(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】合成樹脂製の車止め
(51)【国際特許分類】
E01F 13/02 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
E01F13/02 Z
(21)【出願番号】P 2022197906
(22)【出願日】2022-12-12
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】395012802
【氏名又は名称】阪上工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230115336
【氏名又は名称】山下 あや理
(72)【発明者】
【氏名】阪上 和輝
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特許第3692336(JP,B2)
【文献】特開2002-070355(JP,A)
【文献】実公昭54-013031(JP,Y2)
【文献】実用新案登録第2508560(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 1/00-15/14
E04H 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色された透明のポリカーボネート樹脂から、
平・底面視の左右横方向に細長く延在するほぼ長方形をなし、且つ側断面
の下向き開口する中空のほぼ台形
状に一体成形された車止め
(A)であって、
その接地面
(G-G)との交叉角度
(β)が比較的大きな鋭角に傾斜した後壁面
(11R)の内側に
は、少なくと
も一対のLED(17)(17)が
左右対称に並列設置されている一方、
同じく接地面
(G―G)との交叉角度
(α)が比較的小さな鋭角に傾斜した前壁面
(11F)の内側
全面が、上記LED
(17)(17)からの発光を拡散させるダイヤカット面
(18)やその他の凸凹粗面として賦形されて
おり、
上記ほぼ台形状の中空内部(S)が、頂壁面(10)と左・右側壁面(12L)(12R)から接地面(G―G)までは到達しない一定量(Z)だけ内向き連続的に張り出す複数の長い横補強リブ(23)(23)と、同じく頂壁面(10)と前・後壁面(11F)(11R)から接地面(G―G)までは到達しない一定量(Z)だけ内向き連続的に張り出す複数の短い縦補強リブ(24)(24)(24)により、上記後壁面(11R)のLED(17)(17)から前壁面(11F)に向かって照射される発光を遮断しない底面視の格子形態に仕切られていると共に、
上記頂壁面(10)と左・右側壁面(12L)(12R)との交叉するコーナー部には、その頂壁面(10)から各側壁面(12L)(12R)の中途高さ位置まで一定深さ(D)だけ陥没し、且つ横向きに開口するほぼ半円筒形又は左右対称な断面L字形の取付け溝(14L)(14R)が切り欠き状態に造形されており、
その各取付け溝(14L)(14R)のフラットな溝底面から接地面(G―G)までの約下半部だけ連続一体に垂下するボルト受け入れ口筒(15L)(15R)を貫通して、上方から駐車場の路面へアンカーボルト(16L)(16R)を打ち込み固定するようになっていることを特徴とする合成樹脂製の車止め。
【請求項2】
頂壁面(10)のフラットな表面から陥没する凹部(19)に、LED(17)(17)の電源となる1個以上の太陽電池(20)が接着剤を介して嵌め付けられていると共に、
上記LED(17)(17)と太陽電池(20)とが頂壁面(10)の内側と後壁面(11R)の内側に沿う配線(21)を介して、電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製の車止め。
【請求項3】
頂壁面(10)
のフラットな表面から陥没する凹部(19)に、太陽電池(20)に代わるソーラーパネルを嵌め付け使用すると共に、
上記頂壁面(10)の内側へ逆な下向き開口するように区成された凹部(25)に、上記ソーラーパネルの自然エネルギーにより充電されるバッテリ(26)を、接着剤を介して嵌め付け固定し、
そのLED(17)(17)の電源となるバッテリ(26)が上記ソーラーパネルとLED(17)(17)との相互間に介在するように、電気的に接続配線したことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製の車止め。
【請求項4】
ほぼ台形状の中空内部(S)を包囲する頂壁面(10)と前・後壁面(11F)(11R)並びに左・右側壁面(12L)(12R)の壁厚み(T)が、悉く約5mmの均一に設定されていることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製の車止め。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はショッピングセンターやその他の量販店舗を初め、遊技施設や工場などの主として屋外駐車場に設置される合成樹脂製の車止めに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車止めは特許文献1、2に開示されており、何れもその車止め本体が合成樹脂から内部の中空に成形されていると共に、前方へ光を放つことによって、夜間でも車止めの存在と位置を知らせることができるようになっている点で、本発明に近似する公知技術であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3692336号公報
【文献】特開2001-11825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の車止めではアクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂から成る透明の側壁(発光用部材)(5)の裏面に、蓄光塗料が塗装(蓄光層が形成)されており、昼間の日照を受けて蓄光層に蓄積された光が、夜間に放出されるようになっているため、降雨やくもりなどの天候では蓄光効率が悪く、長い発光時間を確保することができない。
【0005】
また、その裏面に蓄光層を形成された透明の側壁(発光用部材)(5)は、ポリプロピレン又はポリエチレンから成形されている車止め本体(3)との別体物であるため、その車止め本体(3)と透明の側壁(発光用部材)(5)とを別個な成形金型と樹脂材料の採用によって成形しなければならず、製造上のコスト高を招来することになる。
【0006】
しかも、その透明の側壁(発光用部材)(5)の周縁部に設けた複数の脚部(7)を、車止め本体(3)における凹部(11)の周縁部に対応形成した嵌合孔部(9)へ、外側から差し込み嵌合するようになっており、その車止め本体(3)の外表面から透明の側壁(発光用部材)(5)が露出した状態にあるため、透明の側壁(発光用部材)(5)が外側から強制的に取り外されたり、その嵌合部分から雨水が浸透したりするおそれがあり、必ずや自然現象の悪影響を受けることになる結果、使用上の安定性に劣る。
【0007】
更に、車止め本体(3)はポリプロピレン又はポリエチレンから側断面の台形状に射出成形されているが、その下向きに開口する中空内部の包囲壁面は、全体として均一な厚みの単純な板状をなしているため、耐衝撃力に劣り、車両などからの衝撃を受けると、容易に破損してしまうおそれもある。
【0008】
他方、特許文献2に記載の湾岸ブロックでは、発光体(LED)(5)とその電源になる太陽電池(2)を具備しているため、降雨やくもりなどの天候に左右され難く、長い発光時間と安定な発光機能を得られるが、アクリル樹脂製の反射板(4)が成形体(1)との別体物として、その成形体(1)の凹部に埋め込まれており、しかもその反射板(4)の貫通孔(8)へ外側から発光体(LED)(5)が差し込み装着されていて、成形体(1)の外表面から露出した状態にあるため、その成形体(1)から反射板(4)や発光体(LED)(5)が無理に取り外されたり、その嵌合部分から雨水が浸入したり、これらの破損したりするおそれがある。
【0009】
また、特許文献1の上記車止めと同じく、発光体(LED)(5)の植え付けベースになっているアクリル樹脂製の反射板(4)は、ポリエチレンやその他の熱可塑性樹脂から成る成形体(1)との別体物であるため、その成形体(1)と上記反射板(4)とを別個な成形金型と樹脂材料の使用によって、成形する必要があり、やはり製造上のコスト高を余儀なくされることになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はこのような諸問題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では着色された透明のポリカーボネート樹脂から、平・底面視の左右横方向に細長く延在するほぼ長方形をなし、且つ側断面の下向き開口する中空のほぼ台形状に一体成形された車止めであって、
【0011】
その接地面との交叉角度が比較的大きな鋭角に傾斜した後壁面の内側には、少なくとも一対のLEDが左右対称に並列設置されている一方、
【0012】
同じく接地面との交叉角度が比較的小さな鋭角に傾斜した前壁面の内側全面が、上記LEDからの発光を拡散させるダイヤカット面やその他の凸凹粗面として賦形されており、
【0013】
上記ほぼ台形状の中空内部が、頂壁面と左・右側壁面から接地面までは到達しない一定量だけ内向き連続的に張り出す複数の長い横補強リブと、同じく頂壁面から接地面までは到達しない一定量だけ内向き連続的に張り出す複数の短い縦補強リブにより、上記後壁面のLEDから前壁面に向かって照射される発光を遮断しない底面視の格子形態に仕切られていると共に、
【0014】
上記頂壁面と左・右側壁面との交叉するコーナー部には、その頂壁面から各側壁面の中途高さ位置まで一定深さだけ陥没し、且つ横向きに開口するほぼ半円筒形又は左右対称な断面L字形の取付け溝が切り欠き状態に造形されており、
【0015】
その各取付け溝のフラットな溝底面から接地面までの約下半部だけ連続一体に垂下するボルト受け入れ口筒を貫通して、上方から駐車場の路面へアンカーボルトを打ち込み固定するようになっていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項2では頂壁面のフラットな表面から陥没する凹部に、LEDの電源となる1個以上の太陽電池が接着剤を介して嵌め付けられていると共に、
【0017】
上記LEDと太陽電池とが頂壁面の内側と後壁面の内側に沿う配線を介して、電気的に接続されていることを特徴とする。
【0018】
請求項3では頂壁面のフラットな表面から陥没する凹部に、太陽電池に代わるソーラーパネルを嵌め付け使用すると共に、
【0019】
上記頂壁面の内側へ逆な下向き開口するように区成された凹部に、上記ソーラーパネルの自然エネルギーにより充電されるバッテリを、接着剤を介して嵌め付け固定し、
【0020】
そのLEDの電源となるバッテリが上記ソーラーパネルとLEDとの相互間に介在するように、電気的に接続配線したことを特徴とする。
【0021】
更に、請求項4ではほぼ台形状の中空内部を包囲する頂壁面と前・後壁面並びに左・右側壁面の壁厚みが、悉く約5mmの均一に設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の上記構成によれば、その車止めは着色された透明のポリカ―ボネート樹脂から、全体として中空のほぼ台形をなす側断面形状に成形された一体品であり、冒頭の特許文献1に記載された裏面に蓄光層が形成された透明の側壁(発光用部材)や、同じく特許文献2に記載された反射板のような車止め本体/成形体との別体物として成形する必要がある部材を具備していないため、1個の成形金型を用いて製造すれば足り、量産効果を最大限に期待することができる。
【0023】
しかも、ほぼ台形をなす車止めの傾斜した後壁面に、少なくとも左右一対のLED(発光ダイオード)が並列設置されている一方、これと向かい合う傾斜した前壁面における内側(裏面)の全面が、光拡散レンズとして機能するダイヤカット面やその他の凹凸粗面として賦形されているため、外部からの別個な光源(発光体)を必要とすることなく、そのLEDからの発光を照射範囲の広く拡散させることができると共に、着色された透明なポリカ―ボネート樹脂の光透過作用とも相俟って、極めて高い照度を得られるのであり、歩行者が降雨時や夜間に遠方からでも車止めの存在とその位置を明確に視認できて安全であるほか、車両の運転者が後退駐車時にやはり車止めの存在と位置をバックカメラからはもとより、サイドミラーを通じても明確に視認することができ、特に夜間でも歩行者が多い量販店舗や遊技施設などの広大な駐車場用として有効である。
【0024】
また、上記発光体のLED(発光ダイオード)は後壁面の内側(裏面)に設置されていると共に、そのLEDからの発光を拡散させるダイヤカット面やその他の凹凸粗面は、前壁面の内側(裏面)に賦形されていて、その何れも車止めの中空内部に臨んでおり、外表面に一切露出していないため、特許文献1に記載された透明の側壁(発光用部材)や、特許文献2に記載された反射板のように、車止め本体/成形体から無理に取り外されたり、その車止め本体/成形体への差し込み嵌合部分から雨水が浸入したりするおそれはなく、使用上の安定性と耐久性に優れる。
【0025】
特に、下向き開口するほぼ台形の側断面形状をなす車止めの中空内部が、長い横補強リブと短い縦補強リブとの複数ずつによって、底面視の格子配列形態に仕切られているため、耐衝撃性に富む硬質のポリカーボネート樹脂から一体成形された製品であることとも相俟って、駐車場での設置使用中に車両などから大きな荷重や衝撃を受けても、不正に変形したり、割れたりするおそれはない。
【0026】
その場合、その格子形態に配列された縦・横補強リブは、何れも接地面までは到達しない一定量だけとして、内向き連続的に張り出されることにより、上記後壁面の内側(裏面)に取り付けられているLEDから、前壁面に向かって照射される発光を遮断しないように関係設定されているため、その光の上記拡散作用を阻害するおそれもなく、高い照度を得られるのである。
【0027】
更に、車止めの頂壁面と左・右側壁面とが交叉するコーナー部に造形された取付け溝の溝底面からは、接地面までの約下半部だけ垂下するボルト受け入れ口筒が連続一体に設けられているため、そのボルト受け入れ口筒も車止めにおける就中下半部の補強に役立ち、上記溝底面の上方からボルト受け入れ口筒を貫通して打ち込まれるアンカーボルトにより、その車止めを駐車場のコンクリートやアスファルトなどから成る路面へ、安定良く強固に設置することができ、破損するおそれはない。
【0028】
請求項2の構成を採用するならば、太陽電池を電源として、LEDを発光させることができ、また請求項3の構成を採用するならば、ソーラーパネルに集めた自然エネルギーによってバッテリを充電することができ、そのバッテリを上記LED(発光ダイオード)の電源として、長時間の発光を得られる効果がある。
【0029】
請求項4の構成を採用するならば、ポリガーボネート樹脂の材質とも相俟って、優れた耐衝撃力を発揮し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
本発明の実施形態に係る合成樹脂製車止めの斜面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態を詳述する。その実施形態に係る合成樹脂製の車止め(A)は図1~7に示す如く、平・底面視の左右横方向に細長く延在するほぼ長方形をなし、且つ側断面の下向き開口する中空のほぼ台形状として、オレンジ色や蛍光色、その他のカラーに着色された透明のポリカーボネート樹脂から全体の一体に射出成形されている。
【0032】
つまり、その車止め(A)は上記ポリカーボネート樹脂からの一体成形品であって、接地面(G-G)とほぼ平行するフラットな頂壁面(10)と、傾斜した前・後壁面(11F)(11R)並びに左・右側壁面(12L)(12R)を備えており、その前壁面(11F)における接地面(G-G)との交叉角度(α)が比較的小さな鋭角(好ましくは50度)に設定されている一方、後壁面(11R)における同じく接地面(G-G)との交叉角度(β)が上記前壁面(11F)のそれよりも比較的大きな鋭角(好ましくは85度)に設定されている。
【0033】
更に、左・右側壁面(12L)(12R)における接地面(G-G)との交叉角度(γ)は互いに同じとして、何れも上記後壁面(11R)のそれとほぼ同等の大きな鋭角(例えば85度)をなしているほか、上記車止め(A)の中空内部(S)を包囲するこれら壁面(10)(11F)(11R)(12L)(12R)の壁厚み(T)が、好ましくは5mmの悉く均一に設定されており、その採用したポリカーボネート樹脂の材質とも相俟って、優れた耐衝撃力やその他の特性を発揮し得るようになっている。
【0034】
因みに、図示の実施形態では一例の数値として、その平・底面視のほぼ長方形をなす車止め(A)の長辺(長さ寸法)(Y)が550mm、同じく短辺(幅寸法)(X)が160mm、フラットな頂壁面(10)の幅寸法(W)が80.5mm、接地面(G-G)からの高さ(地上高さ/背丈)(H)が100mmであり、その車止め(A)の周縁部から縁取り補強リブ兼用の接地フランジ(13)が、短くとも上記壁厚み(T)と同じ5mmだけ外向き連続的に張り出し形成されている。
【0035】
そして、上記車止め(A)の頂壁面(10)と左・右側壁面(12L)(12R)とが交叉するコーナー部には、そのフラットな頂壁面(10)から各側壁面(12L)(12R)の中途高さ位置まで一定深さ(D)だけ陥没する取付け溝(14L)(14R)が、図7、9のような横向き開口するほぼ半円筒形又は左右対称な断面L字形の言わば切り欠き状態に造形されている。
【0036】
(15L)(15R)はその各取付け溝(14L)(14R)のフラットな溝底面から接地面(G-G)までの約下半部だけ連続一体に垂下するボルト受け入れ口筒であり、車止め(A)の約下半部を補強している。その溝底面の上方からボルト受け入れ口筒(15L)(15R)を貫通して、駐車場のコンクリートやアスファルトなどから成る路面へアンカーボルト(16L)(16R)を打ち込むことにより、その駐車場へ車止め(A)が固定設置されるようになっている。
【0037】
上記車止め(A)の後壁面(11R)における内側(裏面)の中途高さ位置には、光源(発光体)となるLED(発光ダイオード)(17)(17)の一対が図7、8のような左右対称に並列設置されており、前壁面(11F)に向かって光を照射するようになっている。そのLED(17)(17)の設置個数は3個以上に増加しても良い。
【0038】
他方、車止め(A)の前壁面(11F)における内側(裏面)の全面は、上記LED(17)(17)からの発光を拡散させるダイヤカット面(18)やその他の凹凸粗面(反射面)として賦形されており、その樹脂の光拡散レンズ作用によって光を乱反射させ、遠方からでも車止め(A)の存在と位置を明確に視認できる広い照射範囲と、高い照度を得られるようになっている。
【0039】
また、上記頂壁面(10)における左右何れか一方(図例では正面/前方から見て左側)へ片寄った位置には、そのフラットな表面から陥没する矩形の凹部(19)が設けられており、その内部に上記LED(17)(17)の電源となる太陽電池(20)が、接着剤を介して嵌め付けられている。その太陽電池(20)を上方から水密状態に被覆する透明の保護カバーは、図示省略してある。
【0040】
そして、上記複数のLED(17)(17)とその電源の太陽電池(20)とは、頂壁面(10)の内側(裏面)と後壁面(11R)の内側(裏面)に沿う配線(21)を介して、電気的に接続されている。(22)はその頂壁面(10)における上記凹部(19)の底面に貫通形成された配線孔を示している。
【0041】
更に、上記側断面のほぼ台形状に一体成形された車止め(A)の下向きに開口する中空内部(S)は、その車止め(A)における平・底面視のほぼ長方形をなす長辺(Y)と平行に延在する複数(図例では2列)の長い横補強リブ(23)(23)と、同じく長方形をなす短辺(X)と平行な複数(図例では3列)の短い縦補強リブ(24)(24)(24)によって、図4のような底面視の格子形態に仕切られており、その車止め(A)が万一車両などからの荷重や衝撃を受けても、容易に歪み変形したり、まして破損したりしないように増強されている。
【0042】
しかも、その場合上記後壁面(11R)の内側(裏面)に設置されているLED(17)(17)から、前壁面(11F)に向かって照射される発光が、その縦・横補強リブ(23)(23)(24)(24)(24)の就中長い横補強リブ(23)(23)によって遮断されてしまうことがないように、その複数の長い横補強リブ(23)(23)は上記頂壁面(10)と左・右側壁面(12L)(12R)から、また複数の短い縦補強リブ(24)(24)(24)は同じく頂壁面(10)と前・後壁面(11F)(11R)から、何れも適当な一定量(Z)(好ましくは10mm程度)だけ内向き連続的に張り出されているにとどまり、その悉く接地面(G-G)までは到達しないようになっている。
【0043】
尚、図示符号(25)は上記頂壁面(10)の表面に形成された太陽電池嵌め付け用の凹部(19)と言わば左右対称な配置関係として、その頂壁面(10)の内側(裏面)に逆な下向き開口する矩形に区成された予備的なバッテリ嵌め付け用の凹部である。
【0044】
上記表面の凹部(19)へ太陽電池(20)に代わるソーラーパネル(図示省略)を嵌め付け使用すると共に、そのソーラーパネルの自然(太陽)エネルギーにより充電されるバッテリ(26)を、上記内側(裏面)の凹部(25)へ接着剤により嵌め付け固定し、そのバッテリ(26)を電源として、上記LED(17)(17)を発光させるように構成しても良い。その際には、バッテリ(26)が上記ソーラーパネルとLED(17)(17)との相互間に介在するように、電気的な接続配線を行えば良い。
【符号の説明】
【0045】
(10)・・・頂壁面
(11F)・・・前壁面
(11R)・・・後壁面
(12L)・・・左側壁面
(12R)・・・右側壁面
(13)・・・接地フランジ
(14L)(14R)・・・取付け溝
(15L)(15R)・・・ボルト受け入れ口筒
(16L)(16R)・・・アンカーボルト
(17)・・・LED(発光ダイオード)
(18)・・・ダイヤカット面(光拡散レンズ)
(19)・・・太陽電池用凹部
(20)・・・太陽電池
(21)・・・配線
(22)・・・配線孔
(23)・・・長い横補強リブ
(24)・・・短い縦補強リブ
(25)・・・バッテリ用凹部
(26)・・・バッテリ
(A)・・・車止め
(D)・・・一定深さ
(G-G)・・・接地面
(H)・・・高さ(背丈)
(S)・・・中空内部
(α)・・・小さな鋭角
(β)・・・大きな鋭角
【要約】
【課題】
雨天や夜間に存在と位置を明確に視認することができ、強度に富む合成樹脂製の車止めを提供する。
【解決手段】
着色された透明のポリカーボネート樹脂から、側断面形状が下向き開口する中空のほぼ台形に一体成形された車止め(A)であって、その後壁面(11R)の内側に左右一対のLED(17)(17)が並列設置されている一方、前壁面(11F)の内側はLEDからの発光を拡散させるダイヤカット面(18)として賦形されていると共に、頂壁面(10)に設置された太陽電池(20)と上記LEDとが中空内部(S)において電気的に接続配線されている。
【選択図】
図8