(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】フォーカシング方法、電子機器および可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G02B 7/28 20210101AFI20231108BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20231108BHJP
G02B 7/36 20210101ALI20231108BHJP
G03B 13/36 20210101ALI20231108BHJP
【FI】
G02B7/28 N
G02B7/04 E
G02B7/36
G03B13/36
(21)【出願番号】P 2022042771
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2022-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】野田 英希
(72)【発明者】
【氏名】大畑 篤
(72)【発明者】
【氏名】柿本 剛
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0011227(US,A1)
【文献】特開2014-013360(JP,A)
【文献】特開2006-119290(JP,A)
【文献】特開2005-331690(JP,A)
【文献】特開平11-258496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28
G02B 7/04
G02B 7/36
G03B 13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを有する電子機器に適用されるフォーカシング方法において、
前記レンズは、VCMを用いた第1レンズと、前記レンズの光軸方向に固定の焦点可変レンズである第2レンズとを含み、
前記第1レンズは、VCMによって光軸方向に移動し、
前記第2レンズの物体側と撮像側にそれぞれ1つまたは複数の前記第1レンズが設けられており、
前記方法は、
前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップと、
前記複数の所定位置のコントラストピークに対応する目標焦点距離を決定するステップと、
前記第2レンズの焦点を前記目標焦点距離に移動させるように制御するステップとを含むことを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記複数の所定位置は、第1の位置、第2の位置および第3の位置を含み、
前記第1の位置は、前記第2の位置と前記第3の位置との間に位置し、
前記第1の位置の焦点距離は、X1であり、前記第1の位置のコントラスト値は、Y1であり、前記第2の位置の焦点距離は、X2であり、前記第2の位置のコントラスト値は、Y2であり、前記第3の位置の焦点距離は、X3であり、前記第3の位置のコントラスト値は、Y3であり、前記目標焦点距離は、X
peakであり、
前記の前記複数の所定位置のコントラストピークに対応する目標焦点距離を決定するステップは、
Y2=Y3の場合、
【数1】
になるように決定すること、
Y1=Y2の場合、
【数2】
になるように決定すること、
X
peakがX1のNear側にある場合、またはX
peakがX1のFar側にある場合、
【数3】
になるように決定することを含むことを特徴とする。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御する前に、
前記第2レンズの焦点を第1の方向に移動制御することと、
現在のコントラストが低下し続けているか否かを判断することと、
現在のコントラストが低下し続ける場合、前記第2レンズの焦点を前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動制御した後、前記第2の方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行することと、
現在のコントラストが低下し続けていない場合、前記第1の方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行することとをさらに含むことを特徴とする。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御する前に、
前記第2レンズの焦点を往復揺動させるように制御することと、
目標方向を決定し、前記目標方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行することとをさらに含むことを特徴とする。
【請求項5】
レンズを有する電子機器であって、
前記レンズは、VCMを用いた第1レンズと、前記レンズの光軸方向に固定の焦点可変レンズである第2レンズとを含み、
前記第1レンズは、VCMによって光軸方向に移動し、
前記第2レンズの物体側と撮像側にそれぞれ1つまたは複数の前記第1レンズが設けられており、
前記電子機器は、
前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するための第1制御モジュールと、
前記複数の所定位置のコントラストピークに対応する目標焦点距離を決定するための第1決定モジュールと、
前記第2レンズの焦点を前記目標焦点距離に移動させるように制御するための第2制御モジュールとをさらに含むことを特徴とする。
【請求項6】
請求項
5に記載の電子機器であって、
前記複数の所定位置は、第1の位置、第2の位置および第3の位置を含み、
前記第1の位置は、前記第2の位置と前記第3の位置との間に位置し、
前記第1の位置の焦点距離は、X1であり、前記第1の位置のコントラスト値は、Y1であり、前記第2の位置の焦点距離は、X2であり、前記第2の位置のコントラスト値は、Y2であり、前記第3の位置の焦点距離は、X3であり、前記第3の位置のコントラスト値は、Y3であり、前記目標焦点距離は、X
peakであり、
前記第1決定モジュールは、
Y2=Y3の場合、
【数4】
になるように決定し、
Y1=Y2の場合、
【数5】
になるように決定し、
X
peakがX1のNear側にある場合、またはX
peakがX1のFar側にある場合、
【数6】
になるように決定することを特徴とする。
【請求項7】
請求項
5に記載の電子機器であって、
前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御する前に、前記第2レンズの焦点を第1の方向に移動制御するための第3制御モジュールと、
現在のコントラストが低下し続けているか否かを判断し、
現在のコントラストが低下し続ける場合、前記第2レンズの焦点を前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動制御するように前記第3制御モジュールに指示し、その後、前記第2の方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行するように前記第1制御モジュールに指示し、
現在のコントラストが低下し続けていない場合、前記第1の方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行するように前記第1制御モジュールに指示するための第2判断モジュールとをさらに含むことを特徴とする。
【請求項8】
請求項
5に記載の電子機器であって、
前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御する前に、前記第2レンズの焦点を往復揺動させるように制御するための第4制御モジュールと、
目標方向を決定し、前記目標方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行するように前記第1制御モジュールに指示するための第2決定モジュールとをさらに含むことを特徴とする。
【請求項9】
レンズを有する電子機器であって、
前記レンズは、VCMを用いた第1レンズと、前記レンズの光軸方向に固定の焦点可変レンズである第2レンズとを含み、
前記第2レンズの物体側と撮像側にそれぞれ1つまたは複数の前記第1レンズが設けられており、
前記電子機器は、
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なプログラムまたは命令をさらに含み、
前記プログラムまたは命令が前記プロセッサによって実行されると、請求項1~
4のいずれか1項に記載のフォーカシング方法のステップを実現させることを特徴とする。
【請求項10】
プロセッサによって実行されると、請求項1~
4のいずれか1項に記載のフォーカシング方法のステップを実現させるプログラムまたは命令が記憶されていることを特徴とする可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、通信技術分野に係り、特に、フォーカシング方法、電子機器および可読記憶媒体に係る。
【背景技術】
【0002】
現在のオートフォーカスは、大きくコントラストAF(Autofocus)と位相差AFの2パターンがある。コントラストAFは、コントラストのピークを測って合焦位置を決定する方式のため、測距精度が高いこと、そして開放F値の暗いレンズまで測距できるというのが特徴的である。また、原理的にはすべての画素を使って撮像と測距が可能なため、画素補間の必要はなく、画質の低下は原理的にない。位相差AFに関しては、デフォーカス量とズレの方向性がわかるためにレンズを瞬時に駆動できる。このため高速な合焦動作が得られるのが特徴的である。
【0003】
コントラストAFのデメリットとしては、デフォーカス量とボケ方向がわからず、コントラストピークの測定開始時にコントラストが落ちると、駆動方向を反転して、再度ピークを測定する。また、ピークをいったん超えて(オーバーシュート)して、再び戻って合焦ポイントを検出するため、どうしても測距速度が遅くなってしまう。位相差AFのデメリットは、測距精度がコントラストAFに劣ることである。ここで、一般的に、前半を位相差AFで行い、後半の追い込みをコントラストAFで分担する方法がとられる。
【0004】
コントラストAF処理の高速化に関し、従来の技術手段として、コントラストピークがより早く表れるように、露光量を変更させ、変更された被写体光に基づいてコントラス値を算出しピークを補正し、合焦位置を求める。
【0005】
コントラストAFの精度向上に関し、従来の技術手段として、手振れ等の疑似コントラストピークを防ぐためにエッジ成分を演算してこのピークを合焦位置と判断しないようにしている。
【0006】
これらの手法は、ピーク値の算出には有効であるが、最終的なフォーカスレンズの動作は、微小なアクチュエータの駆動が要求されるため、総合的なAFスピードとしてはアクチュエータの応答性と精度が重要となる。
【0007】
現在、駆動方式の主流は、VCMを用いた板バネ方式が多い。この構造は、単純で作りやすいため比較的安価で作成でき、多くのメーカーがこの方式を採用している。摺動部が無いので発塵のリスクが少ないこともメリットの1つであるが、レンズを移動させる際、2枚の板バネのバランスが崩れ、チルトが発生しやすい。また、ギア構成ではバックラッシュも発生し、駆動方向が反転する際に大きな時間ロスとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願の実施例の目的としては、オートフォーカスの高速化問題をどのように達成するかを解決できるフォーカシング方法、電子機器および可読記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術課題を解決するために、本願は、次のように実現される。
第1の態様としては、本願の実施例は、レンズを有する電子機器に適用されるフォーカシング方法を提供する。前記レンズは、VCMを用いた第1レンズと、前記レンズの光軸方向に固定の焦点可変レンズである第2レンズとを含む。前記第2レンズの物体側と撮像側にそれぞれ1つまたは複数の前記第1レンズが設けられている。前記方法は、前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップと、前記複数の所定位置のコントラストピークに対応する目標焦点距離を決定するステップと、前記第2レンズの焦点を前記目標焦点距離に移動させるように制御するステップとを含む。
【0010】
第2の態様としては、本願の実施例は、レンズを有する電子機器を提供する。前記レンズは、VCMを用いた第1レンズと、前記レンズの光軸方向に固定の焦点可変レンズである第2レンズとを含む。前記第2レンズの物体側と撮像側にそれぞれ1つまたは複数の前記第1レンズが設けられている。前記電子機器は、前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するための第1制御モジュールと、前記複数の所定位置のコントラストピークに対応する目標焦点距離を決定するための第1決定モジュールと、前記第2レンズの焦点を前記目標焦点距離に移動させるように制御するための第2制御モジュールとをさらに含む。
【0011】
第3の態様としては、本願の実施例は、レンズを有する電子機器を提供する。前記レンズは、VCMを用いた第1レンズと、前記レンズの光軸方向に固定の焦点可変レンズである第2レンズとを含む。前記第2レンズの物体側と撮像側にそれぞれ1つまたは複数の前記第1レンズが設けられている。前記電子機器は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサで実行可能なプログラムまたは命令をさらに含み、前記プログラムまたは命令が前記プロセッサによって実行されると、第1の態様に記載のフォーカシング方法のステップを実現させる。
【0012】
第4の態様としては、本願の実施例は、プロセッサによって実行されると、第1の態様に記載のフォーカシング方法のステップを実現させるプログラムまたは命令が記憶されている可読記憶媒体を提供する。
【0013】
第5の態様としては、本願の実施例は、プログラムまたは命令を実行して第1の態様に記載の方法を実現させるためのプロセッサと、前記プロセッサに結合される通信インタフェースとを含むチップを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本願の実施例において、コントラストピークとなる合焦位置を検出する移動の際には、VCM(すなわち第1レンズ)のみ、もしくは、VCMと焦点可変レンズ(すなわち第2レンズ)の両方を併用して動作させる。そして合焦位置を計算して、合焦位置のレンズ位置へ向かい再度動き出す時に、焦点可変レンズのみで動作させる。このようにして、VCMを使用していない焦点可変レンズの駆動により、アクチュエータ起因、組立精度起因の応答速度遅延要因や、コントラストピークを何回もオーバーしてしまう現象(オーバーシュート)を最小にし、フォーカス速度を最適化する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本願の実施例におけるレンズの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本願の実施例におけるフォーカシング方法のフローチャートである。
【
図3a】
図3aは、本願の実施例における目標焦点距離の位置を示す図その1である。
【
図3b】
図3bは、本願の実施例における目標焦点距離の位置を示す図その2である。
【
図3c】
図3cは、本願の実施例における目標焦点距離の位置を示す図その3である。
【
図3d】
図3dは、本願の実施例における目標焦点距離の位置を示す図その4である。
【
図4】
図4は、本願の実施例におけるレンズ駆動方向の判断方式を示す図その1である。
【
図5】
図5は、本願の実施例におけるレンズ駆動方向の判断方式を示す図その2である。
【
図6】
図6は、本願の実施例におけるレンズ駆動方向の判断方式を示す図その3である。
【
図7】
図7は、本願の実施例におけるレンズ駆動方向の判断方式を示す図その4である。
【
図8】
図8は、本願の実施例における電子機器の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願の実施例における技術的解決策は、本願の実施例における図面と併せて明確かつ完全に説明される。説明される実施例は、本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではないことが明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をすることなく得られる全ての他の実施例は、全て本願の保護範囲に属する。
【0017】
本願の明細書および特許請求の範囲における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序または前後順序を記述するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために使用される。このように使用されるデータは、ここで図示または説明されるもの以外の順序でも本願の実施例が実施できるように、適切な場合には交換できることや、「第1」、「第2」などで区別される対象は、一般的に同類であり、対象の数が限定されず、例えば、第1対象は、1つであっても、複数であってもよいことを理解されたい。また、明細書および特許請求の範囲における「および/または」は、連結される対象の少なくとも1つを示す。「/」は、一般的にその前後の関連対象が「または」の関係にあることを示す。
【0018】
以下、本願の実施例における技術的解決策は、図面を参照しながら、具体的な実施例およびその応用シーンを通じて詳細に説明される。
【0019】
図1を参照し、本願の実施例における電子機器のレンズの構成が示されている。レンズは、第1レンズ1と、レンズの光軸方向に固定の第2レンズ2を含む。第2レンズ2の物体側と撮像側にそれぞれ1つまたは複数の第1レンズ1が設けられている。たとえば、
図1に示すシーンでは、第2レンズ2の片側に2枚の第1レンズ1が設けられ、他側に1枚の第1レンズ1が設けられている。技術者は、実際の要望に応じて第1レンズ1の数を調整することができる。ここで、第1レンズ1は、VCMを用いたレンズであり、VCMまたはVCMレンズと略称できる。第1レンズ1は、光軸方向、具体的に
図1に示す破線矢印で示す移動方向に往復移動可能である。第2レンズ2は、焦点可変レンズであり、具体的に液体レンズ、膜レンズなどの複数の候補があり、具体的な焦点制御方式として、レンズを光軸方向に移動させずに、電圧を印可することにより焦点の位置を変更させる。
【0020】
図2を参照し、本願の実施例は、
図1に示すレンズを有する電子機器に適用されるフォーカシング方法を提供し、具体的に、第1レンズの焦点、もしくは第1レンズと第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップ201と、複数の所定位置のコントラストピークに対応する目標焦点距離を決定するステップ202と、第2レンズの焦点を目標焦点距離に移動させるように制御するステップ203とを含む。
【0021】
本願の実施例において、まずVCM(すなわち第1レンズ)を用いて動作させるか、VCMと焦点可変レンズ(すなわち第2レンズ)の両方を併用して動作させることにより、複数の所定位置のコントラストピークに対応する目標焦点距離、すなわち合焦位置を算出し、合焦位置が決定されたのち、焦点可変レンズのみで動作させる。このように、VCMを使用していない焦点可変レンズの駆動により、アクチュエータ起因、組立精度起因の応答速度遅延要因や、コントラストピークを何回もオーバーしてしまう現象(オーバーシュート)を最小にし、フォーカス速度を最適化する。
【0022】
なお、複数の所定位置とは、具体的には、複数の焦点距離に対応する焦点位置であり、具体的な目標焦点距離は、この複数の所定位置における焦点距離と、対応するコントラスト値(またはコントラスト評価値)とから算出される。
【0023】
具体的な実施形態において、第2レンズの焦点を目標焦点距離に移動させるように制御した後に、方法において、現在のコントラストが最大値に達したか否かを判断することと、現在のコントラストが最大値に達した場合、前記第2レンズの焦点移動の制御を停止する(すなわち、この際の合焦位置は、コントラストが最大となる位置であり、合焦位置が適切である)ことと、現在のコントラストが最大値に達していない場合、第1レンズの焦点、もしくは第1レンズと第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップ(すなわちステップ201)の実行に戻ることとをさらに含む。
【0024】
本願の実施例において、現在のコントラストが最大値に達したか否かを判断することで、フィードバック調整機構を実現し、合焦位置を適切に確保する。
【0025】
以下、具体的な目標焦点距離決定プロセスを記載する。
【0026】
具体的な実施形態において、複数の所定位置は、第1の位置、第2の位置および第3の位置を含む。すなわち、ステップ201において、レンズの焦点を3点に移動させて、コントラスト評価値が最大となる位置を検出する。ここで、第1の位置は、第2の位置と第3の位置との間に位置する。第1の位置の焦点距離は、X1であり、第1の位置のコントラスト値は、Y1であり、第2の位置の焦点距離は、X2であり、第2の位置のコントラスト値は、Y2であり、第3の位置の焦点距離は、X3であり、第3の位置のコントラスト値は、Y3であり、目標焦点距離は、X
peakである。複数の所定位置のコントラストピークに対応する目標焦点距離を決定することは、以下の4つの方式を含む。
(1)
図3aを参照し、第1の位置X1におけるコントラスト値Y1がコントラストピークである場合、対応する条件式は、Y2=Y3である。この場合、コントラストピークを計算するための補間処理は必要なく、下記の計算式でピーク位置を検出できる。
【数1】
(2)
図3bを参照し、第1の位置X1におけるコントラスト値Y1と第2の位置X2におけるコントラスト値Y2とが同じである場合、対応する条件式は、Y1=Y2である。この場合、コントラストピークを計算するための補間処理は必要なく、下記の計算式でピーク位置を検出できる。
【数2】
(3)
図3cを参照し、コントラストピークが検索後の位置よりNear側にある場合、X
peakがX1のNear側にある。この場合、コントラストピーク位置を検出するために、補間処理を行う必要がある。ここでは、1次近似による補間処理を説明する。まず、(X1,Y1)と(X3,Y3)を通る直線の傾きA1と切片B1を求める。
【数3】
この直線の傾きの符号を逆にして、(X2,Y2)を通る直線の傾きA2と切片B2を求める。
【数4】
そして、この2本の直線の交点のX座標がX
peakとなる。
【数5】
(4)
図3dを参照し、コントラストピークが検索後の位置よりFar側にある場合、X
peakがX1のFar側にある。この場合も(3)のように補間処理が必要となり、その計算式は(3)と同じになるため、ここでは割愛する。
【0027】
上記のようにターゲットのレンズ位置X
peakが検出されたのち、本発明ではターゲットへの移動を
図4のように動作させる。コントラストAFが開始されると、まずはVCMを用いたレンズフォーカスで動作させる。この時、VCMと焦点可変レンズを併用して動作させてもよい。コントラスト情報を逐次解析しながら上記のレンズを駆動させていき、X
peakを検出した後は、焦点可変レンズのみの動作に切り替えて、レンズを逆方向に駆動させる。
【0028】
本実施形態のメリットとして、コントラストAFの動作開始時にXpeakを計算する際、VCMと焦点可変レズで動作させる場合には、通常のVCMのみを使用した動作と比べ、高速にコントラストピークを検出することが可能である。さらに、Xpeakを検出した後に、焦点可変レンズのみで駆動させることにより、合焦判定位置までの動作が高速となる。この要因としては、焦点可変レンズはVCMよりも応答性が優れている点が挙げられる。VCMを用いた機構では通常、板バネやギアなどのメカニカルな部品が存在する。ここでは、バックラッシュや物理的な摩耗、さらに組立誤差による影響で、応答性が悪化する。一般的に焦点可変レンズは、VCMと比べ10倍の応答性の向上が期待できる。さらに、焦点可変レンズはVCMと比べて、精度よく位置決めできることもあり、コントラストピークを越えた後の反転動作で再度オーバーシュートしてしまう現象を改善する。これにより、合焦判定の精度が上がり、AFが高精度化する。また、VCMと焦点可変レンズを併用することにより、消費電力が上がることが懸念されるが、焦点可変レンズはVCMの1/5~1/10程度であり、システム全体としては影響は少ない。さらに、コントラストAF開始時にVCMまたは焦点可変レンズを駆動させる方向を間違えてしまうと、コントラストが低下するため、アクチュエータを反転してコントラストピークを測定することになる。ここで、VCMを動作させていると、応答性やバックラッシュなどの要因で駆動方向反転時に時間を無駄にする。
【0029】
具体的な実施形態において、第1レンズの焦点、もしくは第1レンズと第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御する前に、方法において、第2レンズの焦点を第1の方向に移動制御することと、現在のコントラストが低下し続けているか否かを判断することと、現在のコントラストが低下し続ける場合、第2レンズの焦点を第1の方向とは反対の第2の方向に移動制御した後、第2の方向に沿って、第1レンズの焦点、もしくは第1レンズと第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行することと、現在のコントラストが低下し続けていない場合、第1の方向に沿って、第1レンズの焦点、もしくは第1レンズと第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行することとをさらに含む。
【0030】
具体的に、
図5および
図6のように動作させ、駆動方向が確実に判定するまでは焦点可変レンズを用いてフォーカスを変化させ、その後のコントラストピークへの移動は、
図2に示す方法のプロセスで実施する。
【0031】
本実施形態のメリットとして、コントラストAFの開始時に焦点可変レンズのみを使用する方法を提案し、コントラストAFの初期動作時において、駆動方向の判断間違え時の時間のロスを最小化する効果がある。
【0032】
具体的な実施形態において、第1レンズの焦点、もしくは第1レンズと第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御する前に、方法において、第2レンズの焦点を往復揺動させるように制御することと、目標方向を決定し、目標方向に沿って、第1レンズの焦点、もしくは第1レンズと第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行することとをさらに含む。
【0033】
具体的に、
図7に示すように動作させ、コントラストAF開始時に移動する方向を識別する方法として、焦点可変レンズの焦点位置を高速で前後させて、被写体のコントラストをチェックし、被写体が手前なのか奥なのかを調べるウォブリングという方法があり、具体的に電圧を制御して高速揺動させる。このウォブリング動作時にVCMではなく、応答性のよい焦点可変レンズを使用する。
【0034】
本実施形態のメリットとして、焦点可変レンズをウォブリング動作で使用することで、ピークサーチの方向を素早く決定する。このウォブリング動作では、VCMを使用する際より10倍程速度が改善する。この後、
図2に示す方法のプロセスによるコントラストピークへの移動を実施することでさらに速度が改善される。
【0035】
コントラストAFの開始時に焦点可変レンズのみを使用する方法を提案し、コントラストAFの初期動作時において、駆動方向の判断間違え時の時間のロスを最小化する効果がある。
【0036】
なお、本願の実施例におけるフォーカシング方法は、実行主体が電子機器における仮想デバイスであってもよいし、当該仮想デバイスにおけるフォーカシング方法を実行するための制御モジュールであってもよい。本願の実施例において、仮想デバイスでフォーカシング方法を実行することを例に、本願の実施例における電子機器を説明する。
【0037】
本願の実施例において、レンズを有する電子機器をさらに提供する。前記レンズは、VCMを用いた第1レンズと、前記レンズの光軸方向に固定の焦点可変レンズである第2レンズとを含む。前記第2レンズの物体側と撮像側にそれぞれ1つまたは複数の前記第1レンズが設けられている。前記電子機器は、前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するための第1制御モジュールと、前記複数の所定位置のコントラストピークに対応する目標焦点距離を決定するための第1決定モジュールと、前記第2レンズの焦点を前記目標焦点距離に移動させるように制御するための第2制御モジュールとをさらに含む。
【0038】
具体的な実施形態において、前記電子機器は、前記第2レンズの焦点を前記目標焦点距離に移動させるように制御した後に、現在のコントラストが最大値に達したか否かを判断し、現在のコントラストが最大値に達した場合、前記第2レンズの焦点移動の制御を停止するように前記第2制御モジュールに指示し、現在のコントラストが最大値に達していない場合、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行するように前記第1制御モジュールに指示するための第1判断モジュールをさらに含む。
【0039】
具体的な実施形態において、前記複数の所定位置は、第1の位置、第2の位置および第3の位置を含む。前記第1の位置は、前記第2の位置と前記第3の位置との間に位置する。前記第1の位置の焦点距離は、X1であり、前記第1の位置のコントラスト値は、Y1であり、前記第2の位置の焦点距離は、X2であり、前記第2の位置のコントラスト値は、Y2であり、前記第3の位置の焦点距離は、X3であり、前記第3の位置のコントラスト値は、Y3であり、前記目標焦点距離は、X
peakである。
前記第1決定モジュールは、具体的に、
Y2=Y3の場合、
【数6】
になるように決定し、
Y1=Y2の場合、
【数7】
になるように決定し、
X
peakがX1のNear側にある場合、またはX
peakがX1のFar側にある場合、
【数8】
になるように決定する。
【0040】
具体的な実施形態において、前記電子機器は、前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御する前に、前記第2レンズの焦点を第1の方向に移動制御するための第3制御モジュールと、現在のコントラストが低下し続けているか否かを判断し、現在のコントラストが低下し続ける場合、前記第2レンズの焦点を前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動制御するように前記第3制御モジュールに指示し、その後、前記第2の方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行するように前記第1制御モジュールに指示し、現在のコントラストが低下し続けていない場合、前記第1の方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行するように前記第1制御モジュールに指示するための第2判断モジュールとをさらに含む。
【0041】
具体的な実施形態において、前記電子機器は、前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御する前に、前記第2レンズの焦点を往復揺動させるように制御するための第4制御モジュールと、目標方向を決定し、前記目標方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行するように前記第1制御モジュールに指示するための第2決定モジュールとをさらに含む。
【0042】
上記実施例における仮想モジュールは、装置であってもよいし、端末における部品、集積回路またはチップであってもよい。この装置は、モバイル電子機器であってもよいし、非モバイル電子機器であってもよい。典型的には、モバイル電子機器は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、ハンドヘルド、車載電子機器、ウェアラブルデバイスなどであり、非モバイル電子機器は、パーソナルコンピュータPC(personal computer)、テレビTV(television)、ロッカーまたはセルフマシンなどが挙げられるが、本願の実施例において特に限定されるものではない。
【0043】
本願の実施例における仮想モジュールは、オペレーティングシステムを有する装置であってもよい。このオペレーティングシステムは、アンドロイド(Android)オペレーティングシステムであっても、iosオペレーティングシステムであっても、その他の可能なオペレーティングシステムであってもよいが、本願の実施例において特に限定されるものではない。
【0044】
図8は、本願の実施例を実現する電子機器のハードウェア構成を示す図である。
【0045】
この電子機器800は、無線周波数ユニット801と、ネットワークモジュール802と、音声出力ユニット803と、入力ユニット804と、センサ805と、表示ユニット806と、ユーザ入力ユニット807と、インタフェースユニット808と、メモリ809と、プロセッサ810等の部品を含むが、それらに限られない。
【0046】
当業者には理解されるように、電子機器800は、各部品に電力を供給する電源(例えば、バッテリ)を含んでもよく、電源は、電源管理システムを介してプロセッサ810と論理的に接続される。これにより、充電、放電、消費電力の管理などの機能は、電源管理システムにより実現される。
図8に示す電子機器の構成は、電子機器への限定にならない。電子機器は、図示した部品よりも多くまたは少ない部品を有していてもよいし、一部の部品が組み合わされていてもよいし、異なる部品が配置されていてもよいが、ここでは割愛する。
【0047】
前記プロセッサ810は、前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御することと、前記複数の所定位置のコントラストピークに対応する目標焦点距離を決定することと、前記第2レンズの焦点を前記目標焦点距離に移動させるように制御することとに用いられる。
【0048】
選択可能に、前記プロセッサ810は、さらに、前記の前記第2レンズの焦点を前記目標焦点距離に移動させるように制御した後に、現在のコントラストが最大値に達したか否かを判断することと、現在のコントラストが最大値に達した場合、前記第2レンズの焦点移動の制御を停止することと、現在のコントラストが最大値に達していない場合、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップの実行に戻ることとに用いられる。
【0049】
選択可能に、前記複数の所定位置は、第1の位置、第2の位置および第3の位置を含み、前記第1の位置は、前記第2の位置と前記第3の位置との間に位置し、前記第1の位置の焦点距離は、X1であり、前記第1の位置のコントラスト値は、Y1であり、前記第2の位置の焦点距離は、X2であり、前記第2の位置のコントラスト値は、Y2であり、前記第3の位置の焦点距離は、X3であり、前記第3の位置のコントラスト値は、Y3であり、前記目標焦点距離は、X
peakである。選択可能に、前記プロセッサ810は、さらに、Y2=Y3の場合、
【数9】
になるように決定すること、Y1=Y2の場合、
【数10】
になるように決定すること、X
peakがX1のNear側にある場合、またはX
peakがX1のFar側にある場合、
【数11】
になるように決定することとに用いられる。
【0050】
選択可能に、前記プロセッサ810は、さらに、前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御する前に、前記第2レンズの焦点を第1の方向に移動制御することと、現在のコントラストが低下し続けているか否かを判断することと、現在のコントラストが低下し続ける場合、前記第2レンズの焦点を前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動制御した後、前記第2の方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行することと、現在のコントラストが低下し続けていない場合、前記第1の方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行することとに用いられる。
【0051】
選択可能に、前記プロセッサ810は、さらに、前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御する前に、前記第2レンズの焦点を往復揺動させるように制御することと、目標方向を決定し、前記目標方向に沿って、前記の前記第1レンズの焦点、もしくは前記第1レンズと前記第2レンズの焦点を複数の所定位置に移動させるように制御するステップを実行することとに用いられる。
【0052】
本願の実施例において、入力ユニット804は、グラフィックプロセッサGPU(Graphics Processing Unit)8041およびマイクロフォン8042を含むことができることを理解されたい。グラフィックプロセッサ8041は、ビデオキャプチャーモードまたは画像キャプチャーモードで画像キャプチャー装置(たとえばカメラ)により取得された静止画または映像の画像データを処理する。表示ユニット806は、表示パネル8061を含むことができ、表示パネル8061は、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード等の形態で構成することができる。ユーザ入力ユニット807は、タッチパネル8071および他の入力デバイス8072を含む。タッチパネル8071は、タッチスクリーンとも呼ばれる。タッチパネル8071は、タッチ検出デバイスとタッチコントローラの2つの部分を含むことができる。他の入力デバイス8072は、物理キーボード、音量制御キー、スイッチキー等の機能キー、トラックボール、マウス、操作レバーを含むが、これらに限定されない。メモリ809は、ソフトウェアプログラムおよび各種類のデータの格納に用いられ、アプリケーションプログラムおよびオペレーティングシステムが含まれるが、それらに限られない。プロセッサ810は、オペレーティングシステム、ユーザインタフェース、およびアプリケーションプログラムなどを主に処理するアプリケーションプロセッサと、無線通信を主に処理する変調復調プロセッサとを統合することができる。上述の変調復調プロセッサは、プロセッサ810に統合されていなくてもよいことを理解されたい。
【0053】
また、本願の実施例は、プロセッサによって実行されると、上記フォーカシング方法の実施例の各プロセスを実現させるプログラムまたは命令が記憶されている可読記憶媒体をさらに提供し、同じ技術効果を奏することもできるが、重複を避けるために、ここではその説明を割愛する。
【0054】
ここで、前記プロセッサは、上記実施例に記載の電子機器におけるプロセッサである。前記可読記憶媒体は、コンピュータ可読記憶媒体、例えばコンピュータ読み取り専用メモリROM(Read Only Memory)、ランダムアクセスメモリRAM(Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスク等を含む。
【0055】
本願の実施形態は、さらに、プログラムまたは命令を実行して上記フォーカシング方法の実施例の各プロセスを実現させるためのプロセッサと、前記プロセッサに結合される通信インタフェースとを含むチップを提供し、同じ技術効果を奏することもできるが、重複を避けるために、ここではその説明を割愛する。
【0056】
本願の実施例で言及されるチップは、システムレベルチップ、システムチップ、チップシステム、またはオンチップシステムチップなどと呼ばれてもよいことを理解されたい。
【0057】
本明細書において、用語「含む」、「含有」、またはその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図していることに留意されたい。従って、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含むことができる。あるいは、そのようなプロセス、方法、物品または装置に固有の要素をさらに含むことができる。これ以上の制限がない限り、語句「1つの......を含む」によって限定される要素は、その要素を含むプロセス、方法、物品または装置に他の同じ要素が存在することを排除するものではない。なお、本願の実施形態における方法および装置の範囲は、図示または検討された順序に沿って機能が実行されることに限定されるものではなく、また、関連する機能に応じて、実質的に同時または逆の順序で機能を実行することも可能であり、例えば、記載された方法を記載された順序とは異なる順序で実行することも可能である。さらに、様なステップを追加、省略、または組み合わせてもよい。さらに、いくつかの例を参照して説明した特徴は、他の例において組み合わされてもよい。
【0058】
以上の実施形態の説明から当業者には明らかなように、上述した実施例の方法は、ソフトウェアに必須の汎用ハードウェアプラットフォームを付加して実現することも可能であるし、もちろんハードウェアによって実現することもできるが、前者の方がより好ましい実施形態である場合が多い。このような理解に基づいて、本願の技術的解決手段は、本質的にまたは先行技術に貢献する部分をソフトウェアプロダクトとして具現化することができる。コンピュータソフトウェアプロダクトは、1つの記憶媒体(たとえばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に格納され、本願の各実施例に記載の方法を一台の装置(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、またはネットワークデバイス等)に実行させるためのいくつかの命令を含む。
【0059】
以上、添付図面を参照しながら本願の実施例について詳細に説明したが、本願は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、上記の具体的な実施形態は、単に例示的なものであり、制限性のあるものではない。当業者であれば、本願からヒントを受け、本願の趣旨や特許請求の範囲により保護される範囲を逸脱することなく為した多くの形態は、いずれも本願による保護内に属するものである。