(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】照明モジュール用のカバーされたファイバーバンドル
(51)【国際特許分類】
F21V 8/00 20060101AFI20231109BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20231109BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20231109BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20231109BHJP
F21S 43/27 20180101ALI20231109BHJP
F21S 43/16 20180101ALI20231109BHJP
F21S 43/249 20180101ALI20231109BHJP
F21V 9/32 20180101ALI20231109BHJP
F21V 3/08 20180101ALI20231109BHJP
G02B 6/00 20060101ALI20231109BHJP
G02B 6/04 20060101ALI20231109BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20231109BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20231109BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231109BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231109BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20231109BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231109BHJP
【FI】
F21V8/00 282
F21S43/14
F21S43/237
F21S43/245
F21S43/27
F21S43/16
F21S43/249
F21V8/00 263
F21V9/32
F21V3/08
G02B6/00 331
G02B6/04 E
G02B6/04 B
F21W103:00
F21W103:10
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018128492
(22)【出願日】2018-07-05
【審査請求日】2021-04-05
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516326748
【氏名又は名称】ヴァレオ、ノース、アメリカ、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VALEO NORTH AMERICA, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ブラント、ポッター
(72)【発明者】
【氏名】ケイラ、グリーン
(72)【発明者】
【氏名】ネイト、モンゴメリー
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-099653(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0025039(US,A1)
【文献】特開昭63-106604(JP,A)
【文献】米国特許第05617497(US,A)
【文献】特表2016-508238(JP,A)
【文献】実開平07-005922(JP,U)
【文献】特表2001-521200(JP,A)
【文献】特表2005-538395(JP,A)
【文献】特開2005-019154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
F21S 43/00
F21V 9/32
F21V 3/08
G02B 6/00
F21W 103/00
F21W 103/10
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/20
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバーと
前記複数の光ファイバーに対して結合され、前記複数の光ファイバーの
全ての入力端内へと光を差し向けるように操作可能な光源と、
円形、楕円形、三角形、矩形または多角形の断面形状を有するファイバーカバーであって、前記ファイバーカバー内において、前記複数の光ファイバーを、二次元ファイバーアレイが形成されるように束ねられた状態に保持するとともに前記複数の光ファイバーの外部の区域内へと光を伝えて車両照明機能のための照明区域を画成する、前記ファイバーカバーと、
を備え、
前記ファイバーカバーは、
編目形式のもの若しくは編組みスリーブ材料から形成され、かつ、その周面に所定のパターンを有する複数の穴を含んでいる、ファイバーバンドル。
【請求項2】
前記ファイバーカバーは、蛍光物質または量子ドットを含んでいる、請求項1記載のファイバーバンドル。
【請求項3】
前記複数の光ファイバーの出力端の所に配置されるキャップを更に備えた、請求項1記載のファイバーバンドル。
【請求項4】
前記キャップは、前記複数の光ファイバーによる軸線方向の光の放出を吸収して妨げる、請求項3記載のファイバーバンドル。
【請求項5】
前記キャップは反射性である、請求項3記載のファイバーバンドル。
【請求項6】
前記光源が固体発光体を含む、請求項1記載のファイバーバンドル。
【請求項7】
前記複数の光ファイバーの前記入力端同士を一緒に束ねるための結束要素を更に備えた、請求項1記載のファイバーバンドル。
【請求項8】
前記結束要素は、前記複数の光ファイバーを前記所定の断面形状を有した束に保持するように構成されたフェルールを含む、請求項7記載のファイバーバンドル。
【請求項9】
前記複数の光ファイバーの一部が、そこから1つないし複数のファイバーパネルを形成するように拡張されている、請求項1記載のファイバーバンドル。
【請求項10】
前記所定の断面形状は、円形、三角形、または六角形である、請求項1記載のファイバーバンドル。
【請求項11】
車両用の照明モジュールであって、
複数の光ファイバーと、
前記複数の光ファイバーに対して結合され、前記複数の光ファイバーの
全ての入力端内へと光を差し向けるように操作可能な1つないし複数の光源と、
円形、楕円形、三角形、矩形または多角形の断面形状を有するファイバーカバーであって、前記ファイバーカバー内において、前記複数の光ファイバーを、二次元ファイバーアレイの形態のファイバーバンドルが形成されるように束ねられた状態に保持し、かつ、前記複数の光ファイバーの外部の区域内へと光を伝えて照明区域を画成するように構成され、前記ファイバーカバーは、
編目形式のもの若しくは編組みスリーブ材料から形成され、かつ、その外周面に所定のパターンを有する複数の穴を含んでいる、前記ファイバーカバーと、
光学的構成要素と、
を備え、
前記ファイバーバンドルが、前記光学的構成要素の光学的中心の所に定置されている、照明モジュール。
【請求項12】
前記ファイバーカバーは透明である、請求項11記載の照明モジュール。
【請求項13】
前記光学的構成要素は結像レンズである、請求項11記載の照明モジュール。
【請求項14】
前記光学的構成要素は反射器であり、前記反射器は前記ファイバーバンドルの中心に沿って押出成形されている、請求項11記載の照明モジュール。
【請求項15】
前記複数の光ファイバーの出力端の所に配置されたキャップをさらに備えた、請求項11記載の照明モジュール。
【請求項16】
前記複数の光ファイバーの一部が、そこから1つないし複数のファイバーパネルを形成するように拡張されて、第2の照明領域を提供する、請求項11記載の照明モジュール。
【請求項17】
ファイバーバンドルを製造する方法であって、
複数の光ファイバーを用意することと、
前記複数の光ファイバーの
全ての入力端に対して光源を取り付けることと、
ファイバーカバーを前記複数の光ファイバーに施すことと、
を備え、
前記ファイバーカバーは円形、楕円形、三角形、矩形または多角形の断面形状を有し、前記ファイバーカバーは、その内部において、前記複数の光ファイバーを、二次元ファイバーアレイが形成されるように束ねた状態で保持し、前記複数の光ファイバーの外側領域に光を透過させて車両照明機能のための照明領域を画成し、前記ファイバーカバーは、
編目形式のもの若しくは編組みスリーブ材料から形成され、かつ、その外周面に所定のパターンを有する複数の穴を含む、方法。
【請求項18】
前記複数の光ファイバーを、1つないし複数の光学パネルを形成するように所定の形態で拡張することをさらに含む、請求項17記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
自動車両は、内部と外部の両方の照明用に多くの照明機器を含んでいる。例えば、外部車両照明機器は、制動灯機能、尾灯機能、前照灯機能、デイタイム・ランニングライト(昼間点灯)機能、ダイナミック・ベンディングライト(方向性照明)機能、および霧灯機能を遂行し得る。
【0002】
車両製造者らは、車両照明機器の搭載される車両のスタイリングを考慮して当該照明機器の設計をすることに尽力してきた。さらに、車両製造者らは、車両のスタイリングを向上させるように(必要な照明機能性に加えて)選択的な照明効果を与え得る。
【0003】
前記「背景技術」の説明は、本開示の文脈を全般的に提示する目的のためのものである。普通ならば出願時に先行技術と見做してはならない記述の態様だけではなく、この背景技術の部分で記述された範囲での発明者の成果は、明示的にも暗示的にも本発明に対する先行技術としては認められない。
【発明の概要】
【0004】
本開示のある態様は、ファイバーバンドルを含む。当該ファイバーバンドルは、複数の光ファイバーと、複数の光ファイバーに対して結合され、複数の光ファイバーの入力端内へと光を差し向けるように操作可能な光源と、所定の断面形状を有するファイバーカバーであって、その断面形状が、複数の光ファイバーを結束状態に保持するように構成されると共に、車両照明機能のための照明区域を画成する複数の光ファイバーの外部の区域内へと光を伝えるように構成されたファイバーカバーとを含んでいる。
【0005】
本開示の別の態様は、車両用の照明モジュールを含む。当該照明モジュールは、複数の光ファイバーと、複数の光ファイバーに対して結合され、複数の光ファイバーの入力端内へと光を差し向けるように操作可能な1つないし複数の光源と、所定の断面形状を有するファイバーカバーであって、その断面形状が、複数の光ファイバーを、ファイバーバンドルを形成する結束状態に保持するように構成されると共に、照明区域を画成する複数の光ファイバーの外部の区域内へと光を伝えるように構成されたファイバーカバーと、光学的構成要素とを含み、ファイバーバンドルが、光学的構成要素の光学的中心の所に定置されている。
【0006】
一実施形態において、ファイバーカバーは、所定のパターンを有した複数の穴を含んでいる。
【0007】
一実施形態において、当該ファイバーバンドルは、複数の光ファイバーの出力端の所に配置されるキャップを含んでいる。
【0008】
一実施形態において、キャップは、複数の光ファイバーによる軸線方向の光の放出を吸収して妨げる。
【0009】
一実施形態において、キャップは反射性である。
【0010】
一実施形態において、光源は、固体発光体を含んでいる。
【0011】
一実施形態において、当該ファイバーバンドルはまた、複数の光ファイバーの入力端同士を一緒に束ねるための結束要素を含む。
【0012】
一実施形態において、結束要素は、光ファイバー同士を所定の断面形状を有した束に保持するように構成されたフェルールを含んでいる。
【0013】
一実施形態において、複数の光ファイバーの一部が、そこから1つないし複数のファーイバーパネルを形成するように拡張されている。
【0014】
一実施形態において、所定の断面形状は、円形、三角形、または六角形である。
【0015】
一実施形態において、ファイバーカバーは、蛍光物質または量子ドットを含んでいる。
【0016】
本開示の別の態様は、ファイバーバンドルを製造するための方法を含む。当該方法は、複数の光ファイバーを用意することと、複数の光ファイバーの入力端に対して光源を取り付けることと、所定の断面形状を有するファイバーカバーであって、その断面形状が、複数の光ファイバーを結束状態に保持するように構成されると共に、車両照明機能のための照明区域を画成する複数の光ファイバーの外部の区域内へと光を伝えるように構成されたファイバーカバーを、複数の光ファイバーに施すこととを備えている。
【0017】
前記各パラグラフは、一般的な導入として与えられてきたものであって、後の各請求項の範囲を限定することを意図してはいない。説明される諸実施形態は、更なる利点と一緒に、添付図面と共に用いられる以下の詳細な説明を参照することによって、最もよく理解されるであろう。
【0018】
本開示および、それに付随する利点の多くのより完全な認識は、添付図面に関連して考慮されたときには、以下の詳細な説明を参照することによってより良好に理解されることから、容易に得られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】一例による光ファイバーパネルおよびカバーされたファイバーバンドルの平面図。
【
図1D】一例によるカバーされたファイバーバンドルの模式図。
【
図2A】例示的なファイバーバンドルにおける断面の模式図。
【
図2B】例示的なファイバーバンドルにおける断面の模式図。
【
図2C】例示的なファイバーバンドルにおける断面の模式図。
【
図2D】例示的なファイバーバンドルにおける断面の模式図。
【
図3A】例示的な照明機器で用いられるファイバーバンドルの模式図。
【
図3B】例示的な照明機器で用いられるファイバーバンドルの模式図。
【
図3C】例示的な照明機器で用いられるファイバーバンドルの模式図。
【
図3D】例示的な照明機器で用いられるファイバーバンドルの模式図。
【
図4A】ファイバーバンドルの代替実施形態を示す図。
【
図4B】ファイバーバンドルの代替実施形態を示す図。
【
図4C】ファイバーバンドルの代替実施形態を示す図。
【
図4D】ファイバーバンドルの代替実施形態を示す図。
【
図4E】ファイバーバンドルの代替実施形態を示す図。
【
図5】本明細書で開示される本発明の諸実施形態が実施され得る車両環境のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで図面を参照するが、幾つかの図を通じて同様の参照符号が同一ないし対応する部分を示している。以下の説明は、ファイバーバンドル、ファイバーバンドルを含んだ照明モジュール、およびファイバーバンドルを製造するための方法論に関するものである。
【0021】
光ファイバーは、ファイバーの一端から他端へと光を伝えるのに用いられる。この全内部反射(TIR)に基づく動作モードは、照明のために用いられる。光ファイバーはまた、ファイバーの表面から光を放出するように取り扱われてもよい。表面発光を目的とした光ファイバーの改変は、光ファイバーのコアから伝達光の一部が漏出するのを可能とする規則的ないしは不規則な表面形状構成を作り出すように、ファイバーの表面を削ったり磨ったりすることを伴い得る。
【0022】
ファイバーパネル・モジュールは一般的に、コントローラ、カプラ、光ファイバーバンドル、および発光パネルを含んでいる。発光パネルは光ファイバーバンドルからの光ファイバーを含んでいてよいが、そのバンドルは、基材に対して定着されてから、光を引き出すように処理されている。ファイバーパネル・モジュールは一般的に、光ファイバーバンドルへと光を入力する光源を含んでいるが、そのファイバーバンドルは、そこから発光パネルを形成するように拡張したファイバーを有している。目下の設計において、
図1Bに示すファイバーバンドル区域100(即ち、コントローラとパネルとの間の区域)内では、相当な光のデカップリングが生じる。
図1Cは、カバー無しの光ファイバーバンドルを示している。
【0023】
目下のところ、デカップリングされた光は利用されておらず、ファイバーパネル・モジュールにおける効率低下の一因となっている。またファイバーバンドル区域100は、審美的に満足なものではなく、隠されねばならない。しかしながら本願発明者らは、ファイバーから出てくる光は、普通ならば発揮されないであろう多方面の照明機能性のために用いられ得るものである、と認識してきた。本発明者らによって認識されるように、ファイバーバンドル区域100から漏出する光を、照明機能(例えば、尾部、後部側方灯)に寄与するように、またスタイリング要素としても用いられるように利用できることが望ましいのである。
【0024】
図1Aは、一例による光ファイバー発光パネル装置102の模式図である。光ファイバー発光パネル装置102は、光源104、ファイバーバンドル106、およびファイバーパネル108を含んでいる。ファイバーバンドル106は、光ファイバー110、およびバンドルカバー112を含んでいる。ファイバーパネル108は、基材、およびカバー層を含み得る。バンドルカバー112は、
図1Aに示すように光ファイバー110同士を結束状態に保持するための包装やスリーブであってよい。光源104は、オペレーターインターフェイス(図示せず)を介して制御され得る。バンドルカバー112は、ランプ組立体内でのファイバーバンドル106のより容易な取回しをもたらすという利点を有している。
図1Dは、バンドルカバー112付きのファイバーバンドルを示している。
【0025】
ファイバーバンドル106は、ガラスやプラスチックの多数の光ファイバー110を含み得るが、それらの光ファイバー110は結束要素114によって一端部の所で一緒に束ねることができる。例えば、ファイバーバンドル106は、研磨(磨り加工)された多数のPMMA(ポリメチルメタクリレート)ファイバーを含んでいてよい。結束要素114は、真鍮やプラスチックのフェルール(嵌め輪など)、ケーブルタイ(結束バンド)、テープ、接着剤、その他のファイバーバンドル106を所定形状に保持することのできる材料から形成され得る。付加的な結束要素が用いられてもよい。光源104によって発生された光は、ファイバーパネル108への伝達のためにファイバーバンドル106に結合され得る。図面においては、単純化のために少数の光ファイバー110しか示されていない。一例では、ファイバーバンドル106が光ファイバー・カプラ(図示せず)を介して光源104に結合されていてよい。さらに、光源104はヒートシンク(図示せず)を含んでいてもよい。
【0026】
本明細書で説明するファイバーバンドル106は、数十本のファイバーから数千本のファイバーまでを含み得る。光ファイバー110の全部または一部が、そこから1つないし複数のファイバーパネル108を形成するように拡張されていてよい。一つの実施において、ファイバーバンドル106は、およそ250本から350本の間の0.23mm直径のファイバーを含んでいてよい。
【0027】
ファイバーバンドル106にバンドルカバー112を用いることによって、ファイバーバンドル106を照明機能の目的で用いたりスタイリング要素として用いたりすることが可能となる。バンドルカバー112は、下記で更に説明するように、ファイバーバンドルの断面形状を精確に束縛し、より容易な固定を可能とし、ファイバーバンドル部分を測光的な機能のために使用することを可能とし、また車両のランプ内にスタイリング要素を作り出すのに用いることができる。また、バンドルカバー112は、光ファイバー110を保護してくれる(例えば、難燃性、湿気、ゴミ)。バンドルカバー112の色、透過率、編目状の輪郭形状、その他の諸特性は、本明細書で後に説明するように、照明機能やスタイルを向上させるのに用いることができる。
【0028】
光ファイバー110同士は、互いに対して概して平行な関係でバンドルカバー112内に配置することができる。但し、光ファイバー110同士は、同様の姿勢をとっていても、異なる姿勢をとっていてもよい(例えば、平行な、平行でない、湾曲した、弧状の、或いは蛇行した)。光ファイバー110同士は、異なる大きさや寸法(例えば、異なるパラメータ)を有していてもよい。
【0029】
光源104は、1つないし複数の発光素子や固体光源を含んでいてよい。用語「固体(solid state)」は概して、白熱や蛍光の光源によって放出される光とは全く異なるように、固体電界発光によって放出される光に関するものである。例えば光源104には、無機半導体発光ダイオード(LED)ないしレーザーダイオード、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、LEDランプ・パッケージ、LEDチップないしLEDダイ、或いは、1つないし複数のこれらの素子同士のアレイが含まれ得る。複数のLEDの素子を用いるときには、LED同士が同じ色を有していても異なる色を有していてもよい。光源104は、分離した複数のLEDであったりLEDライト・バーであったりし得るLEDであってよい。一例において、光源104は、2.56ボルトで750mAの電流において約2W、140lmの出力をもたらすLEDであってよい。光源104は、コントローラ116を用いて制御されてよい。
【0030】
バンドルカバー112は、様々な色および/または異なる編目型式の可撓性のものとすることができる。バンドルカバー112は、不透明や半透明(透明)のもとすることができる。また、バンドルカバー112の第1部分が透明であって、バンドルカバー112の第2部分が不透明であってもよい。一例において、バンドルカバー112は交互に配置された不透明部分と透明部分とを含んでいてもよい。さらに、バンドルカバー112の底部や上部が不透明であってもよい。例えば、矩形断面を有したバンドルカバー112については、1つないし複数の側面が異なる特性(不透明度、色彩など)を有していてもよい。バンドルカバー112は、プラスチックおよび/または金属で作ることができる。一実施において、バンドルカバー112はポリエステルのPET(ポリエチレンテレフタレート)モノフィラメントから作られた編組みスリーブであってよい。カバーの断面形状は、円形、楕円形、矩形、または種々の多角形の形状とすることができる。カバーの断面は、光ファイバー110の寸法および本数の関数としての寸法を有し得る。
【0031】
図2Aから
図2Dは、例示的なファイバーバンドルの断面の模式図である。
図2Bは、円形断面を有したバンドルカバー112を示している。バンドルカバー112は、光ファイバー110から光が外へ出て行くのを可能とする複数の穴(即ち、開口)を含んでいる。複数の穴の密度および寸法は、車両の照明機能に応じて、例えばファイバーバンドル106から出力される光を制御するように変化し得る。一実施において、バンドルカバー112は、発光や照明状況を制御するための適用に基づいて予め決められた穴のパターンを有していてよい。一例では、予め決められた穴のパターンが非対称になっていてもよい。換言すれば、バンドルカバー112の第1半球が1つないし複数の穴を含んでいて、第2半球が穴を含んでいなくてもよいのである。
図2Cは、円形の形状を有したファイバーバンドル206の断面図を示している。ファイバーカバー112は、半透明になっていてよい。ファイバーは様々な色(例えば、無色透明、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、灰色、白色)のものであってよい。
図2Dは、矩形の形状を有したバンドルカバー112を示している。例えば、円形の形状は、屈曲や均一な発光の必要な用途のために用いられ得る。一例では、矩形の形状は、一定の各方向に沿ってより高い剛性をもたらし得る。断面形状は、三角形、六角形などであってもよい。
【0032】
バンドルカバー112は、ファイバーバンドル106に渡る光学的特性を変化させるように、色素、ナノ粒子、蛍光物質、量子ドット、その他の添加物で増強されていてもよい。一例では、バンドルカバー112の波長(即ち、色)の出力に影響するよう、バンドルカバー112の任意の部分に蛍光物質を含ませることができる。それに加えて、或いはそれに代えて、バンドルカバー112から出力される光の光散乱に影響するように拡散物質を含ませることができる。最も一般的には、蛍光物質が、ルミネッセンス(冷光)の現象を呈する物質である。白色光や橙色光を放出するために、蛍光物質は、例えば次の化合物のうち少なくとも1つを含むことができる:Y3Al5O12:Ce3+(YAG)、(Sr,Ba)2SiO4:Eu2+、Cax(Si,Al)12(O,N)16:Eu2+。これらの化合物は、青色光を黄色光へと変換する。蛍光物質の組成を調節することによって、これらの2色同士の加色混合が白色光や橙色光であることとなる。
【0033】
光学的なカバー112は、様々な車両照明機能と関連付けられる様々な光出力を容易にするための付加的な層を含んでいてもよい。光型の出力は、光学的なカバー112の任意の光出力区域における、色彩、色相、ティント(明度)、トーン(色調)、および/またはシェード(暗度)に加えて、強度、輝度、その他の如何なる所望の特性をも含むことができる。
【0034】
ファイバーバンドル106内の光の空間的な変化は、光ファイバー110用の複数光源の使用によって達成され得る。例えば、異なる特性を有した2つの光源が各光ファイバー110に結合されていてよい。
【0035】
ファイバーバンドル106は、直接的に照明機能として用いられたり、他の照明機能要素と協力して照明機能に寄与するもの(即ち、補足的なもの)として用いられたりすることができる。ファイバーバンドル106は、尾灯、停止灯、方向指示器、車幅灯、デイタイム・ランニングライト(DRL:昼間点灯灯)、および側方灯の各機能のための光に寄与するものとして用いることができる。ファイバーバンドル106は、二次光学部品のための制御された光源として用いることができる。ファイバーバンドル106は、スタイリング要素として用いることができる。ファイバーバンドル106は、車両ランプ内で容易に視認できるようにすることができる。
【0036】
図3Aから
図3Dは、例示的な照明機器で用いられるファイバーバンドル106の模式図である。一例では、ファイバーバンドル106は、
図3Aおよび
図3Cに示すように押出成形された反射器二次要素のための光源として用いることができる。
【0037】
図3Cは、押出成形された貫通型反射器304の焦点の所に定置されたファイバーバンドル106を示している。反射器304部分の断面は、ファイバーバンドル106のプロファイルの中心軸線に沿って押出成形することができる。
図3Aは、押出成形された間接型反射器302の焦点の所に定置されたファイバーバンドル106を示している。
【0038】
ファイバーバンドル106は、
図3Bおよび
図3Dに示すように後部側方灯機能として直接的に用いることができる。ファイバーバンドル106は、結像レンズ、例えばレンズ306,308(例えば、押出成形された円環面や他の光学向けの形状)の焦点の所に置かれた延長光源として用いることができる。
【0039】
ファイバーバンドル106およびバンドルカバー112が可撓性であるため、ファイバーバンドル106は、動的で機械的な運動式の自動車照明機能(例えば、回動式の車両用ヘッドライトにおけるもの)と共に用いることができる。バンドルカバー112は、折り曲げられ得る。曲げ半径は、光ファイバー110に関連した最小曲げ半径の関数であり得る。特定の光ファイバーの最小曲げ半径は、ファイバーの構成次第であるが、ファイバーの直径の10から50倍の範囲内であり得る。例えば、光ファイバーが0.2mmの直径を有していて、最小曲げ半径がファイバーの直径の20倍である場合には、ファイバーの最小曲げ半径は4mmである。
【0040】
さらに、ファイバーバンドル106は、ファイバーパネル108無しで同様の機能性を生じさせるように用いることができる。いくつかの実施において、ファイバーバンドル106には、エンドキャップ400を嵌めることができる。エンドキャップ400は、1)ファイバーバンドルを出て行く光を(
図4Cに示すように)遮断したり、2)ファイバーバンドル内へと戻るように光を(
図4Dに示すように)反射したり(これは光学的な出力を増大させるであろう)、3)
図4Eに示すように光学部品(反射性ないし屈折性のもの)で光を制御したりするように構成することができる。
【0041】
キャップ400は、ファイバーバンドル106から出力される光の特性を増強したり変化させたりするための付加的な光学的構成要素をもたらす。例えば、キャップ400が光の放出を妨げるように不透明であったり、キャップ400が1つないし複数のファイバーバンドル106の端部からの光の放出を許容するように半透明であったりしてもよい。キャップ400は、バンドルカバー112の発光面の方向とは実質的に異なる方向に位置する側に発光面を有していてもよい。バンドルカバー112と同様、キャップ400は、ファイバーバンドル106からの様々な光出力を達成したり増強したりするように改変され得る。例えばキャップ400は、キャップ400からの出力に渡る光学的特性を変化させるように、色素、ナノ粒子、蛍光物質、その他の添加物で増強されていてもよい。一例では、キャップ400の波長(即ち、色)の出力に影響するよう、キャップ400の任意の部分に蛍光物質を含ませることができる。
【0042】
ファイバーバンドル106や光ファイバー110への追加的な研磨によって、より高い出力や性能を可能とすることができる。所望の方向へ光を差し向けるように光ファイバー110を改変することは、本明細書で前述したように複数の反射面を与えること、ファイバーの表面をレーザー溶発させること、各ファイバー110の表面の機械的研磨などを通じて達成することができる。さらに、改変の深さ、密度、および型式を、各ファイバーの長さに沿って変化させてもよい。例えば、反射面同士の間の間隔を、ファイバーの異なる部分同士で変化させてもよい。それは、ファイバーの表面において、より強い光強度や、より弱い光強度を達成し、および/または、光ファイバー110の端部から、従ってファイバーバンドル106から、より多い光や、より少ない光が放出されるのを可能とするようにである。
【0043】
図5は、本明細書で開示された本発明の諸実施形態が実施され得る車両環境500の単純化されたブロック図である。車両環境500は、1つないし複数の外部ネットワーク580によって1つないし複数の外部機器550と連絡した車両501を含んでいる。車両501はまた、下記で議論することとなるような車両内の幾つかの車両機器類を相互接続するための、種々の内部ネットワーク540を含んでいる。車両環境500には、1つないし複数の車内携帯機器530も含まれ得る。外部機器550は、車両501の外部に設置される如何なる機器をも包含するが、それは当該外部機器が、車両やその機器類と、外部ネットワーク580によって通信しなければならないようなものである。例えば外部機器には、携帯機器類、ネットワーク系における電子機器類(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)におけるサーバーやクライアントなど)、他の車両のオンボード・コンピュータなどが含まれ得る。車内携帯機器530は、当該車内携帯機器が車両501の内部ネットワーク540と直接的に通信できるように車両501の中や近くに置かれる機器類である。車内携帯機器530は、下記で議論するように外部ネットワーク580と接続されてもよい。
【0044】
車両501は、当該車両501と一体的な、さもなければ結び付けられている車両機器類を含んでいる。
図5の実施形態において、車両機器類は、1つないし複数のセンサ503、1つないし複数のアクチュエータ505、1つないし複数の制御ユニット507、1つないし複数のメディアシステム508、1つないし複数のディスプレイ509、1つないし複数のルータ511、1つないし複数のアンテナ513、および、1つないし複数のオンボード・コンピュータ520を含んでいる。1つないし複数のオンボード・コンピュータ520は、コントローラ116に相当し得る。1つないし複数のオンボード・コンピュータは、光源104などの1つないし複数の車両灯火類を制御するための所望のデューティファクタを有した信号を生成し得る。本明細書で用いる際、用語「車両機器」は、センサ、アクチュエータ、コントローラ、電子制御ユニット(ECU)、検出器、計器、組込み機器、メディア機器(スピーカー、CDおよび/またはDVDプレーヤー、ラジオなどを含む)、車両ナビゲーションシステム(例えばGPS)ディスプレイ、その他の車両501と関連付けられる周辺機器類や補助機器類や部品類を包含する意味を有している。
【0045】
センサ503は、車両501内部(或いは、直近)の種々の条件を検出する。例えばセンサ503は、温度センサ、光センサ、位置センサ、速度センサ、角度センサ、または、車両501やその周囲環境の診断条件その他のパラメータを検出するための如何なる他のセンサであってもよい。センサ503は、アナログ表現の検知パラメータをもたらすパッシブ型の、即ち「ダム(スマートでない)」センサであっても、或いは、統合されたメモリと、センサそれ自体の内部でパラメータを解析するデジタル処理能力とを有した所謂「スマート」センサであってもよい。各アクチュエータ505は、制御信号に応じて、車両の何らかの機械的な要素の運動を引き起こす。例えばアクチュエータ505は、液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、またはステッピングモータなどの電気的/電子的アクチュエータであってよい。アクチュエータ505は、例えばインテリジェント(配光可変)照明を実施するために車両の照明機器を動かすのに用いられ得る。アクチュエータ505は、ファイバーバンドル106を動かすのに用いられてもよい。
【0046】
アクチュエータ505は、単純なアナログ電圧入力に反応する「ダム」装置であっても、内蔵メモリと処理能力とを伴った「スマート」装置であってもよい。アクチュエータ505は、センサ503からの検知パラメータに基づいて作動され得る。そのような検知パラメータの1つは、アクチュエータ503それ自体の実際の位置であってもよい。かくして、各センサ503と各アクチュエータ505とは、車両501の診断検出や制御のためのフィードバック制御ループ内に接続され得るのである。
【0047】
制御ユニット507は、任意の組込みシステム、プロセッサ、電子制御ユニット(ECU)、またはマイクロコントローラを含む。制御ユニット507は、車両501の特定の部位や機能に専用のものであってもよい。例えば制御ユニット507は、幾つかのダム機器類(例えば、パッシブセンサ503やアクチュエータ505など)のためのメモリや制御ロジック機能をもたらすことができる。一実施形態において、制御ユニット507は、本明細書に開示した諸実施形態による1つないし複数の照明機器(例えば、光源104)を制御するのに専用のECUである。典型的には、様々な組込みソフトウエアを伴った多くのECUが、単一の自動車内に見出され得るし、下記で議論するように内部ネットワークを介して連絡し合い得る。
【0048】
オンボード・コンピュータ520は、車両501内で多目的なコンピュータ処理機能性をもたらすための車両機器である。オンボード・コンピュータ520は典型的には、メモリ内に読み込まれたソフトウエア・アプリケーション、即ち「apps」に基づいてコンピュータによる集中的な機能を取り扱う。オンボード・コンピュータ520は、車両環境500内の様々な通信ネットワークのための共通インターフェイスもまた、もたらし得る。オンボード・コンピュータ520は、1つないし複数のプロセッサ521、1つないし複数のメモリ523、1つないし複数のユーザーインターフェイス525(例えば、本明細書で前述したオペレーターインターフェイス)、および1つないし複数のネットワーク・インターフェイス527を含んでいる。1つないし複数のディスプレイ509および1つないし複数のルータ511は、オンボード・コンピュータ510の一体的部分になっていてもよく、或いは車両内に分散されてオンボード・コンピュータや他の車両機器類と結び付けられていてもよい。車両501内の運転者や乗客によるアクセスのために、別体のディスプレイ509が適当な位置に設けられていてもよい。
【0049】
オンボード・コンピュータ520、および車両機器類などの結び付けられたり統合されたりした構成要素は、本明細書で開示したような1つないし複数の車両灯火類に関連した動作を達成するのに用いられるべき情報を記憶するための、1つないし複数のメモリ要素523を含むことができる。さらに、これらの機器類は、任意の適当なメモリ要素(例えば、ランダムアクセス・メモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、イレーサブル(消去可能)プログラマブル・リードオンリーメモリ(EPROM)、エレクトリカリイ(電気的)イレーサブル・プログラマブルROM(EEPROM)など)、ソフトウエア、ハードウエア内に、或いは、適切な場合には特定のニーズに基づいて任意の他の適当な部品、装置、要素、または物体に情報を保持してよい。車両環境500内で追跡され、送信され、受信され、或いは記憶される情報は、特定のニーズや実施に基づいて、任意のデータベース、レジスタ、テーブル、キャッシュ、キュー、制御リスト、またはストレージ構造内に与えられることができるであろう。それらの全てが、任意の適当な時間枠において参照されることができるであろう。
【0050】
例示の実施形態において、ファイバーバンドル106を制御するための動作は、1つないし複数の有形媒体内の符号化されたロジックによって実施され得る。それには、一時的でない媒体(例えば、ASIC内に与えられた組込型ロジック、デジタルシグナル・プロセッサ(DSP)の命令、プロセッサや他の同様の車両機器によって実行されるべきオブジェクトコードやソースコードを潜在的に含むソフトウエアなど)が含まれ得る。これらの実例の一部においては、1つないし複数のメモリ要素(例えば、メモリ523)が、本明細書で説明した動作のために用いられるデータを記憶することができる。これは、この明細書で説明した各アクティビティ(処理)を行うように実行されるソフトウエア、ロジック、コード、またはプロセッサの命令を記憶することのできるメモリ要素を含む。
【0051】
プロセッサ521は、本明細書で開示した照明機器の制御を可能とするアクティビティを行うためのソフトウエアやアルゴリズムを実行することができる。プロセッサ521は、本明細書で詳説した動作を達成するためのデータと関連付けられる如何なる型式の命令をも実行することができる。一例において、本明細書で概説した各アクティビティは、固定ロジックやプログラマブル・ロジック(例えば、プロセッサによって実行されるソフトウエア/コンピュータ命令)にて実施されてよい。また、本明細書で特定される要素は、何らかの型式のプログラマブル・プロセッサ、プログラマブル・デジタルロジック(例えば、FPGA、EPROM、EEPROM)、または、デジタルロジック、ソフトウエア、コード、電子的命令を含んだASIC、フラッシュメモリ、光学ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、磁気カードや光学カード、電子的な命令を記憶するのに適当なその他の型式のコンピュータ読取り可能な諸媒体とすることができるであろう。如何なるあり得る処理要素、モジュール、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および本明細書で説明したその他の機器類も、広範な用語「プロセッサ」の範囲内に含まれるものと解釈されたい。
【0052】
図5の諸要素は、電子的な通信のための経路をもたらす1つないし複数の適当な通信媒体(例えば、有線、無線、光)によって、互いに通信可能に結合され得る。
図5の任意の要素は、やはりネットワーク・ノードとして働く
図5の他の任意要素と連絡したネットワーク・ノードとして働き得る。如何なる適当なネットワーク・メッセージ通信プロトコルや、ネットワーク・トポロジーや、ネットワークの地理的範囲も、車両環境500内に含まれ得る。かくして、オンボード・コンピュータ520の諸実施形態は、本明細書で説明した種々のネットワーク(内部と外部の両方のネットワークを含む)を介した通信を容易にするための(ネットワーク・インターフェイス527によって代表される)1つないし複数の別個のインターフェイスを含んでいてよい。それらのようなネットワーク・インターフェイス527には、複数の無線インターフェイス(例えば、WiFi、WiMax、3G、4G、ホワイトスペース、802.11x、サテライト、ブルートゥース(登録商標)、LTE、GSM/HSPA、CDMA/EVDO、DSRC、CAN、GPSなど)が含まれ得る。ネットワーク・インターフェイス527によって代表される他のインターフェイス類は、物理ポート(例えば、イーサネット、USB、HDMIなど)、および有線式や無線式の内部サブシステムのためのインターフェイスなどを含み得る。同様に、車両環境500の各ノードもまた、車両環境500内のデータや情報を受信し、送信し、および/または、通信するなどするための適当なインターフェイスを含むことができる。
【0053】
車両501にくまなく分布した種々の車両機器類への通信経路をもたらすために、符号540で示す複数の内部車両ネットワークが車両501内に存在し得る。内部車両ネットワーク540は、車両に統合されるか、さもなければ結び付けられて通信手段によって相互接続されたノード(例えば、車両機器類)同士の集まりである。車両ネットワーク540は、車両にくまなく分布した特定の車両機器類への通信経路をそれぞれもたらすハードワイヤード(配線接続)バス型のネットワークを含んでいるのが一般的である。
図5は、そのようなハードワイヤード・ネットワークの4つの例:コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)541、ローカル・インターネット・ネットワーク(LIN)543、フレックスレイ・バス545、およびメディア・オリエンテッド・システム・トランスポート(MOST)ネットワーク547を示している。
【0054】
CANバス541は、自動車の諸用途のために設計されて一般的に用いられるメッセージ・ベースのプロトコルを使用する。CANバス541は、マイクロコントローラ、センサ、その他の機器類が、ホストコンピュータを伴うことなくCANを介して互いに通信することを可能とするように設計された車両用バスの標準である。CANプロトコルは、車両のアンチロック・ブレーキシステムなどの機器類のソフトリアルタイム制御のために用いられ得る。例えばCANバス541は、トランスミッション・センサやエンジン・センサをメイン・エンジンコントローラに接続してよく、異なるCANバスがメイン・エンジンコントローラやメイン・ボディコントローラをオンボード・コンピュータ520に接続してもよい。LINネットワーク543は、光などの外部条件を検知したり、ドアロック・システムなどの小機構を制御したりするのに用いられ得る。例えばLINバス543は、運転席アクチュエータ、温度制御装置、およびフロントワイパー・アクチュエータをCANバスのメイン・ボディコントローラに接続し得る。
【0055】
フレックスレイ・バス545は典型的には、ドライブ・バイ・ワイヤおよび/またはブレーキ・バイ・ワイヤの用途に用いられるハードリアルタイム・コントローラ類のための専用ネットワークである。それらの用途においては、車両501のエンジンおよび/または車輪からの情報が収集されて、適切なアプリケーションおよび/またはデータ・リポジトリへと伝えられる。例えばフレックスレイ・バス545は、車両501のシャシ・モジュールを適切なインターフェイスを介してオンボード・コンピュータ520へ接続してもよく、および/または、ブレーキや横滑り防止装置(ESB)をフレックスレイ545に取り付けられたシャシ・モジュールへ接続してもよい。MOSTネットワーク547もまた、光ファイバー上でオーディオ、ビデオ、および音声を伝達するために車両に見出すことができる。MOSTバス547は、メディアシステム508を適切なインターフェイスを介してオンボード・コンピュータ520へ接続し、および/または、バックカメラやナビゲーションシステムを、MOSTバス547によってコンピュータへ接続された中間機器へと接続することができる。
【0056】
イーサネットなどの他のハードワイヤード内部ネットワークは、車両501内の車両機器類同士を相互接続するのに用いられ得る。さらに、内部無線ネットワーク549(例えば、ニアフィールド・コミュニケーション(近距離無線通信)やブルートゥース(登録商標)など)が車両機器類同士を相互接続してもよい。
【0057】
外部ネットワーク580は、車両機器類によって、そして通信リンク535が利用可能なときには車内携帯機器530によって、車両501からアクセスされ得る。車内携帯機器530は、携帯電話、スマート携帯電話(スマートホン)、イーブック・リーダー、タブレット、iPad(登録商標)、携帯情報端末(PDA)、ラップトップないし電子ノート、ポータブル・ナビゲーションシステム、マルチメディア・ガジェット(例えば、カメラ、ビデオ、および/またはオーディオ・プレイヤーなど)、ゲーム機、その他のハンドヘルド電子機器類、並びに、車両環境500内で音声、オーディオ、ビデオ、媒体、またはデータのやりとりを開始することのできる如何なる他の装置、部品、要素、または物体をも含む。データは、如何なる型式の数値、音声、ビデオ、スクリプトの各データや、如何なる型式のソースコードないしオブジェクトコードや、電子機器類および/またはネットワーク内で一箇所から別の箇所へ通信され得る任意の適切なフォーマットの如何なる他の適当な情報であってもよい。車両ルータ511もまた、車両501のアンテナ513の到達距離内で外部ネットワーク・インフラにアクセスするのに用いられ得る。
【0058】
車両501からの外部ネットワーク接続性を達成するには、何らかの形態の無線通信が必要である。例えば、第三世代(3G)、第四世代(4G)、および3GPPロングターム・エボリューション(LTE)の無線電話技術、マイクロ波アクセス用のワールドワイド・インターオペラビリティ(WiMax)、WiFi、並びに専用狭域通信(DSRC)は、当該技術をサポートするための適切なインターフェイスやネットワーク・インフラにて目下のところ利用可能な数多くの無線技術の一部である。
【0059】
使用者(運転者や乗客)は、何らかのネットワークを介して車両環境500内の通信を開始し得る。そのような通信は、車内携帯機器530、ディスプレイ509、ユーザーインターフェイス525、または外部機器550などの任意の適当な機器を通じて、例えば光源104の動作モードを起動するために開始され得る。
【0060】
車内携帯機器530と、車両501の外部の携帯機器類とは、無線や有線の通信リンクを通じてオンボード・コンピュータ520と通信し得るが、それらは、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)や、ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)や、ネットワーク環境内での通信を容易にする任意の他の適切なネットワーク・アーキテクチャないしシステムとして構成され得る。有線や無線の通信リンクは、ブルートゥース(登録商標)、無線技術類(例えば、IEEE802.11x)、USBケーブル、HDMIケーブルなどの如何なる電子的なリンクであってもよい。一例では、外部携帯機器がUSBケーブルや無線ネットワークを通じてコンピュータ520に接続されてもよいが、それは例えば、当該外部形態機器が車両501を整備するメカニックによって使用される診断ツールの場合である。
【0061】
明らかに、上記の教示に照らして数多くの修正や変形が可能である。従って、添付特許請求の範囲の範囲内では、本明細書で具体的に説明したのとは別のやり方で本発明を実施してもよい、ということを理解されたい。
【0062】
先の説明における諸特徴を含んだシステムは、数多くの利点をもたらす。特に、ファイバーパネル・モジュール内のデカップリングされた光を利用することができるが、それはファイバーパネル・モジュールにおける効率を向上させるのである。また、ファイバーバンドルは、美的な満足を与えてくれると共に、普通ならば浪費されてしまうであろう多用途な照明機能性をもたらしてくれる。
【0063】
かくして、先の議論は、本発明の単なる例示的な諸実施形態を開示し、説明している。当業者によって理解されることとなるように、本発明は、その真意や本質的特性から逸脱することなく、他の特定形態で具体化されてもよい。従って、本発明の開示は、例示的ではあっても、当該発明の範囲を何ら限定するものではないことを意図しており、その他の請求項についても同様である。本開示(本明細書内の教示における容易に認識可能な如何なる変形例をも含む)は、発明の対象が公共の用に供されることのないよう、先の特許請求の述語の範囲を(ある程度)規定するものである。