IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社バッファローの特許一覧

<>
  • 特許-マウス装置 図1
  • 特許-マウス装置 図2
  • 特許-マウス装置 図3
  • 特許-マウス装置 図4
  • 特許-マウス装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】マウス装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0354 20130101AFI20231109BHJP
【FI】
G06F3/0354 441
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019231951
(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公開番号】P2021099738
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】松永 一宏
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206848968(CN,U)
【文献】中国実用新案第205750739(CN,U)
【文献】特表2008-508613(JP,A)
【文献】特開2014-149752(JP,A)
【文献】特表2002-528803(JP,A)
【文献】中国実用新案第209821801(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第101901064(CN,A)
【文献】特開2018-081689(JP,A)
【文献】特開2018-160222(JP,A)
【文献】特開2012-155625(JP,A)
【文献】特開2002-268816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0364020(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0081285(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0354
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウス装置であって、
本体部と、
前記本体部に対し、前後方向を回動軸としてこの回動軸周りに互いに回動可能な脚部と、を備え、
前記脚部と前記本体部とが重ね合わされた状態に折り畳まれる折畳姿勢と、前記脚部と前記本体部とが斜交あるいは直交した状態となる開脚姿勢との間で変形し、
このマウス装置は、前記開脚姿勢の状態において、所定の作業面上で移動されて操作され、
前記開脚姿勢の状態において、前記脚部の前記作業面に接する側には、切り欠きが形成されているマウス装置。
【請求項2】
マウス装置であって、
本体部と、
前記本体部に対し、前後方向を回動軸としてこの回動軸周りに互いに回動可能な脚部と、を備え、
前記脚部と前記本体部とが重ね合わされた状態に折り畳まれる折畳姿勢と、前記脚部と前記本体部とが斜交あるいは直交した状態となる開脚姿勢との間で変形し、
前記開脚姿勢にある間、電源をオンとする電源制御部をさらに有するマウス装置。
【請求項3】
マウス装置であって、
本体部と、
前記本体部に対し、前後方向を回動軸としてこの回動軸周りに互いに回動可能な脚部と、を備え、
前記脚部と前記本体部とが重ね合わされた状態に折り畳まれる折畳姿勢と、前記脚部と前記本体部とが斜交あるいは直交した状態となる開脚姿勢との間で変形し、
前記開脚姿勢となったときに、前記本体部の、当該マウス装置を把持するユーザの親指が接する位置に凹部が形成されてなるマウス装置。
【請求項4】
請求項に記載のマウス装置であって、
前記脚部には、前記開脚姿勢となったときに、前記本体部の凹部に連らなる凹部が形成されているマウス装置。
【請求項5】
マウス装置であって、
本体部と、
前記本体部に対し、前後方向を回動軸としてこの回動軸周りに互いに回動可能な脚部と、を備え、
前記脚部と前記本体部とが重ね合わされた状態に折り畳まれる折畳姿勢と、前記脚部と前記本体部とが斜交あるいは直交した状態となる開脚姿勢との間で変形し、
前記本体部には、当該本体部の長手方向に伸びる中心線に対して傾きをもって配される操作ボタンを少なくとも一つ有してなるマウス装置。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載のマウス装置であって、
前記本体部には、当該本体部の長手方向に伸びる中心線に対して傾きをもって配される操作ボタンを少なくとも一つ有してなるマウス装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のマウス装置であって、
前記本体部には、前記脚部を収納可能な凹状の収納部が形成されており、前記折畳姿勢にあるときには、前記脚部が当該収納部に収納されるマウス装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ノート型のパーソナルコンピュータ等を携帯して、外出先で利用するといったモバイルコンピューティングのニーズが高まっており、携帯性を高めたマウスも開発されている。
【0003】
従来、こうした携帯性を高めるマウスとしては、薄型のカード型のマウスが開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平04-343120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような上記従来のカード型のマウスは、手の形に合わないため、操作性が低いという問題点があった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、携帯性を向上し、かつ操作性を向上したマウス装置を提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来例の問題点を解決する本発明の一態様は、マウス装置であって、本体部と、前記本体部に対し、前後方向を回動軸として、この回動軸周りに互いに回動可能な脚部と、を備え、前記脚部と前記本体部とが重ね合わされた状態に折り畳まれる折畳姿勢と、前記脚部と前記本体部とが斜交あるいは直交した状態となる開脚姿勢との間で変形することとしたものである。
【0008】
このマウス装置によると、ユーザが使用するときは脚部と本体部とを左右方向に斜交ないし直交させた開脚姿勢とすることで、カード型のマウスと比べ、手の自然な形状に合った形状とした状態として操作性を向上し、また、携帯の際には本体部と脚部とを重ね合わせた折畳姿勢に変形した状態で携帯できるため、携帯性も向上される。
【0009】
またこのマウス装置は、操作時には、前記開脚姿勢の状態において、所定の作業面上で移動されて操作され、前記開脚姿勢の状態において、前記脚部の前記作業面に接する側には、切り欠きが形成されていてもよい。
【0010】
この切り欠きにより、折畳姿勢から開脚姿勢に変形する際、脚部を持ち上げやすくできる。
【0011】
さらに前記開脚姿勢にある間、電源をオンとする電源制御部をさらに有してもよい。これにより、ユーザの自然な操作により電源のオン・オフが制御できる。
【0012】
また、前記開脚姿勢となったときに、前記本体部の、当該マウス装置を把持するユーザの親指が接する位置に凹部が形成されていてもよい。
【0013】
この凹部に親指をかけて保持することで、ユーザはマウス装置を確実に保持できる。
【0014】
このとき、前記脚部には、前記開脚姿勢となったときに、前記本体部の凹部に連らなる凹部が形成されていてもよい。
【0015】
さらに、前記本体部には、当該本体部の長手方向に伸びる中心線に対して傾きをもって配される操作ボタンを少なくとも一つ有してもよい。このように操作ボタンが配されているので、ユーザは使用時に、自然に手や指を伸ばした位置で操作が可能となる。
【0016】
さらに前記本体部には、前記脚部を収納可能な凹状の収納部が形成されており、前記折畳姿勢にあるときには、前記脚部が当該収納部に収納されてもよい。これにより携帯性を向上できる。
【発明の効果】
【0017】
上記本発明の一態様のマウス装置は、ユーザが使用するときは、脚部と本体部とを斜交ないし直交させた開脚姿勢にできる。このような本発明の一態様のマウス装置は、カード型のマウスと比べ、手の自然な形状に合った形状として操作性を向上できる。また、ユーザが携帯する際には、本発明の一態様のマウス装置は、本体部と脚部とを重ね合わせた折畳姿勢に変形した状態とできる。ユーザは、このような折畳姿勢とした状態でマウス装置を携帯できるため、マウス装置の携帯性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係るマウス装置の開脚姿勢の状態例を表す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係るマウス装置の折畳姿勢の状態例を表す斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係るマウス装置の折畳姿勢での概略六面図である。
図4】本発明の実施の形態に係るマウス装置の開脚姿勢での概略正面図、及び右側面図である。
図5】本発明の実施の形態に係るマウス装置の別の例を表す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態の一例に係るマウス装置1は、折り畳み可能なモバイル用のマウス装置であり、図1に例示するように、本体部10と、脚部20とを含んで構成される。このマウス装置1は、操作時には、所定の机の天板の面やマウスパッドなど(以下、作業面と呼ぶ)の上で操作される。
【0020】
なお、以下の説明及び図面において、各部のサイズや比率は例示されたものであり、実際には、適宜のサイズ、比率で設計され得る。また以下の説明では、マウス装置1をユーザが把持したときに、マウス装置1のユーザに近い側の面を背面(後方)とし、ユーザから遠い側の面を正面(前方)とする。
【0021】
本実施の形態の一例では、本体部10は、実質的に直方体の形状を有する。また本実施の形態の本体部10は、前方側にクリックボタンC等を含んだ操作部11が配され、この操作部11が配された範囲は、前方に向かってその表面が傾斜している。
【0022】
この本体部10は、その長手方向(前後方向)に平行に配され、本体部10の前後方向(ここでは長手方向)を回動軸とし、この回動軸周りに回動するヒンジ30を介して、脚部20との間で互いに回動可能に連結されている。このヒンジ30周りに本体部10と脚部20とを相対的に回動させることで、マウス装置1は、次の第1、第2の姿勢の間で変形する。第1の姿勢は、図1に例示したように、脚部20に対して本体部10が所定の角度を有した状態で、つまり、左右方向に傾斜した状態で固定される姿勢(以下、開脚姿勢と呼ぶ)である。この開脚姿勢では、作業面Gに対して左右方向(ここではマウス装置1の幅方向)に、上側に逆V字状をなした形状となる。
【0023】
また、第2の姿勢は、図2に例示するように、脚部20と本体部10と折り畳んだ状態で固定した姿勢(以下、折畳姿勢と呼ぶ)である。折畳姿勢では、脚部20と本体部10とは重ね合わせられた状態となる。なお、後に説明するように、重ね合わせたときに、脚部20が本体部10に形成した凹部に収納される状態となってもよい。
【0024】
このように、本実施の形態のマウス装置1は、これら開脚姿勢と折畳姿勢との間で変形する。従って、使用するときは脚部20に対して本体部10を斜交ないし直交させた開脚姿勢として、手の自然な形状に合った状態として操作でき、また、携帯の際には本体部10と脚部20とを重ね合わせた折畳姿勢に変形させ、薄型とした状態とすることができる。なお、このような姿勢の変形を実現するヒンジは、広く知られたものを採用できるので、ここでの詳しい説明を省略する。
【0025】
また、このマウス装置1のユーザ(マウス装置1を操作するユーザ)は、本体部10が左右方向に傾斜した状態で操作することとなるので、ユーザのマウス操作による疲労感が軽減できる。すなわち、一般的にマウス装置は、作業面上に置き、手を上から被せるようにして保持して操作される。このため、ユーザ側から見たとき、左右方向に傾斜のないマウス装置(従来型マウスと呼ぶ)では、手の甲が上を向いた状態で操作されることとなる。ところが、人体の構造上、手首や肘を捻じらないとき、手の甲はやや斜めに向き、これが手の自然な形状となる。一方で、上記従来型マウスを操作するときには、手の甲が上を向いた状態となる。このときユーザは、手首や肘を捻じった、手の自然な形状ではない状態で操作を行うこととなる。このような手の自然な形状でない状態でマウスを使用し続けると、ユーザは手首や肘に疲れを感じるようになる。一方で、本実施の形態のマウス装置1は本体部10が左右方向に傾斜しているため、上記従来型マウスに比べて、ユーザは、手首を捻ることなくマウス装置1を操作でき、手首や肘への負担を軽減することができ、ユーザの疲労を軽減できる。
【0026】
脚部20は、基本的には直方体状をなす部材である。この脚部20には、ヒンジ30を介して本体部10に連結される辺に対向する辺に切欠部21が形成されてもよい。さらに脚部20は、ヒンジ30で固定される側から切欠部21が形成された辺に向かって厚みを小さくしたテーパー形状を有してもよい。以下では、マウス装置1を折畳姿勢としたとき、マウス装置1を底面視したときに見える、脚部20の面を、脚部20の主面と呼ぶ。この主面は、マウス装置1を折畳姿勢としたとき、本体部10の底面と実質的に平行となる脚部20の面のうち、本体部10から離れている側の面である。またこの主面は、マウス装置1を開脚姿勢としたときには、ユーザの手が触れる面となる。
【0027】
マウス装置1のユーザ(マウス装置1を操作するユーザ)は、マウス装置1を操作するときには、脚部20と本体部10とが斜交あるいは直交状態とした開脚姿勢とする。この状態では、脚部20と本体部10とはそれぞれ左右方向に傾斜した状態となる。ユーザは、開脚姿勢としたマウス装置1の上側面(本体部10の平面側)に手の平を接触させ、親指と薬指(または小指)とをそれぞれマウス装置1の右側面と左側面とに接触させて、いわゆるかぶせ持ち(Palm Grip)の状態でマウス装置1を把持し、当該把持したマウス装置1を作業面Gに対して移動させつつマウス装置1の操作を行う。
【0028】
図3(a)乃至図3(f)はそれぞれマウス装置1の折畳姿勢での平面図、底面図、左側面図、右側面図、正面図、及び背面図であり、図4(a)、(b)はそれぞれマウス装置1の開脚姿勢での正面図、及び右側面図である。
【0029】
図3に示すように本体部10には、操作部11と、第1フィンガーレスト部12と、センサ部13と、第2フィンガーレスト部14と、脚部収納部15とが設けられている。また、この本体部10の内部には、回路部17が収納されている。本実施の形態の例では、回路部17は、本体部10の前方側、脚部収納部15を避けて(本体部10の厚さが比較的薄い部分を避けて)収納される。
【0030】
操作部11は、本体部10の平面(マウス装置1の上側の面、つまりユーザの手が接触する面)上の前方側に設けられ、クリックボタンCや、ホイールW等を含む。本実施の形態では、本体部10の、操作部11が設けられた範囲は、前方に向かうほど作業面Gに近づくよう傾斜している。また、操作部11の各クリックボタンCやホイールWはその長手方向が、本体部10の長手方向に延びる中心線(幅方向の中心を通り、本体部10の長手方向に延びる線分)より、平面視で、左側面の前方へ傾斜して配されている。このように傾斜して配していることにより、ユーザがマウス装置1を開脚姿勢として把持したとき、指(人差し指や中指等)が自然に伸びる方向にクリックボタンCやホイールWの長手方向が一致するようにしたものである。
【0031】
また本実施の形態において本体部10を、折畳姿勢の状態で、図3(e)(本体部10を前方側から見た図)に例示したように正面視すると、その左側面は、底面側からその途中の点Qまでは、外側(図中左側)に向かって傾斜する斜面LBとなっており、その途中の点Qからは平面(マウス装置1の上側の面、つまりユーザの手が接触する面)側にかけて内側(図中右側)に向かう斜面LTとなっている。
【0032】
そして斜面LTには第1フィンガーレスト部12が形成されている。この第1フィンガーレスト部12は、開脚姿勢として、ユーザが手を置いたときに、ユーザの薬指や小指が到達する位置に形成された浅型の凹部であり、この浅型の凹部の位置でユーザがマウス装置1を把持できるようになっている。
【0033】
また図3(c)、図4(a)に例示したように、底面側の斜面LBには、センサ部13が配される。このセンサ部13は、LEDやレーザ等の発光部と受光部とを含む光学センサである。このセンサ部13は、図4(a)に例示するように、開脚姿勢となったときに作業面Gに対して垂直より浅い角度で向かい合う。このためセンサ部13は、作業面Gを撮像可能な状態となる。センサ部13は、マウス装置1の斜面LB上のどの位置にあってもよいが、ここでは、センサ部13が回路部17に近い側、すなわちマウス装置1の比較的前方側に位置する例を示している。
【0034】
第2フィンガーレスト部14は、本体部10の右側面に形成された浅型の凹部であり、ユーザがマウス装置1を開脚姿勢とした状態で把持したとき、親指の先端が到達する範囲に形成されている。
【0035】
また本実施の形態では、本体部10は、脚部20より厚型の箱状をなし、またこの本体部10の底面には図3(b)に示すように、右側面に開口を有した凹部領域が形成されている。この凹部領域が、本実施の形態の脚部収納部15となる。この例の脚部収納部15は、脚部20の厚さより深い凹部となっており、脚部20の面の全体を含み得る面積を有して、脚部20全体がこの脚部収納部15に収納されるものとしておく。なお、マウス装置1の背面側の一部にも、この脚部収納部15に通じる開口が形成されていてもよいが、少なくともヒンジ30の軸を支持する範囲には背面側に壁101が形成された状態となっている。図3(b)では、壁101が背面全体に亘っている例を示している。
【0036】
この脚部収納部15となる凹部の、本体部10の右側面に比較的近い側で、ヒンジ30が本体部10に軸支され、このヒンジ30の軸周りに本体部10と脚部20とが互いに回動可能となるように、ヒンジ30に脚部20が取り付けられている。またこのヒンジ30の軸の位置は、マウス装置1を折畳姿勢としたとき、脚部20が突出しないように定めておく。つまり脚部20を、本体部10に重なる位置に回動させたとき、脚部20全体が脚部収納部15に収納されて、本体部10の外接矩形から脚部20が突出しない状態となるように、ヒンジ30の軸の位置を定めておくことが好適である。
【0037】
本体部10の右側面には、図3(d)に示されるように、脚部収納部15につながる開口が形成されている。マウス装置1を開脚姿勢とするときには、ユーザは、脚部収納部15に収納された脚部20を、ヒンジ30の軸周りに回動させる。すると、図4(a)に示されるように、脚部20によって、本体部10の平面(上側の面)と作業面Gとのなす角度θが40度乃至70度となるように本体部10が左右方向に傾斜した状態で支持される。
【0038】
なお、脚部20を、本体部10の脚部収納部15に収納された状態から引き起こす際、ユーザは、脚部20に形成された切欠部21に指をかけて引き起こすことができる。
【0039】
脚部20には、当該脚部20の主面上で、この開脚姿勢にある状態で本体部10の第2フィンガーレスト部14に連らなる部分に、フィンガーレスト部となる浅型の凹部22が形成されている。
【0040】
本実施の形態によると、マウス装置1をユーザが使用する時に、ユーザの親指が脚部20から本体部10に亘る範囲を押さえるようになるので、開脚した姿勢で安定的に保持できる。
【0041】
なお、脚部20の、開脚姿勢となった状態で作業面Gに接する部分は、切欠部21を設けない場合に比べ、切欠部21を設けた場合に小さくなる。これにより、操作時に作業面Gとの間の摩擦を軽減している。
【0042】
このように本実施の形態のマウス装置1によると、脚部20を本体部10内に収納した状態では全体として実質的に薄型平板状の形態となって携帯性に優れ、脚部20を本体部10に対して回動させて開脚させると、作業面Gに対して脚部20と、本体部10の左側面側とを足として、幅方向に逆V字状に立った状態(いわゆるエルゴノミクス形状)となる。このため、ユーザがいわゆるかぶせ持ちをしたとき、手首をひねることなく自然な姿勢で操作が可能となる。
【0043】
また本実施の形態の例では、脚部20の重量を調整して(その重量が実質的に本体部10の重量と同じになるようにして)、開脚姿勢のときに、マウス装置1が幅方向のいずれか一方側に倒れてしまわないようにしておくことが好適である。
【0044】
本実施の形態のマウス装置1は、以上の構成を備え、開脚姿勢とした状態でユーザによって操作され、ユーザによるクリックボタンCやホイールWの操作、あるいは、センサ部13によって検出されるユーザによる作業面G上でのマウス装置1の移動操作の内容を表す情報を、回路部17が生成し、設定されたホストコンピュータ(不図示)に対して送出する。このホストコンピュータへの情報送信は、有線にて行われてもよい(回路部17から有線接続される例については図示を省略する)し、無線にて行われてもよい。
【0045】
またマウス装置1からホストコンピュータへの情報送信が無線にて行われる場合は、回路部17は電源部を含み、この電源部は、外部から充電可能に構成されていてもよい。このような構成の例は、広く知られているので、ここでの説明は省略する。
【0046】
さらに本実施の形態の一例では、ヒンジ30の回転角(マウス装置1の姿勢)に応じて、回路部17の電源のオン・オフが制御されてもよい。具体的に、ヒンジ30の回転角に応じてオン・オフが制御されるロータリスイッチ(本発明の電源制御部に相当する)を用い、マウス装置1が開脚姿勢にある間、電源をオンとすることとしてもよい。
【0047】
この例では、マウス装置1を開脚姿勢から脚部20を本体部10の脚部収納部15に収納するよう回動させることで折畳姿勢とすると、電源制御部であるロータリスイッチによって電源がオフに制御される。これにより、ユーザの自然な操作により回路のオン・オフが制御できる。
【0048】
また、ここまでの説明では、折畳姿勢においては、脚部20が本体部10の脚部収納部15内に収納される例について説明したが本実施の形態はこれに限られず、図5に例示するように、本体部10に、ヒンジ30を支持するため、外方に突出した一対の凸状部102,103を形成してこの凸状部102,103の間にヒンジ30の回動軸を架け渡して、脚部20を軸支してもよい。この場合脚部20は、折畳姿勢では本体部10に重なり合うように(積層された状態に)なる。この例では、本体部10に、脚部収納部15を形成する必要は必ずしもない。
【符号の説明】
【0049】
1 マウス装置、10 本体部、11 操作部、12 第1フィンガーレスト部、13 センサ部、14 第2フィンガーレスト部、15 脚部収納部、17 回路部、20 脚部、21 切欠部、22 凹部、30 ヒンジ、101 壁、102,103 凸状部。

図1
図2
図3
図4
図5