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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】ラベル付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/62 20060101AFI20231109BHJP
   B65D 71/08 20060101ALI20231109BHJP
   G09F 3/04 20060101ALI20231109BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
B65D75/62
B65D71/08
G09F3/04 C
G09F3/10 J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018021168
(22)【出願日】2018-02-08
(65)【公開番号】P2019137420
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-01-22
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001748
【氏名又は名称】弁理士法人まこと国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 茂美
(72)【発明者】
【氏名】藤永 剛史
【合議体】
【審判長】久保 克彦
【審判官】武市 匡紘
【審判官】西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/193670(WO,A1)
【文献】特開2006-213372(JP,A)
【文献】特開2017-95113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D67/00-79/02
G09F3/00-3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸周り方向に熱収縮可能な筒状フィルムと前記筒状フィルムの軸周り方向全体に亘って延設された切断用横補助線とを有する熱収縮性筒状ラベルと、
周長が変化した周長変化部を有する容器と、を有し、
前記軸周り方向全体に亘る切断用横補助線が、一方端部から反対端部に斜めに延設された第1横補助線及び第2横補助線から構成され、前記第1横補助線の一方端部と第2横補助線の一方端部が連設され且つ前記第1横補助線の反対端部と第2横補助線の反対端部が連設されており、前記第1横補助線及び第2横補助線が、それぞれ、筒状フィルムの軸芯に対して直交する方向に対して0度を超え10度未満の角度で傾斜されており、
前記切断用横補助線が前記容器の周長変化部に対応するように、前記熱収縮性筒状ラベルが前記容器に熱収縮装着されている、ラベル付き容器。
【請求項2】
前記容器が、上面視で長軸と短軸を有する形状の部分を有し、
前記第1横補助線及び第2横補助線の一方端部が反対端部よりも上側に位置しており、
前記第1横補助線及び第2横補助線の一方端部が短軸面に対応するように、前記熱収縮性筒状ラベルが前記形状の部分を含んで前記容器に熱収縮装着されている、請求項1に記載のラベル付き容器。
【請求項3】
前記容器の周長変化部が、上方から下方に向かうに従って周長が大きくなっており、
前記0度を超え10度未満の角度で傾斜されている切断用横補助線の全てが、前記周長変化部に対応しており、
前記切断用横補助線に対応する前記容器の周長変化部の、周長の最小値と周長の最大値の割合(最小値/最大値)が、0.4~0.9である、請求項1または2に記載のラベル付容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に熱収縮性筒状ラベルが装着されているラベル付き容器などに関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤・シャンプーなどのサニタリー品、調味料などの食品、飲料、医薬品、化粧品などが充填される容器に、熱収縮性筒状ラベルを装着することが広く行われている。熱収縮性筒状ラベルは、加飾目的、悪戯防止目的などで、容器に装着されている。熱収縮性筒状ラベルは、例えば、容器の蓋部から胴部全体まで装着される形態(フルシュリンクタイプとも呼ばれる)、或いは、容器の蓋部から胴部の上方部まで装着又は(蓋部を除いて)胴部全体若しくは胴部の一部分に装着される形態(ハーフシュリンクタイプとも呼ばれる)、或いは、容器の蓋部から胴部の上方部まで装着される形態(キャップシールタイプとも呼ばれる)などが知られている。
また、使用時に熱収縮性筒状ラベルの一部分を除去して容器の一部分を開放するべく、切断用補助線が形成されている熱収縮性筒状ラベルも知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、軸芯方向に延設された一対の切断用縦補助線8a(開封用の縦ミシン目8a)と、軸周り方向に平行に延設された切断用横補助線8b(横ミシン目8b)と、が形成された熱収縮性筒状ラベルが開示されている。
特許文献2には、軸芯方向に延設された一対の切断用縦補助線3(切取線3)と、軸周り方向に傾斜状に延設された切断用横補助線4(胴まわりの切取線4)と、が形成された熱収縮性筒状ラベルが開示されている。
引用文献1及び2の熱収縮性筒状ラベルは、いずれも、蓋部を含んで容器に熱収縮装着して使用される。
容器と前記容器に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベルとを有するラベル付き容器を開封する際には、熱収縮性筒状ラベルの一対の切断用縦補助線の間を片手で摘み、前記縦補助線を利用して熱収縮性筒状ラベルを軸芯方向に切断した後、さらに、手を容器の軸周りに回すことにより切断用横補助線を利用して熱収縮性筒状ラベルの上方部位を除去できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-19017号公報
【文献】実公昭45-33593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、切断用横補助線が軸周り方向に平行に延設されている熱収縮性筒状ラベルを、周長が変化した周長変化部を有する容器に装着した場合、手を容器の軸周りに回して横補助線に沿って熱収縮性筒状ラベルを切断しようとしても、実際の切断跡が横補助線から逸れ易いという問題点があることが判ってきた。このように横補助線から逸れると、無秩序な形状のラベル縁が生じ、熱収縮性筒状ラベルの上方部位を除去した後のラベル付き容器の外観が好ましくない。
なお、特許文献2の熱収縮性筒状ラベルは、切断用横補助線の通りに綺麗に切り取られないようにするために、横補助線を軸周り方向に傾斜状に延設しており、かかる熱収縮性筒状ラベルの上方部位を除去する際には、横補助線に沿って綺麗に切断されることがなく、切断履歴が明瞭となる。
【0006】
本発明の目的は、周長変化部を有する容器に熱収縮性筒状ラベルが装着されているラベル付き容器であって、熱収縮性筒状ラベルを切断用横補助線に沿って綺麗に切断できるラベル付き容器を提供することである
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のラベル付き容器は、軸周り方向に熱収縮可能な筒状フィルムと前記筒状フィルムの軸周り方向全体に亘って延設された切断用横補助線とを有する熱収縮性筒状ラベルと、周長が変化した周長変化部を有する容器と、を有し、前記軸周り方向全体に亘る切断用横補助線が、一方端部から反対端部に斜めに延設された第1横補助線及び第2横補助線から構成され、前記第1横補助線の一方端部と第2横補助線の一方端部が連設され且つ前記第1横補助線の反対端部と第2横補助線の反対端部が連設されており、前記第1横補助線及び第2横補助線が、それぞれ、筒状フィルムの軸芯に対して直交する方向に対して0度を超え10度未満の角度で傾斜されており、前記切断用横補助線が前記容器の周長変化部に対応するように、前記熱収縮性筒状ラベルが前記容器に熱収縮装着されている。
【0008】
本発明の好ましいラベル付き容器は、前記容器が、上面視で長軸と短軸を有する形状の部分を有し、前記第1横補助線及び第2横補助線の一方端部が反対端部よりも上側に位置しており、前記第1横補助線及び第2横補助線の一方端部が短軸面に対応するように、前記熱収縮性筒状ラベルが前記形状の部分を含んで前記容器に熱収縮装着されている。
本発明の好ましいラベル付き容器は、前記容器の周長変化部が、上方から下方に向かうに従って周長が大きくなっており、前記0度を超え10度未満の角度で傾斜されている切断用横補助線の全てが、前記周長変化部に対応しており、前記切断用横補助線に対応する前記容器の周長変化部の、周長の最小値と周長の最大値の割合(最小値/最大値)が、0.4~0.9である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のラベル付き容器は、周長変化部を有する容器に熱収縮性筒状ラベルが装着されているにも拘わらず、熱収縮性筒状ラベルを切断用横補助線に沿って綺麗に切断でき、切断跡であるラベル縁が歪になり難い。このため、熱収縮性筒状ラベルの上方部位を除去した後のラベル付き容器を良好に使用でき、外観上も好ましい。
また、本発明の好ましいラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルを切断用縦補助線に沿って綺麗に切断できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る熱収縮性筒状ラベルを筒状に開き、それを正面上側から見た斜視図。
図2】同熱収縮性筒状ラベルを背面上側から見た斜視図。背面は、正面とは反対側の面である(以下、同じ)。
図3】同熱収縮性筒状ラベルを扁平状に折り畳んだ状態の左側面図。
図4】同右側面図。
図5図3の熱収縮性筒状ラベルを上側から見た平面図。
図6】ラベル付き容器の正面図。
図7】同ラベル付き容器の左側面図。
図8】同右側面図。
図9図7のラベル付き容器を上側から見た平面図。
図10】容器の左側面図。
図11】同容器を上側から見た平面図。
図12図10のXII-XII線で切断した断面図。
図13】ラベル付き容器の熱収縮性筒状ラベルの開封過程を示す正面図。
図14】第2実施形態に係る熱収縮性筒状ラベルを筒状に開き、それを正面上側から見た斜視図。
図15】第3実施形態に係る熱収縮性筒状ラベルを筒状に開き、それを正面上側から見た斜視図。
図16】第5実施形態に係る熱収縮性筒状ラベルを扁平状に折り畳んだ状態の左側面図。
図17】(a)は、実施例1で使用した容器の左側面図、(b)は、同平面図。
図18】実施例1で使用した熱収縮性筒状ラベルを扁平状に折り畳んだ状態の左側面図。
図19】(a)は、実施例2で使用した容器の左側面図、(b)は、同平面図。
図20】実施例2で使用した熱収縮性筒状ラベルを扁平状に折り畳んだ状態の左側面図。
図21】(a)は、実施例3で使用した容器の左側面図、(b)は、同平面図。
図22】実施例3で使用した熱収縮性筒状ラベルを扁平状に折り畳んだ状態の左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、筒状フィルム及び熱収縮性筒状ラベルの軸芯は、それらを円筒状に開いた状態で、その円筒の全ての中心を通る線を意味し、筒状フィルム及び熱収縮性筒状ラベルの軸周り方向は、その円筒の軸芯の周り方向である。前記軸周り方向は、筒状フィルム及び熱収縮性筒状ラベルを扁平状に折り畳んだときには二次元の方向になり、前記軸芯方向と直交する方向となる。
本明細書において、「下限値X~上限値Y」で表される数値範囲は、下限値X以上上限値Y以下を意味する。前記数値範囲が別個に複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値~任意の上限値」を設定できるものとする。
また、本明細書において、用語の頭に、「第1」、「第2」を付す場合があるが、この第1などは、用語を区別するためだけに付加されたものであり、その順序や優劣などの特別な意味を持たない。
【0013】
[第1実施形態]
<熱収縮性筒状ラベル>
図1乃至図5において、本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、軸周り方向に熱収縮可能な筒状フィルム2と、前記筒状フィルム2に形成された切断用横補助線3と、を有し、好ましくは、前記筒状フィルム2に形成された切断用縦補助線5をさらに有する。
前記切断用横補助線3は、第1横補助線31と第2横補助線32とを有し、それぞれ、筒状フィルム2の軸芯に対して直交する方向に対して0度を超え10度未満となるように形成されている。以下、筒状フィルム2の軸芯に対して直交する方向を、「軸直交方向」という。
容器に熱収縮装着される前の熱収縮性筒状ラベル1は、図1及び図2に示すように、円筒状に開くことができる。なお、本発明において、「熱収縮性筒状ラベル1」は、特に熱収縮させた後の状態であることを意図しない場合には、容器に装着する前の状態を意味することに留意されたい。
熱収縮性筒状ラベル1は、容器に装着する際には筒状に開かれるが、通常の運搬及び保管時には、図3乃至図5に示すように、扁平状に折り畳まれている。図3乃至図5の例では、熱収縮性筒状ラベル1は、図1の矢印で示す箇所(一対の切断用縦補助線5の中間点)を折り目として、扁平状に折り畳まれている。
なお、現実的な製造工程では、熱収縮性筒状ラベル1は、その複数が連続的に繋がった連続体であって扁平状に折り畳まれた連続体の形態で提供される。この連続体を適宜切断することにより、図3乃至図5に示すような扁平状の熱収縮性筒状ラベル1が得られる。
【0014】
<筒状フィルム>
筒状フィルム2は、シート状の熱収縮性フィルムが筒状に形成されたものである。
前記熱収縮性フィルムは、熱収縮温度に加熱されると、熱収縮方向に収縮するフィルムである。前記熱収縮温度は、例えば、60℃~120℃が例示される。
前記熱収縮性フィルムとしては、熱収縮性を有する合成樹脂フィルム、不織布及び発泡樹脂フィルム並びにこれらの積層フィルムなどが挙げられる。なお、前記積層フィルムは、その積層物全体として熱収縮性を有することを条件として、熱収縮性を有さない層と熱収縮性を有する層の積層物であってもよい。好ましくは、熱収縮性フィルムとして、合成樹脂フィルム又は合成樹脂積層フィルムが用いられ、より好ましくは、合成樹脂フィルム又は不織布などの繊維含有シートを含まない合成樹脂積層フィルムが用いられる。
前記合成樹脂フィルム又は合成樹脂積層フィルムの材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。前記熱収縮性を有する合成樹脂フィルムは、1つの樹脂層で構成されていてもよく、又、異種若しくは同種の異なる複数の樹脂層から構成されていてもよい。比較的軟らかく且つ軸周り方向及び軸芯方向に裂けやすいことから、ポリスチレン系樹脂層を含むフィルムを用いることが好ましく、さらに、ポリスチレン系樹脂フィルム、或いは、ポリスチレン系樹脂層とポリエステル系樹脂層が積層された積層フィルムを用いることがより好ましい。
熱収縮性フィルムは、透明又は非透明の何れでもよい。
前記熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば20μm~100μm、更に、20μm~80μm程度のものを用いることができる。
【0015】
前記熱収縮性フィルムとしては、少なくとも第1方向に主として熱収縮するフィルムが用いられ、第2方向に若干熱収縮又は熱伸長するフィルムを用いてもよい。前記第1方向は、フィルムの面内における1つの方向を意味し、第2方向は、前記面内において前記第1方向と直交する方向である。かかる熱収縮性フィルムとしては、第1方向に主として延伸された1軸延伸又は2軸延伸フィルムを用いることができる。かかる延伸フィルムは、少なくとも第1方向に配向されており、第1方向に裂け易い性質(引裂き性)を有する。
前記熱収縮性フィルムの第1方向(熱収縮方向)における熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは20%以上であり、より好ましくは、30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。なお、前記第1方向における熱収縮率は、大きいほど好ましいが、それにも自ずと限界があるため、前記第1方向における熱収縮率は、理論上、100%未満である。前記熱収縮性フィルムが第2方向に熱変化するフィルムである場合、その第2方向における熱収縮率は、例えば、-3~15%であり、好ましくは0~12%である。前記熱収縮率のマイナスは、熱伸長を意味する。
ただし、前記熱収縮率は、加熱前(常温常圧保管)のフィルムの長さ(元の長さ)と、85℃の温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)との割合であり、下記式から求められる。
前記熱収縮率(%)=[{(第1方向(又は第2方向)の元の長さ)-(第1方向(又は第2方向)の浸漬後の長さ)}/(第1方向(又は第2方向)の元の長さ)]×100。
【0016】
前記熱収縮性フィルムの第1方向(熱収縮方向)が軸周り方向となるように、そのフィルムを筒状に丸め、第1側端部を第2側端部に重ね合わせて接着してシール部29を形成することにより、筒状フィルム2が構成されている。このシール部29は、筒状フィルム2の軸芯方向に帯状に延びている。
前記第1側端部と第2側端部の接着方法は、特に限定されず、溶剤を用いた溶着、接着剤を用いた接着などが挙げられる。
筒状フィルム2の周長は、例えば、容器の被装着部位の最大周長×1倍を超え同×1.5倍以下であり、好ましくは同×1.01倍~同×1.3倍であり、より好ましくは同×1.02倍~同×1.15倍である。
【0017】
熱収縮性フィルムには、必要に応じて、所望の文字や絵柄などを表したデザイン印刷層が設けられていてもよい(デザイン印刷層は不図示)。デザイン印刷層を熱収縮性フィルムの裏面側(熱収縮性フィルムの裏面は、それが筒状フィルム2とされた際に内面となる)に設ける場合には、透明な熱収縮性フィルムが用いられる。本明細書において、透明(無色透明又は有色透明)は、全光線透過率が70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である場合をいう。ただし、全光線透過率は、JIS K 7361(プラスチック-透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した測定法によって測定される値をいう。
さらに、熱収縮性フィルムには、必要に応じて、任意の機能層が設けられていてもよい。前記機能層としては、表面保護層、滑り層などが挙げられ、これらの機能層は、例えば、機能層形成材料を公知の印刷法により熱収縮性フィルムに印刷することによって形成できる。また、必要に応じて、筒状フィルム2の内面の一部分に、感熱接着剤又は感熱粘着剤などからなる接着部が設けられていてもよい(機能層や接着部は不図示)。
前記デザイン印刷層、機能層及び接着部などは、熱収縮性筒状ラベル1の構成要素として従来公知であり、本発明においても公知の構成を採用できる。
【0018】
<切断用補助線>
前記筒状フィルム2には、切断用横補助線3及び切断用縦補助線5などの切断用補助線が形成されている。
切断用補助線は、筒状フィルム2を切れ易くするために筒状フィルム2に形成される線である。切断用補助線としては、ミシン目線、切込み線、ハーフカット線などが挙げられる。
前記ミシン目線は、ミシン針の縫い目跡の如く、熱収縮性フィルム(筒状フィルム2)の厚み方向に貫通する貫通孔部が断続的に連なった線である。つまり、ミシン目線は、貫通孔部と非貫通部が交互に連なって形成された線である。ミシン目線は、複数の貫通孔部が非貫通部(不切り部)を介して並び、全体として1つの線として観念できる。ミシン目線の1つの貫通孔部の平面視形状は、略円形状又は略楕円形状(ピンホール状)、細長い線状、V字状、Y字状などが挙げられる。図示例ではピンホール状の貫通孔部を有するミシン目線を例示している。
【0019】
前記切込み線は、熱収縮性フィルム(筒状フィルム2)の厚み方向に貫通する所定長さの切り目である。
ミシン目線の貫通孔部と切込み線は、いずれも筒状フィルム2の厚み方向に貫通している点で共通するが、切込み線は、その長さがミシン目線の貫通孔部の長さよりも大きい点において相違する。ミシン目線の貫通孔部及び非貫通部の長さは、それぞれ、そのミシン目線が延びる方向における長さをいう。切込み線の長さは、対象となる切込み線の両端部間の直線長さをいう。ミシン目線の貫通孔部の長さは、例えば、0.4mm~2mmであり、好ましくは0.5mm~1mmである。ミシン目線の非貫通部の長さは、例えば、0.4mm~3mmであり、好ましくは0.5mm~1.5mmである。
前記ハーフカット線は、熱収縮性フィルム(筒状フィルム2)の厚み方向に貫通せず、略V字状に切り込んだ刻み部が連続する線である。
切断用補助線としては、ミシン目線及び/又は切込み線を用いることが好ましい。
【0020】
本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、切断用補助線として、軸周り方向に延設された切断用横補助線3と、軸芯方向に延設された切断用縦補助線5と、を有する。本実施形態では、切断用縦補助線5は、筒状フィルム2の上端部から切断用横補助線3の一部分にかけて形成されている。
前記切断用横補助線3は、軸周り方向に間隔を開けて一方端部31a,32a及び反対端部31b,32bをそれぞれ有する第1横補助線31及び第2横補助線32であって一方端部31a,32aから反対端部31b,32bに斜めに延設された第1横補助線31及び第2横補助線32から構成されている。
前記切断用縦補助線5は、筒状フィルム2の上端部から前記第1横補助線31の一部分にかけて延設された第1縦補助線51と、筒状フィルム2の上端部から前記第2横補助線32の一部分にかけて延設された第2縦補助線52と、から構成されている。
【0021】
前記第1横補助線31の一方端部31aと第2横補助線32の一方端部32aは連設されており、前記第1横補助線31の反対端部31bと第2横補助線32の反対端部32bも連設されており、従って、両端部で互いに連設された第1横補助線31及び第2横補助線32から構成される切断用横補助線3は、筒状フィルム2の軸周り方向全体に亘って周設されている。なお、一方端部及び反対端部は、軸周り方向において互いに対向する端部をいう。また、第1横補助線31と第2横補助線32とは、概念的には、両者の一方端部を共有し、反対端部も同様に共有している。
第1横補助線31及び第2横補助線32は、いずれも一方端部31a,32aから反対端部31b,32bに向かって下斜めに延設され、好ましくは、直線状に延設されている。
【0022】
ここで、第1横補助線31及び第2横補助線32が斜めに延設されている状態は、図3乃至図5に示すように、容器に装着前の熱収縮性筒状ラベル1(筒状フィルム2)を扁平状にしたときを基準とする(つまり、筒状フィルム2を平坦状にして平坦面を形成したときを基準とする)。
詳しくは、図1及び図2に示す円筒状の熱収縮性筒状ラベル1(筒状フィルム2)を、図3乃至図5に示すように、軸芯方向の180度の位置で向かい合う一対の折り目4,4にて2つ折りにすると、第1面部21及び第2面部22が重なる扁平状に形成される。前記第1面部21は、筒状フィルム2の半分が平坦状になったものであり、前記第2面部22は、筒状フィルム2のもう半分が平坦状になったものである。概念的には、筒状フィルム2(熱収縮性筒状ラベル1)は、前記第1面部21と第2面部22の内面同士が重なり且つ第1面部21と第2面部22の両端部が折り目4,4にて連設されて構成されていると言える。
【0023】
図3を参照して、第1横補助線31は、主として第1面部21の面内に形成されている。第1横補助線31の一方端部31aは、第1横補助線31の反対端部31bよりも軸芯方向上側に位置している。また、図示例では、第1横補助線31の一方端部31aは一方側の折り目4上に位置し且つ第1横補助線31の反対端部31bは反対側の折り目4上に位置している。第1横補助線31は、その一方端部31aから反対端部31bにまで下斜めに延設されている。
なお、第1横補助線31の一方端部31a及び反対端部31bはそれぞれ折り目4上に配置される場合に限定されず、(1)第1横補助線31の一方端部31a及び反対端部31bの少なくとも一方が、第2面部22の面内に配置されていてもよく、或いは、(2)第1横補助線31の一方端部31a及び反対端部31bの少なくとも一方が、第1面部21の面内であって折り目4に重ならない箇所に配置されていてもよい。前記(1)の場合には、第1横補助線31の一部分(一方端部31aを含む一部分及び/又は反対端部31bを含む一部分)が、第2面部22に延在することになる。
好ましくは、図示例のように、第1横補助線31の一方端部31a及び反対端部31bはそれぞれ折り目4,4上に配置される。
【0024】
第1横補助線31は、軸直交方向に対して所定の角度α1で傾斜されている。
前記所定の角度α1は、0度を超え10度未満であり、好ましくは、0.5度~9.5度であり、より好ましくは1度~7.5度である。
このような角度を有して第1横補助線31が斜めに延設されていることにより、切断用横補助線3に沿って綺麗に切断できる熱収縮性筒状ラベル1を構成できる。
【0025】
第1横補助線31は、ミシン目線と切込み線とから構成されている。具体的には、第1横補助線31のうち、その一方端部31aから中途部までが切込み線で構成され、その中途部から反対端部31bまでがミシン目線で構成されている。
なお、各図において、太い実線で表された線が、切込み線であり、複数の丸点で表された線が、ミシン目線である。
前記第1横補助線31の切込み線の横長さ(軸直交方向における切込み線の長さ)は、特に限定されないが、例えば、1.5mm~20mmであり、好ましくは2mm~10mmである。
【0026】
第1縦補助線51は、筒状フィルム2の第1面部21の上端部から第1横補助線31の中途部にまで形成されている。好ましくは、第1縦補助線51は、第1横補助線31の一方端部側に形成されている。
第1縦補助線51は、軸芯方向と平行に延設されていてもよく、或いは、軸芯方向に対して傾斜して延設されていてもよい。図示例では、第1縦補助線51は、軸芯方向に対して鋭角を成して斜めに延設されている。
第1縦補助線51は、ミシン目線と切込み線とから構成されている。具体的には、第1縦補助線51のうち、第1面部21の上端部から中途部までが切込み線で構成され、その中途部から第1横補助線31までがミシン目線で構成されている。
第1縦補助線51の切込み線の縦長さ(軸芯方向における切込み線の長さ)は、特に限定されないが、例えば、1.5mm~20mmであり、好ましくは2mm~10mmである。
【0027】
図4を参照して、第2横補助線32は、主として第2面部22の面内に形成されている。第2横補助線32の一方端部32aは、第2横補助線32の反対端部32bよりも軸芯方向上側に位置している。また、図示例では、第2横補助線32の一方端部32aは一方側の折り目4上に位置し且つ第2横補助線32の反対端部32bは反対側の折り目4上に位置している。第2横補助線32は、その一方端部32aから反対端部32bにまで下斜めに延設されている。
なお、第2横補助線32の一方端部32a及び反対端部32bはそれぞれ折り目4上に配置される場合に限定されず、(1)第2横補助線32の一方端部32a及び反対端部32bの少なくとも一方が、第1面部21の面内に配置されていてもよく、或いは、(2)第2横補助線32の一方端部32a及び反対端部32bの少なくとも一方が、第2面部22の面内であって折り目4に重ならない箇所に配置されていてもよい。前記(1)の場合には、第2横補助線32の一部分(一方端部32aを含む一部分及び/又は反対端部32bを含む一部分)が、第1面部21に延在することになる。
好ましくは、図示例のように、第2横補助線32の一方端部32a及び反対端部32bはそれぞれ折り目4,4上に配置される。
【0028】
第2横補助線32は、軸直交方向に対して所定の角度α2で傾斜されている。
前記所定の角度α2は、0度を超え10度未満であり、好ましくは、0.5度~9.5度であり、より好ましくは1度~7.5度である。
このような角度を有して第2横補助線32が斜めに延設されていることにより、切断用横補助線3に沿って綺麗に切断できる熱収縮性筒状ラベル1を構成できる。
【0029】
第2横補助線32は、ミシン目線と切込み線とから構成されている。具体的には、第2横補助線32のうち、その一方端部32aから中途部までが切込み線で構成され、その中途部から反対端部32bまでがミシン目線で構成されている。
第2横補助線32の切込み線の横長さ(軸直交方向における切込み線の長さ)は、特に限定されないが、例えば、1.5mm~20mmであり、好ましくは2mm~10mmである。
【0030】
第2縦補助線52は、筒状フィルム2の第2面部22の上端部から第2横補助線32の中途部にまで形成されている。好ましくは、第2縦補助線52は、第2横補助線32の一方端部側に形成されている。
第2縦補助線52は、軸芯方向と平行に延設されていてもよく、或いは、軸芯方向に対して傾斜して延設されていてもよい。図示例では、第2縦補助線52は、軸芯方向に対して鋭角を成して斜めに延設されている。
第2縦補助線52は、ミシン目線と切込み線とから構成されている。具体的には、第2縦補助線52のうち、第2面部22の上端部から中途部までが切込み線で構成され、その中途部から第2横補助線32までがミシン目線で構成されている。
第2縦補助線52の切込み線の縦長さ(軸芯方向における切込み線の長さ)は、特に限定されないが、例えば、1.5mm~20mmであり、好ましくは2mm~10mmである。
【0031】
第1縦補助線51及び第2縦補助線52は、いずれもシール部29に重ならないような位置に形成されている。
例えば、図1に示すように、シール部29が第1縦補助線51と第2縦補助線52の間のうち間隔が大きい方の範囲に含まれるように、第1縦補助線51及び第2縦補助線52が形成されている。
なお、特に図示しないが、シール部29が第1縦補助線51と第2縦補助線52の間のうち間隔が小さい方の範囲に含まれるように、第1縦補助線51及び第2縦補助線52が形成されていてもよく、或いは、第1縦補助線51及び第2縦補助線52のうち何れか一方がシール部29に重なるように形成されていてもよい。
【0032】
図示例では、第1横補助線31及び第2横補助線32は、1つの折り目4を対称軸として線対称形に形成されている。
また、第1縦補助線51及び第2縦補助線52は、1つの折り目4を対称軸として線対称形に形成されている。
一方端部31a,32aで連設され且つ前記角度α1,α2で傾斜した第1横補助線31及び第2横補助線32は、その一方端部31a,32aを頂点として鈍角β1(160度を超え180度未満)を成しており、同様に、反対端部31b,32bで連設され且つ前記角度α1,α2で傾斜した第1横補助線31及び第2横補助線32は、その反対端部31b,32bを頂点として鈍角β2(160度を超え180度未満)を成している。符号、β1及びβ2は、図1及び図2に表されている。
なお、前記連設は、大略的に見ると1つの補助線のように見える如く、2つの切断用横補助線(第1横補助線31及び第2横補助線32)が端部で連なっている状態をいう。
【0033】
<熱収縮性筒状ラベルの製法>
上記熱収縮性筒状ラベル1は、従来公知の方法で製造できる。
例えば、長尺状の熱収縮性フィルムの両側端部を重ね合わせて接着することによって筒状に形成し(筒状長尺フィルムを作製し)、その筒状長尺フィルムを扁平状に折り、その扁平状の筒状長尺フィルムの第1面部側から第2面部(又は第2面部側から第1面部)にまで貫通するように、切断用横補助線3及び切断用縦補助線5を形成することによって、複数の熱収縮性筒状ラベル1が連続的に繋がり且つ扁平状に折り畳まれた連続体が得られる。この連続体を適宜切断することにより、図3乃至図5に示すような扁平状の熱収縮性筒状ラベル1が得られる。扁平状に折り畳んだ筒状長尺フィルムの第1面部側から第2面部に貫通させて切断用横補助線3及び切断用縦補助線5を形成することにより、図示例のような折り目4を基準に線対称形の熱収縮性筒状ラベル1を容易に作製できる。
また、長尺状の熱収縮性フィルムに、切断用横補助線3及び切断用縦補助線5を形成した後、それを筒状に形成することによって、熱収縮性筒状ラベル1の連続体を作製してもよい。
前記切断用横補助線3及び切断用縦補助線5の形成方法としては、ロールカッターなどの切断刃、レーザー光線などを用いた方法が挙げられる。
【0034】
<ラベル付き容器及びその製法>
本発明のラベル付き容器は、上記熱収縮性筒状ラベル1が容器に熱収縮装着されたものである。図6乃至図9に示すように、ラベル付き容器10は、熱収縮された前記熱収縮性筒状ラベル6と、周長が変化した周長変化部7aを有する容器7と、を有し、切断用横補助線3(第1横補助線31及び第2横補助線32)が前記容器7の周長変化部7aに対応するように、前記熱収縮性筒状ラベル6が容器7に熱収縮装着されている。
また、第1横補助線31及び第2横補助線32の一方端部31a,32aが短軸面に対応するように、熱収縮性筒状ラベル6が容器7に熱収縮装着されている。なお、熱収縮後の熱収縮性筒状ラベルを符号6としている。
【0035】
容器7は、図10乃至図12にも示すように、(その外形が略直胴状ではなく)一部分において周長が変化した周長変化部7aを有する。周長変化部7aは、周長が上下方向において変化している部分である。本明細書において、周長は、外側における周方向長さ(外形の周方向の長さ)をいう。
具体的には、容器7は、図7に示すように、内容物を収納する収納空間を有する胴部71と、前記胴部71の端部に取り付けられた蓋部72と、を有する。
図示例では、胴部71は、周長変化部7aと、最大周長部7bとを有する。最大周長部7bは、周長が最も大きい部分である。図示例では、胴部71の最大周長部7bが、容器7の最大周長部となっており、蓋部72が、容器7の最小周長部となっている。
胴部71は、前記最大周長部7bから上方及び下方に向かうに従って周長が小さくなっており、従って、最大周長部7bの上方及び下方のそれぞれに周長変化部7a,7cが形成されている。
最大周長部7bは、上下方向にある程度の長さを有していてもよく、或いは、スポット的であってもよい。
【0036】
周長変化部7aの上下方向の長さは、特に限定されないが、余りに小さいと切断用横補助線3を周長変化部7aに対応させて熱収縮性筒状ラベル6を装着することが困難となる。このため、切断用横補助線3を対応させる周長変化部7a(図示例では、上方の周長変化部7a)の上下方向の長さは、15mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましく、25mm以上がさらに好ましい。前記周長変化部7aの上下方向の長さの好ましい上限は特にない。
切断用横補助線3を対応させる周長変化部7a(図示例では上方の周長変化部7a)の周長の変化率は、特に限定されないが、周長変化部7aの周長の最小値と周長の最大値の割合(最小値/最大値)が、0.4~0.9であることが好ましく、0.5~0.8であることがより好ましい。
前記上下方向の長さと周長の変化率から、切断用横補助線3に沿って綺麗に切断するために好適な周長変化部7aを設定できる。
なお、切断用横補助線3を配置しない周長変化部7c(図示例では、下方の周長変化部7c)の上下方向の好ましい上限及び下限は特にない。
【0037】
前記最大周長部7b及び周長変化部7a,7cの横断面形状(横断面における外形)は、特に限定されず、例えば、略円形状、略楕円形状、略滴形状、略瓢箪形状、略長方形状、略正方形状、略三角形状、略六角形状などの略多角形状などが挙げられる。本発明において、「略」は、本発明の属する技術分野において許容される形状を意味する。略円形状、略楕円形状、略滴形状及び略瓢箪形状などの「略」は、例えば、周の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、周の一部が若干直線又は斜線とされた形状、比較的短い直線が鈍角を成して連続して周を成している形状などが含まれる。略長方形、略正方形、略三角形及び略多角形の「略」は、例えば、角部が面取りされている形状、辺の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、辺が若干湾曲している形状などが含まれる。
なお、前記横断面形状は、図12に示すように、容器7の上下方向に対して直交する方向で切断したときの形状をいう。
【0038】
例えば、最大周長部7bの横断面形状は、長軸と短軸を有する形状に形成され、周長変化部7aの横断面形状も、長軸と短軸を有する形状に形成されている。一方、蓋部72の横断面形状は、長軸及び短軸を有さない形状に形成されている。長軸と短軸を有する形状としては、上記略楕円形状、略滴形状、略瓢箪形状及び略長方形状などが挙げられ、長軸と短軸を有さない形状としては、上記略円形状、略正方形状などが挙げられる。
図示例では、最大周長部7bは、横断面略楕円形状に形成され、蓋部72は、横断面略円形状に形成されている。最大周長部7bと蓋部72の間に位置する上方の周長変化部7aは、蓋部72の付近において横断面略円形状に形成され、蓋部72から離れるに従い長軸方向の長さが短軸方向の長さよりも次第に大きくなる横断面略楕円形状に形成され、最大周長部7bの付近において最大周長部7bと同形に形成されている。最大周長部7bと底面部の間に位置する下方の周長変化部7cは、最大周長部7bの付近において最大周長部7bと同形の横断面略楕円形状に形成され、最大周長部7bから離れるに従い長軸方向の長さが短軸方向の長さよりも次第に小さくなる横断面略楕円形状に形成され、底面部73の付近において略円形状に形成されている。
【0039】
従って、最大周長部7bから上方の周長変化部7aに亘って、長軸と短軸を有する横断面形状に形成されており、同様に、最大周長部7bから下方の周長変化部7cに亘って、長軸と短軸を有する横断面形状に形成されている。
長軸と短軸を有する最大周長部7bから上方の周長変化部7aまでの部分は、立体的にはその外面が長軸面7Mと短軸面7Nを有する。最大周長部7bから下方の周長変化部7cまでの部分も同様である。
【0040】
前記胴部71は、底面部73を含み、その底面部73において容器7は自立可能である。胴部71に収納される内容物は、特に限定されず、例えば、アルコール類、水、牛乳、コーヒーなどの飲料;しょうゆ、出汁などの液状調味料又は顆粒状調味料;洗剤、シャンプー、ボディソープなどのサニタリー品;医薬品;化粧品;化学品;などが挙げられる。
【0041】
胴部71の上端部には、注出口が開口されている。注出口は、胴部71の収納空間に連通している。この注出口を開閉するために、胴部71の上方部には、蓋部72が着脱可能に取り付けられている。図示例の蓋部72は、胴部71の上方部にネジ作用にて螺合される形態である。もっとも、蓋部72は、螺合によって胴部71に取り付けられる形態に限られず、凹凸嵌合などによって取り付けられる形態でもよい。さらに、蓋部72には、例えば、内容物を注出するためのチューブ部やポンプ部などの附属品が具備されていてもよい(図示せず)。蓋部72は、略直胴状である。なお、略直胴状の蓋部72の周長は略一定である。
また、胴部71及び蓋部72の材質は、特に限定されず、それぞれ独立して、ガラス、合成樹脂、金属、陶器などが挙げられる。
【0042】
図1及び図2のように、前記熱収縮性筒状ラベル1を筒状に開き、切断用縦補助線5及び横補助線の一方端部31a,32aが容器7の短軸面7Nに対面し且つ切断用横補助線3が周長変化部7aに対面するように位置合わせしつつ、熱収縮性筒状ラベル1を容器7に外嵌した後、スチームや温風などの加熱手段を用いて熱収縮性筒状ラベル1を熱収縮温度に加熱することにより、熱収縮性筒状ラベル1が熱収縮し、容器7の外形に略沿って密着する。
得られたラベル付き容器10は、図6乃至図9に示すように、熱収縮性筒状ラベル6が周長変化部7aを含む容器7に装着されており、切断用縦補助線5が短軸面7Nの範囲内に配置され且つ切断用横補助線3が周長変化部7aの範囲内に配置されている。
図示例では、熱収縮性筒状ラベル6は、容器7の胴部71から容器7にかけて装着され、さらに、熱収縮性筒状ラベル6の上方部が容器7の上面(蓋部72の上面)の周縁部に折れ曲がって装着されている。切断用縦補助線5が上述のように切込み線を含んでいるので、前記折れ曲がった熱収縮性筒状ラベル6の上方部には、第1縦補助線51及び第2縦補助線52の間に摘み部61が形成される(図9参照)。
なお、熱収縮性筒状ラベル6上方部が容器7の上面に折れ曲がるように装着されていなくてもよい(図示せず)。例えば、熱収縮性筒状ラベル6の上方部が容器7の上方部(蓋部72)の外周面のみに装着されるようにしてもよい。
【0043】
ラベル付き容器10の熱収縮性筒状ラベル6を開封する際には、前記摘み部61を指で摘み、これを外側下方に引き出すことにより、図13に示すように、切断用縦補助線5(第1縦補助線51及び第2縦補助線52)に沿って熱収縮性筒状ラベル6の上方部位を軸芯方向に分断できる。分断された帯状部分(第1縦補助線51及び第2縦補助線52の間の部分)を符号67で示す。その後、例えば、第1縦補助線51の切断跡を含むラベル縁部68を摘んで、軸周りに回すことにより、第1横補助線31から第2横補助線32に沿って熱収縮性筒状ラベル6を綺麗に切断して上方部位を除去できる。なお、第2縦補助線52の切断跡を含むラベル縁部69を摘んで前記とは逆回りに回すことにより、第2横補助線32から第1横補助線31に沿って熱収縮性筒状ラベル6を綺麗に切断できる。
本発明のラベル付き容器10は、切断用横補助線3の全体が周長変化部7aに対応して配置されているので、切断用横補助線3に沿って綺麗に熱収縮性筒状ラベル6を切り取ることができる。切断後の熱収縮性筒状ラベル6の下方部位のラベル縁(切断用横補助線3の切断跡)は、周長変化部7aの曲面に沿った線状になるので、上方部位を除去した後のラベル付き容器を使用する際に、ラベル縁が邪魔にならず、また、外観上も好ましい。
【0044】
さらに、第1横補助線31及び第2横補助線32の一方端部31a,32aが短軸面7Nに対応して配置されているので、特に切断用横補助線3に沿って綺麗に切断できる。詳しくは、切断用横補助線3の切断開始点である一方端部31a,32aが長軸面7Mに対応して配置されている場合には、一方端部31aから第1横補助線31に沿って切断する切断開始当初に短軸面7Nを回らなければならないが、短軸面7Nは長軸面7Mに比して回り度合いが急である。この点、一方端部31a,32aが短軸面7Nに対応して配置されていることにより、一方端部31aから第1横補助線31に沿って切断する切断開始当初に長軸面7Mを回るので、切断開始当初に逸れにくく、短軸面7Nにおいて第1横補助線31から第2横補助線32への破断がスムーズに行われ、切断用横補助線3に沿って確実に熱収縮性筒状ラベル6を切り取ることができる。
【0045】
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、その説明に於いては、主として上述の実施形態と異なる構成及び効果について説明し、同様の構成などについては、用語又は符号をそのまま援用し、その構成の説明を省略する場合がある(第3実施形態以降も同様である)。
【0046】
[第2実施形態]
上記第1実施形態で示した図示例では、切断用横補助線3(第1横補助線31及び第2横補助線32)が、ミシン目線及び切込み線から構成されているが、図14に示すように、切断用横補助線3がミシン目線のみから構成されていてもよい。
また、上記では、切断用縦補助線5(第1縦補助線51及び第2縦補助線52)が、ミシン目線及び切込み線から構成されているが、図14に示すように、切断用縦補助線5がミシン目線のみから構成されていてもよい。
【0047】
[第3実施形態]
上記第1及び第2実施形態では、切断用縦補助線5(第1縦補助線51及び第2縦補助線52)が筒状フィルム2の上端部から切断用横補助線3の一部分にかけて設けられているが、図15に示すように、第1縦補助線51及び第2縦補助線52の少なくとも一方が筒状フィルム2の上端部から中途部(切断用横補助線3にまで至らない)に設けられていてもよい。なお、図15では、切込み線のみから構成される第1縦補助線51及び第2縦補助線52が筒状フィルム2の上端部から中途部にまで設けられている場合を例示している。
【0048】
[第4実施形態]
上記第1乃至第3実施形態では、切断用縦補助線5が、2つの切断用補助線(第1縦補助線51及び第2縦補助線52)からなるが、何れか一方だけが形成されていてもよく、或いは、3本以上の切断用縦補助線が形成されていてもよい(図示せず)。また、切断用縦補助線が形成されていない熱収縮性筒状ラベルを用いることも可能である。
また、筒状フィルム2には、切断用横補助線3及び切断用縦補助線5以外の切断用補助線を、必要に応じて形成してもよい。例えば、切断用横補助線3及び切断用縦補助線5とは異なる切込み線を別途設けてもよい。
【0049】
[第5実施形態]
図16に示すように、筒状フィルム2のうち、切断用横補助線3が形成される帯状の領域を透明に、好ましくは無色透明に形成してもよい。なお、図16において、透明とされた領域を判り易くするために、便宜上、無数のドットを付加している。
この場合、前記透明な領域は、切断用横補助線3の少なくとも下側に数mm程度の幅で設けられ、好ましくは、図示のように、切断用横補助線3の上側及び下側にそれぞれ数mm程度の幅で設けられる。つまり、切断用横補助線3を基準にして、その下側数mmで軸周り方向に延びる下側帯状透明領域とその上側数mmで軸周り方向に延びる上側帯状透明領域とが設けられる。前記下側帯状透明領域及び上側帯状透明領域の幅は、それぞれ独立して、軸周り方向で均等であってもよく、或いは、不均等であってもよい。
少なくとも下側帯状透明領域を形成しておくことにより、上方部位の除去後に容器に残存する熱収縮性筒状ラベル6の下方部位のラベル縁が、目立ち難くなる。
好ましくは、図示のように少なくとも下側帯状透明領域の下縁が軸周り方向(軸直交方向)と平行に形成される。このように下側帯状透明領域の下縁が形成されていることにより、上方部位の除去後に容器に残存する熱収縮性筒状ラベル6の下方部位に設けられるデザイン印刷層のデザインが(歪んだような錯覚を起こすことなく)綺麗に見えるようになる。
その他、上記様々な実施形態から選ばれる1つ又は2つ以上の構成を、それ以外の実施形態に置換してもよい。
【実施例
【0050】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳述する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0051】
[実施例1]
<装着用の容器の準備>
実施例1では、図10乃至図12に示すような、横断面略円形状の蓋部72と、横断面略楕円形状の上方の周長変化部7a、最大周長部7b及び下方の周長変化部7cを有する胴部71と、を有する容器を準備した。この容器は、市販の合成樹脂製容器(胴部及び蓋部の何れもPET樹脂製)である。
実施例1で使用した容器の具体的な寸法(図17参照)は、下記の通りである。
蓋部の上下方向長さH1:100mm。
上方の周長変化部の上下方向長さH2:23mm。
最大周長部の上下方向長さH3:25mm。
下方の周長変化部の上下方向長さH4:24mm。
蓋部の直径L1:65mm。
胴部の最大周長部の長軸面側の長さL2:100mm。
胴部の最大周長部の短軸面側の長さL3:80mm。
【0052】
<熱収縮性筒状ラベルの作製>
厚み45μmの熱収縮性フィルム(ポリスチレン系フィルム。タキロンシーアイ株式会社製の商品名「BS551S」)を、その延伸方向(熱収縮方向)が軸周り方向となるように筒状にし、両側端部を溶剤にて接着することにより、筒状フィルムを作製した。図18に、その筒状フィルムを示す。筒状フィルムは、扁平状にした状態で、その横長を147.5mm、縦長を186mmに形成した。なお、筒状フィルム(熱収縮性筒状ラベル)の周長は、前記扁平状の筒状フィルムの横長の2倍となる。
ロールカッターを用いて、前記扁平状の筒状フィルムの第1面部側から第2面部にまで貫通するように、図18に示すように、第1横補助線及び第1縦補助線を形成することによって、熱収縮性筒状ラベルを作製した。なお、扁平状にした筒状フィルムの第1面部側から第2面部に貫通するように第1横補助線及び第1縦補助線を形成したので、第2面部には、折り目と線対称形で第2横補助線及び第2縦補助線が形成されている。第2横補助線及び第2縦補助線は、図18(左側面図)と対称的に表されるので、右側面図を省略している。
【0053】
第1横補助線(及び第2横補助線)は、図18のように、ミシン目線(貫通孔部の形状:細長い長方形状、貫通孔部の長さ:0.7mm、非貫通部の長さ:1.4mm)と切込み線とからなり、第1縦補助線(及び第2縦補助線)は、図示のように、ミシン目線(貫通孔部の形状:細長い長方形状、貫通孔部の長さ:0.7mm、非貫通部の長さ:1.4mm)と切込み線とからなる。
各補助線の形成位置は、図18に示す通りであり、A1:118mm、A2:3mm、A3:8mm、A4:3mmとした。
【0054】
そして、第1横補助線(及び第2横補助線)の軸直交方向に対する傾斜角度αを、0度乃至10度(1度刻み)の範囲で変更した、合計11種類の熱収縮性筒状ラベルを作製した。
11種類の熱収縮性筒状ラベルは、切断用横補助線(第1及び第2横補助線)の傾斜角度が異なっていることを除いて、同じものである。なお、傾斜角度αが0度は、軸直交方向と平行であって傾斜していないが、便宜上、傾斜角度という表現にしている。
【0055】
<ラベル付き容器の作製>
前記各熱収縮性筒状ラベルを、下記の手順でそれぞれ容器に装着してラベル付き容器を作製した。
すなわち、図17に示す容器の上方の周長変化部と最大周長部の境界部の上方1mmの位置に、図18に示す熱収縮性筒状ラベルの第1横補助線の反対端部が対応するようにし、且つ、容器の短軸面の中間点に第1横補助線の一方端部(第1縦補助線と第2縦補助線の軸回り方向中間点)が対応するように、熱収縮性筒状ラベルを位置決めして容器に外嵌した後、スチームに曝して、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて容器に密着させた。
このようにして、図6乃至図9に示すような、熱収縮性筒状ラベルの上方部が容器の上面の周縁部に折れ曲がり、且つ、熱収縮性筒状ラベルの下方部が容器の下方の周長変化部に密着されたラベル付き容器を作製した。このラベル付き容器は、切断用横補助線全体が周長変化部に対応して配置され且つ切断用縦補助線が短軸面に対応して配置されているものである。
それぞれのラベル付き容器を片手で握り、もう片方の手で切断用縦補助線を利用して熱収縮性筒状ラベルの上方部位を軸芯方向に分断して帯状部分を除去した後、片手で第1縦補助線の切断跡を含むラベル縁部を摘んで、軸周りに回して、第1横補助線から第2横補助線を利用して熱収縮性筒状ラベルを切断した。なお、各熱収縮性筒状ラベルごとに、ラベル付き容器を3個作製した(つまり、前記切断試験は、それぞれ3回行った)。
その切断結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1の○、△及び×の意味は、次の通りである。
○:3個のラベル付き容器の何れも切断用横補助線から逸脱せず、それに沿って綺麗に切断でき、切断後の外観が良好であった。
△:3個のラベル付き容器のうち、1つ又は2つのラベル付き容器については切断用横補助線から逸脱する箇所が僅かにみられたが、概ね切断用横補助線に沿って切断でき、切断後の外観も許容範囲であった。
×:3個のラベル付き容器の何れも切断用横補助線から大きく逸脱し、熱収縮性筒状ラベルの上方部位を簡単に除去できなかった。
【0058】
[実施例2]
<装着用の容器の準備>
実施例2では、横断面円形状の蓋部と、横断面円形状の上方の周長変化部、最大周長部及び下方の周長変化部を有する胴部と、を有する容器を準備した。この容器は、市販の金属製容器(胴部及び蓋部の何れもアルミニウム製)である。
実施例2で使用した容器の具体的な寸法(図19参照)は、下記の通りである。
蓋部の上下方向長さH1:18mm。
上方の周長変化部の上下方向長さH2:34mm。
最大周長部の上下方向長さH3:70mm。
下方の周長変化部の上下方向長さH4:10mm。
蓋部の直径L1:39mm。
胴部の最大周長部の直径L2:66mm。
【0059】
<熱収縮性筒状ラベルの作製>
実施例1と同じ熱収縮性フィルムを筒状に形成することにより、筒状フィルムを作製した。図20に、その筒状フィルムを示す。筒状フィルムは、扁平状にした状態で、その横長を106mm、縦長を108mmに形成した。
実施例1と同様にして、前記扁平状の筒状フィルムの第1面部側から第1横補助線及び第1縦補助線を形成することによって、図20に示すような熱収縮性筒状ラベルを作製した。なお、第2横補助線及び第2縦補助線は、図20(左側面図)と対称的に表されるので、右側面図を省略している。
【0060】
第1横補助線(及び第2横補助線)は、図20のように、ミシン目線(貫通孔部の形状:細長い長方形状、貫通孔部の長さ:0.7mm、非貫通部の長さ:1.4mm)と切込み線とからなり、第1縦補助線(及び第2縦補助線)は、図示のように、ミシン目線(貫通孔部の形状:細長い長方形状、貫通孔部の長さ:0.7mm、非貫通部の長さ:1.4mm)と切込み線とからなる。
各補助線の形成位置は、図20に示す通りであり、A1:10mm、A2:3mm、A3:8mm、A4:3mmとした。
そして、第1横補助線(及び第2横補助線)の軸直交方向に対する傾斜角度αを、0度乃至10度(1度刻み)の範囲で変更した、合計11種類の熱収縮性筒状ラベルを作製した。
【0061】
<ラベル付き容器の作製>
前記各熱収縮性筒状ラベルを、下記の手順でそれぞれ容器に装着してラベル付き容器を作製した。
すなわち、図19に示す容器の上方の周長変化部と最大周長部の境界部の上方1mmの位置に、図20に示す熱収縮性筒状ラベルの第1横補助線の反対端部が対応するように、熱収縮性筒状ラベルを位置決めして容器に外嵌した後、スチームに曝して、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて容器に密着させた。
このようにして、熱収縮性筒状ラベルの上方部が容器の上方の周長変化部に且つ下方部が容器の下方の周長変化部に密着されたラベル付き容器を作製した。このラベル付き容器は、切断用横補助線全体が周長変化部に対応して配置されているものである。
それぞれのラベル付き容器の熱収縮性筒状ラベルを、実施例1と同様にして、切断用縦補助線及び切断用横補助線を利用して切断した。なお、各熱収縮性筒状ラベルごとに、ラベル付き容器を3個作製した。
その切断結果を表1に示す。
【0062】
[実施例3]
<装着用の容器の準備>
実施例3では、横断面略円形状から略楕円形状に次第に変化した蓋部と、横断面略楕円形状の上方の周長変化部、最大周長部及び下方の周長変化部を有する胴部と、を有する容器を準備した。この容器は、市販の合成樹脂製容器(胴部及び蓋部の何れもPET樹脂製)である。
実施例3で使用した容器の具体的な寸法(図21参照)は、下記の通りである。
蓋部の横断面略円形状の部分の上下方向長さH1:6mm。
上方の周長変化部(この上方の周長変化部は、蓋部の横断面略楕円形状の部分と胴部の横断面略楕円形状の部分からなる)の上下方向長さH2:55mm。
最大周長部の上下方向長さH3:91mm。
下方の周長変化部の上下方向長さH4:3mm。
蓋部の上下方向長さH5:34mm。
蓋部の横断面略円形状の部分の直径L1:31mm。
胴部の最大周長部の長軸面側の長さL2:63mm。
胴部の最大周長部の短軸面側の長さL3:41mm。
【0063】
<熱収縮性筒状ラベルの作製>
実施例1と同じ熱収縮性フィルムを筒状に形成することにより、筒状フィルムを作製した。図22に、その筒状フィルムを示す。筒状フィルムは、扁平状にした状態で、その横長を84mm、縦長を168mmに形成した。
実施例1と同様にして、前記扁平状の筒状フィルムの第1面部側から第1横補助線及び第1縦補助線を形成することによって、図22に示すような熱収縮性筒状ラベルを作製した。なお、第2横補助線及び第2縦補助線は、図22(左側面図)と対称的に表されるので、右側面図を省略している。
【0064】
第1横補助線(及び第2横補助線)は、図22のように、ミシン目線(貫通孔部の形状:細長い長方形状、貫通孔部の長さ:0.7mm、非貫通部の長さ:1.4mm)と切込み線とからなり、第1縦補助線(及び第2縦補助線)は、図示のように、ミシン目線(貫通孔部の形状:細長い長方形状、貫通孔部の長さ:0.7mm、非貫通部の長さ:1.4mm)と切込み線とからなる。
各補助線の形成位置は、図22に示す通りであり、A1:40mm、A2:3mm、A3:8mm、A4:3mmとした。
そして、第1横補助線(及び第2横補助線)の軸直交方向に対する傾斜角度αを、0度乃至10度(1度刻み)の範囲で変更した、合計11種類の熱収縮性筒状ラベルを作製した。
【0065】
<ラベル付き容器の作製>
前記各熱収縮性筒状ラベルを、下記の手順でそれぞれ容器に装着してラベル付き容器を作製した。
すなわち、図21に示す容器の上方の周長変化部と最大周長部の境界部の上方1mmの位置に、図22に示す熱収縮性筒状ラベルの第1横補助線の反対端部が対応し、且つ容器の短軸面の中間点に第1横補助線の一方端部が対応するように、熱収縮性筒状ラベルを位置決めして容器に外嵌した後、スチームに曝して、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて容器に密着させた。
このようにして、熱収縮性筒状ラベルの上方部が容器の上方の周長変化部に且つ下方部が容器の下方の周長変化部に密着されたラベル付き容器を作製した。このラベル付き容器は、切断用横補助線全体が周長変化部に対応して配置され且つ切断用縦補助線が短軸面に対応して配置されているものである。
それぞれのラベル付き容器の熱収縮性筒状ラベルを、実施例1と同様にして、切断用縦補助線及び切断用横補助線を利用して切断した。なお、各熱収縮性筒状ラベルごとに、ラベル付き容器を3個作製した。
その切断結果を表1に示す。
【0066】
[実施例4]
<装着用の容器及び熱収縮性筒状ラベル>
実施例4では、実施例1の容器と、実施例1の熱収縮性筒状ラベル(傾斜角度が異なる11種類の熱収縮性筒状ラベル)と、を用いた。
【0067】
<ラベル付き容器の作製>
実施例1の容器の上方の周長変化部と最大周長部の境界部の上方1mmの位置に、実施例1の示す熱収縮性筒状ラベルの第1横補助線の反対端部が対応するようにし、且つ、容器の長軸面の中間点に第1横補助線の一方端部(第1縦補助線と第2縦補助線の軸回り方向中間点)が対応するように、熱収縮性筒状ラベルを位置決めして容器に外嵌した後、スチームに曝して、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて容器に密着させた。
このようにして、熱収縮性筒状ラベルの上方部が容器の上面の周縁部に折れ曲がり、且つ、熱収縮性筒状ラベルの下方部が容器の下方の周長変化部に密着されたラベル付き容器を作製した。
実施例4のラベル付き容器は、切断用横補助線全体が周長変化部に対応して配置されているが、切断用縦補助線が長軸面に対応して配置されている点で、実施例1のラベル付き容器と異なっている。
それぞれのラベル付き容器の熱収縮性筒状ラベルを、実施例1と同様にして、切断用縦補助線及び切断用横補助線を利用して切断した。なお、各熱収縮性筒状ラベルごとに、ラベル付き容器を3個作製した。
その切断結果を表1に示す。
【0068】
一方端部を容器の短軸面に配置した実施例1と、一方端部を容器の長軸面に配置した実施例4とでは、表1の通り、切断結果に若干の差が生じた。このことから、切断用横補助線の一方端部が短軸面に対応するように、熱収縮性筒状ラベルが熱収縮装着されたラベル付き容器の方が、切断用横補助線に沿って切断し易いことが判る。
【符号の説明】
【0069】
1,6 熱収縮性筒状ラベル
2 筒状フィルム
3 切断用横補助線
31 第1横補助線
31a 第1横補助線の一方端部
31b 第1横補助線の反対端部
32 第2横補助線
32a 第2横補助線の一方端部
32b 第2横補助線の反対端部
5 切断用縦補助線
51 第1縦補助線
52 第2縦補助線
7 容器
7a 容器の周長変化部
7N 容器の短軸面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
図17
図18
図19
図20
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図22