IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

特許7382238管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿
<>
  • 特許-管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿 図1
  • 特許-管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿 図2
  • 特許-管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿 図3
  • 特許-管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿 図4
  • 特許-管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿 図5
  • 特許-管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿 図6
  • 特許-管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿 図7
  • 特許-管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿 図8
  • 特許-管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】管理システム、検知装置、推定装置、及び目皿
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20231109BHJP
   E03D 13/00 20060101ALI20231109BHJP
   E03D 5/10 20060101ALI20231109BHJP
   G01V 3/02 20060101ALI20231109BHJP
   G01F 23/24 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
E03D13/00
E03D5/10
G01V3/02 A
G01F23/24 N
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020009680
(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公開番号】P2021116565
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】寺部 和紀
(72)【発明者】
【氏名】庄司 敦
(72)【発明者】
【氏名】坪田 満彦
(72)【発明者】
【氏名】七野 禎昭
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-082741(JP,A)
【文献】特開2015-168933(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0804055(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00
E03D 13/00
E03D 5/10
G01V 3/02
G01F 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器装置の排出口に設置可能な本体と、
前記本体に設けられ、液体の存在を検知する検知部と、
前記検知部による検知結果に関連する情報を前記便器装置の外部の装置に送信する送信部と、
を備える検知装置と、
前記送信部から送信された情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信された情報に基づいて、前記排出口からの前記液体の排出の状態を推定する推定部と、
を備える推定装置と、
を備える管理システム。
【請求項2】
便器装置の排出口に設置可能な本体と、
前記本体に設けられ、液体の存在を検知する検知部と、
前記検知部による検知結果に関連する情報を前記便器装置の外部の装置に送信する送信部と、
を備える検知装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記検知部による検知結果又は前記検知部により液体の存在が継続して検知された時間を送信する請求項2に記載の検知装置。
【請求項4】
少なくとも前記送信部が前記液体に浮くように構成される請求項2又は3に記載の検知装置。
【請求項5】
前記本体は、前記排出口に設置された目皿の上方に設置可能に構成される請求項2から4のいずれかに記載の検知装置。
【請求項6】
上方に存在する液体を前記検知部の方へ流すための傾斜面を備える請求項2から5のいずれかに記載の検知装置。
【請求項7】
前記検知部は、
少なくとも1対の電極と、
前記少なくとも1対の電極の間に流れる電流を検知する電流計と、
を備える請求項2から6のいずれかに記載の検知装置。
【請求項8】
前記検知部による検知結果に基づいて、前記排出口からの前記液体の排出の状態を推定する推定部を更に備え、
前記送信部は、前記推定部による推定結果を送信する請求項2から7のいずれかに記載の検知装置。
【請求項9】
前記推定部は、前記検知部による検知結果に基づいて、前記排出口又は前記排出口に接続された排出経路の詰まりを推定する請求項8に記載の検知装置。
【請求項10】
前記推定部は、前記検知部により液体の存在が継続して検知された時間が所定の閾値を超えた場合に、前記排出口又は前記排出口に接続された排出経路が詰まっていると推定する請求項9に記載の検知装置。
【請求項11】
前記推定部は、前記検知部により液体の存在が継続して検知された時間に基づいて、前記排出口又は前記排出口に接続された排出経路の詰まりの程度を推定する請求項9又は10に記載の検知装置。
【請求項12】
便器装置の排出口に設置され、液体の存在を検知して前記便器装置の外部の装置に送信する検知装置から送信された情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信された情報に基づいて、前記排出口からの前記液体の排出の状態を推定する推定部と、
を備える推定装置。
【請求項13】
前記推定部は、前記受信部により受信された情報に基づいて、前記排出口又は前記排出口に接続された排出経路の詰まりを推定する請求項12に記載の推定装置。
【請求項14】
前記推定部は、前記検知装置により液体の存在が継続して検知された時間が所定の閾値を超えた場合に、前記排出口又は前記排出口に接続された排出経路が詰まっていると推定する請求項13に記載の推定装置。
【請求項15】
前記推定部は、前記検知装置により液体の存在が継続して検知された時間に基づいて、前記排出口又は前記排出口に接続された排出経路の詰まりの程度を推定する請求項13又は14に記載の推定装置。
【請求項16】
便器装置の排出口に設置される目皿であって、
前記排出口に設置可能な本体と、
前記本体に設けられ、液体の存在を検知する検知部と、
前記検知部による検知結果に関連する情報を前記便器装置の外部の装置に送信する送信部と、
を備える目皿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便器などにおける液体の排出状態を管理する管理システム、その管理システムに利用可能な検知装置、推定装置、及び目皿に関する。
【背景技術】
【0002】
小便器の詰りを検知する方法として、小便器にセンサを組み込む技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、排水部の一部に設けられた封水部に伝播波を送信し、封水部の封水面によって反射された伝播波を受信することでドップラー信号を生成するドップラーセンサーと、排水部に向かって水を供給する水供給部と、水供給部を制御して水を供給させ、水を供給させたときからドップラー信号の振幅強度の幅が第1閾値以下になるまでの時間を取得し、取得した時間が第2閾値を越えたとき、排水部に詰まりが発生していると検知する検知部とを備える検知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-61030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術を適用して小便器の詰まりを検知するためには、既設の小便器を特許文献1に開示された小便器に交換する必要があるので、導入コストが多大になりうる。導入コストを抑えつつ、小便器などにおける排水の排出状態を的確に検知することを可能とする技術が望まれる。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、液体の排出状態を的確に検知する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の管理システムは、排出口に設置可能な形状を有する本体と、本体に設けられ、液体を検知する検知部と、検知部による検知結果に関連する情報を送信する送信部と、を備える検知装置と、送信部から送信された情報を受信する受信部と、受信部により受信された情報に基づいて、排出口からの液体の排出の状態を推定する推定部と、を備える推定装置と、を備える。
【0007】
本開示の別の態様は、検知装置である。この装置は、排出口に設置可能な形状を有する本体と、本体に設けられ、液体を検知する検知部と、検知部による検知結果に関連する情報を送信する送信部と、を備える。
【0008】
本開示の更に別の態様は、推定装置である。この装置は、排出口に設置され、液体を検知する検知装置から送信された情報を受信する受信部と、受信部により受信された情報に基づいて、排出口からの液体の排出の状態を推定する推定部と、を備える。
【0009】
本開示の更に別の態様は、目皿である。この目皿は、排出口に設置される目皿であって、排出口に設置可能な形状を有する本体と、本体に設けられ、液体を検知する検知部と、検知部による検知結果に関連する情報を送信する送信部と、を備える。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る小便器の正面図である。
図2】実施の形態に係る小便器の平面図である。
図3】実施の形態に係る小便器の構成を示す図である。
図4】実施の形態に係る目皿の外観を示す図である。
図5】実施の形態に係る目皿の構成を概略的に示す図である。
図6】便鉢に排水が溜まっているときの様子を示す図である。
図7】実施の形態に係る推定装置の構成を示す図である。
図8】第2の実施の形態に係る推定装置の構成を示す図である。
図9】実施の形態に係る目皿の別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施の形態として、小便器の排出口に設置された目皿に、排水を検知するための検知部と、検知部による検知結果に関連する情報を外部に送信する送信部とを備える検知装置を組み込む技術について説明する。まず、第1の実施の形態において、検知装置による検知結果に基づいて排水の排出状態を推定する技術について説明する。つづいて、第2の実施の形態において、検知装置による検知結果に基づいて小便器の使用状況を推定し、小便器の清掃を管理する技術について説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1図3は、実施の形態に係る小便器の構成を示す。図1は、小便器1の正面図である。図2は、小便器1の平面図である。図3は、図2における矢視U-U部の断面図である。小便器1は、小便器本体10、便鉢11、吐水部12、及び目皿13を備えている。
【0014】
小便器本体10は、上端面10A、左側面10B、及び右側面10Cを有している。上端面10Aは平板状をなし、前後方向(前後は図1における手前側奥側、以下同じ。)に幅を有し左右方向(左右は図1における左側右側、以下同じ。)に伸びている。上端面10Aは前端の左右中央部が後方向に窪み湾曲している。
【0015】
左側面10Bは前後方向に幅を有し、上端面10Aの左端から下方向(下は図1における下側、以下同じ。)に伸びている。また、右側面10Cは前後方向に幅を有し、上端面10Aの右端から下方向に伸びている。左側面10B及び右側面10Cは互いの間の寸法が下方に向かうにつれて小さくなっている。また、左側面10B及び右側面10Cは、それぞれの下端部の前側が前方向に突出しつつ、左右中央に向けて伸びて互いに左右中央部で連結している。また、左側面10B及び右側面10Cが連結した左右中央部は下端に向うにつれ後退している。小便器本体10は、上端面10A、左側面10B、及び右側面10Cのそれぞれの後端が同一平面上に形成されている。これにより、小便器本体10は設置する壁面Wに同一平面上に形成された上端面10A、左側面10B、及び右側面10Cのそれぞれの後端を当接して取り付けることができる(図2、3参照。)。
【0016】
便鉢11は、対向面11A、左右一対の洗浄段11B、排出口11C、及び凸部11Dを有している。対向面11Aは左右中央部が後方向に窪み湾曲し前方を向き上下方向に伸びている。詳しくは、対向面11Aには、左右中央部の上部から下部にかけて、左右方向に幅を有し上下方向に伸びた左右中間部11Gが形成されている。この左右中間部11Gは、僅かに左右中央部が後方向に窪み湾曲し前方を向き、略平面状に形成されている。また、対向面11Aには、左右中間部11Gの上端部に平面状に形成された平面部11Kが設けられている。また、対向面11Aには、左右中間部11Gの左右両側から前方向に湾曲した一対の湾曲面11Hが形成されている。これら湾曲面11Hは互いに左右中央に対称である。これら湾曲面11Hは左右中間部11Gの上端で互いに連続し対向面11Aの上端まで伸びている。また、これら湾曲面11Hは左右中間部11Gの下端で互いに連続し対向面11Aの下端部まで伸びている。対向面11Aは使用状態における水平断面形状において、湾曲面11Hの曲率半径が下方に向けて徐々に小さくなっている。また、便鉢11には、下端部に上方向に椀状に拡がる椀状部11Jが形成されている。便鉢11は椀状部11Jの後側が対向面11Aの下端部である。便鉢11は対向面11Aの上端が小便器本体10の上端面10Aの前端に連結している。また、便鉢11は対向面11Aの左右両端及び椀状部11Jの前側の上端がそれぞれ小便器本体10の左側面10B及び右側面10Cの前端に連結している。また、対向面11Aには、左右中間部11Gの上端部に形成された平面部11Kに前後方向に貫通して設けられた挿通孔11Fが設けられている。
【0017】
左右一対の洗浄段11Bは便鉢11の左右両側に上下方向に伸びて設けられている。詳しくは、左右一対の洗浄段11Bは互いに左右中央に対称に、一対の湾曲面11Hにそれぞれが設けられている。また、左右一対の洗浄段11Bはそれぞれの上端が左右中間部11Gの左右両側の近傍に位置している。また、左右一対の洗浄段11Bには、上端が対向面11Aの左右中間部11Gの上端部に形成された平面部11Kに設けられた挿通孔11Fとの間に所定の間隔を空けて、挿通孔11Fの下側に設けられている。また、左右一対の洗浄段11Bは対向面11Aの湾曲面11Hを下部前方に傾斜して伸びている。詳しくは、左右一対の洗浄段11Bは下方向に窪み湾曲し下部前方に傾斜して伸びている(図3参照。)。また、左右一対の洗浄段11Bはそれぞれの間の左右方向の寸法が、上端から上下中央部に向かうにつれて大きくなっている(図1参照。)。また、左右一対の洗浄段11Bはそれぞれの間の左右方向の寸法が、上下中央部から下端に向かうにつれて小さくなっている(図1参照。)。また、左右一対の洗浄段11Bは下端が便鉢11の椀状部11Jの前側の左右中央で互いに連結している(図2参照。)。
【0018】
排出口11Cは便鉢11の椀状部11Jの下端に上下方向に開口して設けられている。つまり、排出口11Cは便鉢11の下端に形成されている。排出口11Cは左右一対の洗浄段11Bの下端の後側に位置している。排出口11Cは排出口11Cの下流側に設けられた排出路10Kを介して設置する壁面Wから引き出された排水管Dに連結される(図3参照。)。
【0019】
凸部11Dは使用状態において、対向面11Aの左右中央部に前方向に突出して上下方向に伸びて形成されている。凸部11Dは上端が左右一対の洗浄段11Bの上端の下方に位置し下方向に伸びている。詳しくは、凸部11Dは上端が左右一対の洗浄段11Bの上端より下方であって、左右一対の洗浄段11Bの上端の近傍に位置している(図1参照。)。また、凸部11Dは下端が対向面11Aの下部である下端部まで伸びている。凸部11Dは対向面11Aの左右中央に向かうにつれて徐々に前方向に突出して形成されている。また、凸部11Dは上下方向の中央部の左右方向の寸法が、上端部及び下端部の左右方向の寸法より大きい(図1参照。)。また、凸部11Dは上下方向の中央部の前方向に突出する寸法が、上端部、及び下端部の前方向に突出する寸法より大きい。
【0020】
吐水部12は吐水具であるスプレッダー12Aを有している。スプレッダー12Aは円盤状をなし、円盤状の中心軸が前後方向に伸びている。スプレッダー12Aは円盤状の後端面が平面状に形成されている。スプレッダー12Aは後端面を対向面11Aの左右中間部11Gの上端部に形成された平面部11Kに当接し、対向面11Aの上端部に形成された挿通孔11Fを前側から覆い取り付けられる。こうして、スプレッダー12Aは凸部11D及び左右一対の洗浄段11Bの上方に設けられる。また、スプレッダー12Aは対向面11Aの左右中間部11Gの上端部に形成された平面部11Kに取り付けられる。また、スプレッダー12Aには円盤状の前端面に人体検知センサーが設けられている。
【0021】
目皿13は円盤状をなし円盤状の中心軸が上下方向に伸びている。目皿13は外径が排出口11Cの内径より僅かに大きい。目皿13は円盤状の外周面に径方向の外側に向けて複数の突起(図示せず)が設けられている。これら複数の突起は外周面から突出する寸法が互いに同じである。目皿13は排出口11Cに載置されている。このとき、目皿13は複数の突起が排出口11Cの内周面に当接する。これにより、目皿13は、円盤状の外周面が排出口11Cの内周面に当接することがなく、円盤状の外周面と排出口11Cの内周面との間に所定の間隔を設けることができる。このとき、便鉢11の対向面11Aに設けられた凸部11Dは下端が目皿13の外周縁との間に間隔が設けられている。
【0022】
図4は、実施の形態に係る目皿の外観を示す。目皿13は、目皿本体20と、目皿本体20の内側に嵌め込むように載置される検知装置30とを備える。検知装置30は、排出口11Cより上方の便鉢11内に存在する液体を検知し、検知された結果に関連する情報を外部の推定装置に送信する。送信される情報は、検知された結果自体であってもよいし、検知された結果から生成された情報であってもよい。推定装置は、検知装置30から受信した情報に基づいて、排出口11C又は排出経路(排出路10K、排水管Dなど)における排出の状態を推定する。
【0023】
検知装置30は、目皿本体20と一体的に構成されてもよいし、目皿本体20とは分離して構成されてもよい。前者の場合、小便器自体を交換したり修理したりすることなく、既存の小便器の目皿を本実施の形態の目皿13に交換するだけで本実施の形態の技術を適用することができるので、導入コストを低減させることができる。後者の場合、検知装置30は、既存の目皿本体20に嵌め込み又は載置可能な形状を有していてもよい。これにより、小便器自体を交換したり修理したりすることなく、既存の小便器の目皿に本実施の形態の検知装置30を嵌め込む又は載置するだけで本実施の形態の技術を適用することができるので、導入コストを低減させることができる。
【0024】
図5は、実施の形態に係る目皿の構成を概略的に示す。目皿本体20は、内側に凹部21を有する椀状の形状を有し、検知装置30は、目皿本体20の凹部21に嵌合する外形を有する。検知装置30は、本体31と、送信部として機能する通信装置を実装した基板51と、検知部として機能する1対の電極54とを備える。
【0025】
本体31は、カバー40、収容部50、及び底面60を備える。収容部50は、基板51、電極54、及び基板51に電力を供給する電池(図示せず)を収容する。基板51は、処理装置52及び通信装置53を備える。処理装置52は、1対の電極54の間に流れる電流を測定する電流計を備える。処理装置52は、電流計による測定結果に基づいて、推定装置に送信する通信データを生成する。処理装置52は、例えば、電流計により測定された電流値又は抵抗値をそのまま通信データとしてもよいし、電流計により測定された電流値が継続的に所定値以上であった時間をカウントして通信データとしてもよい。通信装置53は、処理装置52により生成された通信データを無線通信により推定装置へ送出する。
【0026】
電極54は、収容部50の外部に突出するように設けられる。電極54の間に排水が存在すると、電極54間が排水によって導通するので、電流計により電流が検知される。小便器1が使用されている間や、小便器1の使用後又は非使用時に洗浄水が吐出されている間は、目皿13の内側を排水が流れるので、電流計により電流が検知される。排出口11C及び排出経路の状態が正常である場合は、一定時間が経過すると排水の液面が電極54よりも低くなるので、電極54間が導通しなくなり、電流計により電流が検知されなくなる。しかし、排出口11C又は排出経路が詰まるなどして排水が正常に排出されない状態になると、目皿13の内側に排水が溜まっている時間が長くなるので、電流計により電流が検知される時間が長くなる。したがって、本実施の形態では、電流が継続的に検知される時間に基づいて、排出口11C又は排出経路が詰まっているか否か、詰まりの程度、便鉢11に残っている排水の量、便鉢11からの排水のあふれなど、排出口11Cからの排水の排出の状態を推定する。これにより、簡易な構成によって排出の状態を的確に推定することができるので、導入コストを低減させることができる。
【0027】
尿は、洗浄水に使用される上水よりも多くのイオンを含むので、電極54間に尿が流れている時は、洗浄水のみが流れている時よりも、電流計により測定される抵抗値が小さくなる。したがって、電流計により測定される電流値又は抵抗値を分析することにより、排尿の回数、量、時間、成分などを推定しうる。排水が正常に排出されている状態であっても、排尿されている期間と洗浄水が吐出されている期間には電流計により電流が継続的に検知されるが、排尿の時間や量は人によって異なるので、電流計により電流が継続的に検知される期間も人によって異なる。したがって、電流計により測定される電流値又は抵抗値に基づいて、排尿されている期間を識別してもよい。これにより、排尿時間の個人差による影響を低減させることができるので、排水の排出の状態をより精確に推定することができる。洗浄水として、単なる上水ではなく、洗剤などを含む水が使用される場合は、その洗浄水の電流値又は抵抗値を予め測定しておけばよい。
【0028】
カバー40は、筒部41、上面42、及び集水部45を有する。筒部41、上面42、及び底面60により形成される水密な空間内に収容部50が収納される。筒部41の、電極54の位置の上方の、上面42と集水部45の間に、開口43が設けられる。上面42は、開口43に向けて低くなるように傾斜がつけられている。開口43と逆側の、上面42と集水部45の間にも、開口44が設けられる。集水部45は、目皿本体20の縁部22に滑らかにつながるようにドーナツ状に形成される。集水部45の上面は、開口43の上方が低くなるように傾斜がつけられている。排水は、目皿本体20の縁部22から集水部45へ流れ、集水部45の中央の開口から上面42へ落下する。排水が多量に残っているときは、開口43及び開口44の双方から排水が排出されるが、排水が少量になると、残った排水は上面42の傾斜によって下方の開口43の方へ流れ、開口43から電極54の間へ排出される。これにより、便鉢11に排水が残っていることをより確実に検知することができる。
【0029】
図6は、便鉢に排水が溜まっているときの様子を示す。通信装置53が排水中に水没していると、通信装置53から送出された電波が減衰して通信に支障をきたすおそれがある。したがって、少なくとも通信装置53は水に浮くように構成される。本実施の形態では、通信装置53が実装された基板51が収容部50に収容され、収容部50は本体31内に収納されるので、検知装置30全体が水に浮くように構成される。別の例では、通信装置53のみ、又は通信装置53と一部の構成のみが水に浮き、それ以外の構成は目皿本体20とともに沈むように構成されてもよい。このような構成により、通信装置53の通信強度を確保し、無線通信の安定性を向上させることができる。また、通信に要する電力を低減させることができるので、電池を長持ちさせることができる。
【0030】
便鉢11に排水が溜まって通信装置53を含む構成が排水に浮いているときに、浮上した高さを検知するための浮上高さ検知部が更に設けられてもよい。浮上高さ検知部は、例えば、鉛直方向に伸びる抵抗線と、抵抗線の抵抗値を測定する電流計とを備えてもよい。この場合、抵抗線の下端は、目皿本体20、又は、水に浮かずに目皿本体20とともに沈んだ状態を維持する構成に取り付けられ、排水に浮く構成には、浮上高さに応じて抵抗線との導通位置が変化するように構成された電気的接点が設けられる。浮上位置検知部は、浮上する構成と目皿本体20などとの間の高さを検知するための超音波センサや測距センサなどであってもよい。浮上高さ検知部により検知された浮上高さに基づいて、便鉢11内に溜まっている排水の水位を推定することができるので、排水の排出状態をより精確に推定することができる。また、便鉢11からの排水のあふれを検知したり、便鉢11から排水があふれる前に警告を発したりすることができる。
【0031】
図7は、実施の形態に係る推定装置100の構成を示す。推定装置100は、通信装置101、表示装置102、入力装置103、記憶装置120、及び制御装置110を備える。推定装置100は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0032】
通信装置101は、他の装置との間の通信を制御する。通信装置101は、無線通信により検知装置30の通信装置53から情報を受信する。通信装置101は、有線又は無線の任意の通信方式により、他の装置との間で通信を行ってもよい。
【0033】
表示装置102は、制御装置110により生成される画面を表示する。表示装置102は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置103は、推定装置100の使用者による指示入力を制御装置110に伝達する。入力装置103は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置102及び入力装置103は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0034】
記憶装置120は、制御装置110により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置120は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置120には、検知情報保持部121及び推定基準保持部122が格納される。
【0035】
検知情報保持部121は、検知装置30から受信した情報を保持する。推定基準保持部122は、小便器1の排出口11Cからの排水の排出状態を推定するための推定基準を保持する。
【0036】
推定基準は、検知装置30により排水の存在が継続的に検知された時間に関する基準であってもよい。例えば、排水の存在が継続的に検知された時間が所定の閾値を超えた場合に、排出口11C又は排出経路が詰まっていると推定されてもよい。また、排水の存在が継続的に検知された時間に応じて、排出口11C又は排出経路の詰まりの程度が推定されてもよい。
【0037】
電流計によって電流値又は抵抗値が測定される場合、推定基準は、測定された電流値又は抵抗値に関する基準であってもよい。例えば、測定された電流値又は抵抗値に基づいて排尿中か否かを識別し、排水の存在が継続的に検知された時間から排尿されていた期間を差し引くことにより、排尿後に吐出された洗浄水が排出されるまでの時間を算出し、算出された時間に基づいて排水の排出状態が推定されてもよい。推定基準は、時系列的な電流値又は抵抗値から算出される平均値、最大値、最小値、中央値、変化率、変化率の平均値、変化率の変化率などの統計値に関する基準であってもよい。推定基準は、電流値又は抵抗値の時間変化を示す波形の形状などに関する基準であってもよい。
【0038】
推定基準は、検知装置30から受信される検知情報、又はその検知情報から生成される生成情報を入力し、小便器1の排出口11Cからの排水の排出状態を出力するアルゴリズムであってもよい。このアルゴリズムは、ニューラルネットワークなどによって実現され、機械学習によって学習されてもよい。機械学習において、過去の検知情報又は生成情報と、その時点における排水の排出状態を示す情報との組が学習データとして使用されてもよい。この場合、過去の検知情報又は生成情報がニューラルネットワークの入力層に入力されたときに、その時点における排水の排出状態を示す情報がニューラルネットワークの出力層から出力されるように、ニューラルネットワークの中間層が調整されてもよい。
【0039】
検知情報又は生成情報と便鉢11に溜まっている排水の水位との間に相関がある場合は、その相関関係に基づいて検知情報又は生成情報から排水の水位を推定するための推定基準が推定基準保持部122に保持されてもよい。この推定基準は、検知情報又は生成情報を入力し、排水の水位を出力するアルゴリズムであってもよい。このアルゴリズムも、ニューラルネットワークなどによって実現され、機械学習によって学習されてもよい。上述した浮上高さ検知部が小便器1に設けられる場合は、浮上高さ検知部により検知された情報から排水の水位が推定されてもよい。
【0040】
制御装置110は、検知情報受信部111、排出状態推定部112、水位推定部113、推定結果出力部114、及び推定基準設定部115を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0041】
検知情報受信部111は、検知装置30から検知情報を受信し、検知情報保持部121に格納する。推定基準保持部122に保持された推定基準が、検知装置30から受信される検知情報から生成される生成情報を使用する場合は、検知情報受信部111は、検知装置30から受信した検知情報から生成情報を生成して検知情報保持部121に格納する。
【0042】
排出状態推定部112は、推定基準保持部122に保持された推定基準を使用し、検知情報保持部121に保持された検知情報又は生成情報に基づいて、小便器1における排水の排出状態を推定する。排出状態推定部112は、小便器1の排出口11C又は排出経路が詰まっているか否か、又は、詰まりの程度を推定する。
【0043】
排出状態推定部112は、検知装置30から受信される情報に加えて、他の装置などから受信可能な情報に更に基づいて、小便器1における排水の排出状態を推定してもよい。例えば、排水が継続的に検知された時間に基づいて排水の排出状態が推定される場合、排出状態推定部112は、小便器1の人体感知センサにより使用者が検知された時間や、吐水部12から洗浄水が吐出された時間などの情報を更に取得して、排水の排出状態を推定してもよい。これにより、排水の排出状態を更に精確に推定することができる。
【0044】
水位推定部113は、推定基準保持部122に保持された推定基準を使用し、検知情報保持部121に保持された検知情報又は生成情報に基づいて、小便器1の便鉢11に溜まっている排水の水位を推定する。
【0045】
推定結果出力部114は、排出状態推定部112及び水位推定部113により推定された結果を出力する。推定結果出力部114は、例えば、推定結果を表示装置102に表示してもよいし、図示しないスピーカーから推定結果を音声として出力してもよいし、通信装置101を介して外部の装置に推定結果を送信してもよい。推定結果出力部114は、推定結果の内容に応じて、出力先を決定してもよい。例えば、検知装置30により継続的に排水が検知される時間が第1の閾値よりも長くなり、排出口11C又は排出経路が完全に詰まる前の兆候が見られる場合には、小便器1が設置された施設などの管理主体又は保守主体に推定結果を送信してもよい。排出口11C又は排出経路が詰まって、検知装置30により継続的に排水が検知される時間が第1の閾値よりも大きい第2の閾値よりも長くなった場合は、管理主体又は保守主体に加えて、小便器1の清掃を担当する清掃業者に推定結果を送信してもよい。また、便鉢11内に溜まっている排水の水位が、あふれるおそれのある水位に達していると推定される場合や、既にあふれていると推定される場合にも、管理主体又は保守主体に加えて、清掃業者に推定結果を送信してもよい。これにより、小便器1における排水の排出状態に応じて、適切な主体に適切な措置を講じさせることができる。
【0046】
推定基準設定部115は、排出状態推定部112及び水位推定部113により使用される推定基準を生成又は取得して推定基準保持部122に格納する。推定基準設定部115は、通信装置101を介して外部の装置から推定基準を取得してもよい。また、入力装置103を介して管理者から推定基準を受け付けてもよい。排出口11C又は排出経路が詰まっていると推定すべき、排水が継続的に検知される時間の閾値は、小便器1において吐出される洗浄水の量、吐出時間、小便器1を使用する人の属性、小便器1が設置された施設などの種類、小便器1の排出口11C及び排出経路の排出性能、小便器1の便鉢11の容積などによって異なりうるので、外部の装置又は入力装置103から推定基準設定部115を介して推定基準を設定してもよい。また、小便器1の使用状況の変化などに応じて、推定基準が変更されてもよい。推定基準のアルゴリズムが外部の学習装置によって学習される場合、学習済みの推定基準を学習装置から取得してもよい。
【0047】
推定基準設定部115は、検知情報保持部121に保持された検知情報を学習データとして推定基準を機械学習し、推定基準を更新してもよい。推定基準設定部115は、検知情報保持部121に保持された検知情報の履歴に基づいて、推定基準を変更してもよい。
【0048】
推定装置100の構成の一部又は全部が、検知装置30に備えられてもよい。この場合、それらの構成は、検知装置30の基板51に備えられてもよいし、処理装置52により実現されてもよい。
【0049】
上記の実施の形態では、小便器1の排出口11Cに載置される目皿13に検知装置30を設置し、排出口11Cからの排水の排出状態を推定する例を説明したが、本実施の形態の技術は、任意の便器、洗面台、浴室、浴槽、キッチンのシンクなどの排出口からの排水の排出状態を推定するためにも利用可能である。また、液体を排出するための任意の排出口からの液体の排出状態を推定するためにも利用可能である。
【0050】
[第2の実施の形態]
上述したように、第1の実施の形態に係る管理システムによれば、電流計により測定される電極54間の電流値又は抵抗値を分析することにより、排尿の回数、量、時間、成分などを推定しうる。第2の実施の形態に係る管理システムは、検知装置30により検知された排水の電流値又は抵抗値を分析することにより推定される排尿の回数、量、時間、成分などの情報に基づいて、小便器1の清掃を管理する。
【0051】
図8は、第2の実施の形態に係る推定装置の構成を示す。第2の実施の形態に係る推定装置100は、図7に示した第1の実施の形態の推定装置100の構成に加えて、使用状況推定部116、清掃状況情報取得部117、清掃管理部118、トイレ情報データベース123、使用状況情報保持部124、及び清掃状況情報保持部125を備える。その他の構成及び動作は、第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0052】
トイレ情報データベース123は、小便器1が設置されたトイレ室や施設などの情報を格納する。トイレ情報データベース123には、例えば、施設に設置されたトイレ室の数、位置、階、トイレ室に設置された小便器の数、位置、状態、機種、製造番号、製造日、状態、トイレ室の平面図、トイレ室の内部又は外部に設置された機器又は設備などの種類、数、位置、状態などの情報が格納される。
【0053】
使用状況情報保持部124は、小便器1の使用状況に関する情報を格納する。使用状況情報保持部124には、小便器1における排尿の回数、量、時間、成分などの情報が小便器1ごとに格納される。
【0054】
清掃状況情報保持部125は、清掃者による小便器1の清掃の状況に関する情報を保持する。清掃状況情報保持部125には、清掃者が小便器1を清掃した日時、清掃時間、清掃内容、清掃前後の小便器1の状態などの情報が小便器1ごとに格納される。
【0055】
使用状況推定部116は、検知情報保持部121に保持された検知情報又は生成情報に基づいて、小便器1の使用状況を推定し、使用状況情報保持部124に格納する。使用状況推定部116は、検知装置30の電流計により測定された電流値又は抵抗値に基づいて、小便器1における排尿の回数、量、時間、成分などを推定する。人体検知センサーなどを使用して小便器1の使用回数をカウントすることもできるが、小便器1の前を通り過ぎただけの人を検知してカウントしてしまう場合もありうるので、カウントされた回数が排尿回数と必ずしも一致しない。本実施の形態の技術によれば、より精確に小便器1の使用状況を推定することができる。使用状況推定部116は、トイレ室に設置された別の装置や機器などから取得した情報に更に基づいて、小便器1の使用状況を推定してもよい。
【0056】
清掃状況情報取得部117は、清掃者による小便器1の清掃の状況を示す情報を取得して、清掃状況情報保持部125に格納する。清掃状況情報取得部117は、清掃者が小便器1を清掃した日時、清掃時間、清掃内容、清掃前後の小便器1の状態などの情報を清掃者から取得する。
【0057】
清掃管理部118は、使用状況情報保持部124に保持された小便器1の使用状況を示す情報と、清掃状況情報保持部125に保持された小便器1の清掃状況を示す情報とに基づいて、小便器1の清掃を管理する。清掃管理部118は、小便器1の清掃の回数、内容、日時、順序などを決定し、清掃者に指示する。清掃管理部118は、排尿回数、排尿量、排尿時間が多い小便器1の清掃の回数を増やしてもよいし、清掃の内容を変更してもよい。また、排尿時に検知された抵抗値が小さい場合は、尿に含まれる塩の量が多いと推定されるので、尿石の付着や排出口11C又は排出経路の詰まりを抑えるために、小便器1の清掃の回数を増やしてもよい。
【0058】
清掃管理部118は、排出状態推定部112により排出口11C又は排出経路の排出状態が不良になっていることが推定された場合、その小便器1の排出口11C又は排出経路を清掃するよう清掃者に指示してもよい。また、水位推定部113により排水の水位が所定値以上になったことが推定された場合、その小便器1の便鉢11及び周囲の床を更に清掃するよう清掃者に指示してもよい。
【0059】
図9は、実施の形態に係る目皿の別の例を示す。本図に示す例では、検知装置は目皿13に内蔵される。図9(a)は、目皿13の上面図であり、図9(b)は、目皿13の側面図である。目皿13の上面の中央付近には、円形の凹部71が形成されており、凹部71の中央付近の底部に電極72が設けられる。目皿13の上面の周縁部70は、端部に向けて低くなるように傾斜がつけられており、傾斜面に開口73が設けられる。目皿13の下部は、排出口11Cに嵌合する形状を有しており、開口73の下方の側面に電極54が設けられる。
【0060】
電極72が目皿13の上面に設けられている上に、使用者が排尿すると尿の一部が凹部71に溜まるように構成されているので、電極72によってより確実に排尿を検知することができる。したがって、本図に示す目皿13は、第2の実施の形態の管理システムにおいてとくに好適に利用できる。排尿後に洗浄水が流された後、凹部71に溜まった排水を排出口11Cへ落下させるための開口が凹部71に設けられてもよい。
【0061】
便鉢11内に排水が残っている場合は、目皿13の周縁部70の開口73から排出口11Cへ向けて落下する排水を電極54によってより確実に検知することができる。したがって、本図に示す目皿13は、第1の実施の形態の管理システムにおいても好適に利用できる。
【0062】
処理装置52及び通信装置53は、目皿13の内部に設けられる。本図の目皿13も、水に浮くように構成される。これにより、通信装置53の通信強度を確保し、無線通信の安定性を向上させることができる。また、通信に要する電力を低減させることができるので、電池を長持ちさせることができる。
【0063】
本実施の形態の技術によれば、小便器1の使用状況に応じて適切な清掃を実施させることができるので、小便器1を清潔に保ちつつ、清掃の効率を向上させることができる。
【0064】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 小便器、10 小便器本体、10K 排出路、11 便鉢、11C 排出口、12 吐水部、13 目皿、20 目皿本体、21 凹部、22 縁部、30 検知装置、31 本体、40 カバー、41 筒部、42 上面、43 開口、44 開口、45 集水部、50 収容部、51 基板、52 処理装置、53 通信装置、54 電極、60 底面、70 周縁部、71 凹部、72 電極、73 開口、100 推定装置、111 検知情報受信部、112 排出状態推定部、113 水位推定部、114 推定結果出力部、115 推定基準設定部、116 使用状況推定部、117 清掃状況情報取得部、118 清掃管理部、121 検知情報保持部、122 推定基準保持部、123 トイレ情報データベース、124 使用状況情報保持部、125 清掃状況情報保持部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9