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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】自動リレーバレーパーキング
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20231109BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20231109BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G01C21/34
G09B29/00 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020099987
(22)【出願日】2020-06-09
(65)【公開番号】P2021196618
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】599164916
【氏名又は名称】日本システムバンク株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 芳夫
(72)【発明者】
【氏名】東 孝二
(72)【発明者】
【氏名】久藤 武文
(72)【発明者】
【氏名】梅田 泰永
(72)【発明者】
【氏名】永棹 健治
(72)【発明者】
【氏名】坂東 上平
(72)【発明者】
【氏名】野坂 信嘉
【審査官】山田 由希子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175034(JP,A)
【文献】国際公開第2018/211583(WO,A1)
【文献】特開2019-219189(JP,A)
【文献】特開2018-152119(JP,A)
【文献】特開2017-182263(JP,A)
【文献】特開2020-075717(JP,A)
【文献】特開2019-160068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G09B 23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の入り口に降車用プラットホーム、出口に乗車用プラットホームを設け、該降車用プラットホームに到着した車両を場内地図情報に基づき該駐車場の車室に自動で走行・駐車させ、また該駐車場の車室に駐車した車両を前記乗車用プラットホームまで自動で走行・出庫させることができる自動走行制御装置を有する自動バレーパーキング場と、該自動走行制御装置によって自動走行できる装置およびカーナビの自動走行制御プログラムによって自動走行できる装置とを有する全自動走行車両より構成され、該全自動走行車両が、前記自動バレーパーキング場より離れた場所からカーナビによる自動走行で該自動バレーパーキング場の降車用プラットホームから一定の範囲まで到達したことを、該全自動走行車両が搭載しているGPSのような位置検出装置、あるいは該降車用プラットホームから一定の範囲に設置したビーコンの信号を受信装置で検知したとき、カーナビによる自動走行を前記自動バレーパーキング場内の自動走行制御装置による自動走行に自動的に切り替えられるようにしたことと、前記全自動走行車両が、前記自動バレーパーキング場内の自動走行制御装置による自動走行で駐車した車室から自動バレーパーキング場の乗車用プラットホームまで到着したことを、該自動バレーパーキング場内の自動走行制御装置が認識するか、またはGPSのような位置検出装置、あるいは該乗車用プラットホームから一定の範囲に設置したビーコンの信号を受信装置によって検知したとき、前記自動バレーパーキング場内の自動走行制御装置による自動走行をカーナビによる自動走行に、自動的に切り替えられるようにしたことを特徴とする自動リレーバレーパーキング場システム
【請求項2】
請求項1の自動リレーバレーパーキング場システムにおいて、場内の地図情報に場外の指定の場所までの地図情報を加えることによって、自動バレーパーキング場内の自動走行制御装置による自動走行を、該自動バレーパーキング場外の指定の場所まで拡張した自動走行制御装置を備え、前記全自動走行車両が遠方からカーナビによる自動走行によって該自動バレーパーキング場外の指定の場所に来たことを、全自動走行車両搭載のGPSのような位置検出装置、あるいは該指定の場所に設置したビーコンの信号を受信装置で検出した時、カーナビによる自動走行を前記自動バレーパーキング場内の自動走行制御装置による自動走行に自動的に切り替えられるようにしたことを特徴とした自動リレーバレーパーキング場システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動バレーパーキング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駐車場内での駐車を自動制御で行う自動バレーパーキング技術が開発され、実用化が始まろうとしている。自動バレーパーキングは、駐車所内の車室への走行や駐車が自動で行われるので、ドライバーである利用者が、場内を走行し空車室を見つけて駐車する必要がなく、また車室で人が乗り降りすることがないので、車両間隔を詰めて駐車させることができる点や、通路内に人が入ることがほとんどないので、構内での交通事故がないなど多くの利点がある。
【0003】
通常は、ドライバーが自動バレーパーキング場の入り口に設けた降車用のプラットホームで降車し、自動バレーパーキングの手続きを行うと、あとは駐車場の自動バレーパーキングシステムによる制御で、自車は場内の適当な車室に自動的に駐車する。
【0004】
このような自動バレーパーキングを行うには、駐車場が降車用プラットホームを設け、そこに到着した利用者の車両を場内の空車室に自動で走行させ駐車させたり、利用者が自分の車両を受け取るための乗車用のプラットホームを設け、そこまで駐車中の車両を戻したりするための当該駐車場専用の地図情報、自動車両制御システム、および車両には同制御システムによって制御できる車載誘導装置が搭載する必要がある。そして、降車用のプラットホームにおいて、同車載制御装置が起動するように、係員あるいは利用者が自動バレーパーキング装置の始動操作をしなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-182263
【非特許文献】
【0006】
【文献】https://www.bosch.co.jp/press/group-1907-03/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上説明した従来の自動バレーパーキング場では、降車や乗車用のプラットホームで自動パーキングの制御システムへ自動駐車を依頼する手続きや、降車時の荷物や人の乗り降りに時間がかかることが多いので、乗降車用のプラットホームには、待ち行列ができてしまう欠点がある。対策としては、乗降用のプラットホームを長くとればよいが、そのスペースを確保するのは良策ではない。
【0008】
そこで、自動バレーパーキング場の周辺の私有地などで、利用者が自動バレーパーキング装置を始動し、乗り捨てをすると駐車場の自動バレーパーキングシステムが駐車場の車室へ利用者の車両を誘導させる方法が特許文献1に見られる。また外国では、駐車場に近い特定の公道上で自動バレーパーキング場への自動駐車を、スマホなどの携帯端末を使って始動するシステムも非特許文献1で紹介されている。これらの対策では、駐車場が周囲や指定する公道上の位置から駐車場までの経路情報は、自動バレーパーキング場内の経路情報とあわせてあらかじめ自動バレーパーキングの制御システムの地図情報データベースに登録されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以上説明した従来システムをさらに発展させて、自動バレーパーキング駐車場の利用者は、自動バレーパーキング場の近辺に限らず遠い位置において、自動バレーパーキング場、あるいは場外の一定の範囲内に設けた該自動バレーパーキング場が指定する場所までは、利用者が自車両のカーナビで自動運転をするようにセットして降車し、その後上記駐車場、あるいは公道上の指定の場所に到達したら、車両の自動運転をカーナビによる制御から自動バレーパーキング場の自動車両制御システムによる制御へと自動で切り替えることにして、利用者の利便性を高めた。
【0010】
なお、カーナビによる自動運転で、車両が自動バレーパーキング場、あるいは該自動バレーパーキング場が指定する公道上の場所に到着したことは、車載のGPS位置情報システムによる位置確認、あるいは該自動バレーパーキング場が前記指定の場所に設置するビーコンの信号を受信することで検知されるようにし、その検知情報をもとに自動運転の制御を、カーナビによる制御から自動的に切り替える仕組みとした。
【0011】
したがって、本発明の自動バレーパーキング場を利用したい人は、自分にとって便利な降車場所において、カーナビや携帯端末を使い利用できる自動バレーパーキング場を検索して、ヒットした駐車を申し込む。そうすると利用者の前記端末には、該自動バレーパーピング場、あるいは該自動バレーパーキング場が指定する公道上の特定の場所が利用者に通知されるので、利用者は通知された場所までは自動運転をするようにカーナビに制御を任せる。このようにするだけで、利用者の車は自動バレーパーキング場の車室に駐車することができる。
【0012】
次に、利用者が車両をもとの位置で受け取る方法は、利用者から該自動バレーパーキング場へ携帯端末で、駐車受付時の情報と、車両の受け取り時刻を、自動バレーパーキング場に通知する。該自動バレーパーキング場は、利用者が降車した場所の位置情報を目的地とし、駐車場の乗車用プラットホームまでは場内の地図情報に基づいて自動で出庫し、そこからは、車両の制御をカーナビによる自動制御に切り替えて目的地まで自動運転させるようにした。
【0013】
なお、車両の戻し場所については、利用者が乗車場所として降車場所とは違った場所を指定すれば、降車場所とは違った場所での引き取りも可能にできる。
【0014】
本発明の第2の方法は、車両を特定の自動バレーパーキング場で駐車させるのではなく、繁華街など駐車場の確保が難しい場所から、繁華街を離れた場所にある自動バレーパーキング場まで車両を自動運転で走行させ、該駐車場に到着したら、場内では自動的に適当な車室に駐車させる方法である。
【0015】
この第二のシステムでは、一定の範囲にある繁華街の任意の場所で、自動バレーパーキング場への駐車をカーナビやスマホなどの端末で依頼すると、利用できる複数の自動バレーパーキング場と料金体系など表示され、利用者がそのいずれかを選んで承認する。そして利用者からの自動運転始動の通知を受けると、該自動バレーパーキング場は、自己の有する地図情報をもとに、利用者の車両を自動バレーパーキング場へと自動運転で向かわせ、かつ到着後は場内の適当な車室に自動的に駐車させる。
【0016】
利用者が車を受け取る方法は、駐車した自動バレーパーキング場を携帯端末で呼び出し、駐車受付時の情報を知らせた後、繁華街の降車した位置まで車両を自動運転で戻すように指示すればよい。また、車を受け取る場所については、自動バレーパーキング場が特別の場所に乗車用のプラットホームを設けることもできる。自動バレーパーキング場としては、乗車場所がはっきりしている後者の方が望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、駐車場の利用者は、自分のもっとも都合がよい場所で降車したり乗車したりすることができるし、駐車場では、車室間隔を詰めた駐車や庫内での事故防止といった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】は、自動バレーパーキング場の一般的な構成図である。
図2】は、自動バレーパーキングの利用が、該駐車場の周辺の限られた範囲では可能になっている従来のシステムを説明する図である。
図3】は、本発明の自動リレーバレーパーキング法によって、離れた場所から自動バレーパーキング場を利用できるようにしたことを示す図である。
図4】は、本発明の離れた場所から自動バレーパーキング場を利用する場合の降車時のプロセスを示すシーケンス図である。
図5】は、本発明の離れた場所から自動バレーパーキング場を利用する場合の乗車時のプロセスを示すシーケンス図である。
図6】は、本発明の第2の実施例を示す図である
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0019】
図1は、一般的な自動バレーパーキング場の構成図である。道路0沿いに自動バレーバレーパーキング場1があり、多数の車室2は、通常の駐車場の車室幅より狭く設定されている。自動駐車した車両3などは、自動バレーパーキング場の自動走行プログラムにより最適な場所に駐車されている。
【0020】
このような自動バレーパーキング場へ駐車する場合には、利用者は車両4を公道0から、経路5、入り口6を通って降車用プラットホーム7の横まで運転し、停止し降車した後は(8で示す)、該自動バレーパーキング場の自動運転制御装置19により、経路7を通って空車室10へ入るようになっている。
【0021】
この場合の自動運転への移行は、該駐車場の係員または利用者によって、利用者の車両に搭載された該駐車場の自動運転制御装置を始動することによって始められる。該駐車場内の車室までの誘導は、該駐車場の地図情報と、自動駐車制御システムによって無人で行われる。
【0022】
一方、利用者が該駐車場を出庫する場合は、乗車用プラットホーム14で該駐車場の係員に出庫の依頼することで、係員がたとえば車両12が、車室11から経路13を通って乗車用プラットホーム14まで自動運転により到着するように場内の自動走行プログラムを始動する。
【0023】
また、利用者が該駐車場外からあらかじめ携帯端末で出庫希望時間を該自動バレーパーキング場に連絡しておけば、該バレーパーキング上に戻った時、車両が乗車用プラットホームに来ているようにできるので、待ち時間がなく便利である。こうして、利用者は、出口16を通り、経路17で公道0に出ることができる。
【0024】
図2は、非特許文献1で紹介されている方法であるが、自動バレーパーキング場の近くの公道上に車両を停車し、そこから携帯端末で自動バレーパーキング場へ自動運転で移動し、そのまま自動バレーパーキング場内の適当な位置に自動駐車する方法を説明する図である。
【0025】
利用者は、自動バレーパーキング場32の近くの円33内の領域に設定されている乗降場所35,36,37,38などの指定の場所から、携帯端末の専用のアプリを使って自動バレーパーキング場への自動運転を開始するよう操作して降車すると、車両は自動バレーパーキング場32の自動バレー―パーキング制御装置19(図1)の制御により、該バレーパーキング場の降車用プラットホームを経由し、該駐車所の適当な車室に自動で駐車することができる。
【0026】
所要を済ませて車両を出庫させる場合には、携帯端末のアプリを使って前記自動バレーパーキング場を呼びだし、乗車時間を指定し降車した場所まで車両を自動運転で戻すように指示する。そうすることにより、自動バレーパーキング場の自動運転制御装置は、車両を利用者が待っている公道上の指定の場所まで自動運転で戻すことになる。
【0027】
車両を戻す場合には、利用者名、車両の情報、時刻、戻す場所を通知する必要があり、駐車料金を契約した金融機関の口座より自動的に引き落とされる。
【0028】
図2で、円33で囲まれた領域の外で、自動バレーパーキング場が指定しない任意の場所40、41、42、43、44、45などから、自動バレーパーキング場までを自動走行するためには、該自動パーキング場の場内の地図情報による正確な車両の自動駐車の制御プログラムに、前記領域外の地図情報をもとに自動バレーパーキング場までの誘導経路を組み込む必要があるが、広い公道を走行させる制御と、場内のきめ細かい駐車誘導制御とは、本質的に異なるものがあるので、技術的にむつかしい。
【0029】
本発明では、このような課題を解決するために、図2の円33より外部の任意の場所で降車し、そこから自動バレーパーキング場の降車プラットホームまで、あるいは、該自動バレーパーキング場が指定する円33より内側の指定した場所34,35,36,37,38などまでを、カーナビによる自動運転の制御を任せ、車両が該指定場所まで到着したら、自動的に車両の制御を車載のカーナビによる自動運転から、該自動バレーパーキング場独自の車両自動走行制御に切り替えるようにした。
【0030】
上記、制御の切り替えには、車両制御の切り替え場所である指定の場所のGPS位置情報や、該指定場所に設置したビーコンの電波を受信することにより、判断できるようにした。
【0031】
具体的には、切り替え場所に到着したことを検出したら、カーナビによる自動走行プログラムを停止し、自動バレーパーキング場からの自動走行プログラムを始動させ、それ以後は駐車場側の車両制御で駐車場内の任意の空車室に駐車させることができるようにした。
ここで、本発明に使用される車両は、少なくとも自動バレーパーキング場の自動走行制御装置によって走行できる装置とカーナビによる自動走行プログラムによって自動走行できる装置と、GPS装置とビーコン信号を受信できる装置を搭載した全自動走行車両が使用される。
【0032】
図3は、本発明の方法を別の図で説明するものである。中央の自動バレーパーキング場60を囲む円61内は、前記したような該自動バレーパーキング場の場内車両制御で自動駐車を行うようにするが、円61から外側のより広い領域である円50の範囲では、一般の地図情報によるカーナビの誘導で目的地までの自動走行制御を行わせる。すなわち、円61は、自動バレーパーキング場までの距離を指定するものではなく、自分の用事に都合の良い場所で降車することができる範囲を意味するものである。
【0033】
図4は、以上の駐車までのプロセスを、フローチャートで示したものである。S1で、利用者は自分の降車したい場所で利用できる自動バレーパーキング場を検索し、駐車を申し込む。すると、駐車場側からは利用できる駐車場と、カーナビでの自動走行と駐車場側の自動駐車制御との中継点(リレー地点)が指示されるので、S2で、利用者は指定されたリレー地点までのカーナビによる自動走行をセットして、降車する。以後、リレー地点まではカーナビによる自動運転でリレー地点に到着する。
【0034】
利用者の車両がリレー地点に来ると、S3でカーナビのGPS情報でリレー地点に到着したことを検知するので、S4で車両の自動走行制御は、自動バレーパーキング場側の自動走行制御プログラムによる制御に自動的に切り替わる。それ以降は駐車場の自動制御で、適切な空車室に駐車される。
【0035】
S3で、リレー地点への到着は、GPS情報のほかに駐車場側がリレー地点付近に設置したビーコンの電波を受信することで判定することも可能である。
【0036】
図5は、利用者が車をもどしてもらう場合のプロセスを示したものである。S21で利用者は駐車した自動バレーパーキング場を携帯端末で呼び出し、駐車受付時の情報と車両を戻してほしい場所(乗車場所)と時間を通知する。
【0037】
S22で、自動バレーパーキング場では、該駐車場の出口のプラットホームまでは、場内の自動走行制御プログラムによる制御で駐車した車室から自動的に走行させ、そこで車両の制御をカーナビによる自動制御プログラムによる制御に切り替え、利用者が希望する乗車場所までの自動走行をさせるよう設定し、出庫を開始させる。
【0038】
S23で、利用者の車両が自動バレーパーキング場の出口まで来た事を車載の位置検出装置が検知したら、車両の走行を場内の自動走行制御プログラムによる制御から、カーナビの自動走行プログラムによる自動走行に自動的に切り替える。
【0039】
S25では、カーナビによる自動走行法で、利用者の待つ乗車地点まで走行する。
【0040】
以上のように、適切な地点で、自動バレーパーキング場内の自動走行制御から、一般の地図情報を使ったカーナビによる自動走行制御に切り替えることにより、自動バレーパーキング場は、該駐車場外の公道の地図情報を基にした自動走行制御を行わず、場内の自動走行制御プラグラムだけを用意すればよいという利点がある。
【実施例2】
【0041】
図6は本発明の第2の実施例を示す図である。51は繁華街で、その周辺の72,75、78、81などの場所で利用者は車を降り、自動バレーパーキング場への駐車を携帯端末などで依頼する。
【0042】
繁華街の中は、駐車場を設けるスペースが限られるし、あっても駐車料金は高価に設定されるのが普通である。そこで本発明では、繁華街から離れた場所74、77、80、83などに自動バレーパーキング場を設けておく。
【0043】
自動バレーパーキング場の利用者が、繁華街の周辺の場所で携帯端末により駐車を申し込むと、利用できる自動バレーパーキング場の候補が表示されるので、表示された駐車場の料金や、降車場所からの距離なども考慮して、どれかの自動バレーパーキング場を申し込む。
【0044】
そして、指定した自動バレーパーキング場までの自動走行を、カーナビの誘導で行うように利用者自身が設定する。そして、降車し自動走行を開始させる。
【0045】
車両が、自動バレーパーキング場の近くに来ると、カーナビのGPS情報、あるいは自動バレーパーキング場が設置しているビーコンの電波を受信するので、該駐車場の自動走行制御範囲に来たことがわかる。そこで、車両の自動走行制御をカーナビによる制御から、該自動バレーパーキング場の自動走行制御に自動的に切り替える。そして、自動的に駐車が行われる。
【0046】
利用者が車両を戻してほしいときには、携帯端末で、駐車した自動バレーパーキング場を呼び出し、駐車依頼時の情報と、乗車したい場所と時刻を通知する。自動バレーパーキング場では、場内での自動走行制御で該駐車場の出口までを誘導し、そこからは車両の自動走行制御を自動バレーパーキング場からカーナビによる制御に切り替えて、利用者の希望する繁華街の周辺の場所を自動走行するようにした。
【0047】
以上のようにして、利用者は、繁華街の周辺で車を降り、買い物などを楽しむことができるし、繁華街の中のような高価な駐車料金を払う必要もないといった利点がある。
【0048】
また、以上の説明では、繁華街の周辺から、自動バレーパーキング場までの自動走行制御をカーナビで制御するようにしたが、自動バレーパーキング場が、繁華街からに限って該自動バレーパーキング場の自動走行制御をおこなうようにしてもよい。
【0049】
本発明の実施例2においては、自動バレーパーキング場は繁華街51を主な対象として説明したが、それぞれの自動バレーパーキング場として、実施例1で説明したように繁華街以外の場所からの駐車依頼を受けてもよいことはもちろんである。その場合も、自分の自動バレーパーキング場まではカーナビによる自動走行制御で、該駐車場に到着したら、場内の自動走行制御に、自動的に切り替える方法をとることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、駐車場の経営者にとっても、利用者にとっても大変利便性があり、産業上大いに利用できるものである。
【符号の説明】
【0051】
1 自動バレーパーキング場 2 自動バレーパーキング場の車室
3 駐車中の車室 4 利用者の車両
5 駐車場への入場経路 6 自動バレーパーキング場への入り口
7 降車用プラットホーム 8 自動バレーパーキング場に到着した車両
9 自動バレーパーキング場内の経路 10 誘導される車室
11 駐車していた車室 12 出庫した車両
13 自動バレーパーキング場内の経路 14 乗車用プラットホーム
15 乗車用プラットホームに到着した利用者の車両
16 自動バレーパーキング場の出口 17 公道へ出る経路
19 自動バレーパーキング場の自動走行制御室

31 道路 32 自動バレーパーキング場
33 自動バレーパーキング場まで自動バレーパーキング場の自動走行制御が可能な範囲
34,35、36、37、38、39 自動バレーパーキング場の自動走行制御が可能な車両
40,41,42,43,44,45 自動バレーパーキング場の自動走行制御ができない 領域にある車両

50 カーナビによる自動走行制御ができる範囲
51,52,53 カーナビによる自動走行制御ができる範囲内にある車両

60 自動バレーパーキング場
61 自動バレーパーキング場の自動走行制御が可能な範囲
62,63,64,65,66,67,68 自動バレーパーキング場の自動走行制御が可能な範囲にある車両


71 繁華街
72,75、78,81 繁華街の周囲にある車両
73、76、79、82 自動バレーパーキング場までの自動走行経路
74、77、80、83 自動バレーパーキング場

図1
図2
図3
図4
図5
図6