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特許7381641無線通信方法、ネットワークデバイス及び端末デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】無線通信方法、ネットワークデバイス及び端末デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20231108BHJP
   H04W 76/11 20180101ALI20231108BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20231108BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W76/11
H04W72/0453
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022049763
(22)【出願日】2022-03-25
(62)【分割の表示】P 2020513765の分割
【原出願日】2017-09-08
(65)【公開番号】P2022084855
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2022-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ウェンホン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チー
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0045837(US,A1)
【文献】国際公開第2010/124228(WO,A2)
【文献】CMCC,Discussion on RACH configuration and Msg.2 transmission[online],3GPP TSG RAN WG1 #90 R1-1714173,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90/Docs/R1-1714173.zip>,2017年08月12日
【文献】Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,RA procedure on SCell[online], 3GPP TSG-RAN WG2#77 R2-120603,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_77/Docs/R2-120603.zip>,2012年01月30日
【文献】ZTE, ZTE Microelectronics,Search Space Design for NR-PDCCH[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1706 R1-1710107,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1706/Docs/R1-1710107.zip>,2017年06月17日
【文献】MediaTek Inc.,Support Initial Access on Supplementary Uplink[online],3GPP TSG RAN WG2 #99 R2-1708050,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_99/Docs/R2-1708050.zip>,2017年08月11日
【文献】OPPO,Discussion on RACH issue and UE capability for the SUL operation[online],3GPP TSG RAN WG2 #100 R2-1712247,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_100/Docs/R2-1712247.zip>,2017年11月17日,(本願出願日以降に公開された同出願人による文献)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスが、高周波ULキャリア又は補足的上りリンクSULキャリアにおいてネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信し、前記SULキャリアの周波数帯域が前記高周波ULキャリアの周波数帯域よりも低いことと、
前記端末デバイスが、前記ネットワークデバイスが前記ランダムアクセス要求に対して送信したランダムアクセス応答を取得することと、を含み、
前記端末デバイスが、前記ネットワークデバイスが前記ランダムアクセス要求に対して送信したランダムアクセス応答を取得することは、
前記ランダムアクセス応答のためのランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子RA‐RNTIに基づいて前記ランダムアクセス応答を取得することを含み、
前記補足的上りリンクSULキャリアのランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式が前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式にSULキャリアに関連する項目Zを導入したものであり、
前記高周波ULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合、前記RA-RNTIの値の範囲が[ x y ]、y > x > = 0であり、
前記SULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合、前記RA-RNTIの値の範囲が[ x+Z y+Z ]であり、Zは、前記高周波ULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合に用いられる前記RA-RNTIの値の範囲[ x y ]のうちの前記RA-RNTIの任意の値よりも大きい
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項2】
前記端末デバイスが、前記ネットワークデバイスが前記ランダムアクセス要求に対して送信したランダムアクセス応答を取得することは、さらに、
前記端末デバイスが決定した、前記SULキャリアのランダムアクセス応答が占用するリソース及び前記SULキャリアのランダムアクセス応答におけるランダムアクセス要求ソースを示す情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記SULキャリアのランダムアクセス応答を取得することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
【請求項3】
前記SULキャリアのランダム応答メッセージが占用するリソースは、前記SULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信方法。
【請求項4】
前記SULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースが、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースと異なり、
前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が高周波ULキャリア上のランダムアクセス要求に対する応答である
ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信方法。
【請求項5】
送信ユニットと受信ユニットを含む端末デバイスであって、
前記送信ユニットが、高周波ULキャリア又は補足的上りリンクSULキャリアにおいてネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信するように構成され、前記SULキャリアの周波数帯域が前記高周波ULキャリアの周波数帯域よりも低く、
前記受信ユニットが、前記ネットワークデバイスが前記ランダムアクセス要求に対して送信したランダムアクセス応答を取得するように構成され、
前記受信ユニットが、前記ランダムアクセス応答のためのランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子RA‐RNTIに基づいて前記ランダムアクセス応答を取得するように構成され、
前記補足的上りリンクSULキャリアのランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式が前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式にSULキャリアに関連する項目Zを導入したものであり、
前記高周波ULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合、前記RA-RNTIの値の範囲が[ x y ]、y > x > = 0であり、
前記SULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合、前記RA-RNTIの値の範囲が[ x+Z y+Z ]であり、Zは、前記高周波ULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合に用いられる前記RA-RNTIの値の範囲[ x y ]のうちの前記RA-RNTIの任意の値よりも大きい
ことを特徴とする端末デバイス。
【請求項6】
前記受信ユニットが、さらに、
前記端末デバイスが決定した、前記SULキャリアのランダムアクセス応答が占用するリソース及び前記SULキャリアのランダムアクセス応答におけるランダムアクセス要求のソースを示す情報のうちの少なくとも1つに基づいて前記SULキャリアのランダムアクセス応答を取得するように構成される
ことを特徴とする請求項5に記載の端末デバイス。
【請求項7】
前記SULキャリアのランダム応答メッセージが占用するリソースは、前記SULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースを含む
ことを特徴とする請求項6に記載の端末デバイス。
【請求項8】
前記SULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースが、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースと異なり、
前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が高周波ULキャリア上のランダムアクセス要求に対する応答である
ことを特徴とする請求項7に記載の端末デバイス。
【請求項9】
前記SULキャリアのランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれる情報が、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれると異なり、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が高周波ULキャリア上のランダムアクセス要求に対する応答であり、前記ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアを示し、
又は、
前記SULキャリアのランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれ、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれなく、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が高周波ULキャリア上のランダムアクセス要求に対する応答であり、前記ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアが前記SULキャリアであることを示す
ことを特徴とする請求項6に記載の端末デバイス。
【請求項10】
ネットワークデバイスが、端末デバイスにより高周波ULキャリア又は補足的上りリンクSULキャリアにおいて送信されたランダムアクセス要求を送信し、前記SULキャリアの周波数帯域が前記高周波ULキャリアの周波数帯域よりも低いことと、
前記ネットワークデバイスが前記端末デバイスに前記ランダムアクセス要求に対するランダムアクセス応答を送信することと、を含み、
前記ランダムアクセス応答にランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子RA‐RNTIが含まれ、
前記補足的上りリンクSULキャリアのランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式が前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式にSULキャリアに関連する項目Zを導入したものであり、
前記高周波ULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合、前記RA-RNTIの値の範囲が[ x y ]、y > x > = 0であり、
前記SULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合、前記RA-RNTIの値の範囲が[ x+Z y+Z ]であり、Zは、前記高周波ULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合に用いられる前記RA-RNTIの値の範囲[ x y ]のうちの前記RA-RNTIの任意の値よりも大きい
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項11】
前記ネットワークデバイスが、前記端末デバイスに前記ランダムアクセス要求に対するランダムアクセス応答を送信する場合、
前記端末デバイスが、前記SULキャリアのランダムアクセス応答が占用するリソース及び前記SULキャリアのランダムアクセス応答におけるランダムアクセス要求のソースを示す情報のうちの少なくとも1つに基づいて前記SULキャリアのランダムアクセス応答を取得する
ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信方法。
【請求項12】
前記SULキャリアのランダム応答メッセージが占用するリソースは、前記SULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースを含む
ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信方法。
【請求項13】
前記SULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースが、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースと異なり、
前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が高周波ULキャリア上のランダムアクセス要求に対する応答である
ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信方法。
【請求項14】
送信ユニットと受信ユニットを含むネットワークデバイスであって、
前記受信ユニットが、高周波ULキャリア又は補足的上りリンクSULキャリアにおいて端末デバイスからのランダムアクセス要求を受信するように構成され、前記SULキャリアの周波数帯域が前記高周波ULキャリアの周波数帯域よりも低く、
前記送信ユニットが、前記端末デバイスに前記ランダムアクセス要求に対するランダムアクセス応答を送信するように構成され、
前記ランダムアクセス応答にランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子RA‐RNTIが含まれ、
前記補足的上りリンクSULキャリアのランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式が前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式にSULキャリアに関連する項目Zを導入したものであり、
前記高周波ULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合、前記RA-RNTIの値の範囲が[ x y ]、y > x > = 0であり、
前記SULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合、前記RA-RNTIの値の範囲が[ x+Z y+Z ]であり、Zは、前記高周波ULキャリアにおいて前記ネットワークデバイスにランダムアクセス要求を送信する場合に用いられる前記RA-RNTIの値の範囲[ x y ]のうちの前記RA-RNTIの任意の値よりも大きい
ことを特徴とするネットワークデバイス。
【請求項15】
前記送信ユニットが、さらに、
前記端末デバイスにより決定された、前記SULキャリアのランダムアクセス応答が占用するリソース及び前記SULキャリアのランダムアクセス応答におけるランダムアクセス要求のソースを示す情報のうちの少なくとも1つに基づいて前記SULキャリアのランダムアクセス応答を送信するように構成される
ことを特徴とする請求項14に記載のネットワークデバイス。
【請求項16】
前記SULキャリアのランダム応答メッセージが占用するリソースは、前記SULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースを含む
ことを特徴とする請求項15に記載のネットワークデバイス。
【請求項17】
前記SULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースが、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースと異なり、
前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が高周波ULキャリア上のランダムアクセス要求に対する応答である
ことを特徴とする請求項16に記載のネットワークデバイス。
【請求項18】
前記SULキャリアのランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれる情報が、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれると異なり、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が高周波ULキャリア上のランダムアクセス要求に対する応答であり、前記ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアを示し、
又は、
前記SULキャリアのランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれ、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれなく、前記高周波ULキャリアのランダムアクセス応答が高周波ULキャリア上のランダムアクセス要求に対する応答であり、前記ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアが前記SULキャリアであることを示す
ことを特徴とする請求項15に記載のネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信分野に関し、具体的に、無線通信方法、ネットワークデバイス及び端末デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューション( Long Term Evolution、LTE )システムでは、固定された上りリンクキャリアと固定された下りリンクキャリア(上りリンクキャリアおよび下りリンクキャリアは、周波数領域において少なくとも部分的に重複することがある)とを有し、端末デバイスとネットワークとの間で、固定された上りリンクキャリアおよび下りリンクキャリアを用いてそれぞれ上り下り通信を行うことができ、端末は、固定された上りリンクキャリアを用いてランダムアクセスを行うことができる。
【0003】
未来の通信システムでは、通信性能に対する要求が高い。
【0004】
したがって、ランダムアクセスの観点から、いかに通信性能を向上させるかが、解決すべき課題である。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、ランダムアクセスの観点から通信性能を向上させることができる無線通信方法及びデバイスを提供する。
【0006】
第1の態様は、無線通信方法を提供し、
ネットワークデバイスが、端末デバイスが第1の上りリンクキャリアにおいて送信した第1のランダムアクセス要求を受信することと、
第1の上りリンクキャリアに基づいて、ネットワークデバイスが第1のランダムアクセス要求に対して第1のランダムアクセス応答を送信することとを含む。
【0007】
したがって、本願の実施例では、ランダムアクセス要求を送信する上りリンクキャリアに基づいてランダムアクセス応答をフィードバックすることにより、複数の上りリンクキャリアが存在する場合に、ランダムアクセス応答がランダムアクセス要求に対するソースをできるだけ区別することができる。
【0008】
第1の態様と結合し、第1の態様の実現可能な方式において、第1の上りリンクキャリアに基づいて、ネットワークデバイスが第1のランダムアクセス要求に対して第1のランダムアクセス応答を送信することは、
第1の上りリンクキャリアに基づいて、ネットワークデバイスが、
第1のランダムアクセス応答の送信に要するリソース、第1のランダムアクセス応答の送信に要する第1のランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子RA‐RNTI、及び第1のランダムアクセス応答においてランダムアクセス要求ソースを示す情報のうちの少なくとも1つを決定することと、
決定されたものに基づいて、第1のランダムアクセス応答を送信することとを含む。
【0009】
第1の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第1の態様の他の実現可能な方式において、第1のランダム応答メッセージの送信に要するリソースは、第1のランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースを含む。
【0010】
第1の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第1の態様の他の実現可能な方式において、第1のランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースが、第2のランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースと異なり、第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答である。
【0011】
第1の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第1の態様の他の実現可能な方式において、第1のRA-RATIの計算式が第2のRA‐RNTIの計算式と異なり、又は、第1のRA-RATIの計算式の一部のパラメータが第2のRA‐RNTIの計算式の一部のパラメータと異なり、第2のRA‐RNTIが第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する第2のランダムアクセス応答に要するRA‐RNTIである。
【0012】
第1の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第1の態様の他の実現可能な方式において、第1のランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれる情報が、第2のランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれる情報と異なり、第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答であり、ランダムアクセス要求ソースフィールドがランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアを示す。
【0013】
第1の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第1の態様の他の実現可能な方式において、第1のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれ、第2のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれなく、第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答であり、ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアが第1の上りリンクキャリアであることを示す。
【0014】
第1の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第1の態様の他の実現可能な方式において、第1の上りリンクキャリアが第2の上りリンクキャリアの所在の周波数帯域と異なる。
【0015】
第1の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第1の態様の他の実現可能な方式において、方法は、さらに、
ネットワークデバイスが端末デバイスに構成情報を送信することを含み、構成情報が、第1のランダム応答メッセージの送信に要するリソース、第1のランダム応答メッセージの送信に要する第1のランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子の決定方式又は一部のパラメータ、及び第1のランダムアクセス応答に含まれる情報のうちの少なくとも1つを示す。
【0016】
第2の態様は、無線通信方法を提供し、
ネットワークデバイスが複数の上りリンクキャリアの各上りリンクキャリアに対して、ランダムアクセスする時の構成情報をそれぞれ決定することと、
ネットワークデバイスが各上りリンクキャリアに対する構成情報を端末デバイスに送信することとを含む。
【0017】
したがって、ネットワークデバイスは、複数の上りリンクキャリアのそれぞれに対してランダムアクセスを行う際の構成情報を端末デバイスに対して個別に構成することにより、端末デバイスは、ランダムアクセス時に、それぞれの上りリンクキャリアに対応する構成情報を用いてランダムアクセスを行うことができる。
【0018】
第2の態様と結合し、第2の態様の実現可能な方式において、構成情報が、各上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求の送信に使用される時間領域リソース及び/又は周波数領域リソースを含み、
異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセスの送信に使用される時間領域リソース及び/又は周波数領域リソースに対応するRA‐RNTIは、少なくも一部が異なる。
【0019】
第2の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第2の態様の他の実現可能な方式において、異なる上りリンクキャリアに対してそれぞれ確定されたランダムアクセス時の構成情報は、
ランダムアクセス要求が占用する時間周波数リソース及び/又はランダムアクセス要求に含まれるシーケンス、
ランダム応答メッセージを送信するリソース、
ランダム応答メッセージを送信するランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子の決定方式又は一部のパラメータのうちの少なくとも1つが異なる。
第2の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第2の態様の他の実現可能な方式において、ランダム応答メッセージの送信に要するリソースは、ランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースを含む。
【0020】
第2の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第2の態様の他の実現可能な方式において、異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答の制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースが、異なる。
【0021】
第2の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第2の態様の他の実現可能な方式において、異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式が異なり、又は、計算式の一部のパラメータが異なる。
【0022】
第2の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第2の態様の他の実現可能な方式において、構成情報は、各上りリンクキャリアで伝送されるランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースの指示を含む。
【0023】
第2の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第2の態様の他の実現可能な方式において、異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれる情報が異なり、ランダムアクセス要求ソースフィールドがランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアを示す。
【0024】
第2の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第2の態様の他の実現可能な方式において、複数の上りリンクキャリアが第1の上りリンクキャリアと第2の上りリンクキャリアを含み、第1のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれ、第2のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれなく、第1のランダムアクセス応答が、第1の上りリンクキャリアにおいて第1のランダムアクセス要求に対する応答であり、第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答であり、ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアが第1の上りリンクキャリアであることを示す。
【0025】
第2の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第2の態様の他の実現可能な方式において、複数の上りリンクキャリアの所在の周波数帯域がそれぞれ異なる。
【0026】
第3の態様は、無線通信方法を提供し、
端末デバイスが第1の上りリンクキャリアにおいてネットワークデバイスに第1のランダムアクセス要求を送信することと、
第1の上りリンクキャリアに基づいて、端末デバイスが、ネットワークデバイスが第1のランダムアクセス要求に対して送信した第1のランダムアクセス応答を取得することとを含む。
【0027】
第3の態様と結合し、第2の態様の実現可能な方式において、第1の上りリンクキャリアに基づいて、端末デバイスが、ネットワークデバイスが第1のランダムアクセス要求に対して送信した第1のランダムアクセス応答を取得することは、
第1の上りリンクキャリアに基づいて、端末デバイスが、
第1のランダムアクセス応答が占用するリソース、第1のランダムアクセス応答の第1のランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子RA‐RNTI、及び第1のランダムアクセス応答においてランダムアクセス要求ソースを示す情報のうちの少なくとも1つを決定することと、
決定されたものに基づいて、第1のランダムアクセス応答を取得することとを含む。
【0028】
第3の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第3の態様の他の実現可能な方式において、第1のランダム応答メッセージが占用するリソースは、第1のランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースを含む。
【0029】
第3の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第3の態様の他の実現可能な方式において、第1のランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースが、第2のランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースと異なり、第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答である。
【0030】
第3の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第3の態様の他の実現可能な方式において、第1のRA-RATIの計算式が第2のRA‐RNTIの計算式と異なり、又は、第1のRA-RATIの計算式の一部のパラメータが第2のRA‐RNTIの計算式の一部のパラメータと異なり、第2のRA‐RNTIが第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する第2のランダムアクセス応答に要するRA‐RNTIである。
【0031】
第3の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第3の態様の他の実現可能な方式において、第1のランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれる情報が、第2のランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれる情報と異なり、第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答であり、ランダムアクセス要求ソースフィールドがランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアを示す。
【0032】
第3の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第3の態様の他の実現可能な方式において第1のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれ、第2のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれなく、第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答であり、ランダムアクセス要求ソースフィールドがランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアを示す。
【0033】
第3の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第3の態様の他の実現可能な方式において、第1の上りリンクキャリアが第2の上りリンクキャリアの所在の周波数帯域と異なる。
【0034】
第3の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第3の態様の他の実現可能な方式において、方法は、さらに、
端末デバイスがネットワークデバイスからの構成情報を受信することを含み、構成情報は、第1のランダムアクセス応答の送信に占用するリソース、第1のランダムアクセス応答の第1のランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子RA‐RNTIの決定方式又は一部のパラメータ、及び第1のランダムアクセス応答に含まれる情報のうちの少なくとも1つを示す。
【0035】
第4の態様は、無線通信方法を提供し、
端末デバイスが、ネットワークデバイスが複数の上りリンクキャリアの各上りリンクキャリアに対してランダムアクセスする時の構成情報を受信することと、
構成情報に基づいて、複数の上りリンクキャリアの少なくとも一部の上りリンクキャリアにおいてランダムアクセスすることとを含む。
【0036】
第4の態様と結合し、第4の態様の実現可能な方式において、構成情報は、複数の上りリンクキャリアの各上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求の送信に使用される時間領域リソース及び/又は周波数領域リソースを含み、
異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセスの送信に使用される時間領域リソース及び/又は周波数領域リソースに対応するRA‐RNTIは、少なくも一部が異なる。
【0037】
第4の態様と結合し、第4の態様の他の実現可能な方式において、異なる上りリンクキャリアに対してそれぞれ確定されたランダムアクセス時の構成情報は、
ランダムアクセス要求が占用する時間周波数リソース及び/又はランダムアクセス要求に含まれるシーケンス、
ランダム応答メッセージを送信するリソース、
ランダム応答メッセージを送信するランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子の決定方式又は一部のパラメータのうちの少なくとも1つが異なる。
第4の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第4の態様の他の実現可能な方式において、ランダム応答メッセージの送信に要するリソースは、ランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースを含む。
【0038】
第4の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第4の態様の他の実現可能な方式において、異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答の制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースが、異なる。
【0039】
第4の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第4の態様の他の実現可能な方式において、異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式が異なり、又は、計算式の一部のパラメータが異なる。
【0040】
第4の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第4の態様の他の実現可能な方式において、構成情報は、各上りリンクキャリアで伝送されるランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースの指示を含む。
【0041】
第4の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第4の態様の他の実現可能な方式において、異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれる情報が異なり、ランダムアクセス要求ソースフィールドがランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアを示す。
【0042】
第4の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第4の態様の他の実現可能な方式において、複数の上りリンクキャリアが第1の上りリンクキャリアと第2の上りリンクキャリアを含み、第1のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれ、第2のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれなく、第1のランダムアクセス応答が、第1の上りリンクキャリアにおいて第1のランダムアクセス要求に対する応答であり、第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答であり、ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアが第1の上りリンクキャリアであることを示す。
【0043】
第4の態様又は上記の実現可能な方式と結合し、第4の態様の他の実現可能な方式において、複数の上りリンクキャリアの所在の周波数帯域がそれぞれ異なる。
【0044】
第5の態様は、上述の第1の態様もしくは第1の態様の任意の可能な実装、または第2の態様もしくは第2の態様の任意の可能な実装における方法を実行するためのネットワークデバイスを提供する。具体的には、ネットワークデバイスは、上記の第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装、あるいは第2の態様または第2の態様の任意の可能な実装における方法を実行するための機能モジュールを含む。
【0045】
第6の態様は、上記の第3の態様もしくは第3の態様の任意の可能な実装、または第4の態様もしくは第4の態様の任意の可能な実装における方法を実行するための端末デバイスを提供する。具体的には、端末デバイスは、上記の第2の態様または第2の態様の任意の可能な実装、または第4の態様の任意の可能な実装における方法を実行するための機能モジュールを含む。
【0046】
第7の態様は、プロセッサと、メモリと、送受信機とを含むネットワークデバイスを提供する。プロセッサ、メモリ、および送受信機は、内部接続経路を介して互いに通信し、制御信号および/またはデータ信号を通信し、ネットワークデバイスに、第1の態様または第1の態様の任意の可能な実装、または第3の態様の任意の可能な実装における方法を実行させる。
第8の態様は、プロセッサと、メモリと、送受信機とを含む端末デバイスを提供する。プロセッサ、メモリ、および送受信機は、内部接続経路を介して互いに通信し、制御信号および/またはデータ信号を通信し、ネットワークデバイスに、第2の態様または第2の態様の任意の可能な実装、または第4の態様の任意の可能な実装における方法を実行させる。
【0047】
第9の態様は、上述の方法のいずれかまたは可能な実装のいずれかを実行するための命令を含むコンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ可読媒体を提供する。
【0048】
第10の態様は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに、上述の方法のいずれかまたは可能な実装のいずれかを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本開示の上記および他の特徴およびメリットは、添付の図面を参照して詳細に説明する例示的な実施形態により、より明らかになる。なお、以下の記載における図面はただ本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者の場合、創造的な労働を付与しない前提で、これらの図面によって他の図面を得ることができる。
図1】本願の実施例における無線通信システムの模式図である。
図2】本願の実施例におけるリソースでのリンクキャリアの分割態様の模式図である。
図3】本願の実施例におけるリソースでのリンクキャリアの分割態様の模式図である。
図4】本願の実施例におけるリソースでのリンクキャリアの分割態様の模式図である。
図5】本願の実施例におけるリソースでのリンクキャリアの分割態様の模式図である。
図6】本願の実施例における無線通信方法のフローチャートである。
図7】本願の実施例における無線通信方法のフローチャートである。
図8】本願の実施例におけるネットワークデバイスのブロック図である。
図9】本願の実施例におけるネットワークデバイスのブロック図である。
図10】本願の実施例における端末デバイスのブロック図である。
図11】本願の実施例における端末デバイスのブロック図である。
図12】本願の実施例におけるシステムチップのブロック図である。
図13】本願の実施例における通信デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をすることなく得られる全ての他の実施形態は、本願の保護範囲に属する。
【0051】
本願の実施例の技術は、様々な通信システムに適用可能であり、例えば、Global System of Mobile Communication ( GSM )システム、Code Division Multiple Access ( CDMA )システム、Wideband Code Division Multiple Access ( WCDMA )システム、General Packet Radio Service ( GPRS )システム、Long Term Evolution ( LTE )システム、Frequency Division Duplex ( FDD )システム、Time Division Duplex ( TDD )システム、Universal Mobile Telecommunication System ( UMTS )システム、Worldwide Interoperability for Microwave Access ( WiMAX )システム、又は将来の5Gシステム(New Radio、NR )システム等に応用されることができる。
【0052】
なお、本明細書において、「システム」および「ネットワーク」という用語は、しばしば、本明細書において交換可能に使用される。ここで、「及び/又は」とは、単に関連のある対象を記述するための関連関係であり、A及び/又はBのように3つの関係が存在し得ることを意味し、Aのみ、AとBが同時に存在すること、Bのみが存在することの3つの場合が存在し得ることを意味する。なお、本文中の「/」の文字は、前後の関連オブジェクトが「または」の関係であることを一般的に示す。
【0053】
図1は、本願の実施例が適用される無線通信システム100を示す。
なお、図1は、1つのネットワークデバイス及び2つの端末デバイスを例示的に示しているが、この無線通信システム100は、複数のネットワークデバイスを含んでもよく、各ネットワークデバイスのカバレージ内に他の数の端末デバイスを含んでもよく、本願の実施例は、これに限定されない。
【0054】
任意選択で、無線通信システム100は、ネットワークコントローラ、モビリティ管理エンティティなどの他のネットワークエンティティをさらに含むことができ、本願の実施例はこれに限定されない。
【0055】
図1に示すように、無線通信システム100は、ネットワークデバイス110を含み得る。ネットワークデバイス100は、端末デバイスと通信する装置であってもよい。ネットワークデバイス100は、特定の地理的エリアに通信カバレッジを提供し得、カバレッジエリア内に位置するUEなどの端末デバイスと通信し得る。任意選択で、このネットワークデバイス100は、GSMシステムまたはCDMAシステムにおける基地局( Base Transceiver Station、BTS )、WCDMAシステムにおける基地局( NodeB、NB )、LTEシステムにおける発展型基地局( Evolutional Node B、eNB、又はeNodeB )、またはクラウド無線アクセスネットワーク( Cloud Radio Access Network、CRAN )における無線コントローラであってもよく、または中継局、アクセスポイント、車載装置、ウェアラブル装置、将来の5Gネットワークにおけるネットワーク側装置、または将来の公衆地上モバイルネットワーク( Public Land Mobile Network、PLMN )におけるネットワークデバイスなどであってもよい。
【0056】
この無線通信システム100は、ネットワークデバイス110のカバレージ内に位置する少なくとも1つの端末デバイス120をさらに含む。端末デバイス120は、移動型であってもよいし、固定型であってもよい。任意選択で、端末デバイス120は、アクセス端末、ユーザ機器( User Equipment、UE )、ユーザ装置、ユーザ局、移動局、モバイル、リモート局、リモート端末、モバイル機器、ユーザ端末、無線通信機器、ユーザエージェント、またはユーザ装置を指し得る。アクセス端末は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル( Session Initiation Protocol、SIP )電話、ワイヤレスローカルループ( Wireless Local Loop、WLL )局、パーソナルデジタル処理( Personal Digital Assistant、PDA )、ワイヤレス通信機能を有するハンドヘルドデバイス、コンピューティングデバイス、またはワイヤレスモデムに接続された他の処理デバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、将来の5Gネットワークにおける端末デバイス、または将来開発されるPLMNにおける端末デバイスなどであり得る。
【0057】
任意選択で、端末デバイス120間の端末直接接続( Device to Device、D2D )通信が行われてもよい。
任意選択で、5Gシステム又はネットワークは、NR( New Radio)システム又はネットワークと呼ばれることもある。
高周波数帯域は、5G(NR)ネットワークを構成する重要な候補帯域である。周波数帯域が高いため、カバレッジ範囲は(低周波数LTEと比較して)制限される。下りリンク(Downlink、DL)に関して、ネットワークデバイスの送信電力が大きいため、大規模マルチド出力マルチド入力( Multiple Input Multiple Output、MIMO ) ( hybrid Beamforming )などによりDLが改善される。端末デバイスの送信電力が制限されるため、ULカバレッジが制限される。
【0058】
したがって、NR伝送のために、低周波数で1つの上りリンクキャリア( Uplink、UL )が構成され得、このULキャリアは、補足的上りリンク( Supplementary Uplink、SUL )キャリアと呼ばれ得る。このようにNRは少なくとも2つのULキャリアを有し、一方はSULキャリアであり、他方は高周波ULキャリアである( NR専用のUL(dedicated UL)と呼ばれ得る)。
例えば、図2及び図3に示すように、NRシステムは、周波数帯f0における高周波数のULキャリアと、周波数帯f1における低周波数のULキャリアとを含んでもよい。
【0059】
ここで、図2に示すように、周波数帯f0における高周波ULキャリアと周波数帯f0における高周波DLキャリアとは周波数分割多重( Frequency Division Duplexing、FDD )され、或いは、図3に示すように、周波数帯f0における高周波ULキャリアと周波数帯f1における高周波DLキャリアとは時間分割多重( Time Division Duplexing、TDD )される。
【0060】
任意選択で、SULキャリアはまた、LTEシステムとスペクトルリソースを共有することができ、すなわち、f1において、一部のリソースのみがNRに使用され得、他のリソースはLTEのために使用され得る。リソース共有は、周波数分割多重( Frequency Division Multiplexing、FDM )又は時分割多重( Time Division Multiplexing、TDM )方式(例えば、図4及び5に示されるTDMの方式)であってよい。
【0061】
なお、上記では、NRシステムにおけるULキャリアの数が2である場合を例に説明したが、本願の実施例はこれに限定されず、例えば、NRシステムにおけるULキャリアの数は3以上であってもよい。
【0062】
なお、本願の実施例において、NRシステムが含む複数のULキャリアの各々が、端末デバイスによる上りリンク伝送のために使用され得るが、構成時に、端末デバイスがULキャリアの一部のみを使用して上りリンク伝送を行うように構成され得る。
任意選択で、ネットワークデバイスにより構成された端末デバイスが採用するULキャリアの数、および特定のULキャリアのうちのどれが動的に変化し得る。
【0063】
任意選択で、端末デバイスがPRACH preambleを開始した後、ネットワークデバイスのランダムアクセス要求( Random Access Request、RAR )は、対応する位置で監視(monitor)される。ネットワークデバイスは、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子( Random Access Radio Network Temporary Identity、RA-RNTI )を用いてランダムアクセス応答を送信し、端末デバイスは、同じTA-RNTIを用いてランダムアクセス応答を受信する。
【0064】
LTEシステムでは、RA-RNTIの計算には、以下の3つの方法が採用され得る。
1つの方式では、
RA‐RNTI= 1 + t_id + 10*f_id 式1
t_idは、PRACHリソースの最初のサブフレームを指定するインデックスであり、f_idは、このサブフレームによって指定されるPRACHの周波数領域で昇順にインデックスである。
【0065】
他の方式では、
RA‐RNTI=1+t_id + 10*f_id + 60*(SFN_id mod (Wmax/10)) 式2
ここで、t_idは、PRACHリソースの第1のサブフレームを指定するインデックスであり、f_idは、そのサブフレームによって指定されるPRACHの周波数領域で昇順にされるインデックスであり、SFN_idは、PRACHリソースの1番目の無線フレームを指定するインデックスであり、Wmaxは400である
他の方式では、
RA‐RNTI=1+ floor(SFN_id/4) 式3
ここで、SFN_idは、PRACHリソースの第1の無線フレームを指定するインデックスである。
【0066】
なお、RA-RNTIを取得する上記の方法は、いくつかの実装形態にすぎず、本願の実施例は、他の実装形態も存在し得る。
【0067】
NRシステムにおいてRA-RNTIを取得する方法は、LTEシステムにおけるRA-RNTIを取得する方法と同じであっても異なっていてもよい。
【0068】
NR dedicated ULキャリアとSULキャリアからランダムアクセス要求(ランダムアクセスコード、すなわちランダムアクセスプリアンブルを含む)をそれぞれ送信する端末デバイスが2つあると、2つの端末デバイスが同じRARを受信してしまい、そのRARがどのULキャリアで送信されたpreambleに対応するかを区別できなくなる可能性がある。
【0069】
したがって、複数の上りリンクキャリアが存在する上記シーンに関して、本願の実施例は、ランダムアクセスのための以下の技術案を提供する。
【0070】
図6は、本発明の実施例における無線通信方法200の概略的なフローチャートである。この方法200は、任意選択で、図1に示されるシステムに適用され得るが、これに限定されない。方法200は、以下の少なくとも一部を含む。
【0071】
210において、端末デバイスが第1の上りリンクキャリアにおいてネットワークデバイスに第1のランダムアクセス要求を送信する。
【0072】
220において、当該ネットワークデバイスが、当該端末デバイスが第1の上りリンクキャリアにおいて送信された第1のランダムアクセス要求を受信する。
【0073】
230において、当該第1の上りリンクキャリアに基づいて、当該ネットワークデバイスが当該第1のランダムアクセス要求に対して第1のランダムアクセス応答を送信する。
【0074】
240において、当該第1の上りリンクキャリアに基づいて、当該端末デバイスが、当該ネットワークデバイスが当該第1のランダムアクセス要求に対して送信した第1のランダムアクセス応答を受信する。
【0075】
したがって、本発明の実施例では、ランダムアクセス要求を送信する上りリンクキャリアに基づいてランダムアクセス応答をフィードバックすることにより、複数の上りリンクキャリアが存在する場合でも、ランダムアクセス応答が対象とするランダムアクセス要求のソースをできるだけ区別することができる。
【0076】
任意選択で、当該第1の上りリンクキャリアに基づいて、当該ネットワークデバイスが、当該第1のランダムアクセス応答の送信に要するリソース、当該第1のランダムアクセス応答の送信に要する第1のランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子RA‐RNTI、及び当該第1のランダムアクセス応答においてランダムアクセス要求ソースに対する指示情報のうちの少なくとも1つを確定し、確定された当該少なくとも1つに基づいて、当該第1のランダムアクセス応答を送信する。これに対応し、当該第1の上りリンクキャリアに基づいて、当該端末デバイスが、当該第1のランダムアクセス応答が占用するリソース、当該第1のランダムアクセス応答の第1のランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子RA‐RNTI、及び当該第1のランダムアクセス応答においてランダムアクセス要求ソースに対する指示情報のうちの少なくとも1つを確定し、確定された少なくとも1つに基づいて、当該第1のランダムアクセス応答を取得する。
【0077】
任意選択で、当該ネットワークデバイスが当該端末デバイスに構成情報を送信し、当該構成情報が、当該第1のランダム応答メッセージの送信に要するリソース、当該第1のランダム応答メッセージの送信に要する第1のランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子の決定方式又は一部のパラメータ、及び当該第1のランダムアクセス応答に含まれる情報(即ちランダムアクセス要求ソースに対する指示情報)のうちの少なくとも1つを含む。
【0078】
なお、当該第1のランダム応答メッセージの送信に要するリソース、当該第1のランダム応答メッセージの送信に要する第1のランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子の確定方式又は一部のパラメータ、及び当該第1のランダムアクセス応答に含まれる情報は、端末デバイスに予め設定されたものであっても良く、ネットワークデバイスにより構成される必要がない。
【0079】
任意選択で、本願の実施例において、第1の上りリンクキャリアに基づいて決定された当該第1のランダム応答メッセージの送信に要するリソースは、当該第1のランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースを含む。
【0080】
任意選択で、当該第1のランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセット(Control Resource Set、CORESET)又はサーチスペース(Search space)が、第2のランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースと異なり、ここで、当該第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答である。
【0081】
具体的には、UEは、ULキャリアが物理ランダムアクセスチャネル( Physical Random Access Channel、PRACH )プリアンブルを送信した後、ネットワークのランダムアクセス応答( Random Access Response、RAR )をモニタリング(monitor)する必要がある。NRでは、ランダムアクセス応答の受信は、制御チャネル( NR-PDCCH )を先に検出する必要がある。ネットワークデバイスは、制御チャネルを異なる構成にすることで、異なるULでpreambleを送信した後に異なる制御チャネルを検出する。いくつかの具体的な構成は、以下の通りである。
【0082】
1つの方式では、CORESET1又はCORESET group1 (すなわち、複数のCORESETを含む)は、NR dedicated ULに送信されるpreambleに対応するRAR受信の制御チャネルリソースのために使用され、CORESET2やCORESET group2(すなわち、複数のCORESETを含む)は、NR SULに送信されたpreambleに対応するRAR受信する制御チャネルリソースのために用いられる
別の方式では、Search space1はNR dedicated UL上で送信されるpreambleに対応するRAR受信する制御チャネルリソースに使用され、Search space2はNR SUL上で送信されるpreambleに対応するRAR受信する制御チャネルリソースに使用される。
【0083】
任意選択で、当該第1のランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれる情報が、第2のランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれると異なり、ここで、当該第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答であり、当該ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアを示す。
【0084】
具体的には、ネットワークデバイスは、ランダムアクセス要求がどのULリンクに属するかを示す情報をランダムアクセス応答に搬送する。例えば、RARは、ランダムアクセス要求がNR dedicated ULリンク又はSULリンクに属することを示す。
【0085】
任意選択で、当該第1のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれ、第2のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれなく、ここで、当該第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答であり、当該ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアが当該第1の上りリンクキャリアであることを示す。
【0086】
具体的には、ネットワークデバイスは、ランダムアクセス要求がどのULリンクに属するかを示す情報をランダムアクセス応答に搬送する。例えば、RARは、ランダムアクセス要求がどのULリンクに属するかを示さない場合、デフォルトのULリンク(例えば、NR dedicated ULリンク)に対応し、示される場合、示されるULリンク(例えば、SULリンク)である。
【0087】
任意選択で、本願の実施例において、上述の第1の上りリンクキャリアは、この第2の上りリンクキャリアが位置する周波数帯域とは異なる。たとえば、第1の上りリンクキャリアは、図2図5に記載されたSULキャリアであり、第2の上りリンクキャリアは、図2図5に記載されたdedicated ULキャリアである。
【0088】
任意選択で、前記第1のRA-RATIの計算式が第2のRA‐RNTIの計算式と異なり、又は、第1のRA-RATIの計算式の一部のパラメータが第2のRA‐RNTIの計算式の一部のパラメータと異なり、ここで、前記第2のRA‐RNTIが第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する第2のランダムアクセス応答に要するRA‐RNTIである。
【0089】
具体的には、UEは、ULキャリアがPRACH preambleを送信した後に、ネットワークのランダムアクセス応答RARをモニタリング(monitor)する必要がある。NRでは、ランダムアクセス応答の受信は、制御チャネル( NR-PDCCH )を先に検出する必要がある。制御チャネルの伝送にはRA-RNTIによりスクランブルされる。異なるpreambleに対応するRARは、異なるRA-RNTIによって区別することができる。SULをサポートするランダムアクセスの場合、dedicated ULキャリアと比較して、SULに関連付けられる項がRA-RNTIの式に追加に導入することができ、これにより、2つのUL上のpreambleに対応するRA-RNTIが同じになることを回避することができる。例えばSULがない場合、RA-RNTIの値の範囲は[ x y ] ( y > x > = 0 )である。SUL上で伝送されたpreambleに対してRA-RNTIの計算は、上記の技術においてZ ( Z>y )の項を追加することができ、2つのULに対応するRA-RNTIが同じになることを回避することができる。
【0090】
例えば、dedicated ULキャリアに対して、RA-RNTIを計算する式が、上述した式1、または式3である場合、SULキャリアを計算する式として、式1、式2、および式3にそれぞれZを加えることができる。
【0091】
もちろん、Zはyよりも大きくなくてもよく、これによってRA-RNTIが一様になることを完全に回避することはできないが、一様になる確率を低減することができる。
【0092】
図7は、本発明の実施例における無線通信方法300の概略的なフローチャートである。方法300は、以下の少なくとも一部を含む。
【0093】
310において、ネットワークデバイスが複数の上りリンクキャリアの各上りリンクキャリアに対して、ランダムアクセスする時の構成情報をそれぞれ決定する。
【0094】
任意選択で、当該複数の上りリンクキャリアの所在の周波数帯域がそれぞれ異なる。
【0095】
320において、当該ネットワークデバイスが当該各上りリンクキャリアに対する当該構成情報を端末デバイスに送信する。
【0096】
330において、端末デバイスが、ネットワークデバイスが複数の上りリンクキャリアの各上りリンクキャリアに対してランダムアクセスする時の構成情報を受信する。
【0097】
340において、当該構成情報に基づいて、当該複数の上りリンクキャリアの少なくとも一部の上りリンクキャリアにおいてランダムアクセスする。
【0098】
したがって、ネットワークデバイスは、複数の上りリンクキャリアのそれぞれに対してランダムアクセスを行う際の構成情報を端末デバイスに対して個別に設定することにより、端末デバイスは、ランダムアクセス時に、それぞれの上りリンクキャリアに対応する構成情報を用いてランダムアクセスを行うことができる。
【0099】
任意選択で、当該構成情報が、当該各上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求の送信に使用される時間領域リソース及び/又は周波数領域リソースを含み、ここで、異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセスの送信に使用される時間領域リソース及び/又は周波数領域リソースに対応するRA‐RNTIは、少なくも一部が異なる。
【0100】
具体的には、ネットワークデバイスは、異なるULリンクに対応するランダムアクセスチャネル( Random Access Channel、RACH )リソースを構成する際に、RACHの時間周波数および/または周波数領域リソースを調整し、2つのULキャリア上でpreambleに対応するRA-RNTIが衝突することを回避するか、または衝突確率を低減する。
【0101】
任意選択で、異なる上りリンクキャリアに対してそれぞれ確定されたランダムアクセス時の構成情報は、
ランダムアクセス要求が占用する時間周波数リソース及び/又はランダムアクセス要求に含まれるシーケンス、
ランダム応答メッセージを送信するリソース、
ランダム応答メッセージを送信するランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子の決定方式又は一部のパラメータのうちの少なくとも1つが異なる。
任意選択で、当該ランダム応答メッセージの送信に要するリソースは、当該ランダムアクセス応答が搬送される制御チャネルの所在の制御リソースセットCORESET又はサーチスペースを含む。
【0102】
任意選択で、異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答の制御チャネルの所在のCORESET又はサーチスペースが、異なる。
【0103】
任意選択で、異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答のRA‐RNTIの計算式が異なり、又は、計算式の一部のパラメータが異なる。
【0104】
任意選択で、当該構成情報は、当該各上りリンクキャリアに伝送されるランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答におけるランダムアクセス要求ソースの指示を含む。
【0105】
任意選択で、異なる上りリンクキャリアにおいてランダムアクセス要求に対応するランダムアクセス応答のランダムアクセス要求ソースフィールドに含まれる情報が異なり、ここで、当該ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアを示す。
【0106】
任意選択で、当該複数の上りリンクキャリアが第1の上りリンクキャリアと第2の上りリンクキャリアを含み、第1のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれ、第2のランダムアクセス応答にランダムアクセス要求ソースフィールドが含まれなく、ここで、当該第1のランダムアクセス応答が、第1の上りリンクキャリアにおいて第1のランダムアクセス要求に対する応答であり、当該第2のランダムアクセス応答が第2の上りリンクキャリアにおいて第2のランダムアクセス要求に対する応答であり、当該ランダムアクセス要求ソースフィールドが、ランダムアクセス要求の所在の上りリンクキャリアが当該第1の上りリンクキャリアであることを示す。
【0107】
方法200及び方法300の説明は、互いに参照されてもよく、方法200及び方法300は関連して使用されてもよく、簡潔のために、本明細書では説明を省略する。
【0108】
図8は本願の実施例におけるネットワークデバイス400のブロック図である。図8に示すように、当該ネットワークデバイス400が受信ユニットと送信ユニットを含む。
【0109】
ここで、前記受信ユニット410は、端末デバイスが第1の上りリンクキャリアにおいて送信した第1のランダムアクセス要求を受信するように構成され、前記送信ユニット420は、前記第1の上りリンクキャリアに基づいて、前記第1のランダムアクセス要求に対して第1のランダムアクセス応答を送信するように構成される。
【0110】
ネットワークデバイス400は、上記の方法200においてネットワークデバイスにより実行される対応する動作を実行してもよく、簡潔にするために、ここでは説明を省略する。
【0111】
図9は本願の実施例におけるネットワークデバイス500のブロック図である。図9に示すように、当該ネットワークデバイス500が処理ユニット510と通信ユニット520を含み、ここで、
前記処理ユニット510は、複数の上りリンクキャリアの各上りリンクキャリアに対してランダムアクセスする時の構成情報をそれぞれ決定するように構成され、
前記通信ユニット520は、前記各上りリンクキャリアに対する前記構成情報を端末デバイスに送信するように構成される。
【0112】
ネットワークデバイス500は、上記の方法300においてネットワークデバイスによって実行される対応する動作を実行してもよく、簡潔のためにここでは説明を省略する。
【0113】
図10は本願の実施例における端末デバイス600のブロック図である。図10に示すように、当該端末デバイス600は、送信ユニット610と受信ユニット620とを含み、ここで、
前記送信ユニット610は、第1の上りリンクキャリアにおいてネットワークデバイスに第1のランダムアクセス要求を送信するように構成され、前記受信ユニット620は、前記第1の上りリンクキャリアに基づいて、前記ネットワークデバイスが前記第1のランダムアクセス要求に対して送信した第1のランダムアクセス応答を取得するように構成される。
【0114】
端末デバイス600は、上述した方法200の端末デバイスによって実行される対応する動作を実行することができることが理解され、ここでは簡潔のため、その説明を省略する。
【0115】
図11は本願の実施例における端末デバイス700のブロック図である。図11に示すように、当該端末デバイス700が受信ユニット710とアクセスユニット720を含む。
前記受信ユニット710は、ネットワークデバイスが複数の上りリンクキャリアの各上りリンクキャリアに対してランダムアクセスする時の構成情報を受信するように構成され、前記アクセスユニット720は、前記構成情報に基づいて、前記複数の上りリンクキャリアの少なくとも一部の上りリンクキャリアにおいてランダムアクセスするように構成される。
【0116】
端末デバイス700は、上述した方法300の端末デバイスによって実行される対応する動作を実行することができることが理解され、簡潔のために、ここでは説明を省略する。
【0117】
図12は、本願の実施例におけるシステムチップ800の概略構成図である。図12のシステムチップ800は、入力インターフェース801、出力インターフェース802、メモリ804内のコードを実行するためのプロセッサ803、及びメモリ804を含み、これらの間は、内部通信接続線を介して接続され得る。
【0118】
任意選択で、コードが実行されると、プロセッサ803は、方法の実施形態においてネットワークデバイスによって実行される方法を実施する。簡潔にするために、ここでは説明を省略する。
任意選択で、コードが実行されると、プロセッサ803は、方法の実施形態において端末デバイスによって実行される方法を実施する。簡潔にするために、ここでは説明を省略する。
図13は、本願の実施例による通信デバイス900の概略的なブロック図である。図13に示すように、通信デバイス900は、プロセッサ910と、メモリ920とを有する。そのうち、該メモリ920はプログラムコードを記憶してもよく、該プロセッサ910は該メモリ920に記憶されたプログラムコードを実行してもよい。
【0119】
任意選択で、図13に示すように、通信装置900は、プロセッサ910が外部と通信するように制御することができる送受信機930を含んでもよい。
任意選択で、プロセッサ910は、メモリ920に記憶されたプログラムコードを呼び出して、方法の実施形態におけるネットワークデバイスの対応する動作を実行してもよく、簡潔のためにここでは説明を省略する。
任意選択で、プロセッサ910は、メモリ920に記憶されたプログラムコードを呼び出して、方法の実施形態における端末デバイスの対応する動作を実行してもよく、簡潔のためにここでは説明を省略する。
【0120】
本願の実施例のプロセッサは、信号の処理能力を有する集積回路チップであり得ることが理解される。実施において、上述した方法の実施形態のステップは、プロセッサ内のハードウェアの集積論理回路またはソフトウェア形態の命令によって実行されてもよい。上記のプロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ( Digital Signal Processor、DSP )、特定用途向け集積回路( Application Specific Integrated Circuit、ASIC )、既存のプログラマブルゲートアレイ( Field Programmable Gate Array、FPGA )又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。本出願の実施形態に開示された方法、ステップ、及び論理ブロック図は、実施され得るか、又は実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよく、プロセッサは任意の従来のプロセッサなどであってもよい。本願の実施形態に関連して開示される方法のステップは、ハードウェアデコーディングプロセッサ実行として直接的に、または、デコーディングプロセッサ内のハードウェアおよびソフトウェアモジュールの組み合わせで実行されるとして具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラム可能読み取り専用メモリ、または電気的に消去可能なプログラム可能メモリ、レジスタなどの当技術分野で熟練した記憶媒体内に配置され得る。この記憶媒体は、メモリに位置し、プロセッサは、メモリ内の情報を読み取り、ハードウェアとともに上述した方法のステップを実行する。
【0121】
本発明の実施形態におけるメモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく、或いは揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含んでもよいことが理解される。ここで、不揮発性メモリは、リードオンリーメモリ( Read-Only Memory、ROM )、プログラマブルリードオンリーメモリ( Programmable ROM、PROM )、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ( Erasable PROM、EPROM )、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ( Electrically EPROM、EEPROM )、またはフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュとして使用されるランダムアクセスメモリ( Random Access Memory、RAM )であってよい。限定ではなく例として、RAMは、スタティックランダムアクセスメモリ( Static RAM、SRAM )、ダイナミックランダムアクセスメモリ( Dynamic RAM、DRAM )、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ( Synchronous DRAM、SDRAM )、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ( Double Data Rate SDRAM、DDR SDRAM )、エンハンスメント型シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ( Enhanced SDRAM、ESDRAM )、シンクロナス接続ダイナミックランダムアクセスメモリ( Synchlink DRAM、SLDRAM )、及びダイレクトメモリバスランダムアクセスメモリ( Direct Rambus RAM、DR RAM )など、多くの形態で利用可能である。本明細書に記載のシステム及び方法のメモリは、これら及び任意の他の適切なタイプのメモリを含むことが意図されているが、これらに限定されないことに留意されたい。
【0122】
当業者は、本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例のユニットおよびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せで実装され得ることを認識するであろう。これらの機能は、技術案の特定の適用例および設計制約に応じて、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれで実行されるかに依存する。当業者は、説明された機能を実施するために、特定のアプリケーションごとに異なる方法を使用し得るが、そのような実施は、本開示の範囲から逸脱するものと考えられるべきではない。
【0123】
当業者であれば、説明の便宜及び簡潔にするために、上記に説明されたシステム、装置及びユニットの特定の動作プロセスが、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照してよく、ここでその説明が省略されることを理解するであろう。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、開示されるシステム、装置、および方法は、他の方法で実現されてもよいことが理解されるべきである。例えば、上記の装置の実施形態は、単に例示的なものであり、例えば、ユニットの分割は、1つの論理的機能の分割にすぎず、実際の実装では、別の分割方法があり得、例えば、複数のユニット又はコンポーネントが、組み合わされてもよいし、別のシステムに統合されてもよいし、又はいくつかの特徴が省略されてもよいし、又は実行されなくてもよい。別の点では、表示または議論される相互間の結合または直接的な結合または通信接続は、何らかのインターフェース、デバイスまたはユニットを介した間接的な結合または通信接続であってもよく、電気的、機械的、または他の形態であってもよい。
【0124】
上記分離手段として説明したユニットは、物理的に分離していてもいなくてもよく、ユニットとして表示する手段は、物理的なユニットであってもなくてもよく、1箇所にあってもよく、あるいは複数のネットワークユニットに分散していてもよい。また、本実施形態の目的は、必要に応じて各部の一部又は全部を選択して実施することができる。
【0125】
また、本発明の各実施例における各機能部は、1つの処理部に集積されてもよいし、各部は、物理的に別個に存在してもよいし、2つ以上の部が1つの部に集積されてもよい。
また、ソフトウェア的な機能単位で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合には、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の技術的解決策の本質または従来技術に寄与する部分、または本発明の技術的解決策の部分は、1つのコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスなどであり得る)に本発明の様々な実施形態に記載された方法のステップの全てまたは一部を実行させるための複数の命令を含む1つの記憶媒体に記憶されたソフトウェア製品の形態で具現化され得る。なお、前記記憶媒体としては、U-ディスク、リムーバブルハードディスク、Read-Only Memory、ROM、RAM、磁気ディスク、光ディスク等のプログラムコードを記憶できる種々の媒体を用いることができる。
【0126】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的範囲内で容易に変更や置換をなし得ることは勿論である。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって定義されるべきである。
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