IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 朋和産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-食品用包装材 図1
  • 特許-食品用包装材 図2
  • 特許-食品用包装材 図3
  • 特許-食品用包装材 図4
  • 特許-食品用包装材 図5
  • 特許-食品用包装材 図6
  • 特許-食品用包装材 図7
  • 特許-食品用包装材 図8
  • 特許-食品用包装材 図9
  • 特許-食品用包装材 図10
  • 特許-食品用包装材 図11
  • 特許-食品用包装材 図12
  • 特許-食品用包装材 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】食品用包装材
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/10 20060101AFI20231109BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
B65D65/10 A
B65D85/50 140
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019122536
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021008298
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知毅
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 由佳
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-174845(JP,A)
【文献】特開2006-021802(JP,A)
【文献】特開2009-001324(JP,A)
【文献】特開2004-248637(JP,A)
【文献】特開2001-333708(JP,A)
【文献】特開2009-262998(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0102898(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/10
B65D 85/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の一端から他端にかけて開封用条体を有し、開封用条体によって一対の外シート片に分断される外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、内側部同士の重ね合わせ部を有する一対の内シート片で構成される内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
内シートは、重ね合わせ部を覆う被覆片であって、重ね合わせ部において、一方の内シート片の内側部を他方の内シート片の内側部とで挟み込む被覆片を備え、
開封用条体は、外シートの長手方向の一端から他端にかけて波形でかつ互いに交差する一対の開封用条体であり、
一対の開封用条体は、重ね合わせ部と配置が重なるとともに、波形の交差によって形成される幅広部であって、重ね合わせ部よりも幅が大きい幅広部を備え、
被覆片は、重ね合わせ部側の側縁とは反対側の側縁がシート状食品の幅の1/2幅のラインよりも外側に位置しかつ外シート及び内シートの側部接合部よりも内側に位置するような幅を有する
食品用包装材。
【請求項2】
長手方向の一端から他端にかけて開封用条体を有し、開封用条体によって一対の外シート片に分断される外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、内側部同士の重ね合わせ部を有する一対の内シート片で構成される内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
内シートは、重ね合わせ部を覆う被覆片であって、重ね合わせ部において、一方の内シート片の内側部を他方の内シート片の内側部とで挟み込む被覆片を備え、
開封用条体は、外シートの長手方向の一端から他端にかけて波形でかつ互いに交差する一対の開封用条体であり、
一対の開封用条体は、重ね合わせ部と配置が重なるとともに、二箇所で交差することで、外シートの長手方向の一端から他端側に、重ね合わせ部の幅と同じ又は重ね合わせ部の幅よりも小さい最大幅を有する第一幅広部と、第一幅広部よりも長手方向に長くかつ重ね合わせ部の幅よりも大きい最大幅を有する第二幅広部とを備え
第二幅広部の最大幅は、重ね合わせ部の幅の110%以上150%以下の範囲となるように設定される
食品用包装材。
【請求項3】
食品を挟んで長手方向に二つ折りにすること及び両側の余分なシート片を中心側に折ることによって、食品を三角形状に包装する
請求項1又は請求項2に記載の食品用包装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を包装するための食品用包装材に関する。
【背景技術】
【0002】
正面形状が三角形状(主として正三角形状)で、所定の厚みを有する立体形状に仕上げられた三角おにぎり等の米飯加工食品等の食品を包装するための食品用包装材は、幅方向の中央部に長手方向の一端から他端にかけて開封用条体を有し、開封用条体によって一対の外シート片に分断される外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、開封用条体と配置が重なるように内側部同士の重ね合わせ部を有する一対の内シート片で構成される内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される形態が一般的である。
【0003】
この種の食品用包装材においては、食品の水分が内シート片の重ね合わせ部の間を通ってシート状食品に影響を及ぼすという懸念(シート状食品が海苔の場合は、海苔が湿気るという懸念)がある。このため、この種の食品用包装材においては、包装に供された状態において、内シート片の重ね合わせ部の気密性を向上させることを目的として、重ね合わせ部を覆う被覆片を設け、重ね合わせ部において、一方の内シート片の内側部を他方の内シート片の内側部と被覆片とで挟み込む構成を採用することがある(特許文献1)。
【0004】
ここで、特許文献1の食品用包装材は、食品を挟んで長手方向に二つ折りにし、両側部の余分なシート片を折り重ねて袋状にし、開口を封止して、食品を包装するものである(いわゆる四角包装)。この場合、たとえ被覆片があるとしても、食品用包装材が二つ折りにされる結果、重ね合わせ部が局所的に開き(離間し)、隙間ができて、ここから水分が移行するという懸念がある。
【0005】
しかしながら、重ね合わせ部と配置が重なる開封用条体はある程度の剛性があり、この開封用条体が重ね合わせ部を押え付けることにより、隙間の発生が抑制されるという効果が期待できる。
【0006】
この効果は、重ね合わせ部の背後に食品がある場合、すなわち、開封用条体と食品の表面との間に重ね合わせ部が挟み込まれる場合に、より顕著となる。そういう意味で、食品を挟んで長手方向に二つ折りにし、両側の余分なシート片を中心側に折って、食品を三角形状に包装する包装形態(いわゆる三角包装)は、四角包装よりも食品を緊密に包装する包装形態であるため、高い効果が期待できる。
【0007】
ところで、特に三角包装においては、その包装の緊密さゆえに、食品包装体の開封性を向上させることを目的として、開封用条体を一対にしかつ間隔をあけた配置とし、食品包装体の開封時、開封用条体によって外シートに幅広の分断開口が形成されるようにする構成を採用することがある(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2005-21155号公報
【文献】実用新案登録第3166506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、開封用条体を間隔をあけて配置すると、開封用条体が内シート片の重ね合わせ部から外れて、上記効果が期待できなくなる。
【0010】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、包装に供された状態において、開封用条体による内シート片の重ね合わせ部の押え付け効果を得て重ね合わせ部の気密性を向上させつつ、食品包装体の開封時、開封用条体による外シートの分断開口を幅広に形成して開封性を向上させることができる食品用包装材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の本発明に係る食品用包装材は、
長手方向の一端から他端にかけて開封用条体を有し、開封用条体によって一対の外シート片に分断される外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、内側部同士の重ね合わせ部を有する一対の内シート片で構成される内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
内シートは、重ね合わせ部を覆う被覆片であって、重ね合わせ部において、一方の内シート片の内側部を他方の内シート片の内側部とで挟み込む被覆片を備え、
開封用条体は、外シートの長手方向の一端から他端にかけて波形でかつ互いに交差する一対の開封用条体であり、
一対の開封用条体は、重ね合わせ部と配置が重なるとともに、波形の交差によって形成される幅広部であって、重ね合わせ部よりも幅が大きい幅広部を備え
被覆片は、重ね合わせ部側の側縁とは反対側の側縁がシート状食品の幅の1/2幅のラインよりも外側に位置しかつ外シート及び内シートの側部接合部よりも内側に位置するような幅を有する
食品用包装材である。
【0012】
第2の本発明に係る食品用包装材は、
長手方向の一端から他端にかけて開封用条体を有し、開封用条体によって一対の外シート片に分断される外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、内側部同士の重ね合わせ部を有する一対の内シート片で構成される内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される食品用包装材であって、
内シートは、重ね合わせ部を覆う被覆片であって、重ね合わせ部において、一方の内シート片の内側部を他方の内シート片の内側部とで挟み込む被覆片を備え、
開封用条体は、外シートの長手方向の一端から他端にかけて波形でかつ互いに交差する一対の開封用条体であり、
一対の開封用条体は、重ね合わせ部と配置が重なるとともに、二箇所で交差することで、外シートの長手方向の一端から他端側に、重ね合わせ部の幅と同じ又は重ね合わせ部の幅よりも小さい最大幅を有する第一幅広部と、第一幅広部よりも長手方向に長くかつ重ね合わせ部の幅よりも大きい最大幅を有する第二幅広部とを備え
第二幅広部の最大幅は、重ね合わせ部の幅の110%以上150%以下の範囲となるように設定される
食品用包装材である。
【0015】
また、第1及び第2の本発明に係る食品用包装材の一態様として、
食品を挟んで長手方向に二つ折りにすること及び両側の余分なシート片を中心側に折ることによって、食品を三角形状に包装する
構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上の如く、本発明に係る食品用包装材によれば、包装に供された状態において、開封用条体による内シート片の重ね合わせ部の押え付け効果を得て重ね合わせ部の気密性を向上させつつ、食品包装体の開封時、開封用条体による外シートの分断開口を幅広に形成して開封性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る食品用包装材の分解斜視図である。
図2図2は、同食品用包装材の外面図である。
図3図3は、同食品用包装材の内面図である。
図4図4(a)は、図2のA-A線断面図であり、図4(b)は、図2のB-B線断面図であり、図4(c)は、図4(b)のC部拡大図である。
図5図5(a)ないし(c)は、同食品用包装材を用いて食品を包装する過程の斜視図である。
図6図6(a)ないし(c)は、図5の続きの斜視図である。
図7図7(a)は、同食品用包装材により包装された食品包装体の正面図であり、図7(b)は、同食品包装体の背面図である。
図8図8(a)ないし(d)は、同食品包装体を開封する過程の斜視図である。
図9図9(a)ないし(d)は、同食品包装体を開封する過程の要部拡大断面図である。
図10図10(a)は、他実施形態に係る食品用包装材の、図2のB-B線に相当する断面図であり、図10(b)は、図10(a)のC部拡大図である。
図11図11は、別の実施形態に係る同食品用包装材の外面図である。
図12図12は、同食品用包装材の内面図である。
図13図13は、同食品用包装材により包装された食品包装体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態として、三角おにぎりの包装に用いられる食品用包装材及びこの食品用包装材により包装された食品包装体について、図1ないし図9を参酌して説明する。
【0020】
図1ないし図3に示す如く、本実施形態に係る食品用包装材1は、互いに直交する方向の一方が他方よりも長い形状を有する一対のシート(外シート2、内シート3)が、三角おにぎりに巻く海苔等のシート状食品4を挟んで重ね合わせられ、シート状食品4を囲むようにして、長手方向の一端10a側及び他端10b側の端部接合部11,11と両側部の側部接合部12,12により四方が封止された本体10を備える。なお、以下では、上記一方(図2及び図3では、上下方向)を「長手方向」といい、上記他方(図2及び図3では、左右方向)を「幅方向」という。
【0021】
外シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの長方形状(矩形状)を有する。
【0022】
外シート2の一端10aには、幅方向に所定間隔を有して離間する一対の切込線20,20が形成される。切込線20は、全切線、半切線(ハーフカット)、ミシン目等によって形成される。切込線20の形成によって開封起点としての摘み部21が形成される。摘み部21から外シート2の他端10bにかけて、外シート2の内面には、帯状又は線状の開封用条体22が設けられる。摘み部21を引き下ろすことにより、開封用条体22が所定の幅で外シート2を破断し、外シート2が幅方向(左右)に分離(分割)可能となる。本実施形態においては、開封用条体22は、外シート2の幅方向の中央部に配置される。
【0023】
開封用条体22は、一対設けられる。一対の開封用条体22,22は、外シート2の一端10aから他端10bにかけて、二つの波が形成されるよう、長手方向(本実施形態においては、外シート2の幅方向の中心線)に対して蛇行した形で、外シート2に全長に亘って貼着される。一対の開封用条体22,22は、長手方向に対して線対称に設けられ、これにより、外シート2の一端10aから他端10bにかけて、二箇所で交差して第一交点22a及び第二交点22bが設けられる。また、一端10aと第一交点22aとの間に、第一幅広部22cが形成され、第一交点22aと第二交点22bとの間に、第二幅広部22dが形成される。本実施形態においては、一対の開封用条体22,22は、外シート2の一端10aから他端10bにかけて、小さい波と大きい波の二つの波が形成されるように外シート2に貼着され、これにより、第一幅広部22cよりも第二幅広部22dの方が、幅が広く、長手方向における長さが長くなっている。
【0024】
開封用条体22は、外シート2を破断することができる強度を有する例えばカットテープや糸等である。本実施形態においては、開封用条体22は、カットテープである。カットテープ22は、二軸延伸ポリエステルないしポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の熱溶着性を有するプラスチックシートを細くカットしたものである。本実施形態においては、カットテープ22は、外シート2の厚さ(10μm以上、あるいは20μm以上であって、30μm以下、あるいは40μm)と同じ程度の厚さを有する。また、カットテープ22は、1.5mm以上、あるいは2mm以上であって、4mm以下、あるいは3mm以下の幅を有する。
【0025】
図4(a)は、第一幅広部22cの最大幅を横切る図2のA-A線における断面図であり、図4(b)は、第二幅広部22dの最大幅を横切る図2のB-B線における断面図であり、図4(c)は、図4(b)のB部拡大図である。図4にも示す如く、内シート3は、外シート2と同様、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの長方形状(矩形状)を有する。内シート3は、長手方向に沿って内側部同士が重ね合わせられた一対の内シート片(第一内シート片30及び第二内シート片31)を備え、内シート片30,31の内側部30a,31a同士が重ね合わせられた状態の大きさが外シート2と同じ大きさである。本実施形態においては、内シート片30,31の内側部30a,31a同士の重ね合わせ部32は、内シート3の幅方向の中央部に配置され、開封用条体22,22と配置が重なる。
【0026】
第一内シート片30は、長手方向に長い長方形状(矩形状)を有する。第一内シート片30は、外シート2の幅方向の一方側(本実施形態においては、食品用包装材1の一端10aを上、他端10bを下にして食品用包装材1を正面(外面)から見た場合の右側)に配置される。第二内シート片31は、長手方向に長い長方形状(矩形状)を有する。第二内シート片31は、外シート2の幅方向の他方側(本実施形態においては、食品用包装材1を正面(外面)から見た場合の左側)に配置される。重ね合わせ部32は、第一内シート片30の内側部30aと第二内シート片31の内側部31aとの重ね合わせによって構成され、内シート3の一端10aから他端10bの全域にわたって形成される。本実施形態においては、第二内シート片31の内側部31aの上(外面)に、第一内シート片30の内側部30aが重ね合わせられる。このため、第二内シート片31の内側部31aは、シート状食品4に接するのに対し、第一内シート片30の内側部30aは、シート状食品4との間に第二内シート片31の内側部31aが介在した状態となって、シート状食品4には接しない。
【0027】
重ね合わせ部32の幅は、開封用条体22,22の第一幅広部22cの幅と同じ又は第一幅広部22cの幅よりも大きく、開封用条体22,22の第二幅広部22dの幅よりも小さい。言い換えれば、第一幅広部22cの幅は、重ね合わせ部32の幅と同じ又は重ね合わせ部32の幅よりも小さく、第二幅広部22dの幅は、重ね合わせ部32の幅より大きい。これにより、各開封用条体22の最大幅部分(第二幅広部22dの最大幅部分)は、重ね合わせ部32から幅方向にはみ出て、重ね合わせ部32の側縁よりも内シート3の側縁側に位置する。
【0028】
第二幅広部22dの最大幅が大きくなるほど、幅広に開封することができる。しかし、第二幅広部22dの最大幅が大きくなるほど、重ね合わせ部32と重なる部分が少なくなって、開封用条体22,22による重ね合わせ部22の押え付け効果が低減する。このため、第二幅広部22dの最大幅は、重ね合わせ部32の幅の110%以上、あるいは120%以上であって、150%以下、あるいは140%以下、あるいは130%以下の範囲となるように、設定される。一例として、重ね合わせ部32の幅は20mmであるのに対し、開封用条体22,22の最大幅は25mmである。
【0029】
内シート3は、第一内シート片30の内側部30aを覆う被覆片33をさらに備える。被覆片33は、内シート片30,31と同様、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、内シート3の幅方向に所定の幅を有して内シート3の長手方向に沿って長尺な帯状である。被覆片33は、内シート3の一端10aから他端10bの全域にわたる長さを有し、被覆片33の内側部33aが内シート3の一端10aから他端10bの全域にわたって第一内シート片30の内側部30aを覆うように配置される。これにより、第二内シート片31の内側部31aと被覆片33の内側部33aとの間に、第一内シート片30の内側部30aが挿入されて、第二内シート片31の内側部31a、第一内シート片30の内側部30a及び被覆片33の内側部33aの三層のシートによるラビリンス構造が形成される。本実施形態においては、被覆片33は、内側部33aの側縁が第二内シート片31の内側部31aの側縁と一致するように配置され、これにより、第二内シート片31の内側部31aの側縁と被覆片33の内側部33aの側縁とは揃えられる。
【0030】
被覆片33は、外側部33bの側縁(すなわち、重ね合わせ部32側の側縁とは反対側の側縁)がシート状食品4の幅の1/2幅のラインL1(すなわち、シート状食品4の幅方向の中心線CLとシート状食品4の側縁との中間線)よりも内シート3の側縁側に位置し、さらには、シート状食品4の幅の2/3幅のラインL2よりも内シート3の側縁側に位置し、シート状食品4の側縁の近傍に位置する程度に幅広である。本実施形態においては、シート状食品4の幅は90mmであるのに対し、被覆片33の幅は50mmである。
【0031】
被覆片33は、外側部33b側にて第二内シート片31に接合される。被覆片33は、第二内シート片31よりは幅狭であり、第二内シート片31のうち、側部接合部12よりも内側(すなわち、シート状食品4の収容部に対応する領域)に接合される。接合部34は、被覆片33の外側部33bの側縁に沿って第二内シート片31及び被覆片33をヒートシールすることにより形成される。本実施形態においては、接合部34は、5mmないし15mmの幅を有する一条の線シールである。
【0032】
接合部34は、被覆片33の外側部33bの側縁に沿って形成されるが、被覆片33の外側部33bの側縁よりも内側の位置に形成される。これにより、被覆片33の外側部33bの側縁から接合部34までは、非接合部である極細の遊離片33cとなっている。非接合部を設けなかったり、遊離片33cの幅が小さいと、製造装置の精度等の影響により、接合手段が被覆片33の外側部33bの側縁を踏み越えてなされる懸念があり、この場合、踏み越えた第二内シート片31の部分が熱損傷を受けて不良となる懸念がある。逆に、遊離片33cの幅が大きいと、食品包装体の開封時、遊離片33cが食品に引っ掛かり、開封不良となる懸念がある。このため、遊離片33cの幅は、1mm以上、あるいは2mm以上であって、7mm以下、あるいは6mm以下の範囲となるように、設定される。
【0033】
なお、内シート片30,31及び被覆片33は、被包装物である三角おにぎりやシート状食品4とのすべり性を得るために、マット処理が施されたマットシートが用いられる。あるいは、被覆片33だけマットシートであってもよい。さらには、たとえば被包装物やシート状食品4が油分を含んでいて、すべり性に問題がないのであれば、マットシートを用いなくてもよい。
【0034】
図2及び図3に示す如く、端部接合部11は、内シート片30,31の重ね合わせ部32を除き、外シート2及び内シート3の一端10a及び他端10bに沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。側部接合部12は、外シート2及び内シート3の側縁に沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。このようにして構成された本体10の内部がシート状食品4の収容部となる。なお、本実施形態においては、端部接合部11は、それぞれが一端10a及び他端10bに沿って延び、互いに外シート2及び内シート3の長手方向に所定間隔を有して平行する複数の線状(複数条)の接合部で構成される。また、側部接合部12には、幅方向に通気可能なように連通部12aが長手方向に適宜間隔で設けられ、側部接合部12は、連通部12aによって複数に分割された形態となる。
【0035】
食品用包装材1(本体10)の四隅の角部には、切欠部13が形成される。切欠部13は、食品用包装材1を用いて食品を包装する際の、両側の余分なシート片の一部を切欠部13により無くすことにより、両側の余分なシート片を中心側に折って三角形状にするにあたり、シート片の重なりを少なくするためのものである。
【0036】
切欠部13と食品用包装材1の側縁とが交わる部分から食品用包装材1の側縁の所定範囲にかけては、食品用包装材1の側縁に沿って鋸歯状の易破断部14が形成される。すなわち、食品用包装材1の一端10a側の両側部には、切欠部13と隣接して易破断部14が形成される。易破断部14は、各開封用条体22に対応して設けられ、易破断部14から幅方向に食品用包装材1を破断しやすくするためのものである。
【0037】
食品包装材1の正面(外面)には、三角おにぎりを包装して三角形状にした状態の三つの角部に相当する箇所に、後述する開封操作順序に関する表示部26が設けられる。表示部26は、第一表示部26aと、第二表示部26bと、第三表示部26cとで構成される。第一表示部26aは、摘み部21(すなわち、三角形状の頂角部に相当する箇所)に設けられ、開封操作順序が一番目であること及び摘み部21を下方に引っ張ることを表す。第二表示部26bは、食品包装材1の長手方向の中央部の右側の箇所(すなわち、三角形状の右側の角部に相当する箇所)に設けられ、開封操作順序が二番目であること及び右側に引っ張ることを表す。第三表示部26cは、食品包装材1の長手方向の中央部の左側の箇所(すなわち、三角形状の左側の角部に相当する箇所)に設けられ、開封操作順序が三番目であること及び左側に引っ張ることを表す。本実施形態においては、表示部26は、外シート2の外面に印刷して設けられる。
【0038】
本実施形態に係る食品用包装材1は、以上の構成からなり、次に、この食品用包装材1を用いた食品の包装方法について説明する。
【0039】
まず、図5(a)に示す如く、食品用包装材1の内シート3の上に三角おにぎり5を載せる。このとき、三角おにぎり5が内シート片30,31上に左右均等に載り、かつ、三角おにぎり5の一つの角部(頂角部)が食品用包装材1の一端10a側の摘み部21に向くように三角おにぎり5を配置する。なお、三角おにぎり5の幅はシート状食品4の幅とほぼ同じである。
【0040】
次に、同図(b)に示す如く、食品用包装材1を、一端10a側とこれに対向する他端10b側を合わせるように長手方向に二つ折りにし、折った側の部分は、三角おにぎり5の側面(三角形状の斜面)にも沿うように折る。これにより、食品用包装材1の長手方向の一端10a側半分が三角おにぎり5の正面を覆い、他端10b側半分が三角おにぎり5の背面を覆うとともに、食品用包装材1の両側(左右)のシート片15,15が食品用包装材1の一端10aと他端10bの位置がずれた状態となって余る。
【0041】
そこで、同図(c)に示す如く、両側のいずれか一方の余分なシート片15を折って、食品用包装材1の、三角おにぎり5の背面を覆っている部分の上に重ね、その上に、図6(a)に示す如く、他方の余分なシート片15を折って、食品用包装材1の、三角おにぎり5の背面を覆っている部分の上に重ねて、三角形状にする。
【0042】
このとき、三角形状のそれぞれ角部には、食品用包装材1の余分なシート(複数枚のシート2,30,31で構成される)が重なって扁平状となった耳片16が形成される。
【0043】
そして、同図(b)に示す如く、両側の余分なシート片15,15の、切欠部13によって互いに重なっていないそれぞれの部分を、食品用包装材1の、三角おにぎり5の背面を覆っている部分にポイントシール等により接合し(接合部17)、食品用包装材1を、三角おにぎり5を包み込んだ状態に固定する。そして、同図(c)に示す如く、その上に、ラベル6を貼付する。なお、接合部の形状は図示のような円形状に限らず、長円形状、楕円形状、多角形状、線状等の種々の形状とすることができ、接合部の数も、二箇所に限らず、三箇所以上としたり、幅方向に長い大きな接合部を一箇所施すようにしてもよい。
【0044】
これにより、図7に示す如く、食品包装体が完成する。食品包装体では、頂角部に第一表示部26aが配置され、右側の角部に第二表示部26bが配置され、左側の角部に第三表示部26cが配置される。
【0045】
また、開封用条体22,22の第一交点22aは、食品包装体の正面に配置され、開封用条体22,22の第二交点22bは、食品包装体の背面のうち、開封用条体22,22による開封終点領域に配置される。すなわち、開封用条体22,22による開封起点(食品用包装材1の一端10a)から食品包装体の正面の主として中央領域まで、開封用条体22,22の第一幅広部22cが配置され、そこから食品包装体の背面の長手方向に亘って開封用条体22,22による開封終点(食品用包装材1の他端10b)領域まで、開封用条体22,22の第二幅広部22dが配置され、第二幅広部22dの最大幅の部分が三角形状の底辺に相当する食品包装体の底部ないし底部の近傍に配置される。
【0046】
かかる構成によれば、開封起点としての摘み部21は、広すぎず狭すぎない第一幅広部22cにより、適正な幅となり、摘まみやすいものとなる。また、かかる構成によれば、第二幅広部22dの始端から中間部に位置する最大幅の部分までは、幅が漸次広がっていき、最大幅の部分を超えて終端まで、幅が漸次狭まっていく形状となっている第二幅広部22dが、食品包装体の、底部に向かうほど広がっていき、底部から離れるほど狭まっていく形状に対応した配置となるため、食品包装体の三角形状に対応した好適な幅広開封(ワイド開封)を実現することができる。
【0047】
三角おにぎり5を食する際には、図8(a)及び(b)に示す如く、摘み部21を摘み、第一表示部26aが示すとおりに、摘み部21を引っ張って開封用条体22,22を縦回りに引き回し、外シート2を長手方向に分断する。この際、開封用条体22,22は、互いに間隔を有する一対からなるので、分断開口23は幅広となる。また、外シート2は、分断された結果、右側の第一外シート片24と左側の第二外シート片25とに分断される。第一外シート片24は、第一内シート片30に対応したシート片で、第一内シート片30と端部接合部11及び側部接合部12を介して一体化されていて、第一分断包装体片18を構成する。第二外シート片25は、第二内シート片31に対応したシート片で、第二内シート片31と端部接合部11及び側部接合部12を介して一体化されていて、第二分断包装体片19を構成する。
【0048】
そこで、まず、同図(c)に示す如く、第二表示部26bが示すとおりに、第一分断包装体片18を右側に引っ張り、第一分断包装体片18を三角おにぎり5及びシート状食品4から分離する。そして次に、同図(d)に示す如く、第三表示部26cが示すとおりに、第二分断包装体片19を左側に引っ張り、第二分断包装体片19を三角おにぎり5及びシート状食品4から分離する。これにより、三角おにぎり5をシート状食品4と一体化させた状態で取り出すことができる。
【0049】
このように、開封用条体22,22による外シート2の分断後の開封操作順序として、先に、右の第一分断包装体片18を引き抜き、次に、左の第二分断包装体片19を引き抜くようにしたのは、以下の理由による。
【0050】
三角おにぎり5は、三角包装により緊密に包装されている。このため、図9(a)に示す如く、第一内シート片30の内側部30a、第二内シート片31の内側部31a及び被覆片33の内側部33aの三枚のシート部分で構成される内シート3の重ね合わせ部32は、全長にわたって三角おにぎり5の表面とシート状食品4に密接している。また、このため、特に重ね合わせ部32において、被覆片33と三角おにぎり5との摩擦力及び第二内シート片31とシート状食品4との摩擦力が高い状態にある。
【0051】
しかし、同図(b)に示す如く、食品包装体の開封時、重ね合わせ部32よりも幅広の部分22dを有する開封用条体22,22によって外シート2に幅広の分断開口23が形成されると、特に重ね合わせ部32において、緊密状態が解放され、密接状態が緩んで、摩擦力が低減する。しかも、第一分断包装体片18においては、第一内シート片30と三角おにぎり5との間に被覆片33が介在しており、第一内シート片30は、少なくとも被覆片33の厚みの分だけ三角おにぎり5の表面から離間した状態にある。また、第一分断包装体片18においては、第一内シート片30とシート状食品4との間に第二内シート片31が介在しており、第一内シート片30は、少なくとも第二内シート片31の厚みの分だけシート状食品4から離間した状態にある。これにより、第一内シート片30と三角おにぎり5との摩擦力及び第一内シート30とシート状食品4との摩擦力、ひいては、第一分断包装体片18と三角おにぎり5との摩擦力及び第一分断包装体片18とシート状食品4との摩擦力は、被覆片33と三角おにぎり5との摩擦力及び第二内シート片31とシート状食品4との摩擦力、ひいては、第二分断包装体片19と三角おにぎり5との摩擦力及び第二分断包装体片19とシート状食品4との摩擦力よりも小さい。したがって、先に第二分断包装体片19を引き抜くよりは、同図(c)に示す如く、先に第一分断包装体片18を引き抜く方が、抵抗が少なく円滑に引き抜くことができる。また、抵抗が少ないということは、三角おにぎり5やシート状食品4に対して幅方向に加わる力が小さいということである。したがって、先に第一分断包装体片18を引き抜く方が、三角おにぎり5やシート状食品4の割れや欠けといったダメージを生じにくくすることができる。
【0052】
第一分断包装体片18を引き抜いた後は、同図(d)に示す如く、第二内シート片31の内側部31aと被覆片33の内側部33aとの二股部の間から第一内シート片30の内側部30aが抜けるため、この二股部の厚みは薄くなる。これにより、被覆片33と三角おにぎり5との摩擦力及び第二内シート31とシート状食品4との摩擦力、ひいては、第二分断包装体片19と三角おにぎり5との摩擦力及び第二分断包装体片19とシート状食品4との摩擦力は、第一分断包装体片18を引き抜く前に比べて小さくなる。したがって、第二分断包装体片19も、抵抗が少なく円滑に引き抜くことができる。また、第二分断包装体片19を引き抜く際も、三角おにぎり5やシート状食品4の割れや欠けといったダメージを生じにくくすることができる。
【0053】
以上のとおり、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、三角包装により、三角おにぎり5は緊密に包装される。これにより、内シート3の重ね合わせ部32は、全長にわたって三角おにぎり5と外シート2との間に挟み込まれ、全長にわたって密閉される。加えて、重ね合わせ部32は、多くの部分で外シート2の開封用条体22,22と重なり、開封用条体22,22によって押え付けられる。これにより、重ね合わせ部32の気密性は、好適に維持される。したがって、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、包装に供された状態において、重ね合わせ部32の気密性を向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、開封用条体22,22は、重ね合わせ部32よりも幅広の第二幅広部22dを有し、食品包装体の開封時、開封用条体22,22によって外シート2に幅広の分断開口23を形成することができる。これにより、第一外シート片24及び第二外シート片25は面積が小さくなり、シート状食品4との摩擦力が小さくなる。したがって、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、食品包装体の開封性を向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、第一分断包装体片18、第二分断包装体片19の順序で開封操作することで、いずれも、抵抗が少なく円滑に引き抜くことができる。しかも、食品包装体を開封する人がその開封操作順序を認識できるよう、外部から確認可能な表示部26(26b,26c)が設けられる。したがって、これによっても、食品包装体の開封性を向上させることができる。
【0056】
また、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、開封用条体22,22は、重ね合わせ部32よりも幅広の第二幅広部22dを有し、開封用条体22,22の全体が重ね合わせ部32に位置するわけではない。開封用条体が直線状であれば、開封用条体の全体が重ね合わせ部に位置するため、食品用包装材は、重ね合わせ部の厚みだけでなく、一本ないし二本の開封用条体の厚みによって、幅方向の中央部の厚みが大きくなり、幅方向の中心部の剛性が高くなる。こうなると、包装時、食品用包装材が幅方向で左右のいずれかにずれやすくなり、開封性が悪くなる、外観が悪くなる等、適切な食品包装体にならないおそれがある。しかし、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、幅広部22dによって幅方向の中心部の厚みが分散され、食品用包装材1の平滑性が上がる。したがって、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、包装時の左右のずれを防止することができ、三角おにぎり5をきれいに包装することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る食品包装材1によれば、図4に示す如く、被覆片33は幅広に形成される。内シート3の枚数は、食品用包装材1の幅方向の中心(中心線CL)から側縁にかけて、三枚(重ね合わせ部32)、二枚(第二内シート片31及び被覆片33)、そして、一枚(第二内シート片31)と漸減するが、被覆片33の幅が狭いと、三枚から二枚への段差と二枚から一枚の段差が近接して、大きな段差となり、これが、包装時や食品包装体の開封時におけるシート状食品4の割れや欠けといったダメージの原因となる。しかし、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、被覆片33は幅広であるため、枚数減少はなだらかとなり、大きな段差が生じない。したがって、本実施形態に係る食品用包装材1によれば、包装時や食品包装体の開封時におけるシート状食品4の割れや欠けといったダメージを生じにくくすることができる。
【0058】
また、本実施形態に係る食品包装材1によれば、被覆片33の長手方向の一端側及び他端側は、重ね合わせ部32を除き、外シート2と内シート3の接合(端部接合部11)によって、第二内シート片31の長手方向の一端側及び他端側に、一端側及び他端側に沿って接合される。これにより、長手方向の一端10a側及び他端10bにおいて、第二内シート片31と被覆片33との間を封止することができる。なお、端部接合部11を重ね合わせ部32に設けないのは、第一分断包装体片18と第二分断包装体片19が端部接合部11によって固着しないようにするためである。しかし、食品包装体の開封時、第一分断包装体片18と第二分断包装体片19を分離できるのであれば、重ね合わせ部32にも端部接合部11を設けるようにしてもよい。
【0059】
なお、本発明に係る食品用包装材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0060】
たとえば、上記実施形態においては、内シート2の重ね合わせ部32は、第二内シート片31の内側部31aの上(外面)に、第一内シート片30の内側部30aが重ね合わせられるとともに、第一内シート片30の内側部30aの上(外面)に、被覆片33の内側部33aが重ね合わせられるものである。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。図10に示す如く、被覆片33が第二内シート片31の内面側に配置されて、第一内シート片30の内側部30aの上(外面)に、第二内シート片31の内側部31aが重ね合わせられるとともに、第一内シート片30の内側部30aの下(内面)に、被覆片33の内側部33aが重ね合わせられるようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態においては、開封操作順序が先の第一分断包装体片18は食品包装体を正面から見て右側、開封操作順序が後の第二分断包装体片19は食品包装体を正面から見て左側になるように構成される。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。左右逆となり、開封操作順序が先の第一分断包装体片18は食品包装体を正面から見て左側、開封操作順序が後の第二分断包装体片19は食品包装体を正面から見て右側になるように構成されてもよい。
【0062】
また、上記実施形態においては、表示部26は、上述のデザインで、かつ、食品包装体の三角形状の各角部に配置される。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。第一分断包装体片18を第二分断包装体片19よりも先に開封操作することが食品包装体を開封する人にとって認識できるのであれば、表示部のデザイン及び配置位置は特に限定されるものではない。
【0063】
また、上記実施形態においては、開封操作順序は、被覆片33が設けられない側の分断包装体片である第一分断包装体片18が先、被覆片33が設けられる側の分断包装体片である第二分断包装体片19が後である。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。食品包装体の開封性に問題がないのであれば、開封操作順序は、第二分断包装体片19が先、第一分断包装体片18が後であってもよい。
【0064】
また、上記実施形態においては、被覆片33は、第二内シート片31に対してのみ一枚設けられ、第一内シート片30の内側部30aが第二内シート片31の内側部31aと被覆片33の内側部33aとの二股部の間に挿入されるものである。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、もう一枚の被覆片が第一内シート片30に対しても設けられ、第一内シート片30の内側部30aが第二内シート片31の内側部31aと被覆片33の内側部33aとの二股部の間に挿入されるとともに、第二内シート片31の内側部31aが第一内シート片30の内側部30aと新たな被覆片の内側部との二股部の間に挿入されるようにしてもよい。あるいは、第一内シート片30の内側部30aが第二内シート片31の内側部31aと被覆片33の内側部33aとの二股部の間に挿入されるとともに、被覆片33の内側部33aが第一内シート片30の内側部30aと新たな被覆片の内側部との二股部の間に挿入されるようにしてもよい。これにより、ラビリンス構造がより複雑となり、重ね合わせ部32の気密性をさらに向上させることができる。
【0065】
また、上記実施形態においては、被覆片33は、内側部33aの側縁が第二内シート片31の内側部31aの側縁と一致するように配置される。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。被覆片33は、内側部33aの側縁が第二内シート片31の内側部31aの側縁を超えるように配置されるものであってもよい。
【0066】
また、上記実施形態においては、食品用包装材1は、上述のとおり、より優れた効果が得られるということで、食品を緊密に包装する三角包装に用いられるものである。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図11及び図12に示す食品用包装材1を用い、図13に示す如く、食品5を挟んで長手方向に二つ折りにすること、両側の余分なシート片を折り重ねて袋状にすること及び開口を封止することによって、食品5を包装する四角包装に用いるようにしてもよい。あるいは、特開2006-264758号に記載されている、食品を挟んで長手方向に二つ折りにすること、両側の余分なシート片を重ねて袋状にすること及び開口を封止することによって、食品を包装する四角包装に用いるようにしてもよい。なお、四角包装用の食品用包装材1では、切欠部13はなくなり、また、袋状の開口を形成する長さが必要であることから、三角包装用の食品用包装材1よりも長手方向の一端10a側及び他端10b側が長く形成される。
【0067】
また、「三角形状」、「長方形状」、「矩形状」、「中央部」、「端部」、「側部」、「均等」、「一致」、「平行」、「垂直」といった形状、部位又は状態を特定する用語は、本発明において、そのもののほか、それに近いないし類するという意味の「略」の概念も含むものである。
【0068】
また、上記実施形態においては、食品は三角おにぎり(米飯加工食品)であり、シート状食品は海苔であった。しかし、食品は、食品用包装材で包装できる形であれば、三角以外の形状のおにぎり、寿司、サンドイッチ等であってもよく、食品の種類及び形状は限定されない。シート状食品も、食品用包装材の平面状の収容部に収容できる形であれば、シート状の昆布、畳鰯等であってもよく、シート状食品の種類及び形状は限定されない。
【0069】
また、食品用包装材に用いられるシートは、プラスチックシートからなるものに限定されない。たとえば、紙又は紙質シート等、その他の材質のシートであってもよい。また、単一の材質のシートではなく、複数の材質のシートを積層した積層シートであってもよい。また、シートは、たとえば、二枚のシートを端部同士を接合して一枚のシートにしたものや、三枚のシートを順次端部同士を接合して一枚のシートにしたもののように、複数枚のシートを用いて一枚のシートに形成したものであってもよい。また、この場合、各シートの材質は異なるものであってもよい。たとえば、一部のシートには、プラスチックシートではなく、紙又は紙質シートを用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…食品用包装材、10…本体、10a…一端、10b…他端、11…端部接合部、12…側部接合部、12a…連通部、13…切欠部、14…易破断部、15…余分なシート片、16…耳片、17…接合部、18…第一分断包装体片、19…第二分断包装体片、2…外シート、20…切込線、21…摘み部、22…開封用条体、22a…第一交点(第一幅広部22cの終端、第二幅広部22dの始端)、22b…第二交点(第二幅広部22dの終端)、22c…第一幅広部、22d…第二幅広部、23…分断開口、24…第一外シート片、25…第二外シート片、26…表示部、26a…第一表示部、26b…第二表示部、26c…第三表示部、3…内シート、30…第一内シート片、30a…内側部、31…第二内シート片、31a…内側部、32…重ね合わせ部、33…被覆片、33a…内側部、33b…外側部、33c…遊離片、34…接合部、4…シート状食品、5…三角おにぎり、6…ラベル、CL…中心線、L1…シート状食品4の幅の1/2幅のライン、L2…シート状食品4の幅の2/3幅のライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13