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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/048 20140101AFI20231108BHJP
【FI】
H01L31/04 560
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021551482
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(86)【国際出願番号】 JP2020037546
(87)【国際公開番号】W WO2021070743
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】P 2019187786
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】黒須 敬太
(72)【発明者】
【氏名】宮道 祐介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔英
(72)【発明者】
【氏名】北山 賢
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-077081(JP,A)
【文献】特開平08-194117(JP,A)
【文献】特開2014-225553(JP,A)
【文献】特開2019-140273(JP,A)
【文献】特開2011-091303(JP,A)
【文献】特開2014-060390(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0027516(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0006944(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04-31/056
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールであって、
第1面および該第1面の逆側の第2面を有するとともに透光性を有する表面保護層と、
前記第2面に対向している状態にある裏面保護層と、
前記第2面と前記裏面保護層との間に位置している複数の太陽電池素子と、
前記表面保護層と前記複数の太陽電池素子との間において、前記複数の太陽電池素子を覆っている状態にある充填材と、
前記第1面上の一部に位置している状態にある前記第1面を保護するための保護膜と、を備え、
前記充填材の素材は、遊離酸が発生する化学構造を有し、
前記表面保護層は、耐候性を有する樹脂で構成された層であり、
前記第1面の少なくとも一部が、前記太陽電池モジュールの外部の空間に対して露出している状態にある、太陽電池モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽電池モジュールであって、
前記表面保護層の素材は、フッ素系の樹脂を含む、太陽電池モジュール。
【請求項3】
請求項に記載の太陽電池モジュールであって、
前記フッ素系の樹脂は、フッ化エチレンプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体およびエチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体のうちの少なくとも1つの樹脂を含む、太陽電池モジュール。
【請求項4】
太陽電池モジュールであって、
第1面および該第1面の逆側の第2面を有するとともに透光性を有する表面保護層と、
前記第2面に対向している状態にある裏面保護層と、
前記第2面と前記裏面保護層との間に位置している複数の太陽電池素子と、
前記表面保護層と前記複数の太陽電池素子との間において、前記複数の太陽電池素子を覆っている状態にある充填材と、
前記第1面上の一部に位置している状態にある前記第1面を保護するための保護膜と、を備え、
前記充填材の素材は、遊離酸が発生する化学構造を有し、
前記表面保護層は、耐候性を有するフッ素系の樹脂で構成された層であり、
前記第1面の少なくとも一部が、前記太陽電池モジュールの外部の空間に対して露出している状態にあり、
前記第2面と前記充填材とが密着している、太陽電池モジュール。
【請求項5】
請求項に記載の太陽電池モジュールであって、
前記フッ素系の樹脂は、フッ化エチレンプロピレン共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体およびエチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体のうちの少なくとも1つの樹脂を含む、太陽電池モジュール。
【請求項6】
請求項4または請求項に記載の太陽電池モジュールであって、
前記表面保護層は、前記第1面から前記第2面にそれぞれ至る複数の微細な貫通孔を有する、太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
平面的に配列されて電気的に接続された複数の太陽電池素子が、透光性部材と背面部材との間に挟まれている状態で位置している太陽電池モジュールが知られている(例えば、特開2001-250965号公報、特開2004-014791号公報および特開2012-004146号公報の記載を参照)。
【0003】
この太陽電池モジュールでは、例えば、ガラス基板などの透光性部材とバックシートなどの背面部材との間において、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を主成分とした充填材によって複数の太陽電池素子が覆われている状態にある。
【発明の概要】
【0004】
太陽電池モジュールが開示される。
【0005】
太陽電池モジュールの一態様は、表面保護層と、裏面保護層と、複数の太陽電池素子と、充填材と、保護膜と、を備える。前記表面保護層は、第1面および該第1面の逆側の第2面を有するとともに透光性を有する。前記裏面保護層は、前記第2面に対向している状態にある。前記複数の太陽電池素子は、前記第2面と前記裏面保護層との間に位置している。前記充填材は、前記表面保護層と前記複数の太陽電池素子との間において、前記複数の太陽電池素子を覆っている状態にある。前記保護膜は、前記第1面上の一部に位置している状態にある前記第1面を保護するための膜である。前記充填材の素材は、遊離酸が発生する化学構造を有する。前記表面保護層は、耐候性を有する樹脂で構成された層である。前記第1面の少なくとも一部が、前記太陽電池モジュールの外部の空間に対して露出している状態にある
【0006】
陽電池モジュールの一態様は、表面保護層と、裏面保護層と、複数の太陽電池素子と、充填材と、保護膜と、を備える。前記表面保護層は、第1面および該第1面の逆側の第2面を有するとともに透光性を有する。前記裏面保護層は、前記第2面に対向している状態にある。前記複数の太陽電池素子は、前記第2面と前記裏面保護層との間に位置している。前記充填材は、前記表面保護層と前記複数の太陽電池素子との間において、前記複数の太陽電池素子を覆っている状態にある。前記保護膜は、前記第1面上の一部に位置している状態にある前記第1面を保護するための膜である。前記充填材の素材は、遊離酸が発生する化学構造を有する。前記表面保護層は、耐候性を有するフッ素系の樹脂で構成された層である。前記第1面の少なくとも一部が、前記太陽電池モジュールの外部の空間に対して露出している状態にある。前記第2面と前記充填材とが密着している。

【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1(a)は、第1実施形態に係る太陽電池モジュールを平面視した場合の外観の一例を示す平面図である。図1(b)は、図1(a)の太陽電池モジュールのIb-Ib線に沿った仮想的な切断面の一例を示す図である。
図2図2(a)は、太陽電池素子の第1素子面を平面視した場合の構造の一例を示す図である。図2(b)は、太陽電池素子の第2素子面を平面視した場合の構造の一例を示す図である。
図3図3(a)は、充填材で発生した遊離酸が太陽電池モジュールから外部の空間に発散される様子の一例を示す図である。図3(b)は、太陽電池モジュールにおける表面保護層の素材ごとの水蒸気透過率および平均故障時間の具体例を示す図である。
図4図4(a)から図4(c)は、それぞれ第1実施形態に係る太陽電池モジュールの製造途中における断面の状態を例示する図である。
図5図5は、第2実施形態に係る太陽電池モジュールのうちの図1(b)の仮想的な切断面に対応する位置における仮想的な切断面の一例を示す図である。
図6図6(a)は、第3実施形態に係る太陽電池モジュールを平面視した場合の構造の一例を示す図である。図6(b)は、図6(a)の太陽電池モジュールのVIb-VIb線に沿った仮想的な切断面の一例を示す図である。
図7図7(a)は、第3実施形態に係る太陽電池部を平面視した場合の構造の一例を示す図である。図7(b)は、図7(a)の太陽電池部のVIIb-VIIb線に沿った仮想的な切断面の一例を示す図である。
図8図8は、第3実施形態に係る太陽電池モジュールのうちの図6(b)の仮想的な切断面に対応する位置における仮想的な切断面の他の一例を示す図である。
図9図9(a)は、第4実施形態に係る太陽電池モジュールを平面視した場合の外観の一例を示す平面図である。図9(b)は、図9(a)の太陽電池モジュールのIXb-IXb線に沿った仮想的な切断面の一例を示す図である。
図10図10(a)は、第5実施形態に係る太陽電池モジュールにおいて太陽電池素子の第1素子面上に第1配線材および第1保護部材が位置している構成の一例を示す図である。図10(b)は、第5実施形態に係る太陽電池モジュールにおいて太陽電池素子の第2素子面上に第1配線材および第2保護部材が位置している構成の一例を示す図である。
図11図11は、図10(a)および図10(b)のXI-XI線に沿った位置における第5実施形態に係る太陽電池モジュールの一部の仮想的な切断面の一例を示す図である。
図12図12(a)は、第5実施形態の一変形例に係る太陽電池モジュールにおいて太陽電池素子の第2素子面上に第1配線材および第2保護部材が位置している構造の一例を示す図である。図12(b)は、図12(a)のXIIb-XIIb線に沿った位置における第5実施形態の一変形例に係る太陽電池モジュールの一部の仮想的な切断面の一例を示す図である。
図13図13(a)は、第6実施形態に係る太陽電池モジュールのうちの太陽電池部において太陽電池素子の電極上に第1出力用配線材、第3保護部材、第2出力用配線材および第4保護部材が位置している構成の一例を示す図である。図13(b)は、図13(a)の太陽電池部、第1出力用配線材、第3保護部材、第2出力用配線材および第4保護部材についてのXIIIb-XIIIb線に沿った仮想的な切断面の一例を示す図である。
図14図14(a)は、第6実施形態の一変形例に係る太陽電池モジュールのうちの図6(b)の仮想的な切断面に対応する位置における仮想的な切断面の一例を示す図である。図14(b)は、第6実施形態の一変形例に係る太陽電池モジュールのうちの太陽電池部、第1出力用配線材、第2出力用配線材および第5保護部材についての図13(b)の仮想的な切断面に対応する位置における仮想的な切断面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
太陽電池モジュールは、例えば、ガラス基板などの透光性部材と、バックシートなどの背面部材と、透光性部材と背面部材との間で平面的に配列されて電気的に接続されている状態にある複数の太陽電池素子と、を備えている。また、この太陽電池モジュールでは、例えば、透光性部材と背面部材との間において複数の太陽電池素子を覆うように充填されている状態にある、エチレン酢酸ビニル共重合体(ethylene-vinyl acetate copolymer:EVA)などの充填材が位置している。
【0009】
このような太陽電池モジュールでは、例えば、熱および水分によってEVAが酢酸などの遊離酸を生じ、この遊離酸によって太陽電池素子の電極が腐食されるおそれがある。また、例えば、遊離酸によって、太陽電池素子の電極と配線材との接合部分も腐食されるおそれがある。そして、太陽電池素子の電極および接合部分が腐食されると、太陽電池モジュールの出力が低下し、太陽電池モジュールの長期間にわたる出力の維持(長期信頼性ともいう)が低下するおそれがある。
【0010】
そこで、本開示の発明者らは、太陽電池モジュールの長期信頼性を向上させることができる技術を創出した。
【0011】
これについて、以下、第1実施形態から第6実施形態を図面に基づいて説明する。図面においては同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。図面は模式的に示されたものである。図1(a)から図3(a)および図4(a)から図14(b)には、右手系のXYZ座標系が付されている。このXYZ座標系では、太陽電池パネル10の前面10fの長手方向が+X方向とされ、前面10fの短手方向が+Y方向とされ、+X方向と+Y方向との両方に直交する前面10fの法線方向が+Z方向とされている。
【0012】
<1.第1実施形態>
<1-1.太陽電池モジュール>
第1実施形態に係る太陽電池モジュール100を、図1(a)から図3(b)に基づいて説明する。
【0013】
図1(a)および図1(b)で示されるように、太陽電池モジュール100は、例えば、太陽電池パネル10を備えている。太陽電池パネル10は、例えば、主に光が入射する受光面(前面ともいう)10fと、この前面10fの逆側に位置している裏面10bと、を有する。第1実施形態では、前面10fが、+Z方向を向いている状態にある。裏面10bが、-Z方向を向いている状態にある。+Z方向は、例えば、南中している太陽に向く方向に設定される。図1(a)の例では、前面10fが、長方形状の形状を有する。ここで、図1(b)で示されるように、太陽電池モジュール100は、例えば、端子ボックス5を備えていてもよい。端子ボックス5は、例えば、太陽電池パネル10の裏面10b上などに位置し、太陽電池パネル10における発電で得られた電気を外部に出力することができる。太陽電池モジュール100は、例えば、優れた剛性を有する板状の部材(板状部材ともいう)の上に接着剤などで固定されてもよい。この場合には、例えば、板状部材の表面上に、太陽電池パネル10の裏面10bを接着剤などで固定する態様が考えられる。そして、例えば、板状部材の裏面上に、端子ボックス5が接着剤などで固定されてもよい。また、太陽電池モジュール100は、例えば、フレームなどを備えていてもよい。この場合には、フレームは、例えば、太陽電池パネル10の外周部に沿って位置し、太陽電池パネル10の外周部を保護することができる。
【0014】
図1(a)および図1(b)で示されるように、太陽電池パネル10は、例えば、表面保護層1と、裏面保護層2と、太陽電池部3と、充填材4と、を備えている。
【0015】
<1-1-1.表面保護層>
表面保護層1は、例えば、第1面1fと第2面1sとを有する。第1実施形態では、第1面1fは、例えば、太陽電池パネル10の前面10fを構成している状態にある。図1(a)および図1(b)の例では、第1面1fが、太陽電池モジュール100の外部の空間(外部空間ともいう)200に対して露出している状態にある。また、第2面1sは、第1面1fの逆側の面である。
【0016】
表面保護層1は、例えば、透光性を有する。具体的には、表面保護層1は、例えば、特定範囲の波長の光に対する透光性を有する。特定範囲の波長は、例えば、太陽電池部3が光電変換し得る光の波長を含む。特定範囲の波長に、太陽光のうちの照射強度の高い光の波長が含まれていれば、太陽電池モジュール100の光電変換効率が向上し得る。
【0017】
表面保護層1の素材には、例えば、耐候性を有する樹脂が適用される。換言すれば、表面保護層1には、例えば、耐候性を有する樹脂で構成された層が適用される。ここで、耐候性は、例えば、屋外で使用された場合に、変形、変色および劣化などの変質を起こしにくい性質を意味する。表面保護層1の素材に樹脂が適用されることで、表面保護層1は、例えば、太陽電池モジュール100の外部空間200から太陽電池部3へ向けた水滴などの水の浸入を低減するとともに、充填材4から外部空間200へ向けて湿気が通過しやすい性質(透湿防水性ともいう)を有する。ここで、耐候性を有する樹脂は、例えば、フッ素系の樹脂を含む。フッ素系の樹脂は、例えば、フッ化エチレンプロピレン共重合体(Fluorinated Ethylene Propylene:FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(Ethylene Tetrafluoroethylene:ETFE)およびエチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(Ethylene Chlorotrifluoroethylene:ECTFE)などを含む。ここで、例えば、表面保護層1が、2層以上の耐候性を有する樹脂で構成されてもよい。この場合には、表面保護層1に適用されるフッ素系の樹脂は、例えば、2種類以上の樹脂であってもよい。このため、例えば、表面保護層1に適用されるフッ素系の樹脂が、FEP、ETFEおよびECTFEのうちの少なくとも1つの樹脂を含む態様が考えられる。
【0018】
また、表面保護層1の厚さは、例えば、0.05ミリメートル(mm)から0.5mm程度とされる。
【0019】
<1-1-2.太陽電池部>
太陽電池部3は、例えば、表面保護層1と裏面保護層2との間に位置している。図1(a)および図1(b)で示されるように、太陽電池部3は、例えば、複数の太陽電池素子31を有する。このため、例えば、複数の太陽電池素子31は、表面保護層1の第2面1sと裏面保護層2との間に位置している。第1実施形態では、複数の太陽電池素子31は、2次元的に並んでいる状態にある。図1(a)および図1(b)の例では、複数の太陽電池素子31は、表面保護層1の第2面1sに沿って位置するように平面的に配列された状態にある。
【0020】
また、太陽電池部3は、例えば、複数の第1配線材32と、複数の第2配線材33と、を有する。太陽電池部3は、例えば、複数(ここでは、10個)の太陽電池ストリング30を含む。複数の太陽電池ストリング30のそれぞれは、例えば、複数(ここでは、7個)の太陽電池素子31と、複数の第1配線材32と、を含む。複数の第1配線材32は、例えば、複数の太陽電池素子31のうちの相互に隣り合う2つの太陽電池素子31をそれぞれ電気的に接続している状態にある。複数の第2配線材33は、複数の太陽電池ストリング30のうちの相互に隣り合う2つの太陽電池ストリング30をそれぞれ電気的に接続している状態にある。図1(a)および図1(b)の例では、複数の太陽電池ストリング30のうちの最も-X方向の端部に位置している太陽電池ストリング30に接続された第2配線材33と、複数の太陽電池ストリング30のうちの最も+X方向の端部に位置している太陽電池ストリング30に接続された第2配線材33と、が太陽電池パネル10の外部に引き出された状態にある。ここで、2本の第2配線材33は、例えば、裏面保護層2に設けられた貫通孔を介して、太陽電池パネル10の外部に引き出された状態にある。
【0021】
複数の太陽電池素子31のそれぞれは、例えば、光エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。図2(a)および図2(b)で示されるように、複数の太陽電池素子31のそれぞれは、表(おもて)面側に位置している面(第1素子面ともいう)31fと、この第1素子面31fの逆側の面(第2素子面ともいう)31sと、を有する。図2(a)および図2(b)の例では、第1素子面31fが、+Z方向を向いている状態にあり、第2素子面31sが、-Z方向を向いている状態にある。この場合には、例えば、第1素子面31fが主として光が入射される面(受光面ともいう)としての役割を果たし、第2素子面31sが主として光が入射されない面(非受光面ともいう)としての役割を果たす。
【0022】
第1実施形態では、図2(a)および図2(b)で示されるように、複数の太陽電池素子31のそれぞれは、半導体基板310と、第1出力取出電極311と、第1集電電極312と、第2出力取出電極313と、第2集電電極314と、を有する。
【0023】
半導体基板310には、例えば、結晶シリコンなどの結晶系半導体、アモルファスシリコンなどの非晶質系の半導体、あるいは銅とインジウムとガリウムとセレンの4種類の元素またはカドミウムとテルルの2種類の元素などを用いた化合物半導体が適用される。ここで、半導体基板310に結晶シリコンが適用される場合を想定する。この場合には、半導体基板310は、主として第1導電型を有する領域(第1導電型領域ともいう)と、第1導電型とは逆の第2導電型を有する領域(第2導電型領域ともいう)と、を有する。第1導電型領域は、例えば、半導体基板310の-Z方向の第2素子面31s側に位置している。第2導電型領域は、例えば、半導体基板310の+Z方向の第1素子面31f側の表層部に位置している。ここで、例えば、第1導電型がp型である場合には、第2導電型がn型となる。また、例えば、第1導電型がn型である場合には、第2導電型がp型となる。これにより、半導体基板310は、第1導電型領域と第2導電型領域との界面に位置しているpn接合部を有する。
【0024】
第1出力取出電極311および第1集電電極312は、例えば、半導体基板310のうちの第1素子面31f側の面上に位置している。第1出力取出電極311には、例えば、バスバー電極が適用される。第1集電電極312には、例えば、フィンガー電極が適用される。図2(a)の例では、半導体基板310の第1素子面31f側に、略平行な2本の第1出力取出電極311が位置し、略平行な多数本の第1集電電極312が、2本の第1出力取出電極311に略直交するように位置している。また、半導体基板310の第2導電型領域の上のうち、第1出力取出電極311および第1集電電極312が形成されていない領域には、例えば、窒化シリコンなどによって構成されている状態にある反射防止膜315としての絶縁膜が位置していてもよい。ここで、例えば、第1出力取出電極311の主成分が銀である場合には、第1出力取出電極311は、銀ペーストがスクリーン印刷などで所望の形状に塗布された後に焼成されることで形成され得る。主成分とは、含有成分のうち含有される比率(含有率ともいう)が最も大きい(高い)成分のことを意味する。銀ペーストには、例えば、主成分として銀を含む金属粉末、有機ビヒクルおよびガラスフリットを含有する金属ペーストが適用される。例えば、第1集電電極312の主成分が銀である場合には、第1集電電極312は、第1出力取出電極311と同様に、銀ペーストがスクリーン印刷などで所望の形状に塗布された後に焼成されることで形成され得る。第1出力取出電極311と第1集電電極312とは、例えば、互いに別工程で形成されてもよいし、同一の工程で形成されてもよい。
【0025】
第2出力取出電極313および第2集電電極314は、例えば、半導体基板310のうちの第2素子面31s側の面上に位置している。第2出力取出電極313には、例えば、バスバー電極が適用される。図2(b)の例では、半導体基板310の第2素子面31s側に、+Y方向に沿った互いに略平行な2列の第2出力取出電極313が位置している。第2集電電極314は、半導体基板310の第2素子面31s側において、第2出力取出電極313と第2集電電極314とが重畳することで相互に接続されている部分を除き、第2出力取出電極313が形成されていない領域の略全面に位置している。2列の第2出力取出電極313のそれぞれは、例えば、一列に並んでいる4つの電極を含む。また、例えば、半導体基板310の第1導電型領域と第2出力取出電極313および第2集電電極314との間に、所望のパターンで酸化アルミニウムなどの酸化物または窒化物の薄膜がパッシベーション膜として存在していてもよい。ここで、例えば、第2出力取出電極313の主成分が銀である場合には、第1出力取出電極311と同様に、第2出力取出電極313は、銀ペーストがスクリーン印刷などで所望の形状に塗布された後に焼成されることで形成され得る。例えば、第2集電電極314の主成分がアルミニウムである場合には、第2集電電極314は、アルミニウムペーストがスクリーン印刷などで所望の形状に塗布された後に焼成されることで形成され得る。アルミニウムペーストには、例えば、主成分としてアルミニウムを含む金属粉末、有機ビヒクルおよびガラスフリットを含有する金属ペーストが適用される。
【0026】
第1配線材32は、例えば、1つの太陽電池素子31の第1出力取出電極311と、この1つの太陽電池素子31の隣の他の1つの太陽電池素子31の第2出力取出電極313とを電気的に接続している状態にある。図2(a)および図2(b)の例では、複数の太陽電池素子31のそれぞれに取り付けられる第1配線材32の外縁が仮想的に2点鎖線で描かれている。ここでは、第1配線材32は、例えば、第1出力取出電極311および第2出力取出電極313に接合された状態にある。具体的には、例えば、第1配線材32と第1出力取出電極311との間に位置しており、第1配線材32と第1出力取出電極311とを接合している部分(第1接合部分ともいう)321が存在している。このため、例えば、第1配線材32は、1つの太陽電池素子31の第1出力取出電極311に第1接合部分321を介して接合している状態にある。また、例えば、第1配線材32と第2出力取出電極313との間に位置しており、第1配線材32と第2出力取出電極313とを接合している部分(第2接合部分ともいう)322が存在している。このため、例えば、第1配線材32は、1つの太陽電池素子31の隣の他の1つの太陽電池素子31の第2出力取出電極313に第2接合部分322を介して接合している状態にある。第1配線材32には、例えば、線状あるいは帯状の導電性を有する金属体が適用される。第1接合部分321および第2接合部分322の素材には、例えば、半田(はんだ)などの低融点の合金または低融点の単体の金属などが適用される。より具体的には、例えば、0.1mmから0.2mm程度の厚さと1mmから2mm程度の幅とを有する銅箔が第1配線材32に適用され、この第1配線材32の全面に半田が被覆された状態にある。第1配線材32は、例えば、半田付けによって、第1出力取出電極311および第2出力取出電極313に電気的に接続されている状態にある。この場合には、例えば、第1配線材32と第1出力取出電極311との間に位置している半田が第1接合部分321を構成している状態にある。また、例えば、第1配線材32と第2出力取出電極313との間に位置している半田が第2接合部分322を構成している状態にある。以下では、第1接合部分321および第2接合部分322を、例えば、単に「接合部分」とも称する。
【0027】
<1-1-3.充填材>
充填材4は、表面保護層1と裏面保護層2との間において太陽電池部3を覆っている状態にある。換言すれば、充填材4は、表面保護層1と裏面保護層2との間において、複数の太陽電池素子31を覆っている状態にある。別の観点から言えば、充填材4は、例えば、表面保護層1と裏面保護層2との間の領域(間隙領域ともいう)10gに、太陽電池部3を覆いつつ充填されている状態にある。
【0028】
第1実施形態では、充填材4は、例えば、前面10f側に位置している充填材(第1充填材ともいう)41と、裏面10b側に位置している充填材(第2充填材ともいう)42と、を含む。第1充填材41は、例えば、太陽電池部3の表面保護層1側の全面を覆っている状態にある。換言すれば、第1充填材41は、例えば、表面保護層1と複数の太陽電池素子31との間において、複数の太陽電池素子31を覆っている状態にある。第2充填材42は、例えば、太陽電池部3の裏面保護層2側の全面を覆っている状態にある。換言すれば、第2充填材42は、例えば、裏面保護層2と複数の太陽電池素子31との間において、複数の太陽電池素子31を覆っている状態にある。このため、第1実施形態では、太陽電池部3は、例えば、第1充填材41と第2充填材42とによって挟み込まれるように囲まれている状態にある。これにより、例えば、充填材4によって太陽電池部3の姿勢が保たれ得る。
【0029】
また、充填材4は、例えば、透光性を有する。ここでは、充填材4は、例えば、上述した特定範囲の波長の光に対する透光性を有する。ここで、例えば、充填材4を構成する第1充填材41および第2充填材42のうち、少なくとも第1充填材41が透光性を有していれば、前面10f側からの入射光が、太陽電池部3まで到達し得る。
【0030】
また、第1充填材41の素材は、例えば、遊離酸が発生する化学構造を有する。ここでは、第1充填材41の素材には、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)などのポリビニルアセタールおよび酸変性樹脂などが適用される。ここで、例えば、第1充填材41の素材に比較的安価なEVAが適用されれば、複数の太陽電池素子31を保護する性能を容易に実現することができる。酸変性樹脂には、例えば、ポリオレフィンなどの樹脂に対する酸によるグラフト変性などで形成することができる変性ポリオレフィン樹脂などが適用される。酸変性樹脂のグラフト変性に使用可能な酸には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水ハイミック酸、無水イタコン酸および無水シトラコン酸などが適用される。遊離酸は、例えば、塩基と結合していない酸である。遊離酸は、例えば、溶液中では溶媒和を形成し得るが溶媒以外とは結合していない酸である。例えば、EVAおよびPVBなどにおいて遊離酸を発生する化学構造は、例えば、アセトキシ基を含む。アセトキシ基を有する樹脂は、例えば、熱分解および加水分解などによって遊離酸である酢酸を発生させるおそれがある。第2充填材42の素材には、例えば、第1充填材41と同様に、EVA、PVBなどのポリビニルアセタールおよび酸変性樹脂などが適用される。第1充填材41および第2充填材42は、例えば、2種類以上の素材によって構成されていてもよい。
【0031】
<1-1-4.裏面保護層>
裏面保護層2は、例えば、太陽電池パネル10の裏面10bを構成している状態にある。裏面保護層2は、例えば、表面保護層1の第2面1sに対向している状態にある。
【0032】
裏面保護層2は、例えば、太陽電池部3を裏面10b側から保護することができる。裏面保護層2には、例えば、裏面10bを構成するバックシートが適用される。バックシートの厚さは、例えば、0.3mmから0.5mm程度とされる。バックシートの素材には、例えば、ポリビニルフルオライド(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)のうちの1種の樹脂、あるいはこれらの樹脂の少なくとも1種の樹脂が適用される。また、図1(b)の例では、裏面保護層2は、太陽電池部3および充填材4を、裏面10b側および側方の外周部側から包み込むように位置している。そして、裏面保護層2が、表面保護層1の外周部に接着している状態にある。このとき、裏面保護層2は、例えば、裏面10b側から平面透視した場合に、表面保護層1と同様な形状を有する。例えば、裏面10b側から平面透視した場合に、表面保護層1および裏面保護層2の双方が長方形状の外形を有する構成が想定される。
【0033】
<1-2.太陽電池モジュールの特性>
上述したように、例えば、表面保護層1の素材が耐候性を有する樹脂であれば、表面保護層1は、透湿防水性を有する。このため、例えば、仮に充填材4が熱分解および加水分解などによって酢酸などの遊離酸を発生させても、図3(a)の2点鎖線の矢印で示されるように、充填材4で発生する遊離酸が、表面保護層1を介して外部空間200に放散され得る。これにより、例えば、太陽電池素子31の電極および接合部分が遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性を向上させることができる。
【0034】
ここで、表面保護層1の素材に、耐候性を有する樹脂であるFEPおよびETFEをそれぞれ適用した場合における水蒸気透過率(Water Vapor Transmission Rate:WVTR)および平均故障時間(Mean Time To Failure:MTTF)の測定結果の具体例を挙げて説明する。また、表面保護層1の素材にガラスを適用した場合における水蒸気透過率(WVTR)および平均故障時間(MTTF)の測定結果の一例も参考例として併せて挙げる。ここでは、図3(b)で示されるように、表面保護層1として、3.2mmの厚さを有するガラスの板(ガラス板ともいう)、0.1mmの厚さを有するFEPのフィルム(FEPフィルムともいう)および0.1mmの厚さを有するETFEのフィルム(ETFEフィルムともいう)をそれぞれ用いた。
【0035】
ガラス板、FEPフィルムおよびETFEフィルムのそれぞれについての水蒸気透過率(WVTR)は、日本工業規格(JIS)Z0208で規定された「防湿包装材料の透過湿度試験方法(カップ法)」に従った測定で得た。水蒸気透過率(WVTR)は、1平方メートル(1m)のフィルムを24時間で透過する水蒸気の量をグラム数で表す。この水蒸気透過率(WVTR)の単位を、g/m/dayと示す。
【0036】
表面保護層1としてガラス板、FEPフィルムおよびETFEフィルムをそれぞれ用いた太陽電池モジュール100の平均故障時間(MTTF)は、定常光ソーラーシミュレーターを用いて、高温高湿試験を行い、太陽電池モジュール100の最大出力(Pm)が初期状態の値からそれぞれ10%、15%、20%および30%低下する時間を測定することで得た。このため、ここでは、平均故障時間(MTTF)は、高温高湿の条件下における太陽電池モジュール100の耐久性を示す。図3(b)では、表面保護層1としてFEPフィルムおよびETFEフィルムをそれぞれ用いた太陽電池モジュール100の平均故障時間(MTTF)は、表面保護層1としてガラス板を用いた太陽電池モジュール100の平均故障時間(MTTF)を基準値である1とした値で示されている。
【0037】
具体的には、ガラス板に係る最大出力(Pm)が10%低下する平均故障時間(MTTF)を、基準値である1とした。FEPフィルムに係る最大出力(Pm)が10%低下する平均故障時間(MTTF)は、FEPフィルムに係る最大出力(Pm)が10%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値を、ガラス板に係る最大出力(Pm)が10%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値で除することで得た。ETFEフィルムに係る最大出力(Pm)が10%低下する平均故障時間(MTTF)は、ETFEフィルムに係る最大出力(Pm)が10%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値を、ガラス板に係る最大出力(Pm)が10%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値で除することで得た。
【0038】
また、ガラス板に係る最大出力(Pm)が15%低下する平均故障時間(MTTF)を、基準値である1とした。FEPフィルムに係る最大出力(Pm)が15%低下する平均故障時間(MTTF)は、FEPフィルムに係る最大出力(Pm)が15%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値を、ガラス板に係る最大出力(Pm)が15%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値で除することで得た。ETFEフィルムに係る最大出力(Pm)が15%低下する平均故障時間(MTTF)は、ETFEフィルムに係る最大出力(Pm)が15%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値を、ガラス板に係る最大出力(Pm)が15%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値で除することで得た。
【0039】
また、ガラス板に係る最大出力(Pm)が20%低下する平均故障時間(MTTF)を、基準値である1とした。FEPフィルムに係る最大出力(Pm)が20%低下する平均故障時間(MTTF)は、FEPフィルムに係る最大出力(Pm)が20%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値を、ガラス板に係る最大出力(Pm)が20%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値で除することで得た。ETFEフィルムに係る最大出力(Pm)が20%低下する平均故障時間(MTTF)は、ETFEフィルムに係る最大出力(Pm)が20%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値を、ガラス板に係る最大出力(Pm)が20%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値で除することで得た。
【0040】
また、ガラス板に係る最大出力(Pm)が30%低下する平均故障時間(MTTF)を、基準値である1とした。FEPフィルムに係る最大出力(Pm)が30%低下する平均故障時間(MTTF)は、FEPフィルムに係る最大出力(Pm)が30%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値を、ガラス板に係る最大出力(Pm)が30%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値で除することで得た。ETFEフィルムに係る最大出力(Pm)が30%低下する平均故障時間(MTTF)は、ETFEフィルムに係る最大出力(Pm)が30%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値を、ガラス板に係る最大出力(Pm)が30%低下する平均故障時間(MTTF)の実測値で除することで得た。
【0041】
図3(b)で示されるように、厚さが3.2mmのガラス板の水蒸気透過率(WVTR)は、0g/m/dayであった。厚さが0.1mmのFEPフィルムの水蒸気透過率(WVTR)は、0.9g/m/dayであった。厚さが0.1mmのETFEフィルムの水蒸気透過率(WVTR)は、4.9g/m/dayであった。
【0042】
また、図3(b)で示されるように、表面保護層1にFEPフィルムを用いた場合には、最大出力(Pm)が10%低下する平均故障時間(MTTF)は、1.09であり、最大出力(Pm)が15%低下する平均故障時間(MTTF)は、1.71であり、最大出力(Pm)が20%低下する平均故障時間(MTTF)は、1.89であり、最大出力(Pm)が30%低下する平均故障時間(MTTF)は、3.35であった。表面保護層1にFTFEフィルムを用いた場合には、最大出力(Pm)が10%低下する平均故障時間(MTTF)は、0.81であり、最大出力(Pm)が15%低下する平均故障時間(MTTF)は、2.62であり、最大出力(Pm)が20%低下する平均故障時間(MTTF)は、3.39であり、最大出力(Pm)が30%低下する平均故障時間(MTTF)は、4.78であった。
【0043】
このため、例えば、水蒸気透過率(WVTR)が0.9g/m/dayであるFEPフィルムを表面保護層1に用いた場合には、水蒸気透過率(WVTR)が0g/m/dayであるガラス板を表面保護層1に用いた場合と比較して、最大出力(Pm)の低下に要する平均故障時間(MTTF)が大幅に長くなることが確認された。また、水蒸気透過率(WVTR)が4.9g/m/dayであるETFEフィルムを表面保護層1に用いた場合には、水蒸気透過率(WVTR)が0.9g/m/dayであるFEPフィルムを表面保護層1に用いた場合と比較して、最大出力(Pm)が15%以上低下する平均故障時間(MTTF)がさらに長くなることが確認された。
【0044】
上記の測定結果の具体例および参考例より、表面保護層1の素材が耐候性を有するFEPおよびETFEなどの樹脂であれば、表面保護層1の素材が湿気を通さないガラスである場合と比較して、太陽電池素子31が劣化しにくいことが分かった。ここでは、表面保護層1の素材が耐候性を有するFEPおよびETFEなどの樹脂であれば、表面保護層1が透湿防水性を有するため、充填材4で発生する遊離酸が表面保護層1を介して外部空間200に放散されることで太陽電池素子31の電極および接合部分が腐食されにくく、太陽電池素子31の長期信頼性が向上したものと推察された。
【0045】
<1-3.太陽電池モジュールの製造>
太陽電池モジュール100の製造方法の一例について、図4(a)から図4(c)に基づいて説明する。
【0046】
まず、表面保護層1を準備する。ここでは、例えば、表面保護層1として、長方形状の表裏面と耐候性とを有する樹脂製のフィルムを準備する。耐候性を有する樹脂として、例えば、フッ素系の樹脂が採用される。フッ素系の樹脂としては、例えば、FEP、ETFEまたはECTFEなどが採用される。ここで、例えば、表面保護層1の片面である第2面1sにコロナ処理またはプラズマ処理などの表面を活性化させるための処理を施す。これにより、後述するラミネート処理において表面保護層1と充填材4との間における密着性が向上し得る。
【0047】
次に、例えば、図4(b)および図4(c)で示されるように、表面保護層1、第1シート41s、太陽電池部3、第2シート42sおよび裏面保護層2をこの記載順に積層することで、積層体10sを形成する。このとき、太陽電池部3から太陽電池パネル10の外部に引き出されて端子ボックスなどに接続させるための配線が適宜配置される。ここでは、第1シート41sは、例えば、第1充填材41の素になる樹脂(EVAなど)製のシートである。第2シート42sは、例えば、第2充填材42の素になる樹脂(EVAなど)のシートである。
【0048】
次に、例えば、積層体10sを対象としたラミネート処理を行う。ここでは、例えば、ラミネート装置(ラミネータ)を用いて、積層体10sを一体化させる。例えば、ラミネータでは、チャンバー内のヒーター盤上に積層体10sを載置し、チャンバー内を50パスカル(Pa)から150Pa程度まで減圧させつつ、積層体10sを摂氏100度(100℃)から摂氏200度(200℃)程度まで加熱する。このとき、第1シート41sおよび第2シート42sが加熱によってある程度流動可能な状態となる。この状態で、チャンバー内において、積層体10sを、ダイヤフラムシートなどで押圧することで、積層体10sを一体化させる。これにより、図1(a)および図1(b)で示されたような太陽電池パネル10を形成することができる。
【0049】
その後、例えば、太陽電池パネル10が、板状部材の表面上に接着剤などで固定され、この板状部材の裏面上に接着剤などで端子ボックス5などが取り付けられてもよい。また、例えば、太陽電池パネル10に、端子ボックス5およびアルミニウム製のフレームなどが適宜取り付けられてもよい。このとき、例えば、太陽電池部3から太陽電池パネル10の外部に引き出された配線が、端子ボックス内の端子に適宜接続される。また、例えば、太陽電池パネル10の側面に沿ってアルミニウム製のフレームが取り付けられる。このとき、例えば、太陽電池パネル10の側面とフレームとの間にブチル系の樹脂などの透湿度が低い封止材が充填されてもよい。これにより、太陽電池モジュール100が形成され得る。ここで、太陽電池モジュール100は、例えば、フレームを有していなくてもよいし、端子ボックスを有していなくてもよい。換言すれば、太陽電池モジュール100は、少なくとも太陽電池パネル10を有する。
【0050】
<1-4.第1実施形態のまとめ>
第1実施形態に係る太陽電池モジュール100では、例えば、表面保護層1の素材が耐候性を有する樹脂である。このような構成が採用されれば、例えば、表面保護層1が透湿防水性を有する。このため、例えば、仮に充填材4が熱分解および加水分解などによって酢酸などの遊離酸を発生させても、充填材4で発生する遊離酸が、表面保護層1を介して外部空間200に放散され得る。これにより、例えば、太陽電池素子31における電極および接合部分が遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0051】
<2.他の実施形態>
本開示は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更および改良などが可能である。
【0052】
<2-1.第2実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、図5で示されるように、表面保護層1の第1面1f上の一部に保護膜50Aが位置していてもよい。換言すれば、太陽電池モジュール100は、例えば、保護膜50Aを有していてもよい。この保護膜50Aは、例えば、第1面1fを保護することができる。これにより、例えば、樹脂製の表面保護層1の第1面1fに引っ掻き傷などが生じにくくなる。保護膜50Aの素材には、例えば、酸化シリコンおよび窒化シリコンなどの無機材料が適用される。これらの無機材料は、例えば、耐候性を有する。保護膜50Aは、例えば、厚さ方向において貫通している状態にある貫通孔51Aを有する。これにより、例えば、保護膜50Aが存在していても、充填材4で発生する遊離酸が表面保護層1および保護膜50Aの貫通孔51Aなどを介して外部空間200に放散され得る。したがって、例えば、表面保護層1の第1面1fが保護膜50Aで保護されながら、充填材4から発生する遊離酸が、表面保護層1を介して外部空間200に放散され得る。このため、例えば、表面保護層1の第1面1fの少なくとも一部が、太陽電池モジュール100の外部空間200に対して露出している状態にあれば、充填材4から発生する遊離酸が、表面保護層1を介して外部空間200に放散され得る。これにより、例えば、太陽電池素子31における電極および接合部分が遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0053】
保護膜50Aは、例えば、スパッタリング法もしくは化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)などの乾式の成膜法あるいは塗布法などの湿式の成膜法によって形成され得る。例えば、乾式の成膜法で厚さが非常に薄い保護膜50Aを形成する場合には、多数の貫通孔51Aを有する保護膜50Aが形成され得る。また、例えば、乾式の成膜法で保護膜50Aが形成される場合には、メッシュ状のマスクなどが用いられることで、所望の形状および数の貫通孔51Aを有する保護膜50Aが形成され得る。また、例えば、表面保護層1の第1面1f上に、無機材料を溶剤に溶解させた液(塗布液ともいう)がメッシュ状のマスクを介して塗布された後に、塗布液が乾燥させられることで、所望の形状および数の貫通孔51Aを有する保護膜50Aが形成され得る。
【0054】
<2-2.第3実施形態>
上記1実施形態および上記第2実施形態において、例えば、図6(a)から図7(b)で示されるように、太陽電池部3が、薄膜系半導体と透明電極とをそれぞれ含む複数の薄膜系の太陽電池素子31Bを有する太陽電池部3Bに変更されてもよい。薄膜系半導体は、例えば、シリコン系、化合物系またはその他のタイプの半導体を含む。シリコン系の薄膜系半導体には、例えば、アモルファスシリコンまたは薄膜多結晶シリコンなどを用いた半導体が適用される。化合物系の薄膜系半導体には、例えば、CIS半導体またはCIGS半導体などのカルコパイライト構造を有する化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などの化合物半導体、ケステライト構造を有する化合物半導体、あるいはカドミウムテルル(CdTe)半導体が適用される。CIS半導体は、銅(Cu)、インジウム(In)およびセレン(Se)を含む化合物半導体である。CIGS半導体は、Cu、In、ガリウム(Ga)およびSeを含む化合物半導体である。ここでは、基板6上に複数の薄膜系の太陽電池素子31Bが位置している例を挙げて説明する。
【0055】
図6(a)から図7(b)で示されるように、太陽電池部3Bは、基板6と、この基板6上に平面的に並んでいる状態にある複数の太陽電池素子31Bと、を有する。ここで、平面的に並ぶとは、仮想あるいは実際の平面に沿って、複数の太陽電池素子31Bのそれぞれが位置しているとともに、複数の太陽電池素子31Bが並んでいることを意味する。図7(a)および図7(b)の例では、複数の太陽電池素子31Bは、基板6上において基板6の表面に沿って並んでいる状態にある。基板6には、例えば、0.5mmから2mm程度の厚さを有する透明なガラス基板などが適用される。ここで、例えば、太陽電池部3Bに、N個(Nは2以上の自然数)の太陽電池素子31Bが含まれる場合を想定する。この場合、例えば、N個の太陽電池素子31Bが電気的に直列に接続されれば、数値Nが大きい程、太陽電池部3Bの出力電圧が大きくなり得る。図7(a)および図7(b)には、+Y方向に沿って複数個(ここでは7個)の太陽電池素子31Bが並んでいる例が示されている。ここでは、例えば、太陽電池素子31Bのそれぞれが、+X方向に沿った長手方向を有する細長い形状を有する。この場合、例えば、太陽電池素子31Bの+Y方向における幅が数ミリメートル(mm)から1センチメートル(cm)程度であれば、太陽電池部3Bには数十個から数百個の太陽電池素子31Bが並び得る。
【0056】
複数の太陽電池素子31Bのそれぞれは、例えば、図7(b)で示されるように、第1電極層8aと、半導体層8bと、第2電極層8cと、を有する。また、太陽電池部3Bには、例えば、図7(b)で示されるように、隣り合う太陽電池素子31Bの間に、接続部9および透明部7が存在している。ここでは、例えば、第2電極層8cが、半導体層8bよりも特定範囲の波長の光に対する透光性が高い層(透光性電極層ともいう)であれば、各太陽電池素子31Bにおいて、入射光が第2電極層8cを透過し得る。これにより、例えば、表面保護層1を透過した入射光が、第2電極層8cを透過して半導体層8bに照射され得る。このとき、例えば、入射光が半導体層8bで吸収され得る。ここで、例えば、裏面保護層2が表面保護層1と同様に透光性を有する素材で構成されている場合には、第1電極層8aが、半導体層8bよりも特定範囲の波長の光に対する透光性が高い層(透光性電極層)であれば、裏面保護層2を透過した入射光が、第1電極層8aを透過して半導体層8bに照射され得る。
【0057】
第1電極層8aは、例えば、基板6のうちの+Z方向を向いた面上に位置している。第1電極層8aは、例えば、半導体層8bにおける光の照射に応じた光電変換で生じた電荷を集めることができる電極(第1の電極ともいう)である。第1電極層8aの素材に、例えば、特定範囲の波長の光に対して透光性を有する透明導電性酸化物(TCO:Transparent Conductive Oxide)などが適用されれば、特定範囲の波長の光が裏面保護層2と第1電極層8aとを透過して半導体層8bに入射され得る。TCOには、例えば、酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO:Fluorine-doped tin oxide)または酸化亜鉛(ZnO)などが含まれる。TCOとして酸化亜鉛を使用する場合には、TCOは、必要に応じてアルミニウム(Al)、ホウ素(B)またはガリウム(Ga)を含んでいてもよい。図7(b)の例では、表面保護層1の上に、7つの第1電極層8aが、+Y方向に沿って平面的に並んでいる状態にある。ここで、第mの太陽電池素子31Bm(mは1から6の自然数)の第1電極層8aと、第(m+1)の太陽電池素子31B(m+1)の第1電極層8aが第mの太陽電池素子31Bmに向けて延出している部分とが、間隙(第1間隙ともいう)G1を挟んで並んでいる状態にある。例えば、第1の太陽電池素子31B1の第1電極層8aと、第2の太陽電池素子31B2のうちの第1電極層8aが第1の太陽電池素子31B1に向けて延出している部分とが、第1間隙G1を挟んで並んでいる。各第1間隙G1は、+X方向に沿った長手方向を有する。ここでは、各第1間隙G1において、基板6の表面を底面とする第1溝部P1が存在している。
【0058】
半導体層8bは、第1電極層8aと第2電極層8cとの間に位置している。ここでは、第mの太陽電池素子31Bmの半導体層8bは、+Y方向における隣の第(m+1)の太陽電池素子31B(m+1)の第1電極層8aが-Y方向に向けて延出している部分の端部上に至るまで延びるように位置している。例えば、第1の太陽電池素子31B1の半導体層8bは、隣の第2の太陽電池素子31B2の第1電極層8aが-Y方向に向けて延出している部分の端部上に至るまで延びるように位置している。半導体層8bは、例えば、上述した薄膜系半導体によって構成されている。
【0059】
第2電極層8cは、半導体層8bの上に位置している。第2電極層8cは、半導体層8bにおける光の照射に応じた光電変換で生じた電荷を集めることができる電極(第2の電極ともいう)である。第2電極層8cの素材には、例えば、第1電極層8aの素材と同様に、特定範囲の波長の光に対して透光性を有する透明導電性酸化物(TCO)などが採用され得る。図7(b)の例では、7つの第2電極層8cが、+Y方向に沿って平面的に並んでいる状態にある。ここでは、第mの太陽電池素子31Bmの第2電極層8cが第(m+1)の太陽電池素子31B(m+1)に向けて延出している部分と、第(m+1)の太陽電池素子31B(m+1)の第2電極層8cとが、間隙(第2間隙ともいう)G2を挟んで並んでいる状態にある。例えば、第1の太陽電池素子31B1の第2電極層8cが+Y方向に向けて延出している部分と、第2の太陽電池素子31B2の第2電極層8cとが、間隙(第2間隙)G2を挟んで並んでいる状態にある。各第2間隙G2は、+X方向に沿った長手方向を有する。ここでは、各第2間隙G2において、第1電極層8aを底面とする第3溝部P3が存在している。また、ここでは、例えば、+Y方向において隣り合う第mの太陽電池素子31Bmと第(m+1)の太陽電池素子31B(m+1)との間において、第2間隙G2は、第1間隙G1よりも+Y方向にずれた位置に存在している。このため、例えば、+Y方向において隣り合う第mの太陽電池素子31Bmと第(m+1)の太陽電池素子31B(m+1)との間のセル間領域31gaは、第1間隙G1の-Y方向の縁部から第2間隙G2の+Y方向の縁部まで位置している。
【0060】
接続部9は、複数の太陽電池素子31Bのうちの隣り合う2つの太陽電池素子31Bを電気的に直列に接続している状態にある。図7(b)の例では、第mの接続部9mは、半導体層8bと透明部7との間を貫通するように位置している。この第mの接続部9mは、第mの太陽電池素子31Bmと第(m+1)の太陽電池素子31(m+1)とを電気的に接続している状態にある。例えば、第1の接続部91が、第1の太陽電池素子31B1と第2の太陽電池素子31B2とを電気的に接続している状態にある。より具体的には、第mの接続部9mは、第mの太陽電池素子31Bmの第2電極層8cと第(m+1)の太陽電池素子31B(m+1)の第1電極層8aとを電気的に接続している状態にある。例えば、第1の接続部91は、第1の太陽電池素子31B1の第2電極層8cと第2の太陽電池素子31B2の第1電極層8aとを電気的に接続している状態にある。これにより、複数の太陽電池素子31Bが電気的に直列に接続されている状態にある。また、接続部9は、半導体層8bの+Y方向を向いた端面と透明部7の-Y方向を向いた端面とを両側面とし、第1電極層8aの-Z方向を向いた面を底面とする第2溝部P2内に存在している。各第2溝部P2は、+X方向に沿った長手方向を有する。そして、この第2溝部P2に接続部9が充填された状態にある。
【0061】
透明部7は、半導体層8bよりも特定範囲の波長の光に対する透光性が高い。透明部7は、例えば、ペロブスカイト構造を有する半導体層の一部が局所的に加熱されることで、形成され得る。ここでは、第mの透明部7mは、第mの太陽電池素子31Bmの第mの接続部9mと第(m+1)の太陽電池素子31B(m+1)との間に位置している。例えば、第1の透明部71は、第1の太陽電池素子31B1の第1の接続部91と第2の太陽電池素子31B2との間に位置している。図7(b)の例では、第mの透明部7mは、第mの太陽電池素子31Bmの第mの接続部9mと、第mの太陽電池素子31Bmと第(m+1)の太陽電池素子31B(m+1)との間に存在している第3溝部P3と、の間に位置している。例えば、第1の透明部71は、第1の太陽電池素子31B1の第1の接続部91と、第1の太陽電池素子31B1と第2の太陽電池素子31B2との間に存在している第3溝部P3と、の間に位置している。透明部7は、例えば、透明でない半導体層で構成されていてもよい。
【0062】
第1の太陽電池素子31B1では、第1電極層8aが、半導体層8bおよび第2電極層8cよりも、-Y方向に延出している部分(第1延出部とも言う)8aeを有する。第7の太陽電池素子31B7では、半導体層8bおよび第2電極層8cは、第1電極層8aよりも+Y方向に延出しており、第2電極層8cが、半導体層8bよりも、+Y方向に延出している部分(第2延出部とも言う)8ceを有する。第1延出部8ae上には、第1の極性の出力用の配線材(第1出力用配線材ともいう)32aが電気的に接続されている状態にある。ここでは、第1出力用配線材32aは、例えば、第1の太陽電池素子31B1の電極の一部である第1延出部8aeに接合された状態にある。具体的には、例えば、第1出力用配線材32aと第1延出部8aeとの間に位置しており、第1出力用配線材32aと第1延出部8aeとを接合している状態にある部分(第3接合部分ともいう)321Bが存在している。図7(a)の例では、第1の太陽電池素子31B1の-Y方向に位置する端辺に沿って、第1出力用配線材32aが位置している。第2延出部8ce上には、第2の極性の出力用の配線材(第2出力用配線材ともいう)32bが電気的に接続されている状態にある。ここでは、第2出力用配線材32bは、例えば、第7の太陽電池素子31B7の電極の一部である第2延出部8ceに接合された状態にある。具体的には、例えば、第2出力用配線材32bと第2延出部8ceとの間に位置しており、第2出力用配線材32bと第2延出部8ceとを接合している状態にある部分(第4接合部分ともいう)322Bが存在している。図7(a)の例では、第7の太陽電池素子31B7の+Y方向に位置する端辺に沿って、第2出力用配線材32bが位置している。
【0063】
第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bには、例えば、線状あるいは帯状の導電性を有する金属体がそれぞれ適用される。第3接合部分321Bおよび第4接合部分322Bの素材には、例えば、半田(はんだ)などの低融点の合金または低融点の単体の金属などが適用される。より具体的には、例えば、0.1mmから0.2mm程度の厚さと1mmから2mm程度の幅とを有する銅箔が第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bにそれぞれ適用され、これらの第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bの全面に半田が被覆された状態にある。第1出力用配線材32aは、例えば、半田付けによって、第1延出部8aeに電気的に接続されている状態にある。また、第2出力用配線材32bは、例えば、半田付けによって、第2延出部8ceに電気的に接続されている状態にある。この場合には、例えば、第1出力用配線材32aと第1延出部8aeとの間に位置している半田が第3接合部分321Bを構成している状態にある。また、例えば、第2出力用配線材32bと第2延出部8ceとの間に位置している半田が第4接合部分322Bを構成している状態にある。以下では、第3接合部分321Bおよび4接合部分322Bも、適宜「接合部分」と略称する。また、ここで、例えば、第1の極性が負極であれば、第2の極性が正極となる。例えば、第1の極性が正極であれば、第2の極性が負極となる。そして、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bのそれぞれは、例えば、裏面保護層2を貫通する貫通孔などを介して外部に引き出された状態にある。
【0064】
このような構成を有する第3実施形態に係る太陽電池モジュール100においても、充填材4で発生する遊離酸が、表面保護層1を介して外部空間200に放散され得る。これにより、例えば、薄膜系の太陽電池素子31Bにおける第1電極層8a、第2電極層8c、第3接合部分321Bおよび第4接合部分322Bが遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0065】
ここで、充填材4は、例えば、図8で示されるように、第2充填材42を有することなく第1充填材41を有する充填材4Bとされてもよい。この場合には、例えば、充填材4Bは、表面保護層1と、複数の太陽電池素子31Bを含む太陽電池部3Bと、の間において、太陽電池部3Bを覆っている状態にある。このため、充填材4Bは、例えば、表面保護層1と複数の太陽電池素子31Bとの間において、複数の太陽電池素子31Bを覆っている状態にある。
【0066】
ここで、例えば、太陽電池部3Bのうちの基板6が裏面保護層2とされてもよい。
【0067】
<2-3.第4実施形態>
上記第1実施形態または上記第2実施形態において、例えば、図9(a)および図9(b)で示されるように、表面保護層1は、第1面1fから第2面1sにそれぞれ至る複数の微細な貫通孔(微細貫通孔ともいう)1Ctを有する表面保護層1Cに変更されてもよい。微細貫通孔1Ctの径は、例えば、雨粒および霧雨などの水滴の径未満であって水蒸気における水の粒の径以上とされる。ここで、微細貫通孔1Ctの径は、例えば、0.1mmから1mm程度とされる。表面保護層1Cにおける複数の微細貫通孔1Ctは、例えば、耐候性を有する樹脂のシートに対するレーザーを用いた微細加工または打ち抜き加工などによって形成され得る。ここでは、例えば、表面保護層1Cが複数の微細貫通孔1Ctを有することで、表面保護層1Cにおける防水性が低下しにくく、表面保護層1Cにおける透湿性が向上し得る。このため、例えば、仮に充填材4が熱分解および加水分解などによって酢酸などの遊離酸を発生させても、充填材4で発生する遊離酸が表面保護層1Cの複数の微細貫通孔1Ctを介して外部空間200に放散され得る。これにより、例えば、太陽電池素子31における電極および接合部分が遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性を向上させることができる。
【0068】
ここで、表面保護層1Cの素材は、例えば、上記第1実施形態または上記第2実施形態の表面保護1の素材と同様に耐候性を有する樹脂であってもよいし、耐候性を有するその他の素材であってもよい。換言すれば、表面保護層1Cは、例えば、第1面1fから第2面1sにそれぞれ至る複数の微細貫通孔1Ctを有するとともに、耐候性を有していてもよい。このような構成が採用されても、例えば、充填材4から発生する遊離酸が表面保護層1Cの微細貫通孔1Ctを介して外部空間200に放散され得る。これにより、例えば、太陽電池素子31における電極および接合部分の遊離酸による腐食が生じにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。ここで、表面保護層1Cの素材として採用される耐候性を有するその他の素材には、例えば、ガラスなどが適用される。ガラスは、例えば、樹脂よりも低い水蒸気透過率(WVTR)を有する。ガラス製の表面保護層1Cにおける複数の微細貫通孔1Ctは、例えば、ガラスの板に対するレーザーを用いた微細加工などによって形成され得る。また、表面保護層1Cの素材には、例えば、防水透湿性を有する素材であるゴアテックス(登録商標)メンブレンなどが適用されてもよい。ゴアテックス(登録商標)メンブレンには、PTFEを利用した延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)が適用される。このため、微細貫通孔1Ctの径は、例えば、ePTFEの平均孔径である0.2マイクロメートル(μm)程度であってもよい。換言すれば、微細貫通孔1Ctの径は、例えば、0.2μmから1mm程度であってもよい。
【0069】
また、ここで、表面保護層1Cの複数の微細貫通孔1Ctは、例えば、第1出力取出電極311の上方に主に位置していてもよい。この場合には、例えば、複数の微細貫通孔1Ctによって、外部空間200から太陽電池部3の第1出力取出電極311以外の部分に向かう光が表面保護層1Cで乱反射されにくい。これにより、例えば、太陽電池モジュール100における光電変換効率が低下しにくい。また、この場合には、例えば、充填材4のうちの第1出力取出電極311上の領域から遊離酸が表面保護層1Cの微細貫通孔1Ctを介して外部空間200に拡散しやすくなる。その結果、例えば、太陽電池素子31における電極および接合部分の遊離酸による腐食が生じにくくなり、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0070】
<2-4.第5実施形態>
上記第1実施形態、上記第2実施形態および上記第4実施形態において、例えば、図10(a)および図11で示されるように、太陽電池モジュール100が、第1接合部分321を覆うように第1接合部分321と第1充填材41との間に位置している保護部材(第1保護部材ともいう)81Dを有していてもよい。換言すれば、例えば、第1保護部材81Dは、第1充填材41と太陽電池素子31との間に位置している。この第1保護部材81Dは、例えば、第1接合部分321を保護することができる。このため、例えば、仮に充填材4が熱分解および加水分解などによって酢酸などの遊離酸を発生させても、第1保護部材81Dの存在によって、充填材4で発生する遊離酸が、第1接合部分321まで到達しにくくなる。これにより、例えば、第1出力取出電極311と第1配線材32との間の第1接合部分321が遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。具体的には、例えば、第1保護部材81Dは、第1接合部分321を覆うように、第1充填材41と第1配線材32との間の領域から、第1充填材41と第1出力取出電極311との間の領域にかけて位置している。図11の例では、第1配線材32の全面が被覆層34によって被覆されている状態にある。第1配線材32には、例えば、銅箔などの金属製の帯状の金属体などが適用される。被覆層34の素材には、例えば、半田などの低融点の金属が適用される。そして、被覆層34のうち、第1出力取出電極311と第1配線材32とを接合している部分が、第1接合部分321としての役割を有する。また、被覆層34は、第1配線材32と第1充填材41との間に位置している部分を有する。そして、例えば、第1保護部材81Dは、被覆層34および第1出力取出電極311に接触している状態にある。ここで、例えば、第1配線材32と第1充填材41との間に被覆層34が位置していない場合には、第1保護部材81Dが、第1配線材32および第1出力取出電極311に接触している状態にある形態が採用される。
【0071】
ここで、第1保護部材81Dは、例えば、第1素子面31fのうちの第1出力取出電極311および第1集電電極312が形成されていない領域(光吸収領域ともいう)315a上まではみ出ている領域が小さいほど、表面保護層1を介して半導体基板310まで到達する光の量が低下しにくい。これにより、例えば、太陽電池モジュール100における発電効率が低下しにくい。また、ここで、第1保護部材81Dが、例えば、第1出力取出電極311を覆うように位置していれば、第1保護部材81Dは、第1出力取出電極311を保護することができる。この場合には、例えば、第1保護部材81Dの存在によって、充填材4で発生する遊離酸が、第1出力取出電極311まで到達しにくくなる。これにより、例えば、第1出力取出電極311が遊離酸によって腐食されにくくなり、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0072】
また、例えば、図10(b)および図11で示されるように、太陽電池モジュール100が、第2接合部分322を覆うように第2接合部分322と第2充填材42との間に位置している保護部材(第2保護部材ともいう)82Dを有していてもよい。換言すれば、例えば、第2保護部材82Dは、第2充填材42と太陽電池素子31との間に位置している。この第2保護部材82Dは、例えば、第2接合部分322を保護することができる。このため、例えば、仮に充填材4が熱分解および加水分解などによって酢酸などの遊離酸を発生させても、第2保護部材82Dの存在によって、充填材4で発生する遊離酸が、第2接合部分322まで到達しにくくなる。これにより、例えば、第2出力取出電極313と第1配線材32との間の第2接合部分322が遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。具体的には、例えば、第2保護部材82Dは、第2接合部分322を覆うように、第2充填材42と第1配線材32との間の領域から、第2充填材42と第2出力取出電極313との間の領域にかけて位置している。図11の例では、第1配線材32の全面に被覆されている状態にある被覆層34のうち、第2出力取出電極313と第1配線材32とを接合している部分が、第2接合部分322としての役割を有する。また、被覆層34は、第1配線材32と第2充填材42との間に位置している部分を有する。そして、例えば、第2保護部材82Dは、被覆層34および第2出力取出電極313に接触している状態にある。ここで、例えば、第1配線材32と第2充填材42との間に被覆層34が位置していない場合には、第2保護部材82Dが、第1配線材32および第2出力取出電極313に接触している状態にある形態が採用される。
【0073】
ここで、例えば、第2保護部材82Dは、第2出力取出電極313を覆うように位置していれば、第2出力取出電極313を保護することができる。この場合には、例えば、第2保護部材82Dの存在によって、充填材4で発生する遊離酸が、第2出力取出電極313まで到達しにくくなる。これにより、例えば、第2出力取出電極313が遊離酸によって腐食されにくくなり、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0074】
第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dには、例えば、フッ素系のテープが適用される。この場合には、例えば、フッ素系のテープが優れた耐候性を有するため、第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dの耐久性を高めることができる。これにより、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。ここでは、フッ素系のテープは、例えば、フッ素系の樹脂を含む帯状の基材(フッ素系基材ともいう)と、この基材の表面上に位置している接着剤と、を有する。フッ素系基材には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ETFE、ECTFEまたはFEPなどのフッ素系の樹脂のフィルム、あるいはPTFE、ETFE、ECTFEまたはFEPなどを含浸させたフィルムなどが適用される。接着剤には、例えば、アクリル系またはシリコーン系の接着剤などが適用される。また、第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dには、例えば、フッ素系のテープ以外の耐候性を有するテープが適用されてもよい。例えば、フッ素系基材の代わりに、例えば、カプトン(登録商標)などのポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ポリカーボネート、セロハンまたは塩化ビニルなどの素材を用いた基材が用いられてもよい。ここで、例えば、第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dが接着剤を有していれば、太陽電池モジュール100の製造工程において、ラミネート処理用の積層体10sを形成する前に、太陽電池部3の所望の位置に対して、第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dを貼付することができる。これにより、例えば、積層体10sの形成前に太陽電池部3を移動させる際およびラミネート処理の際に、第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dの位置がずれにくい。その結果、例えば、第1接合部分321および第2接合部分322を第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dによってより確実に保護することができる。また、例えば、第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dは、接着剤を有していなくてもよい。この場合には、例えば、太陽電池モジュール100の製造工程において、ラミネート処理用の積層体10sを形成する際に、太陽電池部3の所望の位置に対して、第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dを配置する態様が考えられる。
【0075】
ここで、例えば、第1保護部材81Dは、第1接合部分321のうちの少なくとも一部を覆うように、第1接合部分321と第1充填材41との間に位置していてもよい。この場合でも、例えば、充填材4で発生する遊離酸が、第1接合部分321まで到達しにくくなる。これにより、例えば、第1出力取出電極311と第1配線材32との間の第1接合部分321が遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。また、例えば、第2保護部材82Dは、第2接合部分322のうちの少なくとも一部を覆うように、第2接合部分322と第2充填材42との間に位置していてもよい。この場合でも、例えば、充填材4で発生する遊離酸が、第2接合部分322まで到達しにくくなる。これにより、例えば、太陽電池素子31の第2出力取出電極313と第1配線材32との間の第2接合部分322が遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0076】
ここで、例えば、図12(a)および図12(b)で示されるように、第2保護部材82Dは、第2集電電極314と第2充填材42との間に位置していてもよい。この場合には、第2保護部材82Dは、例えば、第2集電電極314を保護することができる。このため、例えば、仮に充填材4が熱分解および加水分解などによって酢酸などの遊離酸を発生させても、第2保護部材82Dの存在によって、充填材4で発生する遊離酸が、第2集電電極314まで到達しにくくなる。これにより、例えば、第2集電電極314が遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。ここでは、例えば、第2保護部材82Dが、第2集電電極314を覆うように第2集電電極314と第2充填材42との間に位置していれば、第2集電電極314を保護することができる。この場合には、例えば、第2保護部材82Dの存在によって、充填材4で発生する遊離酸が、第2集電電極314までさらに到達しにくくなる。これにより、例えば、第2集電電極314が遊離酸によって腐食されにくくなり、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0077】
ここで、例えば、第1接合部分321および第2接合部分322は、例えば、酸化スズ、酸化鉛、硫化スズおよび硫化鉛のうちの少なくとも1つの材料を含有する表面部34sを有していてもよい。ここでは、例えば、第1配線材32の周囲の被覆層34の外周部分が、酸化スズ、酸化鉛、硫化スズおよび硫化鉛のうちの少なくとも1つの材料を含有する表面部34sである態様が考えられる。この場合には、例えば、第1接合部分321および第2接合部分322が酢酸などの遊離酸および水分などと反応しにくくなる。これにより、例えば、第1接合部分321および第2接合部分322が遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。ここでは、例えば、第1配線材32の周囲に位置している被覆層34の素材が半田である場合には、半田の素材がスズ(Sn)を含有していれば、ラミネート処理用の積層体10sを形成する前に、太陽電池部3を酸素の雰囲気の加熱炉内で加熱することで、被覆層34の表面部34sが酸化スズを含有するものとなり得る。また、例えば、半田の素材が鉛(Pb)を含有していれば、ラミネート処理用の積層体10sを形成する前に、太陽電池部3を酸素の雰囲気の加熱炉内で加熱することで、被覆層34の表面部34sが酸化鉛を含有するものとなり得る。また、例えば、半田の素材がスズ(Sn)を含有していれば、ラミネート処理用の積層体10sを形成する前に、太陽電池部3を硫化水素の雰囲気の加熱炉内で加熱することで、被覆層34の表面部34sが硫化スズを含有するものとなり得る。また、例えば、半田の素材が鉛(Pb)を含有していれば、ラミネート処理用の積層体10sを形成する前に、太陽電池部3を硫化水素の雰囲気の加熱炉内で加熱することで、被覆層34の表面部34sが硫化鉛を含有するものとなり得る。
【0078】
ここで、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1保護部材81Dのうちの表面保護層1に対向している表面が、第1配線材32または被覆層34の表面よりも太陽電池素子31における光吸収領域315aに近い色相の色を有していてもよい。この場合には、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1保護部材81Dの背後に位置している第1配線材32および被覆層34の存在が目立たなくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100が配置されている部分が、外観上、太陽電池モジュール100が配置されているようには見えにくくなる。したがって、例えば、太陽電池モジュール100が配置された部分における意匠性が向上し得る。ここでは、第1保護部材81Dの表面の色は、例えば、第1保護部材81Dの基材そのものの色、または基材上に塗布する顔料などの着色料の色などによって実現され得る。また、ここで、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1保護部材81Dのうちの表面保護層1に対向している表面が、光吸収領域315aと同系色の色を有していれば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1保護部材81Dの背後に位置している第1配線材32および被覆層34の存在がより目立たなくなる。ここで、「同系色」は、例えば、同じ色相を有しており且つ明度または彩度が異なる色、同じ色相を有しており且つ色調(トーン)が違う色、および同一の色調についての色相環で隣り合う色のうちの何れであってもよい。色相環には、例えば、マンセル表色系の色相環(マンセル色相環ともいう)、オストワルト表色系の色相環(オストワルト色相環ともいう)またはPCCS(Practical Color Co-ordinate System)の色相環などが適用される。また、色相環は、例えば、オストワルト色相環およびPCCSの色相環のように24個の色相の色が環状に並べられたものであってもよいし、マンセル色相環のように20個の色相の色が環状に並べられたものであってもよい。そして、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1保護部材81Dのうちの表面保護層1に対向している表面が、光吸収領域315aとほぼ同一の色を有していれば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1保護部材81Dの背後に位置している第1配線材32および被覆層34の存在がさらに目立たなくなる。
【0079】
ここで、例えば、第1配線材32と第1充填材41との間において、第1配線材32を覆うように位置している状態にある被覆層34の表面部34sが、硫化スズおよび硫化鉛のうちの少なくとも1つの素材を含んでいてもよい。ここでは、例えば、硫化スズおよび硫化鉛の色は、黒色である。例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、仮に太陽電池素子31の光吸収領域315aの色が外観上において黒色系であれば、第1配線材32上に第1保護部材81Dが配置されていない部分があっても、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1配線材32の存在が目立たなくなる。また、例えば、裏面保護層2の色が外観上において黒色系であれば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、隣り合う太陽電池素子31の間において、第1配線材32の存在が目立たなくなる。このように、例えば、第1配線材32の存在が目立たなくなれば、太陽電池モジュール100が配置されている部分が、外観上、太陽電池モジュール100が配置されているようには見えにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100が配置された部分における意匠性が向上し得る。また、ここで、例えば、第1配線材32と第1充填材41との間において、被覆層34の表面部34sが、硫化スズを含んでいれば、水に溶けにくい性質を有する硫化スズの存在によって被覆層34の耐久性が向上する。これにより、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、長期間にわたって第1配線材32の存在が目立たなくなり得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール100が配置された部分における意匠性が長期間にわたって向上し得る。
【0080】
<2-5.第6実施形態>
上記第3実施形態において、例えば、図13(a)および図13(b)で示されるように、第3接合部分321Bを覆うように位置している保護部材(第3保護部材ともいう)83Fを設けてもよい。換言すれば、例えば、太陽電池モジュール100が、第3接合部分321Bを覆うように第3接合部分321Bと第1充填材41との間に位置している第3保護部材83Fを有していてもよい。この場合には、例えば、第3保護部材83Fは、第1の太陽電池素子31B1における第1電極層8aの第1延出部8aeと第1充填材41との間に位置している。また、例えば、第4接合部分322Bを覆うように位置している保護部材(第4保護部材ともいう)84Fを設けてもよい。換言すれば、例えば、太陽電池モジュール100が、第4接合部分322Bを覆うように第4接合部分322Bと第1充填材41との間に位置している第4保護部材84Fを有していてもよい。この場合には、例えば、第4保護部材84Fは、第7の太陽電池素子31B7における第2電極層8cの第2延出部8ceと第1充填材41との間に位置している。
【0081】
例えば、第3保護部材83Fは、第3接合部分321Bを覆うように位置していれば、第3接合部分321Bを保護することができる。ここでは、例えば、第3保護部材83Fが、第3接合部分321Bを覆うように、第1充填材41と第1出力用配線材32aとの間の領域から、第1充填材41と第1電極層8aの第1延出部8aeとの間の領域にかけて位置している形態が考えられる。この場合には、例えば、仮に充填材4が熱分解および加水分解などによって酢酸などの遊離酸を発生させても、第3保護部材83Fの存在によって、充填材4で発生する遊離酸が、第3接合部分321Bまで到達しにくくなる。その結果、例えば、第1電極層8aの第1延出部8aeと第1出力用配線材32aとの間の第3接合部分321Bが遊離酸によって腐食されにくくなり、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0082】
また、例えば、第4保護部材84Fは、第4接合部分322Bを覆うように位置していれば、第4接合部分322Bを保護することができる。ここでは、例えば、第4保護部材84Fは、第4接合部分322Bを覆うように、第1充填材41と第2出力用配線材32bとの間の領域から、第1充填材41と第2電極層8cの第2延出部8ceとの間の領域にかけて位置している形態が考えられる。この場合には、例えば、仮に充填材4が熱分解および加水分解などによって酢酸などの遊離酸を発生させても、第4保護部材84Fの存在によって、充填材4で発生する遊離酸が、第4接合部分322Bまで到達しにくくなる。その結果、例えば、第2電極層8cの第2延出部8ceと第2出力用配線材32bとの間の第4接合部分322Bが遊離酸によって腐食されにくくなり、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0083】
ここで、第3保護部材83Fおよび第4保護部材84Fには、例えば、上記第5実施形態に係る第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dと同様な構成を有するものが適用され得る。また、例えば、上記第5実施形態の第1配線材32と同様に、第1出力用配線材32aの全面が上記の被覆層34と同様な被覆層で被覆されていれば、被覆層における第1延出部8aeと第1出力用配線材32aとを接合している部分が、第3接合部分321Bとしての役割を有する。この場合には、例えば、第3保護部材83Fは、第1出力用配線材32aの被覆層および第1延出部8aeに接触している状態にある。ここで、例えば、第1出力用配線材32aと第1充填材41との間に被覆層が位置していない場合には、第3保護部材83Fが、第1出力用配線材32aおよび第1延出部8aeに接触している状態にある形態が採用される。また、例えば、上記第5実施形態の第1配線材32と同様に、第2出力用配線材32bの全面が上記の被覆層34と同様な被覆層で被覆されていれば、被覆層における第2延出部8ceと第2出力用配線材32bとを接合している部分が、第4接合部分322Bとしての役割を有する。この場合には、例えば、第4保護部材84Fは、第2出力用配線材32bの被覆層および第2延出部8ceに接触している状態にある。ここで、例えば、第2出力用配線材32bと第1充填材41との間に被覆層が位置していない場合には、第4保護部材84Fが、第2出力用配線材32bおよび第2延出部8ceに接触している状態にある形態が採用される。
【0084】
ここで、例えば、第3保護部材83Fは、第3接合部分321Bのうちの少なくとも一部を覆うように、第3接合部分321Bと第1充填材41との間に位置していれば、充填材4で発生する遊離酸が、第3接合部分321Bまで到達しにくくなる。これにより、例えば、第1延出部8aeと第1出力用配線材32aとの間の第3接合部分321Bが遊離酸によって腐食されにくくなり、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。また、例えば、第4保護部材84Fは、第4接合部分322Bのうちの少なくとも一部を覆うように、第4接合部分322Bと第1充填材41との間に位置していれば、充填材4で発生する遊離酸が、第4接合部分322Bまで到達しにくくなる。これにより、例えば、第2延出部8ceと第2出力用配線材32bとの間の第4接合部分322Bが遊離酸によって腐食されにくくなり、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。
【0085】
ここで、例えば、第3接合部分321Bおよび第4接合部分322Bは、例えば、上記第5実施形態に係る第1接合部分321および第2接合部分322と同様に、酸化スズ、酸化鉛、硫化スズおよび硫化鉛のうちの少なくとも1つの材料を含有する上記の表面部34sと同様な表面部を有していてもよい。ここでは、例えば、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bのそれぞれの周囲の被覆層の外周部分が、酸化スズ、酸化鉛、硫化スズおよび硫化鉛のうちの少なくとも1つの材料を含有する表面部である態様が考えられる。この場合には、例えば、第3接合部分321Bおよび第4接合部分322Bが酢酸などの遊離酸および水分などと反応しにくくなり、第3接合部分321Bおよび第4接合部分322Bが腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。ここでは、例えば、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bの周囲に位置している被覆層の素材が半田である場合には、半田の素材がスズを含有していれば、ラミネート処理用の積層体を形成する前に、太陽電池部3Bを酸素の雰囲気の加熱炉内で加熱することで、被覆層の表面部が酸化スズを含有するものとなり得る。また、例えば、半田の素材が鉛を含有していれば、ラミネート処理用の積層体を形成する前に、太陽電池部3Bを酸素の雰囲気の加熱炉内で加熱することで、被覆層の表面部が酸化鉛を含有するものとなり得る。また、例えば、半田の素材がスズを含有していれば、ラミネート処理用の積層体を形成する前に、太陽電池部3Bを硫化水素の雰囲気の加熱炉内で加熱することで、被覆層の表面部が硫化スズを含有するものとなり得る。また、例えば、半田の素材が鉛を含有していれば、ラミネート処理用の積層体を形成する前に、太陽電池部3Bを硫化水素の雰囲気の加熱炉内で加熱することで、被覆層の表面部が硫化鉛を含有するものとなり得る。
【0086】
ここで、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第3保護部材83Fの表面保護層1に対向している表面が、第1出力用配線材32aの表面または第1出力用配線材32aを被覆している状態の被覆層の表面よりも太陽電池素子31Bにおける半導体層8bの表面保護層1側の領域(光吸収領域ともいう)に近い色相の色を有していてもよい。また、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第4保護部材84Fの表面保護層1に対向している表面が、第2出力用配線材32bの表面または第2出力用配線材32bを被覆している状態の被覆層の表面よりも太陽電池素子31Bにおける半導体層8bの表面保護層1側の領域(光吸収領域)に近い色相の色を有していてもよい。ここでは、光吸収領域は、例えば、第2電極層8c上に形成された窒化シリコンなどの反射防止膜で構成されていてもよい。ここでは、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bの存在が目立たなくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100が配置されている部分が、外観上、太陽電池モジュール100が配置されているようには見えにくくなる。したがって、例えば、太陽電池モジュール100が配置された部分における意匠性が向上し得る。ここでは、第3保護部材83Fおよび第4保護部材84Fの表面の色は、例えば、第3保護部材83Fおよび第4保護部材84Fの基材そのものの色、または基材上に塗布する顔料などの着色料の色などによって実現され得る。また、ここで、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第3保護部材83Fおよび第4保護部材84Fのうちの表面保護層1に対向している表面が、光吸収領域と同系色の色を有していれば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bの存在がより目立たなくなる。そして、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第3保護部材83Fおよび第4保護部材84Fのうちの表面保護層1に対向している表面が、光吸収領域とほぼ同一の色を有していれば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bの存在がさらに目立たなくなる。
【0087】
ここで、例えば、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bと第1充填材41との間において、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bを覆うように位置している状態にある被覆層の表面部が、硫化スズおよび硫化鉛のうちの少なくとも1つの素材を含んでいてもよい。ここでは、例えば、硫化スズおよび硫化鉛の色は、黒色である。このため、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、仮に太陽電池素子31Bの光吸収領域の色が外観上において黒色系であれば、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32b上に第3保護部材83Fおよび第4保護部材84Fが配置されていない部分があっても、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bの存在が目立たなくなる。また、例えば、裏面保護層2の色が黒色系であれば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、太陽電池部3Bの周囲において第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bの存在が目立たなくなる。このように、例えば、第1出力用配線材32aおよび第2出力用配線材32bの存在が目立たなくなれば、太陽電池モジュール100が配置されている部分が、外観上、太陽電池モジュールが配置されているようには見えにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100が配置された部分における意匠性が向上し得る。
【0088】
また、ここで、例えば、第1出力用配線材32aと第1充填材41との間において、第1出力用配線材32aを覆うように位置している被覆層の表面部が、硫化スズを含んでいれば、水に溶けにくい性質を有する硫化スズの存在によって被覆層の耐久性が向上する。これにより、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、長期間にわたって第1出力用配線材32aの存在が目立たなくなり得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール100が配置された部分における意匠性が長期間にわたって向上し得る。また、ここで、例えば、第2出力用配線材32bと第1充填材41との間において、第2出力用配線材32bを覆うように位置している被覆層の表面部が、硫化スズを含んでいれば、水に溶けにくい性質を有する硫化スズの存在によって被覆層の耐久性が向上する。これにより、例えば、太陽電池モジュール100を表面保護層1側から見た場合に、長期間にわたって第2出力用配線材32bの存在が目立たなくなり得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール100が配置された部分における意匠性が長期間にわたって向上し得る。
【0089】
ここで、太陽電池部3Bは、例えば、図14(a)および図14(b)で示されるように、太陽電池部3Bの上下が逆とされた太陽電池部3Gとされてもよい。この場合には、充填材4は、例えば、図14(a)で示されるように、第1充填材41を有することなく第2充填材42を有する充填材4Gとされてもよい。ここでは、例えば、充填材4Gは、裏面保護層2と、複数の太陽電池素子31Bを含む太陽電池部3Gと、の間において、太陽電池部3Gを覆っている状態にある。このため、充填材4Gは、例えば、裏面保護層2と複数の太陽電池素子31Bとの間において、複数の太陽電池素子31Bを覆っている状態にある。そして、例えば、図14(a)および図14(b)で示されるように、第5保護部材85Gが、各太陽電池素子31Bの第2電極層8cと第2充填材42との間に位置していてもよい。図14(b)の例では、第3保護部材83Fおよび第4保護部材84Fの代わりに、第5保護部材85Gが位置している。具体的には、第5保護部材85Gは、第3接合部分321Bと、第4接合部分322Bと、第2電極層8cと、を覆うように位置している。この場合には、第5保護部材85Gは、例えば、各第2電極層8cを保護することができる。このため、例えば、仮に充填材4Gが熱分解および加水分解などによって酢酸などの遊離酸を発生させても、第5保護部材85Gの存在によって、充填材4で発生する遊離酸が、第2電極層8cまで到達しにくくなる。これにより、例えば、第2電極層8cが遊離酸によって腐食されにくくなる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。第5保護部材85Gには、例えば、上述した第1保護部材81D、第2保護部材82D、第3保護部材83Fおよび第4保護部材84Fと同様な構成を有するものが適用され得る。

【0090】
<3.その他>
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、例えば、表面保護層1の素材に適用されるフッ素系の樹脂として、ECTFEが適用されれば、太陽電池モジュール100における長期信頼性が容易に向上し得る。これは、ECTFEの水蒸気透過率(WVTR)が、FEPの水蒸気透過率(WVTR)とETFEの水蒸気透過率(WVTR)との間にあることが知られており、ECTFEがETFEよりも安価であるためである。
【0091】
上記第4実施形態では、例えば、太陽電池部3の代わりに、上記第3実施形態および上記第6実施形態に係る太陽電池部3B,3Gなどの異なる形態の太陽電池部が適用されてもよい。
【0092】
上記第5実施形態では、例えば、表面保護層1が、ガラス板などの透湿性を有していない部材が適用されても、第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dの存在によって、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。また、例えば、第1保護部材81Dおよび第2保護部材82Dのうちの少なくとも一方の保護部材が存在していてもよい。
【0093】
上記第6実施形態では、例えば、表面保護層1が、ガラス板などの透湿性を有していない部材が適用されても、第3保護部材83Fおよび第4保護部材84Fあるいは第5保護部材85Gの存在によって、太陽電池モジュール100における長期信頼性が向上し得る。また、例えば、第3保護部材83Fおよび第4保護部材84Fのうちの少なくとも一方の保護部材が存在していてもよい。
【0094】
上記各実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0095】
1,1C 表面保護層
1Ct 微細貫通孔
1f 第1面
1s 第2面
2 裏面保護層
3,3B,3G 太陽電池部
4,4B,4G 充填材
10 太陽電池パネル
10b 裏面
10f 前面
31,31B 太陽電池素子
32 第1配線材
32a 第1出力用配線材
32b 第2出力用配線材
33 第2配線材
34 被覆層
34s 表面部
41 第1充填材
42 第2充填材
50A 保護膜
51A 貫通孔
81D 第1保護部材
82D 第2保護部材
83F 第3保護部材
84F 第4保護部材
85G 第5保護部材
100 太陽電池モジュール
200 外部空間
315a 光吸収領域
321 第1接合部分
322 第2接合部分
321B 第3接合部分
322B 第4接合部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14