(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】応答装置
(51)【国際特許分類】
H04M 3/54 20060101AFI20231108BHJP
H04Q 3/58 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H04M3/54
H04Q3/58 106
(21)【出願番号】P 2022112398
(22)【出願日】2022-07-13
【審査請求日】2022-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉野 僚太朗
(72)【発明者】
【氏名】近藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】小栗 伸
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197977(JP,A)
【文献】特開2006-41711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/54
H04Q 3/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信元電話機からの架電を転送先電話機に転送する通信システムに用いられる応答装置であって、
前記架電を受電する構内交換機によって発行された第1の呼び出し情報を取得した場合、前記架電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて、前記発信元電話機と通話する通話部と、
前記通話が開始された後、前記シナリオに基づいた処理の手順の進行を停止し、前記発信元電話機からの架電を前記転送先電話機へ転送するための転送要求を生成する生成部と、
前記転送要求を前記構内交換機に向けて出力する出力部と、
前記転送先電話機からの前記構内交換機に対する応答が無かった場合に、前記転送要求に対応して、前記構内交換機によって発行される第2の呼び出し情報に基づいて、前記転送先電話機の応答の可否を判定する判定部とを備え、
前記判定部による判定結果が否であった場合に、前記通話部は、前記シナリオに基づいた処理の手順の進行を再開することによって、前記発信元電話機との通話を再開する、
応答装置。
【請求項2】
前記第1の呼び出し情報は、前記架電を識別する識別子を含み、
前記第2の呼び出し情報は、前記識別子を含み、
前記通話部は、前記第2の呼び出し情報に含まれる前記識別子に基づいて、前記架電を特定する、
請求項1に記載の応答装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応答装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話の発信者に対して自動で音声ガイダンスを行うと共に、当該発信者からの電話機に対する操作を促し、当該操作に応じて再度音声ガイダンスを行うことを繰り返す、IVR等の自動音声応答システムが用いられてきた。自動音声応答システムには、発信者の電話機からの架電を転送先の電話機に転送する機能を有する自動応答システムが存在する。
【0003】
例えば、特許文献1は、発信元の電話機からの架電を転送先の電話機に転送する場合に、発信者の用件を転送先に伝え、転送先のオペレータが、発信者の用件によって発信者からの架電に応答するかしないかを選択できる構内交換機に係る技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に係る技術において、転送先のオペレータが、自身に転送されてきた発信者からの架電に応答できないと共に、とりわけ当該架電の緊急度が低い場合に、構内交換機は、発信者からの通話を切断せざるを得ない。
【0006】
そこで本発明は、発信者からの架電を転送先に転送する場合に、転送先のオペレータが、自身に転送されてきた発信者からの架電に応答できない場合でも、発信者からの通話を切断しなくて済むことが可能な応答装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の好適な態様に係る応答装置は、発信元電話機からの架電を転送先電話機に転送する通信システムに用いられる応答装置であって、前記架電を受電する構内交換機によって発行された第1の呼び出し情報を取得した場合、前記架電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて、前記発信元電話機と通話する通話部と、前記通話が開始された後、前記シナリオに基づいた処理の手順の進行を停止し、前記発信元電話機からの架電を前記転送先電話機へ転送するための転送要求を生成する生成部と、前記転送要求を前記構内交換機に向けて出力する出力部と、前記転送要求に対応して前記構内交換機によって発行された第2の呼び出し情報に基づいて、前記転送先電話機の応答の可否を判定する判定部とを備え、前記判定部による判定結果が否であった場合に、前記通話部は、前記シナリオに基づいた処理の手順の進行を再開することによって、前記発信元電話機との通話を再開する、応答装置である。
【0008】
本発明の第2の好適な態様に係る応答装置は、発信元電話機からの架電を転送先電話機に転送する通信システムに用いられる応答装置であって、前記架電を受電する構内交換機によって発行された第1の呼び出し情報を取得した場合、前記架電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて、前記発信元電話機との間の第1の通話を実行する通話部と、前記第1の通話が開始された後、前記シナリオに基づいて、前記架電を保留する保留要求を生成する生成部と、前記保留要求を、前記構内交換機を介して前記発信元電話機と連携する連携装置に対して出力する出力部とを備え、前記通話部は、前記出力部によって前記保留要求が出力された後に、前記シナリオに基づいて、前記転送先電話機との間の第2の通話を実行する、応答装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発信者からの架電を転送先に転送する場合に、転送先のオペレータが、自身に転送されてきた発信者からの架電に応答できない場合でも、発信者からの通話を切断しなくて済むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】自動応答システム1の動作を示すシーケンス図。
【
図5】自動応答システム1Aの動作を示すシーケンス図。
【
図6A】自動応答システム1Aの動作を示すシーケンス図。
【
図6B】自動応答システム1Aの動作を示すシーケンス図。
【
図7】自動応答システム1Aの動作を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1:第1実施形態
以下、
図1~
図4を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る応答装置10を含む自動応答システム1の構成について説明する。
【0012】
1-1:第1実施形態の構成
1-1-1:全体構成
図1は、自動応答システム1の全体構成を示す図である。
図1に示されるように、自動応答システム1は、応答装置10、連携装置20、構内交換機30、及び転送先電話機40を備える。更に、自動応答システム1に備わる構内交換機30は、通信網NETを介して、発信元電話機50と接続する。なお、自動応答システム1は、「通信システム」の一例である。
【0013】
応答装置10は、予め用意されたシナリオに基づいて、主として発信元電話機50からの通話に対して自動応答する装置である。応答装置10は、典型的にはAI(Artificial Intelligence)技術を用いて自動応答することが好適である。なお、応答装置10が有する機能は、発信元電話機50からの受電によって発生する通話において、自動応答する機能に限定されない。とりわけ応答装置10は、図示しない発信先電話機に対する架電によって発生する通話において、自動応答する機能も有してもよい。応答装置10から当該発信先電話機に架電した場合も、自動応答システム1は、以下に説明する転送機能を有する。
【0014】
連携装置20は、主として構内交換機30を介した発信元電話機50からの呼を、応答装置10に接続することで、発信元電話機50と応答装置10とを連携する装置である。また、連携装置20は、主として、構内交換機30に対して、発信元電話機50からの呼を、転送先電話機40に接続する要求をすることで、発信元電話機50と転送先電話機40とを連携する装置である。連携装置20は、典型的にはSIP(Session Initiation Protocol)サーバである。とりわけ連携装置20がSIPサーバである場合、例えば電話番号のような利用者の識別情報と、例えばIPアドレスのようなネットワーク上の電話機の所在情報とを対応付けて、呼制御を行う。
【0015】
構内交換機30は、汎用的な構内交換機である。本実施形態において、構内交換機30は、発信元電話機50と応答装置10との間の通話、及び発信元電話機50と転送先電話機40との間の通話に関する処理を実行する。
【0016】
転送先電話機40は、汎用的な電話機である。本実施形態において、転送先電話機40は、主として、構内交換機30によって転送されてきた発信元電話機50からの架電を受電する。
【0017】
実施の態様として、構内交換機30及び転送先電話機40は、例えば顧客のオフィスに設置されている、汎用的な構内交換機30及び転送先電話機40であってよい。
【0018】
なお、
図1において、転送先電話機40、及び発信元電話機50は、それぞれ1台のみ記載されている。しかし、転送先電話機40、及び発信元電話機50の各々の台数は、複数であってもよい。
【0019】
1-1-2:応答装置の構成
図2は、応答装置10の構成例を示すブロック図である。応答装置10は、処理装置11、記憶装置12、通信装置13、ディスプレイ14、及び入力装置15を備える。応答装置10が有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスによって相互に接続される。
【0020】
処理装置11は、応答装置10の全体を制御するプロセッサである。また、処理装置11は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。処理装置11は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置11が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0021】
記憶装置12は、処理装置11が読取及び書込が可能な記録媒体である。また、記憶装置12は、処理装置11が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラムを記憶する。
【0022】
更に、記憶装置12は、シナリオデータベースSDを記憶する。シナリオデータベースSDには、後述の通話部112が、発信元電話機50及び転送先電話機40との通話時に用いる、架電又は受電に対する処理の手順を示すシナリオが格納される。当該シナリオに含まれる手順は、発信元電話機50及び転送先電話機40からの応答の内容に応じて分岐する。
【0023】
通信装置13は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置13は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置13は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置13は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインタフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0024】
ディスプレイ14は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ14は、処理装置11による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ14として好適に利用される。
【0025】
入力装置15は、応答装置10の管理者からの操作を受け付ける。例えば、入力装置15は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成される。ここで、入力装置15は、タッチパネルを含んで構成される場合、ディスプレイ14を兼ねてもよい。
【0026】
処理装置11は、記憶装置12から制御プログラムPR1を読み出して実行することによって、取得部111、通話部112、生成部113、出力部114、及び判定部115として機能する。
【0027】
取得部111は、発信元電話機50からの架電を受電する構内交換機30によって、応答装置10とのセッション開始要求である、INVITEコマンドが生成された場合に、連携装置20を介して当該INVITEコマンドを取得する。なお、ここで取得部111が取得するINVITEコマンドは、「第1の呼び出し情報」の一例である。また、後述のように、取得部111は、通話部112と発信元電話機50との通話で用いるシナリオ中の、転送を指示するコマンドを取得する。また、後述のように、出力部114が、連携装置20に対して転送要求を出力した場合に、取得部111は、連携装置20から、転送要求に対する応答として、転送要求の受領確認であるNOTIFYコマンドを取得する。更に、後述のように、構内交換機30によって2回目のINVITEコマンドが生成された場合に、取得部111は、連携装置20を介して2回目のINVITEコマンドを取得する。なお、ここで取得部111が取得する、2回目のINVITEコマンドは、「第2の呼び出し情報」の一例である。
【0028】
通話部112は、取得部111が、第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得した場合に、シナリオデータベースSDに格納された、架電又は受電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて自動応答することにより、発信元電話機50と通話する。
【0029】
生成部113は、通話部112が発信元電話機50との通話を開始した後、当該通話で用いるシナリオにおいて、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送する指示があった場合に、当該シナリオに基づいた処理の手順の進行を停止する。その後、生成部113は、発信元電話機50からの架電を、転送先電話機40へ転送するための転送要求を生成する。
【0030】
出力部114は、生成部113が生成した転送要求を、構内交換機30に向けて出力する。具体的には、出力部114は、当該転送要求を、直接は連携装置20に出力することで、構内交換機30に向けて出力する。その後、上記のように、取得部111が連携装置20からNOTIFYコマンドを取得すると、出力部114は、連携装置20に対して、応答装置10と連携装置20とのセッションを終了し、回線を切断するための切断指示を出力する。
【0031】
詳しくは後述するが、その後、連携装置20は、転送要求を構内交換機30に出力する。連携装置20が構内交換機30からNOTIFYコマンドを取得すると、連携装置20は、構内交換機30に対して、連携装置20と構内交換機30とのセッションを終了し、回線を切断するための切断指示を出力する。
【0032】
構内交換機30は、連携装置20から切断指示を取得した後、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送する。ここで、転送先電話機40の受話器が上がらない等の理由で、転送先電話機40から応答が無かった場合に、構内交換機30は、応答装置10とのセッション開始要求であるINVITEコマンドを生成し、当該INVITEコマンドを連携装置20に出力する。更に、連携装置20は、構内交換機30から取得したINVITEコマンドを、応答装置10に出力する。取得部111は、連携装置20から、INVITEコマンドを取得する。
【0033】
一方で、構内交換機30が、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送した後、転送先電話機40から応答があった場合には、発信元電話機50と転送先電話機40との間での通話が開始される。この場合、構内交換機30が、2回目のセッション開始要求であるINVITEコマンドを発行することはない。
【0034】
判定部115は、取得部111が取得した第2の呼び出し情報としてのINVITEコマンドに基づいて、転送先電話機40の応答の可否を判定する。換言すれば、出力部114が構内交換機30に向けて転送要求を出力してから所定時間以内に、第2の呼び出し情報であるINVITEコマンドを取得部111が取得したことをもって、判定部115は、転送先電話機40が応答できないと判定する。すなわち、判定部115による判定結果は否となる。
【0035】
一方で、出力部114が構内交換機30に向けて転送要求を出力してから所定時間以内に、第2の呼び出し情報であるINVITEコマンドを取得部111が取得しなかったことをもって、判定部115は、転送先電話機40が応答できたと判定する。すなわち、判定部115による判定結果は可となる。
【0036】
判定部115による判定結果が否であった場合に、通話部112は、元々用いていたシナリオに基づいた処理の手順の進行を再開することによって、発信元電話機50との通話を再開する。
【0037】
この結果、応答装置10は、発信者からの架電を転送先に転送する場合に、転送先の電話機が、自身に転送されてきた発信者からの架電に応答できない場合でも、発信者が電話を切断しなくて済むことが可能となる。
【0038】
1-1-3:連携装置の構成
図3は、連携装置20の構成例を示すブロック図である。連携装置20は、処理装置21、記憶装置22、通信装置23、ディスプレイ24、及び入力装置25を備える。連携装置20が有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスによって相互に接続される。
【0039】
処理装置21は、連携装置20の全体を制御するプロセッサである。また、処理装置21は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。処理装置21は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置21が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置21は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0040】
記憶装置22は、処理装置21が読取及び書込が可能な記録媒体である。また、記憶装置22は、処理装置21が実行する制御プログラムPR2を含む複数のプログラムを記憶する。
【0041】
通信装置23は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置23は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置23は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置23は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインタフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0042】
ディスプレイ24は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ24は、処理装置21による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ24として好適に利用される。
【0043】
入力装置25は、連携装置20の管理者からの操作を受け付ける。例えば、入力装置25は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成される。ここで、入力装置25は、タッチパネルを含んで構成される場合、ディスプレイ24を兼ねてもよい。
【0044】
処理装置21は、記憶装置22から制御プログラムPR2を読み出して実行することによって、接続処理部211、取得部212、及び出力部213として機能する。
【0045】
接続処理部211は、発信元電話機50、転送先電話機40、及び応答装置10の間の接続を処理する。この接続の処理には、呼制御が含まれる。
【0046】
取得部212は、構内交換機30から、上記の第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンド、及び第2の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得する。また取得部212は、応答装置10から、上記の転送要求及び切断指示を取得する。更に取得部212は、構内交換機30から、上記のNOTIFYコマンドを取得する。
【0047】
出力部213は、応答装置10に対して、上記の第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンド、及び第2の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを出力する。また出力部213は、応答装置10に対して、上記のNOTIFYコマンドを出力する。更に出力部213は、構内交換機30に対して、上記の転送要求及び切断指示を出力する。
【0048】
1-2:自動応答システムの動作
図4は、第1実施形態に係る自動応答システム1の動作を示すシーケンス図である。以下、
図4を参照しつつ、自動応答システム1の動作について説明する。
【0049】
ステップS1において、構内交換機30は、発信元電話機50からの架電を受電する。
【0050】
ステップS2において、構内交換機30は、連携装置20に対し、第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを出力する。連携装置20に備わる処理装置21は、取得部212として機能する。処理装置21は、構内交換機30から、第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得する。なお、当該第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドには、架電の識別子であるUCIDが格納される。
【0051】
ステップS3において、連携装置20に備わる処理装置21は、出力部213として機能する。処理装置21は、応答装置10に対し、構内交換機30から取得した第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを出力する。応答装置10に備わる処理装置11は、取得部111として機能する。処理装置11は、連携装置20から、第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得する。
【0052】
ステップS4において、応答装置10と発信元電話機50とが、構内交換機30を介して通話中となる。より具体的には、応答装置10に備わる処理装置11は、通話部112として機能する。処理装置11は、シナリオデータベースSDに格納された、架電又は受電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて、発信元電話機50からの通話に自動応答することにより、発信元電話機50と通話する。
【0053】
ステップS5において、応答装置10に備わる処理装置11は、取得部111として機能する。処理装置11は、応答装置10と発信元電話機50との通話で用いるシナリオ中の、転送を指示するコマンドを取得する。なお、ここでの転送を指示するコマンドとは、具体的には、後述のように、応答装置10から連携装置20に対して転送要求を出力し、その後、切断指示を出力するタイプの転送を指示するコマンドである。
【0054】
ステップS6において、応答装置10に備わる処理装置11は、生成部113として機能する。処理装置11は、上記のシナリオに基づいた処理の手順の進行を停止する。その後、処理装置11は、発信元電話機50からの架電を、転送先電話機40へ転送するための転送要求を生成する。また、処理装置11は、出力部114として機能する。処理装置11は、生成した転送要求を連携装置20に出力する。連携装置20に備わる処理装置21は、取得部212として機能する。処理装置21は、応答装置10から転送要求を取得する。
【0055】
ステップS7において、連携装置20に備わる処理装置21は、出力部213として機能する。処理装置21は、応答装置10に対して、転送要求に対する受領確認であるNOTIFYコマンドを出力する。応答装置10に備わる処理装置11は、取得部111として機能する。処理装置11は、連携装置20から、NOTIFYコマンドを取得する。
【0056】
ステップS8において、応答装置10に備わる処理装置11は、出力部114として機能する。処理装置11は、切断指示を連携装置20に出力する。連携装置20に備わる処理装置21は、取得部212として機能する。処理装置21は、応答装置10から切断指示を取得する。この結果、応答装置10と連携装置20との間のセッションは終了する。
【0057】
ステップS9において、連携装置20に備わる処理装置21は、出力部213として機能する。処理装置21は、応答装置10から取得した転送要求を構内交換機30に出力する。構内交換機30は、連携装置20から転送要求を取得する。
【0058】
ステップS10において、構内交換機30は、連携装置20に対して、転送要求に対する受領確認であるNOTIFYコマンドを出力する。連携装置20に備わる処理装置21は、取得部212として機能する。処理装置21は、構内交換機30から、NOTIFYコマンドを取得する。
【0059】
ステップS11において、連携装置20に備わる処理装置21は、出力部213として機能する。処理装置21は、切断指示を構内交換機30に出力する。構内交換機30は、連携装置20から切断指示を取得する。この結果、連携装置20と構内交換機30との間のセッションは終了する。
【0060】
ステップS12において、構内交換機30は、発信元電話機50からの架電を、転送先電話機40に転送する。
【0061】
ステップS13において、転送先電話機40から構内交換機30に対して応答が無かったものとする。具体的には、転送先電話機40において、例えば受話器が上がらなかった等の理由で、転送先電話機40から構内交換機30に対して応答が無かったものとする。
【0062】
ステップS14において、構内交換機30は、連携装置20に対し、2回目のINVITEコマンドを出力する。連携装置20に備わる処理装置21は、取得部212として機能する。処理装置21は、連携装置20から、第2の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得する。なお、当該第2の呼び出し情報としてのINVITEコマンドには、1回目のINVITEコマンドと同一のUCIDが格納される。
【0063】
ステップS15において、連携装置20に備わる処理装置21は、出力部213として機能する。処理装置21は、応答装置10に対し、構内交換機30から取得した第2の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを出力する。応答装置10に備わる処理装置11は、取得部111として機能する。処理装置11は、連携装置20から、第2の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得する。
【0064】
ステップS16において、応答装置10に備わる処理装置11は、判定部115として機能する。処理装置11は、第2の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得したことに基づいて、転送先電話機40からの応答が否であったと判定する。また、応答装置10に備わる処理装置11は、通話部112として機能する。処理装置11は、第2
の呼び出し情報としてのINVITEコマンドに含まれるUCIDに基づいて、発信元電話機50からの架電、及び、当初用いていたシナリオにおいて、手順がどこまで進行していたのかを特定する。その後、処理装置11は、シナリオに基づいた処理の手順の進行を再開することによって、発信元電話機50との通話を再開する。
【0065】
なお、
図4のシーケンス図中、ステップS13において、転送先電話機40から応答があった場合には、発信元電話機50と転送先電話機40との間の通話が開始されると共に、構内交換機30が応答装置10に向けて、INVITEコマンドを出力することはない。
【0066】
また、ステップS16において、処理装置11は、シナリオに基づいた処理の手順の進行を再開するのは、あくまでステップS5において、処理装置11が、シナリオ中の転送を指示するコマンドを取得した場合のみである。自動応答システム1において、例えば構内交換機30の誤作動で、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送した場合には、処理装置11は、シナリオに基づいた処理の手順の進行を再開することはない。
【0067】
1-3:応答装置が奏する効果
以上の説明によれば、本実施形態に係る応答装置10は、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送する、通信システムとしての自動応答システム1に用いられる応答装置である。応答装置10は、通話部112、生成部113、出力部114、及び判定部115を備える。通話部112は、架電を受電する構内交換機30によって発行された第1の呼び出し情報を取得した場合、架電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて、発信元電話機50と通話する。生成部113は、通話が開始された後、シナリオに基づいた処理の手順の進行を停止し、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40へ転送するための転送要求を生成する。出力部114は、転送要求を構内交換機30に出力する。判定部115は、転送要求に対応して構内交換機30によって発行された第2の呼び出し情報に基づいて、転送先電話機40の応答の可否を判定する。判定部115による判定結果が否であった場合に、通話部112は、上記のシナリオに基づいた処理の手順の進行を再開することによって、発信元電話機50との通話を再開する。
【0068】
応答装置10は上記の構成を有するので、発信者からの架電を転送先に転送する場合に、転送先のオペレータが、自身に転送されてきた発信者からの架電に応答できない場合でも、発信者からの通話を切断しなくて済むことが可能となる。
【0069】
とりわけ応答装置10は、シナリオに基づいた自動応答によって発信元電話機50と通話した後、シナリオを中断し、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40へ転送する。その後、応答装置10は、転送先電話機40からの応答ができない場合に、中断していたシナリオを再開し、発信元電話機50との通話を再開する。この結果、発信元電話機50の使用者は、転送先電話機40からの応答が無かった場合でも、引き続き、応答装置10との通話を継続できる。
【0070】
また以上の説明によれば、本実施形態に係る応答装置10において、第1の呼び出し情報は、架電を識別する識別子を含む。第2の呼び出し情報は、当該識別子を含む。通話部112は、第2の呼び出し情報に含まれる識別子に基づいて、架電を特定する。
【0071】
応答装置10は上記の構成を有するので、応答装置10は、架電を識別する識別子を用いて架電を特定した上で、転送先電話機40の応答の可否を判定できる。また、応答装置10は、当該識別子を用いることで、いったん中断した発信元電話機50との通話を再開できる。
【0072】
2:第2実施形態
以下、
図5~
図7を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る応答装置10Aを含む自動応答システム1Aの構成について説明する。なお、以下では説明の簡略化のため、主として、自動応答システム1Aが自動応答システム1と互いに異なる点について説明する。また、自動応答システム1Aが備える構成要素のうち、自動応答システム1が備える構成要素と同一の構成要素に対しては同一の符号を用いると共に、その機能の説明を省略することがある。
【0073】
2-1:第2実施形態の構成
2-1-1:全体構成
自動応答システム1Aは、自動応答システム1が備える応答装置10及び連携装置20の代わりに、応答装置10A及び連携装置20Aを備える。その他の点で、自動応答システム1Aの全体構成は、
図1に示される自動応答システム1の全体構成と同一であるため、その図示を省略する。
【0074】
2-1-2:応答装置の構成
応答装置10Aは、応答装置10が備える処理装置11の代わりに処理装置11Aを、記憶装置12の代わりに記憶装置12Aを備える。記憶装置12Aは、制御プログラムPR1の代わりに制御プログラムPR1Aを記憶する。処理装置11Aは、記憶装置12Aから制御プログラムPR1Aを読み出して実行することによって、取得部111A、通話部112A、生成部113A、出力部114A、及び判定部115Aとして機能する。その他の点で、応答装置10Aの構成は、
図2に示される応答装置10の構成と同一であるため、その図示を省略する。
【0075】
取得部111Aは、取得部111と同様に、発信元電話機50からの架電を受電する構内交換機30によって、セッション開始要求であるINVITEコマンドが発行された場合に、連携装置20Aを介してINVITEコマンドを取得する。なお、ここで取得部111Aが取得するINVITEコマンドは、「第1の呼び出し情報」の一例である。また、取得部111Aは、取得部111と同様に、通話部112と発信元電話機50との通話で用いるシナリオ中の、転送を指示するコマンドを取得する。
【0076】
また、後述のように、出力部114Aが、連携装置20Aに対して、保留要求としてのINVITEコマンドを出力した場合に、取得部111Aは、連携装置20Aから、保留要求に対する応答として、保留要求の受領確認であるNOTIFYコマンドを取得する。
【0077】
また、後述のように、判定部115Aが、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送しないと判定した場合に、取得部111Aは、応答装置10Aと発信元電話機50との通話で用いるシナリオ中の、転送の破棄を指示するコマンドを取得する。
【0078】
また、後述の第2の動作モードにおいて、取得部111Aは、連携装置20から、転送先電話機40が応答装置10Aに向けて出力した切断指示を取得する。更に、後述の第2の動作モードにおいて、出力部114Aが、連携装置20Aに対して、転送要求を出力した場合に、取得部111Aは、連携装置20Aから、転送要求に対する応答として、転送要求の受領確認であるNOTIFYコマンドを取得する。
【0079】
通話部112Aは、通話部112と同様の動作を実行する。具体的には、取得部111Aが、第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得した場合に、シナリオデータベースSDに格納された、架電又は受電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて自動応答することにより、発信元電話機50と通話する。なお、当該発信元電話機50との通話は、「第1の通話」の一例である。
【0080】
また通話部112Aは、後述のように、連携装置20が、構内交換機30を介した応答装置10Aと発信元電話機50との通話を保留状態としている間に、シナリオデータベースSDに格納された、架電又は受電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて、転送先電話機40と通話する。なお、当該転送先電話機40との通話は、「第2の通話」の一例である。
【0081】
また、後述のように、判定部115Aが、第2の通話の内容に基づいて、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送しないと判定した場合に、通話部112Aは、第1の通話を再開する。
【0082】
生成部113Aは、通話部112Aが発信元電話機50との通話を開始した後、当該通話が基づくシナリオにおいて、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送する指示があった場合に、当該シナリオに基づいた処理の手順の進行を停止する。その後、生成部113Aは、発信元電話機50との第1の通話を保留するための保留要求である、INVITEコマンドを生成する。後述のように出力部114Aは、生成部113Aが生成したINVITEコマンドを、連携装置20Aに出力する。
【0083】
この結果、発信者からの架電を転送先に転送する場合に、転送先の電話機が、自身に転送されてきた発信者からの架電に応答できない場合でも、発信者は、電話を切断しなくて済むことが可能となる。
【0084】
その後、後述のように、応答装置10と発信元電話機50との第1の通話が保留状態となった後、生成部113Aは、転送先電話機40とのセッション開始要求であるINVITEコマンドを生成する。
【0085】
また、応答装置10と転送先電話機40との第2の通話において、生成部113Aは、第1の通話に基づいて、発信元電話機50からの通話に関する音声メッセージを生成する。出力部114Aは、生成部113Aが生成した音声メッセージを、転送先電話機40に出力する。
【0086】
当該音声メッセージは、例えば、発信元電話機50の電話番号、又は、発信元電話機50の使用者名であってもよい。あるいは当該音声メッセージは、例えば、発信元電話機50の使用者による問い合わせ内容であってもよい。当該音声メッセージが、発信元電話機50の使用者による問い合わせ内容である場合、生成部113Aは、当該使用者による発信元電話機50への操作内容に基づいて、当該問い合わせ内容を示す音声メッセージを生成してもよい。あるいは、生成部113Aは、第1の通話において、当該使用者の会話を音声認識し、音声認識結果に基づいて、当該問い合わせ内容を示す音声メッセージを生成してもよい。
【0087】
この結果、応答装置10Aは、転送先オペレータに対して、発信元電話機50からの架電を転送するよりも事前に、発信元電話機50の使用者からの用件を伝えることが可能となる。
【0088】
また、後述のように、判定部115Aが、第2の通話の内容に基づいて、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送すると判定した場合、生成部113Aは、第1の動作モードにおいて、連携装置20に対する、第1の通話と第2の通話との接続要求であるREFERコマンドを生成する。後述のように、出力部114Aは、生成部113Aが生成した接続要求としてのREFERコマンドを、連携装置20Aに向けて出力する。
【0089】
その後、連携装置20Aは、構内交換機30に対して、第1の通話と第2の通話とを接続させる。換言すれば、連携装置20Aは、発信元電話機50からの架電を、転送先電話機40に転送する。
【0090】
この結果、応答装置10Aは、発信元電話機50との間の第1の通話の通話状態を維持したまま、当該第1の通話と、転送先電話機40との間の第2の通話とを接続して、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送できる。
【0091】
また、後述のように、判定部115Aが、第2の通話の内容に基づいて、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送すると判定した場合、生成部113Aは、第2の動作モードにおいて、第2の通話が切断された後に、第1の通話の保留を解除する解除要求であるINVITEコマンドを生成する。第1の通話の保留が解除され、第1の通話が再開された後、当該第1の通話で用いるシナリオにおいて、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送する指示があった場合に、生成部113Aは、当該シナリオに基づいた処理の手順の進行を停止する。その後、生成部113Aは、発信元電話機50からの架電を、転送先電話機40へ転送するための転送要求を生成する。
【0092】
後述のように、出力部114Aは、生成部113Aが生成した転送要求を、構内交換機30に向けて出力する。具体的には、出力部114Aは、当該転送要求を、直接は連携装置20に出力することで、構内交換機30に向けて出力する。その後、取得部111Aが連携装置20AからNOTIFYコマンドを取得すると、出力部114Aは、連携装置20Aに対して、応答装置10Aと連携装置20Aとのセッションを終了し、回線を切断するための切断指示を出力する。
【0093】
その後、連携装置20Aは、転送要求を構内交換機30に出力する。連携装置20Aが構内交換機30から、転送要求に対する受領確認であるNOTIFYコマンドを取得すると、連携装置20Aは、構内交換機30に対して、連携装置20Aと構内交換機30とのセッションを終了し、回線を切断するための切断指示を出力する。
【0094】
構内交換機30は、連携装置20Aから切断指示を取得した後、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送する。
【0095】
この結果、発信元電話機50が接続する構内交換機30がダイレクトに転送先電話機40に接続することで、応答装置10Aは、連携装置20Aに発生する負荷を低減できる。
【0096】
一方で、後述のように、判定部115Aが、第2の通話の内容に基づいて、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送しないと判定した場合に、生成部113Aは、第1の通話の保留を解除する解除要求であるINVITEコマンドを生成する。出力部114Aは、生成部113Aが生成したINVITEコマンドを、連携装置20Aに出力する。
【0097】
第1の通話の保留状態が解除された後、通話部112Aは、第1の通話を再開する。
【0098】
この結果、応答装置10Aは上記の構成を有するので、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送しなかった場合に、発信元電話機50との間で、シナリオに基づいた第1の通話を再開できる。
【0099】
出力部114Aは、上記のように、生成部113Aが生成した、INVITEコマンド、REFERコマンド、転送要求、及び切断指示を、連携装置20Aに出力する。
【0100】
判定部115Aは、上記のように、第2の通話の内容に基づいて、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送するか否かを判定する。具体的には、判定部115Aは、第2の通話において、転送先オペレータによる転送先電話機40への操作に基づいて、上記の判定をしてもよい。あるいは、判定部115Aは、第2の通話において、転送先オペレータの会話、例えば「繋いでください」又は「今出られません」といった会話を音声認識することにより、上記の判定をしてもよい。
【0101】
2-1-3:連携装置の構成
連携装置20Aは、連携装置20が備える処理装置21の代わりに処理装置21Aを、記憶装置22の代わりに記憶装置22Aを備える。記憶装置22Aは、制御プログラムPR2の代わりに制御プログラムPR2Aを記憶する。処理装置21Aは、記憶装置22Aから制御プログラムPR2Aを読み出して実行することによって、接続処理部211A、取得部212A、及び出力部213Aとして機能する。その他の点で、連携装置20Aの構成は、
図3に示される連携装置20の構成と同一であるため、その図示を省略する。
【0102】
接続処理部211Aは、接続処理部211と同様に、発信元電話機50、転送先電話機40、及び応答装置10Aの間の接続を処理する。
【0103】
とりわけ本実施形態において、接続処理部211Aは、後述の取得部212Aが、応答装置10Aから第1の通話を保留するための保留要求であるINVITEコマンドを取得した場合に、第1の通話を保留状態とする。また、取得部212が、応答装置10Aから第1の通話の保留を解除するための解除要求であるINVITEコマンドを取得した場合に、接続処理部211Aは、第1の通話の保留を解除する。また、第1の動作モードにおいて、取得部212Aが、応答装置10Aから、第1の通話と第2の通話との接続要求を取得した場合に、接続処理部211Aは、第1の通話と第2の通話とを接続する。
【0104】
取得部212Aは、構内交換機30から、上記の第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得する。また取得部212Aは、応答装置10Aから、上記の転送要求としてのINVITEコマンドを取得する。また取得部212Aは、応答装置10Aから、上記の保留要求としてのINVITEコマンドを取得する。また取得部212Aは、応答装置10Aから、上記の解除要求としてのINVITEコマンドを取得する。また取得部212Aは、応答装置10Aから、上記の切断指示を取得する。
【0105】
また取得部212Aは、第1の動作モードにおいて、応答装置10Aから、上記の接続要求としてのREFERコマンドを取得する。
【0106】
また取得部212Aは、第2の動作モードにおいて、構内交換機30から、上記の切断指示を取得する。更に取得部212Aは、第2の動作モードにおいて、構内交換機30から、上記のNOTIFYコマンドを取得する。
【0107】
出力部213Aは、応答装置10Aに対して、上記の第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを出力する。また出力部213Aは、構内交換機30に対して、セッション開始要求としてのINVITEコマンドを出力する。また出力部213Aは、構内交換機30に対して、切断指示を出力する。また出力部213Aは、第2の動作モードにおいて、応答装置10Aに対して、上記の切断指示及び上記のNOTIFYコマンドを出力する。更に出力部213Aは、第2の動作モードにおいて、構内交換機30に対して、上記の転送要求及び切断指示を出力する。
【0108】
2-2:自動応答システムの動作
図5~
図7は、第2実施形態に係る自動応答システム1Aの動作を示すシーケンス図である。以下、
図5~
図7を参照しつつ、自動応答システム1Aの動作について説明する。
【0109】
2-2-1:第1の動作モード
図5~
図6Bは、自動応答システム1Aの第1の動作モードにおける動作についてのシーケンス図である。より詳細には、
図5~
図6Bのうち、
図5及び
図6Bは、第1の動作モードと第2の動作モードとで共通のシーケンス図である。
図6Aは、第1の動作モード固有のシーケンス図である。
【0110】
第1の動作モードにおいて、自動応答システム1Aは、最初に、
図5に記載のステップS21~S33までの処理を実行する。ステップS33における判定結果が肯定である場合、自動応答システム1Aは、
図6Aに記載のステップS34~S35の処理を実行する。ステップS33における判定結果が否定である場合、自動応答システム1Aは、
図6Bに記載のステップS36~S41の処理を実行する。以下、
図5~
図6Bを参照しつつ、自動応答システム1Aの第1の動作モードについて説明する。
【0111】
ステップS21において、構内交換機30は、発信元電話機50からの架電を受電する。
【0112】
ステップS22において、構内交換機30は、連携装置20Aに対し、第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを出力する。連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、取得部212Aとして機能する。処理装置21Aは、構内交換機30から、第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得する。なお、当該第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドには、架電の識別子であるUCIDが格納される。
【0113】
ステップS23において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、出力部213Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aに対し、構内交換機30から取得した第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを出力する。応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、取得部111Aとして機能する。処理装置11Aは、連携装置20Aから、第1の呼び出し情報としてのINVITEコマンドを取得する。
【0114】
ステップS24において、応答装置10Aと発信元電話機50とが、構内交換機30Aを介して通話中となる。より具体的には、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、通話部112Aとして機能する。処理装置11Aは、シナリオデータベースSDに格納された、架電又は受電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて自動応答することにより、発信元電話機50と通話する。
【0115】
ステップS25において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、取得部111Aとして機能する。処理装置11Aは、応答装置10Aと発信元電話機50との通話で用いるシナリオ中の、転送を指示するコマンドを取得する。なお、ここでの転送を指示するコマンドとは、具体的には、後述のように、発信元電話機50との第1の通話を保留状態とした後、別回線において転送先電話機40と第2の通話を実行し、その結果に応じて転送先電話機40に転送するか否かを判定するタイプの転送を指示するコマンドである。
【0116】
ステップS26において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、生成部113Aとして機能する。処理装置11Aは、上記のシナリオに基づいた処理の手順の進行を停止する。その後、処理装置11Aは、発信元電話機50との第1の通話を保留するための保留要求である、INVITEコマンドを生成する。また、処理装置11Aは、出力部114Aとして機能する。処理装置11Aは、生成したINVITEコマンドを、連携装置20Aに出力する。連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、取得部212Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aから、保留要求であるINVITEコマンドを取得する。
【0117】
ステップS27において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、出力部213Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aに対して、保留要求の受領確認であるNOTIFYコマンドを出力する。応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、取得部111Aとして機能する。処理装置11Aは、連携装置20Aから、NOTIFYコマンドを取得する。
【0118】
ステップS28において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、接続処理部211として機能する。処理装置21Aは、発信元電話機50との第1の通話を保留状態とする。なお、この間、発信元電話機50には保留音が出力される。
【0119】
ステップS29において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、生成部113Aとして機能する。処理装置11Aは、転送先電話機40とのセッション開始要求であるINVITEコマンドを生成する。処理装置11Aは、出力部114Aとして機能する。処理装置11Aは、発信元電話機50との回線とは互いに異なる新たな回線において、生成したINVITEコマンドを、連携装置20Aに出力する。連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、取得部212Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aから、セッション開始要求であるINVITEコマンドを取得する。
【0120】
ステップS30において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、出力部213Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aから取得した、セッション開始要求であるINVITEコマンドを、構内交換機30に出力する。構内交換機30は、連携装置20Aから、セッション開始要求であるINVITEコマンドを取得する。
【0121】
ステップS31において、構内交換機30は、連携装置20Aから取得した、セッション開始要求であるINVITEコマンドを転送先電話機40に出力する。転送先電話機40は、構内交換機30から、セッション開始要求であるINVITEコマンドを取得する。
【0122】
ステップS32において、応答装置10Aと転送先電話機40とが、構内交換機30Aを介して通話中となる。換言すれば、処理装置11Aは、通話部112として機能する。処理装置11Aは、転送先電話機40との間の第2の通話を実行する。当該第2の通話において、処理装置11Aは、オペレータ転送用シナリオに基づいて、転送先オペレータとの対話を行う。また、当該第2の通話において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、生成部113Aとして機能する。処理装置11Aは、上記の第1の通話に基づいて、発信元電話機50からの通話に関する音声メッセージを生成する。また、処理装置11Aは、出力部114Aとして機能する。処理装置11Aは、生成した音声メッセージを、転送先電話機40に出力する。
【0123】
ステップS33において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、判定部115Aとして機能する。処理装置11Aは、第2の通話の内容に基づいて、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送するか否かを判定する。より詳細には、処理装置11Aは、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送するか、保留状態となっている第1の通話の保留を解除するかを判定する。判定結果が肯定、すなわち、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送する場合、自動応答システム1Aは、ステップS34の処理を実行する。判定結果が否定、すなわち、第1の通話の保留を解除する場合には、自動応答システム1Aは、ステップS36の処理を実行する。
【0124】
ステップS34において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、生成部113Aとして機能する。処理装置11Aは、連携装置20に対する、第1の通話と第2の通話との接続要求であるREFERコマンドを生成する。また、処理装置11Aは、出力部114Aとして機能する。処理装置11Aは、生成した接続要求としてのREFERコマンドを、連携装置20Aに向けて出力する。また、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、取得部212Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aから、接続要求としてのREFERコマンドを取得する。
【0125】
ステップS35において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、接続処理部211Aとして機能する。処理装置21Aは、構内交換機30に対し、第1の通話と第2の通話とを接続させる。換言すれば、処理装置21Aは、発信元電話機50からの架電を、転送先電話機40に転送する。
【0126】
ステップS36において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、取得部111Aとして機能する。処理装置11Aは、応答装置10Aと発信元電話機50との通話で用いるシナリオ中の、転送の破棄を指示するコマンドを取得する。
【0127】
ステップS37において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、出力部114Aとして機能する。処理装置11Aは、転送先電話機40との回線を切断する切断指示を連携装置20Aに出力する。連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、取得部212Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aから、上記の切断指示を取得する。この結果、応答装置10Aと連携装置20Aとの間の、転送先電話機40との通話に関するセッションは終了する。
【0128】
ステップS38において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、出力部213Aとして機能する。処理装置21Aは、転送先電話機40との回線を切断する切断指示を構内交換機30に出力する。構内交換機30は、連携装置20Aから、上記の切断指示を取得する。この結果、連携装置20Aと構内交換機30との間の、転送先電話機40との通話に関するセッションは終了する。
【0129】
ステップS39において、構内交換機30は、転送先電話機40との回線を切断する切断指示を転送先電話機40に出力する。転送先電話機40は、構内交換機30から、上記の切断指示を取得する。この結果、構内交換機30と転送先電話機40との間の、転送先電話機40との通話に関するセッションは終了する。
【0130】
ステップS40において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、生成部113Aとして機能する。処理装置11Aは、第1の通話の保留を解除する解除要求であるINVITEコマンドを生成する。また、処理装置11Aは、出力部114Aとして機能する。処理装置11Aは、生成した解除要求としてのINVITEコマンドを、連携装置20Aに出力する。連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、取得部212Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aから、解除要求としてのINVITEコマンドを取得する。
【0131】
ステップS41において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、接続処理部211として機能する。処理装置21Aは、発信元電話機50との第1の通話の保留状態を解除する。この結果、応答装置10Aと発信元電話機50とが、構内交換機30Aを介して通話中となる。より具体的には、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、通話部112Aとして機能する。処理装置11Aは、シナリオに基づいた処理の手順の進行を再開することによって、発信元電話機50との通話を再開する。
【0132】
2-2-2:第2の動作モード
第2の動作モードにおいて、自動応答システム1Aは、最初に、
図5に記載のステップS21~S33までの処理を実行する。ステップS33における判定結果が肯定である場合、自動応答システム1Aは、
図7に記載のステップS51~S61の処理を実行する。ステップS33における判定結果が否定である場合、自動応答システム1Aは、
図6Bに記載のステップS36~S41の処理を実行する。以下、主として
図7を参照しつつ、自動応答システム1Aの第2の動作モードについて説明する。
【0133】
第2の動作モードにおいて、自動応答システム1Aは、
図5に記載される上記のステップS21~S33までの処理を実行する。
【0134】
ステップS33において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、判定部115Aとして機能する。処理装置11Aは、第2の通話の内容に基づいて、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送するか否かを判定する。より詳細には、処理装置11Aは、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送するか、保留状態となっている第1の通話の保留を解除するかを判定する。判定結果が肯定、すなわち、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送する場合には、自動応答システム1Aは、ステップS41の処理を実行する。判定結果が否定、すなわち、第1の通話の保留を解除する場合には、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、
図6Bに示されるステップS36の処理を実行する。
【0135】
ステップS51において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、取得部111Aとして機能する。処理装置11Aは、応答装置10と発信元電話機50との通話で用いるシナリオ中の、転送を指示するコマンドを取得する。なお、ここでの転送を指示するコマンドとは、具体的には、後述のように、応答装置10から連携装置20に対して転送要求を出力し、その後、切断指示を出力するタイプの転送を指示するコマンドである。
【0136】
ステップS52において、転送先電話機40を使用する転送先オペレータは、例えば転送先電話機40の受話器を、転送先電話機40の本体に置く。この結果、転送先電話機40は、転送先電話機40と応答装置10とのセッションを終了するために、構内交換機30に対して、切断指示を出力する。なお、転送先オペレータが、転送先電話機40の受話器を、転送先電話機40の本体に置くのに先立って、例えば、ステップS33における判定結果の後に、応答装置10が転送先電話機40に対して、「これから電話を転送するので、電話をお切りください」といったメッセージを出力しているものとする。なお、当該メッセージの出力は、ステップS32における第2の通話において実行されてもよい。
【0137】
ステップS53において、構内交換機30は、連携装置20Aに対して、切断指示を出力する。連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、取得部212Aとして機能する。処理装置21Aは、構内交換機30から、切断指示を取得する。
【0138】
ステップS54において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、出力部213Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aに対して、切断指示を出力する。応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、取得部111Aとして機能する。処理装置11Aは、連携装置20Aから切断指示を取得する。この結果、転送先電話機40と応答装置10とのセッションは終了する。
【0139】
ステップS55において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、生成部113Aとして機能する。処理装置11Aは、上記のシナリオに基づいた処理の手順の進行を停止する。その後、処理装置11Aは、発信元電話機50からの架電を、転送先電話機40へ転送するための転送要求を生成する。また、処理装置11Aは、出力部114Aとして機能する。処理装置11Aは、生成した転送要求を連携装置20Aに出力する。連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、取得部212Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aから転送要求を取得する。
【0140】
ステップS56において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、出力部213Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aに対して、転送要求に対する受領確認であるNOTIFYコマンドを出力する。応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、取得部111Aとして機能する。処理装置11Aは、応答装置10Aから、NOTIFYコマンドを取得する。
【0141】
ステップS57において、応答装置10Aに備わる処理装置11Aは、出力部114Aとして機能する。処理装置11Aは、切断指示を連携装置20Aに出力する。連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、取得部212Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aから切断指示を取得する。この結果、応答装置10Aと連携装置20Aとの間のセッションは終了する。
【0142】
ステップS58において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、出力部213Aとして機能する。処理装置21Aは、応答装置10Aから取得した転送要求を構内交換機30Aに出力する。構内交換機30Aは、連携装置20Aから転送要求を取得する。
【0143】
ステップS59において、構内交換機30Aは、連携装置20Aに対して、転送要求に対する受領確認であるNOTIFYコマンドを出力する。連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、取得部212Aとして機能する。処理装置21Aは、構内交換機30Aから、NOTIFYコマンドを取得する。
【0144】
ステップS60において、連携装置20Aに備わる処理装置21Aは、出力部213Aとして機能する。処理装置21Aは、切断指示を構内交換機30に出力する。構内交換機30は、連携装置20Aから切断指示を取得する。この結果、連携装置20Aと構内交換機30との間のセッションは終了する。
【0145】
ステップS61において、構内交換機30は、発信元電話機50からの架電を、転送先電話機40に転送する。なお、ここで転送先電話機40が応答しない場合、自動応答システム1Aは、
図4に示される、第1実施形態に係る自動応答システム1の動作中、ステップS13~ステップS16の処理を実行する。
【0146】
なお、第1の動作モードと第2の動作モードとを比較すると、第1の動作モードにおいては、第1の通話をつなげたまま、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送できるという利点が存在する。一方で、第2の動作モードにおいては、第1の動作モードに比較して、連携装置20Aに発生する負荷が小さいという利点が存在する。
【0147】
2-3:応答装置が奏する効果
以上の説明によれば、本実施形態に係る応答装置10Aは、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送する、通信システムとしての自動応答システム1Aに用いられる応答装置である。応答装置10Aは、通話部112A、生成部113A、及び出力部114Aを備える。通話部112Aは、架電を受電する構内交換機30によって発行された第1の呼び出し情報を取得した場合、架電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて、発信元電話機50との間の第1の通話を実行する。生成部113Aは、第1の通話が開始された後、上記のシナリオに基づいて、架電を保留する保留要求を生成する。出力部114Aは、上記の保留要求を、構内交換機30を介して発信元電話機50と連携する連携装置20Aに対して出力する。通話部112Aは、出力部114Aによって保留要求が出力された後に、転送先電話機40との間の第2の通話を実行する。
【0148】
応答装置10Aは上記の構成を有するので、発信者からの架電を転送先に転送する場合に、転送先のオペレータが、自身に転送されてきた発信者からの架電に応答できない場合でも、発信者からの通話を切断しなくて済むことが可能となる。
【0149】
とりわけ、応答装置10Aが、転送先電話機40との間の第2の通話を実行するのに先立って、予め、発信元電話機50との間の第1の通話を保留状態としている。この結果、例えば第2の通話において、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送できないことが判明しても、応答装置10Aは、保留状態としていた、発信元電話機50との間の第1の通話を再開できる。
【0150】
また以上の説明によれば、本実施形態に係る応答装置10Aにおいて、生成部113Aは、第1の通話に基づいて発信元電話機50からの通話に関する音声メッセージを生成する。出力部114Aは、第2の通話において、上記の音声メッセージを転送先電話機40に出力する。
【0151】
応答装置10Aは上記の構成を有するので、応答装置10Aは、転送先オペレータに対して、発信元電話機50からの架電を転送するよりも事前に、発信元電話機50の使用者からの用件を伝えることが可能となる。
【0152】
また以上の説明によれば、本実施形態に係る応答装置10Aは、判定部115Aを更に備える。判定部115Aは、第2の通話の内容に基づいて、上記の架電を転送先電話機40に転送するか否かを判定する。判定部115Aの判定結果が肯定である場合、生成部113Aは、連携装置20Aを介して、第1の通話と第2の通話とを接続する接続要求を生成する。出力部114Aは、連携装置20Aに対して、上記の接続要求を出力する。
【0153】
応答装置10Aは上記の構成を有するので、発信元電話機50との間の第1の通話の通話状態を維持したまま、当該第1の通話と、転送先電話機40との間の第2の通話とを接続して、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送できる。
【0154】
また以上の説明によれば、本実施形態に係る応答装置10Aにおいて、判定部115Aの判定結果が否定である場合、生成部113Aは、保留を解除する解除要求を生成する。出力部114Aは、連携装置20Aに対して解除要求を出力する。判定部115Aの判定結果が否定である場合、通話部112Aは、第1の通話を再開する。
【0155】
応答装置10Aは上記の構成を有するので、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送しなかった場合に、発信元電話機50との間で、シナリオに基づいた第1の通話を再開できる。
【0156】
また以上の説明によれば、本実施形態に係る応答装置10Aは、判定部115Aを更に備える。判定部115Aは、第2の通話の内容に基づいて、上記の架電を転送先電話機40に転送するか否かを判定する。判定部115Aの判定結果が肯定である場合、生成部113Aは、第2の通話が切断された後に、上記の保留を解除する解除要求を生成する。出力部114Aは、連携装置20Aに対して、上記の解除要求を出力する。判定部115Aの判定結果が肯定である場合、生成部113は、第1の通話を転送先電話機40へ転送するための転送要求を生成する。出力部114Aは、上記の転送要求を構内交換機30に向けて出力する。
【0157】
応答装置10Aは上記の構成を有するので、発信元電話機50が接続する構内交換機30がダイレクトに転送先電話機40に接続することで、連携装置20Aに発生する負荷を低減できる。
【0158】
また以上の説明によれば、本実施形態に係る応答装置10Aにおいて、判定部115Aの判定結果が否定である場合、生成部113Aは、保留を解除する解除要求を生成する。出力部114Aは、連携装置20Aに対して、上記の解除要求を出力する。判定部115Aの判定結果が否定である場合、通話部112Aは、第1の通話を再開する。
【0159】
応答装置10Aは上記の構成を有するので、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40に転送しなかった場合に、発信元電話機50との間で、シナリオに基づいた第1の通話を再開できる。
【0160】
3:変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0161】
3-1:変形例1
図5に示される、第1の動作モード及び第2の動作モードにおける自動応答システム1Aの動作中、ステップS32において、応答装置10Aと転送先電話機40との間で第2の通話が実行される。しかし、ステップS32の前段階で、転送先電話機40が応答しない場合は、応答装置10Aが、連携装置20Aから応答がなかったことを示す信号を取得したことをトリガーとして、第1の通話の保留状態を解除してもよい。その後、応答装置10Aは、元々用いていたシナリオに基づいて、第1の通話を再開してもよい。
【0162】
3-2:変形例2
図5に示される、第1の動作モード及び第2の動作モードにおける自動応答システム1Aの動作中、ステップS32において、応答装置10Aは、第1の通話に基づいて、発信元電話機50からの通話に関する音声メッセージを生成し、転送先電話機40に出力する。しかし、応答装置10Aは、ステップS24~S31までの間の任意の時点において、当該音声メッセージを生成してもよい。例えば、応答装置10Aは、ステップS24における第1の通話の実行中に、当該音声メッセージを生成してもよい。
【0163】
4:その他
(1)上述した実施形態では、応答装置10及び10A、並びに連携装置20及び20Aを例示したが、応答装置10及び10Aが備える記憶装置12及び12A、並びに連携装置20及び20Aが備える記憶装置22及び22Aは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、外部装置が実行するプログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網NETから送信されてもよい。
【0164】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0165】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0166】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットを用いて表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0167】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0168】
(6)
図1~
図7に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0169】
(7)上述した実施形態において例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称を用いて呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0170】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0171】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0172】
(9)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0173】
(10)上述した実施形態において、応答装置10及び10A、並びに連携装置20及び20Aは、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0174】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことが可能である。要素間の結合又は接続は、物理的な結合又は接続であっても、論理的な結合又は接続であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」を用いて読み替えられてもよい。本開示において使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることが可能である。
【0175】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0176】
(13)本開示において使用される「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0177】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0178】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0179】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0180】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行う通知に限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0181】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有さない。
【符号の説明】
【0182】
1,1A…自動応答システム、10,10A…応答装置、11,11A…処理装置、12,12A…記憶装置、13…通信装置、14…ディスプレイ、15…入力装置、20,20A…連携装置、21,21A…処理装置、22,22A…記憶装置、23…通信装置、24…ディスプレイ、25…入力装置、30,30A…構内交換機、40…転送先電話機、50…発信元電話機、111,111A…取得部、112,112A…通話部、113,113A…生成部、114,114A…出力部、115,115A…判定部、211,211A…接続処理部、212,212A…取得部、213,213A…出力部、PR1,PR1A,PR2,PR2A…制御プログラム
【要約】
【課題】発信者からの架電を転送先に転送する場合に、転送先のオペレータが自身に転送されてきた発信者からの架電に応答しないことを選択しても、発信者が電話を切断しなくて済む。
【解決手段】応答装置10は、架電に対する処理の手順を示すシナリオに基づいて、発信元電話機50と通話する通話部112と、通話が開始された後、シナリオに基づいた処理の手順の進行を停止し、発信元電話機50からの架電を転送先電話機40へ転送するための転送要求を生成する生成部113と、転送要求に対応して構内交換機30によって発行された第2の呼び出し情報に基づいて、転送先電話機40の応答の可否を判定する判定部115とを備え、判定部115による判定結果が否であった場合に、通話部112は、上記のシナリオに基づいた処理の手順の進行を再開することによって、発信元電話機50との通話を再開する。
【選択図】
図2