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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/16 20060101AFI20231109BHJP
   A47G 1/06 20060101ALI20231109BHJP
   F04D 17/04 20060101ALI20231109BHJP
   E04F 19/00 20060101ALI20231109BHJP
   E06B 7/28 20060101ALN20231109BHJP
【FI】
F04D25/16
A47G1/06 J
F04D17/04 C
E04F19/00 D
E06B7/28 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019102229
(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公開番号】P2019210935
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】P 2018106431
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】樽木 裕介
(72)【発明者】
【氏名】竹中 啓
(72)【発明者】
【氏名】川原 啓太
(72)【発明者】
【氏名】奥野 文
(72)【発明者】
【氏名】長治 雅彦
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-193245(JP,A)
【文献】実開平04-078455(JP,U)
【文献】特開2010-127603(JP,A)
【文献】特開2016-118193(JP,A)
【文献】特表2015-516045(JP,A)
【文献】特開平01-236014(JP,A)
【文献】特開平05-155200(JP,A)
【文献】特表2008-540106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/16
A47G 1/06
F04D 17/04
E04F 19/00
E06B 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル(3)と、上記パネル(3)を囲うように配置され且つ空気の吹出口(13a,13b,13c,13d)が形成された枠部材(5)と、上記吹出口(13a,13b,13c,13d)へ空気を送るファン(11a,11b,11c,11d,30)とを備える送風装置であって、
上記枠部材(5)は、矩形状に形成され、第1縁部(5a)と、上記パネル(3)を挟んで上記第1縁部(5a)と対向する第2縁部(5b)と、第3縁部(5c)と、上記パネル(3)を挟んで上記第3縁部(5c)と対向する第4縁部(5d)とを有し、
上記枠部材(5)には、上記吹出口(13a,13b,13c,13d)が少なくとも4つ形成され、
第1吹出口(13a)は上記第1縁部(5a)に、第2吹出口(13b)は上記第2縁部(5b)に、第3吹出口(13c)は上記第3縁部(5c)に、第4吹出口(13d)は上記第4縁部(5d)に、それぞれ形成され、
上記第1吹出口(13a)は、上記パネル(3)を挟んで上記第2吹出口(13b)の反対側に配置され、
上記第3吹出口(13c)は、上記パネル(3)を挟んで上記第4吹出口(13d)の反対側に配置され、
上記第1吹出口(13a)と上記第2吹出口(13b)が互いに向かい合い、上記第3吹出口(13c)と上記第4吹出口(13d)が互いに向かい合い、
上記第1吹出口(13a)、上記第2吹出口(13b)、上記第3吹出口(13c)、及び上記第4吹出口(13d)のそれぞれは、上記パネル(3)の中央側に向かって上記パネル(3)表面に沿うように空気を吹き出し、
上記枠部材(5)は、上記第1吹出口(13a)、上記第2吹出口(13b)、上記第3吹出口(13c)、及び上記第4吹出口(13d)のそれぞれから吹き出された気流を、上記パネル(3)の中央部の前方で互いに衝突させることによって、上記パネル(3)の前方へ向かう気流を生じさせることを特徴とする送風装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記ファン(11a,11b,11c,11d)は、上記各吹出口(13a,13b,13c,13d)に対応して1つずつ配置されることを特徴とする送風装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記ファン(11a,11b,11c,11d)は、クロスフローファンであることを特徴とする送風装置。
【請求項4】
請求項1において、
上記枠部材(5)は、上記ファン(11a,11b,11c,11d,30)から吹き出された空気を上記吹出口(13a,13b,13c,13d)へ導く通風路(14,35a,35b)を備えることを特徴とする送風装置。
【請求項5】
請求項4において、
上記通風路(35a,35b)は、1つの上記ファン(30)の吹出空気を複数の上記吹出口(13a,13b,13c,13d)に分配することを特徴とする送風装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
吹き出す空気の温度を調節する温度調節器(17)を備えることを特徴とする送風装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つにおいて、
上記パネル(3)は、映像を表示するディスプレイ、絵画又は写真であることを特徴とする送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送風装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1には、絵画や写真が添付された矩形のパネルと、パネルを囲むように配置され、対向する2つの縁から空気を吹き出してそれぞれの空気を衝突させる枠部材とを備える疑似窓が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平06-193245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の疑似窓において、空気は、枠部材のうち対向する2つの縁のみから吹き出されて衝突する。このため、衝突した空気が、空気を吹き出さない縁の方向に拡散してしまうおそれがある。したがって、衝突させた空気を所定の方向に送ることが困難な場合があった。
【0005】
本開示の目的は、衝突した空気の拡散を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、パネル(3)と、上記パネル(3)を囲うように配置され且つ空気の吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g)が形成された枠部材(5)と、上記吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g)へ空気を送るファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f,30)とを備える送風装置(1)であって、上記枠部材(5)は、少なくとも3つの方向から互いに衝突するように空気を吹き出すことによって、上記パネル(3)の前方へ向かう気流を生じさせることを特徴とする。
【0007】
第1の態様では、2つの方向から空気を衝突させる場合に比べて、空気が吹き出される方向を増やすことができる。このため、衝突した空気の拡散を抑制できる。
【0008】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記枠部材(5)には、上記吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)が3つ以上形成され、上記枠部材(5)に形成された上記吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)のそれぞれが、一方向に空気を吹き出すことを特徴とする。
【0009】
第2の態様では、それぞれの吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)から吹き出される空気の吹出方向が定まる。このため、3つ以上の方向から空気同士を衝突させ易くなる。
【0010】
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、上記枠部材(5)には、上記吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)が少なくとも4つ形成され、第1吹出口(13a)は、上記パネル(3)を挟んで第2吹出口(13b)の反対側に配置され、第3吹出口(13c)は、上記パネル(3)を挟んで第4吹出口(13d)の反対側に配置され、上記各吹出口(13a,13b,13c,13d)は、それぞれの吹出方向が異なることを特徴とする。
【0011】
第3の態様では、各吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)から吹き出された空気は、反対側から吹き出された空気と衝突する。このため、衝突した空気が、各吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)の吹出方向に拡散することを抑制できる。
【0012】
本開示の第4の態様は、上記第3の態様において、上記パネル(3)は、矩形に形成され、上記各吹出口(13a,13b,13c,13d)は、上記パネル(3)の各辺に対応する位置に形成されることを特徴とする。
【0013】
第4の態様では、衝突した空気が、パネル(3)の各辺の方向に拡散することを抑制できる。
【0014】
本開示の第5の態様は、上記第1~第3のいずれか一つの態様において、上記パネル(3)は、円形に形成され、上記吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g)は、上記パネル(3)の外周に沿うように形成されることを特徴とする。
【0015】
第5の態様では、吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g)は、湾曲状に形成される。このため、1つの吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g)によって多数の方向から空気を吹き出すことができる。
【0016】
本開示の第6の態様は、上記第2~第4のいずれか一つの態様において、上記ファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f)は、上記各吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)に対応して1つずつ配置されることを特徴とする。
【0017】
第6の態様では、それぞれの吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)からそれぞれのファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f,)に応じて空気を吹き出すことができる。
【0018】
本開示の第7の態様は、上記第6の態様において、上記ファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f)は、クロスフローファンであることを特徴とする。
【0019】
第7の態様では、枠部材(5)に沿うようにファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f)を配置できる。
【0020】
本開示の第8の態様は、上記第2~第5のいずれか一つの態様において、上記枠部材(5)は、上記ファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f,30)から吹き出された空気を上記吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g)へ導く通風路(14,35a,35b)を備えることを特徴とする。
【0021】
第8の態様では、吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g)から離れた位置にファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f,30)を設けることができる。
【0022】
本開示の第9の態様は、上記第8の態様において、上記吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)は、複数形成され、上記通風路(35a,35b)は、1つの上記ファン(30)の吹出空気を複数の上記吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)に分配することを特徴とする。
【0023】
第9の態様では、吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)の数よりもファン(30)の数を少なくすることができる。
【0024】
本開示の第10の態様は、上記第1~第9のいずれか一つの態様において、吹き出す空気の温度を調節する温度調節器(17)を備えることを特徴とする。
【0025】
第10の態様では、環境や場面に応じて吹き出す空気の温度を変更することができる。
【0026】
本開示の第11の態様は、上記第1~第10のいずれか一つの態様において、上記枠部材(5)は、上記パネル(3)の中央側に向かって上記パネル(3)表面に沿うように空気を吹き出すことで、上記パネル(3)の中央部の前方で空気を衝突させることを特徴とする。
【0027】
第11の態様では、枠部材(5)から空気が吹き出されることが判りづらくなる。このため、あたかもパネル(3)から空気が吹き出ているような感覚を与えることができる。
【0028】
本開示の第12の態様は、上記第1~第10のいずれか一つの態様において、上記枠部材(5)は、上記パネル(3)の中央側に向かって上記パネル(3)の斜め前方へ向けて空気を吹き出すことで、上記パネル(3)の中央部の前方で空気を衝突させることを特徴とする。
【0029】
第12の態様では、枠部材(5)から空気が吹き出されることが判りづらくなる。このため、あたかもパネル(3)から空気が吹き出ているような感覚を与えることができる。
【0030】
本開示の第13の態様は、上記第1~第12のいずれか一つの態様において、上記パネル(3)は、映像を表示するディスプレイ、絵画又は写真であることを特徴とする。
【0031】
第13の態様では、パネル(3)の表示の周囲から空気を吹き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、実施形態1の送風装置の正面図である。
図2図2は、図1のII-II線断面図である。
図3図3は、実施形態1の送風装置から流れる気流のシミュレーション結果を示す図である。
図4図4は、従来の送風装置における図3相当図である。
図5図5は、実施形態1の変形例1の図1相当図である。
図6図6は、実施形態1の変形例2の図1相当図である。
図7図7は、実施形態1の変形例3の図1相当図である。
図8図8は、実施形態2の送風装置の図1相当図である。
図9図9は、図8のIX-IX線断面図である。
図10図10は、実施形態2の変形例1の図1相当図である。
図11図11は、実施形態2の変形例2の図9相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
《実施形態1》
実施形態1について説明する。本実施形態の送風装置(1)は、例えば、室内の壁面に設けられ、室内に送風するために用いられる。
【0034】
-送風装置の全体構成-
図1に示すように、送風装置(1)は、パネル(3)、枠部材(5)、複数のファン(11a,11b,11c,11d)、及び制御器(7)を備える。
【0035】
パネル(3)は、例えば、映像を表示するディスプレイ、絵画、写真等により構成される。パネル(3)は、静止画を表示してもよく、動画を表示してもよい。パネル(3)は、例えば横長の矩形状に形成される。
【0036】
枠部材(5)は、パネル(3)を囲うように配置される。すなわち、枠部材(5)は、パネル(3)に対応した矩形状に構成される。具体的に、枠部材(5)は、第1縁部(5a)、第2縁部(5b)、第3縁部(5c)、及び第4縁部(5d)を備える。第1縁部(5a)は、枠部材(5)の長辺のうち下側の辺を構成する。第2縁部(5b)は、枠部材(5)の長辺のうち上側の辺を構成する。第3縁部(5c)は、枠部材(5)の短辺のうち図1に向かって左側の辺を構成する。第4縁部(5d)は、枠部材(5)の短辺のうち図1に向かって右側の辺を構成する。第1縁部(5a)と第2縁部(5b)とは、パネル(3)を挟んで互いに対向する。第3縁部(5c)と第4縁部(5d)とは、パネル(3)を挟んで互いに対向する。枠部材(5)は、中空に形成される。枠部材(5)の詳細については後述する。
【0037】
ファン(11a,11b,11c,11d)は、第1縁部(5a)、第2縁部(5b)、第3縁部(5c)、及び第4縁部(5d)にそれぞれ1つずつ配置される。ファン(11a,11b,11c,11d)は、例えばクロスフローファンで構成される。ファン(11a,11b,11c,11d)は、配置される各縁部(5a,5b,5c,5d)に沿うように配置される。ファン(11a,11b,11c,11d)は、対応する縁部(5a,5b,5c,5d)の後述する吹出口(13a,13b,13c,13d)へ空気を送る。
【0038】
制御器(7)は、枠部材(5)内に配置される。制御器(7)は、例えば、ファン(11a,11b,11c,11d)の回転速度を調節する。
【0039】
-枠部材-
図1及び図2を参照しながら、枠部材(5)の構成について説明する。枠部材(5)は、内周面に、4つの空気の吹出口(13a,13b,13c,13d)を備える。各吹出口(13a,13b,13c,13d)は、パネル(3)の各辺に対応する位置に形成される。各吹出口(13a,13b,13c,13d)にはファン(11a,11b,11c,11d)が1つずつ配置される。ファン(11a,11b,11c,11d)から送られた空気は、吹出口(13a,13b,13c,13d)を通過して枠部材(5)から吹き出される。各吹出口(13a,13b,13c,13d)は、一方向に空気を吹き出す。
【0040】
第1縁部(5a)は、第1吹出口(13a)、第1吸込口(15a)、第1ファン(11a)、温度調節器(17)、及び通風路(14)を備える。第1縁部(5a)は、断面略四角形に形成される。
【0041】
第1吹出口(13a)は、第1縁部(5a)の上面に形成される。第1吹出口(13a)は、第1縁部(5a)の長手方向(左右方向)に延びる細長い開口である。第1縁部(5a)の上面には、第1吹出口(13a)に沿うようにフラップ(16)が設けられる。フラップ(16)の傾斜角度に応じて、第1吹出口(13a)からの吹出空気の向きが変わる。
【0042】
第1吸込口(15a)は、第1縁部(5a)の下面に形成される。第1吸込口(15a)は、第1縁部(5a)の長手方向(左右方向)に延びる細長い開口である。
【0043】
第1ファン(11a)は、第1吹出口(13a)と第1吸込口(15a)との間に位置する。第1ファン(11a)は、枠部材(5)の外側の空気を第1吸込口(15a)から取り入れて、第1吹出口(13a)に送る。第1ファン(11a)から送られた空気は、第1吹出口(13a)を通過して上方に吹き出される。
【0044】
温度調節器(17)は、第1ファン(11a)と第1吸込口(15a)との間に配置される。温度調節器(17)は、例えば、室外ユニット(図示省略)に接続される熱交換器により構成される。温度調節器(17)の温度を変化させることで、第1吹出口(13a)から吹き出す空気の温度を調節する。
【0045】
第1縁部(5a)は、前側部材(19)及び後側部材(18)を備える。前側部材(19)は、第1縁部(5a)の上面における前方(図2中左側)寄りの位置から第1ファン(11a)の上面に向かって延びる。後側部材(18)は、第1縁部(5a)の上面における後方(図2中右側)寄りの位置から第1ファン(11a)の下面に向かって延びる。前側部材(19)と後側部材(18)との間には通風路(14)が構成される。通風路(14)は、第1ファン(11a)と第1吹出口(13a)との間に形成される。通風路(14)は、第1ファン(11a)から吹き出された空気を第1吹出口(13a)へ導く。
【0046】
第2縁部(5b)、第3縁部(5c)及び第4縁部(5d)の内部構造については、図示は省略するが、第1縁部(5a)の内部構造と同様である。
【0047】
第2縁部(5b)は、第2吹出口(13b)、第2吸込口(15b)、第2ファン(11b)、温度調節器、及び通風路を備える。第2縁部(5b)は、断面略四角形に形成される。
【0048】
第2吹出口(13b)は、第2縁部(5b)の下面に形成される。第2吹出口(13b)は、第2縁部(5b)の長手方向(左右方向)に延びる細長い開口である。第2縁部(5b)の下面には、第2吹出口(13b)に沿うようにフラップが設けられる。フラップの傾斜角度に応じて、第2吹出口(13b)からの吹出空気の向きが変わる。
【0049】
第2吸込口(15b)は、第2縁部(5b)の上面に形成される。第2吸込口(15b)は、第2縁部(5b)の長手方向(左右方向)に延びる細長い開口である。
【0050】
第2ファン(11b)は、第2吹出口(13b)と第2吸込口(15b)との間に位置する。第2ファン(11b)は、枠部材(5)の外側の空気を第2吸込口(15b)から取り入れて、第2吹出口(13b)に送る。第2ファン(11b)から送られた空気は、第2吹出口(13b)を通過して下方に吹き出される。
【0051】
温度調節器は、第2ファン(11b)と第2吸込口(15b)との間に配置される。温度調節器は、例えば、室外ユニット(図示省略)に接続される熱交換器により構成される。温度調節器の温度を変化させることで、第2吹出口(13b)から吹き出す空気の温度を調節する。
【0052】
第2縁部(5b)は、前側部材及び後側部材を備える。前側部材は、第2縁部(5b)の下面における前方寄りの位置から第2ファン(11b)の下面に向かって延びる。後側部材は、第2縁部(5b)の下面における後方寄りの位置から第2ファン(11b)の上面に向かって延びる。前側部材と後側部材との間には通風路が構成される。通風路は、第2ファン(11b)と第2吹出口(13b)との間に形成される。通風路は、第2ファン(11b)から吹き出された空気を第2吹出口(13b)へ導く。
【0053】
第3縁部(5c)は、第3吹出口(13c)、第3吸込口(15c)、第3ファン(11c)、温度調節器、及び通風路を備える。第3縁部(5c)は、断面略四角形に形成される。
【0054】
第3吹出口(13c)は、第3縁部(5c)の右面に形成される。第3吹出口(13c)は、第3縁部(5c)の長手方向(上下方向)に延びる細長い開口である。第3縁部(5c)の右面には、第3吹出口(13c)に沿うようにフラップが設けられる。フラップの傾斜角度に応じて、第3吹出口(13c)からの吹出空気の向きが変わる。
【0055】
第3吸込口(15c)は、第3縁部(5c)の左面に形成される。第3吸込口(15c)は、第3縁部(5c)の長手方向(上下方向)に延びる細長い開口である。
【0056】
第3ファン(11c)は、第3吹出口(13c)と第3吸込口(15c)との間に位置する。第3ファン(11c)は、枠部材(5)の外側の空気を第3吸込口(15c)から取り入れて、第3吹出口(13c)に送る。第3ファン(11c)から送られた空気は、第3吹出口(13c)を通過して右方に吹き出される。
【0057】
温度調節器は、第3ファン(11c)と第3吸込口(15c)との間に配置される。温度調節器は、例えば、室外ユニット(図示省略)に接続される熱交換器により構成される。温度調節器の温度を変化させることで、第3吹出口(13c)から吹き出す空気の温度を調節する。
【0058】
第3縁部(5c)は、前側部材及び後側部材を備える。前側部材は、第3縁部(5c)の右面における前方寄りの位置から第3ファン(11c)の前面に向かって延びる。後側部材は、第3縁部(5c)の右面における後方寄りの位置から第3ファン(11c)の後面に向かって延びる。前側部材と後側部材との間には通風路が構成される。通風路は、第3ファン(11c)と第3吹出口(13c)との間に形成される。通風路は、第3ファン(11c)から吹き出された空気を第3吹出口(13c)へ導く。
【0059】
第4縁部(5d)は、第4吹出口(13d)、第4吸込口(15d)、第4ファン(11d)、温度調節器、及び通風路を備える。第4縁部(5d)は、断面略四角形に形成される。
【0060】
第4吹出口(13d)は、第4縁部(5d)の左面に形成される。第4吹出口(13d)は、第4縁部(5d)の長手方向(上下方向)に延びる細長い開口である。第4縁部(5d)の左面には、第4吹出口(13d)に沿うようにフラップが設けられる。フラップの傾斜角度に応じて、第4吹出口(13d)からの吹出空気の向きが変わる。
【0061】
第4吸込口(15d)は、第4縁部(5d)の右面に形成される。第4吸込口(15d)は、4縁部(5d)の長手方向(上下方向)に延びる細長い開口である。
【0062】
第4ファン(11d)は、第4吹出口(13d)と第4吸込口(15d)との間に位置する。第4ファン(11d)は、枠部材(5)の外側の空気を第4吸込口(15d)から取り入れて、第4吹出口(13d)に送る。第4ファン(11d)から送られた空気は、第4吹出口(13d)を通過して左方に吹き出される。
【0063】
温度調節器は、第4ファン(11d)と第4吸込口(15d)との間に配置される。温度調節器は、例えば、室外ユニット(図示省略)に接続される熱交換器により構成される。温度調節器の温度を変化させることで、第4吹出口(13d)から吹き出す空気の温度を調節する。
【0064】
第4縁部(5d)は、前側部材及び後側部材を備える。前側部材は、第4縁部(5d)の左面における前方寄りの位置から第4ファン(11d)の前面に向かって延びる。後側部材は、第3縁部(5c)の左面における後方寄りの位置から第4ファン(11d)の後面に向かって延びる。前側部材と後側部材との間には通風路が構成される。通風路は、第4ファン(11d)と第4吹出口(13d)との間に形成される。通風路は、第4ファン(11d)から吹き出された空気を第4吹出口(13d)へ導く。
【0065】
このように、各吹出口(13a,13b,13c,13d)は、それぞれの吹出方向が異なる。また、第1吹出口(13a)と第2吹出口(13b)とが向かい合い、第3吹出口(13c)と第4吹出口(13d)とが向かい合う。枠部材(5)は、各吹出口(13a,13b,13c,13d)が形成された4つの方向から互いに衝突するように空気を吹き出すことによって、パネル(3)の前方へ向かう気流を生じさせる。具体的に、枠部材(5)は、パネル(3)の中央側に向かってパネル(3)表面に沿うように空気を吹き出して、パネル(3)の中央部の前方で空気を衝突させる。
【0066】
-制御器-
制御器(7)は、プロセッサ(例えばマイクロコントローラ)と、プロセッサを動作させるためのソフトウェアを格納するメモリディバイス(例えば半導体メモリ)とを備える。また、メモリディバイスには、制御器(7)の制御動作に必要なデータなども格納され
る。
【0067】
制御器(7)は、各ファン(11a,11b,11c,11d)の回転速度を調節することで、各吹出口(13a,13b,13c,13d)から吹き出される空気の流量及び流速を調節する。具体的に、制御器(7)は、それぞれの吹出口(13a,13b,13c,13d)から吹き出される空気の流量の合計が一定に保たれるように、それぞれの方向から吹き出される空気の流量を個別に調節可能である。制御器(7)は、各吹出口(13a,13b,13c,13d)から吹き出される空気の流量及び流速を個別に調節することによって、それぞれの吹出空気が衝突することによって生じる気流の方向を変えることができる。また、制御器(7)は、1つ又は複数の吹出口(13a,13b,13c,13d)から吹き出される空気の流量がゼロになるようにファン(11a,11b,11c,11d)の回転速度を調節してもよい。
【0068】
-実施形態1の効果-
図4は、枠部材(5)のうち対向する左右2つの縁部のみから空気を吹き出す従来の送風装置(1’)から流れる気流(F’)のシミュレーション結果を示す。従来の送風装置(1’)では、衝突した空気が、空気を吹き出さない縁の方向(上下方向)に拡散してしまう。したがって、パネル(3)の前方へ向かう空気の流量が少なくなっていた。
【0069】
本実施形態の送風装置(1)は、パネル(3)と、パネル(3)を囲うように配置され且つ空気の第1~第4吹出口(13a,13b,13c,13d)が形成された枠部材(5)と、各吹出口(13a,13b,13c,13d)へ空気を送るファン(11a,11b,11c,11d)とを備えるものである。そして、枠部材(5)は、4つの方向から互いに衝突するように空気を吹き出すことによって、パネル(3)の前方へ向かう気流を生じさせる。
【0070】
図3は、本実施形態の送風装置(1)から流れる気流(F)のシミュレーション結果を示す。本実施形態によれば、2つの方向から空気を衝突させる従来の場合に比べて、空気が吹き出される方向を増やすことができる。このため、図3に示すように、各吹出口(13a,13b,13c,13d)から吹き出された空気の大部分をパネル(3)の前方へ向けて流すことが可能となる。
【0071】
また、本実施形態の送風装置(1)では、枠部材(5)に吹出口(13a,13b,13c,13d)が4つ形成され、枠部材(5)に形成された吹出口(13a,13b,13c,13d)のそれぞれが、一方向に空気を吹き出す。
【0072】
本実施形態によれば、それぞれの吹出口(13a,13b,13c,13d)から吹き出される空気の吹出方向が定まる。このため、吹出空気を狙いの方向に吹き出し易くなる。したがって、4つの方向から空気同士を衝突させ易くなる。
【0073】
また、本実施形態の送風装置(1)は、パネル(3)は、矩形に形成され、各吹出口(13a,13b,13c,13d)は、パネル(3)の各辺に対応する位置に形成される。すなわち、第1吹出口(13a)は、パネル(3)を挟んで第2吹出口(13b)の反対側に配置され、第3吹出口(13c)は、パネル(3)を挟んで第4吹出口(13d)の反対側に配置される。各吹出口(13a,13b,13c,13d)は、それぞれの吹出方向が異なる。
【0074】
本実施形態によれば、各吹出口(13a,13b,13c,13d)から吹き出された空気は、反対側
から吹き出された空気と衝突する。このため、衝突した空気が、各吹出口(13a,13b,13c,13d)の吹出方向に拡散することを抑制できる。したがって、図3に示すように、各吹出口(13a,13b,13c,13d)から吹き出された空気の大部分をパネル(3)の前方へ向けて流すことが可能となる。
【0075】
また、本実施形態の送風装置(1)は、ファン(11a,11b,11c,11d)は、各吹出口(13a,13b,13c,13d)に対応して1つずつ配置される。
【0076】
本実施形態によれば、それぞれの吹出口(13a,13b,13c,13d)からそれぞれのファン(11a,11b,11c,11d)に応じて空気を吹き出すことができる。このため、それぞれの吹出口(13a,13b,13c,13d)から吹き出される空気の流量を容易に調節できる。
【0077】
また、本実施形態の送風装置(1)は、ファン(11a,11b,11c,11d)は、クロスフローファンであることを特徴とする。
【0078】
本実施形態によれば、枠部材(5)に形成された吹出口(13a,13b,13c,13d)に沿うようにファン(11a,11b,11c,11d)を配置できる。このため、吹出口(13a,13b,13c,13d)の形状に合うように空気を吹き出すことができる。
【0079】
また、本実施形態の送風装置(1)は、吹き出す空気の温度を調節する温度調節器(17
)を備える。
【0080】
本実施形態によれば、環境や場面に応じて吹き出す空気の温度を変更することができる。例えば、送風装置(1)を用いて室温を調節することができる。また、パネル(3)に表示される画像に合った温度の空気を吹き出すことができる。
【0081】
また、本実施形態の送風装置(1)は、枠部材(5)は、パネル(3)の中央側に向かってパネル(3)表面に沿うように空気を吹き出すことで、パネル(3)の中央部の前方で空気を衝突させる。
【0082】
本実施形態によれば、枠部材(5)から空気が吹き出されることが判りづらくなる。このため、あたかもパネル(3)から空気が吹き出ているような感覚を、送風装置(1)と向かい合う人間に対して与えることができる。
【0083】
また、本実施形態の送風装置(1)は、パネル(3)は、映像を表示するディスプレイ、絵画又は写真である。
【0084】
本実施形態によれば、パネル(3)の表示の周囲から空気を吹き出すことができる。このため、パネル(3)の表示と吹出空気とを組み合わせて、パネルの表示に臨場感を与えることができる。
【0085】
-実施形態1の変形例1-
本変形例では、図5に示すように、パネル(3)は円形に形成される。
【0086】
枠部材(5)は、パネル(3)を囲うように配置される。すなわち、枠部材(5)は、パネル(3)に対応した円形に構成される。枠部材(5)は、内周面に、6つの空気の吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)を備える。各吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)は、枠部材(5)内において、パネル(3)の外周に沿うように略等間隔に形成される。各吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)にはファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f)が1つずつ配置される。すなわち、ファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f)は6つ配置される。
【0087】
本変形例によれば、吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)は、湾曲状に形成される。このため、1つの吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)によって多数の方向から空気を吹き出すことができる。
【0088】
-実施形態1の変形例2-
本変形例では、図6に示すように、パネル(3)は三角形に形成される。
【0089】
枠部材(5)は、パネル(3)を囲うように配置される。すなわち、枠部材(5)は、パネル(3)に対応した三角形に構成される。枠部材(5)は、第1縁部(5a)、第2縁部(5b)、及び第3縁部(5c)を備える。各縁部(5a,5b,5c)は、内部にファン(11a,11b,11c)を備える。また、各縁部(5a,5b,5c)は、内周面に吹出口(13a,13b,13c)を備える。
【0090】
-実施形態1の変形例3-
本変形例では、図7に示すように、パネル(3)は六角形に形成される。
【0091】
枠部材(5)は、パネル(3)を囲うように配置される。すなわち、枠部材(5)は、パネル(3)に対応した六角形に構成される。枠部材(5)は、第1縁部(5a)、第2縁部(5b)、第3縁部(5c)、第4縁部(5d)、第5縁部(5e)及び第6縁部(5f)を備える。各縁部(5a,5b,5c,5d,5e,5f)は、内部にファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f)を備える。また、各縁部(5a,5b,5c,5d,5e,5f)は、内周面に吹出口(13a,13b,13c,13d,13e,13f)を備える。
【0092】
《実施形態2》
実施形態2について説明する。ここでは、本実施形態の送風装置(1)について、図8及び図9を参照しながら実施形態1の送風装置(1)と異なる点を説明する。
【0093】
-枠部材-
枠部材(5)は、第1縁部(5a)、第2縁部(5b)、第3縁部(5c)、第4縁部(5d)、ベース部(36)、台座部(37)、ファン(30)、温度調節器(17)及び制御器(7)を備える。
【0094】
ベース部(36)は、枠部材(5)のうちパネル(3)の後方(図9における右側)の部分を構成する。ベース部(36)は、中空に形成される。ベース部(36)の内部は、仕切板(38)により前後に仕切られる。仕切板(38)の中央には孔(38a)が形成される。孔(38a)の後方には、温度調節器(17)が配置される。孔(38a)の前方には、ファン(30)が配置される。ベース部(36)の外側面における仕切板(38)の後方には、吸込口(15a,15b,15c,15d)が形成される。
【0095】
台座部(37)は、ベース部(36)の前端に設けられる。台座部(37)は、パネル(3)の背面を覆うように配置された平板状の部材である。台座部(37)は、送風装置(1)の前方に面する。台座部(37)には、パネル(3)が取り付けられる。
【0096】
ファン(30)は、本実施形態では、例えばターボファンである。ファン(30)は、回転軸方向から吸い込んだ空気を周方向へ吹き出す。ファン(30)は、孔(38a)の前方に1つ配置される。ファン(30)は、各吸込口(15a,15b,15c,15d)から取り入れた空気を各吹出口(13a,13b,13c,13d)に送る。
【0097】
温度調節器(17)は、ファン(30)の後方に1つ配置される。各吸込口(15a,15b,15c,15d)は、温度調節器(17)の周囲に形成される。
【0098】
第1縁部(5a)は、ベース部(36)の下端から前方に向かって延びる。第1縁部(5a)は、パネル(3)の下側の長辺に沿って設けられる。第1縁部(5a)は、パネル(3)の長辺の全長に亘って設けられる。第1縁部(5a)の前端部(39a)は上方に向かって延びるように形成される。第1縁部(5a)は、第1吹出口(13a)、第1通風路(35a)、及び第1ダンパ(32a)を備える。
【0099】
第1吹出口(13a)は、第1縁部(5a)の上面における前端部(39a)と台座部(37)との間に、左右方向に沿って複数形成される。第1吹出口(13a)は、ファン(30)から送られた空気を上方に吹き出す。
【0100】
第1通風路(35a)は、第1縁部(5a)の内部空間によって構成される。第1通風路(35a)における第1吹出口(13a)の後側には、第1ダンパ(32a)が配置される。第1ダンパ(32a)は、開度可変の流量調節用のダンパである。第1通風路(35a)は、ファン(30)から送られた空気を第1吹出口(13a)へ導く。
【0101】
第2縁部(5b)は、ベース部(36)の上端から前方に向かって延びる。第2縁部(5b)は、パネル(3)の上側の長辺に沿って設けられる。第2縁部(5b)は、パネル(3)の長辺の全長に亘って設けられる。第2縁部(5b)の前端部(39b)は下方に向かって延びるように形成される。第2縁部(5b)は、第2吹出口(13b)、第2通風路(35b)、及び第2ダンパ(32b)を備える。
【0102】
第2吹出口(13b)は、第2縁部(5b)の下面における前端部(39b)と台座部(37)との間に、左右方向に沿って複数形成される。第2吹出口(13b)は、ファン(30)から送られた空気を下方に吹き出す。
【0103】
第2通風路(35b)は、第2縁部(5b)の内部空間によって構成される。第2通風路(35b)における第2吹出口(13b)の後側には、第2ダンパ(32b)が配置される。第2ダンパ(32b)は、開度可変の流量調節用のダンパである。第2通風路(35b)は、ファン(30)から送られた空気を第2吹出口(13b)へ導く。
【0104】
第3縁部(5c)及び第4縁部(5d)の内部構造については、図示は省略するが、第1縁部(5a)及び第2縁部(5b)の内部構造と同様である。
【0105】
第3縁部(5c)は、ベース部(36)の左端から前方に向かって延びる。第3縁部(5c)は、パネル(3)の左側の短辺に沿って設けられる。第3縁部(5c)は、パネル(3)の短辺の全長に亘って設けられる。第3縁部(5c)の前端部は右方に向かって延びるように形成される。第3縁部(5c)は、第3吹出口(13c)、第3通風路、及び第3ダンパを備える。
【0106】
第3吹出口(13c)は、第3縁部(5c)の右面における前端部と台座部(37)との間に、上下方向に沿って複数形成される。第3吹出口(13c)は、ファン(30)から送られた空気を右方に吹き出す。
【0107】
第3通風路は、第3縁部(5c)の内部空間によって構成される。第3通風路における第3吹出口(13c)の後側には、第3ダンパが配置される。第3ダンパは、開度可変の流量調節用のダンパである。第3通風路は、ファン(30)から送られた空気を第3吹出口(13c)へ導く。
【0108】
第4縁部(5d)は、ベース部(36)の右端から前方に向かって延びる。第4縁部(5d)は、パネル(3)の右側の短辺に沿って設けられる。第4縁部(5d)は、パネル(3)の短辺の全長に亘って設けられる。第4縁部(5d)の前端部は左方に向かって延びるように形成される。第4縁部(5d)は、第4吹出口(13d)、第4通風路、及び第4ダンパを備える。
【0109】
第4吹出口(13d)は、第4縁部(5d)の左面における前端部と台座部(37)との間に、上下方向に沿って複数形成される。第4吹出口(13d)は、ファン(30)から送られた空気を左方に吹き出す。
【0110】
第4通風路は、第4縁部(5d)の内部空間によって構成される。第4通風路における第4吹出口(13d)の後側には、第4ダンパが配置される。第4ダンパは、開度可変の流量調節用のダンパである。第4通風路は、ファン(30)から送られた空気を第4吹出口(13d)へ導く。
【0111】
このように、通風路(35a,35b)は、各吹出口(13a,13b,13c,13d)に対応するように複数配置される。ファン(30)の吹出空気は、各通風路(35a,35b)を通って複数の吹出口(13a,13b,13c,13d)に分配される。
【0112】
-制御器-
制御器(7)は、各ダンパの開度を調節して各吹出口(13a,13b,13c,13d)から吹き出される空気の流量及び流速を調節する。
【0113】
-実施形態2の効果-
本実施形態の送風装置(1)は、枠部材(5)は、ファン(30)から吹き出された空気を吹出口(13a,13b,13c,13d)へ導く通風路(35a,35b)を備える。
【0114】
本実施形態によれば、パネル(3)の後方にファン(30)を設けることができる。このため、枠部材(5)の縁部(5a,5b,5c,5d)にファン(30)を配置するためのスペースを設ける必要がなく、縁部(5a,5b,5c,5d)をコンパクトにできる。
【0115】
本実施形態の送風装置(1)は、吹出口(13a,13b,13c,13d)は、複数形成され、通風路(35a,35b)は、1つのファン(30)の吹出空気を複数の吹出口(13a,13b,13c,13d)に分配する。
【0116】
本実施形態によれば、吹出口(13a,13b,13c,13d)の数よりもファン(30)の数を少なくすることができる。このため、枠部材(5)をさらにコンパクトにできる。
【0117】
-実施形態2の変形例1-
本変形例では、図10に示すように、パネル(3)は円形に形成される。
【0118】
枠部材(5)は、パネル(3)を囲うように配置される。すなわち、枠部材(5)は、パネル(3)に対応した円形に構成される。枠部材(5)は、内周面の全周に、1つの空気の吹出口(13g)を備える。なお、吹出口(13g)は、全周に形成されなくてもよく、断続的に複数形成されてもよい。
【0119】
-実施形態2の変形例2-
本変形例では、図11に示すように、枠部材(5)の前端部(39a,39b)は、パネル(3)の中央側に向かってパネル(3)の斜め前方へ向けて延びるように形成される。各吹出口(13a,13b,13c,13d)は、枠部材(5)の前端に形成される。このため、枠部材(5)は、パネル(3)の中央側に向かってパネル(3)の斜め前方へ向けて空気を吹き出すことで、パネル(3)の中央部の前方で空気を衝突させる。
【0120】
《その他の実施形態》
上記の各実施形態の送風装置(1)において、制御器(7)が吹出空気の向きを調節することにより、吹出空気が衝突することによって生じる気流の方向を変えてもよい。
【0121】
上記の各実施形態の送風装置(1)において、温度調節器(17)として、室外ユニットに接続される熱交換器を挙げたが、これに限定されない、温度調節器(17)として、ヒータやペルチェ素子等を用いてもよい。
【0122】
また、上記の各実施形態の送風装置(1)においてファン(11a,11b,11c,11d,11e,11f,30)として、プロペラファンやシロッコファン、斜流ファンなどを用いてもよい。
【0123】
また、上記の各実施形態の送風装置(1)において、加湿器やアロマディフューザを設けてもよい。
【0124】
また、上記の各実施形態の送風装置(1)において、一部が室内に壁に埋め込まれるようにしてもよい。
【0125】
また、上記の各実施形態の送風装置(1)において、パネル(3)は、板状のガラス(例えば、はめ殺し窓を構成するガラス)であってもよい。また、パネル(3)の形状は、平坦な板状に限定されず、例えば、若干湾曲した形状であってもよい。
【0126】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0127】
以上説明したように、本開示は、送風装置について有用である。
【符号の説明】
【0128】
1 送風装置
3 パネル
5 枠部材
11a,11b,11c,11d,11e,11f ファン
13a 第1吹出口(吹出口)
13b 第2吹出口(吹出口)
13c 第3吹出口(吹出口)
13d 第4吹出口(吹出口)
13e,13f,13g 吹出口
14 通風路
17 温度調節器
30 ファン
35a 第1通風路(通風路)
35b 第2通風路(通風路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11