(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】ゲーム情報処理装置,情報処理装置の制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20231109BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20231109BHJP
A63F 13/5372 20140101ALI20231109BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/533
A63F13/5372
(21)【出願番号】P 2018229623
(22)【出願日】2018-12-07
【審査請求日】2021-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 悠
【審査官】右田 純生
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-043255(JP,A)
【文献】特開2017-113438(JP,A)
【文献】特開2013-162949(JP,A)
【文献】特開2016-049302(JP,A)
【文献】特開2018-005705(JP,A)
【文献】特開2018-000482(JP,A)
【文献】サポートアイテム,ラグナロクオンライン公式サイト (Wayback Machine) [online],2018年10月21日,[2023年5月29日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20181021043907/https://ragnarokonline.gungho.jp/gameguide/item/special-item/zondapass.html>
【文献】スポットアップキャンペーン開催!,イルーナ戦記オンライン公式ブログ (Wayback Machine) [online],2018年11月30日,[2023年5月29日検索], インターネット<URL:http://web.archive.org/web/20181130114539/http://irunablog.iruna.jp/?page_id=45476>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
適用部を備え、
前記適用部は、第1アイテムを消費したプレイヤが、前記第1アイテムに関連付けられた第1特典と第2特典とを含む複数種類の特典の中から前記第1特典を選択し
、前記プレイヤに適用されている第3特典と前記第1特典との関係が所定関係にある場合に、前記プレイヤに前記第1特典を適用し、
前記適用部は、
前記第1アイテムの消費に応じて設定される有効期間内に、前記プレイヤから所定操作を受け付け
、前記第2特典と前記第3特典との関係が所定関係にある場合に、前記第1特典に代えて、前記第2特典を前記プレイヤに適用する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記適用部は、前記所定操作の受付から前記有効期間の終了まで、前記第2特典を前記プレイヤに適用可能にする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記適用部は、前記第1アイテムの消費のための操作又は前記所定操作を受け付けた場合に、前記複数種類の特典の中から特典を選択するための特典選択画面に、
前記複数種類の特典ごとに効果が適用される対象となるクエストの種類を表示する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記適用部は、クエストの種類を示すクエストタイプのいずれかを選択するクエストタイプ選択画面に、前記複数種類の特典のうち適用されている特典が関連付けられているクエストタイプを関連付けられていないクエストタイプと識別可能に表示する、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記適用部は、複数のクエストからクエストを選択するクエスト選択画面に、前記複数種類の特典のうち適用されている特典が関連付けられているクエストを関連付けられていないクエストと識別可能に表示する、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
第1アイテムを消費したプレイヤが、前記第1アイテムに関連付けられた第1特典と第2特典とを含む複数種類の特典の中から前記第1特典を選択し
、前記プレイヤに適用されている第3特典と前記第1特典との関係が所定関係にある場合に、前記プレイヤに前記第1特典を適用する適用段階を含む、情報処理装置の制御方法であって、
前記適用段階では、
前記第1アイテムの消費に応じて設定される有効期間内に、前記プレイヤから所定操作を受け付け
、前記第2特典と前記第3特典との関係が所定関係にある場合に、前記第1特典に代えて、前記第2特典を前記プレイヤに適用する、
制御方法。
【請求項7】
第1アイテムを消費したプレイヤが、前記第1アイテムに関連付けられた第1特典と第2特典とを含む複数種類の特典の中から前記第1特典を選択し
、前記プレイヤに適用されている第3特典と前記第1特典との関係が所定関係にある場合に、前記プレイヤに前記第1特典を適用する適用機能を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラムであって、
前記適用機能は、
前記第1アイテムの消費に応じて設定される有効期間内に、前記プレイヤから所定操作を受け付け
、前記第2特典と前記第3特典との関係が所定関係にある場合に、前記第1特典に代えて、前記第2特典を前記プレイヤに適用する、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元以上の表示ができるディスプレイを用いた電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
物理的なカードから読み取られるゲーム内アイテムのデータを用いてゲーム内キャラクタに変化を加える仕組みを備えるカードゲームが知られている。例えば、特許文献1には、2種類のゲーム内アイテムがそれぞれ候補として表示される特典選択カードをプレイヤに配布し、プレイヤにより選択されたいずれか1つの候補に対応するゲーム内アイテムを付与する機能を有するゲームシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のゲームシステムは、プレイヤにより選択されたいずれか1種のゲーム内アイテムだけを当該プレイヤに付与することを主要な目的とする。当該目的を達成するため、当該ゲームシステムは、いずれか1種のゲーム内アイテムの付与のために使用された特典選択カードの再使用を禁止する(特許文献1の
図8,
図11等参照)。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、プレイヤにより選択された特典を当該プレイヤに適用する場合に発生し得る種々の不都合の少なくともいずれかを解消することである。なお、種々の不都合は、例えば、プレイヤにより選択されなかった特典が有効に活用されずに無駄になる不都合,プレイヤにより選択された特典の適用に起因して当該プレイヤが不測の不利益を被り得る不都合である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、プレイヤにより選択されなかった特典が当該プレイヤに適用される機会が縮減されるよう調整する。本発明は、少なくとも下記の各態様を包含する。
【0007】
〔A〕選択候補である複数種類の第1特典が関連付けられた単数の第1アイテムをプレイヤに付与する付与手段と、前記第1アイテムの消費手順において前記プレイヤにより前記選択候補の中から選択された選択特典が該プレイヤに適用される場合に、該消費手順において選択されなかった残余特典が該プレイヤに適用され得る第1機会が縮減するよう調整する調整手段と、を備えるゲーム情報処理装置。
【0008】
〔B〕選択候補である複数種類の第1特典が関連付けられた単数の第1アイテムをプレイヤに付与する付与段階と、前記第1アイテムの消費手順において前記プレイヤにより前記選択候補の中から選択された選択特典が該プレイヤに適用される場合に、該消費手順において選択されなかった残余特典が該プレイヤに適用され得る第1機会が縮減するよう調整する調整段階と、を含む、情報処理装置の制御方法。
【0009】
〔C〕選択候補である複数種類の第1特典が関連付けられた単数の第1アイテムをプレイヤに付与する付与機能と、前記第1アイテムの消費手順において前記プレイヤにより前記選択候補の中から選択された選択特典が該プレイヤに適用される場合に、該消費手順において選択されなかった残余特典が該プレイヤに適用され得る第1機会が縮減するよう調整する調整機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラム。
【0010】
〔D〕選択候補である複数種類の第1特典が関連付けられた単数の第1アイテムをプレイヤに付与する付与機能と、前記第1アイテムの消費手順において前記プレイヤにより前記選択候補の中から選択された選択特典が該プレイヤに適用される場合に、該消費手順において選択されなかった残余特典が該プレイヤに適用され得る第1機会が縮減するよう調整する調整機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラムを非一時的に記録する記録媒体。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プレイヤにより選択されなかった特典が有効に活用されずに無駄になる不都合が解消される。
【0012】
上記〔A〕の「ゲーム情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、上記〔B〕の「制御方法」,上記〔C〕の「制御プログラム」及び上記〔D〕の「記録媒体」が記録する制御プログラムにそれぞれ加えてもよい。
【0013】
(1)前記第1アイテムを消費することなく前記プレイヤに適用され得る第2特典との関係で該プレイヤが不測の不利益を被らないことを条件に該プレイヤに前記選択特典を適用する適用手段をさらに備える。これにより、選択特典の適用に起因して不測の不利益を被る可能性が低減する。
【0014】
(2)前記適用手段が、前記プレイヤに適用中又は適用予定である前記第2特典と競合関係にある前記選択特典が相対的に有利である場合に、該プレイヤに該選択特典を適用する。これにより、選択特典の適用に起因する不利益が発生しない場合に選択特典が適用される。
【0015】
(3)前記適用手段が、前記プレイヤに適用中又は適用予定である前記第2特典と競合関係にある前記選択特典が相対的に不利である場合に、該選択特典の適用終了後に該第2特典と同等以上の特典の適用余地があることを条件に、該プレイヤに該選択特典を適用する。これにより、選択特典の適用に起因する不利益が許容され得る場合に選択特典が適用される。
【0016】
(4)前記第2特典と同等以上で前記選択特典の適用終了後に前記プレイヤに適用され得る第3特典が少なくとも関連付けられた第2アイテムを前記消費手順において該プレイヤに付与する追加付与手段をさらに備え、前記適用手段が、前記追加付与手段により前記プレイヤに前記第2アイテムが付与された場合に前記適用余地があると判定する。これにより、選択特典の適用に起因する不利益が許容され得る状況になる。
【0017】
(5)前記適用手段が、前記プレイヤに一時的に適用される前記選択特典が終了する第1時期より該プレイヤに一時的に適用される前記第2特典が終了する第2時期が後である場合に前記適用余地があると判定する。これにより、選択特典の適用に起因する不利益が許容され得る場合に選択特典が適用される。
【0018】
(6)前記適用手段が、前記第1時期と前記第2時期の時間差が所定基準を満たす程度に長い場合に限り前記適用余地があると判定し、前記時間差が前記所定基準を満たさない場合に該所定基準を満たすよう前記第2特典と前記選択特典の少なくともいずれかの適用期間を更新する更新手段をさらに備える。これにより、選択特典の適用に起因する不利益が許容され得ない状況が解消される。
【0019】
(7)前記第1アイテムを消費することなく前記プレイヤに適用され得る第2特典と競合関係にあり該第2特典より不利な前記第1特典の選択を該プレイヤが回避するよう誘導する誘導手段をさらに備える。これにより、選択特典の適用に起因して不測の不利益を被る可能性が低減する。
【0020】
(8)前記誘導手段が、前記プレイヤに適用予定の前記第2特典を該プレイヤに報知する。これにより、選択特典の適用に起因して将来的に発生し得る不利益が回避され得る。
【0021】
(9)前記選択特典が適用されている前記プレイヤに、該プレイヤと協同関係にある関連プレイヤに前記第1アイテムの消費手順を経て適用されている関連選択特典と同一種類の前記第1特典をさらに適用する追加適用手段をさらに備える。これにより、他のプレイヤとの協同関係の構築により第1特典が追加で適用される。
【0022】
(10)前記調整手段が、前記第1機会を、前記選択特典と相違する前記関連選択特典が適用されている前記関連プレイヤと協同プレイに挑戦する場合に限定し、前記追加適用手段が、前記関連プレイヤと前記協同プレイに挑戦する前記プレイヤに、前記残余特典のいずれかである前記第1特典をさらに適用する。これにより、他のプレイヤとの協同関係の構築により残余特典のいずれかが追加で適用され得る。
【0023】
(11)前記調整手段が、前記第1アイテムの切換手順において前記プレイヤにより前記選択候補の中から新たに選択された更新選択特典が該プレイヤに適用される場合に、前記第1機会を復元するとともに、該切換手順において選択されなかった更新残余特典が該プレイヤに適用され得る第2機会が縮減するよう再調整する。これにより、選択特典の切換えにより残余特典の適用余地が復活する。
【0024】
(12)前記適用手段が、前記プレイヤに一時的に適用される前記選択特典が有効な期間を前記更新選択特典が引き継ぐように該プレイヤに該更新選択特典を適用する。これにより、更新選択特典が当初から選択されていた場合より有利な状況にはならない。
【0025】
この明細書では、下記のように用語を用いる。
【0026】
(1)「ゲーム」とは、少なくとも一部がオンラインのゲームサービスにおいて提供される電子ゲームをいう。広義ではゲームサービスそのものを指称し、狭義ではゲームサービスを構成する個別のステージを指称する。「プレイヤ」とは、ゲームサービスのユーザをいう。「プレイ」とは、プレイヤがゲームを進行させて遊ぶことをいう。
【0027】
(2)「単独プレイ」とは、単数のプレイヤによるプレイをいう。「協同プレイ」とは、協同関係にある複数のプレイヤによる同期プレイをいう。協同プレイでは、ゲームの協同プレイを主催して仲間を募集するプレイヤ(ホスト)と当該募集に応募して当該ゲームの協同プレイに参加するプレイヤ(ゲスト)とにより協同関係が形成され、プレイの進行がプレイヤ間で同期される。
【0028】
(3)「オブジェクト」は、広義又は狭義のゲーム内に登場しプレイヤによる操作対象となるゲーム内要素を少なくとも包含する。操作対象となるゲーム内要素は、「キャラクタ」及び「アイテム」を包含する。
【0029】
(4)「キャラクタ」は、画面上の外観と変動し得る状態(ステータス)が設定されたゲーム内要素である。キャラクタの外観は、例えば、人物,機械,モンスターなどの外観である。キャラクタの状態は、例えば、ヒットポイント,攻撃力,スピード,経験値,レベル等の値として表現される。
【0030】
(5)「アイテム」は、キャラクタ又はゲームに関連するパラメータに一時的な変化又は恒久的な変化を加えるために用いるゲーム内要素である。ゲームに関連するパラメータは、特定のキャラクタの状態に関する設定パラメータ,特定のプレイの制御に関する制御パラメータを包含する。制御パラメータは、プレイ中の進行処理を制御する進行パラメータ,プレイ後のクリア報酬の決定処理を制御する報酬パラメータを包含する。進行パラメータは、例えば、プレイ中に特定のアイテムが付与される確率である。報酬パラメータは、例えば、クリア後に特定のパラメータの値を上昇させる加算量,クリア後に特定のキャラクタやアイテムが排出される確率(ドロップ率)である。
【0031】
(6)「特典」は、ゲームの進行上プレイヤにとって有利な扱いをいう。有利な扱いは、ゲームに関連するパラメータのいずれかに一時的な変化又は恒久的な変化を加えることを少なくとも含む。一時的な変化を「効果」と呼び、一時的な変化が発生することを「発動」と呼び、効果が発動している状態を「発動中」と呼ぶ。
【0032】
(7)「特典」は、適用条件を満たすプレイヤに自動的に適用される共通特典(第2特典)と、プレイヤによるアイテムの消費手続を契機として適用される個別特典(第1特典)と、を少なくとも包含する。「アイテム」は、1種類の個別特典が関連付けられた通常アイテム(第2アイテム)と、選択候補である複数種類の個別特典がそれぞれ関連付けられた特殊アイテム(第1アイテム)と、を少なくとも包含する。
【0033】
(8)特殊アイテムに関連付けられている複数種類の個別特典は、プレイヤにより択一的に選択される。特殊アイテムの消費手順においてプレイヤにより選択された個別特典を「選択特典」と呼ぶ。また、当該消費手順においてプレイヤにより選択されなかった個別特典をそれぞれ「残余特典」と呼ぶ。
【0034】
(9)特殊アイテムに関連付けられている複数種類の個別特典のうちプレイヤに適用される選択特典は、切り換えることができる。特殊アイテムの切換手順においてプレイヤにより新たに選択された個別特典を「更新選択特典」と呼ぶ。また、当該切換手順においてプレイヤにより選択されなかった個別特典を「更新残余特典」と呼ぶ。
【0035】
(10)特典の適用機会が「縮減する」とは、当該特典の適用機会に部分的な制限が加わることをいう。部分的な制限は、適用範囲の制限と適用時期の制限を少なくとも包含する。適用範囲の制限は、適用場面が限定されることをいう。適用場面の限定は、例えば、特定の場面が適用不可になるように変更されること,特定の場面だけが適用可能になるように変更されることである。適用時期の制限は、例えば、一時的に適用不可になるように変更されることである。
【0036】
(11)選択特典の適用に起因する「不測の不利益」とは、競合関係にある共通特典より不利な内容の選択特典が適用されることにより、共通特典の適用による有利な扱いの有利度合いが低下することをいう。「競合関係」とは、排他的な関係をいう。排他的な関係にある複数種類の特典は、同時に適用され得ない。適用される1種の特典は、プレイヤにより手動で選択されてもよいし、コンピュータにより自動的に選択されてもよい。自動的に選択される場合、設定された優先度の高い特典が選択されてもよいし、プレイヤにとって相対的に最も有利な内容の特典が選択されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】システムの特徴を説明する概念図である。(実施例)
【
図2】システムのネットワーク構成を例示する構成図である。(実施例)
【
図3】サーバ装置の電気的構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図4】ユーザ装置の電気的構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図5】ユーザ管理サーバの機能構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図6】データベース構成を例示する説明図である。(実施例)
【
図7】特殊アイテムの消費手順を例示するシーケンス図である。(実施例)
【
図8】特典選択前のクエストタイプ選択画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図9】特典選択画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図10】特典選択後のクエストタイプ選択画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図11】特典選択後のクエスト選択画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図12】特殊アイテムの切換手順を例示するシーケンス図である。(実施例)
【
図13】特典解除画面の表示例を示す図である。(実施例)
【
図14】マルチプレイの実行手順を例示するシーケンス図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0038】
[1.実施形態]
[1-1.概要]
本実施形態は、2次元以上の表示ができるディスプレイを用いた電子ゲームに関する。本実施形態では、プレイヤにより選択された選択特典を当該プレイヤに適用する場合に発生し得る種々の不都合のうち、プレイヤにより選択されなかった残余特典が有効に活用されずに無駄になる不都合を解消するため、残余特典が当該プレイヤに適用される機会が縮減されるよう調整する。
【0039】
[1-2.ゲーム情報処理装置]
実施形態に係るゲーム情報処理装置(例えば、ユーザ管理サーバ10)は、選択候補である複数種類の第1特典が関連付けられた単数の第1アイテムをプレイヤに付与する付与手段(例えば、付与部510)と、第1アイテムの消費手順においてプレイヤにより選択候補の中から選択された選択特典が当該プレイヤに適用される場合に、当該消費手順において選択されなかった残余特典が当該プレイヤに適用され得る機会が縮減するよう調整する調整手段(例えば、調整部530)と、を備える。
【0040】
実施形態に係るゲーム情報処理装置は、クライアントサーバ型のゲーム情報処理システムにおいて、通信ネットワークを介してクライアント側装置に電子ゲームを提供するサーバ側装置として構成されるのが好適である。クライアント側装置は、ゲームセンター等に設置される業務用ゲーム機(アーケードゲーム機)でもよいし、各プレイヤが所持する個人用ゲーム機でもよい。個人用ゲーム機は、据置型のゲーム機でもよいし、携帯型のゲーム機でもよい。据置型のゲーム機及び携帯型のゲーム機は、専用のゲーム機でもよいし、汎用の端末でもよい。なお、実施形態に係るゲーム情報処理装置は、単独で動作する業務用ゲーム機や個人用ゲーム機でもよい。
【実施例】
【0041】
[2.実施例]
[2-1.概要]
(1)実施例のサービス
本実施例は、少なくとも一部がオンラインで提供されるゲームサービス(実施例のサービス)に関する。実施例のサービスでは、プレイヤに対し、デッキを構成する4体のキャラクタをプレイヤが所定アクションにより順次操作して、ゲーム内に用意されている複数のステージ(狭義のゲーム)に順次挑戦していく電子ゲーム(広義のゲーム)が提供される。
【0042】
(2)クエスト
以下では、上記ステージを「クエスト」と呼ぶ。クエストには、常時提供される「ノーマルクエスト」,所定の保管場所(アーカイブ)にて提供される場合がある「アーカイブクエスト」(以下の説明では「追憶の書庫」(又は単に「書庫」)と呼ばれることがある。),期間限定的なイベントにおいて一時的に提供される場合がある「イベントクエスト」等がある。各クエストには、当該クエストを攻略(クリア)した場合に付与されるクリア報酬が規定されている。
【0043】
(3)ソロプレイ,マルチプレイ
クエストのプレイには、1人のプレイヤが単独で挑戦するソロプレイ(単独プレイ)と、2人~4人のプレイヤが協同して挑戦するマルチプレイ(協同プレイ)と、の2通りのプレイ形態がある。マルチプレイでは、当該マルチプレイを主催して仲間を募集するホストと当該募集に応募して当該マルチプレイに参加するゲストとにより協同関係が形成され、プレイの進行がプレイヤ間で同期される。
【0044】
(4)共通特典,個別特典
実施例のサービスでは、所定の適用条件を満たすプレイヤに対し、共通特典(第2特典)が適用される。また、実施例のサービスでは、所定の付与条件を満たすプレイヤに対し通常アイテム(第2アイテム)が付与される。そして、通常アイテムを消費したプレイヤに対し、当該通常アイテムに関連付けられた個別特典(第1特典)が適用される。共通特典及び個別特典は、規定のクリア報酬の内容を一時的に変化させることを含む。
【0045】
[2-2.特徴]
(1)選択特典の適用に起因する不測の不利益が発生しない
実施例のサービスでは、所定の付与条件を満たすプレイヤに特殊アイテム(第1アイテム)が付与される。特殊アイテムには、複数種類の個別特典(第1特典)が関連付けられている。特殊アイテムは、各種キャンペーンの一環で、付与条件を満たすプレイヤに付与される。
【0046】
図1(a)に例示されるように、実施例のサービスでは、当該サービスの運営者110から、所定の付与条件を満たすプレイヤ120に対し、特殊アイテム130が付与される。特殊アイテム130には、3種類の個別特典140,150,160が関連付けられている。
【0047】
そして、特殊アイテムを消費したプレイヤに対し、当該特殊アイテムに関連付けられている複数種類の個別特典の中から当該プレイヤにより選択された個別特典(選択特典)が適用される。その際、選択特典の適用が競合関係にある共通特典(第2特典)より有利である場合に限られることから、選択特典の適用に起因する不測の不利益が発生しない。
【0048】
(2)残余特典の適用機会がある
実施例のサービスでは、特殊アイテムが消費され、選択された個別特典(選択特典)がプレイヤに適用される場合に、選択されなかった個別特典(残余特典)が当該プレイヤに適用される適用機会(第1機会)が縮減するように調整される。
【0049】
図1(b)に例示されるように、特殊アイテム130に関連付けられている3種類の個別特典140,150,160の中から当該プレイヤにより個別特典140が選択され、当該プレイヤに個別特典140が適用される場合に、選択されなかった個別特典150,160が当該プレイヤに適用される適用機会がそれぞれ縮減するように調整される。
【0050】
残余特典の適用機会は、残余特典のいずれかが選択特典(関連選択特典)として適用されている他のプレイヤ(関連プレイヤ)と協同関係を築きマルチプレイに挑戦する場合に限定される。つまり、残余特典の適用機会に対する制限が、部分的な制限に留まる。したがって、他のプレイヤとの協同関係の構築により、残余特典のいずれかが追加で適用され得る。
【0051】
また、特殊アイテムの発動時間内に限り、当初の選択特典を解除して新たに選択された個別特典(更新選択特典)に切り換えると、当初の残余特典の適用機会(第1機会)が復元され、当初の残余特典の適用余地が復活する。つまり、残余特典の適用機会に対する制限が、一時的な制限に留まる。したがって、選択特典の切換えにより、残余特典のいずれかが適用され得る。
【0052】
[2-3.実施例のシステムの構成]
[2-3-1.ネットワーク構成]
図2は、実施例のシステムのネットワーク構成を例示する。実施例のシステムは、実施例のサービスをユーザに提供する。
【0053】
図2に例示されるように、実施例のシステムは、実施例のサービスのユーザ(プレイヤ)を管理するユーザ管理サーバ10と、実施例のサービスに関連するデータを管理するデータ管理サーバ20と、複数のユーザがそれぞれ使用する複数のユーザ端末30(30-1,30-2,…30-n)(n:自然数)と、を含む。
【0054】
ユーザ管理サーバ10とユーザ端末30は、通信ネットワーク40を通じてデータの授受が可能である。データ管理サーバ20は、内蔵する又は外部の接続可能なストレージ21にアクセス可能である。ユーザ管理サーバ10は、データ管理サーバ20を介してストレージ21に記憶されるデータにアクセス可能である。
【0055】
通信ネットワーク40は、インターネット(Internet),携帯電話網,無線WAN(Wireless Wide Area Network),無線LAN(Wireless Local Area Network),イーサネット(Ethernet)(登録商標)などの既存のネットワークのうち少なくともいずれかを含んでいてよい。
【0056】
(1)ユーザ管理サーバ
ユーザ管理サーバ10は、Webサーバプログラム及びアプリケーションプログラム(制御プログラム)がインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。ユーザ管理サーバ10は、要求(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ20にストレージ21から必要なデータを取得させ、要求元に提供(レスポンス)する。また、ユーザ管理サーバ10は、要求(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ20にストレージ21へ必要なデータを登録させる。また、ユーザ管理サーバ10は、実施例のサービスを提供するため、種々の処理を実行する。なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、ユーザ管理サーバ10の機能を分担させ又はユーザ管理サーバ10にかかる負荷を分散させてもよい。
【0057】
(2)データ管理サーバ
データ管理サーバ20は、DB(Data Base)サーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。データ管理サーバ20は、ストレージ21とともにDBMS(Data Base Management System)を構成する。データ管理サーバ20は、要求(リクエスト)に応じて、ストレージ21から必要なデータを取得し、要求元に提供(レスポンス)する。また、データ管理サーバ20は、要求(リクエスト)に応じて、ストレージ21へ必要なデータを登録する。ストレージ21は、実施例のサービスに関連するデータを記憶する記憶装置である。なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、データ管理サーバ20の機能を分担させ又はデータ管理サーバ20にかかる負荷を分散させてもよい。
【0058】
(3)ユーザ端末
ユーザ端末30は、所定のゲームプログラムがインストールされたユーザ装置(コンピュータ)である。本実施例では、ユーザ装置として、プログラムをインストール可能な汎用の携帯装置(例えば、携帯電話,スマートフォン(smartphone),タブレット(tablet)端末,タブレットPC(personal computer),ウェアラブルデバイス(wearable device)など)や汎用の処理装置(例えば、PC(personal computer)など)を用いることができる。
【0059】
[2-3-2.電気的構成]
(1)サーバ装置の電気的構成
図3は、サーバ装置の電気的構成を例示する。
図3に例示されるサーバ装置は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置310と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置320と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置330と、マウスやキーボードを含む入力装置340と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置350と、ネットワークカード(Network Interface Card)を含む通信制御装置360と、を有する。なお、CPUの代わりにMPU(Micro-Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の装置を用いてもよい。
【0060】
主記憶装置320、補助記憶装置330、入力装置340、出力装置350及び通信制御装置360は、バスラインを介して制御処理装置310とそれぞれ接続される。制御処理装置310は、(1)補助記憶装置330に記憶されたプログラムを主記憶装置320上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置340と補助記憶330と通信制御装置360との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置330と出力装置350と通信制御装置360との少なくともいずれかに提供する。
【0061】
(2)ユーザ装置の電気的構成
図4は、ユーザ装置の電気的構成を例示する。
図4に例示されるユーザ装置は、制御処理部を構成するDSP411と、主記憶部を構成するRAM421と、補助記憶部を構成するROM422及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)423と、入力部及び表示部を構成するタッチパネルディスプレイ431と、音声出力部を構成するスピーカ432と、通信制御部を構成するNIC(Network Interface Controller)441及び無線LAN(Local Area Network)チップ442と、を少なくとも有する。なお、DSPの代わりにMPU(Micro-Processing Unit)等の装置を用いてもよい。
【0062】
RAM421、ROM422、EEPROM423、タッチパネルディスプレイ431、スピーカ432、NIC441及び無線LANチップ442は、バスラインを介してDSP411とそれぞれ接続される。DSP411は、(1)ROM422又はEEPROM423に記憶されたプログラムをRAM421上に読み込み、(2)プログラムの指示に従ってタッチパネルディスプレイ431とEEPROM423とNIC441と無線LANチップ442との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータをEEPROM423とタッチパネルディスプレイ431とスピーカ432とNIC441と無線LANチップ442との少なくともいずれかに提供する。
【0063】
[2-3-3.機能構成]
(1)概要
ユーザ管理サーバ10及びデータ管理サーバ20の機能は、サーバ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するプログラム(制御プログラム)とがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。サーバ装置にインストールされるべきプログラムは、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)などの記録媒体に非一時的に記録された状態で配布され当該記録媒体からサーバ装置に読み込まれてもよいし、通信ネットワーク40又はその他の通信ネットワークを介し搬送波に重畳させてサーバ装置に供給されてもよい。
【0064】
ユーザ端末30の機能は、ユーザ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するゲームプログラムがユーザ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。なお、ゲームプログラムに代えて、上記ユーザ装置向けOS上で動作するWebブラウザプログラムと当該Webブラウザプログラム上で動作するゲームプログラム(プラグイン)がユーザ装置にそれぞれインストールされることによってもユーザ端末30の機能が実現され得る。
【0065】
ユーザ装置向けOSは、出荷当初からユーザ装置にインストールされているのが一般的である。ユーザ装置にインストールされるべきその他のプログラムは、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてユーザ装置に供給されるのが一般的である。なお、ユーザ装置にインストールされるべき上記その他のプログラムは、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)などの記録媒体に非一時的に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に読み込まれてもよい。
【0066】
(2)ユーザ管理サーバの機能構成
図5は、ユーザ管理サーバの機能構成を例示する。
図5に例示されるように、ユーザ管理サーバ10は、付与部510,適用部520,調整部530,中継部540及び同期部550を具備する。付与部510,適用部520,調整部530,中継部540及び同期部550はそれぞれ、ユーザ管理サーバ10として動作するサーバ装置の制御処理装置310及び通信制御装置360を含んで構成される。
【0067】
付与部510は、所定の付与条件を満たすプレイヤに、1種類の個別特典(第1特典)が関連付けられた通常アイテム(第2アイテム)を付与する。また、付与部510は、所定の付与条件を満たすプレイヤに、選択候補である複数種類の個別特典(第1特典)が関連付けられた特殊アイテム(第1アイテム)を付与する。
【0068】
適用部520は、特殊アイテム(第1アイテム)を消費することなくプレイヤに適用され得る共通特典(第2特典)との関係で当該プレイヤが不測の不利益を被らないことを条件に当該プレイヤに、上記選択候補の中から当該プレイヤにより選択された個別特典(選択特典)を適用する。特に、適用部520は、プレイヤに適用中又は適用予定である共通特典(第2特典)と競合関係にある選択特典が相対的に有利である場合に、当該プレイヤに当該選択特典を適用する。
【0069】
また、適用部520は、選択特典が適用されているプレイヤに、当該プレイヤと協同関係にある他のプレイヤ(関連プレイヤ)に特殊アイテム(第1アイテム)の消費手順を経て適用されている選択特典(関連選択特典)と同一種類の個別特典(第1特典)をさらに適用する。特に、適用部520は、関連プレイヤとマルチプレイ(協同プレイ)に挑戦するプレイヤに、残余特典のいずれかである個別特典(第1特典)をさらに適用する。
【0070】
また、適用部520は、特殊アイテム(第1アイテム)を消費することなくプレイヤに適用され得る共通特典(第2特典)との関係で当該プレイヤが不測の不利益を被らないことを条件に当該プレイヤに、上記選択候補の中から当該プレイヤにより新たに選択された個別特典(更新選択特典)を適用する。特に、適用部520は、プレイヤに一時的に適用される選択特典が有効な期間を更新選択特典が引き継ぐように当該プレイヤに当該更新選択特典を適用する。
【0071】
調整部530は、特殊アイテム(第1アイテム)の消費手順においてプレイヤにより上記選択候補の中から選択された個別特典(選択特典)が当該プレイヤに適用される場合に、当該消費手順において選択されなかった個別特典(残余特典)が当該プレイヤに適用され得る適用機会(第1機会)が縮減するように調整する。特に、調整部530は、上記第1機会を、残余特典のいずれかが選択特典(関連選択特典)として適用されている他のプレイヤ(関連プレイヤ)とマルチプレイ(協同プレイ)に挑戦する場合に限定する。
【0072】
また、調整部530は、特殊アイテム(第1アイテム)の切換手順においてプレイヤにより上記選択候補の中から新たに選択された個別特典(更新選択特典)が当該プレイヤに適用される場合に、上記第1機会を復元するとともに、当該切換手順において選択されなかった個別特典(更新残余特典)が当該プレイヤに適用され得る適用機会(第2機会)が縮減するように再調整する。特に、調整部530は、上記第2機会を、更新残余特典のいずれかが選択特典(関連選択特典)として適用されている他のプレイヤ(関連プレイヤ)とマルチプレイ(協同プレイ)に挑戦する場合に限定する。
【0073】
中継部540は、マルチプレイを実行する複数のプレイヤがそれぞれ使用する複数のユーザ端末30の間で、ゲーム(クエスト)の進行を同期させる。例えば、いずれかのユーザ端末30においてプレイヤによる操作がなされ画面上のオブジェクトの配置が変化する場合に、中継部540が当該操作の情報を中継することにより、当該変化を他のユーザ端末30の画面上のオブジェクトにも反映させる。
【0074】
同期部550は、所定の更新タイミングで、ユーザ端末30にキャッシュ更新データを送信して、ユーザ端末30に保持されるキャッシュデータを更新させる。所定の更新タイミングは、例えば、ユーザ端末30においてゲームプログラムが起動されユーザ管理サーバ10にアクセスがなされた直後である。また、同期部550は、所定のタイミングで、ユーザ端末30から各種データを受信し、データ管理サーバ20で管理されているデータを必要に応じて更新する。
【0075】
[2-3-4.データベース構成]
図6は、実施例のシステムにおけるデータベース構成を例示する。これらのデータは、ストレージ21に記憶され、データ管理サーバ20を介してアクセス可能である。これらのデータの少なくとも一部を含むキャッシュ更新データがユーザ管理サーバ10(同期部550)からユーザ端末30に提供され、ユーザ端末30においてキャッシュデータとして保持される。
【0076】
(1)プレイヤ管理情報
プレイヤ管理情報は、プレイヤごとに当該プレイヤに関連する各種パラメータを管理する管理情報である。プレイヤ管理情報は、各プレイヤによる初期設定時に追加され、クエストのプレイ開始前又はプレイ終了後に更新される。
図6(a)に例示されるように、プレイヤ管理情報は、プレイヤに一意の「プレイヤID(識別情報)」に、「経験値」,「プレイヤランク」を少なくとも対応付ける。「経験値」は、クエストのクリア経験を重ねることにより上昇する。「プレイヤランク」は、「経験値」が所定の水準に達する毎に上昇する。「プレイヤランク」は、当該プレイヤのゲームに対する熟練度の目安になる。アイテムの付与条件や特典の適用条件は、プレイヤランクに関する条件を含むことがある。
【0077】
(2)キャンペーン設定情報
キャンペーン設定情報は、キャンペーンごとに当該キャンペーンに関連する各種パラメータを設定する設定情報である。キャンペーン設定情報は、実施例のサービスの運営者により随時追加される。
図6(b)に例示されるように、キャンペーン設定情報は、キャンペーンに一意の「キャンペーンID(識別情報)」に、「適用条件」,「開始時期」,「終了時期」,「特典内容」を少なくとも対応付ける。
【0078】
(3)キャンペーン発動管理情報
キャンペーン発動管理情報は、キャンペーンごとに当該キャンペーンの発動状態を管理する管理情報である。キャンペーン発動管理情報は、プレイヤにキャンペーンが適用された場合に追加される。
図6(c)に例示されるように、キャンペーン発動管理情報は、「プレイヤID」及び「キャンペーンID」に、有意のとき発動中を示す「発動フラグ」を少なくとも対応付ける。
【0079】
(4)通常アイテム定義情報
通常アイテム定義情報は、通常アイテムの種別ごとに当該通常アイテムに関連する各種パラメータを定義する定義情報である。通常アイテム定義情報は、実施例のサービスの運営者により随時追加される。
図6(d)に例示されるように、通常アイテム定義情報は、通常アイテムの種別に一意の「通常アイテム種別ID(識別情報)」に、「発動時間」,「特典内容」,「競合キャンペーン」(キャンペーンID)を少なくとも対応付ける。
【0080】
(5)通常アイテム発動管理情報
通常アイテム発動管理情報は、プレイヤに付与された通常アイテムの発動状態を管理する管理情報である。通常アイテム発動管理情報は、プレイヤに通常アイテムが付与された場合に追加される。
図6(e)に例示されるように、通常アイテム発動管理情報は、「プレイヤID」及び「通常アイテム種別ID」に、有意のとき発動中を示す「発動フラグ」,「開始時期」,「終了時期」を少なくとも対応付ける。
【0081】
(6)特殊アイテム定義情報
特殊アイテム定義情報は、特殊アイテムの種別ごとに当該特殊アイテムに関連する各種パラメータを定義する定義情報である。特殊アイテム定義情報は、実施例のサービスの運営者により随時追加される。
図6(f)に例示されるように、特殊アイテム定義情報は、特殊アイテムの種別に一意の「特殊アイテム種別ID(識別情報)」に、「発動時間」,「選択候補数」を少なくとも対応付ける。
【0082】
(7)特典定義情報
特典定義情報は、特殊アイテムに複数種類の個別特典を関連付ける定義情報である。特典定義情報は、特殊アイテム定義情報とともに追加される。
図6(g)に例示されるように、特典定義情報は、「特殊アイテム種別ID」及び「候補番号」に、「特典内容」,「競合キャンペーン」(キャンペーンID)を少なくとも対応付ける。「特典内容」は、特定のパラメータに対する変化量や、特典の説明テキストを含んでいてよい。
【0083】
(8)特殊アイテム発動管理情報
特殊アイテム発動管理情報は、プレイヤに付与された特殊アイテムの発動状態を管理する管理情報である。特殊アイテム発動管理情報は、プレイヤに特殊アイテムが付与された場合に追加される。
図6(h)に例示されるように、特殊アイテム発動管理情報は、「プレイヤID」及び「特殊アイテム種別ID」に、有意のとき発動中を示す「発動フラグ」,「開始時期」,「終了時期」を少なくとも対応付ける。
【0084】
(9)選択状態管理情報
選択状態管理情報は、消費された特殊アイテムの選択状態を管理する管理情報である。選択状態管理情報は、特殊アイテムが消費された場合に追加される。
図6(i)に例示されるように、選択状態管理情報は、「プレイヤID」,「特殊アイテム種別ID」及び「候補番号」に、「ステータス」を少なくとも対応付ける。「ステータス」は、例えば、「未選択」,「選択中」,「制限中」にそれぞれ対応する複数の値を取り得る。
【0085】
(10)マルチプレイ管理情報
マルチプレイ管理情報は、マルチプレイごとに当該マルチプレイの客体と主体を管理する管理情報である。
図6(j)に例示されるように、マルチプレイ管理情報は、マルチプレイに一意の「セッションID(識別情報)」に、「クエストID(識別情報)」,「ホスト」(プレイヤID),1~3人の「ゲスト」(プレイヤID)を少なくとも対応付ける。
【0086】
[2-4.情報処理の手順]
[2-4-1.アイテムの付与処理]
(1)通常アイテムの付与処理
ユーザ管理サーバ10(付与部510)は、所定の付与条件を満たすプレイヤに、通常アイテム(第2アイテム)を付与する。具体的には、当該プレイヤのプレイヤIDに対応付けて通常アイテム発動管理情報(
図6(e))を追加する。「発動フラグ」は初期値(未発動)である。所定の付与条件は、例えば、所定のクエストに挑戦して攻略しクリア報酬の抽籤に当籤したことを含む。
【0087】
(2)特殊アイテムの付与処理
ユーザ管理サーバ10(付与部510)は、所定の付与条件を満たすプレイヤに、特殊アイテム(第1アイテム)を付与する。具体的には、当該プレイヤのプレイヤIDに対応付けて特殊アイテム発動管理情報(
図6(h))を追加する。「発動フラグ」は初期値(未発動)である。所定の付与条件は、例えば、所定のクエストに挑戦して攻略しクリア報酬の抽籤に当籤したことを含む。また、共通特典の内容が特殊アイテムの付与である場合、所定の付与条件は共通特典の適用条件を満たすことである。
【0088】
[2-4-2.特典の適用処理]
(1)共通特典の適用処理
ユーザ管理サーバ10(適用部520)は、「適用条件」(
図6(b))を満たすプレイヤに、「開始時期」(
図6(b))から「終了時期」(
図6(b))までの期間に、「特典内容」(
図6(b))が示す共通特典(第2特典)を適用する。具体的には、当該プレイヤのプレイヤIDに対応付けてキャンペーン発動管理情報(図(c))を追加する。「発動フラグ」は初期値(未発動)である。共通特典が適用されると、例えば、特定のパラメータを変化させる効果が発動する。
【0089】
(2)個別特典の適用処理
ユーザ管理サーバ10(適用部520)は、適用済み又は適用予定の「競合キャンペーン」(
図6(d))が示すキャンペーンより有利である場合に、通常アイテム(第2アイテム)を消費したプレイヤに、「開始時期」(
図6(e))から「発動時間」(
図6(d))が経過する「終了時期」(
図6(e))までの期間に、「特典内容」(
図6(d))が示す個別特典(第3特典)を適用する。このとき、通常アイテム発動管理情報(
図6(e))の「発動フラグ」が有意化(発動中)される。個別特典が適用されると、例えば、特定のパラメータを変化させる効果が発動する。
【0090】
[2-4-3.特殊アイテムの消費手順]
図7は、特殊アイテムの消費手順を例示する。
図7に例示される手順は、特殊アイテムが付与されこれを未だ消費していないプレイヤによる、当該特殊アイテムを消費する手順である。
【0091】
ステップS705では、ユーザ端末30が、プレイヤによるアイテム消費指示を受け付ける。アイテム消費指示は、例えば、ユーザ端末30の画面上に表示されるアイコンに対する選択操作(例えば、タップ操作)によりなされる。
【0092】
図8は、特典選択前のクエストタイプ選択画面の表示例である。画面800には、選択対象である複数のクエストタイプにそれぞれ対応する複数のアイコンを含むアイコン群810が表示される。また、プレイヤに特殊アイテムが付与されている場合、画面800の左上に、特殊アイテムに対応するアイコン820が表示される。ここでは、アイコン820に対するタップ操作が特殊アイテムについてのアイテム消費指示に相当する。
【0093】
図7に戻り、ステップS710では、ユーザ端末30が、プレイヤによる特典選択指示を受け付ける。特典選択指示は、例えば、ユーザ端末30の画面上に表示される複数の選択肢のうちいずれかに対するタップ操作によりなされる。
【0094】
図9は、特典選択画面の表示例である。画面900には、特殊アイテムに関連付けられている複数種類の個別特典(第1特典)にそれぞれ対応する複数の選択肢910,920,930が表示される。選択肢の数は、当該特殊アイテムに対応する特殊アイテム定義情報(
図6(f))の「選択候補数」に対応する。選択肢の表示内容は、それぞれ、当該特殊アイテムの候補番号に対応する特典定義情報(
図6(g))の「特典内容」に含まれる説明テキストである。ここでは、いずれかの選択肢が選択された状態でのボタン940に対するタップ操作が特典選択指示に相当する。
【0095】
図7に戻り、ステップS715では、ユーザ端末30がユーザ管理サーバ10に、特典選択を指示する。特典選択の指示には、ステップS705で指定された特殊アイテムと、ステップS710で選択された選択肢と、をそれぞれ特定するデータが含まれる。
【0096】
ステップS720では、ユーザ管理サーバ10(適用部520)が、適用済み又は適用予定の「競合キャンペーン」(
図6(g))が示すキャンペーンより有利である場合に、特殊アイテム(第1アイテム)を消費したプレイヤに、「開始時期」(
図6(h))から「発動時間」(
図6(f))が経過する「終了時期」(
図6(h))までの期間に、当該プレイヤにより選択された「候補番号」(
図6(g))に対応する「特典内容」(
図6(g))が示す個別特典(第1特典,選択特典)を適用する。このとき、当該プレイヤにより消費された「特殊アイテム種別ID」(
図6(h))に対応する「発動フラグ」が更新(有意化)される。また、当該プレイヤにより選択された「候補番号」(
図6(i))に対応する「ステータス」(
図6(i))が「選択中」を示す値に更新される。
【0097】
図10は、特典選択後のクエストタイプ選択画面の表示例である。画面1000の構成は、画面800と同様である。プレイヤに付与された特殊アイテムが消費され特典が選択された場合、画面1000において、選択特典の対象となるクエストタイプが報知される。例えば、画面900(
図9)において選択肢910に対応する特典(ノーマルクエストのクリア報酬として得られる経験値の上昇量の規定値が上昇する)が選択された場合に、画面1000においてノーマルクエストに対応するアイコンの右上にバッジ1010が追加される。
【0098】
図11は、特典選択後のクエスト選択画面の表示例である。画面1100は、イベントクエストのクエスト選択画面の表示例である。画面1100には、複数種類のクエストにそれぞれ対応する複数の選択肢が表示される。特に、選択特典の対象となるクエスト1110に対応する選択肢は、特典に基づく効果が発動中であることを示す表示1120を含む。
【0099】
図7に戻り、ステップS725では、ユーザ管理サーバ10(調整部530)が、プレイヤにより選択されなかった「候補番号」(
図6(g))に対応する「特典内容」(
図6(g))が示す個別特典(第1特典,残余特典)が適用される適用機会(第1機会)が縮減するように調整する。このとき、当該プレイヤにより選択されなかった「候補番号」(
図6(i))に対応する「ステータス」(
図6(i))がそれぞれ「制限中」に対応する値に更新される。
【0100】
[2-4-4.特殊アイテムの切換手順]
図12は、特殊アイテムの切換手順を例示する。
図12に例示される手順は、特殊アイテムを消費して発動時間が終了していないプレイヤによる、当該特殊アイテムにおける選択特典を切り換える手順である。当該切換手順により、残余特典の適用機会(第1機会)が一時的に復元され、更新残余特典の適用機会(第2機会)が縮減され得る。
【0101】
ステップS1205では、ユーザ端末30が、プレイヤによる選択特典解除指示を受け付ける。選択特典解除指示は、例えば、ユーザ端末30の画面上に表示される解除ボタンに対するタップ操作によりなされる。
【0102】
図13は、特典解除画面の表示例である。画面1300には、選択中(発動中)の特典の内容が表示される。ここでは、ボタン1310に対するタップ操作が選択特典解除指示に相当する。
【0103】
図12に戻り、ステップS1210では、ユーザ端末30が、プレイヤによる特典選択指示を受け付ける。特典選択指示は、例えば、ユーザ端末30の画面上に表示される複数の選択肢のうちいずれかに対するタップ操作によりなされる。プレイヤによる特典選択指示を受ける特典選択画面の構成は、画面900(
図9)と同様でよい。
【0104】
ステップS1215では、ユーザ端末30がユーザ管理サーバ10に、特典切換を指示する。特典切換の指示には、ステップS1210で選択された選択肢を特定するデータが含まれる。
【0105】
ステップS1220では、ユーザ管理サーバ10(適用部520)が、プレイヤにより新たに選択された「候補番号」(
図6(g))に対応する「特典内容」(
図6(g))が示す個別特典(第1特典,更新選択特典)を適用する。このとき、当該プレイヤにより選択された「候補番号」(
図6(i))に対応する「ステータス」(
図6(i))が「制限中」を示す値から「選択中」を示す値に更新される。
【0106】
ステップS1225では、ユーザ管理サーバ10(調整部530)が、プレイヤにより選択されなかった「候補番号」(
図6(g))に対応する「特典内容」(
図6(g))が示す個別特典(第1特典,更新残余特典)が適用される適用機会(第2機会)が縮減するように調整する。このとき、当該プレイヤにより選択されなかった「候補番号」(
図6(i))に対応する「ステータス」(
図6(i))がそれぞれ「制限中」を示す値になるように更新される。
【0107】
[2-4-5.マルチプレイ実行手順]
(1)実行手順
図14は、実施例のシステムによるマルチプレイの実行手順を例示する。
図14は、ユーザ端末30aを使用するプレイヤAによりクエストが選択され、プレイヤAによるマルチプレイの募集が開始され、ユーザ端末30bを使用するプレイヤBが当該募集に応募した後の手順である。
【0108】
ステップS1405では、ユーザ端末30aが、プレイヤAの操作に応じてデッキを編成する。ステップS1410では、ユーザ端末30aが、プレイヤAによる挑戦指示操作を受け付ける。ステップS1415では、ユーザ端末30aがユーザ管理サーバ10に、プレイヤAの操作に応じて当該クエストへのマルチプレイによる挑戦を指示する。ステップS1420では、ユーザ管理サーバ10が、クエストの挑戦者を指定する。ここでは、プレイヤA,Bをそれぞれマルチプレイに挑戦する挑戦者(ホスト,ゲスト)として指定し、マルチプレイ管理情報(
図6(j))を生成する。
【0109】
ステップS1425では、ユーザ管理サーバ10が、ホスト向け及びゲスト向けのクエスト進行用パラメータをそれぞれ設定する。ここでは、少なくとも一部の挑戦者に適用される選択特典(第1特典)を加味する。具体的には、特定の特殊アイテムに関連付けられた特定の個別特典が選択特典としてある挑戦者に適用されている場合に、当該選択特典の内容を特定する。そして、デフォルトの進行用パラメータのうち対象となるパラメータがあれば、これを変更する。その結果、対象となる進行用パラメータが上昇する。この処理を、全ての挑戦者の分についてそれぞれ行う。
【0110】
ステップS1430では、ユーザ管理サーバ10がユーザ端末30a及びユーザ端末30bに、クエスト進行用パラメータをそれぞれ提供する。ステップS1435a~cでは、ユーザ端末30a及びユーザ端末30bが、それぞれクエストを進行する。クエストの進行には、クエスト進行用パラメータが用いられる。ユーザ管理サーバ10(中継部540)は、ユーザ端末30a及びユーザ端末30bとそれぞれ接続し、操作情報を含むデータの交換を中継しクエストの進行を同期させる。
【0111】
ステップS1440では、クエスト終了後、ユーザ管理サーバ10が、ホスト向け及びゲスト向けの報酬計算用パラメータを設定する。ここでは、少なくとも一部の挑戦者に適用される選択特典(第1特典)を加味する。具体的には、ステップS1425と同様に、適用されている選択特典の内容を特定し、デフォルトの計算用パラメータのうち対象となるパラメータがあれば、これを変更する。その結果、対象となる計算用パラメータが上昇する。この処理を、全ての挑戦者の分についてそれぞれ行う。
【0112】
ステップS1445では、ユーザ管理サーバ10が、ストレージ21に記憶されるプレイヤデータを更新する。例えば、ホスト及びゲストにそれぞれ対応するプレイヤ管理情報(
図6(a))の「経験値」や「プレイヤランク」を、計算用パラメータに従って増加させる。また、クリア報酬として排出されたキャラクタやアイテムをプレイヤに関連付ける。
【0113】
ステップS1450では、ユーザ管理サーバ10がユーザ端末30a及びユーザ端末30bに、結果表示用データをそれぞれ提供する。ステップS1455a,bでは、ユーザ端末30a及びユーザ端末30bが、獲得された報酬を含む結果をそれぞれ表示する。例えば、更新前のデータが所定の視聴覚的効果により更新後のデータに変化する様子が示される。
【0114】
(2)関連選択特典の追加適用
上記マルチプレイの実行手順では、適用部520が、選択特典が適用されているプレイヤに、当該プレイヤと協同してマルチプレイを行うパートナー(関連プレイヤ)に特殊アイテム(第1アイテム)の消費手順を経て適用されている選択特典(関連選択特典)と同一種類の個別特典(第1特典)をさらに適用する。
【0115】
選択特典と関連選択特典が同内容である場合、両プレイヤにそれぞれ2倍又はそれ以上の個別特典が適用されてもよい。また、ホストに適用されている関連選択特典をゲストに適用する場合と、ゲストに適用されている関連選択特典をホストに適用する場合と、で関連選択特典に対する重みが相違してもよい。また、ホストに適用されている関連選択特典をゲストに適用する一方で、ゲストに適用されている関連選択特典をホストに適用しなくてもよい。
【0116】
選択特典と関連選択特典が同内容でない場合、両プレイヤにそれぞれ2種類の個別特典が適用されてもよい。また、ホストに適用されている関連選択特典をゲストに適用する場合と、ゲストに適用されている関連選択特典をホストに適用する場合と、で関連選択特典に対する重みが相違してもよい。また、ホストに適用されている関連選択特典をゲストに適用する一方で、ゲストに適用されている関連選択特典をホストに適用しなくてもよい。
【0117】
(3)補足1
各プレイヤにとって、協同関係を構築してマルチプレイに一緒に挑戦しようとする他のプレイヤを探索する際に、当該他のプレイヤに適用されている選択特典(関連選択特典)の情報が有用である場合がある。そこで、例えば、マルチプレイのゲストを募集中のホストや応募済みのゲストが表示される画面(仮想待受けルームの画面)において、ホスト又はゲストに適用されている選択特典の内容が表示されるようにしてもよい。また、マルチプレイのゲスト募集を探索する際に、特定の選択特典が適用されているホストによる募集を検索(抽出)できるようにしてもよい。また、マルチプレイのゲスト募集において適用されている選択特典の種類を限定できるようにしてもよい。そして、適用されている選択特典の種類が限定されているゲスト募集は、当該種類の選択特典が適用されているプレイヤによる検索要求に対してのみヒットするようにしてもよい。
【0118】
(4)補足2
マルチプレイの進行途中で一部のプレイヤが抜けても、残りのプレイヤのみにより当該マルチプレイは継続され得る。以下では、途中で抜けたプレイヤを脱退プレイヤと呼び、残ったプレイヤを残存プレイヤと呼ぶ。
【0119】
脱退プレイヤに適用されている関連選択特典は、残存プレイヤに適用されてもよいし適用されなくてもよい。一方、残存プレイヤに適用されている関連選択特典は、脱退プレイヤに適用されないようにするのが好ましい。また、脱退プレイヤに適用されている関連選択特典は、所定時間が経過するまで、他のマルチプレイに挑戦しても当該マルチプレイのパートナーに適用されないようにするのが好ましい。所定時間は、例えば、脱退前のマルチプレイにおいて挑戦していたクエストの標準的なゲーム時間でよい。これにより、選択特典の乱用が防止できる。
【0120】
[3.変形例]
[3-1.変形例1(選択特典の適用に関する変形例)]
上記実施例では、適用部520が、プレイヤに適用中又は適用予定である共通特典(第2特典)と競合関係にある選択特典が相対的に有利である場合に、当該プレイヤに当該選択特典を適用する。これに対し、適用部520は、プレイヤに適用中又は適用予定である共通特典(第2特典)と競合関係にある選択特典が相対的に不利である場合に、当該選択特典の適用終了後に当該共通特典と同等以上の特典の適用余地があることを条件に、当該プレイヤに当該選択特典を適用してもよい。
【0121】
(1)通常アイテム化
一例として、付与部510が、共通特典と同等以上で選択特典の適用終了後にプレイヤに適用され得る個別特典(第3特典)が少なくとも関連付けられた通常アイテム(第2アイテム)を消費手順において当該プレイヤに付与し、適用部520が、付与部510によりプレイヤに通常アイテム(第2アイテム)が付与された場合に上記適用余地があると判定してもよい。
【0122】
(2)発動時間の延長
一例として、適用部520が、プレイヤに一時的に適用される選択特典が終了する第1時期より当該プレイヤに一時的に適用される共通特典(第2特典)が終了する第2時期が後である場合に上記適用余地があると判定してもよい。特に、適用部520が、第1時期と第2時期の時間差が所定基準を満たす程度に長い場合に限り上記適用余地があると判定してもよい。そして、更新部が、上記時間差が所定基準を満たさない場合に当該所定基準を満たすよう共通特典(第2特典)と選択特典の少なくともいずれかの適用期間を更新してもよい。特に、更新部は、当該所定基準を満たすよう共通特典(第2特典)の適用期間を延長してもよい。
【0123】
[3-2.変形例2(選択特典の適用に起因する不測の不利益の回避に関する変形例)]
上記実施例及び上記変形例1では、適用部520が、特殊アイテム(第1アイテム)を消費することなくプレイヤに適用され得る共通特典(第2特典)との関係で当該プレイヤが不測の不利益を被らないことを条件に当該プレイヤに、上記選択候補の中から当該プレイヤにより選択された個別特典(選択特典)や当該選択候補の中から当該プレイヤにより新たに選択された個別特典(更新選択特典)を適用する。これに対し、誘導部が、特殊アイテム(第1アイテム)を消費することなくプレイヤに適用され得る共通特典(第2特典)と競合関係にあり当該共通特典より不利な個別特典の選択を当該プレイヤが回避するよう誘導してもよい。例えば、プレイヤに適用予定の共通特典(第2特典)がある場合に、誘導部が、当該共通特典をプレイヤに報知するとよい。
【符号の説明】
【0124】
10 ユーザ管理サーバ(ゲーム情報処理装置の一例)
20 データ管理サーバ
21 ストレージ
30 ユーザ端末
40 通信ネットワーク
510 付与部
520 適用部
530 調整部
540 中継部
550 同期部