(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】複数密度の全縫合糸アンカー
(51)【国際特許分類】
A61B 17/56 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
A61B17/56
(21)【出願番号】P 2022030696
(22)【出願日】2022-03-01
(62)【分割の表示】P 2020531749の分割
【原出願日】2018-12-13
【審査請求日】2022-03-29
(32)【優先日】2017-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラー ピーター
(72)【発明者】
【氏名】キーホー トーマス
【審査官】近藤 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特許第7034289(JP,B2)
【文献】特表2015-504314(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0277133(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0127049(US,A1)
【文献】国際公開第2017/136392(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/154099(WO,A2)
【文献】特開2011-025035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全縫合糸アンカーであって、
配置前構成と配置構成との間で移動可能な繊維構築物であって、第一の密度を有する繊維構築物と、
複数のステッチを形成するために前記繊維構築物に織り込まれたモノフィラメントであって、前記第一の密度とは異なる第二の密度を有するモノフィラメントと、
前記繊維構築物の第一の端から前記繊維構築物の第二の端へ延在する中央長手方向軸とを備え、
前記モノフィラメントが前記中央長手方向軸に沿って前記繊維構築物を通過し、
前記各ステッチは、前記繊維構築物の第一の側面から第一の通過位置へ延びる第一の部分と、前記繊維構築物の前記第一の側面と反対側の第二の側面から前記第一の通過位置へ延びる第二の部分と、を含む、全縫合糸アンカー。
【請求項2】
前記モノフィラメントが、少なくとも前記第一の通過位置および第二の通過位置において前記繊維構築物を通過する、請求項1に記載の全縫合糸アンカー。
【請求項3】
前記モノフィラメントの前記第一の部分が、前記第一の通過位置と前記第二の通過位置との間の前記繊維構築物の前記第一の側面の周りに延在し、前記モノフィラメントの前記第二の部分が、前記第一の通過位置と前記第二の通過位置との間の前記繊維構築物の前記第二の側面の周りに延在する、請求項2に記載の全縫合糸アンカー。
【請求項4】
ドライバをさらに備え、前記繊維構築物が前記ドライバに装填される、請求項1に記載の全縫合糸アンカー。
【請求項5】
前記ドライバが、第一のアームおよび第二のアームを有するプロング端を備え、前記繊維構築物が前記第一のアームと前記第二のアームとの間にある、請求項4に記載の全縫合糸アンカー。
【請求項6】
前記繊維構築物の外面に一つまたは複数のバーブをさらに備える、請求項1に記載の全縫合糸アンカー。
【請求項7】
前記繊維構築物が平坦な縫合糸ブレイドである、請求項1に記載の全縫合糸アンカー。
【請求項8】
前記繊維構築物が超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)から成る、請求項1に記載の全縫合糸アンカー。
【請求項9】
前記繊維構築物に織り込まれた第二のモノフィラメントをさらに備え、前記第二のモノフィラメントが、前記第一の密度とは異なる第三の密度を有する、請求項1に記載の全縫合糸アンカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月13日に出願された、「Multi-Density All Suture Anchor」と題する米国仮特許出願第62/598,201号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は一般に、全縫合糸アンカーに関し、さらに特には、可変密度の材料から構成される全縫合糸アンカーに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
現在、軟組織を再び骨に付着させるために使用される全縫合糸アンカー通常、密度が均一である単一材料から構成される。
図1は、従来の全縫合糸アンカー1の実施例を示す。全縫合糸アンカー1は単一材料から成るブレイド2を含み、配置するために通過縫合糸3が織り込まれている。こうした均質の全縫合糸アンカー構造物は、比較的滑らかで柔らかい性質がある。結果として、現在の全縫合糸アンカーは、配置時のアンカーの構造に加え、骨の密度によって制御される膨張に依存している。
【0004】
従来の関節鏡全縫合糸アンカーの多くは、手動で設定または配置される。手動設定されるこれらの全縫合糸アンカーは、ドライバ/インサータ機構を用いて配置した全縫合糸アンカーよりも、硬骨および軟骨から容易に抜けてしまう (ただし、ドライバ/インサータ機構を用いて配置したアンカーが設定後に抜ける場合もある)。
【0005】
そのため、骨の圧縮を発生させ、取付後の干渉固定力を増加させるのに最適な材料から成る縫合糸アンカーが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、骨圧縮を発生させ、取付後の干渉固定力を増加させるのに最適な密度を有する材料から成る全縫合糸アンカーに関する。一態様によれば、全縫合糸アンカーは、配置前構成と配置構成との間を移動可能な繊維構築物を含む。繊維構築物は第一の密度を有する。全縫合糸アンカーはまた、繊維構築物に織り込まれたモノフィラメントを含む。モノフィラメントは、第一の密度とは異なる第二の密度を有する。
【0007】
別の態様によれば、本発明は、全縫合糸アンカーを配置するための方法を含む。方法は、(i)配置前構成と配置構成との間を移動可能な繊維構築物を有する全縫合糸アンカーを提供する工程であって、繊維構築物が第一の密度と、それに織り込まれたモノフィラメントとを含み、モノフィラメントが、第一の密度とは異なる第二の密度を有する、提供する工程と、(ii)全縫合糸アンカーに通過縫合糸を織る工程と、(iii)配置前構成にある全縫合糸アンカーをドライバに装填する工程と、(iv)ドライバを使用して全縫合糸アンカーを骨穴に駆動させる工程と、を含む。繊維構築物(少なくとも配置前構成)を通過して移動できる通過縫合糸とは対照的に、モノフィラメントは、繊維構築物に織り込まれた後、繊維構築物に固定されることが好ましい。
【0008】
縫合糸材料または縫合糸は、その用語が使用され、本明細書に記載されるとき、単一フィラメントまたは多フィラメント縫合糸ならびに縫合糸の機能を実施するのに適した、その他任意の金属製または非金属のフィラメント材料またはワイヤ状材料を含む。この材料は、生体吸収性材料および非吸収性材料の両方を含み得る。
【0009】
縫合糸アンカーが、本明細書で使用される場合、軟質縫合糸アンカーおよび硬質縫合糸アンカーを含むことができる。軟質縫合糸アンカーは、直径が骨穴のサイズよりも大きくなるように変形することにより、事前に形成された骨穴内に保持される縫合材料のフィラメントから形成され、それにより、海綿状骨内および骨皮質下に存在する。一つのこうした縫合糸アンカーは、米国特許第9826971号に開示され、本出願の譲受人に譲渡され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。軟質アンカーは通常、完全に縫合材料で作られているため、それらは「全縫合」アンカーと呼ばれることもあり、一般に繊維状構築物のアンカー本体部分(または、米国特許第9173652号に記載されているように、可撓性のウェブなどの繊維状、編組または織布タイプの構造)および、縫合糸またはフィラメント部分を含む。このような全縫合糸アンカーを挿入/配置するための方法および装置は公知であり、その例は、米国特許第9173652号に開示される。米国特許第8409252号に記述されるように、例えば、「非軟質」、「硬い」または「硬質」縫合糸アンカーは、一般に「硬い」アンカー本体部分(内側部材および外部部材を含んでもよいし、含まなくてもよい)および縫合糸/フィラメント部分を含む。
【0010】
こうした縫合糸アンカーのアンカー本体は、生体適合性および/または生体吸収性材料で形成され得る。これらの材料は、例えば、骨の治癒過程の間、身体によって再吸収されるこうした組成物のものであり得る。内側および外側部材での使用に適した例示的な材料には、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)、ポリ乳酸/β-リン酸三カルシウム(「PLA/ベータ-TCP」)複合材料、超高分子重量ポリエチレン(「UHMWPE」)、およびその他の金属、非金属、高分子材料が含まれるが、これらに限定されない。
【0011】
当然のことながら、以下でより詳細に考察した前述の概念および追加的概念のすべての組み合わせは(そのような概念は互いに矛盾していないとすると)、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。特に、本開示の最後に現れる請求項に記載された主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。また、参照により組み込まれる任意の開示においても現れうる、本明細書において明示的に用いられる用語は、本明細書に開示される特定の概念と最も一致する意味と一致するものを理解されるべきである。
【0012】
本発明のこれらおよびその他の態様は、以下に記述される実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の一つまたは複数の態様は、本明細書の終了時に特許請求の範囲の例として特に指摘され、特定的に特許請求される。本発明の前述およびその他の物体、特徴、および利点は、以下の記述から添付図面と併せて明らかである。
【0014】
【
図1】
図1は、従来技術の全縫合糸アンカーの上面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による、全縫合糸アンカーの概略上面斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の全縫合糸アンカーの拡大上面図の略図である。
【
図4】
図4は、一実施形態による、ドライバに装填された全縫合糸アンカーの概略側面図である。
【
図5】
図5は、代替的な実施形態による、ドライバに装填された全縫合糸アンカーの概略側面斜視図である。
【
図6】
図6は、代替的な実施形態による、ドライバに装填された
図5の全縫合糸アンカーの概略側面図である。
【
図7】
図7は、一実施形態による、骨穴に配置された全縫合糸アンカーの概略側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の態様および特定の特徴、利点、およびその詳細は、添付図面に図示した非限定的な例を参照しながらより完全に説明される。本発明を不必要に不明瞭にしないよう、周知の構造の説明は省略される。しかしながら、本発明の態様を示しつつ、詳細な説明および特定の非限定的な例は、例示のみによって与えられ、限定されるものではないことが理解されるべきである。本発明の主な概念の精神および/または範囲内で、さまざまな置換、修正、追加、および/または配置は、本開示から当業者に明らかであろう。
【0016】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を指しており、
図2は、一実施形態による、全縫合糸アンカー10の概略上面斜視図を示す。図示した実施形態では、全縫合糸アンカー10は、繊維構築物12と、それに織り込まれたモノフィラメント14とを含む。繊維構築物12は、第一の密度を有する、繊維質の、編まれた(例えば、均一または均一でないブレイド)、または織られた織物タイプの構造物であってもよい。
【0017】
図2に図示した実施形態では、繊維構築物12は、一本の平らな縫合糸であり、第一の端16と第二の端18とを有し、その間を延在している。代替的実施形態では、繊維構築物12はまた、管状のブレイドまたは有芯の縫合糸であってもよい(本開示のレビューと併せて、当業者によって理解されるだろう)。繊維構築物12は、
図2に示す配置前構成と、
図7に示す配置構成との間を移動可能である。繊維構築物12は、ポリエチレン(例えば、UHMWPE)といった、任意の従来的縫合糸材料から構成されうる。繊維構築物12は、例えば、幅が1.5mm~2.5mm、厚さが0.350mm~399mm、長さが少なくとも6インチであってよい。一実施形態では、繊維構築物12は、例えば、幅が2mm、厚さが0.37mmである。繊維構築物12はまた、例えば、個体値が26.00LBFを下回らない、30.00LBF以上の平均USPノット引張強度を有してもよい。
【0018】
さらに
図2を参照すると、モノフィラメント14は、第一の密度(すなわち、繊維構築物12の密度)とは異なる(より高いか、またはより低い)第二の密度を有する。一実施形態では、モノフィラメント14は、例えば、USP#2/0の縫合糸であってよく、少なくとも長さは6インチである。モノフィラメント14は、例えば、ナイロンなどの任意の従来の縫合糸材料から構成されうる。モノフィラメント14は、例えば、個体値が3.8LBFを下回らない、4.0LBF以上の平均USPノット引張強度を有してもよい。代替的実施形態では、モノフィラメント14は、密度が複数あるセグメント化された縫合糸(例えば、第二の密度、第三の密度、第四の密度...を同時に有する縫合糸)、または、一本の、対照的な(例えば、第三、第四...)密度を有する一つまたは複数の縫合糸と合わせられた縫合糸であってもよい。モノフィラメント14は、第一の端16から第二の端18まで繊維構築物12に織り込まれている(ただし、両端まで伸縮する必要はなく、両端の間に織り込まれているように存在してもよい)。
図2に示すように、モノフィラメント14は、ニードル20を使用して繊維構築物12に織り込まれうる。
【0019】
一実施形態では、モノフィラメント14にニードル20が通され、ニードル20を使用して、繊維構築物12にモノフィラメント14を通して引き込み、例えば、
図3に示すような「野球の球」のようなステッチを作る。一実施形態では、モノフィラメント14は、例えば、野球の球のステッチ構成を達成できるよう、ホイップステッチ技術を使用して繊維構築物12に織り込まれる。繊維構築物12を張り、連続ループに形成されたモノフィラメント14にニードル20が通される。繊維構築物12がモノフィラメント14のループを通って延在するように、モノフィラメント14のループが繊維構築物12の周囲に配
置される。
【0020】
次に、ニードル20を使用して、中央長手方向y-y軸に沿った繊維構築物12の第一の表面22を穿孔する。中央長手方向y-y軸は、第一の端16から第二の端18へ繊維構築物12を通って延びている。繊維構築物12を通して第二の表面(図示せず)にニードル20を引き出し、モノフィラメント14が繊維構築物12の第一の表面22に沿うように、モノフィラメント14をしっかり引き出す。結果として、
図3に示す通り、第一のステッチ24は繊維構築物12の第一の側面28から第一の中央通過位置30(つまり、中央長手方向y-y軸近くまたはそれに沿った位置)へ延びるモノフィラメント14の第一の部分26と、繊維構築物12の第二の側面34から第一の中央通過位置30へ延びるモノフィラメント14の第二の部分32と、を含む。
【0021】
第一のステッチ24が施された後、モノフィラメント14のループは繊維構築物12の底面(図示せず)から延びる。さらに別のステッチ36を施すため、モノフィラメント14のループを繊維構築物12周りに引き戻す。つまり、繊維構築物12は再度、モノフィラメント14のループを通って引き出されるか、または延在する。その後、ニードル20が、第一の中央通過位置30から離間した、後続する第二の中央通過位置38を通過する。モノフィラメント14をしっかりと引き、第二のステッチ36を固定する。この方法を繰り返して、繊維構築物12の縦方向に沿って所望の数のステッチ36を施し、全縫合糸アンカー10にさらなるテクスチャまたは不規則性を作り出す。繊維構築物12の縦方向に沿って6~8の中央通過位置があり、繊維構築物12の少なくとも6インチは、織り込まれたモノフィラメント14を含むことが好ましい。一実施形態では、繊維構築物12の第一の端16および第二の端18は、モノフィラメント14にステッチされないままである。
【0022】
本発明のその他の実施形態によれば、ステッチのデザインは、
図3に示されるものと同様である必要はない。モノフィラメント14が繊維構築物12にどのように織り込まれていても、モノフィラメント14の一部分の外面がアンカー配置時に骨穴の表面を把持することができるよう、モノフィラメント14のその一部分が繊維構築物12の外面から延在していることが好ましい。さらに、密度が同一または異なる、同一または異なる材料の複数のモノフィラメント14が、骨表面をさらに把持する能力のために、繊維構築物12に織り込まれてもよい。
【0023】
代替的実施形態では、全縫合糸アンカー10は、全縫合糸アンカー10が配置されるときに、骨表面内に不規則性を生成するためのさらなる特徴を備える。例えば、繊維構築物12は、繊維構築物12の外部表面上に剛直で機械的なバーブ(または、本開示のレビューと併せて当業者によって理解されるであろう、その他の類似の突出部)を備えてもよい。その他の例では、モノフィラメント14(または繊維構築物12)は、その縦方向に沿ってさらなるテクスチャまたは剛性を備えてもよく(さらに別の異なる密度の材料から構成されてもよいが、そうでなくてもよい)、それによって、
図5および
図6に示すように、固定のための、より大きな干渉を生成する。
【0024】
ここで
図4~
図6を参照すると、ドライバ40に装填された全縫合糸アンカー10の様々な概略図が示されている。
図4に示すドライバ40は、例えば、任意の標準アンカードライバであってもよい。図示した実施形態では、ドライバ40は、離間した第一のアーム44および第二のアーム46(
図5)を有するプロング端42を有する。配置のために全縫合糸アンカー10を準備するため、
図4~
図6に示されるように、通過縫合糸48が配置前構成の全縫合糸アンカー10に通される。通過縫合糸48の第一の端50は、全縫合糸アンカー10の第一の端16から延び、通過縫合糸48の第二の端52は、全縫合糸アンカー10の第二の端18から延びる。
【0025】
通過縫合糸48が全縫合糸アンカーを通って延在している状態で、全縫合糸アンカー10をドライバ40に装填することができる。全縫合糸アンカー10を装填するため、全縫合糸アンカー10は、プロング端42の第一のアーム44と第二のアーム46との間に配置される。
図4~
図6に示す通り、全縫合糸アンカー10は、第一の端16と第二の端18との間の繊維構築物12の一部分がアーム44、46の間に配置されるように、プロング端42内に配置され、通過縫合糸48の第一の端50と第二の端52がドライバ40の反対側面で延在する。一実施形態では、繊維構築物12の略中央部分54は、アーム44、46の間に配置される。
【0026】
ここで
図7を参照すると、一実施形態による、骨穴56に配置された全縫合糸アンカー10の概略側面断面図が示されている。
図4~
図6に示すように、全縫合糸アンカー10がドライバ40に装填された配置前構成にあり、ドライバ40のプロング端42が骨穴56内に押し込まれる。全縫合糸アンカー10が骨穴56内にあると、ドライバ40を取り外すことができる。通過縫合糸48を張り、全縫合糸アンカー10を配置する。繊維構築物12およびそれに織り込まれたモノフィラメント14の対照的な密度(すなわち、不規則性)により、骨圧縮およびさらなる干渉固定が生成される。結果として、全縫合糸アンカー10は、一つの密度の単一材料(または複数材料)から成る全縫合糸アンカーと比較すると、硬骨および軟骨において、さらなるてこを有する。例えば、全縫合糸アンカー10は、従来の全縫合糸アンカー(均一な密度)と比較して、腰部などの硬骨に、より大きな力を有する。全縫合糸アンカー10を配置すると、通過縫合糸48を使用して、骨穴56に対して所望の位置に軟組織を固定することができる。さらに、全縫合糸アンカー10は、非配置状態の繊維構築物12の厚さと比較して、繊維構築物12の厚さが配置状態においてより厚くなるように、配置されうる。
【0027】
定義および本明細書で使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書、および/または定義された用語の通常の意味を制御するために理解されるべきである。
【0028】
本明細書において様々な発明的実施形態が記述され、例示されてきたが、当業者は、本明細書に記載の機能を実施および/または結果および/または利点の一つ以上を得るためのさまざまな他の手段ならびに/あるいは構造を容易に想起するであろうし、そのような変形および/または変更の各々は、本明細書に記載の発明的実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であり、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、教示が使用される一つ以上の特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載される特定の実施形態に対する多数の同等物を単に通常の実験を用いて認識することができ、または確認することができる。したがって、前述の実施形態は、単に例示的なものとして提示されており、添付した請求項およびその等価物の範囲内で、具体的に記載され、請求される以外のその他の方法で、実施形態を実行できることが理解されよう。本開示の実施形態は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。さらに、こうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、二つ以上のこうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本開示の範囲内に含まれる。
【0029】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「含む(comprise)」(および「含む(comprise
s)」や「含む(comprising)」などのcompriseの任意の形式)、「有する(have)」(および「有する(has)」や「有する(having)」などのhaveの任意の形式)、「含む(include)」(および「含む(includes)」や「含む(including)」などのincludeの任意の形式)、および「包含する(contain)」(および「包含する(contains)」や「包含する(containing)」などのcontainの任意の形式)は、オープンエンドのリンク動詞であることがさらに理解されるだろう。結果として、一つまたは複数のステップまたは要素を「含む(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法または装置。同様に、一つまたは複数の特徴を「含む(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法のステップ、または装置の要素は、それら一つまたは複数の特徴を有するが、それらの一つまたは複数の特徴のみを保持することに限定されない。さらに、特定の方法で構成される装置または構造は、少なくともそのように構成されるが、リストされていない方法で構成することもできる。
【0030】
以下の特許請求の範囲の全ての手段またはステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為および同等物は、もしあれば、具体的に請求される他の特許請求の要素と組み合わせて、機能を実行するための構造、材料または行為を含むことを意図している。本発明の説明は、例示および説明の目的で提示されてきたが、本発明に開示された形態で網羅的または限定されるものではない。多くの修正および変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の一つまたは複数の態様の原理および実際の応用を最もよく説明し、当業者が、考えられる特定の用途に適したさまざまな修正を有するさまざまな実施形態について本発明の一つまたは複数の態様を理解できるように選択および説明された。