(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】ワイヤレス電力システムにおけるアクティブ整流
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20231108BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231108BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20231108BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J7/00 301D
H02J50/10
(21)【出願番号】P 2022553154
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(86)【国際出願番号】 US2021021209
(87)【国際公開番号】W WO2021178894
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-11-01
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513307922
【氏名又は名称】ワイトリシティ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】WITRICITY CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミリサヴ・ダニロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】コナー・ロッチフォード
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0148986(US,A1)
【文献】国際公開第2018/184574(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00 - 50/90
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス電力レシーバのアクティブ整流器を制御するための方法であって、
前記整流器への電流の基準値を決定するステップであって、前記基準値が負荷要件に基づく、ステップと、
前記基準値に基づいて前記整流器への現在の入力電流の必要な値の変化を決定するステップと、
前記現在の入力電流の前記必要な値の変化を表す信号を、ワイヤレス電力トランスミッタに送信するステップと、
前記信号を送信した後に前記現在の入力電流の新しい値を決定するステップと、
前記新しい値が前記必要な値の変化の所定の範囲内である場合、前記新しい値に基づいてPWM信号を用いて前記整流器の少なくとも1つのトランジスタを駆動するステップと
、
前記新しい値が前記所定の範囲内でない場合、前記整流器への前記電流の別の基準値を決定するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記ワイヤレス電力レシーバからの電圧、電流、または電力の少なくとも1つに対する要求を、バッテリ管理システムから受信するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在の入力電流の前記必要な値の変化を表す前記信号を、前記ワイヤレス電力トランスミッタに送信するステップは、前記ワイヤレス電力トランスミッタによって前記ワイヤレス電力レシーバに送信された電力の変化を引き起こ
し、
前記現在の入力電流の前記新しい値が送信された電力の変化に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
送信された電力の前記変化は、前記電力を減少させることである、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
送信された電力の前記変化は、前記電力をゼロに減少させることである、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
送信された電力の前記変化は、前記電力を増加させることである、請求項
3に記載の方法。
【請求項7】
前記必要な値の変化の前記所定の範囲と前記現在の入力電流の前記新しい値を比較するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ワイヤレス電力レシーバのアクティブ整流器を制御するためのコントローラであって、前記コントローラは前記整流器に結合され、
前記整流器への電流の基準値を決定するステップであって、前記基準値が負荷要件に基づく、ステップと、
前記基準値に基づいて前記整流器への現在の入力電流の必要な値の変化を決定するステップと、
前記現在の入力電流の前記必要な値の変化を表す信号を、ワイヤレス電力トランスミッタに送信するステップと、
前記信号を送信した後に前記現在の入力電流の新しい値を決定するステップと、
前記新しい値が前記必要な値の変化の所定の範囲内である場合、前記新しい値に基づいてPWM信号を用いて前記整流器の少なくとも1つのトランジスタを駆動するステップと
、
前記新しい値が前記所定の範囲内でない場合、前記整流器への前記電流の別の基準値を決定するステップと
を含む複数のステップを実行するように構成される、コントローラ。
【請求項9】
前記複数のステップは、前記ワイヤレス電力レシーバからの電圧、電流、または電力の少なくとも1つに対する要求を、前記整流器の出力に結合されたバッテリ管理システムから受信するステップをさらに備える、請求項
8に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記現在の入力電流の前記必要な値の変化を表す前記信号を、前記ワイヤレス電力トランスミッタに送信するステップは、前記ワイヤレス電力トランスミッタによって前記ワイヤレス電力レシーバに送信された電力の変化を引き起こ
し、
前記現在の入力電流の前記新しい値が送信された電力の変化に基づく、請求項
8に記載のコントローラ。
【請求項11】
送信された電力の前記変化は、前記電力を減少させることである、請求項
10に記載のコントローラ。
【請求項12】
送信された電力の前記変化は、前記電力をゼロに減少させることである、請求項
11に記載のコントローラ。
【請求項13】
送信された電力の前記変化は、前記電力を増加させることである、請求項
10に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記複数のステップは、前記必要な値の変化の前記所定の範囲と前記現在の入力電流の前記新しい値を比較するステップをさらに備える、請求項
8に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記コントローラは、前記整流器の前記少なくとも1つのトランジスタに結合される、請求項
8に記載のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる、2020年3月6日に出願した「ACTIVE RECTIFICATION IN WIRELESS POWER SYSTEMS」と題する米国特許仮出願62/986,212号の優先権および利益を主張する。
【0002】
以下の開示は、ワイヤレス電力システムにおけるアクティブ整流のための方法およびシステムに関し、より具体的には、アクティブ整流器を有するワイヤレス電力レシーバを使用して高電圧バッテリを充電および/または加熱するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス電力システムは、トランスミッタおよびレシーバの間の物理的接触なしに電力を負荷(例えば、電子デバイスのバッテリ)に送信するように構成される。そのようなシステムのワイヤレス電力レシーバは概して、レシーバに結合された負荷(例えば、バッテリ)に伝達するために振動エネルギーを直流に変換するための整流器を含む。整流器が高効率で動作することは有益である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、開示は、ワイヤレス電力レシーバのアクティブ整流器を制御する方法を特徴とする。方法は、整流器への電流の基準値を決定するステップであって、基準値が負荷要件に基づく、ステップと、基準値に基づいて整流器への現在の入力電流の必要な値の変化を決定するステップと、現在の入力電流の必要な値の変化を表す信号を、ワイヤレス電力トランスミッタに送信するステップと、信号を送信した後に現在の入力電流の新しい値を決定するステップと、新しい値が必要な値の変化の所定の範囲内である場合、新しい値に基づいてPWM信号を用いて整流器の少なくとも1つのトランジスタを駆動するステップとを備える。
【0005】
方法の様々な実施形態が以下の特徴の1つまたは複数を含み得る。
【0006】
方法は、ワイヤレス電力レシーバからの電圧、電流、または電力の少なくとも1つに対する要求を、バッテリ管理システムから受信するステップを含む。方法は、新しい値が所定の範囲内でない場合、整流器への電流の別の基準値を決定するステップを含む。
【0007】
現在の入力電流の必要な値の変化を表す信号を、ワイヤレス電力トランスミッタに送信するステップは、ワイヤレス電力トランスミッタによってワイヤレス電力レシーバに送信された電力の変化を引き起こす。現在の入力電流の新しい値が送信された電力の変化に基づく。送信された電力の変化は、電力を減少させることである。送信された電力の変化は、電力をゼロに減少させることである。送信された電力の変化は、電力を増加させることである。方法は、必要な値の変化の所定の範囲と現在の入力電流の新しい値を比較するステップを備える。方法は、アクティブ整流器に結合されたコントローラによって実行される。
【0008】
別の態様では、本開示は、ワイヤレス電力レシーバのアクティブ整流器を制御するためのコントローラを特徴とし、該コントローラは、整流器に結合される。コントローラは、整流器への電流の基準値を決定するステップであって、基準値が負荷要件に基づく、ステップと、基準値に基づいて整流器への現在の入力電流の必要な値の変化を決定するステップと、現在の入力電流の必要な値の変化を表す信号を、ワイヤレス電力トランスミッタに送信するステップと、信号を送信した後に現在の入力電流の新しい値を決定するステップと、新しい値が必要な値の変化の所定の範囲内である場合、新しい値に基づいてPWM信号を用いて整流器の少なくとも1つのトランジスタを駆動するステップとを含む複数のステップを実行するように構成される。
【0009】
コントローラの様々な実施形態は、以下の特徴の1つまたは複数を含み得る。
【0010】
コントローラは、ワイヤレス電力レシーバからの電圧、電流、または電力の少なくとも1つに対する要求を、整流器の出力に結合されたバッテリ管理システムから受信するように構成される。コントローラは、新しい値が所定の範囲内でない場合、整流器への電流の別の基準値を決定するように構成される。現在の入力電流の必要な値の変化を表す信号を、ワイヤレス電力トランスミッタに送信するステップは、ワイヤレス電力トランスミッタによってワイヤレス電力レシーバに送信された電力の変化を引き起こす。現在の入力電流の新しい値が送信された電力の変化に基づく。
【0011】
送信された電力の変化は、電力を減少させることである。送信された電力の変化は、電力をゼロに減少させることである。送信された電力の変化は、電力を増加させることである。コントローラは、必要な値の変化の所定の範囲と現在の入力電流の新しい値を比較するように構成される。コントローラは、整流器の少なくとも1つのトランジスタに結合される。
【0012】
別の態様では、本開示は、ワイヤレス電力レシーバのためのアクティブ整流器を特徴とする。アクティブ整流器は、整流器の第1の入力と整流器の出力の間に結合された第1のダイオードと、第1の入力とグランドの間に結合された第1のトランジスタと、(i)第1のダイオードまたは(ii)第1のトランジスタの少なくとも1つに並列に結合された第1の容量性スナバと、整流器の第2の入力と出力との間に結合された第2のダイオードと、第2の入力とグランドの間に結合された第2のトランジスタと、(i)第2のダイオードまたは(ii)第2のトランジスタの少なくとも1つに並列に結合された第2の容量性スナバとを備える。
【0013】
アクティブ整流器の様々な実施形態は、以下の特徴の1つまたは複数を含み得る。
【0014】
第1および第2の容量性スナバが、ワイヤレス電力レシーバのリアクティブ電流を低減するように構成される。第1および第2の容量性スナバが、それぞれの第1および第2のトランジスタのスイッチング損失を低減するように構成される。第1の容量性スナバおよび第2の容量性スナバの各々が抵抗成分を有する。第1の容量性スナバおよび第2の容量性スナバの各々が複数のコンデンサを有する。ワイヤレス電力レシーバが、約11kWの電力を、アクティブ整流器の出力に結合された負荷に伝達するよう構成され、各容量性スナバが1~30ナノファラッドの間の静電容量値を有する。
【0015】
アクティブ整流器は、85kHz±10kHzの周波数で動作するように構成される。ワイヤレス電力レシーバは、ワイヤレス電力トランスミッタに、電磁場を介して結合されるように構成されたレシーバ共振器コイルを備え、アクティブ整流器が動作しているとき、アクティブ整流器によってレシーバ共振器コイルに提示されるインピーダンスは抵抗性である。アクティブ整流器は、整流器の出力に結合されたバッテリを充電するための電流を提供するように構成される。アクティブ整流器は、整流器の出力に結合された抵抗に電流を提供するように構成される。
【0016】
別の態様では、本開示は、ワイヤレス電力トランスミッタに電磁場を介して結合されるように構成されたレシーバ共振器コイルと、レシーバ共振器コイルの出力に結合されたアクティブ整流器とを含むワイヤレス電力レシーバを特徴とする。アクティブ整流器は、整流器の第1の入力と整流器の出力の間に結合された第1のダイオードと、第1の入力とグランドの間に結合された第1のトランジスタと、(i)第1のダイオードまたは(ii)第1のトランジスタの少なくとも1つに並列に結合された第1の容量性スナバと、整流器の第2の入力と出力との間に結合された第2のダイオードと、第2の入力とグランドの間に結合された第2のトランジスタと、(i)第2のダイオードまたは(ii)第2のトランジスタの少なくとも1つに並列に結合された第2の容量性スナバとを含む。
【0017】
ワイヤレス電力レシーバの様々な実施形態は、以下の特徴の1つまたは複数を含み得る。
【0018】
第1および第2の容量性スナバが、ワイヤレス電力レシーバのリアクティブ電流を低減するように構成される。第1および第2の容量性スナバが、それぞれの第1および第2のトランジスタのスイッチング損失を低減するように構成される。第1の容量性スナバおよび第2の容量性スナバの各々が抵抗成分を有する。第1の容量性スナバおよび第2の容量性スナバの各々が複数のコンデンサを有する。ワイヤレス電力レシーバが、約11kWの電力を、アクティブ整流器の出力に結合された負荷に伝達するよう構成され、各容量性スナバが1~30ナノファラッドの間の静電容量値を有する。
【0019】
アクティブ整流器は、85kHz±10kHzの周波数で動作するように構成される。アクティブ整流器が動作しているとき、アクティブ整流器によってレシーバ共振器コイルに提示されるインピーダンスは抵抗性である。アクティブ整流器は、整流器の出力に結合されたバッテリを充電するための電流を提供するように構成される。アクティブ整流器は、整流器の出力に結合された抵抗に電流を提供するように構成される。
【0020】
別の態様では、本開示は、ワイヤレス電力レシーバのアクティブ整流のための方法を特徴とする。方法は、レシーバのアクティブ整流器の入力から電流信号を受信するステップと、電流信号のゼロ交差を検出しゼロ交差検出信号を生成するステップと、ゼロ交差検出信号の位相を検出し同期信号を生成するステップと、同期信号に基づいてランプ信号を生成するステップと、アクティブ整流器の各トランジスタのために位相幅変調(PWM)信号を生成するステップとを含む。
【0021】
方法の様々な実施形態は、以下の特徴の1つまたは複数を含む。方法はさらに、アクティブ整流器にPWM信号を提供するステップを含む。電流信号は、1つまたは複数の高調波を含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】例示的なワイヤレス電力システムのブロック図である。
【
図2A】充電および/または加熱モードで動作するように構成されたワイヤレス電力システムの概略図である。
【
図2B】充電および/または加熱モードで動作するように構成されたワイヤレス電力システムの概略図である。
【
図2C】容量性スナバを有する例示的なアクティブ整流器の概略図である。
【
図2D】容量性スナバを有する例示的なアクティブ整流器の概略図である。
【
図3】デュアルモードで動作するように構成されたワイヤレス電力システムのための例示的な制御システムの図である。
【
図4A】
図3の例示的な制御システムのための例示的な方法のフローチャートである。
【
図4B】
図3の例示的な制御システムのための例示的な方法のフローチャートである。
【
図4C】
図3の例示的な制御システムのための例示的な方法のフローチャートである。
【
図5】電流測定を含む、デュアルモードで動作するように構成されたワイヤレス電力システムのための例示的な制御システムの図である。
【
図6】アクティブ整流器を含む、例示的なワイヤレス電力システムの概略図である。
【
図7A】
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器のトランジスタのための制御信号を生成するためのブロック図である。
【
図7B】
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器のトランジスタのための制御信号を生成するための例示的なワークフローのブロック図である。
【
図8】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器を含む、
図2A、
図2B、または
図6のワイヤレス電力システムにおける様々な信号のプロットのセットを示す図である。
【
図9A】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図9B】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図9C】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図9D】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図9E】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図9F】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図9G】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図9H】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図9I】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図9J】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図9K】時間の関数として、
図2Bまたは
図6の例示的なアクティブ整流器の様々な状態を示す図である。
【
図10】
図2A、
図2B、または
図6のワイヤレス電力システムにおけるアクティブ整流器のための例示的な方法のフローチャートである。
【
図11】本明細書に説明する例示的なシステムおよび方法を実施する際に使用され得る例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書の開示内容は、アクティブ整流器を含むワイヤレス電力システムの例示的な実施形態である。様々な実施形態において、そのようなワイヤレス電力システムは、バッテリを充電および/または加熱するように構成される。特に、システムは、例えば、車両、産業機器、機械、ロボットなど高電圧バッテリを充電および/または加熱するように構成される。
【0024】
ワイヤレス電力システム
図1は、例示的なワイヤレス電力システム100のブロック図である。システム100は、ワイヤレス電力トランスミッタ102およびワイヤレス電力レシーバ104を含む。トランスミッタ102では、電源105(例えば、AC電源、バッテリなど)は、電力をインバータ108に提供する。追加の構成要素は、インバータ段108の前に力率補正(PFC)回路106を含み得る。インバータ108は、インピーダンス整合ネットワーク110(静的なおよび/またはチューニング可能なネットワーク構成要素を含む)を介して、トランスミッタ共振器コイルおよび容量性構成要素112を駆動する。トランスミッタ共振器は、レシーバ共振器に電流および/または電圧を誘導する振動磁場を生み出す。受信したエネルギーは、インピーダンス整合ネットワーク116(静的および/またはチューニング可能なネットワーク構成要素を含む)を介して整流器118に提供される。最終的に、整流された電力は、負荷120(例えば、電気的またはハイブリッドの車両の1つまたは複数のバッテリ)に提供される。いくつかの実施形態では、バッテリ電圧レベルは、ワイヤレス電力システム100の様々なパラメータ(例えば、インピーダンス)に影響を与え得る。したがって、バッテリ電圧レベルが受信、決定、あるいは測定され、ワイヤレス電力システム100の他の部分への入力として提供されることになる。例えば、電気自動車の典型的なバッテリ電圧範囲は、0~280V、0~350V、0~420Vなどを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、トランスミッタ102の1つまたは複数の構成要素は、レシーバ104の通信モジュールと通信するように構成された通信モジュール(例えば、Wi-Fi、無線、Bluetooth、インバンドシグナリング機構など)を含み得る、コントローラ122に結合され得る。いくつかの実施形態では、トランスミッタ102の1つまたは複数の構成要素は、1つまたは複数のセンサ124(例えば、電流センサ、電圧センサ、電力センサ、温度センサ、故障センサなど)に結合され得る。コントローラ122およびセンサ124は、センサ124および/またはセンサ128からのフィードバック信号に基づいてトランスミッタ102の制御部分に動作可能に結合される。
【0026】
いくつかの実施形態では、レシーバ104の1つまたは複数の構成要素は、コントローラ126に結合され、コントローラ126は、トランスミッタ102の通信モジュールと通信するように構成された通信モジュール(例えば、Wi-Fi、無線、Bluetooth、インバンドシグナリング機構など)を含む。いくつかの実施形態では、トランスミッタ102の1つまたは複数の構成要素は、1つまたは複数のセンサ128(例えば、電流センサ、電圧センサ、電力センサ、温度センサ、故障センサなど)に結合され得る。コントローラ126およびセンサ128は、センサ128および/またはセンサ124からのフィードバック信号に基づいてトランスミッタ102の制御部分に動作可能に結合される。
【0027】
ワイヤレス電力システムの例は、「Wireless energy transfer systems」と題する2010年6月10日公開の米国特許出願公開2010/0141042号明細書、および「Wireless energy transfer for vehicles」と題する2012年5月10日公開の米国特許出願公開2012/0112535号明細書に見出され、両明細書は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
高電力ワイヤレス電力トランスミッタは、車両、産業機械、ロボット、または高電力を必要とする電子デバイスの電力、および/または車両、産業機械、ロボット、または高電力を必要とする電子デバイスのバッテリの充電などの応用においてワイヤレス電力を送信するように構成される。説明の目的で、以下の開示は、車両のワイヤレス電力送信に焦点を当てる。しかしながら、本明細書に説明される任意の1つまたは複数の実施形態は、ワイヤレス電力が利用される他の応用に適用され得ることは理解されよう。例えば、例示的な方法およびシステムは、民生用電子機器(例えば、低電力で動作する)、一般的な絶縁型DC/DCコンバータ、バス、トラック(例えば、高電力で動作する)などに拡張可能である。したがって、本明細書で議論するパラメータ(例えば、周波数、電力レベル、電圧レベル、スナバコンデンサ値など)は、例として考えられ、応用に応じて構成され得る。
【0029】
本明細書に使用されるように、用語「コンデンサ」またはその記号は、静電容量(例えば、ファラッド単位)および/または容量性リアクタンス(例えば、オーム単位)を有する1つまたは複数の電気構成要素を指すことができる。例えば、コンデンサは、数十、数百などのオーダーの離散コンデンサであり得る1つまたは複数のコンデンサ(例えば、コンデンサの「バンク」内)を含むことができる。所望の容量および/または所望の容量性リアクタンスを達成するために、2つ以上のコンデンサを直列または並列に結合することができる。容量性リアクタンスは本明細書では負の値として表され得ることに留意されたい。しかしながら、当業者は、いくつかの従来技術では、容量性リアクタンスは正の値として表されることもあることを認識している。本明細書では、図面を含め、様々な電気的な構成要素のための例示的な値を提供するが、構成要素の値は、特別な応用のためにカスタマイズできることを理解されたい。例えば、様々な電気的な構成要素の値は、ワイヤレス電力トランスミッタを使用して、車両バッテリ(数千ワットのオーダー)または携帯電話バッテリ(一般に5ワット未満)を充電するための電力を送信するかどうかに依存し得る。
【0030】
デュアルモード動作
いくつかの実施形態では、ワイヤレス電力システム100は、動作の1つまたは複数のモードで構成され得る。動作のモードは、例えば、バッテリの充電および/またはバッテリの加熱など、負荷の1つまたは複数のタイプのためにエネルギーを提供することを含み得る。例示的な「充電モード」では、システム100は、電圧をバッテリに提供するように構成される。充電モードは、定電流(CC)モードおよび/または定電圧(CV)モードを含み得る。例示的な「加熱モード」では、システム100は、バッテリを加熱するように構成されたレジスタに電流を提供するように構成される。加熱モードは定電圧(CV)モードを含み得る。本明細書で議論するように、バッテリおよび/またはレジスタは「負荷」として示される。
【0031】
図2A~2Bは、充電モードおよび/または加熱モードで動作するように構成されたワイヤレス電力システム200(部分200aおよび200bを含む)を示す。ワイヤレス電力システム200は、ワイヤレス電力トランスミッタ202およびワイヤレス電力レシーバ204a、204b(集合的に204と呼ぶ)を含む。ワイヤレス電力システム200は、上述したワイヤレス電力システム100と類似するまたは同じ構成要素を含むことができる。
【0032】
例示的なレシーバ部分204では、アクティブ整流器206は、トランジスタS7(本体ダイオードD7を有する)に直列に結合されたダイオードD5およびトランジスタS8(本体ダイオードD8を有する)に直列に結合されたダイオードD6を含むフルブリッジ整流器であってよい。ダイオードD5およびD6は、シリコンダイオードであってよい。トランジスタS7およびS8は、シリコンMOSFETであってよい。アクティブ整流器206の構造にシリコンダイオードおよびシリコンMOSFETを使用することによって、レシーバ204およびシステム200全体のコストを最小化できる。
【0033】
いくつかの実施形態では、トランジスタS7およびS8は、それぞれ容量性スナバC41およびC42に並列に結合される。いくつかの実施形態では、
図2Cに示すように、ダイオードD5およびD6は各々、それぞれの容量性スナバ212aおよび212bに並列に結合される。いくつかの実施形態では、
図2Dに示すように、トランジスタS7およびS8は、それぞれの容量性スナバ214aおよび214bに並列に結合され、ダイオードD5およびD6は、それぞれの容量性スナバ216aおよび216bに並列に結合される。いくつかの実施形態では、トランジスタS7の位置はダイオードD5と入れ替えられ、トランジスタS8の位置はダイオードD6と入れ替えられることに留意されたい。いくつかの実施形態では、整流器は、(例えば、他方を介さず一方のトランジスタを介して)単一の容量性スナバのみを有し得ることに留意されたい。各容量性スナバは、1つまたは複数の容量性構成要素(例えば、コンデンサ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、スナバ容量は、ワイヤレス電力システムの仕様に依存し、1ナノファラッドから数十ナノファラッドのオーダーになることがある。いくつかの実施形態では、容量性スナバは抵抗部分を有する。
【0034】
ワイヤレス電力システムで使用されるとき、容量性スナバは、1つまたは複数の利点および/または利益を有する。容量性スナバの値を正確に選択することによって、負荷120への伝達電力は増加され得る。例えば、10~20kW出力を伝達するよう構成された高電力ワイヤレス電力システムでは、容量性スナバは、負荷120に伝達される10~20kWに加えて、追加の数百ワット(例えば、100~900ワット)を有効にすることができる。例示的な高電力ワイヤレス電力システム(例えば、負荷に約11kW±2kWを伝達するように構成された)の場合、各容量性スナバは、1~30ナノファラッドの静電容量を有し得る。いくつかの実施形態では、スナバは、12~14ナノファラッド、10~15ナノファラッド、5~20ナノファラッド、あるいはそれ以上の静電容量を有し得る。容量性スナバの値を選択することにより、ワイヤレス電力レシーバおよび/または全体のシステム200の整合を向上でき、したがって、議論されているように、より多くの電力出力を可能にする。特に、インピーダンスの虚数(リアクタンス)成分は、特定の「コーナーケース」の状況(例えば、ワイヤレス電力トランスミッタおよびレシーバの間が切断されると、バッテリ電圧が非常に高く、または非常に低くなるなど)で相殺されるように、レシーバ共振器コイルと整流器との間で適切なインピーダンス整合を確保することは利点がある。ワイヤレス電力システムの動作中、整流器の入力電流は、高次の高調波を有することがある。例えば、システムが、約85kHz(例えば、±10kHz)の動作周波数で動作している場合、入力電流は、動作周波数のより高い高調波の周波数を含む。より高い高調波は、小さな虚数インピーダンスを生じる小さな位相シフトを作ることがあり、それにより、レシーバ共振器コイルから見た全体的なインピーダンスに影響を与える。このことが、虚数インピーダンスの不完全な相殺を引き起こすことがある。容量性スナバを有する整流器206を構成することによって、スナバは、等価インピーダンスアクティブ整流器206のリアクティブシフトを補償することができる。このことにより、レシーバ共振器コイルから見たインピーダンスが適切に補償され得る。したがって、レシーバ共振器コイルは、支配的な抵抗負荷インピーダンスを見ることができる。前述のように、この構成は、より効率的なシステムが負荷120により大きな電力を伝達することを可能にすることができる。それに応じて容量性スナバ値が選択され、インピーダンス(例えば、レシーバ共振器コイルから見たインピーダンスのリアクタンス成分)を補償する。
【0035】
例示的な容量性スナバは、出力電力を増加させ、ワイヤレス電力システム200(例えば、レシーバ204)におけるリアクティブ電流を低減し、トランジスタS7、S8におけるスイッチング損失を減少させ、および/またはワイヤレス電力レシーバ204および/またはワイヤレス電力システム200の効率を改善するのに有益であり得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、バッテリ加熱モードに切り替えるために、例示的な整流器206の出力は、バッテリを加熱するための抵抗に切り替えるスイッチ208に結合され得る。一般に、バッテリヒータは、車両(例えば、電気車両、ハイブリッド車両、など)の構成要素であってよい。例示的なバッテリヒータ(例えば、サブ回路210)は、正温度係数(PTC)抵抗器アレイと、等価負荷を構成するリレーのセットとを含み得る。ヒータに伝達される電力は、PWM制御されている。したがって、バッテリ加熱モードでは、例示的なワイヤレス電力システムはその出力として、定電圧(CV)を維持する。
【0037】
いくつかの実施形態では、ワイヤレス電力トランスミッタ202は、XGA=X1s=X2s=X3sのように構成され得、ここで、X1sは、成分L1s、C1sa、C1sbの合成リアクタンスであり、X2sは、成分C2sの合成リアクタンスであり、X3sは、成分L3sa、L3sb、C3sa、C3sbの合成リアクタンスである。例示的なトランスミッタ202では、トランスミッタ200の最大電流I1s_maxは、最大バス電圧Vbus_maxでのものである。いくつかの実施形態では、ワイヤレス電力トランスミッタ202のインピーダンス整合は、
【0038】
【0039】
のように構成され得、ここで、XGAは、トランスミッタ202の部分201の成分L1s、C1s、C2s、L3s、C3sによって提示される特性インピーダンスである。
【0040】
いくつかの実施形態では、ワイヤレス電力レシーバ204は、XVA=X1d=X2d=X3dのように構成され得、ここで、X1dは、成分L1d、C1da、C1dbの合成リアクタンスであり、X2dは、成分C2dの合成リアクタンスであり、X3dは、成分L3da、L3dbの合成リアクタンスである。いくつかの実施形態では、ワイヤレス電力レシーバ204は、システムは、より大きな出力電力を伝達できるように、XVA2=X1d=X2d XVA2=X3dのように構成される。いくつかの実施形態では、ワイヤレス電力レシーバ204のインピーダンス整合は、
【0041】
【0042】
のように構成され得、ここで、XVAは、部分203の成分L1d、C1d、C2d、L3dによって提示されるリアクタンスである。例示的なレシーバ204では、レシーバ200での最大電流I1d_maxは、最大バッテリ電圧Vbattery_maxでのものである。例示的なバッテリ(例えば、電気車両またはハイブリッド車両のバッテリ)は、320~450VDCの電圧範囲を有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、充電モードの間、デュアルモードワイヤレス電力システム200は、トランスミッタ202の共振器コイル(例えば、コイルL1s)とレシーバ204の共振器コイル(例えば、コイルL1d)の間のカップリングの一部またはすべての範囲(例えば、「Wireless Power Transfer for Light-Duty Plug-in / Electric Vehicles and Alignment Methodology」についてのSAE国際規格J2954_201904を参照)に対して、全電力(例えば、約3.3kW以下、約6.6kW以下、約11kW以下、約21kW以下など)をバッテリに伝達できる。いくつかの場合、カップリングの一部の範囲での電力伝達は、2つのモード間の動作の課題のため、全電力未満である(「低下(derated)」)(例えば、3.3kW未満、6.6kW未満、11kW未満、21kW未満など)。約11kWを伝達するように構成された例示的なシステム200の場合、トランスミッタ共振器コイルL1sは、(例えば、840Vのバス電圧Vbusにおいて)78ARMS以下であり得、レシーバ共振器コイルL1dは、50ARMS以下(例えば、450Vのバッテリ電圧Vbatteryにおいて)であり得る。低下した電力では、トランスミッタ共振器コイルL1sの電流は65ARMS以下であり得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、デュアルモードワイヤレス電力システム200は、(電源105から負荷(例えば、バッテリ)120の入力まで)少なくとも88%の効率でバッテリに電力を伝達できる。このレベルの効率を達成するために、いくつかの実施形態では、アクティブ整流器206のトランジスタS7、S8は、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)を使用することができる。
【0044】
例示的なバッテリ「充電」モードでは、アクティブ整流器206は、トランジスタS7、S8を使用して、正弦波電圧信号VACを整流する、同期整流器として動作できる。このモードでは、アクティブ整流器206の等価インピーダンスは、抵抗性であるように構成することができ、レシーバ204の単純化された制御を可能にする。
【0045】
例示的なバッテリ「加熱」モードでは、アクティブ整流器206は、定電圧(CV)モードで動作でき、それにより、レシーバ204での低いスイッチングおよび伝導損失を可能にする。加熱モードでは、システム200は、8kWの電力を伝達する定格とすることができる。
【0046】
図3は、デュアルモードで動作するように構成された例示的なワイヤレス電力システムのための制御システム300の図である。
図4A~4Cは、例示的な制御システム300のための、例示的な方法400a、400b、400c(集合的に400と呼ぶ)のフローチャートである。具体的には、
図4Aおよび4Bは、レシーバ204の制御プロセス400aおよび400bを示し、
図4Cはトランスミッタ202の制御プロセス400cを示す。わかりやすく簡潔にする目的で、ここでは、
図3および
図4A~4Cを一緒に論じる。以下のプロセスは、異なる順序または異なる回数実行され得ることに留意されたい。
【0047】
方法400aを参照すると、プロセス402では、レシーバコントローラ302は、バッテリ管理システム(BMS)から要求信号を受信できる。要求信号により、レシーバ204は、動作モードに応じて(例えば、定電流(CC)または定電圧(CV))、特定の出力電力PO、出力電圧VO(基準電圧信号VO_refと表される)、および/または出力電流IO(基準電流信号IO_refと表される)を提供し得る。処理404では、コントローラ302は、整流器206の入力電流I3dのための基準電流I3d_refを決定(例えば、計算、算出など)し得る。プロセス406では、コントローラ302は、(例えば、コイル電流センサを介して)電流I3dを決定(例えば、測定)し得る。
【0048】
方法400cを参照すると、動作プロセス408では、トランスミッタコントローラ304は、インバータ電圧Vinvおよび/または信号INVVIを決定し、動作プロセス409では、コントローラ304は、インバータ電圧Vinvおよび/または信号INVVIの表す信号を、ワイヤレス通信306(例えば、Wi-Fi、無線、Bluetooth、など)を介してレシーバコントローラ302に送信し得る。信号INVVIは、インバータ出力電圧および出力電流位相シフトを指し、インバータ108がゼロ電圧スイッチング(ZVS)モードで動作しているかどうかを判定するために使用され得ることに留意されたい。
【0049】
方法400aを参照すると、動作プロセス410では、コントローラ302は、トランスミッタ202からインバータ電圧Vinvおよび/または信号INVVIを受信し得る。動作プロセス411aでは、誤差信号eVAが決定(例えば、計算)され得る。eVAは、εIo、εVo、またはεPoに等しくてよい(以降により詳細に説明する)ことに留意されたい。動作プロセス411bでは、要求信号GA_CMDは、決定された電流I3dに基づいて計算される。プロセス412では、レシーバ204は、決定された電流I3dに基づいて要求信号GA_CMDをトランスミッタ202に送信し得る。要求信号GA_CMDは、ワイヤレス通信306(例えば、WiFi、無線、Bluetoothなど)を介して送信され得る。
【0050】
方法400cを参照すると、プロセス414では、トランスミッタコントローラ304は、レシーバコントローラ302から信号GA_CMDを受信し得る。プロセス416では、トランスミッタコントローラ304は、受信した信号GA_CMDに基づいて誤差信号e
GAを決定し得る。誤差信号e
GAを使用して、インバータ108のトランジスタのために制御信号PWM
GAのためのベータβファクタ(制御モジュール306によって)を決定することに留意されたい。ベータβファクタは、インバータ108の2つの脚の間の相対的な位相シフトを決定する。位相シフトは180度(2*β = 位相シフト)であるとき、ベータβ=90で完全な位相シフトを実現できる。このβファクタはまた、コストの高いセンサを利用することなく、(例えば、インバータ108の出力において)直接コイル電流を測定するためのトランスミッタコイル電流を制御するために使用され得る仮想インバータ電圧V
invを決定するために使用され得る。プロセス502および
図5も参照されたい。プロセス418では、トランスミッタコントローラ304は、基準バス電圧信号V
bus_refおよび/またはインバータ108のトランジスタのための制御信号PWM
GAを決定し得る。次いで、トランスミッタ202は、電圧信号V
bus_refに従って電力を出力し得る(そうでなければ、決定ポイント420を介してトランスミッタ202を停止する)。このことは、調整された電力とも呼ばれる。
【0051】
方法400aを参照すると、レシーバコントローラ302は、トランスミッタ202からの調整された電力の結果としてアクティブ整流器206の入力電流I3dを決定できる。プロセス422では、電流I3dは、式:|I3d_ref-I3d|<εI3dに従って、決定された基準電流I3d_ref(プロセス404参照)と比較され得る。
【0052】
上記の関係では、電流I3dと基準電流I3d_refの差は、所定の誤差値εI3dと比較される。差が誤差より小さい場合、方法400bのプロセス424において、変調器ModVAは制御信号PWMVAをアップデートできる。アクティブ整流器206のトランジスタS7、S8のための例示的な制御信号PWMVAは、電流I3dに基づいて(口述されるように、制御モジュールZCD+PLLおよび変調器ModVAによって)生成され得ることに留意されたい。例示的な制御信号PWMVAは、出力電圧(例えば、定電圧モードでの)または出力電流(例えば、定電流モードでの)の誤差に基づくことがある。差が誤差以上である場合、制御はプロセス402に戻る。
【0053】
引き続き方法400bを参照すると、プロセス426では、BMSが電流を要求した(例えば、加熱モード、充電モードなどにおいて)場合、出力電流Ioと基準電流信号Io_refの差は、|Io_ref-Io|<εIoとして、誤差値と比較される。
【0054】
加えてまたは代替的に、プロセス426では、BMSが電圧を要求した(例えば、加熱モード、充電モードなどにおいて)場合、出力電圧Voと基準電圧信号Vo_refの差は、|Vo_ref-Vo|<εVoとして、誤差値と比較される。
【0055】
加えてまたは代替的に、プロセス426では、BMSが電力を要求した(例えば、充電モードにおいて)場合、出力電力Poと基準電力信号Po_refの差は、|Po_ref-Po|<εPoとして、誤差値と比較される。
【0056】
要求に応じて、比較がそれぞれの誤差値より大きい場合、制御はプロセス411aに移る。比較がそれぞれの誤差値より小さい場合、レシーバ204は、それに応じて要求された電力IOまたは電圧VOをBMSに提供する(そうではない場合、決定ポイント428を介してレシーバ204を停止する)。制御システム300は、比較的複雑な制御プロセスが単純なシステム制御設備で実行されるという点で、コストの制約の下で動作するのに有益であり得る。さらに、コストは、ワイヤレス電力システムの1つまたは複数のポイントで電流(コイル電流センサなど)および/または電圧を測定するためのセンサを排除することで削減され得る。
【0057】
図5は、(転送機能G
IVの出力502によって表される)トランスミッタ共振器コイルでの電流測定を含む、デュアルモードで動作するように構成された例示的なワイヤレス電力システムのための制御システム500の図である。G
IVは、インバータ出力電圧V
invからトランスミッタコイル電流I
1sへの転送機能である。G
IIは、トランスミッタコイル電流I
1sからアクティブ整流器入力電流I
3dへの転送機能である。制御システム500は、制御システム300と共通する多くの構成要素を有することに留意されたい。例示的な制御システム500では、誤差信号e
GAは、コイル電流I
1sの電流測定に基づくものである。
【0058】
アクティブ整流方法
図6は、例示的なアクティブ整流器602を含む、例示的なワイヤレス電力システムを示す。いくつかの実施形態では、トランスミッタ202は、インダクタL3sAおよび/またはインダクタL3sBに直列する容量性要素を含むことができることに留意されたい。レシーバ204は、インダクタL3sAおよび/またはインダクタL3sBに直列する容量性要素を含むことができる。
図7Aは、例示的なアクティブ整流器206または602のトランジスタのための制御信号を生成するブロック
図700a、700bである。
図3および4A~4Bに対して上述したように、入力電流I
3dは、ゼロ交差検出器702に提供され、出力信号ZCDは、正弦波電流信号I
3dのゼロ交差を表す。信号ZCDは、位相ロックループ(PLL)モジュール704(例えば、デジタルPLL(DPLL)、すべてのデジタルPLL(ADPLL)など)に提供され、信号ZCDに基づいて電流信号I
3dの位相を決定する。
図700aおよび700bは、モジュール704の別の実施形態を提供する。モジュール704aは、XOR論理ゲートを特徴とするタイプI位相検出器であってよい。モジュール704bは、チャージポンプを特徴とするタイプII位相検出器であってよい。抽出された位相情報を表す信号SYNCは、ランプ生成モジュール706に提供され得る。生成されたランプ信号および基準電圧信号V
refは、PWM生成器モジュール708に提供される。PWM生成器708は、それぞれトランジスタQ5およびQ6(例えば、それぞれトランジスタS7およびS8)に、制御信号PWM5およびPWM6(例えば、PWM
VA)を生み出すように構成される。例示的なPWM生成器708およびオプションでランプ生成器706は、変調器(例えば、Mod
VA)と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、変調器は、入力電流I
3dに大きな電流高調波が存在する場合でも、アクティブ整流器の動作の安定性を確保するように構成できる。例示的な変調器は、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)を維持することに利点がある場合がある。例示的な変調器は、上述したように定電圧(CV)動作を可能にすることができる。
【0059】
図8は、時間の関数として、例示的なアクティブ整流器602を含む、ワイヤレス電力システム600の様々な信号のプロットのセットである。
図9A~9Kは、時間の関数として、例示的なアクティブ整流器の電流(点線)および/または電圧を示す。以下の議論のために、T0はスイッチング期間であり、信号ZCDおよび信号SYNCの間の位相シフトは、t
1-t
0=0.5・V
F・T0に従って決定できることに留意されたい。ここで、V
Fは、PLLのローパスフィルタの正規化電圧であり、[0,1]の範囲である。
図8および
図9A~9Kを参照すると、様々な実施形態では、整流器206または602は、以下の方法に従って構成されることができる。
【0060】
時間t0:新規サイクルの開始。PLLは、ロックされ、システム200および600は定常状態で動作している。MOSFET Q5制御のためのランプがゼロにリセットされる:RAMP1(t=t0)=0、MOSFET Q5およびダイオードD2はオンであり、ダイオードD1およびMOSFET Q6はオフである。
【0061】
時間t1:I3dのゼロ交差検出が発生する。ゼロ交差検出器ZCDの出力が状態を変える。RAMP1(t=t1)=0.25 - VF/2Vacd電圧が、スナバコンデンサCsn6が放電すると、ゼロに低下する。MOSFET Q5はオンであり、ダイオードD1、ダイオードD2、およびMOSFET Q6はオフである。時間t2:スナバコンデンサCsn6が放電された後、MOSFET Q6の本体ダイオードがオンになる。MOSFET Q5と、MOSFET Q6の本体ダイオードがオンであり、ダイオードD1およびダイオードD2がオフである。
【0062】
時間t3:コントローラ(例えば、コントローラ302)のデューティ制御変数Vrefによって生成された、PWM5のターンオフシーケンス。MOSFETの有効デューティサイクル(Deff)が、Vref=0.25+Deff/2としてVrefにリンクされる。ここで、有効デューティは、MOSFETの「同期整流」動作を含まない(MOSFETを通る電流は負であり、MOSFETはオンである)。電圧Vacdは、スナバコンデンサCsn5が充電されると、VLOADへの遷移を開始する。MOSFET Q6の本体ダイオードはオンであり、MOSFET Q5、ダイオードD1、およびダイオードD2はオフである。
【0063】
時間t4:ダイオードD1が、スナバコンデンサCsn5が電圧VLOADまで充電されると、オンになる。ダイオードD1と、MOSFET Q6の本体ダイオードとがオンであり、MOSFET Q5およびダイオードD2がオフである。
【0064】
時間t5:PWM6のターンオンシーケンス。シーケンスは、時間t1およびターンオン遅延Tdel=t5-t1から生成され、経験的に決定される(目標は、遷移中MOSFET上のZVSを維持することである)。ダイオードD1およびMOSFET Q6はオンであり、MOSFET Q5およびダイオードD2がオフである。
【0065】
時間t6:t6-t0=T0/2。MOSFET Q6制御のためのRampがゼロにリセットされる:RAMP2(t=t4)=0
【0066】
時間t7:I3dのゼロ交差検出が発生する。ゼロ交差検出器の出力が状態を変える。RAMP2(t=t5)=0.25-VF/2電圧Vacdは、スナバコンデンサCsn5が放電すると、ゼロに低下する。MOSFET Q6はオンであり、ダイオードD1、ダイオードD2、およびMOSFETはオフである。
【0067】
時間t8:スナバコンデンサCsn5が放電された後、MOSFET Q5の本体ダイオードがオンになる。MOSFET Q6と、MOSFET Q5の本体ダイオードとはオンであり、ダイオードD1およびダイオードD2がオフである。
【0068】
時間t9:コントローラ(例えば、コントローラ302)のデューティ制御変数Vrefによって生成された、PWM6のターンオフシーケンス。電圧Vacdは、スナバコンデンサCsn6が充電されると、VLOADへの遷移を開始する。MOSFET Q5の本体ダイオードはオンであり、MOSFET Q6、ダイオードD1、およびダイオードD2は、オフである。
【0069】
時間t10:ダイオードD2は、スナバコンデンサCsn6が電圧VLOADまで充電されると、オンになる。ダイオードD2と、MOSFET Q5の本体ダイオードとはオンであり、MOSFET Q6およびダイオードD1はオフである。
【0070】
時間t11:PWM5ターンオンシーケンス。シーケンスは、時間t6およびターンオン遅延Tdel=t9-t6から生成される。
【0071】
時間t12:時間t0と同じ。
【0072】
時間t13:時間t1と同じ。
【0073】
時間t14:時間t2と同じ。
【0074】
時間t15:時間t3と同じ。
【0075】
時間t16:時間t4と同じ。
【0076】
時間t17:時間t5と同じ。
【0077】
図10は、ワイヤレス電力システム(例えば、システム200または600)のアクティブ整流器のための例示的な方法のフローチャートである。ステップ1002では、方法は、ワイヤレス電力レシーバの整流器への電流の基準値を決定するステップを含み、基準値が負荷要件に基づく。ステップ1004では、方法は、基準値に基づいて整流器への現在の電流の変化値を決定するステップを含む。ステップ1006では、方法は、現在の電流の変化値を表す信号(例えば、GA_CMD)をワイヤレス電力トランスミッタに送信するステップを含む。ステップ1008では、方法は、信号を送信した後に現在の電流の新しい値を決定する。ステップ1010では、新しい値が変化値の所定の範囲内である場合、新しい値に基づいてPWM信号を用いて整流器の少なくとも1つのトランジスタを駆動する。
【0078】
ハードウェアおよびソフトウェアの実装
いくつかの例では、上述の処理の一部または全部は、1つまたは複数の集中型コンピューティングデバイス上で実行され得る。いくつかの例では、いくつかのタイプの処理が1つのデバイス上で発生し、他のタイプの処理が別のデバイス上で発生する。いくつかの例では、上述のデータの一部または全部は、1つまたは複数の集中型コンピューティングデバイス上でホストされるデータストレージに、あるいはクラウドベースのストレージを介して格納され得る。いくつかの例では、いくつかのデータは、1つの場所に格納され、他のデータは別の場所に格納される。いくつかの例では、量子コンピューティングが使用され得る。いくつかの例では、関数型プログラミング言語が使用され得る。いくつかの例では、フラッシュベースメモリなど電子メモリが使用され得る。
【0079】
図11は、本明細書で説明された技術を実装する際に使用され得る例示的なコンピュータシステム1100のブロック図である。汎用コンピュータ、ネットワークアプライアンス、モバイルデバイス、または他の電子システムは、システム1100の少なくとも一部を含み得る。システム1100は、プロセッサ1110、メモリ1120、ストレージデバイス1130、および入出力デバイス1140を含む。構成要素1110、1120、1130、および1140の各々は、例えば、システムバス1150を使用して相互接続され得る。プロセッサ1110は、システム1100内で実行のための命令を処理することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ1110はシングルスレッドプロセッサである。いくつかの実施形態では、プロセッサ1110はマルチスレッドプロセッサである。プロセッサ1110は、メモリ1120内またはストレージデバイス1130上に格納された命令を処理できる。
【0080】
メモリ1120はシステム1100内の情報を格納する。いくつかの実施形態では、メモリ1120は非一時的コンピュータ可読媒体である。いくつかの実施形態では、メモリ1120は揮発性メモリユニットである。いくつかの実施形態では、メモリ1120は不揮発性メモリユニットである。
【0081】
ストレージデバイス1130はシステムのために大容量ストレージを提供することができる。いくつかの実施形態では、ストレージデバイス1130は非一時的コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実施形態では、ストレージデバイス1130は、例えば、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、ソリッドデータドライブ、フラッシュドライブ、またはその他の大容量ストレージデバイスを含み得る。例えば、ストレージデバイスは、長期データ(例えば、データベースデータ、ファイルシステムデータなど)を格納し得る。入出力デバイス1140は、システムのために入出力動作を提供する。いくつかの実施形態では、入出力デバイス1140は、例えば、イーサネットカードなどのネットワークインターフェースデバイス、例えば、RS-232ポートなどのシリアル通信デバイス、および/または、例えば、802.11カード、3Gワイヤレスモデム、あるいは4Gワイヤレスモデムなどの無線インターフェースデバイスのうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態では、入出力デバイスは、入力データを受け取るとともに、出力データを他の入出力デバイス、例えば、キーボード、プリンタ、およびディスプレイデバイス1160に送るように構成されたドライバデバイスを含み得る。いくつかの例では、モバイルコンピューティングデバイス、モバイル通信デバイス、および他のデバイスが使用され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、上述のアプローチの少なくとも一部は、実行時に1つまたは複数のデバイスに上述の処理および機能を実行させる命令によって実現され得る。そのような命令は、例えば、スクリプト命令などのインタプリタ型命令、あるいは実行可能コード、非一時的コンピュータ可読媒体に格納された他の命令を含むことができる。ストレージデバイス1130は、サーバファームまたは広域分散サーバのセットなど、ネットワークを介して分散型で実行されてよく、あるいは単一のコンピューティングデバイスに実装されてもよい。
【0083】
例示的な処理システムが
図11に記載されているが、本明細書に記載されている主題、機能動作、およびプロセスの実施形態は、他のタイプのデジタル電子回路、有形に具現化されたコンピュータソフトウェアまたはファームウェア、本明細書に開示された構造およびそれらの構造的均等物を含むコンピュータハードウェア、またはそれらの1つまたは複数の組み合わせで実装することができる。本明細書に記載された主題の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行、またはデータ処理装置の動作を制御するための有形の不揮発性プログラムキャリア上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。代替的または追加的に、プログラム命令は、人工的に生成された伝搬信号、例えば、データ処理装置による実行のために適切なレシーバ装置に送信するための情報を符号化するために生成される機械生成の電気、光、または電磁信号上で符号化することができる。コンピュータ記憶媒体は、機械可読記憶装置、機械可読記憶基板、ランダムまたはシリアルアクセスメモリデバイス、またはそれらのうちの1つまたは複数の組み合わせとすることができる。
【0084】
「システム」という用語は、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、および機械を包含することができ、例として、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサまたはコンピュータが含まれる。処理システムは、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路を含むことができる。処理システムは、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの1つまたは複数の組み合わせを構成するコードを含み得る。
【0085】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、またはコードと呼ばれる、または記述される場合もある)は、コンパイル型言語またはインタプリタ型言語、あるいは宣言型または手続き型言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で記述でき、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピューティング環境での使用に適したその他のユニットとしてなど、任意の形式で展開できる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応する場合があるが、必ずしもそうである必要はない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納された1つまたは複数のスクリプト)、問題のプログラム専用の単一のファイル、または複数の調整されたファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を格納するファイル)に格納され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ、あるいは1つのサイトに配置されたまたは複数のサイトに分散され通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開できる。
【0086】
本明細書で説明するプロセスおよび論理フローは、入力データを操作して出力を生成することによって機能を実行するために、1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルコンピュータによって実行できる。プロセスおよび論理フローは、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路によって実行することもでき、装置を該専用論理回路として実装することもできる。
【0087】
コンピュータプログラムの実行に適したコンピュータには、例として、汎用マイクロプロセッサまたは専用マイクロプロセッサまたはその両方、あるいは他の種類の中央処理ユニットが含まれる。一般に、中央処理ユニットは、読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ、またはその両方から命令とデータを受け取る。コンピュータは、一般に、命令を実行または実行するための中央処理ユニットと、命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスとを含む。一般に、コンピュータは、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを含むか、それらからデータを受信または転送するように動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータはそのようなデバイスを備えている必要はない。
【0088】
コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに適したコンピュータ可読媒体には、すべての形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスが含まれ、例として、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス; 磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスクやリムーバブル ディスクなど; 光磁気ディスク; およびCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補足されるか、または専用論理回路に組み込まれ得る。
【0089】
本明細書で説明する主題の実施形態は、例えば、データサーバとしてバックエンドコンポーネントを含む、またはアプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含む、または、例えば、グラフィカルユーザインターフェースまたはユーザが本明細書で説明されている主題の実装と対話できるWebブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネントを含む、あるいは1つまたは複数のようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実装することができる。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形式または媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)、例えば、インターネットが含まれる。
【0090】
コンピューティングシステムには、クライアントとサーバを含めることができる。通常、クライアントとサーバは互いに離れており、通常は通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアントとサーバの関係を持つコンピュータプログラムによって発生する。
【0091】
本明細書は多くの特定の実施形態の詳細を含むが、これらは特許請求の範囲の制限として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有の機能の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で本明細書に記載されている特定の特徴は、単一の実施形態あるいは組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実施形態で別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。さらに、特徴は特定の組み合わせで作用するものとして上で説明され、最初はそのように特許請求の範囲に記載されることさえあるが、特許請求の範囲の組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては組み合わせから削除される可能性があり、特許請求の範囲の組み合わせはサブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形を対象とすることがある。
【0092】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序または連続した順序で実行されること、または図示されたすべての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスクと並列処理が有利であり得る。さらに、上述の実施形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明されたプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合され得るか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることが理解されるべきである。
【0093】
主題の特定の実施形態が説明された。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。例えば、特許請求の範囲に記載されているアクションは、異なる順序で実行されても、望ましい結果を達成することができる。一例として、添付の図に示されるプロセスは、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序または順序を必ずしも必要としない。特定の実施形態では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。記載されたプロセスから、他のステップまたは段階が提供されてもよく、またはステップまたは段階が省略されてもよい。したがって、他の実施形態は、特許請求の範囲内にある。
【0094】
用語
本明細書で使用される言い回しおよび用語は、説明のためのものであり、限定するものと見なされるべきではない。
【0095】
明細書および特許請求の範囲で使用される「ほぼ」という用語、「ほぼ等しい」という句、および他の同様の句(例えば、「Xは、ほぼYの値を有する」または「Xは、ほぼYに等しい」)は、1つの値(X)が別の値(Y)の所定の範囲内にあることを意味すると理解されるべきである。別段の指示がない限り、所定の範囲は、±20%、10%、5%、3%、1%、0.1%、または0.1%未満であってもよい。
【0096】
明細書および特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」および「an」は、そうでないと明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。明細書および特許請求の範囲で使用される「および/または」という語句は、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、ある場合には共同して存在し、他の場合には分離して存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」で列挙された複数の要素は、同じように解釈され、すなわち、そのように結合された要素の「1つまたは複数」と解釈される。「および/または」句によって具体的に識別される要素以外の他の要素は、それらの具体的に識別される要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」などの制限のない文言と併せて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意にB以外の要素を含む); 別の実施形態では、Bのみ(任意にA以外の要素を含む); さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意に他の要素を含む)を指すことができる。
【0097】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は包括的に解釈され、すなわち、いくつかの要素または要素のリストの少なくとも1つを含み、2つ以上を含み、任意に追加のリストにない項目を含む。「1つだけ」または「正確に1つ」、または特許請求の範囲で使用される場合の「からなる」など、そうでないことを明確に示している用語のみが、いくつかの要素または要素のリストの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、「または」という用語は、「どちらか」、「いずれか1つ」、「1つのみ」などの排他性の用語が前に付いている場合にのみ、排他的な代替物(つまり、「一方または他方であり、両方ではない」)を示すものとして使用されるものと解釈される。特許請求の範囲で使用される場合、「から本質的になる」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0098】
明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「少なくとも1つ」という語句は、1つまたは複数の要素のリストに関して、要素のリスト内の任意の1つまたは複数の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素のリスト内に具体的にリストされている各要素およびすべての要素の少なくとも1つを含む必要はなく、要素のリスト内の要素の組み合わせを除外するものではない。この定義により、具体的に識別された要素に関連するかどうかにかかわらず、「少なくとも1つ」という語句が指す要素のリスト内で具体的に識別された要素以外の要素が任意に存在することもできる。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つ、任意に2つ以上を含む、A、Bではないものとともに(および任意でB以外の要素を含む)、別の実施形態では、少なくとも1つ、任意で2つ以上を含む、B、Aではないものとともに(および任意でA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、少なくとも1つ、任意で2つ以上を含む、A、および少なくとも1つ、任意で以上を含む、B(および任意で他の要素を含む)などを指し得る。
【0099】
「含む」、「備える」、「有する」、「含む」、「関与する」、およびそれらの変形の使用は、その後に列挙された項目および追加の項目を包含することを意味する。
【0100】
請求項の要素を修正するために特許請求の範囲で「第1」、「第2」、「第3」などの序数の用語を使用すること自体は、ある請求項の要素が別の請求項の要素よりも優先事項、優先順位、順序が高いこと、方法のアクションが実行される時間的順序を意味するものではない。順序用語は、請求項の要素を区別するために、特定の名前を持つ1つの請求項の要素を同じ名前(序数用語が使用されるが)を持つ別の要素と区別するためのラベルとして単に使用される。
【符号の説明】
【0101】
100 ワイヤレス電力システム
102 トランスミッタ
104 レシーバ
106 力率補正(PFC)回路
108 インバータ
110 インピーダンス整合ネットワーク
118 整流器
120 負荷
122 コントローラ
128 センサ
200 ワイヤレス電力システム
202 トランスミッタ
204 レシーバ
206 アクティブ整流器
208 スイッチ
210 サブ回路
212a 容量性スナバ
214a 容量性スナバ
216a 容量性スナバ
300 制御システム
302 レシーバコントローラ
304 トランスミッタコントローラ
306 ワイヤレス通信