IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三立機器株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-クリーナー 図1
  • 特許-クリーナー 図2
  • 特許-クリーナー 図3
  • 特許-クリーナー 図4
  • 特許-クリーナー 図5
  • 特許-クリーナー 図6
  • 特許-クリーナー 図7
  • 特許-クリーナー 図8
  • 特許-クリーナー 図9
  • 特許-クリーナー 図10
  • 特許-クリーナー 図11
  • 特許-クリーナー 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】クリーナー
(51)【国際特許分類】
   A47L 7/00 20060101AFI20231109BHJP
   A47L 5/32 20060101ALI20231109BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
A47L7/00 A
A47L5/32
A47L9/00 102A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022075123
(22)【出願日】2022-04-28
(62)【分割の表示】P 2018159549の分割
【原出願日】2018-08-28
(65)【公開番号】P2022093582
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2022-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】397035221
【氏名又は名称】三立機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】桑田 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】宮川 聖
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-268644(JP,A)
【文献】特開昭57-119718(JP,A)
【文献】米国特許第05455983(US,A)
【文献】特開2008-284236(JP,A)
【文献】登録実用新案第3143320(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 7/00
A47L 5/32
A47L 9/00
A47L 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を真空吸引可能な吸引部と、
前記吸引部の吸引力によって、吸引した前記液体を貯留する液体貯留部と、
前記吸引部によって発生した吸引気流による吸引力を、前記液体貯留部に及ぼすために、液体吸引配管と、をさらに有し、
前記液体貯留部は、タンク部と、そのタンク部の上部に載置されたタンク上部と、を有し、
前記液体吸引配管の一方は、前記吸引部に接続され、他方は、前記タンク上部に接続され、
前記タンク上部の内部には、フロート管とその内部にフロートが内蔵されており、そのフロートと連結棒にて連結されたストッパーが、そのフロートの上昇とともに上昇し、前記液体吸引配管の入り口を閉塞することで、液体吸引時のオーバーフローを停止するとともに、
前記液体貯留部は、前記フロート管をとり囲むように配置されたスリット状の隙間を有するスリットと、をさらに有し、
前記吸引部によって発生した吸引気流による吸引力によって、ミストを含む吸引風が吸引され、
前記スリットは、前記フロートの上方に配置され、
当該スリットに前記ミストを含む吸引風が侵入することで、そのミストがまとまり、飛まつから液体となり、
前記吸引気流は、前記タンク上部から前記液体吸引配管を通じて、前記吸引部における排出孔から外部に排出されるクリーナー。
【請求項2】
前記請求項1記載のクリーナーを配置するための台車をさらに有するクリーナー。
【請求項3】
前記吸引部は、固体を真空吸引可能であり、当該吸引部の吸引力によって、吸引した前記固体を貯留する固体貯留部と、を有する請求項1記載のクリーナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体と液体を区別して吸引することで、吸引後に、固体と液体を分別可能な乾湿分別することが可能なクリーナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉塵など固形の物体と、たまり水や廃液などの液体を同時に吸引した場合、乾式掃除機では、液滴がモーター部に侵入すると使用不能となり、また微粉対応フィルターに目詰まりを起こすという問題を生じる。また湿式掃除機では、それに用いられているスポンジ状或いはメッシュ状の液体用フィルターの目開きが大きいために、液体とともに吸引される粉塵などが捕捉されずに通過してしまうという問題を避けられなかった。
【0003】
そこで、フィルターの脱着等により乾式用湿式用と使い分ける乾湿両用機のほか、乾湿兼用機という掃除機も存在するが、液体分離が悪く、液体を固体とともに吸引可能なものは殆んど例がない。固体と液体を区別せずに吸引した場合、フィルターにヘドロ状のものが付着すると、洗浄に多大な手間がかかる上、フィルターの性能は完全には元に戻らず、掃除機の性能も低下することとなる。また、フィルターが閉塞状態のまま掃除機を使えば、抵抗増大によりモーターが過熱し焼損に到ることがあり、またヘドロ状のものに付着した細菌が繁殖しかびなどが発生すると、掃除の都度、部屋全体に細菌やカビ類を撒きちらすという問題を生ずる。
【0004】
上記課題を解決するために、特許4274957号公報が開示されている。これは、固体と液体を区別せずに真空吸引可能な吸引室を本体内に有し、かつ吸引物から固体と液体を分離する分離手段を備えている乾湿両用バキュームクリーナーであって、内径よりも軸方向長さのほうが小さい、太くて短い円筒状の形態を有し、固体と液体を同時に吸引可能な吸引口に通じた吸引内口を周面に開口し、上端を上部出口とし下端を下部出口とする吸引室と、上部出口を通過した流れに含まれている微粉塵を分離するために、上記吸引室の周囲に配置したフィルターと、吸引物が真空吸引される、吸引室の上部出口に設けられ、吸引物が上記上部出口に直行するのを防止するために逆テーパ状に形成された整流部と、吸引室の下部出口に設けられ、捕集物を捕捉するためにテーパ状に形成された、少なくとも2段のサイクロン部と、サイクロン部にて捕捉された捕集物の貯溜手段として本体下部に形成されている有底のタンク構造と、吸引室又はサイクロン部の外側に設けられ、上部出口を出た流れと下部出口を出た流れを分断するとともに、上部出口を出た流れから分離された捕集物を貯溜する上部タンクの底となる隔壁を具備して構成するというものである。
【0005】
上記乾湿両用バキュームクリーナーは、同時に粉塵など固形の物体と、たまり水や廃液などの液体を同時に吸引することができるものであり、市場において高い評価を得ている。しかしながら、固体と液体を分別して回収することができるクリーナーを求める旨の更なる市場からの要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許4274957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、固体と液体を分別して回収することができるクリーナーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、固体と液体を分別して回収するために、第1観点のクリーナーは、固体および液体を真空吸引可能な吸引部と、吸引部の吸引力によって、吸引した前記固体を貯留する固体貯留部と、吸引部の吸引力によって、吸引した前記液体を貯留する液体貯留部と、固体貯留部と接続した固体配管と、液体貯留部と接続した液体配管と、固体または液体を吸引する吸引ホースと接続する接続管と、接続管と、固体配管または液体配管と、のいずれかと接続する切り替え部と、を有し、切り替え部は、接続管と固体配管との接続、または、接続管と液体配管との接続、のいずれかに切り替え可能なクリーナーである。
【0009】
また、第2観点のクリーナーは、第1観点において、切り替え部は、固体配管および液体配管と接続する第1壁部と、固体配管および液体配管と接続するために、第1壁部に対し、スライド移動可能な切り替えプレートと、を有し、切り替えプレートに接続管が接続されたというものである。
【0010】
また、第3観点のクリーナーは、第1観点から第2観点において、吸引部と、液体貯留部とを接続する液体吸引配管と、をさらに有するというものである。
【0011】
また、第4観点のクリーナーは、第1観点から第3観点のクリーナーを配置するための台車をさらに有するというものである。クリーナー。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、固体と液体を分別して回収することができるクリーナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施例のクリーナーの側面図である。
図2】本実施例のクリーナーの正面図である。
図3】本実施例のクリーナーの背面図である。
図4】Aは、本実施例のクリーナーの平面図である。Bは、切り替え部の平面図である。
図5】Aは切り替え部の上部から見た概念断面図である。Bは、切り替え部の側面からみた概念断面図である。
図6】Aは切り替え部の概念正面図である。Bは、切り替え部の概念背面図である。
図7】接続管を引いて、切り替え部における第1壁部から、切り替えプレーがはなれた状態の概念図である。
図8】Aは、接続部が固体配管と接続した状態の切り替え部の上部から見た概念断面図である。Bは、Aの概念背面図である。
図9】Aは、接続部が固体配管と接続した状態のクリーナーの側面図である。BはAの状態の切り替え部の平面図である。
図10】Aは、接続部が液体配管と接続した状態のクリーナーの側面図である。BはAの状態の切り替え部の平面図である。
図11】Aは、接続部が液体配管と接続した状態のクリーナーの側面図である。BはAの状態の切り替え部の平面図である。
図12】フロート機構を図示した液体貯留部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図示の実施形態を参照して本実施例のクリーナー10について説明する。クリーナー10は、吸引ホース160から、固体および液体を吸引するものであり、吸引後に固体と液体を分別して回収するために、固体および液体を真空吸引可能な吸引力を発揮する吸引部20と、その吸引部20で吸引した固体を貯留する固体貯留部30と、その吸引部20で吸引した液体を貯留する液体貯留部40と、を有する。このクリーナー10は、例えば、食品工場、産業工場などで使用することができ、固体とは、例えば、小麦粉、きな粉、抹茶、コンスターチ等の微粉、又は、トナー顔料、セメント、消化剤の粉、研磨粉塵、鉄粉を言う。また、液体とは、例えば、汚泥、油、スラッジ、金属の切削油、油交じりの切削屑を言う。本実施例のクリーナー10は、固体および液体を、図示しない使用者自らが選択して、吸引可能な掃除機である。
【0015】
吸引部20は、円筒形状を呈する上部カバー21と下部カバー22とを有し、上部カバー21は、真空吸引するための動力となる図示しないバキュームモーターをその内部に有する。そのバキュームモーターは吸引した気流を上部カバー21の下部に配置した排出孔21aから外部に排出する。
【0016】
また、吸引部20は、吸引気流をろ過するために、下部カバー22の内部に図示しないフィルターを有するものである。フィルターは、乾式用のエレメントフィルターを使用することができる。乾式用のエレメントフィルターについては図示しないが、大面積で目詰まりを低減し、粉ダマリを防ぐ底部形状であり、ウオッシャブルな素材を採用している。
【0017】
また、吸引部20における円筒形状を呈する下部カバー22は、固体貯留部30に接続されている。固体貯留部30は、後述する固体配管70から吸引された固体を貯留するための貯溜手段として有底のタンク構造を有している。また、固体貯留部30は、下部カバー22と取り外し可能に配置されている。
【0018】
また、クリーナー10は、固体を吸引するための固体配管70を有し、固体配管70の一方は、下部カバー22に接続され、他方は、後述する切り替え部100に接続されている。固体配管70は、文字通り管状であり、吸引部20によって、発生した吸引力により、固体配管70を通じて吸引した固体を、固体貯留部30に貯留するためのものである。なお、固体貯留部30は内部を視認することができるように透明な合成樹脂製であることが好ましい。
【0019】
また、固体貯留部30の下部には、切り替え部100を配置し、その下部には、液体貯留部40を配置している。固体配管70は、切り替え部100に接続されている。なお、切り替え部100についてはさらに、後述する。また、液体貯留部40は、後述する液体配管80から吸引された液体を貯留するための貯溜手段として有底のタンク構造を有するタンク部41と、そのタンク部41の上部に載置されたタンク上部42とを有している。タンク部41は、タンク部上部42から、取り外し可能に配置されている。なお、固体貯留部30は、液体貯留部40の上方に配置することが好ましい。一般的に固体よりも液体が重い傾向があり、より重い液体が貯留している液体貯留部40を下方に配置するほうが重心の位置が下がり、クリーナー10の安定性が保たれるからである。
【0020】
また、クリーナー10は吸引部20によって発生した吸引気流による吸引力を、液体貯留部40に及ぼすために、液体吸引配管85を有している。液体吸引配管85は、文字通り管状であり、その一方は、吸引部20に接続され、その他方は、液体貯留部40におけるタンク上部42に接続されている。また、タンク上部42の内部には、フロート401(液体吸引時のオーバーフローストッパー)を有するスーパーストップメカ機構400が内蔵されており、液体吸引時に、その液体の侵入を防止するとともに、ミスト化することを防止する。これにより液体吸引配管85にミスト化した液体が、進入することを防止するものである。スーパーストップメカ機構400については後述する。
【0021】
また、液体貯留部40におけるタンク上部42は、液体配管80の一方が接続されており、液体配管80の他方は、切り替え部100に接続されている。切り替え部100についてはさらに後述する。
【0022】
固体貯留部30は、吸引した固体を貯留するものであり、取り外し可能に配置されている。また、液体貯留部40は、吸引した液体を貯留するものであり、取り外し可能に配置されている。このように、液体と固体を分別して貯留することができるので、図示しない使用者は液体または固体をそれぞれ分別して回収することが容易である。
【0023】
また、クリーナー10は、上述の固体配管70および液体配管80と、後述する接続管105と接続する切り替え部100と、を有する。切り替え部100は、箱状の切り替えボックス部101を有し、その箱状の切り替えボックス部101は、その一端の面を構成する第1壁部102と、を有する。
【0024】
固体配管70の一方は、固体貯留部30に接続され、他方は、切り替え部100に接続されている。また、切り替え部100は、接続管105が接続されている。接続管105は、吸引ホース160を取り外し可能に接続するためのものであり、吸引ホース160から液体又は固体を吸引することができる。
【0025】
切り替え部100は、接続管105と固体配管70との接続、または、その接続管105と液体配管80との接続、のいずれかに切り替え可能なものである。また、その切り替え部100は、直方体形状であって箱状を呈する切り替えボックス部101を有し、その切り替えボックス部101は、その面を構成する第1壁部102と、その第1壁部102に対向する面に配置されたる第2壁部103とを有する。また、第1壁部102は、固体配管70が配置された孔状を呈する固体配管孔部102aと、液体配管80が配置された孔状を呈する液体配管孔部102bと、を有する(図6A参照)。さらに、第1壁部102に対して沿うように平行移動する板状の切り替えプレート110と、第2壁部103に、正面視横長の長孔104を有する。
【0026】
また、切り替え部100は、第2壁部103に配置された正面視横長の長孔104に沿って、左右に移動可能に配置された接続管105と、その接続管105を覆うように配置されたカラー106を有する。カラー106についても、長孔104に沿って移動可能に配置された筒状の接続管105とともに移動可能である。
【0027】
また、接続管105は、管状の接続管部105aと、吸引ホース160と接続するための接続部材105bとを有する。吸引ホース160は、筒状を呈する接続部材105bに挿入され、締め付けノブ105cによって固定する。
【0028】
また、切り替えプレート110は、上記のとおり長方形状を呈する板状のものであり、切り替えボックス部101の内部において、第1壁部102に沿うように平行に移動可能に配置されている。切り替えプレート110の中央部に、図示しない孔である接続管孔が配置されその接続管孔にその接続管105における管状の接続管部105aが固定されている。
【0029】
カラー106は、中空筒状のカラー上部107と、中空筒状のカラー下部108とを有し、カラー上部107は、カラー下部108と比べてその径は大であり、その内部にコイルバネ109を収納することができる。また、中空筒状のカラー上部107と、中空筒状のカラー下部108との間は、その径差を埋める段差状を呈する段差部107aを有している。
【0030】
このカラー下部108の内部に接続管105における管状の接続管部105aが配置されている。カラー下部108の径は、接続管105における管状の接続管部105aが摺動可能に配置するのに充分な径を有し、接続管105における管状の接続管部105aの径に対し若干のクリアランスを有している。また、上記のとおり、カラー上部107は、カラー下部108と比べてその径は大であるものの、その内部に配置した接続管部105aにまきつけられるように配置したコイルバネ109を収納することができるのに充分な径を有するものである。
【0031】
コイルバネ109の一端は、カラー上部107と、カラー下部108との間の段差状を呈する段差部107aに接し、その他端は、切り替えプレート110に接するように配置されている。これにより、切り替えプレート110が、コイルバネ109の弾性力によって、第1壁部102に接する方向に押圧されている。これにより、接続管105における接続管部105aと、切り替え部100に接続されている固体配管70または液体配管80とが使用者の意思によって接続される。これについてはさらに後述する。
【0032】
接続管105を、コイルバネ109の弾性力に対抗するように、第2壁部103の方向に引く。これにより切り替え部100に接続されている固体配管70または液体配管80と、接続管105との接続が解除される。その後、切り替えプレート110を左右方向にスライドさせることで、液体配管80または固体配管70と接続管105における接続管部105aが接続する。
【0033】
本実施例のクリーナー10は、台車200に配置することができる。台車200は、荷台部201と、取っ手部202と、前キャスター203、203と、後キャスター204、204とを有する。荷台部201は、クリーナー10を載置するためのものであり、前キャスター203、203はいわゆる自在キャスターであり、これにより方向転換することができる。なお、前キャスター203、203の車輪の径は100ミリメートルものが好ましい。また、後キャスター204、204は、前進方向に固定されたキャスターでありその車輪の径は150ミリメートルものが好ましい。整地されていない場所を走行する際に好適であり、転倒を防止することができるからである。
【0034】
上記構成を有するクリーナー10の使用方法について説明する。吸引する対象が固体であるか、または、液体であるかを図示しない使用者が見極める。吸引する対象が固体の場合であって、あらかじめ、液体配管80と、接続管105が接続されている場合について説明する(図5参照)。
【0035】
図示しない使用者は、コイルバネ109の弾性力に対抗するように、接続管105を第2壁部103の方向に引く。これにより液体配管80と、接続管105における接続管部105aとの接続が解除される(図7参照)。さらに図示しない使用者は、第2壁部103における長孔104に沿って、接続管105を移動させる。横長の長孔104における長径の長さが、接続管105の移動量であり、固体配管70と液体配管80との間隔と一致する。従って、接続管105を、長孔104における長径の他端から一端に移動することができる(図8参照)。
【0036】
このように接続管105を、長孔104における長径の他端から一端に移動することにより、接続管105が接続されている切り替えプレート110も移動する。切り替えプレート110は、横長の直方体形状を呈する切り替えボックス部101の他の側壁部101bに近接するとともに、接続管105が固体配管70と対向する位置に移動する。その後、コイルバネ109の弾性力に対抗するように、第2壁部103の方向に引かれた接続管10における接続管部105aを、コイルバネ109の収縮力に応じて復帰させることで、接続管105における接続管部105aと固体配管70が接続される。なお、液体配管80は、切り替えプレート110によって塞がれているので、その液体配管80から気流が吸引されることはない。
【0037】
その後使用者は図示しないスイッチを入れ、吸引部20の吸引力を発揮させ、接続管105に接続した吸引ホース160から固体を吸引する。この固体は、吸引部20の吸引力によって、接続管105と、切り替え部100と、固体配管70とを経て、吸引部20における下部カバー22から、固体貯留部30にその吸引した固体が貯留する(図9B、矢印X参照)。なおその気流は、吸引部20における排出孔21aから外部に排出される。
【0038】
その一方で、液体配管80は、切り替えプレート110によって塞がれているので、吸引部20の吸引力は、固体吸管70によって固体を吸引するために発揮させることができる(図8参照)。
【0039】
次に吸引する対象が、液体の場合であって、あらかじめ、固体配管70と、接続管105における接続管部105aが接続されている場合について説明する。
【0040】
図示しない使用者は、接続管105を、コイルバネ109の弾性力に対抗するように、第2壁部103の方向に引く。これにより固体配管70と、接続管105における接続管部105aとの接続が解除される。さらに図示しない使用者は、第2壁部103における長孔104にそって、接続管105を移動させる。横長の長孔104における長径の長さが、接続管105の移動量であり、固体配管70と液体配管80との間隔と一致する。従って、接続管105を、長孔104における長径の一端から他端に移動することができる(図5参照)。
【0041】
このように接続管105を、長孔104における長径の一端から他端に移動することにより、接続管105が接続されている切り替えプレート110も移動する。切り替えプレート110は、横長の直方体形状を呈する切り替えボックス部101の側壁部101aに近接するとともに、接続管105が液体配管80と対向する位置に移動する。その後、コイルバネ109の弾性力に対抗するように、第2壁部103の方向に引かれた接続管10における接続管部105aを、コイルバネ109の収縮力に応じて復帰させることで、その接続管105における接続管部105aと液体配管80が接続される。なお、固体配管70は、切り替えプレート110によって塞がれているので、その固体配管70から気流が吸引されることはない。
【0042】
その後使用者は図示しないスイッチを入れ、吸引部20の吸引力を発揮させる。その吸引力により、吸引ホース160から液体を吸引する。この液体は、吸引部20の吸引力によって、その吸引ホース160から接続管105と、切り替え部100と、液体配管80とを経て、液体貯留部40におけるタンク部41にその吸引した液体が貯留する(図10A、B、矢印Y参照)。さらに吸引した気流は、液体貯留部40におけるタンク上部42から液体吸引配管85を通じて(図11A、B、矢印Z参照)、吸引部20における下部カバー22に流入し、排出孔21aから外部に排出される。
【0043】
その一方で、固体配管70は、切り替えプレート110によって塞がれているので、吸引部20の吸引力は、液体配管80によって液体を吸引するために発揮することができる。
【0044】
なお、上記のとおり液体貯留部40におけるタンク上部42の内部には、フロート401が内蔵されており、そのフロート401と連結棒402にて連結されたストッパー403が、そのフロート401の上昇とともに上昇し、液体吸引配管85の入り口を閉塞することで、液体吸引時のオーバーフローを停止するスーパーストップメカ機構400を有するものである。また、吸引した液体(図12矢印Y参照)から、ほぼ液体が除去されるものの細かい液体が飛まつとなったミストを含む吸引風Mは、フロート管404をとり囲むように配置されたスリット状の隙間を有するスリット410に侵入することで、そのミストがまとまり、飛まつから液体となることで、液体吸引配管85から、その液体の侵入を防止している。よって、ほぼミストを含有しない吸引風(矢印Z)が、液体吸引配管85に吸引される。従って、そのミストが、液体吸引配管85を通じて、吸引部20に侵入することを防止することができる(図12参照)。
【0045】
このように、図示しない使用者があらかじめ吸引する対象を見極めることで、液体を、液体貯留部40に貯留し、固定を、固体貯留部30に貯留するので、吸引後に、その後の液体又は固体の分別がきわめて容易となり、その、液体又は固体の再利用が可能となる場合がある。これにより資源の再生率が上がり無駄の削減および、廃棄費用の回収が可能となる。また、汚泥や汚水の洗浄水量の削減、乾燥作業や分離作業の手間と時間を削減することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 クリーナー
20 吸引部
21 上部カバー
22 下部カバー
30 固体貯留部
40 液体貯留部
41 タンク部
42 タンク上部
70 固体配管
80 液体配管
85 液体吸引配管
100 切り替え部
101 切り替えボックス部
102 第1壁部
103 第2壁部
104 長孔
105 接続管
110 切り替えプレート
160 吸引ホース
200 台車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12