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特許7382070液体クロマトグラフィー用モジュール内の統合されたカラム及び検出器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】液体クロマトグラフィー用モジュール内の統合されたカラム及び検出器
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/60 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
G01N30/60 P
G01N30/60 Q
G01N30/60 B
G01N30/60 K
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020544798
(86)(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019019690
(87)【国際公開番号】W WO2019165477
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】62/635,418
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592087647
【氏名又は名称】ブリガム・ヤング・ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】BRIGHAM YOUNG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】シェ、シャオフェン
(72)【発明者】
【氏名】トリー、ルーク、ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ファーンズワース、ポール、ビー.
(72)【発明者】
【氏名】トリー、エイチ.、デニス
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミルトン、エル.
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0155033(US,A1)
【文献】特表2012-523004(JP,A)
【文献】特表平08-502825(JP,A)
【文献】米国特許第04057998(US,A)
【文献】米国特許第05340543(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0231296(US,A1)
【文献】国際公開第2017/146992(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0256922(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0218352(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/60,30/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体クロマトグラフィー(LC)システムであって、
LC装置であって、
ポンプ、溶媒、及び試料と、
前記溶媒中の試料を供給するための注入器と、
接続ドックであって、前記注入器が前記溶媒中の試料を出力ポートに供給可能にする当該出力ポートを提供する、接続ドックと、
第1の電気ポートと、
を有するLC装置と、
圧入接続を使用して前記LC装置に接続される別のモジュールであって、
前記出力ポートへの圧入接続を形成し、前記溶媒中の試料を受け取るためのモジュール入力ポートと、
前記第1の電気ポートに結合され第2の電気ポートと、
前記溶媒中の試料を受け取るために、第1の端部で前記モジュール入力ポートに結合されたカラムと、
前記溶媒の試料中の物質のオンカラム検出を実行するための少なくとも1つの検出器であって、前記カラムおよび前記検出器は、物質の分離、同定、および定量化を実行する、少なくとも1つの検出器と、
を有するモジュールと、を有し、
物質の分離、同定、および定量化の結果は、前記第1および第2の電気ポートを使用して前記モジュールから前記LC装置に送信されるものである、LCシステム。
【請求項2】
請求項1記載のLCシステムにおいて、
前記接続ドックの前記出力ポートが、円錐台形窪みをさらに有し、
前記モジュール入力ポートが、前記出力ポートの前記窪みを補完する円錐台形突起をさらに有し、前記出力ポートおよび前記モジュール入力ポートは、漏れのない圧入接続を形成するものである、LCシステム。
【請求項3】
請求項2記載のLCシステムにおいて、前記接続ドックの前記出力ポート、および前記モジュール入力ポートはさらに、1000psiを超える圧力に耐えることができる高圧接続をさらに形成するものである、LCシステム。
【請求項4】
請求項3記載のLCシステムにおいて、さらに、
前記LC装置との圧入接続を行う時に前記モジュールをガイドするための、前記LC装置上の少なくとも1つのガイドレールと、
前記LC装置に配置されたラチェット式つまみと、
前記ラチェット式つまみに結合されたねじ山付ネジであって、前記ラチェット式つまみが回されると前記ねじ山付ネジは回転し、前記ねじ山付ネジは前記接続ドックを通して配置されるものである、ねじ山付ネジと、
を有し、
前記モジュールの接続端にあるネジ穴であって、このネジ穴は前記LC装置のネジ山付きねじと位置合わせされ、前記モジュール前記LC装置に接続する時に前記ラチェット式つまみを回すと、前記ねじ山付きネジがネジ穴に回転して結合され、前記溶媒中の試料が前記LC装置から前記モジュールに移動可能になるように、前記ラチェット式つまみによって適切な力が適用されて、漏れのない接続が行われるものである、LCシステム。
【請求項5】
請求項1記載のLCシステムにおいて、
前記LCシステム内に配置された電池をさらに有し、前記第1の電気ポートから前記第2の電気ポートに電力を送ることによって前記モジュールに電力を供給するものである、LCシステム。
【請求項6】
請求項1記載のLCシステムにおいて、
前記モジュール内に配置された不揮発性メモリをさらに有し、この不揮発性メモリは、前記モジュールの動作に関するデータを格納するものである、LCシステム。
【請求項7】
請求項1記載のLCシステムにおいて、
前記接続ドック中の入力ポートと、
前記カラムの第2端と前記接続ドックの前記入力ポートに結合されモジュール出力ポートであって、前記溶媒中の試料は、前記カラムで分離された後、前記モジュールから前記LC装置に送られる、モジュール出力ポートと、
をさらに有するものである、LCシステム。
【請求項8】
請求項1記載のLCシステムにおいて、
前記少なくとも1つの検出器は、少なくとも2つの検出器をさらに有するものである、LCシステム。
【請求項9】
請求項1記載のLCシステムにおいて、
前記少なくとも1つの検出器は、UV吸収検出器、蛍光検出器、電気化学検出器、電気伝導率検出器、および屈折率検出器からなる検出器の群から選択されるものである、LCシステム。
【請求項10】
試料中の物質を分離、同定および定量化するための液体クロマトグラフィー(LC)を実行する方法であって、
ポンプ、溶媒、及び試料と、前記溶媒中の試料を供給するための注入器と、前記注入器が前記溶媒中の試料を出力ポートに供給可能にする当該出力ポートを提供する接続ドックと、第1の電気ポートと、を有するLC装置を提供する工程と、
圧入接続を使用して前記LC装置に接続される別のモジュールを提供する工程であって、このモジュールは、前記出力ポートへの圧入接続を形成し、前記溶媒中の試料を受け取るためのモジュール入力ポートと、前記第1の電気ポートに結合され第2の電気ポートと、前記溶媒中の試料を受け取るために、第1の端部で前記モジュール入力ポートに結合されたカラムと、前記溶媒中の試料中の物質のオンカラム検出を実行するための少なくとも1つの検出器であって、前記カラムおよび前記検出器は、物質の分離、同定、および定量化を実行する、少なくとも1つの検出器と、を有する、モジュールを提供する工程と、を有し、
前記圧入接続を使用して前記モジュールを前記LC装置に接続する工程と、
前記モジュール内の前記カラムに前記溶媒中の試料を注入する工程と、
前記溶媒中の試料を分離する工程と、
前記試料が前記カラム内の吸着剤とどのように相互作用するかに基づいて、前記溶媒中の試料中の物質を同定する工程と、
前記試料中の物質を定量化する工程と、
戦記第1および第2の電気ポートを使用して、前記モジュールから前記LC装置に前記物質に関するデータを送信する工程と、
を有する方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、さらに
前記LC装置との圧入接続を行う時に前記モジュールをガイドするための、前記LC装置上の少なくとも1つのガイドレールと、前記LC装置に配置されたラチェット式つまみと、前記ラチェット式つまみに結合されたねじ山付ネジであって、前記ラチェット式つまみが回されるとこのねじ山付ネジは回転し、前記接続ドックを通して配置される、ねじ山付ネジと、前記モジュールの接続端にあるネジ穴と、を提供する工程と、
前記ネジ穴を前記LC装置のネジ山付きねじと位置合わせする工程と、
前記ラチェット式つまみを回転し、前記ネジ山付きねじが前記ネジ穴に回転して結合させて、前記モジュールを前記LC装置に接続する工程と、
前記溶媒中の試料が前記LC装置から前記モジュールに移動可能になるように、前記接続ドックの前記出力ポートが前記モジュール入力ポートに結合された時に前記ネジ山付ねじがさらに回転するのを防ぐ工程と、
を有するものである、方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、
前記モジュール内に不揮発性メモリを提供する工程と、
前記モジュールの構成要素及び構成要素の配置、及び前記モジュールの動作に関するデータを前記不揮発性メモリ中に格納する工程と、をさらに有するものである、方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、
前記接続ドックに入力ポートを提供し、前記カラムの第2の端部と前記接続ドックの前記入力ポートとに結合されモジュール出力ポートを提供する工程と、
前記カラムで分離された後、前記溶媒中の試料を前記モジュールから前記LC装置に供給する工程と、
をさらに有するものである、方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、
前記圧入接続を行うときに前記モジュールを前記LC装置に真っ直ぐスライドさせる工程をさらに有するものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術の説明:液体クロマトグラフィー(LC)は、溶液中の化学物質を分析するために行われる。図1は、従来技術のLCシステムの一部として溶媒容器10、ポンプ12、注入器14、試料16、カラム18、ヒーター20、検出器22、データ取得装置24を含み得るが、これらに限定されると考えられるべきではない構成要素のブロック図である。 他の構成要素も必要となる場合があり、また特定の構成要素の配置は図示のものから変更することができるが、通常、これらの構成要素はLCシステムで使用される。
【背景技術】
【0002】
LCシステムの機能は次のように行われる。LCシステムでは、ポンプを使用して、試料混合物を含む加圧液体溶媒を、固体吸着剤で満たされたカラムに通す。試料内の各成分は収着剤とわずかに異なって相互作用するため、試料内のさまざまな物質の移動速度が異なり、物質がカラムから出る時に物質が分離する。
【0003】
これらの機器構成要素が実験室または移動環境で使用される場合、最新の技術では、システムのさまざまな構成要素間で物理的な接続を確立する必要がある。たとえば、図2に示す図を参照する。図2は、注入器14とカラム18の間に接続30があることを示している。
【0004】
従来技術では、通常、ナット、フェルール、ねじを使用して、注入器14とカラム18との間の接続30を行っている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許出願公開第2014/0217196号明細書
(特許文献2) 米国特許第8,641,882号明細書
(特許文献3) 米国特許第9,211,520号明細書
(特許文献4) 米国特許第6,641,783号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
接続を行うためのツールの使用を必要とせずに、LCシステム内の様々な構成要素間の接続を行うためのシステムおよび方法を有することは、従来技術に対する利点である。構成要素間の接続が正しく行われたかについてユーザーの判断に依存しないシステムと方法があれば、さらに有利である。構成要素間の接続を行うためにねじり運動に依存しない接続を有することは、従来技術に対する別の利点である。ユーザーのスキルやユーザーが使用可能なツールの適合性に関係なく、締めすぎたり締め不足になったりすることのない、常に同じ一貫した接続を提供できる接続システムを有すると、従来技術に対するもう1つの利点である。正確で一貫した量のトルクが接続に適用されたかに依存するユーザの判断を必要せずに再現可能な構成要素間の接続を有することは別の利点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液体クロマトグラフィー(LC)システムの機能を、より用途の広いLCシステムが可能になるように物理的に分離されたシステムに分離するシステムおよび方法であり、LC装置は、液体溶媒、試料、ならびに溶媒中の試料を出力ポートに押し出すポンプおよび注入器を提供し、モジュール入力ポート、カラム、およびオンカラム検出用の少なくとも1つの検出器を含む取り付け可能なモジュールを提供し、圧入接続を使用してモジュールをLC装置に取り付け、この圧入接続により、溶媒中の試料をカラムから少なくとも1つの検出器にポンプで送り、試料中の物質を分離、同定、および定量化し、その結果を少なくとも1つの検出器からLCシステムに送信して収集および分析できるようにするものである。
【0007】
本発明のこれらおよび他の実施形態は、添付の図面と組み合わせて以下の詳細な説明を考慮することにより、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、従来技術の液体クロマトグラフィーシステムの一部である構成要素のブロック図である。
図2図2は、LCシステムのさまざまな構成要素間で手動接続を行う必要がある従来技術の液体クロマトグラフィーシステムを示す図である。
図3図3は、LCデバイスおよび交換可能なモジュールを含む本発明のLCシステムの斜視図であり、モジュールは、カラムおよび少なくとも1つの検出器を含む。
図4図4は、ハウジングと接続ポートを示すモジュールの斜視図である。
図5図5は、図4に示したものと同じ斜視図であるが、カラム、オンカラム検出を実行するための2つの検出器、および接続ポートの配置についての第1の実施形態を示すためにハウジングの一部が取り外されている。
図6図6は、モジュールのLC装置内のスロットの斜視図と露出図であり、モジュール内のポートとLC装置の接続ドックの内部図を示すものである。
図7図7は、ポートを露出するために図6に示したビューの断面図です。
図8図8は、LCデバイスとモジュールの単一ポートの拡大図であり、LCデバイスのポートとモジュールのポートの間で接続が行われる前の接続詳細を示すものである。
図9図9は、ポートが接触した後の図8の拡大図です。
図10図10は、LC装置とモジュールとの間の再現可能で損傷のない接続を可能にするラチェット機構の詳細を示す斜視図である。
図11図11は、モジュールの外側の斜視図であり、モジュールをLC装置に固定して適切なシールを提供するためのねじ穴の配置を示す。
図12図12は、図4に示されるものと同じ斜視図であるが、ハウジングの一部が取り外されて、カラムおよびオンカラム検出を実行するための2つの検出器、および接続ポートの配置の第2の実施形態を示す。
図13図13は、本発明の代替の実施形態のブロック図である。
図14図14は、本発明の別の代替実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の様々な実施形態に参照符号を付し、当業者が本発明を作成および使用できるように実施形態を図面を参照しながら説明する。以下の説明は本発明の実施形態を例示するものであり、以下の特許請求の範囲を限定するものと見なすべきではないことを理解されたい。
【0010】
本発明は、試料混合物中の各成分を分離、同定および定量化するための液体クロマトグラフィー(LC)システムで使用できることが理解されるべきである。最新技術では、LCシステムはさまざまな構成要素を1つの装置にまとめ、構成要素は、ナット、フェルール、ネジ付きコネクタなどの手動で締められるさまざまな接続を使用して互いに接続される。 ざまな構成要素間のこれらの接続は比較的小さく、LCシステムを組み立てるときにコネクタを損傷しないように細心の注意が必要である。
【0011】
LCシステムは流体を利用しているので、LCシステムのさまざまな構成要素間の接続が液漏れから守られ、流体の損失がないことも重要である。しかし、ユーザーが指と親指を使用してネジ付きコネクタのナットを締める時に接続の締め具合がユーザーの判断に依存する場合、接続の信頼性と再現性は常に問題になる。
【0012】
言い換えると、ユーザーが従来技術のようにねじ付きコネクターにナットをねじ込む必要がある場合、ユーザーは接続を締めすぎて破損するか、接続を締めすぎて液体が漏れることがある。残念ながら、行われる接続は比較的小さく、そのため正確に判断することが難しく、機器の損傷や不正確な結果をもたらす可能性がある。さらに、ネジ付きコネクタは、最終的に摩耗して剥がれる可能性があり、それによってシステムの寿命が短くなる。
【0013】
例えば、図2に示す従来技術のLCシステム26において注入器14とカラム18との間で行わなければならない接続30を考える。この接続30は、ナット、フェルールおよび対応するねじ付きコネクタを含み得る。ナット、フェルール、およびねじ付きコネクタのサイズが比較的小さい場合、ナット、フェルール、および/またはねじ付きコネクタは、締めすぎによって損傷しやすくなる。
【0014】
さらに、非常に小さな工具で作業する場合、簡単にコネクタの締めすぎが起こる。したがって、ユーザーは、接続がどれほど緊密に行われているかを「感じる」必要がある。
したがって、接続の信頼性は主観的な作業であり、ユーザーの指と親指の感度は大きく変化可能である。そのような接続システムは、多くの場合、再現不可能で、信頼できず、損傷する傾向がある。
【0015】
本発明の第1の観点では、一貫して再現可能であり、したがって、ねじ付きコネクタ上のナットの相対的な締め付けを感知するユーザの能力に依存しない接続システムを提供するが、従来技術に対する利点である。
【0016】
本発明の第2の観点では、LCシステムの汎用性を高めるために、LCシステムの特定の構成要素が物理的に分離されている。LCシステムは、評価対象の試料を準備、ポンプ、注入するLC装置と、試料中の物質を分離、同定、定量化するカラム、ヒーター、および少なくとも1つの検出器を含むモジュールに分離できる。モジュールの第1の利点は、分離、同定、および定量化を実行する構成要素が別のモジュールに配置され、異なる測定機能を持つ構成要素にすばやく交換できることである。
【0017】
本発明の第1および第2の観点は、図3に示すように、交換可能なモジュールを使用するLCシステムで実現することができる。図3は、LC装置38およびモジュール40を含むLC装置38を示し、本願の第一の実施形態の透視図である。LC装置38は、ポンプ、溶媒用のポンプリザーバ、注入器、試料および電池などのいくつかの構成要素を含み得る。LC装置38は、より少ない構成要素を含んでもよく、または追加の構成要素を含んでもよく、上記の構成要素に限定されると見なされるべきではない。
【0018】
LCシステム36はまた、モジュール40を含む。モジュール40は、モジュールのLC装置38への取り付けを可能にし、モジュール内に配置された構成要素の保護を可能にするハウジングを含んでもよい。
【0019】
LC装置38とモジュール40との間の接続システムは、本発明の重要な観点である。 信頼性が高く再現性のある接続システムを提供するために、LC装置38にスロット70が設けられており、LC装置38とモジュール40間の位置合わせを前もって可能にし、モジュールをLC装置の接続点に安全に誘導する。スロット70はまた、LC装置38およびモジュール40の接続点が直進アプローチで接触することを可能にする。スロット70は、ガイドレールまたは複数のレールなどの任意の便利な手段によって構築されてもよく、例示された例によって限定されると見なされるべきではないことを理解されたい。
【0020】
これらの接続点をより詳細に説明する前に、モジュール40を説明することが有用である。図4は、本発明の観点に従って構成されたモジュール40の第1の実施形態の斜視図であり、内部に配置された構成要素を覆うカバーが付いている。
【0021】
モジュール40のハウジングは、LC装置38に対してモジュールを取り付けるために使用されてもよいが、取り付け点は、漏れのない圧入接続を行うために依存していないことを理解されたい。例えば、LC装置38は、モジュール40に示される複数のラッチポート60と係合する対応するラッチを有し得る。
【0022】
図5は、モジュール40内部の構成要素の第1の配置を示すためにカバーが取り外された、本発明の第1の実施形態の斜視図である。モジュール40は、LC装置38の対応する接続端に対して着座する接続端42を含み得る。図5はまた、2つの直列オンカラム検出器52に向かって湾曲しているカラム50を示す。カラム50の湾曲により、より長いカラム50がより短いモジュール40内で使用できるようにする。
【0023】
カラム50の長さは、カラム自体ではなく、モジュール40全体を交換することによって調整可能であることを理解されたい。言い換えれば、第1のモジュール40を第2のモジュールで置き換えることにより、異なる長さのカラム50および/または異なる充填材を有するカラムを同じLC装置38で使用することができる。LC装置38のカラム50では、モジュール40の交換のみが必要になる。しかしながら、必要に応じて、カラム50はモジュール内で交換できることは理解されたい。
【0024】
モジュール40の接続端42はまた、第1の電気ポート44、カラム50に結合されるモジュール入力ポート46、および同じくカラムに結合されるモジュール出力ポート48を含んでもよい。これらの特定の電気ポート44および流体ポート46、48がこの実施形態に示されているが、モジュール40の他の実施形態では、必要に応じて他のポートを設けることができ、本発明は、図示されるポートの数またはタイプに限定されると考えるべきではない。また、モジュール出力ポート48は、カラム50からの試料流体の収集のために、LC装置38に戻るように向けられてもよいことが理解されるべきである。
【0025】
モジュール40のモジュール入力ポート46および流体出力ポート48は、通常は開いているポートである。同様に、LC装置38上の対応するポートも通常開いている。モジュール入力ポート46は、LC装置38上の対応する出力ポートと位置合わ、モジュール出力ポート48は、LC装置上の対応する入力ポートと位置合わせされる。LC装置38はまた、モジュール40への取り付けのための対応する電気接続を備えた接続ドックを有し得る。
LC装置38の接続ドックのポートとモジュール40との間の接続を行うとき、LC装置の出力ポートとモジュールのモジュール入力ポート46との間に空の空間またはデッドボリュームが導入することは避けるべきであることを理解されたい。デッドボリュームは、ピークを広くさせ、測定の効率を低下させる可能性がある。本発明の実施形態の圧入接続は、流体密封シールを提供するだけでなく、先行技術とは異なり、接続間でエアギャップを生じさせない形状嵌合接続を有することにより、カラム50の前にデッドスペースの導入を防ぐこともできる。
【0026】
図6は、LC装置38内のガイドレール72によって形成されるスロット70の斜視図である。モジュール40の接続端42は、LC装置38の接続ドック80を押し付けているのが図示される。モジュール入力ポート46とモジュール出力ポート48の一部も見える。ガイドレール72は、それをLC装置38に接続するときにモジュール40をガイドするための1つの手段に過ぎないことを強調しておく。例えば、モジュールがLC装置38内に設置されない場合、ガイドレールは全く必要とされない場合がある。あるいは、単一のガイドレールまたは他の何らかの装置が使用されてもよい。
【0027】
図7は、図6に示すものと同じ斜視図であるが、断面図であり、モジュール40のモジュール入力ポート46およびモジュール出力ポート48、さらに接続ドック80の出力ポート82と入力ポート84が見える。ボックス90は、出力ポート82およびモジュール入力ポート46を取り囲むように示されている。ボックス90内の領域は、図8の拡大図に示される。出力ポート82およびモジュール入力ポート46のハードウェアは、モジュール出力ポート48および入力ポート84でも同じなので、したがって、詳細に示される必要はない。
【0028】
図8は、LC装置38の接続ドック80の一部およびモジュール40の接続端42の拡大断面図である。具体的には、モジュール40への接続が行われる前の出力ポート82を示す。図8はまた、モジュール40の一部、具体的にはモジュール入力ポート46を示す。
【0029】
本発明のこの実施形態では、出力ポート82は、中空の円錐を形成する円錐台状の窪み96を含んでもよい。モジュール入力ポート46は、窪み96の形状と一致する切頭円錐の形状の相補的な円錐台状または突起98を含み得る。
【0030】
モジュールの入力ポート46およびモジュールの出力ポート48は、ポートの直径が小さいため、流体の漏れを防ぐためのシールを必要としないことに留意されたい。モジュールがLC装置38との圧入接続されるまで、流体はポートに残る。接続をぴったりとした形状の接続にすることにより、デッドボリュームが減少または排除される。
【0031】
図9は、図8と同じ拡大断面図であるが、ここではモジュール入力ポート46が出力ポート82と接触している。より正確には、突起98は、窪み96内に配置されている。ラチェット機構がモジュールをLC装置に固定すると、モジュール40が十分にしっかりとしたシールを機能させるためにはモジュール40を出力ポート82に嵌合することで十分であることを理解されたい。
【0032】
本発明の実施形態では、ポート46、48、82、および84のプラグ間のしっかりとした漏れのない接続を確実にするために、モジュール40をLC装置38に固定できるようにするラチェット機構が提供される。
【0033】
図10は、ガイドレール72、出力ポート82、入力ポート84、電気ポート44、つまみ100、およびつまみに結合されたねじ山付ネジ102を含む、LC装置38の一部の斜視図である。
【0034】
つまみ100は、ラチェット機構を含み得る。ラチェット機構は、つまみ100を回転可能にし、それによりねじ山付ネジ102を回転させることができる。ねじ山付ネジ102は、図6および11に示すように、モジュール40の接続端42のねじ穴にねじ込むことができる。つまみ100のラチェット機構は、ねじ山付ネジ102が所定の力を使用してねじ穴104内に進むことのみを可能にする。モジュール40をLC装置38に取り付けるときにその所定の力が加えられると、つまみ100のラチェット機構により、つまみ100は回転し続けることができるが、ねじ102はもはや回転することができない。しかしながら、つまみ100が反対方向に回されてモジュール40が取り外されると、ねじ山付ネジ102はつまみ100によって再び係合され、ねじ穴104からねじを外す。
【0035】
したがって、所定の力が加えられた後、モジュール40およびLC装置38のポート46、48、82、および84は結合され、LC装置とカラム50との間の適切な流体の流れを可能にし、ポートをまったく損傷することなくLC測定を実行することができる。
【0036】
図11は、ハウジングにある、モジュール入力ポート46、モジュール出力ポート48、電気ポート44、およびねじ穴104を示す、モジュール40の接続端42の斜視図である。
【0037】
上記の本発明の実施形態はすべて、入力ポート84を有するLC装置および出力ポート48を有するモジュール40を示した。しかしながら、このポート配置は、便宜のためにのみ行われており、本発明の要件ではない。これらのポートは、試料の廃棄物をLC装置で処分できるようにするために示されている。しかしながら、試料廃棄物はまた、モジュール40内に留め、入力ポート84または出力ポート48の必要性を排除することも可能である。
【0038】
図12は、構成要素の第2の配置を示すためにカバーが取り外された、本発明の第2の実施形態の斜視図である。
【0039】
カラム50および検出器52の特定の配置は、実施形態に示されるものに限定されず、必要に応じて変更されてもよい。モジュール40の1つの利点は、カラム50および検出器52または複数の検出器の任意の配置が、LC装置38に接続されたモジュールを単に交換することによって、任意の所望の構成で使用され得ることである。
【0040】
例えば、図5は、カラム50の端に2つの検出器52を示し、図12は、2つの異なる場所にある検出器52を示す。モジュールが異なれば、測定も異なる。本発明のすべての実施形態において、カラム50は、モジュール40内の複数のカラムを指す場合があることも理解されたい。これは、図12が単一のカラムを示しているように思われる場合でも、液体クロマトグラフィーの当業者に知られているように、実際にはカラムが異なる充填剤を含む異なるカラムに分離可能であるからである。
【0041】
したがって、単一のカラム50へのすべての言及は、物理的に単一のカラム、およびモジュール内で端から端にフィットする複数の別個のカラムのセグメントを指すと理解されるべきである。
【0042】
電気ポート44は、モジュール40がLC装置38に取り付けられたときに確実な電気接続が行われることを可能にする任意の標準的な圧入タイプの接続であり得る。電気ポート44は、モジュール40内のヒーターに電力を供給しカラム50を加熱可能である。
【0043】
ただし、ヒーターはモジュール40の必須の構成要素ではなく、オプションであることを理解されたい。 電気ポート44はまた、検出器52に電力を提供し、モジュール40からLC装置38に送信される信号のための経路として機能し得る。
【0044】
上記の実施形態は、LCオンカラム検出システムで使用するためのモジュールを説明するものであるが、このモジュールおよび接続システムは、異なる構成要素間の流体の流れの確実な接続を必要とする任意の測定装置での使用に適合可能であり、図3~12に示すLCオンカラム検出システムに限定されると考えるべきではないことを理解されたい。
【0045】
本発明の実施形態の概要は以下の通りである。 第1の実施形態は、試料中の物質を分離、同定および定量化するための液体クロマトグラフィー(LC)システムである。システムは、LC装置とモジュールの2つのデバイスで構成される。
【0046】
LC装置は、ポンプ、溶媒および試料と、溶媒中に試料を供給するための注入器と、注入器が溶媒中の試料を出力ポートに供給可能にするための流体ポートを提供する接続ドックと、第1の電気ポートとを有する。
【0047】
圧入接続を使用してLC装置に接続される別のモジュールは、出力ポートへの圧入接続を形成し、溶媒中の試料を受け取るためのモジュール入力ポートと、第1の電気ポートと結合する第2の電気ポートと、溶媒中の試料を受け入れるためのモジュール入力ポートに第1の端部で結合されたカラムと、溶媒中の試料中の物質のオンカラム検出を実行するための少なくとも1つの検出器とを有し、前記カラム及び検出器は、物質の分離、同定、および定量化を実行し、物質の分離、同定、および定量化の結果は、前記第1および第2の電気ポートを使用して前記モジュールから前記LC装置に送信される。
【0048】
LCシステムは、接続ドックの出力ポートが、通常開いている出力ポートをさらに備えるものとしてさらに定義することができる。同様に、モジュール入力ポートは、通常開いているモジュール入力ポートをさらに含む。
【0049】
接続ドックの出力ポートに関するより有用な詳細は、それが、窪みまたは凹んだ円錐台形円錐をさらに有し、前記モジュール入力ポートはさらに、出力ポートの窪みに相補的で形状適合する円錐台形突起を含み、出力ポートとモジュール入力ポートは、漏れのない圧入接続を形成する。
【0050】
LCシステムは、1000psiを超える圧力に耐えることができる高圧接続をさらに形成することは重要点である。LCシステムは10,000psiを超える圧力でテストされており、さらに高くまで可能性があると考えられている。
【0051】
圧入接続システムは、つまみとネジ山付ねじを使用して可能になる。ただし、最初に、接続がまっすぐに行われていることを確実にするために、LC装置との圧入接続を行うときにモジュールをLC装置上でガイドするための少なくとも1つのガイドレールと、LC装置に配置されたラチェット式つまみと、ラチェット式つまみに結合されたネジ付きネジがある。ラチェット式つまみを回すとネジ山付ねじが回転し、接続ドックを通じてネジ山付ねじが配置される。
【0052】
ネジ穴がまたモジュールの接続端に配置される。ネジ穴がLC装置のネジ山付きねじと位置合わせされていることを確認するために、ラチェット式つまみが回される時にネジ付きねじがネジ穴を通って回転される。溶媒中の試料がLC装置からモジュールに移動できるように接続ドックの出力ポートがモジュールの入力ポートに結合されている時に、ラチェット式つまみは、ネジ山付きねじが回転するのを防ぐ。
【0053】
言及されるべき本発明の他のいくつかの観点がある。まず、検出器は通常、LC装置に配置される。対照的に、本発明の実施形態は、カラムおよび1つまたは複数の検出器の両方を交換可能なモジュールに配置することができるという概念を示している。したがって、異なる検出器を同じLC装置で使用することができ、実行可能なさまざまなタイプの測定について、LC装置で提供される検出器に依存する必要がなくなる。
【0054】
任意の所望の長さのカラムを任意のタイプの検出器と対にして、モジュール内に配置できることも別の観点である。したがって、LC装置は、本発明の実施形態のモジュールおよび圧入接続システムを使用して、カラム長および1つまたは複数の検出器の任意の所望の組み合わせにより容易かつ迅速に結合することができる。
【0055】
上述されていない本発明の別の観点は、本発明の実施形態の窪みおよび突起の圧入接続システムのために、実施形態は低圧および高圧の両方で動作することができるということである。例えば、本発明の実施形態は、1000psiをはるかに超える圧力で動作することができる。したがって、本発明の実施形態は、低圧および高圧LCシステムとして動作すると見なされるべきである。
【0056】
実施形態の別の観点は、異なるタイプの検出器をモジュール内に配置できることである。例えば、実施形態の検出器は、UV吸収、蛍光、電気化学、電気伝導率、および屈折率の検出器を含むがこれらに限定されないと見なされるべきである。
【0057】
本発明の実施形態の別の観点は、各モジュールが不揮発性メモリを含み得ることである。不揮発性メモリにより、メモリの内容を失うことなくモジュールから電源を取り除くことができる。
【0058】
モジュール内のメモリの内容は、LC装置または電気ポート44に適切に接続可能な任意の他のデバイスによって書き込まれ、読み取られ得る。モジュール内のメモリの内容は、カラム長、カラムのタイプ、検出器のタイプ、カラムに沿った検出器の位置、モジュールが測定を行うために使用された回数、およびモジュールのユーザにとって有益なその他の統計を含むが、これらに限定されると理解されるべきでない。本発明の実施形態の別の態様は、モジュールが、複数のカラムセグメントを有するカラムを含み得ることである。
【0059】
実施形態の別の観点は、モジュール内に1つまたは複数の検出器を有するモジュールが示されているが、これは必須ではない。代替の実施形態では、モジュールは、カラムを含むが、検出器を含まない場合がある。そのような場合では、検出器はLC装置内に配置されてもよい。したがって、モジュールにはカラムとヒーターが含まれていても、検出器は含まれない。
【0060】
上記の説明から明らかかもしれないが、モジュールとLCシステム自体のサイズは比較的小さいことを述べておく必要がある。例えば、LCシステムは、携帯可能であり、電池によって操作可能である。それにもかかわらず、LCシステムは、ポータブルLCシステムで使用可能な同じモジュールを使用するデスクトップシステムでもありえる。モジュールが小さいことは、LCシステムの要件ではない。
【0061】
上記の実施形態はすべて、液体クロマトグラフィーを実行するために必要なすべての構成要素を、LC装置およびモジュールという2つの別個の構成要素に分割されて有するLCシステムに関する。しかしながら、図13のブロック図に示される代替の実施形態では、LC装置110は、モジュール内に配置されることが前述で示された少なくとも1つの検出器112を含むものである。したがって、新しいモジュール114は、カラムのみを含み、検出器または複数の検出器112は、LC装置110の内部で、入力ポートに隣接して配置される。この実施形態では、モジュール114は、カラム内で試料を分離する目的でのみで使用される。
【0062】
このような装置の概要は次の通りである。ポンプ、溶媒および試料と、溶媒中の試料を供給するための注入器と、注入器が溶媒中の試料を出力ポートに供給可能する出力ポートを提供するための接続ドックと、モジュールから溶媒中の試料を受け取るための入力ポートと、第1の電気ポートと、溶媒中の試料中の物質のオンカラム検出を実行するための少なくとも1つの検出器を有するを含むLC装置である。
【0063】
次に、個別のモジュールが圧入接続を使用してLC装置に取り付けられるが、モジュールは、出力ポートへの圧入接続を形成し、溶媒中の試料を受け取るためのモジュール入力ポートと、入力ポートへの圧入接続を形成し、溶媒中の試料をLC装置に送信するモジュール出力ポートと、第1の電気ポートに結合され第2の電気ポートと、溶媒中の試料を受け取るためにモジュール入力ポートに第1の端で結合されたカラムとを有するものである。
【0064】
あるいは、図14に示されるように、前記少なくとも1つの検出器120は、LC装置122またはモジュール124内に配置されなくてもよく、代わりに、これらのデバイス122、124の両方から分離された、LCシステムの第3の個別構成要素としてもよい。
【0065】
このようなデバイスの概要は次の通りである。液体クロマトグラフィー(LC)システムであって、ポンプ、溶媒および試料と、溶媒中に試料を供給するための注入器と、注入器が溶媒中の試料を出力ポートに供給することを可能にする出力ポートを提供するための接続ドックと、第一の電気ポートとを有するLC装置を有するシステムである。
【0066】
圧入接続を使用してLC装置に接続される別のモジュールがあり、このモジュールは、出力ポートへの圧入接続を形成し、溶媒中の試料を受け取るためのモジュール入力ポートと、溶媒中の試料を送るためのモジュール出力ポートと、前記第1の電気ポートに結合され第2の電気ポートと、溶媒中の試料を受け取るためのモジュール入力ポートに第1の端部で結合されたカラムとを有する。
【0067】
次に、モジュールとは分離され、圧入接続を使用してモジュール出力ポートに接続された少なくとも1つの検出器があり、分離された溶媒中の試料を受け取るためのものであり、この少なくとも1つの検出器は溶媒の試料中の物質のオンカラム検出を実行し、カラムと検出器が物質の分離、同定、定量化を行う。
【0068】
少数の例示的な実施形態のみを上で詳細に説明してきたが、当業者は、本発明から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態において多くの修正が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、そのようなすべての変更は、以下の特許請求の範囲で定義されるように、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。請求項が関連する機能とともに「手段」という言葉を明示的に使用しているものを除き、請求項のいかなる限定について米国法35,112、6を援用しないことは出願人が明確に意図するものである。
図1
図2
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