(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
G01M 17/007 20060101AFI20231109BHJP
B60R 25/24 20130101ALI20231109BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20231109BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
G01M17/007 J
B60R25/24
G08G1/123 A
E05B49/00 J
(21)【出願番号】P 2019178546
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金田 幸宗
(72)【発明者】
【氏名】岸本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】村松 幸之助
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 康洋
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 育男
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-082918(JP,A)
【文献】米国特許第10049505(US,B1)
【文献】特開2005-226438(JP,A)
【文献】特開2017-223467(JP,A)
【文献】特表2013-544697(JP,A)
【文献】特開2019-127143(JP,A)
【文献】国際公開第2017/208416(WO,A1)
【文献】特開2015-133050(JP,A)
【文献】国際公開第2019/163194(WO,A1)
【文献】特開2019-121369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/00 -17/10
B60R 25/00 -25/40
B60W 50/00 -50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の整備が必要であるか否かを検知する要整備検知部と、
整備が必要であることが検知された場合、自車両の整備が行われる整備場への往復分の移動時間と、整備に必要な時間である整備所要時間とを合わせた時間である入庫所要時間を導出する入庫所要時間導出部と、
ユーザが自車両を使用しない予定の不使用期間を導出する不使用期間導出部と、
前記入庫所要時間以上の前記不使用期間において、自車両を前記整備場に入庫する予定の期間である入庫予定期間を設定する入庫予定期間設定部と、
第1識別子が予め記憶される記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記第1識別子と、ドアの開錠を指示するスマートキーから送信された第2識別子とが所定の関係を有する場合、ドアの開錠を許可する認証制御部と、
前記入庫予定期間の開始時刻以降に、搭乗者の運転によらない自動運転で自車両を
前記整備場に移動させる自動運転制御部と、
を備え
、
前記認証制御部は、
前記入庫予定期間の開始時刻に、自車両の整備を行う整備者が使用する前記スマートキーの前記第2識別子を前記記憶部に前記第1識別子として追加で記憶させ、
前記入庫予定期間の終了時刻に、前記記憶部に前記第1識別子として追加で記憶させた前記第2識別子を前記記憶部から消去させる、車両。
【請求項2】
自車両の整備が必要であるか否かを検知する要整備検知部と、
整備が必要であることが検知された場合、所定の地点から自車両の整備が行われる整備場への往復分の移動時間と、整備に必要な時間である整備所要時間とを合わせた時間である入庫所要時間を導出する入庫所要時間導出部と、
ユーザが自車両を使用しない予定の不使用期間を導出する不使用期間導出部と、
前記入庫所要時間以上の前記不使用期間において、自車両を前記整備場に入庫する予定の期間である入庫予定期間を設定する入庫予定期間設定部と、
第1識別子が予め記憶される記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記第1識別子と、ドアの開錠を指示するスマートキーから送信された第2識別子とが所定の関係を有する場合、ドアの開錠を許可する認証制御部と、
前記入庫予定期間中に、搭乗者の運転によらない自動運転で自車両を
前記所定の地点と前記整備場との間を往復移動させる自動運転制御部と、
を備え
、
前記認証制御部は、
前記入庫予定期間の開始時刻以降であって自車両が前記整備場に到着する時刻以前のタイミングに、自車両の整備を行う整備者が使用する前記スマートキーの前記第2識別子を前記記憶部に前記第1識別子として追加で記憶させ、
自車両が前記整備場から出発する時刻以降であって前記入庫予定期間の終了時刻以前のタイミングに、前記記憶部に前記第1識別子として追加で記憶させた前記第2識別子を前記記憶部から消去させる、車両。
【請求項3】
自車両の整備を行う整備者の予定がない期間である無予定期間を導出する無予定期間導出部をさらに備え、
前記入庫予定期間設定部は、前記整備所要時間以上の前記無予定期間において、前記入庫予定期間のうちの整備を実行する予定の期間である整備実行期間を設定する請求項
1または2に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転が可能な車両に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両において不具合が生じた場合、一般的に、故障警告灯(所謂、MIL)が点灯または点滅するようになっている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
故障警告灯が点灯または点滅すると、車両のユーザは、車両が自走可能であれば、不具合箇所の整備のため、車両を整備場(例えば、ディーラ)に搬入していた。しかし、車両を整備場に搬入したり、整備後の車両を引き取りに行くことは、ユーザの手間がかかってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、整備に関するユーザの手間を減らすことが可能な車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両は、自車両の整備が必要であるか否かを検知する要整備検知部と、整備が必要であることが検知された場合、自車両の整備が行われる整備場への往復分の移動時間と、整備に必要な時間である整備所要時間とを合わせた時間である入庫所要時間を導出する入庫所要時間導出部と、ユーザが自車両を使用しない予定の不使用期間を導出する不使用期間導出部と、入庫所要時間以上の不使用期間において、自車両を整備場に入庫する予定の期間である入庫予定期間を設定する入庫予定期間設定部と、第1識別子が予め記憶される記憶部と、記憶部に記憶された第1識別子と、ドアの開錠を指示するスマートキーから送信された第2識別子とが所定の関係を有する場合、ドアの開錠を許可する認証制御部と、入庫予定期間の開始時刻以降に、搭乗者の運転によらない自動運転で自車両を整備場に移動させる自動運転制御部と、を備え、認証制御部は、入庫予定期間の開始時刻に、自車両の整備を行う整備者が使用するスマートキーの第2識別子を記憶部に第1識別子として追加で記憶させ、入庫予定期間の終了時刻に、記憶部に第1識別子として追加で記憶させた第2識別子を記憶部から消去させる。
上記課題を解決するために、本発明の車両は、自車両の整備が必要であるか否かを検知する要整備検知部と、整備が必要であることが検知された場合、所定の地点から自車両の整備が行われる整備場への往復分の移動時間と、整備に必要な時間である整備所要時間とを合わせた時間である入庫所要時間を導出する入庫所要時間導出部と、ユーザが自車両を使用しない予定の不使用期間を導出する不使用期間導出部と、入庫所要時間以上の不使用期間において、自車両を整備場に入庫する予定の期間である入庫予定期間を設定する入庫予定期間設定部と、第1識別子が予め記憶される記憶部と、記憶部に記憶された第1識別子と、ドアの開錠を指示するスマートキーから送信された第2識別子とが所定の関係を有する場合、ドアの開錠を許可する認証制御部と、入庫予定期間中に、搭乗者の運転によらない自動運転で自車両を所定の地点と整備場との間を往復移動させる自動運転制御部と、を備え、認証制御部は、入庫予定期間の開始時刻以降であって自車両が整備場に到着する時刻以前のタイミングに、自車両の整備を行う整備者が使用するスマートキーの第2識別子を記憶部に第1識別子として追加で記憶させ、自車両が整備場から出発する時刻以降であって入庫予定期間の終了時刻以前のタイミングに、記憶部に第1識別子として追加で記憶させた第2識別子を記憶部から消去させる。
【0009】
また、車両は、自車両の整備を行う整備者の予定がない期間である無予定期間を導出する無予定期間導出部をさらに備え、入庫予定期間設定部は、整備所要時間以上の無予定期間において、入庫予定期間のうちの整備を実行する予定の期間である整備実行期間を設定してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、整備に関するユーザの手間を減らすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態による車両整備システムの構成を示す概略図である。
【
図4】入庫所要時間と不使用期間との関係を説明する図である。
【
図5】整備所要時間と整備可能期間との関係を説明する図である。
【
図7】整備が必要であることが検知された場合の車両制御部の動作の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
図1は、本実施形態による車両整備システム1の構成を示す概略図である。車両整備システム1は、整備の対象となる車両10、車両10の管理者(ユーザ)の端末装置12、整備場に設置される整備場サーバ装置14、および、スマートキー16を含む。以下では、本実施形態に関係する構成や処理について詳細に説明し、本実施形態と無関係の構成や処理については説明を省略する。
【0015】
車両10は、搭乗者が運転を行わなくても目的地まで自動運転で移動可能な自動車である。車両10は、車両通信部20、走行支援部22、ドアロック部24、要整備検知部26、記憶部28および車両制御部30を含む。
【0016】
車両通信部20は、端末装置12、整備場サーバ装置14およびスマートキー16の各々と無線通信することができる。
【0017】
端末装置12は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。ここでの端末装置12は、車両10のユーザが使用する(所持する)ものであるとする。端末装置12は、端末通信部40、入出力部42および端末制御部44を含む。
【0018】
端末通信部40は、車両10の車両通信部20と無線通信することができる。入出力部42は、例えば、タッチパネルなどであり、ユーザの入力操作を受け付ける入力機能と、各種の情報を表示する出力機能とを有する。ここでは、端末装置12のユーザは、車両10のユーザであるとする。
【0019】
端末制御部44は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。端末制御部44は、スケジュール管理アプリケーションプログラムを実行することで、ユーザスケジュール管理部46として機能する。
【0020】
ユーザスケジュール管理部46は、ユーザが入出力部42を通じて入力したスケジュールを管理する。つまり、ユーザスケジュール管理部46として機能するRAMなどの記憶領域には、ユーザによって入力されたユーザの予定情報が記憶されている。ユーザの予定情報には、ユーザの将来の行動予定と時間とが関連付けられて登録されている。
【0021】
また、ユーザの予定情報には、例えば、通勤で車両10を使用する予定などのような、車両10の使用予定が時間に関連付けられて登録されてもよい。また、ユーザの予定情報には、ユーザが車両10を使用しない予定の期間(以後、不使用期間と呼ぶ場合がある)が登録されてもよい。
【0022】
整備場サーバ装置14は、サーバ通信部50およびサーバ制御部52を含む。サーバ通信部50は、車両10の車両通信部20と無線通信することができる。
【0023】
サーバ制御部52は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。サーバ制御部52のRAMなどの記憶領域には、整備テーブル54が記憶されている。
【0024】
図2は、整備テーブル54の一例を示す図である。整備テーブル54は、整備場で行われる車両10の整備内容、整備に必要な時間である整備所要時間、整備内容の作業を行う能力がある整備者(担当整備者)、および、整備者を識別する整備者識別子が関連付けられている。整備内容は、車両10における不具合およびメンテナンスの位置や内容に相当する。また、整備者識別子は、整備者が使用する(所持する)スマートキー16に設定されている識別子に一致する。
【0025】
整備テーブル54を用いれば、整備内容から、その整備に必要な整備所要時間、整備者および整備者識別子を導出することができる。なお、
図2における整備内容、整備所要時間、整備者および整備者識別子の具体的な内容は、一例であり、この例に限らない。
【0026】
図1に戻り、サーバ制御部52は、スケジュール管理アプリケーションプログラムを実行することで、整備者スケジュール管理部56として機能する。整備者スケジュール管理部56は、整備場で働く1または複数の整備者のスケジュールを管理する。つまり、整備者スケジュール管理部56として機能するRAMなどの記憶領域には、整備者の予定情報が整備者毎に記憶されている。整備者の予定情報は、整備場サーバ装置14の不図示の入出力部を通じて整備場サーバ装置14に直接的に入力されてもよいし、整備者が所持する不図示の端末装置の入出力部を通じて整備場サーバ装置14に間接的に入力されてもよい。
【0027】
整備者の予定情報には、整備者の将来の行動予定(例えば、整備予定)と時間とが関連付けられて登録されている。整備者の予定情報を用いれば、整備者による整備が可能な期間が分かり、整備者に対して新たな整備の予約をすることができる。
【0028】
車両10の走行支援部22は、図示を省略するが、エンジンなどの駆動機構、ブレーキなどの制動機構、ステアリングギアなどの操舵機構、および、加速度センサや速度センサなどの各種のセンサを含む。また、走行支援部22は、図示を省略するが、進行方向などの車外の環境を撮像する撮像装置、および、撮像装置で撮像された画像に基づいて車外の環境を認識する車外環境認識装置を含んでもよい。走行支援部22は、自動運転の開始が指示されると、車両制御部30の制御の下、加速、減速および旋回などの自車両の運転を行う。
【0029】
記憶部28は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置である。記憶部28には、自車両を識別する識別子が予め記憶されている。以後、記憶部28に記憶される識別子を、第1識別子と呼ぶ場合がある。
【0030】
スマートキー16(アクセスキーとも呼ばれる)は、車両10と無線通信することができる。スマートキー16は、車両10のドアの施錠および開錠を指示することができる。また、スマートキー16には、スマートキー16を識別する識別子が予め記憶されている。以後、スマートキー16に記憶される識別子を、第2識別子と呼ぶ場合がある。車両10に正規に対応するスマートキー16の第2識別子は、その車両10の記憶部28の第1識別子に一致している。第1識別子および第2識別子は、後述するが、スマートキー16が車両10に正規に対応したものであるか否かの認証に利用される。
【0031】
ドアロック部24は、スマートキー16の指示に応じた所定の施錠信号を車両制御部30から受信すると、車両10のドアを施錠(ロック)する。また、ドアロック部24は、スマートキー16の指示に応じた所定の開錠信号を車両制御部30から受信すると、車両10のドアを開錠(アンロック)する。
【0032】
要整備検知部26は、車両10の各種のセンサ(不図示)に基づいて、自車両の整備が必要であることを検知する。例えば、要整備検知部26は、車両10の故障警告灯(所謂、MIL)と連動しており、各種の警告灯が点灯または点滅すると、自車両の整備が必要であると検知する。なお、要整備検知部26は、自車両の整備が必要であれば、故障警告灯の点灯または点滅に限らず検知してもよい。要整備検知部26は、自車両の整備が必要であると検知した場合、その旨を示す要整備情報を車両制御部30に送信する。
【0033】
要整備情報の内容は、例えば、車載空調装置の不具合、エンジンオイルのオイル交換、ウォッシャー液不足、ウインカーランプなどのランプ類の不具合、パンク、エンジントラブルなどが挙げられるが、この例に限らない。また、要整備情報は、故障に限らず、例えば、定期的な自動車の検査(所謂、車検)などのメンテナンスの時期や内容を含んでもよい。
【0034】
車両制御部30は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路から構成される。車両制御部30は、プログラムを実行することで、自動運転制御部60、自走可否導出部62、入庫所要時間導出部64、不使用期間導出部66、無予定期間導出部68、入庫予定期間設定部70および認証制御部72として機能する。
【0035】
自動運転制御部60は、車外環境、自車両の加速度、自車両の速度、エンジンの回転数、走行レーン、ナビゲーション装置(不図示)における地図情報や交通情報、走行経路など、運転に関する各種の情報を取得する。また、自動運転制御部60は、他車両から、他車両の位置、他車両の加速度、他車両のトルクなど、他車両の各種の情報を取得してもよい。そして、自動運転制御部60は、取得した各種の情報を総合的に判断して走行支援部22を制御することで自車両の自動運転を行う。
【0036】
自走可否導出部62は、整備が必要であることが検知された場合において、要整備情報が示す整備内容に基づいて、自車両が自走して整備場に移動できるか否かを判断する。例えば、自走可否導出部62には、要整備情報の内容と自走可否とを関連付けた自走可否テーブルが予め記憶される。自走可否導出部62は、要整備情報を自走可否テーブルに適用して自走可否を判断する。例えば、自走可否導出部62は、要整備情報が車載空調装置の不具合やエンジンオイルのオイル交換などを示すものである場合、自走して整備場に移動可能であると判断する。これに対して、自走可否導出部62は、要整備情報がパンクやエンジントラブルなどを示すものである場合、自走して整備場に移動できないと判断する。
【0037】
整備が必要であることが検知された場合において、自車両が自走可能でなければ、車両制御部30は、整備場サーバ装置14などに整備者の自車両への派遣を要請する。
【0038】
また、整備が必要であることが検知された場合において、自車両が自走可能であれば、自動運転制御部60は、自車両の整備が行われる整備場に、搭乗者の運転によらない自動運転で自車両を移動させる。
【0039】
また、整備が必要であることが検知された場合において、自車両が自走可能であれば、自動運転制御部60は、ユーザが自車両を使用しないときに自車両を整備場に移動させる。以下、ユーザが自車両を使用しないときに自動運転で自車両を移動させる点について詳述する。
【0040】
入庫所要時間導出部64は、自車両の整備を行うために自車両を整備場に入庫するのに必要な時間である入庫所要時間を導出する。入庫所要時間導出部64は、整備場への自車両の移動時間と、要整備情報で示される整備に必要な時間である整備所要時間とに基づいて、入庫所要時間を導出する。
【0041】
図3は、入庫所要時間を説明する図である。
図3に示すように、入庫所要時間は、整備所要時間と、往復分の移動時間(整備場への移動時間および整備場からの移動時間)とを合わせた時間である。例えば、整備に3時間必要であり、往復の移動に2時間必要であれば、車両10を整備場に入庫するには、5時間必要となる。
【0042】
入庫所要時間導出部64は、例えば、ユーザの自宅と整備場との間の走行経路を導出し、走行経路に基づいて移動時間を往復分導出する。整備場は、例えば、ディーラなどのように掛かり付けの整備場とするが、この例に限らない。また、自車両が長時間使用されないときには、自車両がユーザの自宅に置いてあることが多い。このことから、移動時間は、ユーザの自宅と整備場との間の走行経路に基づいて導出されるとしたが、この例に限らない。
【0043】
また、入庫所要時間導出部64は、車両通信部20を通じて要整備情報を整備場サーバ装置14に送信する。サーバ制御部52は、要整備情報で示される整備内容を整備テーブル54に適用し、要整備情報で示される整備内容に対応する整備所要時間を車両10に送信する。これにより、入庫所要時間導出部64は、要整備情報で示される整備内容についての整備所要時間を取得することができる。そして、入庫所要時間導出部64は、このようにして取得された整備所要時間と往復分の移動時間とから入庫所要時間を導出する。
【0044】
図1において、不使用期間導出部66は、ユーザが自車両を使用しない予定の期間である不使用期間を導出する。不使用期間導出部66は、具体的には、車両通信部20を通じて端末装置12のユーザスケジュール管理部46からユーザの予定情報を取得する。そして、不使用期間導出部66は、取得したユーザの予定情報に基づいて不使用期間を導出する。なお、端末制御部44でユーザの不使用期間が導出され、不使用期間導出部66は、端末制御部44で導出されたユーザの不使用期間を取得してもよい。
【0045】
無予定期間導出部68は、自車両の整備を行う整備者(担当整備者)の予定がない期間である無予定期間を導出する。無予定期間は、例えば、担当整備者の将来の予定において、まだ他車両の整備予定が入っていないような期間である。
【0046】
無予定期間導出部68は、車両通信部20を通じて整備場サーバ装置14の整備者スケジュール管理部56から、自車両の整備を行う整備者(担当整備者)の予定情報を取得する。無予定期間導出部68は、取得した担当整備者の予定情報に基づいて、担当整備者の無予定期間を導出する。なお、サーバ制御部52で担当整備者の無予定期間が導出され、無予定期間導出部68は、サーバ制御部52で導出された担当整備者の無予定期間を取得してもよい。
【0047】
入庫予定期間設定部70は、自車両の整備を行うために自車両を整備場に入庫する予定の期間である入庫予定期間を設定する。入庫予定期間設定部70は、1または複数の不使用期間のうち、入庫所要時間以上の不使用期間において、入庫予定期間を設定する。
【0048】
図4は、入庫所要時間と不使用期間との関係を説明する図である。
図4では、ユーザの将来における車両10の使用予定および不使用予定の一例を示している。
図4で示すように、不使用期間が入庫所要時間よりも短い(両矢印D10)ときに車両10を整備場に移動させると、不使用期間内に車両10が戻ってこない可能性が高い。このため、入庫所要時間よりも短い不使用期間は、整備場への車両10の入庫ができない入庫不可期間とする。
【0049】
これに対し、不使用期間が入庫所要時間以上(両矢印D12)のときに車両10を整備場に移動させれば、不使用期間内に車両10が整備を終えて戻ってくることが可能である。このため、入庫所要時間以上の不使用期間は、整備場への車両10の入庫が可能な入庫可能期間とする。入庫予定期間設定部70は、このような入庫可能期間(入庫所要時間以上の不使用期間)において入庫予定期間を設定する。
【0050】
また、入庫予定期間設定部70は、1または複数の無予定期間のうち、整備所要時間以上の無予定期間において、整備を実行する予定の期間である整備実行期間を設定する。その結果、整備実行期間を含む入庫予定期間が設定される。
【0051】
図5は、整備所要時間と整備可能期間との関係を説明する図である。
図5では、整備者(担当整備者)の将来における整備予定の有無の一例を示している。なお、有予定期間は、例えば、他車両の整備予定が入っているというような、既に予定が登録されている期間である。
【0052】
図5で示すように、無予定期間が整備所要時間よりも短い(両矢印D20)ときに要整備情報が示す整備内容(対象の整備内容)の整備を行うと、無予定期間内に整備が終わらない可能性が高い。このため、整備所要時間よりも短い無予定期間は、自車両の整備ができない整備不可期間とする。
【0053】
これに対し、無予定期間が整備所要時間以上(両矢印D22)のときに対象の整備内容の整備を行えば、無予定期間内に整備を終わらせることが可能である。このため、整備所要時間以上の無予定期間は、自車両の整備を行うことが可能な整備可能期間とする。入庫予定期間設定部70は、このような整備可能期間(整備所要時間以上の無予定期間)において、整備実行期間を設定する。
【0054】
つまり、入庫予定期間設定部70は、入庫予定期間が入庫可能期間内となり、かつ、入庫予定期間のうちの整備実行期間が整備可能期間内となるように、入庫予定期間を設定する。
【0055】
図6は、入庫予定期間の一例を示す図である。
図6で示すように、整備実行期間は、整備所要時間以上の無予定期間(整備可能期間)内に設定されており、入庫予定期間は、入庫所要時間以上の不使用期間(入庫可能期間)内に設定されている。このように入庫予定期間が設定されると、整備実行期間よりも前の移動期間の開始時刻(入庫開始時刻)は、不使用期間の開始予定時刻よりも後になり、整備実行期間よりも後の移動期間の終了時刻(入庫終了時刻)は、不使用期間の終了予定時刻よりも前になる。
【0056】
図1に戻って、記憶部28には、自車両を管理する管理者(ユーザ)を識別する第1識別子が予め記憶されている。また、スマートキー16は、ドアの施錠指示および開錠指示とともに、スマートキー16の管理者を識別する第2識別子を車両10に送信する。車両10に正規に対応するスマートキー16では、第2識別子が第1識別子に一致している。
【0057】
認証制御部72は、予め記憶部28に記憶された第1識別子と、スマートキー16から送信された第2識別子とが所定の関係を有する場合、ドアの施錠および開錠を許可する。所定の関係を有する場合とは、具体的には、第1識別子と第2識別子とが一致する場合とするが、許容誤差内で近似する場合としてもよい。そして、認証制御部72は、施錠を許可した場合、ドアロック部24に施錠信号を送信してドアを施錠させ、開錠を許可した場合、ドアロック部24に開錠信号を送信してドアを開錠させる。つまり、車両10の管理者(ユーザ)が使用する(所持する)スマートキー16であれば、車両10のドアの施錠および開錠が可能となる。
【0058】
なお、スマートキー16は、車両10のパワーユニット(エンジン)の始動を指示してもよいし、自動運転の開始を指示してもよい。この場合、認証制御部72は、スマートキー16から送信された第2識別子が第1識別子と所定の関係を有すれば、パワーユニットの始動を許可してもよいし、自動運転の開始を許可してもよい。
【0059】
ここで、車両10は、ユーザが使用していないときには、盗難防止のためにドアが施錠されている。このことから、車両10が自動走行で整備場に搬入されたとき、車両10のドアは施錠されている。また、整備場の整備者は、搬入された車両10に正規に対応するスマートキー16を持っていない。整備者が車両10のドアを開錠できないとすると、整備作業に支障をきたすおそれがある。
【0060】
そこで、認証制御部72は、整備が必要であることが検知された場合、自車両の整備が行われる期間中、自車両の整備を行う整備者が使用するスマートキー16の第2識別子(例えば、整備者識別子)を、記憶部28に第1識別子として記憶させる。
【0061】
例えば、認証制御部72は、入庫予定期間の開始時刻(整備場への移動開始時刻)となると、車両通信部20を通じて担当整備者に対応する整備者識別子を整備場サーバ装置14に問い合わせる。サーバ制御部52は、担当整備者または対象の整備内容を整備テーブル54に適用して担当整備者の整備者識別子を導出し、サーバ通信部50を通じて車両10に送信する。これにより、認証制御部72は、担当整備者の整備者識別子、すなわち、担当整備者が使用する(所持する)スマートキー16の第2識別子を取得することができる。そして、認証制御部72は、取得した整備者識別子(担当整備者が使用するスマートキー16の第2識別子)を記憶部28に第1識別子として追加で記憶させる。
【0062】
車両10が整備場に搬入されると、担当整備者は、整備のために車両10のドアの開錠を自分のスマートキー16で行う。つまり、認証制御部72は、担当整備者のスマートキー16から送信される第2識別子(整備者識別子)を受信する。認証制御部72は、記憶部28に追加で記憶された担当整備者の整備者識別子(第1識別子)と、担当整備者のスマートキー16から受信された整備者識別子(第2識別子)とが一致するため、ドアの開錠を許可し、ドアロック部24にドアを開錠させる。
【0063】
また、認証制御部72は、入庫予定期間の終了時刻となると、第1識別子として追加で記憶させていた整備者識別子を、記憶部28から消去させる。なお、認証制御部72は、全地球測位システム(GPS)で自車両の現在地が自宅等となったことに応じて、整備者識別子を記憶部28から消去させてもよい。
【0064】
また、自車両の整備場への入庫の開始から終了までの間、整備者識別子を一時的に記憶する例を挙げたが、整備者識別子の記憶部28への記憶期間は、例えば、整備場に到着してから、整備場を出発するまでの間であってもよい。
【0065】
また、上記では、担当整備者のスマートキー16の第2識別子(整備者識別子)を車両10の記憶部28に一時的に記憶する例を挙げていた。しかし、認証制御部72は、整備が必要であることが検知された場合、自車両の整備が行われる期間中、自車両の整備を行う整備者が使用するスマートキー16に、自車両の記憶部28に記憶される第1識別子と共通の識別子を第2識別子として記憶させてもよい。この態様においても、整備者は、整備のために車両10のドアの開錠等を行うことができる。
【0066】
例えば、認証制御部72は、新たな識別子(新識別子)を生成し、新識別子を自車両の記憶部28に第1識別子として追加で記憶させるとともに、新識別子を担当整備者のスマートキー16にも追加で記憶させてもよい。この際、認証制御部72は、新識別子を整備場サーバ装置14に送信し、整備場サーバ装置14を介して担当整備者のスマートキー16に新識別子を無線通信で送信してもよい。
【0067】
また、例えば、認証制御部72は、自車両の記憶部28に既に記憶されている第1識別子(ユーザのスマートキー16の第2識別子に一致する第1識別子)を、担当整備者のスマートキー16に追加で記憶させてもよい。この場合、認証制御部72は、整備終了後に、ユーザのスマートキー16の第2識別子と、それに一致する記憶部28内の第1識別子とを、更新してもよい。
【0068】
図7は、整備が必要であることが検知された場合の車両制御部30の動作の流れを説明するフローチャートである。要整備検知部26は、整備が必要であることを検知すると要整備情報を車両制御部30に送信する。車両制御部30は、要整備検知部26から要整備情報を受信すると、
図7の一連の処理を行う。
【0069】
まず、自走可否導出部62は、要整備情報を解析する(S100)。次に、自走可否導出部62は、要整備情報が示す整備内容に基づいて、自車両が自走可能であるか否かを判断する(S110)。自車両が自走可能ではない場合(S110におけるNO)、自走可否導出部62は、掛かり付けの整備場の整備場サーバ装置14などに自車両への整備者の派遣を要請し(S120)、一連の処理を終了する。
【0070】
自車両が自走可能である場合(S110におけるYES)、入庫所要時間導出部64は、整備を行う整備場を決定する(S130)。例えば、整備を行う整備場として掛かり付けの整備場が決定される。
【0071】
次に、入庫所要時間導出部64は、入庫所要時間を導出する(S140)。例えば、入庫所要時間導出部64は、自宅と整備場との走行経路に基づいて移動時間を導出する。また、入庫所要時間導出部64は、整備内容と整備場サーバ装置14の整備テーブル54とに基づいて整備所要時間を導出する。そして、入庫所要時間導出部64は、整備所要時間と往復分の移動時間とから入庫所要時間を導出する。なお、入庫所要時間導出部64は、このステップで担当整備者も導出できる。
【0072】
次に、不使用期間導出部66は、ユーザの端末装置12のユーザスケジュール管理部46からユーザの予定情報を取得する(S150)。次に、不使用期間導出部66は、ユーザの予定情報に基づいて、車両10を使用しない予定の不使用期間を導出する(S160)。
【0073】
次に、入庫予定期間設定部70は、不使用期間および入庫所要時間に基づいて入庫可能期間を導出する(S170)。具体的には、入庫予定期間設定部70は、複数の不使用期間のうち入庫所要時間以上の不使用期間を入庫可能期間とする。
【0074】
次に、無予定期間導出部68は、整備場サーバ装置14の整備者スケジュール管理部56から担当整備者の予定情報を取得する(S180)。次に、無予定期間導出部68は、担当整備者の予定情報に基づいて、担当整備者の無予定期間を導出する(S190)。
【0075】
次に、入庫予定期間設定部70は、無予定期間および整備所要時間に基づいて、担当整備者の整備可能期間を導出する(S200)。具体的には、入庫予定期間設定部70は、複数の無予定期間のうち整備所要時間以上の無予定期間を整備可能期間とする。
【0076】
次に、入庫予定期間設定部70は、1または複数の整備可能期間のうちのいずれかの整備可能期間において、整備実行期間を仮設定する(S210)。この際、入庫予定期間設定部70は、現時点に最も近い整備可能期間から優先して時系列順に、整備実行期間の仮設定を行う。
【0077】
次に、入庫予定期間設定部70は、仮設定された整備実行期間の前後に移動時間を加えて、入庫予定期間を仮設定する(S220)。
【0078】
次に、入庫予定期間設定部70は、仮設定された入庫予定期間が、入庫可能期間内にあるか否かを判断する(S230)。
【0079】
入庫予定期間が入庫可能期間内にある場合(S230におけるYES)、入庫予定期間設定部70は、仮設定された整備実行期間を実際の整備実行期間に決定し、そのときの仮設定された入庫予定期間を実際の入庫予定期間に決定し(S240)、一連の処理を終了する。入庫予定期間が決定されると、入庫予定期間の開始時刻および終了時刻が決定される。なお、入庫予定期間設定部70は、決定された整備実行期間を整備場サーバ装置14に通知し、担当整備者の予定情報に自車両の整備の予約を入れてもよい。
【0080】
入庫予定期間が入庫可能期間内にない場合(S230におけるNO)、入庫予定期間設定部70は、整備実行期間の仮設定の候補があるか否かを判断する(S250)。整備実行期間の仮設定の候補がある場合(S250におけるYES)、入庫予定期間設定部70は、ステップS210の処理に戻り、整備実行期間の仮設定を繰り返す。
【0081】
整備実行期間の仮設定の候補がない場合(S250におけるNO)、入庫予定期間設定部70は、所定の条件(整備実行期間が整備可能期間内であり、かつ、入庫予定期間が入庫可能期間内であるという条件)を満たす入庫予定期間を設定できなかった旨を、音や表示で報知させ(S260)、一連の処理を終了する。
【0082】
そして、図示を省略するが、入庫予定期間の開始時刻となると、認証制御部72は、整備場サーバ装置14から担当整備者の整備者識別子を取得して記憶部28に記憶させる。また、自動運転制御部60は、自動運転での自車両の整備場への移動を開始させる。
【0083】
以上のように、本実施形態の車両10では、自車両において整備が必要であることが検知された場合、自車両の整備が行われる整備場に、搭乗者の運転によらない自動運転で自車両が移動される。これにより、整備が必要となった車両10が自動運転で整備場に搬入されるため、ユーザは、車両10を運転して整備場に搬入する必要がなくなる。
【0084】
したがって、本実施形態の車両10によれば、整備に関するユーザの手間を減らすことが可能となる。
【0085】
また、本実施形態の車両10では、ユーザが自車両を使用しないときに自車両が整備場に移動される。このため、本実施形態の車両10では、ユーザの利便性を低下させることなく、自車両の整備を行うことが可能となる。
【0086】
また、本実施形態の車両10では、入庫所要時間以上の不使用期間において入庫予定期間が設定される。このため、本実施形態の車両10では、ユーザが自車両を使用しない期間中に自車両が整備を終えて戻ってくるため、ユーザの利便性を確保することができる。
【0087】
また、本実施形態の車両10では、整備所要時間以上の無予定期間において、入庫予定期間のうちの整備実行期間が設定される。このため、本実施形態の車両10では、担当整備者が自車両の整備を時間通りに終わらせることができるため、自車両が整備場に滞在する時間が延びることを防止可能である。その結果、本実施形態の車両10では、整備場に入庫する時間の延長を防止でき、ユーザの利便性の低下を抑制可能である。
【0088】
また、本実施形態の車両10では、整備が必要であることが検知された場合、自車両の整備が行われる期間中、自車両の整備を行う整備者が使用するスマートキー16の第2識別子が記憶部28に第1識別子として記憶される。また、本実施形態の車両10では、整備が必要であることが検知された場合、自車両の整備が行われる期間中、自車両の整備を行う整備者が使用するスマートキー16に、記憶部28に記憶される第1識別子と共通の識別子が第2識別子として記憶されてもよい。このため、本実施形態の車両10では、ユーザが整備に立ち会わなくても、担当整備者が車両10のドアの開錠等を行うことができる。その結果、担当整備者は、円滑に整備作業を行うことができる。また、本実施形態の車両10では、自車両の整備が行われる期間中のみ、一時的に担当整備者によるドアの開錠等を許可することで、自車両の保護や安全に配慮しつつ、整備者の利便性を高くすることが可能となる。
【0089】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0090】
例えば、上記実施形態では、整備が必要であることが検知された場合、ユーザが自車両を使用しないときまで待ってから、自車両を整備場に自動運転で移動させていた。しかし、自動運転制御部60は、整備が必要であることが検知された後、すぐに、自車両を整備場に自動運転で移動させてもよい。この場合、自動運転制御部60は、ユーザを所定の位置に降車させてから、自車両を整備場に自動運転で移動させてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、不使用期間導出部66は、ユーザスケジュール管理部46内のユーザの予定情報に基づいて不使用期間を導出していた。しかし、不使用期間の具体的な導出方法は、この例に限らない。例えば、不使用期間導出部66は、車載のタッチパネルなどを通じて、不使用期間をユーザに直接的に入力させることで取得してもよい。また、例えば、不使用期間導出部66は、ユーザが自車両を使用しなかった過去の複数の実績を学習し、将来の不使用期間を予測してもよい。
【0092】
また、上記実施形態において、入庫所要時間を導出するための移動時間は、自宅と整備場との間の移動時間としていた。しかし、移動時間の起点は、自宅に限らない。例えば、入庫所要時間導出部64は、ユーザの予定情報を参照し、不使用期間の開始直前の自車両の位置を導出(予測)し、導出された位置を起点として移動時間を導出してもよい。
【0093】
また、上記実施形態において、認証制御部72は、担当整備者のスマートキー16によって自車両のドアの開錠等が行われた場合に、その旨を、ユーザの端末装置12などに電子メール形式などで通知してもよい。
【0094】
また、上記実施形態において、認証制御部72は、担当整備者のスマートキー16によって自車両のドアの開錠等の指示を受信した場合に、ドアの開錠等の許可を承認するか否かの承認要求を、ユーザの端末装置12などに電子メール形式などで通知してもよい。
【0095】
なお、上記実施形態の車両10は、エンジンを駆動源とした自動車であってもよいし、駆動モータを駆動源とした電気自動車であってもよいし、エンジンと駆動モータとが並行して設けられたハイブリッド電気自動車であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、自動運転が可能な車両に利用できる。
【符号の説明】
【0097】
10 車両
26 要整備検知部
28 記憶部
60 自動運転制御部
64 入庫所要時間導出部
66 不使用期間導出部
68 無予定期間導出部
70 入庫予定期間設定部
72 認証制御部