(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】コンテナ折り畳み装置
(51)【国際特許分類】
B65B 61/00 20060101AFI20231109BHJP
B65D 6/18 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
B65B61/00
B65D6/18 D
(21)【出願番号】P 2019207681
(22)【出願日】2019-11-18
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】山田 亮二
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-000732(JP,A)
【文献】実開昭64-029106(JP,U)
【文献】特開2015-040076(JP,A)
【文献】特開2018-140795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/00
B65D 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に設けられた底板と、上部に設けられるとともに開口部が形成された枠体と、一端が上記枠体に回転可能に設けられた第1、第2側板と、第1、第2側板に隣り合うように設けられた折り曲げ可能な第3、第4側板とを備えたコンテナを折り畳むコンテナ折り畳み装置であって、
上記底板を上方に向けた組立状態のコンテナを、上記第1、第2側板を搬送方向に対して側方に向けた状態で搬送する搬送手段と、当該搬送手段の両側に設けられて上記第1、第2側板をそれぞれコンテナの内方に押圧する一組の押圧手段とを備えたコンテナ折り畳み装置において、
上記コンテナは、組立状態において上記第1、第2側板が底板および第3、第4側板に対して連結手段により連結され、折り畳み状態とする際には、上記押圧手段によって第1、第2側板をコンテナの内方に押圧して上記連結手段による連結状態を解除するようにし、
上記押圧手段は、回転軸を有する駆動手段と、当該駆動手段の回転軸を中心に所定の角度で配置された第1、第2当接部とを有し、
上記駆動手段が上記搬送手段によって搬送されるコンテナの位置に同期して上記回転軸を回転させて、上記第1当接部により第1、第2側板の搬送方向下流側部分をコンテナの内方に押圧し、上記第2当接部により第1、第2側板の搬送方向上流側部分をコンテナの内方に押圧して、上記連結手段による連結状態を解除することを特徴とするコンテナ折り畳み装置。
【請求項2】
上記第1、第2当接部は、
扇形を有するブラケットによって上記回転軸に固定され、
上記ブラケットの円弧状部は、回転軸の回転に伴って第1、第2側板をコンテナの内方に押圧する第3当接部を構成し、
さらに上記第3当接部を、上記第1、第2当接部における第1、第2側板との接触部よりも回転軸側に位置させたことを特徴とする請求項1に記載のコンテナ折り畳み装置。
【請求項3】
上記搬送手段に、上記コンテナの搬送方向上流側から当接して押圧するストッパを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のコンテナ折り畳み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテナ折り畳み装置に関し、より詳しくは、折り畳み可能なコンテナを搬送しながら折り畳むコンテナ折り畳み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折り畳み可能なコンテナとして、下部に設けられた底板と、上部に設けられるとともに開口部が形成された枠体と、一端が上記枠体に回転可能に設けられた第1、第2側板と、第1、第2側板に隣り合うように設けられた折り曲げ可能な第3、第4側板とを備えたコンテナが知られている。
このようなコンテナを組立状態から折り畳み状態とするには、上記底板を上方にし、その状態で上記第1、第2側板を回転させて枠体の内部に収容し、その後上記第3、第4側板を折り曲げて枠体の内部に収容することで、底板が枠体に接近した折り畳み状態とすることができる。
このような折り畳み可能なコンテナを折り畳むコンテナ折り畳み装置として、組立状態のコンテナを上記第1、第2側板を搬送方向に対し側方に向けた状態で搬送する搬送手段と、この搬送手段の両側に設けられるとともに、それぞれ上記第1、第2側板をコンテナの内方に押圧する押圧手段とを備えたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで上記コンテナは、上記組立状態を維持するために第1、第2側板が上記底板や第3、第4側板に連結されるようになっており、このためコンテナを組立状態から折り畳み状態とするためには、第1、第2側板の連結状態を解除する必要がある。
しかしながら、上記特許文献1の押圧手段は、上記第1、第2側板をコンテナの内方に向けて押圧するものの、単に第1、第2側板をコンテナの内方に押圧しただけでは連結状態が解除されずに、折り畳み不良を発生させる場合があった。
このような問題に鑑み、本発明は上記第1、第2側板の連結状態を確実に解除して、第1、第2側板を折り畳むことが可能なコンテナ折り畳み装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1にかかる発明は、下部に設けられた底板と、上部に設けられるとともに開口部が形成された枠体と、一端が上記枠体に回転可能に設けられた第1、第2側板と、第1、第2側板に隣り合うように設けられた折り曲げ可能な第3、第4側板とを備えたコンテナを折り畳むコンテナ折り畳み装置であって、
上記底板を上方に向けた組立状態のコンテナを、上記第1、第2側板を搬送方向に対して側方に向けた状態で搬送する搬送手段と、当該搬送手段の両側に設けられて上記第1、第2側板をそれぞれコンテナの内方に押圧する一組の押圧手段とを備えたコンテナ折り畳み装置において、
上記コンテナは、組立状態において上記第1、第2側板が底板および第3、第4側板に対して連結手段により連結され、折り畳み状態とする際には、上記押圧手段によって第1、第2側板をコンテナの内方に押圧して上記連結手段による連結状態を解除するようにし、
上記押圧手段は、回転軸を有する駆動手段と、当該駆動手段の回転軸を中心に所定の角度で配置された第1、第2当接部とを有し、
上記駆動手段が上記搬送手段によって搬送されるコンテナの位置に同期して上記回転軸を回転させて、上記第1当接部により第1、第2側板の搬送方向下流側部分をコンテナの内方に押圧し、上記第2当接部により第1、第2側板の搬送方向上流側部分をコンテナの内方に押圧して、上記連結手段による連結状態を解除することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、上記押圧手段の第1当接部および第2当接部によって、それぞれ第1、第2側板の搬送方向下流側部分および上流側部分をコンテナの内方に押圧することから、確実に第1、第2側板の連結状態を解除することができ、ひいては確実に第1、第2側板を折り畳むことが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施例にかかるコンテナ折り畳み装置を示す平面図。
【
図2】折り畳み可能なコンテナの組立状態の斜視図。
【
図3】
図2のコンテナの折り畳み状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について本発明を説明すると、
図1は折り畳み可能な有底箱状のコンテナCを折り畳むコンテナ折り畳み装置1を示し、
図2に示す組立状態のコンテナCを
図3に示す折り畳み状態へと折り畳むものとなっている。
図2は上記コンテナCの組立状態を示しており、下方に設けられた略長方形の底板2と、上方に設けられた略長方形の開口部を有する枠体3と、側面を構成する第1~第4側板4~7とによって構成されている。また上記底板2、枠体3、第1~第4側板4~7は、それぞれ若干の弾性変形が許容された樹脂によって構成されている。
上記第1側板4と第2側板5とは相互に向かい合うように設けられ、これら第1側板4と第2側板5との間に、第3側板6と第4側板7とが相互に向かい合うように設けられている。
図3は上記コンテナCの折り畳み状態を示しており、この状態では上記底板2に対して上記枠体3が密着しており、上記第1~第4側板4~7はこれら底板2と枠体3との間、より具体的には上記枠体3の開口部の内方に収容されるようになっている。
【0009】
上記第1、第2側板4、5は板状の部材となっており、その上辺が上記枠体3に対してヒンジHにより回転可能に設けられ、折り畳み状態では第1、第2側板4、5が重なった状態で枠体3の内部に収容されるようになっている。
後述するように、コンテナCを折り畳み状態とする際には、上記枠体3を下方にした状態でコンテナCを供給するようになっており、従って第1、第2側板4、5の下端部にヒンジHが位置して、上記枠体3の内方に倒伏するようになっている。
上記第3、第4側板6、7は、それぞれ2枚の長方形状の板材6a、6b、7a、7bをヒンジHで回転可能に連結した構成を有しており、上方板材6a、7aは上記枠体3にヒンジHによって回転可能に連結され、下方板材6b、7bは上記底板2にヒンジHによって回転可能に連結されている。
組立状態において、上記上方板材6a、7aおよび下方板材6b、7bは一枚の板状に開いた状態となっており、折り畳み状態とする際には、上方板材6a、7aおよび下方板材6b、7bをコンテナCの内方に折れ曲げて収容するようになっている。
【0010】
このような構成により、コンテナCを組立状態とすると、開いた状態の上方板材6a、7aおよび下方板材6b、7bの内面に、上記第1、第2側板4、5が当接するようになっており、これにより第3、第4側板6、7の折れ曲がりが阻止されるようになっている。
そして折り畳み状態とする際には、最初に上記第1、第2側板4、5を枠体3の内方に折り畳み、その後上方板材6a、7aと下方板材6b、7bとを枠体3の内方に向けて折り曲げることで、第3、第4側板6、7を枠体3の内側に収容することができる。
【0011】
このように、コンテナCの第3、第4側板6、7は、上方板材6a、7aおよび下方板材6b、7bが枠体3の内方に折れ曲がるように形成されているが、コンテナCを組立状態から折り畳み状態とする途中に、完全には枠体3の内部に収容されず、
図7に示す「後Z状態」もしくは「前Z状態」の形態をとるようになっている。
まず後Z状態とは、搬送方向下流側に位置している上記第3側板6のうち、下方板材6bが搬送方向下流側に倒伏して枠体3に収容され、上方板材6aが立設された状態を維持した状態となっている。
これに対し搬送方向上流側に位置している第4側板7では、下方板材7bが立設された状態を維持し、上方板材7aが搬送方向下流側に倒伏して底板2に密着した状態となっている。
このようにして後Z状態となったコンテナCについては、第3側板6の上方板材6aおよび第4側板7の下方板材7bを前方に倒すことで、第3側板6および第4側板7が枠体3に収容された折り畳み状態とすることができる。
次に前Z状態とは、上記第3側板6のうち下方板材6bが立設された状態を維持し、これに対して上方板材6aが搬送方向下流側に向けて折れ曲がって底板2に密着した状態となっている。一方第4側板7では、下方板材7bが搬送方向下流側に倒伏して枠体3に収容され、上方板材7aが立設された状態を維持した状態となっている。
このようにして前Z状態となったコンテナCについては、第3側板6の下方板材6bおよび第4側板7の上方板材7aを後方に倒すことで、折り畳み状態とすることができる。
【0012】
次に、本実施例の上記コンテナCには、上記第1、第2側板4、5の上辺を除く底辺および側辺と、上記底板2および第3、第4側板6、7との間に、組立状態を維持するための連結手段8が設けられている。
このような連結手段8としては従来公知の構成を用いることができるが、たとえば第1、第2側板4、5に可撓性を有する板状部材と、当該板状部材の先端に設けたフックとからなる係合部を設け、これに対し底板2および第3、第4側板6、7に上記係合部のフックと係合するフックからなる被係合部を設けた構成が考えられる。
上記連結手段8を設ける位置として、第1、第2側板4、5を底板2に連結するため、第1、第2側板4、5の底辺の両端部近傍に係合部を設け、上記底板2にはこれに対応する位置に上記被係合部を設けている。
一方、第1、第2側板4、5を第3、第4側板6、7に連結するため、第3、第4側板6、7を構成する上方板材6a、7aおよび下方板材6b、7bのそれぞれに被係合部を設け、上記第1、第2側板4、5の側辺の対応する位置に上記係合部を設ける。
上記連結手段8は、コンテナCの組立状態においては係合部と被係合部とが係合して、第1、第2側板4、5が脱落しないように維持しているが、当該コンテナCを組立状態から折り畳み状態とする際には、上記第1、第2側板4、5を外部からコンテナCの内方に向けて所定の力で押圧することで、強制的に上記係合部を被係合部より離脱させて、連結状態を解除することができる。
【0013】
以下、上記構成を有するコンテナCを折り畳む上記コンテナ折り畳み装置1について説明すると、当該コンテナ折り畳み装置1は、組立状態のコンテナCを搬送する搬送手段11と、上記コンテナCの連結手段8の解除を行う押圧手段12と、第1、第2側板4、5を折り畳む第1、第2側板折り畳み手段13と、上記第3、第4側板6、7を折り畳む第3、第4側板折り畳み手段14とを備えている。
上記搬送手段11は平行に設けられた複数組のチェーンコンベヤによって構成され、上記洗浄装置からコンテナCを供給する供給コンベヤ11Aと、その下流側に設けられて上記第1、第2側板折り畳み手段13や第3、第4側板折り畳み手段14へとコンテナCを搬送する搬送コンベヤ11Bと、図示しないスタッカへと折り畳み状態のコンテナCを排出する排出コンベヤ11Cと、上記供給コンベヤ11Aから搬送コンベヤ11BへとコンテナCを受け渡す中継コンベヤ11Dとから構成されている。
図4に示すように、上記供給コンベヤ11Aには等間隔にアタッチメント15およびストッパ16が設けられており、当該アタッチメント15は上下逆にされたコンテナCの枠体3の開口部に挿入されて、当該枠体3の開口部を押圧しながら搬送するようになっている。
また上記ストッパ16は、上記アタッチメント15によって押圧されているコンテナCに対し、搬送方向上流側に所定距離離隔した位置に設けられており、上記アタッチメント15がコンテナCから離脱した後、コンテナCの後方から当接してコンテナCを押圧可能となっている。
【0014】
上記供給コンベヤ11Aにおいて、上記アタッチメント15が枠体3の内部に挿入されている状態では、上記第1、第2側板4、5がコンテナCの内方に倒伏できないため、コンテナCが上記押圧手段12に到達した際に、アタッチメント15をコンテナCより離脱させる必要がある。
そこで供給コンベヤ11Aと上記搬送コンベヤ11Bとの間に、上記アタッチメント15が通過可能な空間を設け、アタッチメント15が押圧手段12による動作開始位置に位置すると、当該供給コンベヤ11Aの下面に移動してコンテナCより離脱するようになっている。
一方、供給コンベヤ11Aの下流端まで移動したコンベヤは、当該供給コンベヤ11Aと搬送コンベヤ11Bとの間に設けられた上記中継コンベヤ11Dに乗り移り、また中継コンベヤ11Dに乗り移った後は、上記供給コンベヤ11Aに設けられたストッパ16によって後方から押圧されるようになっている。
【0015】
図4~
図6は上記押圧手段12を説明する図となっており、上記搬送手段11の両側に設けられて上記第1、第2側板4、5をコンテナCの内方に押圧することにより、上記連結手段8を解除するものとなっている。
また押圧手段12によって第1、第2側板4、5を押圧する間、搬送手段11によって搬送されるコンテナCの底板2および枠体3の高さには、これらに近接した位置に上部サイドガイド17および下部サイドガイド18が設けられている。
【0016】
上記押圧手段12は、駆動手段としてのサーボモータ21によって回転可能に設けられた略扇形を有するブラケット22と、当該ブラケット22の円弧状部22aの両端に設けられた第1、第2当接部23、24とから構成されている。なお、以下の説明においては
図6において図示下側に位置する第1側板4を押圧する部分の機構を用いて説明する。
図4、
図5に示すように、上記サーボモータ21は上記搬送手段11の上方に固定され、当該サーボモータ21の回転軸21aは、上記搬送手段11によって搬送されるコンテナCに接触しない位置に設けられている。
また、上記ブラケット22および第1、第2当接部23、24の設けられる高さは、上記第1側板4の底辺よりも若干下側に設定され、当該位置で水平方向に回転するようになっている。
そしてサーボモータ21は図示しない制御手段によって回転が制御され、制御手段は、上記供給コンベヤ11Aの下流端近傍に設けられたセンサ25によってコンテナCの通過を認識するとともに、上記供給コンベヤ11Aに設けられた図示しないエンコーダによってコンテナCの搬送速度を認識することで、コンテナCの位置とブラケット22の回転とを同期させることが可能となっている。
【0017】
上記ブラケット22は上記サーボモータ21の回転軸21aに固定された略扇型の部材となっており、上記第1、第2当接部23、24は、上記ブラケット22の円弧状部22aの両端に設けられ、上記回転軸21aを基準にして略90°の角度に開いた状態で設けられている。
上記ブラケット22がサーボモータ21によって回転すると、第1、第2当接部23、24は
図6(b)(d)に示すように第1側板4よりもコンテナCの内方側に突出するようになっており、これにより第1、第2当接部23、24によって第1側板4をコンテナCの内方に押圧することが可能となっている。
また、第1、第2当接部23、24は上記ブラケット22に対し交換可能に設けられており、折り畳むコンテナCの種類に応じて交換が可能となっている。
そして上記ブラケット22における円弧状部22aは、上記第1、第2当接部23、24と同様、上記第1側板4をコンテナCの内方に押圧するための第3当接部を構成している。
【0018】
以下、
図6の各図を用いて上記押圧手段12の動作を説明する。
まず
図6(a)は待機状態の押圧手段12に対し、上記搬送手段11の供給コンベヤ11Aによって底板2を上方にした状態のコンテナCを供給している状態を示している。
このとき搬送手段11では、
図4に示すようにコンテナCの下方に位置した枠体3の内部に、上記供給コンベヤ11Aのアタッチメント15が挿入され、コンテナCは当該アタッチメント15によって押圧されながら搬送されている。
その後、コンテナCが供給コンベヤ11Aに設けられたセンサ25を通過すると、制御手段は供給コンベヤ11Aのエンコーダに基づいてコンテナCの位置を認識し、コンテナCが
図6(a)の位置に到達する。
【0019】
図6(a)でのコンテナCの位置は、
図4に示すコンテナCの位置と同じとなっており、アタッチメント15が供給コンベヤ11Aの下流端までコンテナCを押圧すると、その後供給コンベヤ11Aの下面側に向けて移動しながらコンテナCより離脱してゆく。
これにより、上記押圧手段12が第1、第2側板4、5をコンテナCの内方に押圧しても、上記アタッチメント15が第1、第2側板4、5の移動を阻害しないようになっている。
そして
図6(a)に示すように、押圧手段12は上記ブラケット22に設けられた上記第1当接部23を搬送方向上流側に向けた状態で待機している。
【0020】
次に
図6(b)は、上記押圧手段12の第1当接部23が第1、第2側板4、5をコンテナCの内方に押圧している状態を示している。
具体的には、サーボモータ21がブラケット22を回転(図示下方の押圧手段12は反時計回り、図示上方の押圧手段12は時計回り)させると、第1当接部23は第1、第2側板4、5の搬送方向下流側の端部に接触を開始する。
その後さらにサーボモータ21がブラケット22を回転させると、第1当接部23が徐々にコンテナCの内方に向けて突出し、これにより第1、第2側板4、5の上端部(底辺部)がコンテナCの内方に押圧されることとなる。
そして
図6(b)に示すブラケット22が
図6(a)の状態から90°回転することにより、第1当接部23によって第1、第2側板4、5が最もコンテナCの内方に押圧されることとなる。
【0021】
このようにして第1当接部23が第1、第2側板4、5をコンテナCの内方に押圧すると、上記第1、第2側板4、5を上記底板2や第3、第4側板6、7に連結している連結手段8が解除されることとなる。
図6(b)の状態では、第1当接部23は第1側板4の搬送方向下流側の部分を押圧しているため、特に、搬送方向下流側に位置している第3側板6の上方板材6aおよび下方板材6bとの連結状態や、上記底板2のうち搬送方向下流側の連結状態が解除される。
またこの時、押圧手段12によってコンテナCを押圧することで、コンテナCは搬送方向に対して直交方向に移動しようとするが、上記上部サイドガイド17や下部サイドガイド18によって底板2や枠体3のずれが防止され、確実に連結手段8の解除を行うことができる。
ここで、押圧手段12によってコンテナCを両側から押圧することで、供給コンベヤ11Aおよび中継コンベヤ11Dに対してコンテナCがスリップする場合があるが、この場合には中継コンベヤ11Dに設けたストッパ16がコンテナCの後方から当接して、コンテナCの搬送を継続させるようになっている。
【0022】
次に
図6(c)は、上記押圧手段12のブラケット22の円弧状部22aによって、第1、第2側板4、5をコンテナCの内方に押圧している状態を示している。
具体的には、
図6(b)の状態に対し、供給コンベヤ11Aがストッパ16によってコンテナCを所定速度で搬送するとともに、さらに押圧手段12のサーボモータ21がブラケット22をさらに45°回転させた状態となっている。
ブラケット22が回転することにより、第1当接部23は第1側板4より離脱するが、第1当接部23に隣接するブラケット22の円弧状部22aが第3当接部として第1、第2側板4、5の略中央部をコンテナCの内方に押圧した状態が維持される。
ここで、円弧状部22aは第1当接部23よりも回転軸21a側に形成されているため、上記第1当接部23によって押圧された第1側板4は円弧状部22aの位置までコンテナCの外側に復帰することとなる。
【0023】
次に
図6(d)は、上記押圧手段12の第2当接部24によって第1、第2側板4、5をコンテナCの内方に押圧している状態を示している。
より具体的には、
図6(c)の状態に対し、供給コンベヤ11Aがストッパ16によってコンテナCを所定速度で搬送するとともに、サーボモータ21がブラケット22をさらに45°回転させた状態となっている。
その結果、上記第2当接部24が第1、第2側板4、5における搬送方向上流側の端部近傍に当接してコンテナCの内側に押圧し、これにより第1、第2側板4、5における搬送方向上流側の第4側板7との連結手段8が解除される。
このとき、それまで第1側板4に接触していたブラケット22の円弧状部22aに対し、第2当接部24は円弧状部22aよりも回転軸21aに対して外側に位置しているため、第2当接部24は
図5(c)の状態よりもさらに第1側板4をコンテナCの内方に押圧することができる。
その結果、最初に
図6(b)で第1当接部23が第1側板4を押圧した位置に対し、
図6(c)では円弧状部22aによって第1側板4がコンテナCの外部に復帰するが、その後の
図6(d)で第2当接部24が第1側板4を再度コンテナCの内側に押圧するようになっている。
これにより第1側板4がコンテナCの内方と外方とに向けて往復動することとなり、より確実に連結手段8の連結状態を解除することが可能となる。
【0024】
次に
図6(e)は、上記押圧手段12の動作が完了した状態を示している。
より具体的には、
図6(d)の状態に対し、供給コンベヤ11Aがストッパ16によってコンテナCを所定速度で搬送するとともに、サーボモータ21がブラケット22をさらに90°回転させた状態となっている。
これにより、それまで接触していた第2当接部24が第1、第2側板4、5より離脱し、その後押圧手段12は搬送手段11によって搬送されるコンテナCに干渉しないようになる。
その後、新たなコンテナCが押圧手段12へと供給されるまでの間に、さらにサーボモータ21がブラケット22を回転させて、第1当接部23を
図6(a)の待機位置に復帰させる。
【0025】
次に、上記第1、第2側板折り畳み手段13は、
図1に示すように搬送手段11の側方に設けられた第1、第2噴射ノズル13a、13bによって構成され、第1噴射ノズル13aは第1側板4に対し、第2噴射ノズル13bは第2側板5に対して水を噴射するようになっている。
また第1噴射ノズル13aは第2噴射ノズル13bよりも下流側に設けられており、上記供給コンベヤ11Aを搬送されるコンテナCが第1、第2側板折り畳み手段13に差し掛かると、最初に上記第2噴射ノズル13bが噴射した水によって第2側板5をコンテナCの内方に倒伏させる。
その後、コンテナCが上記第1噴射ノズル13aに差し掛かると、当該第1噴射ノズル13aが噴射した水によって第1側板4をコンテナCの内方に倒伏さる。
このように、第1、第2噴射ノズル13a、13bによる水の噴射タイミングを異ならせることで、第1、第2側板4、5を順次倒伏させて第1側板4と第2側板5とが倒伏途中に干渉しないようにし、確実に第1、第2側板4、5を折り畳むことが可能となっている。
なお、上記第1、第2噴射ノズル13a、13bは常時水を噴射してもよいが、上記センサによってコンテナCの位置を認識して、第1、第2噴射ノズル13a、13bよりコンテナCが通過する間だけ水を噴射させるようにしてもよい。
【0026】
次に、
図7を用いて上記第3、第4側板折り畳み手段14について説明すると、上記第1、第2側板折り畳み手段13によって第1、第2側板4、5が折り畳まれると、第3、第4側板6、7を構成する上方板材6aと下方板材6bとがヒンジHによって揺動可能となる。
その結果、上記コンテナCが搬送コンベヤ11Bによって搬送される間に、上記第3、第4側板6、7の上方板材6a、7aと下方板材6b、7bとが折れ曲がり、上述したような前Z状態もしくは後Z状態となって、第3、第4側板折り畳み手段14へと搬送されるようになっている。
【0027】
そして上記第3、第4側板折り畳み手段14は、上記搬送手段11に設けられて上記コンテナCの通過を検出するセンサ31と、後Z状態のコンテナCを折り畳み状態とするプッシャ32と、前Z状態のコンテナCを折り畳み状態とする当接壁33とから構成されている。
上記プッシャ32は、上記後Z状態となったコンテナCの搬送方向上流側に位置する第4側板7の下方板材6bの上部近傍高さに設けられたアーム32aと、当該アーム32aを回転させるサーボモータ32bとによって構成されている。
上記アーム32aは上記コンテナCが搬送されるまではコンテナCと接触しない待機位置に位置しており、上記センサ31がコンテナCを検出すると、制御手段がコンテナCの位置に同期させてアーム32aを旋回させるようになっている。
具体的には、予め後Z状態のコンテナCが通過する際における、第4側板7の下方板材6bの位置を記憶しておき、制御手段は当該第4側板7の下方板材6bを搬送方向上流側から下流側に向けて押圧するように、サーボモータ32bによって上記アーム32aを回転させるようになっている。
一方、上記当接壁33は第3、第4側板6、7折りたたみ区間の下流端に設けられた板状の部材になっており、当該当接壁33と上記搬送コンベヤ11Bとの間には折り畳み状態となったコンテナCの通過を許容する隙間が形成されている。
換言すると、上記隙間は上記後Z状態もしくは前Z状態のコンテナCを通過させることができない高さに設定されており、このため搬送手段11によって前Z状態のコンテナCが搬送されると、当該コンテナCの底板2が当接壁33に衝突するようになっている。
【0028】
このような構成により、第3、第4側板折り畳み手段14に後Z状態のコンテナCが供給されると、最初にセンサ31が当該コンテナCを検出し、制御手段は後Z状態にされたコンテナCの第4側板7の上方板材6aの位置に合わせて、上記プッシャ32のアーム32aを回転させる。
すると、上記アーム32aが第4側板7の下方板材6bを後方から押圧し、これにより下方板材6bが前方に倒伏するとともに、これに連動して第3側板6の上方板材6aも前方に倒伏することとなる。
その結果、第3、第4側板6、7が上記枠体3に収容され、また上部に位置していた底板2が上記枠体3に重ねられて、コンテナCが折り畳み状態となる。その後、当該コンテナCは上記当接壁33の下方の隙間を通過して排出コンベヤ11Cによって排出されることとなる。
【0029】
一方、第3、第4側板折り畳み手段14に前Z状態のコンテナCが供給された場合には、上述したようにセンサ31が当該コンテナCを検出し、上記プッシャ32がアーム32aを旋回させる。
しかしながら、アーム32aは後Z状態にされたコンテナCの第4側板7の上方板材6aの位置に合わせて回転するため、アーム32aは空振りするようになっている。
このため、コンテナCは前Z状態を維持したまま搬送コンベヤ11Bによって搬送されるが、当該コンテナCが上記当接壁33まで移動すると、上記底板2が当接壁33に衝突することとなる。
これにより、底板2が搬送方向上流側に向けて押圧され、第3側板6の下方板材6bが後方に倒伏するとともに、これに連動して第4側板7の上方板材6aも後方に倒伏することとなる。
その結果、第3、第4側板6、7が上記枠体3に収容され、また上部に位置していた底板2が上記枠体3に重ねられることとなり、コンテナCが折り畳み状態となる。その後、当該コンテナCは上記当接壁33の下方の隙間を通過して排出コンベヤ11Cによって排出されることとなる。
【0030】
上記実施例によれば、上記押圧手段12の第1、第2当接部23、24によって第1、第2側板4、5と底板2および第3、第4側板6、7との連結状態を解除することができるため、その後第1、第2側板4、5を確実に折り畳むことができる。
また、第1、第2当接部23、24の間に、扇形状を有したブラケット22の円弧状部22aからなる第3当接部を設けたことで、当該円弧状部22aによっても第1、第2側板4、5を押圧することができ、より確実に連結状態の解除をすることが可能となっている。
【0031】
なお上記実施例では、上記押圧手段12において、上記第1、第2当接部23、24をブラケット22に固定し、当該ブラケット22の円弧状部22aを第3当接部としているが、例えば第1、第2当接部23、24を棒状部材の先端に固定した構成として、第1、第2当接部23、24の間の第3当接部を省略するようにしてもよい。
この場合であっても、第1当接部23によって第1、第2側板4、5を押圧した後、第1当接部23が通過した際に第1、第2側板4、5が外側に戻るため、その後第2当接部24によって第1、第2側板4、5を押圧した際に、第1、第2側板4、5の係合状態を解除することができる。
また上記第1、第2当接部23、24を設ける高さについては、上記サーボモータ21に昇降手段を設けることによって調整可能とし、処理するコンテナCの連結手段8を解除するために最適な高さに位置させることも可能である。
【0032】
また上記実施例では、第1、第2側板折り畳み手段13として、2本の噴射ノズル13a、13bを設けているが、必要に応じて適宜増減できることは勿論であり、例えば第1、第2側板4、5の上部および下部の複数個所に水を噴射するようにしてもよい。さらに噴射ノズル13a、13bが噴射するのは水に限定されるものではなく、エアを噴射するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 コンテナ折り畳み装置 2 底板
4~7 第1~第4側板 8 連結手段
12 押圧手段 21 サーボモータ
22 ブラケット 22a 円弧状部(第3当接部)
23 第1当接部 24 第2当接部
C コンテナ