コンクリートを特に自動的に圧送するために、少なくとも1つのピストンポンプ、特にダブルピストンポンプを有することができる。
【0008】
さらにこれに加えて又はこの代わりに、液圧駆動ポンプシステムは、コンクリートポンプシステムを特に自動的且つ/又は液圧的に駆動するために複数の液圧駆動ポンプを有することができる。液圧ポンプ駆動軸は、複数の液圧駆動ポンプを特に自動的且つ/又は機械的に駆動するように形成されていてよい。特に、複数の液圧駆動ポンプは液圧ポンプ駆動軸と機械的に不動に結合され、特に液圧ポンプ駆動軸に載置されていてよい。これに加えて又はこの代わりに、液圧駆動ポンプシステムはコンクリートポンプシステムとは異なっていてよい。
【0009】
さらにこれに加えて又はこの代わりに、燃焼駆動モータシステムは、液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸を特に自動的且つ/又は機械的に駆動するために、特にただ1つの燃焼駆動モータ、特にディーゼルエンジンを有することができる。これに加えて、燃焼駆動モータシステムは車両伝動装置を有することができる。さらにこれに加えて又はこの代わりに、燃焼駆動モータシステムは液圧駆動ポンプシステムとは異なっていてよい。
【0010】
さらにこれに加えて又はこの代わりに、液冷式同期駆動モータは、液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸を特に自動的且つ/又は機械的に駆動するために、特にただ1つの同期モータを有することができる。特に、同期モータはリラクタンス効果を有していてよい。これに加えて又はこの代わりに、同期モータはモータ運転において単相又は三相電流同期機械であってよい。この同期機械において、常に磁化された回転子(ロータ)を、ステータ内の動かされる回転磁界によって同期的に連行することができる。これに加えて、液冷式同期駆動モータは同期モータを冷却するために、液冷装置、特に水冷又は油冷装置を有することができる。液冷装置は、主に熱を導出する冷媒が液体、特に水又は油であってよい冷却システム、特に冷却循環システムを意味することができる。これに加えて又はこの代わりに、液冷式同期駆動モータは燃焼駆動モータシステム及び/又は液圧駆動ポンプシステムとは異なっていてよい。
【0011】
さらにこれに加えて又はこの代わりに、特に1つの時点で、特に専ら燃焼駆動モータシステムが、又は特に専ら液冷式同期駆動モータが、或いは燃焼駆動モータシステムと液冷式同期駆動モータとが特に同時に、液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸を駆動し得るように、車両搭載型コンクリートポンプは形成されていてよい。加えて、車両搭載型コンクリートポンプは、燃焼駆動装置及び/又は同期駆動装置間、もしくは電気運転及び/又はハイブリッド運転間で特に自動的に切り換えを行うように形成されていてよい。さらにこれに加えて又はこの代わりに、車両搭載型コンクリートポンプは、パラレル-ハイブリッド車両搭載型コンクリートポンプと呼ぶことができる。
【0012】
本発明の1つの構成では、車両搭載型コンクリートポンプは上部構造と、特に上部構造とは異なる車両フレームとを有している。上部構造はコンクリートポンプシステムを支持している。車両フレームは上部構造を支持している。液冷式同期駆動モータは部分的に、上部構造及び/又は車両フレームの主長手方向支持体の間に空間的に配置されている。このことは構造空間の最適な活用を可能にする。換言すれば、液冷式同期駆動モータは上部構造上に空間的に配置しなくてよく、又は配置することを必要としない。もしくは上部構造は液冷式同期駆動モータを支持しなくてよく、又は支持することを必要としない。したがって、液冷式同期駆動モータは上部構造上に構造空間もしくは平面を要求しなくてよく、又は要求する必要がない。特に、上部構造は、特に車両搭載型コンクリートポンプの右側又は左側の領域において荷台(Pritsche)と呼ぶことができる。これに加えて又はこの代わりに、車両フレームは車両シャーシと呼ぶことができる。さらにこれに加えて又はこの代わりに、車両フレームはトラック用フレームであってよく、もしくは車両搭載型コンクリートポンプはトラック上に組み付けられていてよい。さらにこれに加えて又はこの代わりに、液冷式同期駆動モータは完全に、上部構造及び/又は車両フレームの主長手方向支持体の間に空間的に配置されていてよく、或いは、鉛直方向に下方へ向かって且つ/又は上方へ向かって主長手方向支持体を超えて延びていてよい。
【0013】
本発明の1つのさらなる構成では、車両搭載型コンクリートポンプは、少なくとも1つの走行駆動車軸を有している。燃焼駆動モータシステムは少なくとも1つの走行駆動車軸を駆動するように形成されている。これにより、燃焼駆動モータシステムは車両搭載型コンクリートポンプの走行運転もポンプ運転も保証することができる。特に1つの時点で、燃焼駆動モータシステムが特に専ら少なくとも1つの走行駆動車軸を、又は特に専ら液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸を駆動し得るように、特に車両搭載型コンクリートポンプは形成されていてよい。これに加えて、車両搭載型コンクリートポンプは、走行運転とポンプ運転との間で特に自動的に切り換えを行うように形成されていてよい。
【0014】
本発明の1つの実施態様では、車両搭載型コンクリートポンプは分配伝動装置を有している。分配伝動装置は特に1つの時点では、燃焼駆動モータシステムが特に専ら少なくとも1つの走行駆動車軸と、又は特に専ら液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸と、特に自動的且つ/又は機械的に結合するように形成されている。
【0015】
本発明の1つの実施態様では、燃焼駆動モータシステムは分配伝動装置と特にカルダン軸によって、特に専らカルダン軸によって機械的に結合されている。このことは、特に比較的少ない構成部分との比較的単純な結合を可能にする。特に、燃焼駆動モータシステムは分配伝動装置と液圧的には結合されなくてよく、又は結合されることを必要としない。
【0016】
本発明の1つの実施態様では、液圧駆動ポンプシステムは、複数の液圧駆動ポンプを有している。分配伝動装置は駆動側(Antriebsseite)と対向側もしくは反対側の出力側(Abtriebsseite)とを有している。燃焼駆動モータシステム及び液冷式同期駆動モータは特に完全に駆動側に空間的に配置されている。さらに、複数の液圧駆動ポンプは特に完全に出力側に空間的に配置されている。このことは構造空間の最適な活用を可能にする。特に、液圧駆動ポンプが駆動側に空間的に配置されなくてよく、又は配置される必要はない。これに加えて又はこの代わりに、走行駆動車軸は出力側に空間的に配置されていてよい。
【0017】
本発明の1つの実施態様では、液冷式同期駆動モータは液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸と、分配伝動装置によってもしくは分配伝動装置を介して、特に分配伝動装置を通して且つ/又は機械的に結合され、特に分配伝動装置に直接にフランジ結合されている。このことは、2つの駆動装置、すなわち燃焼駆動モータシステム及び液冷式同期駆動モータの機械エネルギーを分配するために分配伝動装置を利用することを可能にする。特に、車両搭載型コンクリートポンプは、燃焼駆動装置及び/又は同期駆動装置及び/又はハイブリッド作動装置の間で、分配伝動装置によってもしくは分配伝動装置を介して特に自動的に切り換えを行うように形成されていてよい。これに加えて又はこの代わりに、液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸は分配伝動装置を通って、特に出力側から駆動側へ延びることができる。さらにこれに加えて又はこの代わりに、液冷式同期駆動モータは、燃焼駆動モータシステムと同じ側で且つ/又は駆動側で、分配伝動装置にフランジ結合されていてよい。
【0018】
本発明の1つのさらなる構成では、液冷式同期駆動モータは液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸と機械的に不動に結合され、特に液冷式同期駆動モータは液圧ポンプ駆動軸に載置されている。このことは、特に比較的少ない構成部分との比較的単純な結合を可能にする。特に、液冷式同期駆動モータは、解離可能なカップリング又はフリーホイールによってもしくはこれを介して、液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸と、且つ/又は燃焼駆動モータシステムと結合されなくてよく、又は結合される必要はない。これに加えて又はこの代わりに、液冷式同期駆動モータは特に燃焼駆動装置内で空回転(leeres Mitlaufen)もしくはパッシブに回転するように形成されていてよい。
【0019】
本発明の1つのさらなる構成では、液冷式同期駆動モータは少なくとも60キロワット(kW)、特に少なくとも80kWの公称電力のために形成されている。これに加えて又はこの代わりに、液冷式同期駆動モータは1キログラム当たり少なくとも0.4キロワット(kW/kg)、特に少なくとも0.5kW/kgの公称電力密度を有している。このことは、液冷式同期駆動モータが車両搭載型コンクリートポンプ、特に液圧駆動ポンプシステム、ひいてはコンクリートポンプシステムの全機能をカバーし、そして全負荷運転のためにも部分負荷運転のためにも構成されるのを可能にする。特に、公称電力は連続出力を意味することができる。液冷式同期駆動モータの連続出力は、規定に基づく運転時に時間制限なしにもたらすことができ、且つ液冷式同期駆動モータの耐用寿命及び安全性を損なうことがない最高出力であってよい。これに加えて又はこの代わりに、公称電力は三相電流に対して
【数1】
によってもしくはこれを介して定義することができる。
【0020】
本発明の1つのさらなる構成では、車両搭載型コンクリートポンプは電力網接続部を有している。電力網接続部は、特に電気的なコンバータもしくは変換器によって又はこれを介して、液冷式同期駆動モータと電気的に接続されている。さらに、電力網接続部は、特に現場給電部配電盤及び/又は三相電力網の建築現場電力網接続部に電気的に接続するように形成されている。このことは、特に液冷式同期駆動モータの車両搭載型コンクリートポンプの比較的高い所要出力を、建築現場電流によってもしくはこれを介してカバーするのを可能にする。より多くの出力が必要になると、燃焼駆動モータシステムを接続することができる。特に、電力網接続部は、電力もしくは電気エネルギーを液冷式同期駆動モータに提供するように形成されていてよい。これに加えて又はこの代わりに、電力網接続部は電源プラグ、特に三相電流差し込みコネクタを有することができる。これに加えて又はこの代わりに、車両搭載型コンクリートポンプ、特に電気的な構成部分は、ポンプ運転者自身が電気的な接続を形成することができ、特に電源プラグを建築現場電源接続部の対応するソケットもしくはコンセント内に差し込み得るように形成されていてよい。このことは、車両搭載型コンクリートポンプを電気的に接続するための電気技師を余計に派遣する必要はなく、又は派遣せずに済む。
【0021】
本発明のさらなる構成では、車両搭載型コンクリートポンプは電気エネルギー蓄積装置、特にアキュムレータを有している。電気エネルギー蓄積装置は、特に電気的なコンバータもしくは変換器によって、もしくはこれを介して、液冷式同期駆動モータと電気的に接続されている。さらに、電気エネルギー蓄積装置は電力もしくは電気エネルギーを液冷式同期駆動モータに提供するように形成されている。このことは、建築現場電力網接続部が存在しない場合に、車両搭載型コンクリートポンプを少なくとも部分的に電気的に作動させるのを可能にする。より多くの出力が必要とされる場合には、燃焼駆動モータシステムを接続することができる。特に、燃焼駆動モータシステムが液圧駆動ポンプシステムによって特に一時的に必要とされるよりも多くの出力もしくはエネルギーを供給し得る場合には、電気エネルギー蓄積装置を液冷式同期駆動モータによってもしくはこれを介して、発電機として燃焼駆動モータシステムから充電するように車両搭載型コンクリートポンプを形成することができる。
【0022】
本発明の1つの実施態様では、電気エネルギー蓄積装置は、液冷式同期駆動モータによって特に一時的にもしくは第1時点で必要とされない、もしくは余剰の電力網接続部からのもしくは電力網接続部による電力を、特に前記コンバータもしくは変換器及び/又は電気的なコンバータもしくは変換器を通してもしくはこれを介して受容するように、電気的に接続され且つ形成されている。さらに、電気エネルギー蓄積装置は、電力網接続部からの電力に加えて、液冷式同期駆動モータによって特に一時的にもしくは第1時点とは異なる第2時点で必要とされる電力もしくは電気エネルギーを提供するように形成されている。典型的には、建築現場電力網接続部はただ1つの制限された電力を提供し、もしくは所定の電力負荷に制限されている。車両搭載型コンクリートポンプ、特に電気エネルギー蓄積装置は、液冷式同期駆動モータが少なくとも一時的もしくはしばらくの間、建築現場電力網接続部によって提供されるよりも多くの電力を提供するのを可能にする。特に、液冷式同期駆動モータの特に短時間にわたる比較的高い所要出力もしくは出力ピークを、電力網接続部もしくは建築現場電力網接続部と、これに加えて電気エネルギー蓄積装置とが特に同時にカバーする。所要出力が比較的僅かな時点では、電気エネルギー蓄積装置は、電力網接続部の必要とされない電力を受容することができる。換言すれば、過負荷時には電気エネルギー蓄積装置をタッピングすることができ、出力リザーブ時には電気エネルギー蓄積装置を充電することができる。
【0023】
本発明の1つのさらなる構成では、車両搭載型コンクリートポンプはコンクリート分配マストを有している。コンクリート分配マストは、特にコンクリートポンプシステムによって圧送された、もしくはポンピングされたコンクリートを分配するように形成されている。液圧駆動ポンプシステムはコンクリート分配マストを駆動するように形成されている。
【0024】
特許請求の範囲、及び以下に図面に基づいて述べる本発明の有利な実施例の下記説明から、本発明のさらなる利点及び態様が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明による車両搭載型コンクリートポンプを示す側面図である。
図2図2は、図1に破線で示した、図1の車両搭載型コンクリートポンプの組み付け領域内の上部構造及び車両フレームを示す上面図である。
図3図3は、図1の車両搭載型コンクリートポンプの回路図である。
図4図4は、図1の車両搭載型コンクリートポンプのさらなる回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1~4は、本発明による車両搭載型コンクリートポンプ1を示している。車両搭載型コンクリートポンプ1は、コンクリートポンプシステム2と、液圧駆動ポンプシステム3と、燃焼駆動モータシステム5と、液冷式同期駆動モータ6とを有している。コンクリートポンプシステム2はコンクリートを圧送するように形成されている。液圧駆動ポンプシステム3は、コンクリートポンプシステム2を駆動するように形成されている。さらに、液圧駆動ポンプシステム3は液圧ポンプ駆動軸4を有している。燃焼駆動モータシステム5は、液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4を駆動するように形成されている。液冷式同期駆動モータ6は、液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4を駆動するように形成されている。
【0027】
図示の実施例では、コンクリートポンプシステム2はコンクリートを圧送するために、少なくとも1つのピストンポンプ、特にダブルピストンポンプを有している。さらに、図示の実施例では、液圧駆動ポンプシステム3は図2に示されているように、少なくとも1つの作業シリンダ18、特に2つの作業シリンダ18と、少なくとも1つの作業ピストン、特に2つの作業ピストンとを有している。少なくとも1つの作業ピストンは、少なくとも1つのピストンポンプを駆動するように形成されている。液圧ポンプ駆動軸4は、少なくとも1つの作業ピストンを駆動するように形成されている。
【0028】
さらに、図示の実施例では、燃焼駆動モータシステム5は図3に示されているように、液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4を駆動するために燃焼駆動モータ22を有している。これに加えて、燃焼駆動モータシステム5は車両伝動装置23を有している。
【0029】
さらに、図示の実施例では、液冷式同期駆動モータ6は図2に示されているように、液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4を駆動するために同期モータ24を有している。これに加えて、液冷式同期駆動モータ6は図3に示されているように、同期モータ24を冷却するために液冷装置25を有している。
【0030】
さらに、車両搭載型コンクリートポンプ2は図1に示されているように、コンクリート分配マスト16を有している。コンクリート分配マスト16は圧送されたコンクリートを分配するように形成されている。液圧駆動ポンプシステム3は、コンクリート分配マスト16を駆動するように形成されている。
【0031】
さらに、車両搭載型コンクリートポンプは図2に示されているように、上部構造7と車両フレーム8とを有している。上部構造7はコンクリートポンプシステム2を支持している。車両フレーム8は上部構造7を支持している。図示の実施例では、液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24は車両フレーム8の主長手方向支持体17の間に空間的に配置されている。別の実施例では、液冷式同期駆動モータはこれに加えて又はこの代わりに、上部構造の主長手方向支持体の間に空間的に配置されていてよい。
【0032】
図示の実施例では、上部構造7はこれに加えてコンクリート分配マスト16を支持している。さらに、図示の実施例では、液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4は、車両フレーム8の主長手方向支持体17の間に空間的に配置されている。
【0033】
さらに、車両搭載型コンクリートポンプ1は少なくとも1つの走行駆動車軸9を有している。燃焼駆動モータシステム5、特に燃焼駆動モータ22は、図3に示されているように、少なくとも1つの走行駆動車軸9を駆動するように形成されている。
【0034】
図示の実施例では、車両搭載型コンクリートポンプ1は2つの走行駆動車軸9を有している。別の実施例では、車両搭載型コンクリートポンプはただ1つの走行駆動車軸又は少なくとも3つの走行駆動車軸を有することもできる。さらに、図示の実施例では、少なくとも1つの走行駆動車軸9は後車軸である。
【0035】
さらに、車両搭載型コンクリートポンプ1は分配伝動装置10を有している。分配伝動装置10は、図4に示されているように、燃焼駆動モータシステム5を少なくとも1つの走行駆動車軸9と、又は液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4と結合するように形成されている。
【0036】
図示の実施例では、分配伝動装置10は車両フレーム8の主長手方向支持体17の間に空間的に配置されている。
【0037】
詳細には、燃焼駆動モータシステム5、特に車両伝動装置23は分配伝動装置10と、特にカルダン軸11によって機械的に結合されている。
【0038】
さらに、液圧駆動ポンプシステム3は複数の液圧駆動ポンプ12を有している。分配伝動装置10は駆動側ISと反対側の出力側OSとを有している。燃焼駆動モータシステム5、特に燃焼駆動モータ22と、車両伝動装置23と、液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24とは、駆動側ISに空間的に配置されている。さらに、複数の液圧駆動ポンプ12は出力側OSに空間的に配置され、特に分配伝動装置10に直接にフランジ結合されている。
【0039】
図示の実施例では、液圧駆動ポンプシステム3は4つの液圧駆動ポンプ12を有している。別の実施例では、液圧駆動ポンプシステムはただ1つの液圧駆動ポンプ、又は2つ、3つ又は少なくとも5つの液圧駆動ポンプを有することができる。さらに、図示の実施例では、少なくとも1つの走行駆動車軸9は出力側OSに空間的に配置されている。さらに、図示の実施例では、複数の液圧駆動ポンプ12は車両フレーム8の主長手方向支持体17の間に空間的に配置されている。さらに、別の実施例では、複数の液圧駆動ポンプのうちの少なくとも1つが、駆動側に空間的に配置されていてよい。特に、液冷式同期駆動モータ、特に同期モータは、特に駆動軸(Durchtrieb)と一緒に、駆動側に配置された液圧駆動ポンプと分配伝動装置との間に配置されていてよい。
【0040】
詳細には、複数の液圧駆動ポンプ12は、コンクリートポンプシステム2、特に少なくとも1つの駆動ピストンを駆動するように形成されている。液圧ポンプ駆動軸4は複数の液圧駆動ポンプ12を駆動するように形成されている。図示の実施例では、複数の液圧駆動ポンプ12は液圧ポンプ駆動軸4と機械的に不動に結合され、特に複数の液圧駆動ポンプ12は液圧ポンプ駆動軸4に載置されている。
【0041】
さらに、液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24は液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4と、分配伝動装置10によって結合され、特に分配伝動装置10に直接にフランジ結合されている。
【0042】
さらに、液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24は液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4と機械的に不動に結合され、特に液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24は液圧ポンプ駆動軸4に載置されている。
【0043】
詳細には、液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4は、分配伝動装置10を通って、特に出力側OSから駆動側ISへ延びている。
【0044】
さらに、液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24は空回転するように形成されている。
【0045】
別の実施例において、特に液冷式同期駆動モータ、特に同期モータが空回転するようには形成されていない場合には、液冷式同期駆動モータ、特に同期モータは、液冷式同期駆動モータ、特に同期モータと分配伝動装置との間の解離可能なカップリング又はフリーホイールを介して、液圧駆動ポンプシステムの液圧ポンプ駆動軸及び/又は燃焼駆動モータシステムと結合されていてよい。
【0046】
これに加えて又はこの代わりに、別の実施例では、液冷式同期駆動モータ、特に同期モータは中空軸モータを有することができ、特に中空軸モータであってよい。中空軸モータはカルダン軸に載置されていてよく、カルダン軸を駆動するように形成されていてよい。さらにこれに加えて又はこの代わりに、別の実施例では、液冷式同期駆動モータ、特に同期モータ、特に中空軸モータは、存在するならば車両伝動装置内に組み込まれていてよい。
【0047】
図示の実施例において、分配伝動装置10のシフト軸26が図4で左へ向かってシフトされると、燃焼駆動モータシステム5は液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4を駆動することができる。液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24の軸が空回転することができる。或いは、液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24はこれに加えて液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4を駆動することができる。少なくとも1つの走行駆動車軸9は連結解除されている。
【0048】
図示の実施例において、分配伝動装置10のシフト軸26が図4で右へ向かってシフトされると、燃焼駆動モータシステム5は少なくとも1つの走行駆動車軸9を駆動することができる。液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24は液圧駆動ポンプシステム3の液圧ポンプ駆動軸4を駆動することができる。シフト軸26及び図4において上側の軸、特に液圧ポンプ駆動軸4は連結解除されている。
【0049】
さらに、液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24は少なくとも60kW、特に少なくとも80kWの公称電力P6のために形成されている。これに加えて、液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24は、少なくとも0.4kW/kg、特に少なくとも0.5kW/kgの公称電力密度PD6を有している。
【0050】
さらに、車両搭載型コンクリートポンプ1は電力網接続部13を有している。電力網接続部13は、特に電気的なコンバータ19によって、液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24と電気的に接続されている。さらに、電力網接続部13は、特に三相電力網の建築現場電力網接続部14に電気的に接続するように形成されている。
【0051】
詳細には、電力網接続部13は電気プラグ20と電流ケーブル21とを有している。
【0052】
図示の実施態様において電力網接続部13もしくは建築現場電力網接続部14が液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24に給電すると、コンバータ19は交流電圧ACを直流電圧DCに、そして交流電圧ACに変換する。
【0053】
さらに、車両搭載型コンクリートポンプ1は電気エネルギー蓄積装置15を有している。電気エネルギー蓄積装置15は、特にコンバータ19によって、液冷式同期駆動モータ6と、特に同期モータ24と電気的に接続されている。さらに、電気エネルギー蓄積装置15は、液冷式同期駆動モータ6に、特に同期モータ24に電力P15を提供するように形成されている。
【0054】
図示の実施例において、電気エネルギー蓄積装置15が液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24に給電すると、コンバータ19は直流電圧DCを交流電圧ACに変換する。
【0055】
詳細には、電気エネルギー蓄積装置15は、液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24によって必要とされない電力網接続部13からの電力Pexを特にコンバータ19を通して受容するように、電気的に接続され且つ形成されている。さらに、電気エネルギー蓄積装置15は、電力網接続部13からの電力Pinに加えて液冷式同期駆動モータ6、特に同期モータ24によって必要とされる電力P15を提供するように形成されている。
【0056】
図示の実施例において、電力網接続部13もしくは建築現場電力網接続部14が電気エネルギー蓄積装置15に給電もしくは充電すると、コンバータ19は交流電圧ACを直流電圧DCに変換する。
【0057】
図示の実施例において、車両搭載型コンクリートポンプ1は電力網接続部13と電気エネルギー蓄積装置15とを有している。別の実施例では、車両搭載型コンクリートポンプは電力網接続部だけを有することができる。換言すれば、別の実施例では、車両搭載型コンクリートポンプは電気エネルギー蓄積装置を有しなくてよく、又は有する必要がない。特に、車両搭載型コンクリートポンプは蓄積装置なしのパラレル-ハイブリッド車両搭載型コンクリートポンプと呼ぶことができる。
【0058】
図示し上述した実施例が明らかにするように、本発明は、改善された特性を有する有利な車両搭載型コンクリートポンプを提供する。特に、車両搭載型コンクリートポンプは初めて、比較的僅かな又はそればかりかゼロの排ガスエミッションで、且つ比較的低い騒音レベルで、効果的な作業を可能にする。
なお、本発明の実施形態の態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
車両搭載型コンクリートポンプ(1)であって、
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が、
- コンクリートポンプシステム(2)であって、該コンクリートポンプシステム(2)がコンクリートを圧送するように形成されている、コンクリートポンプシステム(2)と、
- 液圧駆動ポンプシステム(3)であって、該液圧駆動ポンプシステム(3)が前記コンクリートポンプシステム(2)を駆動するように形成され、液圧ポンプ駆動軸(4)を有している、液圧駆動ポンプシステム(3)と、
- 燃焼駆動モータシステム(5)であって、該燃焼駆動モータシステム(5)が前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)を駆動するように形成されている、燃焼駆動モータシステム(5)と、
- 液冷式同期駆動モータ(6)であって、該液冷式同期駆動モータ(6)が、前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)を駆動するように形成されている、液冷式同期駆動モータ(6)と、
を有している、車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様2]
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が、
- 上部構造(7)であって、該上部構造(7)が前記コンクリートポンプシステム(2)を支持している、上部構造(7)と、
- 車両フレーム(8)であって、該車両フレーム(8)が前記上部構造(7)を支持している、車両フレーム(8)と、
を有しており、
- 前記液冷式同期駆動モータ(6)が部分的に、前記上部構造(7)及び/又は前記車両フレーム(8)の主長手方向支持体(17)の間に空間的に配置されている、
態様1に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様3]
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が、
- 少なくとも1つの走行駆動車軸(9)を有しており、前記燃焼駆動モータシステム(5)が前記少なくとも1つの走行駆動車軸(9)を駆動するように形成されている、態様1又は2に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様4]
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が、
- 分配伝動装置(10)を有しており、前記分配伝動装置(10)が、前記燃焼駆動モータシステム(5)を前記少なくとも1つの走行駆動車軸(9)と、又は前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)と、特に機械的に結合するように形成されている、態様3に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様5]
- 前記燃焼駆動モータシステム(5)が前記分配伝動装置(10)と機械的に、特にカルダン軸(11)によって結合されている、態様4に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様6]
- 前記液圧駆動ポンプシステム(3)が複数の液圧駆動ポンプ(12)を有しており、そして
- 前記分配伝動装置(10)が駆動側(IS)と反対側の出力側(OS)とを有しており、前記燃焼駆動モータシステム(5)及び前記液冷式同期駆動モータ(6)が前記駆動側(IS)に空間的に配置されており、そして前記複数の液圧駆動ポンプ(12)が前記出力側(OS)に空間的に配置されている、
態様4又は5に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様7]
- 前記液冷式同期駆動モータ(6)が、前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)と、前記分配伝動装置(10)によって特に機械的に結合され、特に前記分配伝動装置(10)に直接にフランジ結合されている、態様4から6までのいずれか一態様に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様8]
- 前記液冷式同期駆動モータ(6)が前記液圧駆動ポンプシステム(3)の前記液圧ポンプ駆動軸(4)と機械的に不動に結合され、特に前記液圧ポンプ駆動軸(3)に載置されている、態様1から7までのいずれか一態様に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様9]
- 前記液冷式同期駆動モータ(6)が少なくとも60kW、特に少なくとも80kWの公称電力(P6)のために形成されており、且つ/又は、
- 前記液冷式同期駆動モータ(6)が少なくとも0.4kW/kg、特に少なくとも0.5kW/kgの公称電力密度(PD6)を有している、
態様1から8までのいずれか一態様に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様10]
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が
- 電力網接続部(13)を有しており、前記電力網接続部(13)が特にコンバータ(19)によって液冷式同期駆動モータ(6)と電気的に接続され、建築現場電力網接続部(14)に電気的に接続するように形成されている、
態様1から9までのいずれか一態様に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様11]
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が
- 電気エネルギー蓄積装置(15)、特にアキュムレータを有しており、前記電気エネルギー蓄積装置(15)が、特にコンバータ(19)によって液冷式同期駆動モータ(6)と電気的に接続され、そして電力(P15)を前記液冷式同期駆動モータ(6)に提供するように形成されている、
態様1から10までのいずれか一態様に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様12]
- 前記電気エネルギー蓄積装置(15)が、前記液冷式同期駆動モータ(6)によって必要とされない電力網接続部(13)からの電力(Pex)を受容するように、電気的に接続され且つ形成されており、そして、
- 前記電気エネルギー蓄積装置(15)が、前記電力網接続部(13)からの電力(Pin)に加えて前記液冷式同期駆動モータ(6)によって必要とされる電力(P15)を提供するように形成されている、
態様10及び11に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
[態様13]
前記車両搭載型コンクリートポンプ(1)が
- コンクリート分配マスト(16)を有しており、前記コンクリート分配マスト(16)が、圧送されたコンクリートを分配するように形成されており、
- 前記液圧駆動ポンプシステム(3)が前記コンクリート分配マスト(16)を駆動するように形成されている、
態様1から12までのいずれか一態様に記載の車両搭載型コンクリートポンプ(1)。
図1
図2
図3
図4