(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】物品の袋詰め装置およびヘッダー付包装袋
(51)【国際特許分類】
B65B 43/28 20060101AFI20231109BHJP
B65B 5/04 20060101ALI20231109BHJP
B65D 33/20 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
B65B43/28 A
B65B5/04
B65D33/20
(21)【出願番号】P 2019180531
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花岡 哲
(72)【発明者】
【氏名】藤田 一博
(72)【発明者】
【氏名】田中 光則
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-111215(JP,A)
【文献】特開2014-234225(JP,A)
【文献】実開平05-071109(JP,U)
【文献】米国特許第05172537(US,A)
【文献】特開2013-010517(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0013322(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/28
B65B 5/04
B65B 51/10
B65D 33/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッダー付包装袋の開口部が上向きの状態でヘッダーを保持するヘッダー保持手段と、
前記ヘッダーの幅方向の両端部における前記ヘッダーの厚み方向の位置を規制するヘッダー端部規制板とを備え、
前記ヘッダー端部規制板による規制を解除した状態で物品を前記ヘッダー付包装袋に投入し、物品投入後、前記ヘッダーの幅方向両端部の厚み方向の位置を前記ヘッダー端部規制板により規制した状態で前記ヘッダー付包装袋の開口部を封止し、
前記ヘッダー付包装袋に前記物品を投入する投入装置と、
前記ヘッダー付包装袋の開口部を封止する封止装置とをさらに備え、
前記ヘッダー保持手段と前記ヘッダー端部規制板とは、
前記投入装置と前記封止装置の間を移動可能に構成されている、
ことを特徴とする物品の袋詰め装置。
【請求項2】
前記ヘッダー端部規制板は、当該ヘッダー端部規制板を回動する回動機構を有し、
当該回動機構を用いて、前記物品を投入する際に前記ヘッダーが反る方向に回動し、規制を解除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の物品の
袋詰め装置。
【請求項3】
前記ヘッダー付包装袋は、前記開口部に沿って配設されるフラップを備え、
上方に持ち上げられた前記フラップと、前記ヘッダーとの対向する方向の間の位置において、
前記ヘッダー端部規制板で前記ヘッダーの幅方向の両端部を規制しながら、前記フラップを下げることで前記開口部を封止する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品の袋詰め装置。
【請求項4】
前記ヘッダー付包装袋の開口部を封止する時に、
該ヘッダー付包装袋の開口された縁部に対して、30mm離れた範囲内での延出方向両端部に張力を付加する張力付加装置を備えている、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の物品の袋詰め装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか一項に記載の袋詰め装置によって、物品が袋詰めされるヘッダー付包装袋であって、
縁部に開口部を有し、物品を収納する袋体を備え、
前記袋体の幅方向の寸法は90mm以上であり、
前記物品の最大厚み寸法は10mm以上である、
ことを特徴とするヘッダー付包装袋。
【請求項6】
前記開口部に沿って配設されるフラップを備え、
前記フラップにおける前記袋体の対向面、または前記袋体における前記フラップとの対向面に、粘着材層が形成されている、
ことを特徴する請求項5に記載のヘッダー付包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幅方向に長く、厚みが厚い物品をヘッダー付包装袋に詰めるための、物品の袋詰め装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、開口された縁部を有する袋体と、該縁部を介して袋体の反対側に連結されるヘッダーと、該縁部に沿って配設されるフラップとを備えるヘッダー付包装袋が知られている。
前記ヘッダー付包装袋においては、例えばフラップにおける袋体との対向面に粘着材層が形成される。
そして、開口された縁部を介して袋体の内部に内容物(物品)が収納されると、フラップは該縁部を掩覆しつつ、粘着材層を介して袋体に貼着される。
こうして、ヘッダー付包装袋において、袋体の開口された縁部は、フラップによって封止される。
【0003】
ここで、ヘッダー付包装袋に収納される内容物が、袋体に比べて十分小さな容積からなる場合、開口された縁部の近傍をフラットな状態に保持することが容易であることから、前記縁部やフラップなどに皺などを発生させることなく、フラップを用いて前記縁部を確実に封止することが可能である。
すなわち、内容物(物品)の形状が、袋の幅方向に短く、厚みが薄い場合は、内容物(物品)を袋内に挿入し、フラップを閉じてもシール部周辺に皺が入ることはほとんどない。
しかし、ヘッダー付包装袋に収納される内容物が、袋体と略同程度の容積からなる場合、内容物は袋体の内部全体に渡って満たされることから、内容物(物品)の厚みが厚く、幅方向に長くなればなるほど、開口された縁部の近傍にまで及び、該縁部が前記内容物に倣って隆起されることとなる。
そして、このような状態における前記縁部に対して、例えばフラップを用いて封止しようとしても、前記縁部やフラップなどに皺が発生したり、または前記縁部に対して位置ズレを生じたままフラップが貼着されたりすることがあった。
その結果、封止箇所の美感を損なったり、または封止箇所の密閉状態が完全でなかったりして、内容物が収納されたヘッダー付包装袋の品質低下をもたらす要因となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-10517号公報
【文献】特開2014-234225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上に示した現状の問題点を鑑みてなされたものであり、ヘッダー付包装袋において、包装袋の幅方向に長く、厚みが厚い物品をヘッダー付包装袋に詰める際に、袋が破損し難く、挿入後に該フラップによる封止箇所に皺や位置ズレなどが発生することがなく、ヘッダー付包装袋の美感が向上し、品質向上を図ることが可能な、物品の袋詰め装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本発明の物品の袋詰め装置は、ヘッダー付包装袋の開口部が上向きの状態でヘッダーを保持するヘッダー保持手段と、前記ヘッダーの幅方向端部における前記ヘッダーの厚み方向の位置を規制するヘッダー端部規制板とを備え、前記ヘッダー端部規制板による規制を解除した状態で物品を前記ヘッダー付包装袋に投入し、物品投入後、前記ヘッダーの幅方向両端部の厚み方向の位置を前記ヘッダー端部規制板により規制した状態で前記ヘッダー付包装袋の開口部を封止することを特徴とする。
【0008】
上記構成において、前記ヘッダー付包装袋に前記物品を投入する投入装置と、前記ヘッダー付包装袋の開口部の封止する封止装置とを備え、前記ヘッダー保持手段と前記ヘッダー端部規制板は、前記投入装置と前記封止装置の間を移動可能に構成されていることが好ましい。
【0009】
また、上記構成において、前記ヘッダー付包装袋の幅方向の寸法は90mm以上であり、前記物品の最大厚み寸法は10mm以上であることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、前記ヘッダー端部規制板は、当該ヘッダー端部規制板を回動する回動機構を有し、当該回動機構を用いて、前記物品を投入する際に前記ヘッダーが反る方向に回動し、規制を解除することが好ましい。
【0011】
また、上記構成において、前記ヘッダー付包装袋は、前記開口部に沿って配設されるフラップを備え、該フラップにおける袋体の対向面、または前記袋体における前記フラップとの対向面に粘着材層が形成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記構成において、上方に持ち上げられた前記フラップと前記ヘッダーの対向する方向の間の位置において、前記ヘッダー端部規制板で前記ヘッダーの幅方向の両端部を規制しながら、前記フラップを下げることで前記開口部を封止することが好ましい。
【0013】
また、上記構成において、前記ヘッダー付包装袋の開口部を封止する時に、該ヘッダー付包装袋の開口された縁部近傍の延出方向両端部に張力を付加する張力付加装置を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
即ち、本発明の物品の袋詰め装置によれば、例えば袋の幅方向に長く、厚みが厚い物品をヘッダー付包装袋に投入する時に袋が破損し難く、投入後、ヘッダー付包装袋の開口部を封止する際に皺になり難く、綺麗に密封できるようになる。
従って、ヘッダー付包装袋の美感が向上し、品質向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る物品の袋詰め装置の全体的な構成を示した平面図。
【
図2】ヘッダー保持手段及びヘッダー端部規制部を備える挟持機構部を示す正面図。
【
図3】
図2におけるヘッダー保持手段及びヘッダー端部規制部を矢印Bの方向から見た断面図であって、(a)はヘッダー端部規制板による規制状態を示す図、(b)はヘッダー端部規制板による規制を解除した状態を示す図、(c)はヘッダー付包装袋に物品を投入した状態を示す図。この(c)の図においては後面側のヘッダー端部規制板14aを固定する場合で図示している。
【
図4】ヘッダー付包装袋の全体的な構成を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0018】
[ヘッダー付包装袋100]
先ず、本発明を具現化する物品の袋詰め装置1(
図1を参照、以下では、単に袋詰め装置1という)によって物品150が袋詰めされる、ヘッダー付包装袋100(以下では、単に包装袋100という)の一例について、
図4を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、
図4の上下方向を包装袋100の上下方向と規定して記述する。
また、
図4においては、矢印Aの方向を前方と規定して記述する。
【0019】
包装袋100は、後述する袋詰め装置1(
図1を参照)によって、物品150(
図3(c)を参照)が袋詰めされるものである。このように、包装袋100に物品150が袋詰めされた際には、当該物品150が包装袋100の内容物となる。
包装袋100は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどからなるプラスチックフィルムにより一体的に形成され、主に袋体101やフラップ102やヘッダー103などにより構成される。
なお、包装袋100の材質については、本実施形態のものに限定されず、例えば、ナイロンやアルミ箔など他の材質であってもよい。
また、包装袋100の形態は、本実施形態のものに限定されず、例えば、フラップ102の有無等は適宜採用可能である。
【0020】
袋体101は、包装袋100の基体となる部位である。
袋体101は、袋体101の開口部である開口された縁部101a(以下、「開口縁部101a」と記載する)を有する矩形状の袋構造に形成される。
【0021】
そして、例えば本実施形態において、袋体101は、開口縁部101aを上方に向けつつ、平面部を前方(矢印Aの方向)に向けて配置される。
【0022】
次に、フラップ102について説明する。
フラップ102は、開口縁部101aを封止するための部位である。
フラップ102は、帯状に形成され、その長手寸法が、開口縁部101aの長手寸法(即ち、袋体101の幅方向(平面視にて矢印Aとの直交方向)の寸法)と同程度に設定されている。
【0023】
そして、フラップ102は、開口縁部101aの上部近傍において、該開口縁部101aに沿って配置される。
この際、フラップ102は、前方より開口縁部101aを掩覆する姿勢を有しつつ、上側の縁部を介して、後述するヘッダー103に連結される。
【0024】
ここで、本実施形態においては、袋体101の開口縁部101a近傍におけるフラップ102との対向面、即ち袋体101の開口縁部101a近傍の前面に、粘着材層104が形成されている。
また、袋体101の前面における開口縁部101aに近い側(粘着材層104の上側領域部分)は、粘着材層104が付着されていない余白となっている。
【0025】
このように、本実施形態における包装袋100においては、物品150を袋体101に収納させた後、粘着材層104を介して、前記袋体101にフラップ102を貼着させる構成となっており、開口縁部101aを確実に封止することができるのである。
【0026】
なお、このような粘着材層104を設ける場合においては、フラップ102によって開口縁部101aが封止される以前に、前記粘着材層104が外部に露出するのを防ぐため、図示せぬライナー部材などによって、粘着材層104を被覆しておく必要がある。
【0027】
具体的には、フラップ102と略同じ形状からなる剥離フィルムなどにより、前記ライナー部材を形成し、該ライナー部材をフラップ102の後面に積層させることにより、粘着材層104を被覆するのである。
【0028】
また、粘着材層104が形成される箇所については、本実施形態に限定されるものではない。粘着材層104が形成される位置や面積等は設計事項であり、例えば、物品150の形状や、包装袋100の使用方法などに基づいて、適宜決定されるものである。
また、フラップ102における袋体101との対向面、即ちフラップ102の後面(矢印Aとの対向側の面)に、粘着材層104が形成されることとしてもよい。
【0029】
ところで、完成された直後の包装袋100においては、形成工程の都合上、フラップ102の長手方向方向の両側の縁部102a・102aが、袋体101の幅方向の両側の縁部101b・101bと各々溶着された状態となっている。
但し、袋体101の幅方向の両側の縁部101b・101bは、溶着されていなくても使用することができ、特に限定されるものではない。
【0030】
そして、後述するように、包装袋100は、袋詰め装置1に投入された後、開封装置3によって、フラップ102の幅方向の両側における溶着箇所を各々破断され、袋体101内に物品150が投入可能な状態となるのである。
【0031】
次に、ヘッダー103について説明する。
ヘッダー103は、包装袋100を、全体的に支持する際に利用される部位である。
ヘッダー103は、帯状に形成され、その長手寸法が、開口縁部101aの長手寸法と同程度に設定されている。
【0032】
そして、ヘッダー103は、開口縁部101aに沿いつつ、上方に向かって延出するようにして配設されるとともに、その下側の縁部を介して、開口縁部101aの後側(フラップ102側との対向側)と連結される。
また、ヘッダー103の中央部には、貫通孔103aが穿孔される。
【0033】
このような構成からなるヘッダー103において、例えば、フック(図示せず)などを貫通孔103aに貫通させて掛止させることにより、包装袋100は全体的に支持される。
【0034】
[袋詰め装置1]
次に、本発明を具現化する袋詰め装置1の全体構成について、
図1を用いて説明する。
【0035】
袋詰め装置1は、包装袋100への物品150の袋詰め作業を、自動で行うためのシステムであって、包装袋100の開口縁部101a(
図4を参照)を開放し、該包装袋100に物品150を投入し、さらに包装袋100の開口縁部101aを封止(閉栓)するためのシステムである。
袋詰め装置1は、移動装置10を備え、該移動装置10の周囲には、供給装置2や開封装置3や剥離装置4や投入装置5や封止装置6や排出装置7などが配設される。
【0036】
移動装置10は、袋詰め装置1を構成する各装置群2・3・・・7間において、包装袋100を移動させるための装置である。
移動装置10は、多角形状のターンプレート11や、該ターンプレート11の外縁部に等角ピッチ(本実施形態においては60°)で配設される挟持機構部12・12・・・などにより構成される。
【0037】
ターンプレート11は、図心を中心にして水平方向に回転可能に配設される。
一方、挟持機構部12は、互いに近接離間可能な複数の部材によって構成され、これらの部材によって、包装袋100のヘッダー103(
図4を参照)が挟持され、堅固に把持されるようになっている。つまり、挟持機構部12は、包装袋100を把持する把持手段として設けられる。また、挟持機構部12は、フラップ102を開口縁部101aの上方へとまくり上げた時のフラップ102を上方で把持する機構(図示せず)も備えている。但し、フラップを把持する機構については備えてなくてもよく、フラップの有無、包装袋100の種類に合わせて適宜設けたらよく、限定されない。
【0038】
具体的には、挟持機構部12は、包装袋100の開口縁部101aが上向きの状態で包装袋100のヘッダー103を保持するヘッダー保持手段13と、該ヘッダー103の幅方向端部においてヘッダー103の厚み方向の位置を規制する一対のヘッダー端部規制板14aを有するヘッダー端部規制部14とを備える。ヘッダー保持手段13、及びヘッダー端部規制部14は、ターンプレート11に支持されている。袋詰め装置1を構成する各装置群2・3・・・7は、ターンプレート11の周りに60°の等角ピッチで配置されている。
【0039】
すなわち、ターンプレート11の周囲には、後述する供給装置2や開封装置3や剥離装置4や投入装置5や封止装置6や排出装置7が、それぞれ挟持機構部12と対向するようにして、順に等角ピッチ(本実施形態においては60°)にて配設される。ヘッダー保持手段13、及び一対のヘッダー端部規制部14を備える挟持機構部12は60°の等角ピッチでターンプレート11に配置されている複数の挟持機構部12のうちの1つの挟持機構部12が投入装置5の正面に対向している。
【0040】
図2は、ヘッダー保持手段13、及びヘッダー端部規制部14をターンプレート11に支持させた支持構造を示している。
【0041】
図2に示すように、ヘッダー保持手段13は、ターンプレート11の下面に固定されターンプレート11の周縁から垂下した固定片80と、水平軸81と、水平軸81を軸受けしターンプレート11の上面に固定されたブラケット83と、水平軸81に固定され水平軸81の下方へ延びるヘッダーレバー95と、ヘッダーレバー95の内側面に取り付けられるとともに固定片80に対向して配置される外側可動片97(
図3参照)と、駆動手段99とを備える。
【0042】
駆動手段99は、ヘッダーレバー95にクランクを介して接合した従節(図示せず)を、エアシリンダ等によるカムの動作に従わせることにより、ヘッダーレバー95を固定片80と外側可動片97との間が開く向きに旋回させる。ヘッダーレバー95は、ブラケット83とクランクとの間に設けたトーションスプリング等により、固定片80と外側可動片97との間が閉じる方向に付勢されている。このため、駆動手段99がカムを動作させないときは、外側可動片97が固定片80に押し付けられ、両者の間が閉じる。
【0043】
ヘッダー端部規制部14は、一対の対向する板状であるヘッダー端部規制板14aと、一対のヘッダー端部規制板14aを閉じる方向に付勢する付勢手段14bと、ヘッダー端部規制板14aに駆動を伝達する規制板リンク機構14cと、回動機構14dを備える。
なお、ヘッダー端部規制部14において、構成される各要素は設計事項であり、ヘッダーの幅方向端部の厚み方向(特に内容物を収納した時にヘッダーが反る方向)を規制可能に構成されていればよく、特に限定されない。
【0044】
一対のヘッダー端部規制板14aは、ヘッダー103の幅方向の両端部を挟持し、ヘッダー103の幅方向の両端部においてヘッダー103の厚み方向の位置を規制するものである。
なお、ヘッダー端部規制板14aにより規制を解除する動作は、一対のヘッダー端部規制板14aを一体的に前方に移動してもよく、後面側のヘッダー端部規制板14aは移動せず(固定)に、前面側のヘッダー端部規制板14aのみが移動してもよい。
また、ヘッダー端部規制板14aは一対ではなく一つのみで構成し、ヘッダー103の幅方向の両端部における前面側に配置して、ヘッダー103が前方向に移動しない(反らない)ように規制可能に構成してもよい。このような構成により、ヘッダー端部規制部14の部品点数を抑えることができる。
【0045】
付勢手段14bは、図示せぬトーションスプリング等により、一対の対向するヘッダー端部規制板14aとの間を閉じる方向に付勢するものである。
規制板リンク機構14cは、図示せぬ駆動手段等からの動作を伝達することにより、ヘッダー端部規制板14aを前後方向(開く方向)に移動可能にしている。
【0046】
また、規制板リンク機構14cは、図示せぬ駆動手段及び回動機構14d等の動作により、包装袋100の幅方向に対する一対のヘッダー端部規制板14aの傾斜角を適宜変更することができる。規制板リンク機構14cは、回動機構14dを動作させることで、ヘッダー端部規制板14aを前方に移動させるとともに、ヘッダー103の幅方向の両端部が反る方向(ヘッダー103の幅方向の両端部が近づく方向、
図3(b)の矢印C、Dで示す各回動方向参照)に回動し、ヘッダー103に対する規制を解除することができる。
【0047】
[ヘッダー端部規制板14aによる規制動作及び規制解除動作について]
上述したヘッダー保持手段13は、移動装置10によって袋詰め装置1を構成する各装置群2・3・・・7間において、包装袋100を移動させる際に、開口縁部101aが上方に向くようにして起立させた姿勢で、ヘッダー103の幅方向中央部を保持している(
図2参照)。
一方、ヘッダー端部規制板14aは、移動装置10によって袋詰め装置1を構成する各装置群2・3・・・7間において、包装袋100を移動させる際に、ヘッダー103の幅方向の両端部を挟持し、ヘッダー103の幅方向の両端部においてヘッダー103の厚み方向の位置を規制している(
図3(a)参照)。
【0048】
具体的には、
図3(a)に示すように、ヘッダー端部規制板14aは、ヘッダー103の幅方向の両端部の厚み方向位置を規制することで、ヘッダー103の幅方向の両端部の厚み方向の位置がヘッダー103の幅方向中央部の厚み方向の位置と同一となり、ヘッダー103を幅方向においてフラットな状態となるように保持している。この場合、包装袋100の開口縁部101aが閉じた状態となっている。本実施形態では、この状態を「ヘッダー端部規制板14aにより規制した状態(単に規制状態ともいう)」という。
また、規制板リンク機構14cからの伝達により、
図3(b)に示すように、ヘッダー103の幅方向の両端部の厚み方向位置をヘッダー103の幅方向中央部の厚み方向の位置よりも前方に移動させる。本実施形態では、この状態を「ヘッダー端部規制板14aによる規制を解除した状態(単に解除状態ともいう)」という。このヘッダー端部規制板14aによる規制を解除した状態では、包装袋100は、ヘッダー保持手段13で保持されている以外は、自由に動ける状態になる。
【0049】
例えば、後述する投入装置5の前工程である剥離装置4より包装袋100が移動してくる際には、「ヘッダー端部規制板14aにより規制した状態」すなわち包装袋100の開口縁部101aが閉じた状態とし、包装袋100が投入装置5により包装袋100に物品150が投入される際には、「ヘッダー端部規制板14aよる規制を解除した状態」すなわち包装袋100の開口縁部101aを自由に動ける状態にし、包装袋100の開口縁部101a内に、後述するガイド部材の先端部が挿入され、該開口縁部101aの開口状態が確保されるとともに、物品150が投入機構部42より自重落下され、包装袋100の袋体101内へと投入される。
なお、袋の開口、投入については、特に限定されず、上方からのエアブローにより、包装袋100の開口縁部101aを開口し、ガイド部材を挿入してもよく、適宜設計すればよい。
また、本実施形態においては、物品150が自重落下され、包装袋100の袋体101内へと投入される構成であるが、特に限定されず、例えば物品150をプッシャー等の物品を袋体101内へ挿入する装置を用いて包装袋100の袋体101内へと挿入してもよい。
【0050】
また、物品150が包装袋100の袋体101内への投入後、例えば後述する封止装置6により包装袋100が封止される際には、「ヘッダー端部規制板14aによる規制を解除した状態」すなわち包装袋100の開口縁部101aが前方に膨らんだ状態から「ヘッダー端部規制板14aにより規制した状態」すなわち包装袋100の開口縁部101aを閉じる方向に規制した状態で、袋体101内に物品150が収納された後の包装袋100において、封止装置6によってフラップ102が袋体101に貼着されることにより、前記袋体101の開口縁部101aは封止され、包装袋100への物品150の袋詰めが完了する。
【0051】
このように、本実施形態においては、ヘッダー端部規制板14aによる規制を解除した状態で物品150を包装袋100へ投入し、物品投入後、ヘッダー103の幅方向両端部の厚み方向の位置をヘッダー端部規制板14aにより規制した状態で包装袋100の開口縁部101aを封止している。
これにより、例えば袋の幅方向に長く、厚みが厚い物品150を包装袋100に投入する際においても袋が破損し難く、投入後、フラップ102で開口縁部101aを閉じる際に皺になり難く綺麗に密封できるようになる。従って、包装袋100の美感が向上し、品質向上を図ることができる。
【0052】
また、本実施形態の袋詰め装置1では、上述したように投入装置5と封止装置6とを備え、ヘッダー保持手段13と前記ヘッダー端部規制板14aを備えた挟持機構部12が投入装置5と前記封止装置6の間を移動装置10により移動可能に構成されている。
これにより、ヘッダー端部規制板14aを投入装置5による投入時、封止装置6による封止時及び、投入装置5と前記封止装置6との間の移動時や停止時で適宜動作(実施例では、停止時に動作)させ、投入装置5による投入時ではヘッダー端部規制板14aによる解除状態とし、投入装置5と封止装置6との間の移動時ではヘッダー端部規制板14aの解除状態もしくは規制状態(開口縁部101aが閉じた状態)とし、封止装置6による封止時ではヘッダー端部規制板14aによる規制状態とすることができる。このように、各工程に応じてヘッダー端部規制板14aによる規制状態もしくは解除状態を適宜変更可能であるため、袋の種類、サイズ等の違いにより発生する各種トラブルに対し、適宜設定を調整することができる。例えば、ヘッダー端部規制部14aを一対でなくヘッダー103の幅方向の両端部における前面側にのみ配置して、封止装置6での封止時のみ規制し、それ以外は解除状態にすることもできる。その場合は、装置構成がシンプルになり、袋詰め工程の時間短縮も図れる。
【0053】
また、本実施形態において、包装袋100の幅方向の寸法は90mm以上であることが好ましく、より好ましくは110mm以上である。加えて、物品150の最大厚み寸法は10mm以上であることが好ましく、より好ましくは最大厚み15mm以上である。つまり、物品150が上記範囲のように嵩張るものであった場合でも、本発明によれば物品150を開口縁部101aに引っ掛かることを抑えて、スムーズに包装袋100の袋体101内へ投入することができる。
なお、「物品150の最大厚み寸法」とは、物品150を包装袋100に袋詰めした後における包装袋100の最大の厚み寸法のことである。
【0054】
また、本実施形態において、ヘッダー端部規制板14aは、当該ヘッダー端部規制板14aを回動可能な回動機構14dを有し、当該回動機構14dを用いて、投入装置5において物品150を投入する際にヘッダー103の幅方向の両端部が反る方向に回動し、規制を解除している。
これにより、
図3(b)に示すように、一対のヘッダー端部規制板14aが断面視八の字状になり、開口縁部101aが前方に膨らむことが規制されない為、物品150の包装袋100への袋詰めがより容易にできる。
【0055】
また、本実施形態においては、
図2に示すように、フラップ102を上方に持ち上げた状態で、当該フラップ102とヘッダー103の対向する方向の間に少なくとも左右に位置する前方側のヘッダー端部規制板14aでヘッダー103の幅方向の両端部が前方に移動しないように規制しながら、フラップ102を下げることで封止することも可能である。
これにより、ヘッダー103が左右のヘッダー端部規制板14aにより幅方向に皺が発生しないように幅方向に引き延ばされた状態でフラップ102を下げて開口縁部101aを封止することができるため、皺などの発生を抑えて、フラップ102を用いて開口縁部101aを確実に封止することが可能である。
【0056】
上述した移動装置10において、例えば、供給装置2より包装袋100が供給されると、該包装袋100は、ヘッダー103を介して、一旦挟持機構部12に挟持され、堅固に把持される。
【0057】
そして、移動装置10は、包装袋100を把持した状態のまま、所定の位相(本実施形態においては60°)ごとに回転される。
これにより、移動装置10に把持された包装袋100は、袋詰め装置1を構成する各装置群2・3・・・7間において移動されることとなる。
【0058】
なお、本実施形態における、袋詰め装置1を構成する各装置群2・3・・・7内においては、包装袋100が、移動装置10の挟持機構部12によって把持された状態を維持される構成となっている。
つまり、本実施形態においては、前記各装置群2・3・・・7内に各々単独に挟持機構部を設けておらず、包装袋100の把持については、移動装置10の挟持機構部12によって行うこととしている。
【0059】
しかし、このような各装置群2・3・・・内における包装袋100を把持するための機構については、本実施形態の他の例としては、例えば、少なくとも袋詰め装置1を構成する開封装置3や剥離装置4や投入装置5や封止装置6などにおいては、それぞれ単独に挟持機構部を配設し、移動装置10によって移動されてきた包装袋100が、該挟持機構部に受け渡され、該挟持機構部によって把持される構成としてもよい。
【0060】
次に、供給装置2について説明する。
供給装置2は、袋詰め装置1に投入された包装袋100を、移動装置10に供給するための装置である。
供給装置2は、ベルトコンベヤ21や、該ベルトコンベヤ21の搬送方向の下流側に配設される起立機構部22などにより構成される。
【0061】
ベルトコンベヤ21は、袋詰め装置1の外部より移動装置10に向かって、包装袋100を搬送する搬送手段として備えられるものである。
なお、供給装置2における包装袋100の搬送手段については、本実施形態のようなベルトコンベヤ21に限定されるものではなく、例えば、ローラーコンベヤーやシュートなどであってもよい。
【0062】
起立機構部22は、ベルトコンベヤ21によって搬送されてきた包装袋100を、開口縁部101aが上方に向くようにして起立させるとともに、起立させた包装袋100を、移動装置10の挟持機構部12に供給するためのものである。
起立機構部22には、複数の吸着パッド23・23・23が備えられ、これらの吸着パッド23・23・23には、水平方向および垂直方向への移動を可能とする移動手段や、垂直方向への回動を可能とする回動手段などが設けられる。
【0063】
そして、起立機構部22は、ベルトコンベヤ21の搬送方向の下流部に到達した包装袋100を、複数の吸着パッド23・23・23によって吸着しつつ一旦持上げた後、垂直方向に回動させて開口縁部101aが上方に向くようにして起立させ、その後、移動装置10の挟持機構部12の把持位置へ下方から持ち上げて供給する。
これにより、移動装置10は、起立機構部22によって包装袋100を供給されることとなり、該包装袋100が、挟持機構部12によって堅固に把持されるのである。
【0064】
なお、挟持機構部12による包装袋100の把持が完了するとともに、供給装置2を含む全ての装置群2・3・・・7において、移動装置10の回転に伴い機械的干渉を発生し得る所定の動作が完了すると、移動装置10は所定の位相分回転される。
これにより、前記包装袋100は、次工程である開封装置3へと移動される。
【0065】
次に、開封装置3について説明する。
開封装置3は、包装袋100において、フラップ102(
図4を参照)の幅方向の両側における溶着箇所を各々破断するとともに、前記フラップ102を開口縁部101aの上方へとまくり上げ、前記包装袋100を開口状態にするための装置である。
開封装置3は、破断機構部31や開口機構部32などにより構成される。
【0066】
破断機構部31は、包装袋100において、フラップ102の溶着箇所を破断するためのものである。
破断機構部31には、二枚のブレード31a・31aが備えられる。
【0067】
各ブレード31aの延出方向の一端部には、回転軸31bが、該ブレード31aとの直角方向に延出して嵌設される。
また、二枚のブレード31a・31aは、互いの回転軸31b・31bが、水平方向に平行、且つブレード31aに嵌設された端部を移動装置10の挟持機構部12(より具体的には、ターンプレート11において、開封装置3と対向して配設される挟持機構部12)と対向させて配設される。
【0068】
そして、各ブレード31aは、回転軸31bを中心にして回動可能に支持される。
ここで、前工程である供給装置2より包装袋100が移動されてくると、互いに平行に直立した状態を初期状態する二枚のブレード31a・31aは、前記包装袋100の袋体101とフラップ102との間に、先端部より挿入される。
【0069】
その後、各ブレード31aは、フラップ102の幅方向、且つ該フラップ102の外側に向かって、略水平状に延出するような状態となるまでそれぞれ回動され、前記フラップ102の溶着箇所が破断される。
【0070】
開口機構部32は、破断機構部31によって溶断箇所を破断された、包装袋100のフラップ102を、開口縁部101aの上方へとまくり上げるためのものである。
開口機構部32には、上下方向に揺動可能に配設されるスイングアーム32aが備えられ、該スイングアーム32aの先端部には、複数のローラー部材32b・32bが軸支される。
【0071】
そして、前述した破断機構部31によって、包装袋100のフラップ102の溶着箇所が破断されると、スイングアーム32aは、下方から上方に向かって揺動される。
これにより、フラップ102は、複数のローラー部材32b・32bによって係止されつつ、開口縁部101aの上方へとまくり上げられる。また、まくり上げられたフラップ102は、その後、移動装置10の挟持機構部12によって把持される。
【0072】
なお、挟持機構部12によるフラップ102の把持が完了するとともに、開封装置3を含む全ての装置群2・3・・・7において、移動装置10の回転に伴い機械的干渉を発生し得る所定の動作が完了すると、移動装置10は所定の位相分回転される。
これにより、包装袋100は、次工程である剥離装置4へと移動される。
【0073】
次に、剥離装置4について説明する。
剥離装置4は、包装袋100において、フラップ102の粘着材層104を被覆するライナー部材(図示せず)を剥離するための装置である。
剥離装置4には、水平状、且つ上下方向に対向して配置される二枚の剥離板41・41(
図1は平面図であるため、一枚の剥離板41のみ記載)が備えられる。また、各剥離板41は、それぞれ上下方向に回動可能に配設される。
【0074】
そして、これら二枚の剥離板41・41は、互いに近接する方向に回動して「閉口」状態となる一方、互いに離間する方向に回動して「開口」状態となるように構成される。
また、前記二枚の剥離板41・41には、垂直方向への回動を同時に行うことを可能にする回動手段が備えられる。
【0075】
そして、前工程である開封装置3より包装袋100が移動されてくると、前述した「開口」状態を初期状態する、二枚の剥離板41・41は、直ちに「閉口」状態となる。
これにより、包装袋100のフラップ102に積層されるライナー部材は、二枚の剥離板41・41によって挟持される。
【0076】
その後、二枚の剥離板41・41が、同時に上方へと回動されることで、ライナー部材は、フラップ102より剥離される。但し、剥離装置については、本剥離装置4に限定されず、包装袋100の形態、装置構成に合わせて適宜設計すればよく、例えば、ブロア等と連結された吸引ノズルを備えて、吸引ノズルをライナー部材に近接させ、吸引によりフラップ102からライナー部材を剥離することもができる。
【0077】
なお、フラップ102よりライナー部材が剥離されるとともに、剥離装置4を含む全ての装置群2・3・・・7において、移動装置10の回転に伴い機械的干渉を発生し得る所定の動作が完了すると、移動装置10は所定の位相分回転される。
これにより、包装袋100は、次工程である投入装置5へと移動される。
【0078】
次に、投入装置5について説明する。
投入装置5は、包装袋100の袋体101(
図4を参照)内に、物品150を投入するための装置である。
投入装置5は、ベルトコンベヤ51や、該ベルトコンベヤ51の搬送方向の下流側に配設される投入機構部42などにより構成される。
【0079】
ベルトコンベヤ51は、袋詰め装置1の外部より移動装置10に向かって、物品150を搬送する搬送手段として備えられるものである。
なお、投入装置5における物品150の搬送手段については、本実施形態のようなベルトコンベヤ51に限定されるものではなく、例えば、ローラーコンベヤーやシュートなどであってもよい。
【0080】
投入機構部52は、ベルトコンベヤ51によって搬送されてきた物品150を、開口状態にある包装袋100に投入するためのものである。
投入機構部52には、図示せぬ可動式のガイド部材が備えられる。
【0081】
そして、前工程である剥離装置4より包装袋100が移動されてくると、ヘッダー端部規制板14aによる規制が解除される。次に、該包装袋100の開口縁部101a内に、前記ガイド部材の先端部が挿入され、該開口縁部101aの開口状態が確保される。
このような状態において、物品150は、投入機構部52より自重落下され、包装袋100の袋体101内へと投入される。物品150の投入が完了すると、ヘッダー端部規制板14aにより規制され、規制された状態で次工程に移動する。
【0082】
なお、包装袋100への物品150の投入が完了するとともに、投入装置5を含む全ての装置群2・3・・・7において、移動装置10の回転に伴い機械的干渉を発生し得る所定の動作が完了すると、移動装置10は所定の位相分回転される。
これにより、包装袋100は、次工程である封止装置6へと移動される。
【0083】
次に、封止装置6について説明する。
封止装置6は、包装袋100において、フラップ102によって袋体101の開口縁部101aを封止するための装置である。
【0084】
そして、前工程である投入装置5より、ヘッダー端部規制板14aにより規制された状態で包装袋100が移動されてくると、張力付加装置(図示せず)により、袋体101の開口縁部101aに張力が付加され、その後、封止機構部(図示せず)により、フラップ102が開口縁部101aを掩覆するようにして貼着される。
これにより、包装袋100の開口縁部101aは、フラップ102により封止され、包装袋100への物品150の袋詰めが完了する。
換言すると、袋体101内に物品150が収納された後の包装袋100において、封止装置6によってフラップ102が袋体101に貼着されることにより、前記袋体101の開口縁部101aは封止されるのである。
【0085】
ここで、張力付加装置について説明する。張力付加装置には押えバーが備えられ、該押えバーによって、袋体101の開口された縁部近傍の延出方向両端部を、フラップ側から各々押圧し、張力を付加する装置である。開口された縁部近傍とは、開口された縁部を0とすると、0~30mm範囲である。張力を付加する位置は、フラップ102に掩覆される位置でもよく、その場合は、袋体101の開口された縁部近傍の延出方向両端部を押さえている押さえバーは、フラップ102により掩覆されることになり、掩覆された後に押さえバーを抜き、貼着を完了させる。本張力付加装置は必須ではないが、ヘッダー端部規制板14aによるヘッダー両端部の規制と共に行うことで、皺が入り易い包装袋、物品においても、皺や位置ズレを更に効果的に防止することができる。
【0086】
なお、フラップ102より開口縁部101aが完全に封止されるとともに、封止装置6を含む全ての装置群2・3・・・7において、移動装置10の回転に伴い機械的干渉を発生し得る所定の動作が完了すると、移動装置10は所定の位相分回転される。
これにより、包装袋100は、次工程である排出装置7へと移動される。
【0087】
次に、排出装置7について説明する。
排出装置7は、物品150の袋詰めが完了した包装袋100を、袋詰め装置1より排出するための装置である。
排出装置7には、袋詰め装置1の外部に向かって包装袋100を搬送する、搬送手段としてのベルトコンベヤ71が備えられる。
【0088】
なお、排出装置7における包装袋100の搬送手段については、本実施形態のようなベルトコンベヤ71に限定されるものではなく、例えば、ローラーコンベヤーやシュートなどであってもよい。
【0089】
そして、前工程である封止装置6より包装袋100が移動されてくると、移動装置10の挟持機構部12の挟持状態が開放され、包装袋100は、ベルトコンベヤ71の搬送方向の上流側端部に自重落下される。
【0090】
その後、包装袋100は、ベルトコンベヤ71によって、袋詰め装置1の外部へと搬出される。
これにより、袋詰め装置1による包装袋100への物品150の袋詰め作業は完了する。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、幅方向に長く、厚みが厚い物品をヘッダー付包装袋に詰めた後、フラップを用いて包装袋の開口縁部を封止する際、該フラップによる封止箇所に対して、皺や位置ズレなどの発生を防止するのに有益な技術である。
【符号の説明】
【0092】
12 挟持機構部
13 ヘッダー保持手段
14 ヘッダー端部規制部
14a ヘッダー端部規制板
100 ヘッダー付包装袋
101a 開口縁部
103 ヘッダー
150 物品