(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】持ち手カバー、及び、持ち手カバーを備える容器
(51)【国際特許分類】
B65D 25/28 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
B65D25/28 104
(21)【出願番号】P 2020089437
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】竹中 啓真
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-189277(JP,A)
【文献】実開平3-49924(JP,U)
【文献】登録実用新案第3010398(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁構成部と、前記底壁構成部の外周縁から上方に延出する側壁部とを具備する容器本体と、
前記側壁部に設けられた持ち手孔に対応して取付けられる持ち手カバーとを備える容器において、
前記持ち手カバーは、
前記持ち手孔を塞ぐ閉塞部と、
前記持ち手孔の内周に沿って設けられる胴部と、
前記容器を作業者が持ち運ぶ場合に当該容器の外面側から作業者の手が掛けられる手掛け部とを備え、
前記容器本体は、前記胴部のうち前記手掛け部に対して下方に離間して対向する下片部の下面と対向して当接、又は、近接する下片対応部を備え、
前記下片部には、当該下片部の外縁部の少なくとも一部を、前記下片対応部の外縁部よりも前記容器本体の内方側に位置させるようにして形成された切欠き形状部が設けられ
、
前記持ち手カバーは、メインパーツと、取付パーツとにより構成され、
前記メインパーツは、前記胴部と、前記手掛け部とを備え、
前記取付パーツは、前記胴部の内側に挿入され、前記胴部の内周面の上縁部と対向して当接、又は、近接する延出片を備え、
前記延出片には、当該延出片の外縁部のうち、前記手掛け部の横幅方向中央部に対応する範囲を、その両側方に位置する部位よりも前記容器本体の内方側に位置させるようにして形成された接触回避形状部が設けられていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記メインパーツは
、前記胴部から当該胴部の外周側に突出し、前記容器本体の内方側の面が、前記容器本体の外面に当接又は近接する外面側当接部を備え、
前記切欠き形状部は、前記下片部、及び、当該下片部に連接する前記外面側当接部にかけて設けられ、
前記手掛け部は、前記胴部の内周側に突出する手掛け突部を備え、
前記取付パーツは、前記閉塞部を備えるとともに、前記容器本体の内面に当接又は近接する内面側当接部を備え、
前記外面側当接部と、前記内面側当接部とで、前記側壁部を挟むことで前記持ち手カバーが前記容器本体に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記メインパーツと、前記取付パーツとを連結する係止手段を備え、
前記係止手段は、前記側壁部の厚み方向における前記メインパーツと前記取付パーツとの相対位置を調整可能な調整手段を備えていることを特徴とする請求項
1又は2に記載の容器。
【請求項4】
容器の持ち手孔に対応して取付けられる持ち手カバーにおいて、
前記容器に取付けられた場合に前記持ち手孔を塞ぐ閉塞部と、
前記容器に取付けられた場合に前記持ち手孔の内周に沿って設けられる胴部と、
前記容器に取付けられた状態において、当該容器を作業者が持ち運ぶ場合に当該容器の外面側から作業者の手が掛けられる手掛け部とを備え、
前記胴部のうち前記手掛け部に対して下方に離間して対向する下片部には、当該下片部の外縁部の少なくとも一部を前記容
器の内方側に位置させるようにして形成された切欠き形状部が設けられ
、
前記持ち手カバーは、メインパーツと、取付パーツとにより構成され、
前記メインパーツは、前記胴部と、前記手掛け部とを備え、
前記取付パーツは、前記胴部の内側に挿入され、前記胴部の内周面の上縁部と対向して当接、又は、近接する延出片を備え、
前記延出片には、当該延出片の外縁部のうち、前記手掛け部の横幅方向中央部に対応する範囲を、その両側方に位置する部位よりも前記容器の内方側に位置させるようにして形成された接触回避形状部が設けられていることを特徴とする持ち手カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の持ち手孔に対応して取付けられる持ち手カバー、及び、持ち手カバーを備える容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、容器に設けられた持ち手孔に対応して、当該持ち手孔を介して塵や異物が容器の内側に進入することを防止する持ち手カバーを取付けることが知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、持ち手孔に対応して持ち手カバーを取付けることにより、持ち手孔のうち作業者が指先を挿入させることのできる領域の上下幅が狭くなってしまう。このため、容器を持ち運ぶ際に、容器に指先を掛ける動作が行い難くなってしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、容器を持ち運ぶ際の作業性の向上を図ることのできる持ち手カバー、及び、持ち手カバーを備える容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.底壁構成部と、前記底壁構成部の外周縁から上方に延出する側壁部とを具備する容器本体と、
前記側壁部に設けられた持ち手孔に対応して取付けられる持ち手カバーとを備える容器において、
前記持ち手カバーは、
前記持ち手孔を塞ぐ閉塞部と、
前記持ち手孔の内周に沿って設けられる胴部と、
前記容器を作業者が持ち運ぶ場合に当該容器の外面側から作業者の手が掛けられる手掛け部とを備え、
前記容器本体は、前記胴部のうち前記手掛け部に対して下方に離間して対向する下片部の下面と対向して当接、又は、近接する下片対応部を備え、
前記下片部には、当該下片部の外縁部の少なくとも一部を、前記下片対応部の外縁部よりも前記容器本体の内方側に位置させるようにして形成された切欠き形状部が設けられ、
前記持ち手カバーは、メインパーツと、取付パーツとにより構成され、
前記メインパーツは、前記胴部と、前記手掛け部とを備え、
前記取付パーツは、前記胴部の内側に挿入され、前記胴部の内周面の上縁部と対向して当接、又は、近接する延出片を備え、
前記延出片には、当該延出片の外縁部のうち、前記手掛け部の横幅方向中央部に対応する範囲を、その両側方に位置する部位よりも前記容器本体の内方側に位置させるようにして形成された接触回避形状部が設けられていることを特徴とする容器。
【0008】
手段1によれば、下片部に切欠き形状部が設けられることにより、下片部の上面に対して上下に離間して対向する手掛け部に対し指先を掛ける動作に際して、指先が下片部に接触することを抑制することができる。従って、持ち手カバーが取付けられた容器を持ち運ぶ際に、手掛け部に指先を掛ける動作を行い易くすることができ、結果として、容器を持ち運ぶ際の作業性の向上を図ることができる。また、手掛け部を容器本体の外方側に比較的大きく突出させなくても、下片部に切欠き形状部が設けられることにより、下片部の少なくとも一部を手掛け部に対して相対的に容器本体の内方側に短くすることができる。従って、例えば、手掛け部が容器本体の外方側に比較的大きく突出することに起因して、手掛け部の外縁部が別の物体に接触し易くなったり、容器の保管等に際してのスペース効率の低下を招いたりすることを抑止することができる。
【0009】
また、持ち手カバーは、容器本体の下辺対応部の上面に対向して当接、又は、近接する下片部を備えることにより、持ち手カバーの強度及び剛性を高めるとともに、持ち手カバーの容器本体への取付状態の安定化等を図ることができる。
【0010】
尚、「前記容器本体は、前記持ち手孔の周縁部から外方側に延出する持ち手リブを備え、前記持ち手リブは、前記持ち手孔の下縁部から外方側に延出する下片対応部を備え」ることとしてもよい。つまり、持ち手リブを設けることにより、持ち手孔の周縁部の強度及び剛性を高めることができる。さらに、持ち手カバーにおいては、持ち手リブの内周に沿うようにして胴部を設けることにより、持ち手カバーの強度及び剛性を高めるとともに、持ち手カバーの側壁部への取付状態の安定化等を図ることができる。
【0011】
また、「切欠き形状部」は、「前記下片部の外縁部のうち少なくとも前記手掛け部の横幅方向中央部に対応する範囲を、前記下片対応部の外縁部よりも前記容器本体の内方側に位置させるようにして形成されていること」としてもよい。この場合、切欠き形状部を設けることによって、手掛け部に指先を掛ける動作に際して下片部に対し指先が接触することを抑制するといった作用効果がより確実に奏される。
さらに、延出片により手掛け部の下面側が覆われてしまうことを抑止することができる。すなわち、持ち手カバーのうち作業者が指先を挿入させることのできる領域であって、手掛け部に対応する範囲の上下幅が狭くなってしまうといった事態を回避することができる。従って、手掛け部に指先を掛ける動作を行い易くするといった作用効果がより確実に奏される。
【0012】
手段2.前記メインパーツは、前記胴部から当該胴部の外周側に突出し、前記容器本体の内方側の面が、前記容器本体の外面に当接又は近接する外面側当接部を備え、
前記切欠き形状部は、前記下片部、及び、当該下片部に連接する前記外面側当接部にかけて設けられ、
前記手掛け部は、前記胴部の内周側に突出する手掛け突部を備え、
前記取付パーツは、前記閉塞部を備えるとともに、前記容器本体の内面に当接又は近接する内面側当接部を備え、
前記外面側当接部と、前記内面側当接部とで、前記側壁部を挟むことで前記持ち手カバーが前記容器本体に取付けられていることを特徴とする手段1に記載の容器。
【0013】
手段2によれば、持ち手カバーがメインパーツと取付パーツとにより構成され、メインパーツと取付パーツとで側壁部を挟み込むようにして持ち手カバーが容器本体に取付けられているため、持ち手カバーの取付状態の安定化を図ることができる。また、手掛け突部が設けられることにより、手掛け部(の下面)に掛けた指先が容器本体の外方側に滑ってしまうといった事態を抑止することができる。従って、容器の持ち易さを向上させることができる。
【0014】
手段3.前記メインパーツと、前記取付パーツとを連結する係止手段を備え、
前記係止手段は、前記側壁部の厚み方向における前記メインパーツと前記取付パーツとの相対位置を調整可能な調整手段を備えていることを特徴とする手段1又は2に記載の容器。
【0017】
手段3によれば、側壁部の厚みが異なる等の複数種類の容器に持ち手カバーを取付け可能とすることができる。
【0018】
手段4.容器の持ち手孔に対応して取付けられる持ち手カバーにおいて、
前記容器に取付けられた場合に前記持ち手孔を塞ぐ閉塞部と、
前記容器に取付けられた場合に前記持ち手孔の内周に沿って設けられる胴部と、
前記容器に取付けられた状態において、当該容器を作業者が持ち運ぶ場合に当該容器の外面側から作業者の手が掛けられる手掛け部とを備え、
前記胴部のうち前記手掛け部に対して下方に離間して対向する下片部には、当該下片部の外縁部の少なくとも一部を前記容器の内方側に位置させるようにして形成された切欠き形状部が設けられ、
前記持ち手カバーは、メインパーツと、取付パーツとにより構成され、
前記メインパーツは、前記胴部と、前記手掛け部とを備え、
前記取付パーツは、前記胴部の内側に挿入され、前記胴部の内周面の上縁部と対向して当接、又は、近接する延出片を備え、
前記延出片には、当該延出片の外縁部のうち、前記手掛け部の横幅方向中央部に対応する範囲を、その両側方に位置する部位よりも前記容器の内方側に位置させるようにして形成された接触回避形状部が設けられていることを特徴とする持ち手カバー。
【0019】
手段4によれば、下片部に切欠き形状部が設けられることにより、下片部の上面に対して上下に離間して対向する手掛け部に対し指先を掛ける動作に際して、指先が下片部に接触することを抑制することができる。従って、持ち手カバーが取付けられた容器を持ち運ぶ際に、手掛け部に指先を掛ける動作を行い易くすることができ、結果として、容器を持ち運ぶ際の作業性の向上を図ることができる。また、手掛け部を容器の外方側に比較的大きく突出させなくても、下片部に切欠き形状部が設けられることにより、下片部の少なくとも一部を手掛け部に対して相対的に容器の内方側に短くすることができる。従って、例えば、手掛け部が容器の外方側に比較的大きく突出することに起因して、手掛け部の外縁部が別の物体に接触し易くなったり、容器の保管等に際してのスペース効率の低下を招いたりすることを抑止することができる。
また、延出片により手掛け部の下面側が覆われてしまうことを抑止することができる。すなわち、持ち手カバーのうち作業者が指先を挿入させることのできる領域であって、手掛け部に対応する範囲の上下幅が狭くなってしまうといった事態を回避することができる。従って、手掛け部に指先を掛ける動作を行い易くするといった作用効果がより確実に奏される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】持ち手カバーのメインパーツの外面側を示す斜視図である。
【
図5】持ち手カバーの取付パーツの外面側を示す斜視図である。
【
図7】容器本体に取付けられた持ち手カバーを示す部分拡大斜視図である。
【
図9】容器本体に取付けられた持ち手カバー(切欠き形状部に対応する部位)を示す部分拡大断面図である。
【
図10】容器本体に取付けられた持ち手カバー(第1係止突部に対応する部位)を示す部分拡大断面図である。
【
図11】容器本体に取付けられた持ち手カバー(第2係止突部に対応する部位)を示す部分拡大断面図である。
【
図12】別の実施形態における持ち手カバーを示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1、
図7、
図8に示すように、容器1は、上方に開口する箱型の容器本体2と、容器本体2に取付けられる持ち手カバー3とを備えている。
図1に示すように、容器本体2は、平面視略矩形状の底壁構成部5と、底壁構成部5の各長側辺部から上方に延出する長辺側側壁部6と、底壁構成部5の各短側辺部から上方に延出する短辺側側壁部7と、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の上辺部から外方に延出する上フランジ部8と、底壁構成部5の外周縁(又は、その近傍、例えば、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の下辺部)から外方に延出する下フランジ部9と、上下方向に延在し、上フランジ部8と、下フランジ部9との間を連結する複数の縦リブ10とを備えている。長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、上方に向けて容器本体2の外方側に若干傾斜している。その一方で、上フランジ部8、下フランジ部9、及び、縦リブ10の外側縁部は、略鉛直方向に延在する同一の仮想平面上に位置するように構成され、当該上フランジ部8、下フランジ部9、及び、縦リブ10の外側縁部により容器本体2の外面(容器本体2を略平坦な壁等に当接させた場合に当該壁等に当接し得る部位)が構成されている。尚、本実施形態の容器本体2は、ポリプロピレンにより一体的に形成されている。
【0022】
また、各短辺側側壁部7には、短辺側側壁部7の横幅方向中央部の上辺部側の位置において、短辺側側壁部7を貫通する左右に長い略矩形状の持ち手孔12が設けられている。さらに、各長辺側側壁部6にも、長辺側側壁部6の横幅方向中央部を中心とする線対称位置において、長辺側側壁部6を貫通する持ち手孔12が設けられている。本実施形態では、持ち手カバー3が、各短辺側側壁部7の持ち手孔12に対応して取付けられることとする。尚、本実施形態の持ち手カバー3を取付ける対象とされる持ち手孔12は、必要に応じて、適宜、変更可能であり、例えば、各長辺側側壁部6の持ち手孔12のうち、容器1を平面視した場合の線対称位置ではなく、回転対称位置に配置された一対の持ち手孔12に対応して持ち手カバー3を取付けることとしてもよい。また、持ち手孔12を介して容器1の内側への埃等の進入を防止するといった観点からすると、全ての持ち手孔12に対して、本実施形態の持ち手カバー3を取付けること、或いは、別の持ち手カバーを併用して取付けることが望ましい。
【0023】
持ち手孔12は、上フランジ部8から下方に離間している。さらに、短辺側側壁部7、及び、長辺側側壁部6の外面側には、持ち手孔12を囲うようにして、持ち手孔12の周縁部から容器本体2の外方側に延出する矩形枠状の持ち手リブ13が設けられている。すなわち、持ち手リブ13は、持ち手孔12の上縁部から外方に延出する上縁リブ13aと、持ち手孔12の下縁部から外方に延出する下縁リブ13bと、持ち手孔12の側縁部から外方に延出し、上縁リブ13aと下縁リブ13bとの間を連結する側縁リブ13cとを備えている。
【0024】
加えて、上縁リブ13aの横幅方向両側部と、上フランジ部8との間を連結する補強リブ14が設けられている。補強リブ14は略鉛直方向に延びている。また、持ち手リブ13、及び、補強リブ14の外側端縁についても、上フランジ部8、下フランジ部9、及び、縦リブ10の外側縁部とともに、鉛直方向に延在する同一の仮想平面上に位置するように構成され、持ち手リブ13、及び、補強リブ14の外側縁部についても、容器本体2の外面を構成する。
【0025】
さて、
図2、
図5、
図8、
図9等に示すように、本実施形態の持ち手カバー3は、メインパーツ21と、取付パーツ22とにより構成され、容器1の持ち手孔12に対応して、メインパーツ21が容器本体2の外面側となり、取付パーツ22が容器本体2の内面側となるように取付けられる。メインパーツ21、及び、取付パーツ22は、それぞれポリプロピレンによって一体的に形成されている。
【0026】
図2~
図4、
図9等に示すように、メインパーツ21は、持ち手孔12、及び、持ち手リブ13の内周に沿って設けられる略四角筒状の胴部24と、胴部24のうち容器本体2の外方側の縁部から当該胴部24の外周側に延出する外面側当接部25とを備えている。胴部24は、持ち手孔12の上縁部、及び、持ち手リブ13の上縁リブ13aの下面と対向して当接、又は、近接する上片部24aと、持ち手孔12の下縁部、及び、持ち手リブ13の下縁リブ13bの上面と対向して当接、又は、近接する下片部24b(
図10等参照)と、持ち手孔12の側縁部、及び、持ち手リブ13の側縁リブ13cの内面と対向して当接、又は、近接する側片部24cとを備えている。
図9、
図10等に示すように、外面側当接部25は、その容器本体2の内方側の面が、持ち手リブ13の外縁部に対して当接又は近接するようになっている。本実施形態では、胴部24の外周面の全体が、持ち手リブ13の内周面に対して略当接し、外面側当接部25が持ち手リブ13の外縁部と略当接するようになっている。
【0027】
また、持ち手カバー3が取付けられた容器1を作業者が持ち運ぶ場合には、胴部24の上片部24aの下面に対し容器1の外面側から作業者の手が掛けられるようになっている。以下、当該作業者の手が掛けられる上片部24aの下面側部分を手掛け部26(
図4、
図9参照)と称する。
【0028】
さらに、
図2等に示すように、メインパーツ21は、外面側当接部25(外面側当接部25のうち上片部24aから上方に延出する部位)の上縁部から容器本体2の内方側に延出する上側折返し部27を備えている。
図10等に示すように、上側折返し部27と、胴部24(上片部24a)の上面との間には隙間が形成されており、持ち手カバー3の取付状態において、上側折返し部27と、胴部24の上面との間に持ち手リブ13の上縁リブ13aが挿入されるようになっている。
【0029】
加えて、上側折返し部27は、上側折返し部27のうち外面側当接部25と連結される端部を含む部位であって、基本的に、胴部24の上面とほぼ平行して延在する一般部27aと、上側折返し部27のうち先端縁を含む部位であって、一般部27aの先端縁から、容器本体2の内方側に向けて、胴部24から遠ざかる上方に傾斜して延びる傾斜部27bとを備えている。
【0030】
また、
図2等に示すように、上側折返し部27には、傾斜部27bから一般部27aにかけて、上側折返し部27の先端縁を容器本体2の外方側に位置させる切込み部28が設けられている。これにより、例えば、上縁リブ13aの横幅方向中央部と、上フランジ部8との間を連結する補強リブが設けられる容器本体に対し、当該補強リブを切込み部28に相対的に挿入させるようにして、持ち手カバー3を取付けることが可能に構成されている。切込み部28の幅は、傾斜部27bの先端部側に向けて次第に広くなるように構成されている。
【0031】
さらに、
図3、
図4、
図10等に示すように、メインパーツ21は、外面側当接部25(外面側当接部25のうち下片部24bから下方に延出する部位)の下縁部から容器本体2の内方側に延出する下側折返し部29を備えている。下側折返し部29と、胴部24(下片部24b)の下面との間には隙間が形成されており、持ち手カバー3の取付状態において、下側折返し部29と、胴部24の下面との間に持ち手リブ13の下縁リブ13bが挿入されるようになっている。尚、下側折返し部29についても、外面側当接部25と連結され、胴部24の下面と略平行して延在する一般部29aと、下側折返し部29のうち先端縁を含む部位であって、一般部29aの先端縁から、容器本体2の内方側に向けて、胴部24から遠ざかる下方に傾斜して延びる傾斜部29bとを備えている。
【0032】
また、
図2、
図7~
図9に示すように、下片部24bには、当該下片部24bの外縁部のうち少なくとも手掛け部26の横幅方向中央部に対応する範囲を、容器本体2の持ち手リブ13の下縁リブ13bの外縁部よりも容器本体2の内方側に位置させるようにして形成された切欠き形状部31が設けられている。切欠き形状部31は、下片部24bと、当該下片部24bに連接する外面側当接部25と、当該外面側当接部25に連接する下側折返し部29とにかけて設けられている。つまり、外面側当接部25、及び、下側折返し部29のうち、切欠き形状部31に対応する部位が省略された形状となっている。さらに、本実施形態の下片部24bは、切欠き形状部31の両側方に残存するだけでなく、切欠き形状部31よりも容器本体2の内方側にも残存する形状となっており、切欠き形状部31に対応する部位の容器本体2の外方側の端縁は、容器本体2の外方側に向けて下方傾斜している。尚、本実施形態では、持ち手孔12の下縁部、及び、下縁リブ13bの上面が、下片対応部に相当する。
【0033】
また、
図4、
図9等に示すように、手掛け部26は、胴部24の上片部24aの下面のうち容器本体2の外方側の端縁から胴部24の内周側(下方)に突出する手掛け突部32を備えている。手掛け突部32は、メインパーツ21の横幅方向に延在し、両端部は胴部24の側片部24cに連結されている。加えて、手掛け突部32の先端縁(下縁)は、断面の外形状が略円弧状をなしている。
【0034】
さらに、
図4、
図10に示すように、上片部24aには、容器本体2の内方側の端縁よりも容器本体2の外方側、かつ、上片部24aの両側部付近の位置において、上片部24aを上下に貫通する第1係止孔33が設けられている。尚、本実施形態では、各第1係止孔33は、外面側当接部25よりも容器本体2の内方側に設けられ、上片部24aのうち第1係止孔33よりも容器本体2の外方側の部位は、上片部24aのその他の部位よりも一段低くなるように構成され(
図3等参照)、さらに、外面側当接部25のうち当該段差部分に対応する部位には開口部が設けられている。
【0035】
加えて、
図3等に示すように、メインパーツ21は、胴部24のうち容器本体2の内方側の開口部の下側半分を閉塞する(左右一対の側片部24cの容器本体2の内方側の端縁の下半分と、下片部24bの容器本体2の内方側の端縁との間を連結する)衝立部34を備えている。衝立部34には、当該衝立部34の両側部の近傍部位においてそれぞれ衝立部34を貫通する円形状の第2係止孔35が設けられている。
【0036】
図5、
図6、
図9等に示すように、取付パーツ22は、容器本体2に取付けられた状態において持ち手孔12を塞ぐ略矩形板状の閉塞部41と、容器本体2に取付けられた状態において持ち手孔12の周縁部の短辺側側壁部7の内面に略当接する四角枠状の内面側当接部42とを備えている。尚、本実施形態では、閉塞部41と、内面側当接部42とが連続して設けられており(表面及び裏面がそれぞれ面一とされており)、一枚の板状に構成されている。
【0037】
また、
図5に示すように、取付パーツ22は、閉塞部41の上縁部から容器本体2の外方側に延出する延出片43を備えている。
図8~
図11に示すように、延出片43は、胴部24の内側に挿入され、胴部24の内周面の上縁部(上片部24aの下面)と対向して当接、又は、近接する(本例では略当接する)とともに、手掛け突部32に対し容器本体2の内方側に配置される。さらに、
図5、
図8、
図9に示すように、延出片43には、当該延出片43の外縁部のうち、手掛け部26の横幅方向中央部に対応する範囲を、その両側方に位置する部位よりも容器本体2の内方側に位置させるようにして形成された接触回避形状部44が設けられている。これにより、上片部24aの下面側、つまり、手掛け部26のうち、下方(胴部24の内方側)に露出する範囲がより広く確保されるようになっている。
【0038】
加えて、
図5等に示すように、延出片43の上面のうち接触回避形状部44の両側方の部位には、上方に突出する断面略三角形状の第1係止突部45が設けられている。第1係止突部45のうち容器本体2の内方側の面は略鉛直方向に延在している。
【0039】
さらに、閉塞部41の外面のうち両側部近傍、かつ、上下方向中間位置から外方に突出する略円柱状の第2係止突部46が設けられている。第2係止突部46は、閉塞部41に連接し、径が一定の付け根部46aと、付け根部46aから容器本体2の外方側に向けて徐々に拡径する拡径部46bとを備えている。
【0040】
そして、
図7等に示すように、メインパーツ21の胴部24を容器本体2の持ち手リブ13の内側に挿入し、
図10等に示すように、取付パーツ22の延出片43を持ち手孔12を介して胴部24の内側に挿入し、第1係止突部45を第1係止孔33(第1係止孔33の内周面のうち容器本体2の内方側の縁部)に係止させるとともに、
図11に示すように、第2係止突部46を第2係止孔35に挿入して(衝立部34の外面側に)係止させることで、持ち手カバー3が容器本体2に取付けられている。また、持ち手カバー3の取付状態では、持ち手リブ13の外縁部が、外面側当接部25と略当接するとともに、内面側当接部42が、短辺側側壁部7と略当接し、外面側当接部25と、内面側当接部42とで、短辺側側壁部7を挟み込む格好となっている。
【0041】
尚、本実施形態では、
図10等に示すように、第1係止突部45が第1係止孔33に係止された状態では、延出片43が変形なく延在するとともに、第2係止突部46の付け根部46aが、第2係止孔35を貫通した状態となっている。その一方で、本実施形態よりも持ち手リブ13の延出長が若干長い容器本体2に持ち手カバー3を取付ける場合(例えば、
図12のように、衝立部34と、閉塞部41とが容器本体2の内外方向において離間するような場合)には、第1係止突部45が第1係止孔33に係止せず、第1係止突部45が上片部24aの下面に圧接する、或いは、
図12に示すように、第2係止突部46のうち先端側に向けて漸次拡径する拡径部46bが第2係止孔35を貫通した状態とされて、第2係止突部46における係止位置が
図11に示す係止位置よりも容器本体2の外方側で第2係止孔35に係止される(衝立部34の外面側に係止されるとともに、第2係止孔35の内周面に圧接される)ことから、メインパーツ21と、取付パーツ22との連結状態を維持することができる。
【0042】
尚、本実施形態では、第1係止孔33、第2係止孔35、第1係止突部45、及び、第2係止突部46が係止手段を構成する。また、持ち手カバー3が取付けられる短辺側側壁部7の厚み方向において突出する(第2係止孔35との係止位置を適宜変更可能な)第2係止突部46、及び、第2係止孔35が調整手段を構成する。
【0043】
また、
図1、
図9等に示すように、本実施形態では、長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7のうち、取付パーツ22を取付可能とする範囲が、内面側当接部42の厚みと同程度だけ容器本体2の外方側に変位した段差形状をなしている。これにより、持ち手カバー3の取付状態において、持ち手カバー3が取付けられた長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7の内面よりも持ち手カバー3(取付パーツ22の内面側当接部42等)が容器本体2の内方側に突出することを回避している。特に、当該段差形状は下方に向けて容器本体2の外方側に若干傾斜しており、取付パーツ22の下端部は容器本体2の外方側に位置することとなる(本実施形態では、側壁部6、7が上方に向けて容器本体2の外方側に若干傾斜しているので、取付パーツ22(持ち手カバー3)は底壁構成部5に対しては略垂直に取付けられている)。これにより、容器1に収容された物品を取出す際に、物品が持ち手カバー3に引っ掛かることを防止している。
【0044】
以上詳述したように、本実施形態によれば、容器本体2に持ち手カバー3を取付けることで、持ち手孔12が塞がれる一方で、持ち手リブ13、及び、持ち手孔12の内側に作業者の指先を挿入可能な空間の上下幅が短くされることとなる。このため、持ち手カバー3が取付けられた容器1を持ち運ぶべく、作業者が指先を手掛け部26に掛ける際に、指先が直接胴部24の内側に挿入される場合だけでなく、指先が胴部24の下方に位置する部位に触れてから当該部位を摺接させて胴部24の内側に挿入される場合も増えることが考えられる。
【0045】
この点、持ち手カバー3の胴部24の下片部24bに切欠き形状部31が設けられることにより、上片部24aの下面側により構成される手掛け部26に対し指先を掛ける動作に際して、指先が下片部24bに接触することを抑制することができる。従って、持ち手カバー3が取付けられた容器1を持ち運ぶ際に、手掛け部26に指先を掛ける動作を行い易くすることができ、結果として、容器1を持ち運ぶ際の作業性の向上を図ることができる。また、手掛け部26を容器本体2の外方側に比較的大きく突出させなくても、下片部24bに切欠き形状部31が設けられることにより、下片部24bの横幅方向中央部を含む範囲を手掛け部26に対して相対的に容器本体2の内方側に短くすることができる。従って、例えば、手掛け部26が容器本体2の外方側に比較的大きく突出することに起因して、手掛け部26の外縁部が別の物体に接触し易くなったり、容器1の保管等に際してのスペース効率の低下を招いたりすることを抑止することができる。
【0046】
さらに、下片部24bのうち、切欠き形状部31に対応する部位の容器本体2の外方側の端縁は、容器本体2の外方側に向けて下方傾斜している。このため、手掛け部26に指先を掛けるべく、胴部24の内側に指先を挿入させる際に、該指先が下片部24bのうち切欠き形状部31に対応する部位の外縁部に接触することを抑制しつつ、接触した場合にも、指先がかかる外端縁に引っ掛かるといった事態を防止することができる。結果として、指先を手掛け部26に掛ける動作を行い易くするといった作用効果がより一層奏される。
【0047】
また、持ち手カバー3は、容器本体2の持ち手孔12の下縁部、及び、持ち手リブ13の下縁リブ13bの上面に対向して当接、又は、近接する下片部24b(ひいては、持ち手リブ13の内周面に略当接する胴部24)を備えることにより、持ち手カバー3の強度及び剛性を高めるとともに、持ち手カバー3の容器本体2への取付状態の安定化等を図ることができる。尚、容器本体2に持ち手リブ13を設けることにより、持ち手孔12の周縁部の強度及び剛性を高めることができる。
【0048】
さらに、持ち手カバー3は、メインパーツ21と取付パーツ22とにより構成され、メインパーツ21と取付パーツ22とで短辺側側壁部7を挟み込むようにして持ち手カバー3が容器本体2に取付けられている。このため、持ち手カバー3の取付状態の安定化を図ることができる。また、手掛け突部32が設けられることにより、手掛け部26(の下面)に掛けた指先が容器本体2の外方側に滑ってしまうといった事態を抑止することができる。従って、容器1の持ち易さを向上させることができる。
【0049】
加えて、取付パーツ22のうち、胴部24の内側に挿入され、胴部24の上片部24aの下面と対向して当接、又は、近接する延出片43には、当該延出片43の外縁部のうち、手掛け部26の横幅方向中央部に対応する範囲を、その両側方に位置する部位よりも容器本体2の内方側に位置させるようにして形成された接触回避形状部44が設けられている。このため、延出片43により手掛け部26の下面側が覆われてしまうことを抑止することができる。すなわち、持ち手カバー3のうち作業者が指先を挿入させることのできる領域であって、手掛け部26に対応する範囲の上下幅が狭くなってしまうといった事態を回避することができる。従って、手掛け部26に指先を掛ける動作を行い易くするといった作用効果がより確実に奏される。特に、手掛け突部32が設けられる構成においては、かかる作用効果がより顕著に奏される。
【0050】
また、メインパーツ21と、取付パーツ22とを連結する構成として、第1係止突部45、及び、第1係止孔33だけでなく、第2係止突部46、及び、第2係止孔35が設けられている。つまり、第1係止突部45と、第1係止孔33とを係止状態とすることでメインパーツ21と、取付パーツ22とを連結することが可能であるが、持ち手リブ13の突出長が若干長い容器本体2に持ち手カバー3を取付ける場合に、第1係止突部45と第1係止孔33とを係止状態とすることができなくても、第2係止突部46と第2係止孔35とを係止状態とすることができる。従って、短辺側側壁部7の厚みが異なる等の複数種類の容器1に持ち手カバー3を取付け可能とすることができる。
【0051】
また、上側折返し部27、及び、下側折返し部29の先端縁側は、容器本体2の内方側、かつ、胴部24から離間する側に傾斜する傾斜部27bとされている。このため、持ち手カバー3を容器本体2に取付ける際に、上側折返し部27、及び、下側折返し部29と、胴部24との間に容器本体2の持ち手リブ13(上縁リブ13a、及び、下縁リブ13b)を挿入させ易くなり、取付作業性の向上等を図ることができる。
【0052】
尚、上側折返し部27の横幅方向中央部には切込み部28が設けられており、上縁リブ13aの横幅方向中央部と、上フランジ部8との間を連結するようにして補強リブ14が設けられた容器本体2に対しても持ち手カバー3を取付け可能とすることができる。また、切込み部28により上側折返し部27が分割されることで、分割された上側折返し部27の各々が適宜変形等し易くなり、持ち手カバー3を容器本体2に取付ける際の作業性の向上を図ることができる。
【0053】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0054】
(a)上記実施形態では、持ち手カバー3がメインパーツ21と取付パーツ22とにより構成されているが、メインパーツ21を単体で容器本体2に取付可能な場合、例えば、
図12に示すように、上側折返し部27と、下側折返し部29とによって持ち手リブ13を挟持するような場合、或いは、胴部24が持ち手リブ13に圧入されるような場合には、取付パーツ22を省略することも可能である。尚、取付パーツ22を省略する構成を採用する場合にはメインパーツ21において持ち手孔12を略閉塞する(例えば、衝立部34を胴部24の上片部24aにまで延設するとともに、持ち手リブ13の上縁リブ13a、及び、下縁リブ13bと、胴部24との間に隙間が形成される場合には、該隙間を外面側当接部25で閉塞する)こととする。但し、持ち手カバー3において、メインパーツ21だけでなく、取付パーツ22を備えることで、メインパーツ21だけでは容器本体2に取付けられない容器本体2に対しても(形状や大きさが異なる複数種類の容器本体2に対して)、持ち手カバー3を取付けることができる。
【0055】
(b)上記実施形態では、胴部24の外周面の全体が持ち手リブ13の内周面に略当接するように構成されているが、
図12に示すように、胴部24と持ち手リブ13との間に隙間が設定されるように構成してもよい。また、胴部24の外周面の上面及び下面が、持ち手リブ13の内周面の上縁部及び下縁部に略当接するとともに、上側折返し部27の下面、及び、下側折返し部29の上面と、持ち手リブ13の外周面の上面、及び、下面とが略当接するように構成してもよい。さらに、上記実施形態では、メインパーツ21に外面側当接部25、上側折返し部27、及び、下側折返し部29が設けられているが、省略することも可能である。加えて、上記実施形態において、手掛け突部32の断面形状や大きさ等は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、手掛け突部32の断面形状を略三角形状、略四角形状としてもよいし、手掛け突部32の表面に凹凸を設けることとしてもよいし、容器本体2の内外方向において異なる位置に複数本設けることとしてもよい。尚、手掛け突部32を省略することも可能である。
【0056】
また、胴部24は筒状に限定されるものではなく、例えば、側片部24cが上下に分断されるような形状に構成されてもよい。さらに、切欠き形状部31の形成範囲についても特に限定されるものでないが、手掛け部26の横幅方向中央部に対応する部位を含む範囲に形成されることが望ましい。また、胴部24の強度の向上、ひいては、持ち手カバー3の取付状態の安定化等を図るべく、切欠き形状部31よりも容器本体2の内方側に下片部24bが残存したり、切欠き形状部31の両側方に下片部24bが残存したりすることが望ましい。尚、胴部24の側片部24cの一部(例えば、衝立部34と連接していない範囲、或いは、外面側当接部25と連接する範囲)、又は、全部を省略することも可能である。
【0057】
(c)上記実施形態において、メインパーツ21と、取付パーツ22とを連結するための構成については特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、第1係止突部45(第1係止孔33)及び第2係止突部46(第2係止孔35)のうち一方を省略することとしてもよいし、第1係止突部45(第1係止孔33)を胴部24の側片部24cに対応して設けることとしてもよい。
【0058】
(d)上記実施形態では、持ち手孔12の周縁部から外方に突出する持ち手リブ13が設けられているが、持ち手リブ13が省略されたような形状の容器本体(例えば、側壁部6、7が比較的厚肉に構成された容器本体)に持ち手カバー3を取付けることも可能である。この場合、持ち手孔12の下縁部が下片対応部に相当する。また、上記実施形態では、持ち手孔12が各短辺側側壁部7の中央部に1箇所ずつ設けられ、各長辺側側壁部6に2箇所ずつ設けられているが、短辺側側壁部7、及び、長辺側側壁部6のうちどちらかにのみ設けられるように構成してもよい。尚、上記実施形態では、容器本体2の内外方向において、上片部24aの外縁部と、下片部24bの外縁部とが同じ位置とされているが、異なるように構成してもよい。
【0059】
さらに、持ち手孔12の形状、形成位置、数等は特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜変更可能である。ここで、持ち手孔の形状は同じであって向きが異なるような(例えば、上記実施形態の持ち手孔12を90度回転させたような形状の持ち手孔を有する)パレットや容器に対しては、共通の持ち手カバー3を取付けること(例えば、上記実施形態の持ち手カバー3を90度回転させたような格好で取付けること)が可能である。
【0060】
(e)上記実施形態では、持ち手カバー3がポリプロピレンにより構成されているが、特に当該構成に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。さらに、持ち手カバー3が取付けられる容器本体2の構成や素材等は特に限定されるものではなく、例えば、平板状をなす一対の表面材と、一対の表面材の間に空間部を形成するようにして、一対の表面材の間を連結する芯材とを備える中空構造板で構成された容器や、折畳み式の容器等に持ち手カバー3を取付けることも可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…容器、2…容器本体、3…持ち手カバー、5…底壁構成部、6…長辺側側壁部、7…短辺側側壁部、12…持ち手孔、13…持ち手リブ、13b…下縁リブ、21…メインパーツ、22…取付パーツ、24…胴部、24b…下片部、25…外面側当接部、26…手掛け部、28…切込み部、31…切欠き形状部、33…第1係止孔、35…第2係止孔、41…閉塞部、42…内面側当接部、43…延出片、44…接触回避形状部、45…第1係止突部、46…第2係止突部、46a…付け根部、46b…拡径部。