(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】固形粉末化粧料の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20231109BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20231109BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20231109BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20231109BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20231109BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20231109BHJP
A61Q 1/08 20060101ALI20231109BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20231109BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/02
A61K8/26
A61K8/31
A61K8/39
A61Q1/00
A61Q1/08
A61Q1/10
A61Q1/12
(21)【出願番号】P 2019215400
(22)【出願日】2019-11-28
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】若林 奈津美
【審査官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/138793(WO,A1)
【文献】特開2019-137653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/37
A61K 8/02
A61K 8/26
A61K 8/31
A61K 8/39
A61Q 1/00
A61Q 1/08
A61Q 1/10
A61Q 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油性成分及び粉体成分を含有する化粧料基材と、揮発性の炭化水素系溶剤と、が含まれるスラリーを調製する工程と、
前記スラリーを圧縮成形する工程と、を備え、
前記油性成分が、前記炭化水素系溶剤に不溶な、水酸基価が40~85であるエステル油(A)を含み、
前記粉体成分が、板状粉体(B)を含
み、
前記エステル油(A)が、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、(水添ヒマシ油/セバシン酸)コポリマー、及びダイマージリノール酸水添ヒマシ油からなる群より選択される少なくとも一種のエステル油を含み、
前記炭化水素系溶剤が、イソパラフィン及びイソドデカンのうちの少なくとも一種を含む、固形粉末化粧料の製造方法。
【請求項2】
前記化粧料基材における前記粉体成分の含有量が、化粧料基材全量を基準として、75~95質量%である、請求項
1に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
【請求項3】
前記板状粉体(B)が、金属酸化物で被覆された板状粉体を含む、請求項1
又は2に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
【請求項4】
前記化粧料基材における前記エステル油(A)の含有量が、化粧料基材全量を基準として、0.1~5質量%である、請求項1~
3のいずれか一項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形粉末化粧料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固形粉末化粧料は粉体成分と油性成分で構成されており、アイシャドウ、チーク、ファンデーション等のメイクアップ化粧料に利用されている。このような固形粉末化粧料は、携帯時の持ち運びにも対応できるように十分な耐衝撃性を有していることが求められる。また、使用感については、塗布時の彩度や発色が高く、肌になめらかに伸びつつしっかり密着して化粧もちがよいことが望まれている。
【0003】
固形粉末化粧料を製造する方法としては、粉体成分と油性成分とを混合し、型に充填してプレスして成形する乾式製法と、粉体成分と油性成分とを溶媒に混合してスラリー状にし、得られたスラリーを型に充填し、軽くプレスしてから溶媒を乾燥、除去して成形する湿式製法とが知られている(例えば、下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
湿式製法により得られる固形粉末化粧料は、スラリー状態を経ることで、粉体と油剤の均一分散が進み、細やかな粉質と、しっとりした使用感が得られやすい一方、成形された化粧料の表面が白っぽく見える、所謂、色抜けを起こしやすい傾向にある。色抜けを起こしている化粧料は、購買者に外観上の色から塗布色が伝わりにくく、塗布時の彩度や発色のよさを訴求しにくい。
【0006】
固形粉末化粧料の彩度や発色については、目的に応じた板状粉体の配合により向上させることができ、例えば、パール感を出す場合、板状粉体を母体とする光輝性粉体などが用いられる。また、塗布時の伸びのよさや密着性を得る場合、タルクなどの板状粉体が用いられる。しかし、固形粉末化粧料に板状粉体を多量に配合すると耐衝撃性が劣る傾向にあり、これを抑制するために油性成分も高配合した組成では成形不良が生じやすい。
【0007】
そこで本発明は、塗布時の彩度や発色が十分に高く、肌への伸びや密着感などの使用感に優れるとともに、未使用部分の表面色と中身の色との色差が小さく、十分な耐衝撃性を有する固形粉末化粧料を得ることができる固形粉末化粧料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、湿式製法によって板状粉体を含有する固形粉末化粧料を製造する場合に、スラリーに含まれる油性成分及び溶媒として、特定の水酸基価を有するエステル油と、このエステル油と相溶しない揮発性の炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いることにより、発色及び使用感、プレス表面における色相、及び耐衝撃性のすべてが良好である固形粉末化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、油性成分及び粉体成分を含有する化粧料基材と、揮発性の炭化水素系溶剤と、が含まれるスラリーを調製する工程と、スラリーを圧縮成形する工程と、を備え、油性成分が、上記炭化水素系溶剤に不溶な、水酸基価が40~85であるエステル油(A)を含み、粉体成分が、板状粉体(B)を含む、固形粉末化粧料の製造方法を提供する。
【0010】
本発明の固形粉末化粧料の製造方法によれば、上記工程を備えることにより、塗布時の彩度や発色が十分に高く、肌への伸びや密着感などの使用感に優れるとともに、未使用部分の表面色と中身の色との色差が小さく、十分な耐衝撃性を有する固形粉末化粧料を得ることができる
【0011】
上記効果を更に高水準で両立させる観点から、エステル油(A)が、水添ヒマシ油に由来する構成単位及び/又はダイマー酸に由来する構成単位を含んでいることが好ましい。
【0012】
また、上記効果を更に高水準で両立させる観点から、上記エステル油(A)が、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、(水添ヒマシ油/セバシン酸)コポリマー、及びダイマージリノール酸水添ヒマシ油からなる群より選択される少なくとも一種のエステル油を含み、上記炭化水素系溶剤が、イソパラフィン及びイソドデカンのうちの少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0013】
上記化粧料基材における粉体成分の含有量は、化粧料基材全量を基準として、75~95質量%であってもよい。
【0014】
上記板状粉体(B)は、金属酸化物で被覆された板状粉体を含むことができる。この場合、金属酸化物被覆による特性を固形粉末化粧料に付与することができる。
【0015】
上記化粧料基材における上記エステル油(A)の含有量は、化粧料基材全量を基準として、0.1~5質量%であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、塗布時の彩度や発色が十分に高く、肌への伸びや密着感などの使用感に優れるとともに、未使用部分の表面色と中身の色との色差が小さく、十分な耐衝撃性を有する固形粉末化粧料を得ることができる固形粉末化粧料の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態の固形粉末化粧料の製造方法は、油性成分及び粉体成分を含有する化粧料基材と、揮発性の炭化水素系溶剤とが含まれるスラリーを調製する工程(以下、スラリー調製工程ともいう)と、スラリーを圧縮成形する工程(以下、成形工程ともいう)とを備える。
【0018】
本明細書において揮発性の溶剤とは、1気圧(101.325kPa)における沸点が250℃以下の溶剤を意味する。
【0019】
まず、固形粉末化粧料を構成する化粧料基材に含まれる油性成分及び粉体成分について説明する。
【0020】
(油性成分)
油性成分としては、通常化粧品に使用されるものを配合することができ、例えば、固形油及び固形油以外の油剤などを用いることができる。油性成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
固形油としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン等の炭化水素類、硬化ヒマシ油、水添ホホバ油、カルナウバロウ、ライスワックス等の植物由来油脂、トリベヘン酸グリセリル、コレステロール脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸類、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、アルキル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン等のシリコーン類、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン等の糖脂肪酸エステル類等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
固形油以外の油剤としては、ペースト状油、液状油を用いることができる。ペースト状油としては、例えば、ワセリン、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、イソステアリン酸水添ヒマシ油、オレイン酸フィトステリル、トリ酢酸テトラステアリン酸スクロース、ヘキサ(オレイン酸/パルミチン酸/ステアリン酸)スクロース等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
液状油としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン等の不揮発性の炭化水素油、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等のエステル油、ヒマシ油等の植物油、高級アルコール、高級脂肪酸、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
本実施形態の化粧料基材における油性成分の含有量は、化粧料基材全量を基準として、5~20質量%とすることができ、耐衝撃性、抗ケーキングの観点から、7~18質量%が好ましく、8~16質量%がより好ましく、10~15質量%がさらに好ましい。
【0025】
本実施形態の化粧料基材は、油性成分として、スラリーに配合される揮発性の炭化水素系溶剤に不溶であり、水酸基価が40~85であるエステル油(A)(以下、エステル油(A)ともいう)を含むことができる。エステル油(A)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
ここで、炭化水素系溶剤に不溶であるエステル油(換言すれば、炭化水素系溶剤とエステル油とが非相溶の関係にある)とは、25℃で、スクリュー管に、エステル油0.5gと炭化水素系溶剤5gとを入れ、攪拌棒で混合し、15分間静置した後の状態を目視にて観察し、白濁又は分離が見られる場合をいう。なお、スラリーに含まれる揮発性の炭化水素系溶剤が2種以上である場合、それらの混合物に対して上記の方法で不溶と確認されるエステル油を組み合わせて用いることができる。
【0027】
また、エステル油の水酸基価は、「基準油脂分析試験法」(日本油化学会制定)に準拠して測定される値を意味する。
【0028】
エステル油(A)は、水酸基価が40~85であってもよく、45~80であってもよく、45~75であってもよい。
【0029】
エステル油(A)としては、固形粉末化粧料の発色及び使用感、プレス表面における色相、及び耐衝撃性のすべてをより良好にする観点から、水添ヒマシ油(硬化ヒマシ油)に由来する構成単位及び/又はダイマー酸に由来する構成単位を含むエステル油を用いることが好ましい。
【0030】
ダイマー酸に由来する構成単位を含むエステル油としては、2分子の不飽和脂肪酸の重合によって得られる2塩基酸のエステルを用いることができ、例えば、ダイマージリノール酸、ダイマージリノレイン酸、ダイマージオレイン酸などエステル、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらのダイマー酸エステルのエステル部分としては、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、リノレイルアルコール等の高級アルコール;ジグリセリン、グリセリン等の多価アルコール;ダイマージリノレイルアルコールなどの不飽和アルコール2分子が重合したダイマージオール;から誘導されるアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。
【0031】
ダイマー酸に由来する構成単位を含むエステル油は、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーを好適に用いることができる。このコポリマーは、例えば、ジグリセリン、イソステアリン酸と、水添ダイマー酸との縮合反応によって生成することができ、「ハイルーセント ISDA」(高級アルコール工業(株)製、商品名)などの市販品を用いることもできる。
【0032】
水添ヒマシ油に由来する構成単位を含むエステル油としては、水添ヒマシ油と飽和二塩基酸とのオリゴエステルを用いることができる。飽和二塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、オクタデカメチレンジカルボン酸、エイコサジカルボン酸等が挙げられる。
【0033】
水添ヒマシ油に由来する構成単位を含むエステル油は、(水添ヒマシ油/セバシン酸)コポリマーを好適に用いることができる。このコポリマーは、「クロダボンド CSA-LQ-(JP)」(クローダジャパン(株)製、商品名)などの市販品を用いることができる。
【0034】
水添ヒマシ油に由来する構成単位と、ダイマー酸に由来する構成単位とを含むエステル油としては、水添ヒマシ油とダイマー酸のオリゴマーを用いることができる。
【0035】
水添ヒマシ油とダイマー酸のオリゴマーは、市販のダイマージリノール酸水添ヒマシ油を用いることができる。市販品としては、例えば、「リソカスタDA-L」、「リソカスタDA-H」(高級アルコール工業(株)製、商品名)等が挙げられる。
【0036】
エステル油(A)は、25℃でペースト状、又は粘度が10000mPa・s以上であるものが好ましい。なお、上記粘度は、エステル油の粘度が、10,000~100,000mPa・sの場合、BH型粘度計及びローター:No.6を用いて、回転数:10rpmで測定され、100,000~350,000mPa・sの場合、BH型粘度計及びローター:No.7を用いて、回転数:10rpmの条件で、25℃で測定される。なお、上記の粘度計及びローターは東機産業社製を用いることができる。エステル油(A)の粘度は、10,000~200,000mPa・sが好ましく、40,000~100,000mPa・sがより好ましい。
【0037】
本実施形態の化粧料基材は、固形粉末化粧料の発色及び使用感、プレス表面における色相、及び耐衝撃性のすべてをより良好にする観点から、エステル油(A)として、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、(水添ヒマシ油/セバシン酸)コポリマー、及びダイマージリノール酸水添ヒマシ油からなる群より選択される少なくとも一種のエステル油を含むことが好ましい。更に、化粧料基材がこれらのエステル油を含む場合、揮発性の炭化水素系溶剤がイソパラフィン及びイソドデカンのうちの少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0038】
本実施形態の化粧料基材におけるエステル油(A)の含有量は、耐衝撃性と使用感を良好にする観点から、化粧料基材全量を基準として、0.1~5質量%であることが好ましく、0.5~4質量%であることがより好ましく、1~3質量%であることが更に好ましく、1.5~3質量%であることが更により好ましい。
【0039】
また、本実施形態の化粧料基材に含まれる油性成分におけるエステル油(A)の含有割合は、耐衝撃性と使用感を良好にする観点から、油性成分全量に対するエステル油(A)の質量比[エステル油(A)]/[油性成分]が、0.1/20~1/1であることが好ましく、0.5/20~4/7であることがより好ましく、1/16~3/8であることが更に好ましく、1/10~1/5質量%であることが更により好ましい。
【0040】
更に、本実施形態のスラリーにおけるエステル油(A)と揮発性の炭化水素系溶剤との含有割合は、プレス表面の彩度と発色を良好にする観点から、揮発性の炭化水素系溶剤に対するエステル油(A)の質量比[エステル油(A)]/[揮発性の炭化水素系溶剤]が、0.1/80~5/10であることが好ましく、0.5/75~4/15であることがより好ましく、1/70~3/20であることが更に好ましい。
【0041】
(粉体成分)
粉体成分としては、通常、化粧料に用いられる粉体であれば、特に限定なく用いることができ、例えば、体質粉体、白色顔料、着色顔料等が挙げられる。粉体の形状についても特に限定されず、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造を有していてもよい。粉体成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
具体的には、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、シリカ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化アルミニウムマグネシウム等の体質顔料類、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等の紫外線散乱剤類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン-メタクリル酸共重合体、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、セルロースパウダー、N-アシルリジンパウダー等の有機粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化チタン被覆ナイロン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸が挙げられる。
【0043】
着色顔料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機性着色顔料、赤色228号、赤色226号、青色404号、赤色202号、黄色4号アルミニウムレーキ等の有機性着色顔料、雲母チタン、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムフレーク等のパール顔料、カルミン、ベニバナ等の天然色素などが挙げられる。
【0044】
これらの粉体成分は、発色、密着性の観点から、疎水性処理粉体が好ましい。疎水性処理としては、高級脂肪酸、金属石鹸、油脂、ロウ、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性剤、デキストリン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0045】
本実施形態の化粧料基材においては、化粧料が肌になめらかに伸びつつしっかり密着して化粧持ちを良好にする観点から、粉体成分が板状粉体(B)を含むことが好ましい。
【0046】
板状粉体は、発色、使用感の観点から、平均粒子径が0.1~300.0μmであることが好ましく、1.0~200μmであることがより好ましく、3.0~100μmであることが更に好ましい。板状粉体のアスペクト比は、好ましくは8~400、より好ましくは10~300、更に好ましくは15~200である。なお、板状粉体の平均粒子径とは、レーザー回折法による50%メジアン径を意味する。また、アスペクト比は、平均粒子径/平均厚みを意味する。
【0047】
板状粉体としては、例えば、タルク、マイカ、合成マイカ、セリサイト、無水ケイ酸、カオリン、炭酸カルシウム、アルミナ、ガラスを用いることができる。板状粉体は、被覆処理されたものであってもよい。
【0048】
本実施形態の化粧料基材は、固形粉末化粧料の彩度や発色を良好にする観点から、金属酸化物で被覆された板状粉体を含むことができる。この場合、金属酸化物被覆による特性(例えば、パール感など)を固形粉末化粧料に付与することができる。金属酸化物で被覆された板状粉体としては、光輝性粉体、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆タルク、酸化亜鉛被覆雲母、酸化亜鉛被覆タルクなどが挙げられる。光輝性粉体は、母体である板状粉体がアルミナ、ガラス、又はマイカであってもよい。
【0049】
ところで、アルミナやガラスは、マイカに比べ吸油量が低く、油性成分とともに配合されたときにケーキングの発生や化粧料のとれの悪化が起こりやすい。これを避けるために油性成分の配合量を減らすと、粉体同士が接合しにくく、耐衝撃性が悪くなる傾向にある。さらに、湿式製法で固形粉末化粧料を製造する場合、油性成分が揮発性溶媒と混和することによって溶媒全体へ粘性を与え、これにより粘性が高くなりすぎた場合、プレス時に十分に溶媒を吸引できず圧縮成形不良を引き起こす傾向にある。ここで油性成分の配合量を減らすと、上述のとおり、粉体の接合が不足して耐衝撃性が悪化する。
【0050】
これに対し、本発明に係る固形粉末化粧料の製造方法によれば、上記の光輝性粉体を配合する場合であっても、塗布時の彩度や発色が十分に高く、肌への伸びや密着感などの使用感に優れるとともに、未使用部分の表面色と中身の色との色差が小さく、十分な耐衝撃性を有する固形粉末化粧料を得ることができる。このような効果が得られる理由としては、揮発性の炭化水素系溶剤に不溶なエステル油(A)を配合することで、溶媒の粘度上昇に起因する溶媒の吸引不足及び圧縮成形不良を防止でき、またエステル油(A)は揮発性の炭化水素系溶剤に不溶であるため、溶媒の吸引時においても化粧料中に残存しやすく油性成分を高配合せずとも粉末同士の接合を充足させることができ、その結果、耐衝撃性を高めることが可能となったと考えられる。また、水酸基価が特定の範囲にあるエステル油(A)によって、顔料が溶剤に分散することが抑制され、プレス時における色抜けが低減されたと考えられる。
【0051】
本実施形態の化粧料基材における粉体成分の含有量は、塗布時の彩度や発色、肌へのなめらかな伸びを良好にする観点から、化粧料基材全量を基準として、75~95質量%であることが好ましく、80~95質量%であることがより好ましく、80~90質量%であることが更に好ましい。
【0052】
本実施形態の化粧料基材における板状粉体(B)の含有量は、化粧料が肌になめらかに伸びつつしっかり密着して化粧持ちを良好にする観点から、化粧料基材全量を基準として、3~90質量%であることが好ましく、20~87質量%であることがより好ましく、40~85質量%であることが更に好ましい。
【0053】
本実施形態の化粧料基材におけるエステル油(A)と上記板状粉体(B)との質量比[(A)/(B)]は、耐衝撃性と使用性を良好にする観点から、0.1/90~5/75であることが好ましく、1/80~3/90であることがより好ましい。
【0054】
本実施形態の化粧料基材が上記金属酸化物で被覆された板状粉体(B’)を含む場合、板状粉体(B)と、金属酸化物で被覆された板状粉体(B’)との質量比[(B’)/(B)]は、3/95~1/1であることが好ましく、5/90~1/2であることがより好ましい。また、エステル油(A)と、金属酸化物で被覆された板状粉体(B’)との質量比[(A)/(B’)]は、0.5/95~1/1であることが好ましく、1/90~1/2であることがより好ましい。
【0055】
本実施形態の化粧料基材における油性成分及び粉体成分の合計の含有量は、化粧料が肌になめらかに伸びつつしっかり密着して化粧持ちを良好にする観点から、化粧料基材全量を基準として、85~100質量%であることが好ましく、87~99質量%であることがより好ましく、90~98質量%であることが更に好ましい。
【0056】
本実施形態の化粧料基材は、上記成分の他に、通常化粧料に用いられる成分、例えば、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、キレート剤、消炎剤、界面活性剤などを含有することができる。
【0057】
(揮発性の炭化水素系溶剤)
次に、スラリーに含まれる揮発性の炭化水素系溶剤について説明する。
【0058】
揮発性の炭化水素系溶剤は、上述したとおり、エステル油(A)と非相溶の関係にある。揮発性の炭化水素系溶剤は、配合されるエステル油(A)に応じて適宜選択することができるが、イソパラフィン及びイソドデカンのうちの少なくとも一種を含むことが好ましい。イソパラフィンは、軽質流動イソパラフィンを用いることができる。
【0059】
(スラリー調製工程)
スラリーの調製方法としては、油性成分及び粉体成分が上述した配合量で含まれる化粧料基材に、揮発性の炭化水素系溶剤を加え、これらを混合する方法が挙げられる。
【0060】
化粧料基材は、例えば、粉体成分を混合した第1の混合物を得るステップと、油性成分を混合した第2の混合物を得るステップと、第1の混合物及び第2の混合物を混合するステップとを備える方法により調製することができる。
【0061】
第1の混合物を得るステップは、例えば、スーパーミキサー又はヘンシェルミキサーなどを用いて行うことができ、必要に応じてアトマイザーなどを用いて粉砕が行われてもよい。
【0062】
第2の混合物を得るステップは、例えば、ディスパー、ホモミキサーなどを用いて行うことができ、60~80℃、好ましくは60~70℃で加熱しながら油性成分を混合することができる。
【0063】
第1の混合物及び第2の混合物を混合するステップは、例えば、スーパーミキサーやヘンシェルミキサーなどを用いて行うことができ、必要に応じてアトマイザーなどを用いて粉砕が行われてもよい。
【0064】
化粧料基材と揮発性の炭化水素系溶剤との混合は、例えば、ニーダー、万能撹拌機などを用いて混練する方法が挙げられる。また、必要に応じて、加熱しながら混合することができる。
【0065】
本実施形態のスラリーにおける化粧料基材と揮発性の炭化水素系溶剤との配合割合は、質量比で化粧料基材:揮発性の炭化水素系溶剤=100:10~100:80とすることができ、成形性の観点から、100:20~100:60が好ましい。
【0066】
本実施形態のスラリーには、本発明による効果が損なわれない範囲であれば、上述した揮発性の炭化水素系溶剤以外の分散媒を含有させてもよい。分散媒としては、水、イソプロピルアルコール、アセトン、エチルアルコール等の揮発性溶媒が挙げられる。
【0067】
(成形工程)
スラリーを圧縮成形する工程では、例えば、上記で得られたスラリーを必要に応じて脱泡し、所定の容器に充填した後、これを吸引圧縮成形等で圧縮成形した後、適宜乾燥機によって乾燥することができる。
【0068】
所定の容器としては、金皿、樹脂皿などの中皿などが挙げられる。
【0069】
上記の工程を経て、固形粉末化粧料が得られる。固形粉末化粧料は、上述した化粧料基材と同様の組成を有することができる。
【0070】
固形粉末化粧料は、ファンデーション、フェイスカラー、アイシャドウ、アイブロウ、チーク等のメイクアップ化粧料などとして好適である。
【実施例】
【0071】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。なお、表中の数値は、化粧料基材全量(揮発性溶剤以外の成分の合計)を基準とする含有量(質量%)を示す。揮発性溶剤については、化粧料基材全量(揮発性溶剤以外の成分の合計)100質量部に対する割合(質量部)を示す。
【0072】
実施例に先立ち、各実施例で採用した評価方法を説明する。
【0073】
(1)耐衝撃性
各固形粉末化粧料のサンプルを、内容物が上向きとなる向きで、50cmの高さからPタイル上に5回落下させた後の状態を目視にて観察し、下記評価基準に従って4段階評価を行いサンプル毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点(n=5)を以下の基準に従って判定した。
[評点:評価基準]
4点:変化無し
3点:若干浮き、欠け、割れが生じるが問題なし
2点:部分的に浮き、欠け、割れがある
1点:全体的に浮き、欠け、割れがある
[判定基準(評点の平均点)]
◎:3.5以上
○:3.0以上~3.5未満
△:2.0以上~3.0未満
×:2.0未満
【0074】
(2)色差
化粧用チップにて、化粧料表面を30回繰り返し擦り取り、使用部分の表面色と未使用部分の表面色との色差ΔE*を色彩色差計CR-400(コニカミノルタ製)を用いて測定し、以下の評価基準に従って判定した。
[評価基準]
◎:ΔE*<5.0
○:5.0≦ΔE*<7.0
△:7.0≦ΔE*<9.0
×:9.0≦ΔE*
【0075】
(3)彩度(透明感)又は発色の良さ、及び使用感
化粧品評価専門パネル20名に、実施例及び比較例の固形粉末化粧料を使用してもらい、「彩度(透明感)又は発色の良さ」、並びに使用感として「のびの良さ」及び「フィット感」について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価を行いサンプル毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の基準に従って判定した。
[評点:評価基準]
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
[判定基準(評点の平均点)]
◎:4以上
○:3以上~4未満
△:2以上~3未満
×:2未満
【0076】
(実施例1~9及び比較例1~5)
表1、2に示す組成のアイシャドウを以下の製法により調製し、上記の評価を行った。その結果を併せて表1、2に示す。
【0077】
<製法>
粉体成分をヘンシェルミキサーで混合し、ここに別途60~80℃で加温・混合した油性成分を加えて、ヘンシェルミキサーで撹拌して化粧料基材を調製した。ここに、表に示す揮発性溶剤を所定量加え、混練することでスラリー化した。このスラリーを、中皿(金皿)に充填し、吸引プレス及び乾燥することでアイシャドウのサンプルを作製した。
【0078】
【0079】
【0080】
表1、2中、各成分の詳細は下記のとおりである。
【0081】
[油性成分]
エステル油-1:「ハイルーセント ISDA」(高級アルコール工業(株)製、商品名、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー)、水酸基価:55、粘度:52000mPa・s
エステル油-2:「クロダモル CWS-S」(クローダジャパン(株)製、商品名、(水添ヒマシ油/セバシン酸)コポリマー)、水酸基価:59、粘度:57500mPa・s
エステル油-3:「コスモール168ARV」(日清オイリオグループ(株)製、商品名、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル)、水酸基価:90~110(カタログ値)、ペースト状(粘度測定不可)
エステル油-4:「Plandool-G」(日本精化(株)製、商品名、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、水酸基価:25以下(カタログ値)、ペースト状(粘度測定不可)
エステル油-5:「コスモール43N」(日清オイリオグループ(株)製、商品名、トリイソステリン酸ポリグリセリル-2)、水酸基価:30~50(カタログ値)、粘度:22500mPa・s
【0082】
[粉体成分]
アルミナ母体光輝性粉体:「Mirinae A-7001K Splendor Gold」(CQV Co.,Ltd.製、商品名、粒径15~19μm)
ガラス母体光輝性粉体:「Astral Effect Gold Shimmer」(クローダジャパン(株)製、粒径10~40μm)
マイカ母体光輝性粉体:「Timiron Super Gold」(メルク(株)製、粒径10~60μm)
黒酸化鉄被覆雲母チタン:「Colorona Mica Black」(メルク(株)製、粒径18~25μm)
着色顔料-1,-2,-3:ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、及び赤226を適当量含んで構成される
【0083】
[揮発性溶剤]
軽質流動パラフィン:「IPソルベント1620MU」(出光興産(株)製、商品名、沸点166℃)
【0084】
(エステル油の水酸基価の測定)
エステル油の水酸基価を、「基準油脂分析試験法」(日本油化学会制定)に準拠して測定した。
【0085】
(エステル油の粘度の測定)
エステル油の25℃における粘度をBH型粘度計(東機産業社製)を用いて測定した。測定は、エステル油の粘度が、10,000~100,000mPa・sの場合、BH型粘度計及びローター:No.6を用いて、回転数:10rpmで行い、100,000~350,000mPa・sの場合、BH型粘度計及びローター:No.7を用いて、回転数:10rpmの条件で行った。
【0086】
(エステル油と揮発性溶剤との相溶性)
表に示されるエステル油及び揮発性溶剤について、25℃で、スクリュー管に、エステル油0.5gと炭化水素系溶剤5gとを入れ、攪拌棒で混合し、15分間静置した後の状態を目視にて観察した。白濁又は分離が見られる場合を「不溶」、透明である場合を「相溶」として、表中に示す。
【0087】
表1~2に示されるように、実施例1~9で得られる固形粉末化粧料は、「耐衝撃性」、「色差」、「彩度(透明性)又は発色」、「使用感(のび、フィット感)」において、「○」又は「◎」の評価であった。
【0088】
(実施例10:チーク)
(成分) (配合割合(質量%))
1. 防腐剤 0.60
2. ステアリン酸Al 1.00
3. 硫酸Ba 3.00
4. アルミナ 5.00
5. 合成金雲母 20.00
6. タルク 30.00
7. マイカ 24.40
8. 着色顔料-2 0.95
9. アルミナ母体光輝性粉体 7.00
10.ジメチコン(6cs) 3.00
11.エステル油-1 5.00
12.酸化防止剤 0.05
13.軽質流動イソパラフィン 35.00
【0089】
上記成分の詳細は上述したものと同様である。
【0090】
<製法>
粉体成分をヘンシェルミキサーで混合し、ここに別途60~80℃で加温・混合した油性成分を加えて、ヘンシェルミキサーで撹拌して化粧料基材を調製した。ここに、表に示す揮発性溶剤を所定量加え、混練することでスラリー化した。このスラリーを、中皿(金皿)に充填し、吸引プレス及び乾燥することでチークのサンプルを作製した。
【0091】
<評価>
得られたチークのサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「耐衝撃性」が「◎」、「色差」が「◎」、「彩度(透明性)又は発色」が「◎」、「使用感(のび、フィット感)」が「○」の評価であることが確認された。
【0092】
(実施例11:ハイライト)
(成分) (配合割合(質量%))
1. 防腐剤 0.60
2. ステアリン酸Al 1.00
3. 硫酸Ba 3.00
4. アルミナ 5.00
5. 合成金雲母 20.00
6. タルク 10.00
7. マイカ 3.70
8. 着色顔料-3 0.70
9. アルミナ母体光輝性粉体 45.00
10.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5.00
11.水添ポリデセン 3.95
12.ジメチコン(5000cs) 2.00
13.エステル油-6 3.00
14.酸化防止剤 0.05
15.軽質流動イソパラフィン 35.00
【0093】
上記成分の詳細は、以下に示す成分以外はすでに上述したものと同様である。
エステル油-6:「リソカスタ DA-L」(高級アルコール工業(株)製、商品名、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油)、水酸基価:78、粘度:118000mPa・s
【0094】
エステル油-6と軽質流動イソパラフィンとの相溶性を、上記と同様に評価したところ、不溶であった。
【0095】
<製法>
粉体成分をヘンシェルミキサーで混合し、ここに別途60~80℃で加温・混合した油性成分を加えて、ヘンシェルミキサーで撹拌して化粧料基材を調製した。ここに、表に示す揮発性溶剤を所定量加え、混練することでスラリー化した。このスラリーを、中皿(金皿)に充填し、吸引プレス及び乾燥することでハイライトのサンプルを作製した。
【0096】
<評価>
得られたハイライトのサンプルについて、上記同様の評価を行ったところ、サンプルは、「耐衝撃性」が「○」、「色差」が「◎」、「彩度(透明性)又は発色」が「◎」、「使用感(のび、フィット感)」が「◎」の評価であることが確認された。