(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】位置管理装置、位置管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20231109BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20231109BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
H04W64/00 171
H04W64/00 173
H04W64/00 170
B65G61/00 524
(21)【出願番号】P 2020059662
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】土屋 太佑
(72)【発明者】
【氏名】溝口 達也
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-033159(JP,A)
【文献】国際公開第2019/131299(WO,A1)
【文献】特開2013-089173(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0113632(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14
G01S 19/00-19/55
H04W 64/00
B65G 61/00
G06Q 50/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な管理対象が管理される管理場所に設けられた第1の測位端末であって、前記第1の測位端末に関する基地局測位で取得された前記管理場所の位置情報に基づく照合領域と、前記管理場所の管理場所情報とを関連付けた照合情報を生成する生成部と、
前記管理対象に設けられた第2の測位端末であって、前記第2の測位端末に関する基地局測位で前記管理対象の位置情報が取得された場合、前記管理対象の位置情報と前記照合情報とを照合し、前記管理対象の位置情報が示す位置が含まれる前記照合領域と関連付けられた前記管理場所情報を取得する照合部と、
を備える、位置管理装置。
【請求項2】
前記照合領域は、前記管理場所の位置情報の推定半径によって示される領域であり、
前記生成部は、前記管理場所の位置情報ごとに前記照合領域を生成する、請求項1に記載の位置管理装置。
【請求項3】
前記推定半径は、前記管理場所の位置情報が示す位置が含まれ得る領域を示す円の半径であり、
前記生成部は、前記半径に基づき、前記半径と対応する前記位置情報が示す位置を中心とする前記円を、前記照合領域として生成する、請求項2に記載の位置管理装置。
【請求項4】
前記照合領域は、前記管理場所の複数の位置情報によって示される領域であり、
前記生成部は、前記管理場所の複数の位置情報の内、少なくとも3つの位置情報が示す位置を結んで前記照合領域を生成する、請求項1に記載の位置管理装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記照合領域の面積が最大となるように、前記照合領域の生成に用いる前記位置情報を決定する、請求項4に記載の位置管理装置。
【請求項6】
前記照合領域は、前記管理場所の位置情報が示す緯度経度の小数部の桁数に基づき示される領域であり、
前記生成部は、前記管理場所の位置情報ごとに前記照合領域を生成する、請求項1に記載の位置管理装置。
【請求項7】
前記生成部は、地理的条件に基づき、前記照合領域の形状を決定する、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の位置管理装置。
【請求項8】
生成部が、移動可能な管理対象が管理される管理場所に設けられた第1の測位端末であって、前記第1の測位端末に関する基地局測位で取得された前記管理場所の位置情報に基づく照合領域と、前記管理場所の管理場所情報とを関連付けた照合情報を生成することと、
照合部が、前記管理対象に設けられた第2の測位端末であって、前記第2の測位端末に関する基地局測位で前記管理対象の位置情報が取得された場合、前記管理対象の位置情報と前記照合情報とを照合し、前記管理対象の位置情報が示す位置が含まれる前記照合領域と関連付けられた前記管理場所情報を取得することと、
を含む、位置管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
移動可能な管理対象が管理される管理場所に設けられた第1の測位端末であって、前記第1の測位端末に関する基地局測位で取得された前記管理場所の位置情報に基づく照合領域と、前記管理場所の管理場所情報とを関連付けた照合情報を生成する生成部と、
前記管理対象に設けられた第2の測位端末であって、前記第2の測位端末に関する基地局測位で前記管理対象の位置情報が取得された場合、前記管理対象の位置情報と前記照合情報とを照合し、前記管理対象の位置情報が示す位置が含まれる前記照合領域と関連付けられた前記管理場所情報を取得する照合部と、
として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置管理装置、位置管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流資材(例えばパレットやラック等)の管理において、物流資材の位置情報に基づく管理を行う技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、パレットに装着されたPHS端末等の端末と基地局との通信に基づき、パレットの現在位置を特定する技術が開示されている。当該技術では、端末が電波を受信している基地局を特定し、且つ電波の電界強度や到達時間などの測定により各基地局からの距離を算出する三点測量の応用で端末の現在位置が特定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術のように、基地局との通信に基づき端末の位置を特定する測位方法(以下、「基地局測位」とも称される)では、設置されている基地局の密度等が影響して測位結果に誤差が含まれ得る。基地局測位による測位結果に基づき、物流資材等の管理対象の位置を管理する場合、基地局測位の測位結果に含まれる誤差が影響し、管理対象の位置管理精度が低下し得る。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、基地局測位に基づく管理対象の位置管理精度を向上することが可能な位置管理装置、位置管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る位置管理装置は、移動可能な管理対象が管理される管理場所に設けられた第1の測位端末であって、前記第1の測位端末に関する基地局測位で取得された前記管理場所の位置情報に基づく照合領域と、前記管理場所の管理場所情報とを関連付けた照合情報を生成する生成部と、前記管理対象に設けられた第2の測位端末であって、前記第2の測位端末に関する基地局測位で前記管理対象の位置情報が取得された場合、前記管理対象の位置情報と前記照合情報とを照合し、前記管理対象の位置情報が示す位置が含まれる前記照合領域と関連付けられた前記管理場所情報を取得する照合部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る位置管理方法は、生成部が、移動可能な管理対象が管理される管理場所に設けられた第1の測位端末であって、前記第1の測位端末に関する基地局測位で取得された前記管理場所の位置情報に基づく照合領域と、前記管理場所の管理場所情報とを関連付けた照合情報を生成することと、照合部が、前記管理対象に設けられた第2の測位端末であって、前記第2の測位端末に関する基地局測位で前記管理対象の位置情報が取得された場合、前記管理対象の位置情報と前記照合情報とを照合し、前記管理対象の位置情報が示す位置が含まれる前記照合領域と関連付けられた前記管理場所情報を取得することと、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、移動可能な管理対象が管理される管理場所に設けられた第1の測位端末であって、前記第1の測位端末に関する基地局測位で取得された前記管理場所の位置情報に基づく照合領域と、前記管理場所の管理場所情報とを関連付けた照合情報を生成する生成部と、前記管理対象に設けられた第2の測位端末であって、前記第2の測位端末に関する基地局測位で前記管理対象の位置情報が取得された場合、前記管理対象の位置情報と前記照合情報とを照合し、前記管理対象の位置情報が示す位置が含まれる前記照合領域と関連付けられた前記管理場所情報を取得する照合部と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基地局測位に基づく管理対象の位置管理精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る位置管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る拠点の位置情報ごとに生成される照合領域の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係る拠点の複数の位置情報が示す位置を結んで生成される照合領域の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る拠点の複数の位置情報が示す位置の全てが含まれる照合領域の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係る地理的条件を考慮した照合領域の一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係る緯度経度の小数部の桁数に応じた照合領域の大きさを示す表である。
【
図8】第1の実施形態に係る緯度経度が示す位置の領域によって示される照合領域の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態に係る拠点の複数の位置情報の緯度経度が示す領域に基づき生成される照合領域の一例を示す図である。
【
図10】第1の実施形態に係る拠点の複数の位置情報の緯度経度が示す領域に基づき生成される照合領域の数を増やした場合の照合の一例を示す図である。
【
図11】第1の実施形態に係る拠点情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態に係る基地局測位情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図13】第1の実施形態に係る照合情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図14】第1の実施形態に係る管理サーバにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】第2の実施形態に係る位置管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図16】第2の実施形態に係る物流資材が存在する拠点の特定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<<1.第1の実施形態>>
まず、
図1~
図14を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0014】
<1-1.位置管理システムの構成>
図1を参照して、第1の実施形態に係る位置管理システムの構成の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る位置管理システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、位置管理システム1は、測位端末10(10-1~10-n)、測位端末20(20-1~20-m)、基地局測位プラットフォーム30、管理サーバ40、照合情報記憶部50、及びユーザ端末60で構成される。位置管理システム1を構成する各装置は、ネットワーク90を介して、任意の装置が互いに通信可能に接続されている。
【0015】
測位端末10(第1の測位端末)は、基地局測位を行うための端末である。測位端末10は、複数の測位端末10-1~10-n(nは自然数)を含む。測位端末10は、測位端末10に関する基地局測位の測位対象に設けられる。測位端末10に関する基地局測位の測位対象は、例えば、パレット、カゴ車、コンテナ、梱包箱等の物流資材(管理対象)が管理される拠点2(管理場所)である。以下、測位端末10に関する基地局測位の測位対象は、「拠点2」であるものとして説明する。拠点2は、複数の拠点2-1~2-n(nは自然数)を含む。一例として、測位端末10-1~10-nは、それぞれ拠点2-1~2-nに設けられる。
【0016】
測位端末10は、
図1に示すように、通信部102を備える。なお、
図1では、測位端末10-1のみに通信部102が図示され、測位端末10-2~10-nの通信部102の図示は省略されている。
【0017】
通信部102は、基地局測位のための通信を行う。例えば、通信部102は、基地局(不図示)を介して、基地局測位プラットフォーム30と通信を行う。なお、第1の実施形態では、基地局は、拠点2以外の場所に設けられる。当該通信に基づく基地局測位により、測位端末10の位置情報が取得される。測位端末10の位置情報は、即ち、測位端末10が設けられた拠点2の位置情報である。
【0018】
測位端末20(第2の測位端末)は、基地局測位を行うための端末である。測位端末20は、複数の測位端末20-1~20-m(mは自然数)を含む。測位端末20は、測位端末20に関する基地局測位の測位対象に設けられる。測位端末20に関する基地局測位の測位対象は、例えば、物流資材である。なお、物流資材は、車両等の移動体に積載されることで、複数の拠点2間を移動可能である。以下、測位端末20に関する基地局測位の測位対象及び管理対象は、「物流資材」であるものとして説明する。
【0019】
測位端末20は、
図1に示すように、通信部202を備える。なお、
図1では、測位端末20-1のみに通信部202が図示され、測位端末20-2~20-mの通信部202の図示は省略されている。
【0020】
通信部202は、通信部102と同様に、基地局測位のための通信を行う。例えば、通信部202は、基地局(不図示)を介して、基地局測位プラットフォーム30と通信を行う。当該通信に基づく基地局測位により、測位端末20の位置情報が取得される。測位端末20の位置情報は、即ち、測位端末20が設けられた物流資材の位置情報である。
【0021】
通信部102及び通信部202は、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)を通信規格として用いた通信を行う。なお、通信規格は、かかる例に限定されない。例えば、通信部102及び通信部202が用いる通信規格は、3G(第3世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)、5G(第5世代移動通信システム)等の通信規格であってもよい。また、LPWAの規格も特に限定されない。例えば、通信部102及び通信部202が用いるLPWAの規格は、Sigfox、NB-IoT、LoRa(LoRa WAN)、ELTRES、ZETA、Wi-SUN等であってもよい。
【0022】
通信部102及び通信部202は、例えば、所定の時間間隔ごとに、基地局測位プラットフォーム30と通信を行う。なお、通信部102及び通信部202は、各々が設けられた測位端末に対する衝撃や測位端末の加速度変化に基づき、基地局測位プラットフォーム30と通信を行ってもよい。
【0023】
基地局測位プラットフォーム30は、基地局を介した測位端末10及び測位端末20との通信に基づき、各々の測位端末に対する基地局測位を行う。本実施形態に係る基地局測位プラットフォーム30は、例えば、LPWAを用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき、基地局測位を行う。
【0024】
なお、基地局測位プラットフォーム30は、3G、LTE、及び5Gのいずれかの通信規格を用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき、基地局測位を行ってもよい。基地局測位により、測位端末10及び測位端末20の位置情報が取得される。基地局測位プラットフォーム30は、取得した各測位端末の位置情報を、各測位端末が備え付けられた測位対象の位置情報として取得する。
【0025】
基地局測位プラットフォーム30は、例えば、測位端末10との通信に基づき、拠点2の位置情報を取得する。また、基地局測位プラットフォーム30は、測位端末20との通信に基づき、物流資材の位置情報を取得する。基地局測位プラットフォーム30は、取得した物流資材の位置情報に関する情報を管理サーバ40へ送信する。
【0026】
以下では、基地局測位により取得された測位対象の位置情報に関する情報は、「基地局測位情報」とも称される。基地局測位情報には、例えば、測位対象の現在位置の緯度と経度を示す座標と信用度が含まれる。信用度は、基地局測位の推定半径を示す情報である。推定半径は、例えば、基地局測位情報に含まれる座標を中心とする円の半径で示される。当該円は、測位端末10に関する基地局測位により取得された拠点2の位置情報が示す位置が含まれ得る領域を示している。
【0027】
本実施形態に係る基地局測位プラットフォーム30は、LPWAを用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき、基地局測位を行う。なお、基地局測位プラットフォーム30は、3G、LTE、及び5Gのいずれかの通信規格を用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき、基地局測位を行ってもよい。基地局測位により、測位端末10及び測位端末20の位置情報が取得される。基地局測位プラットフォーム30は、取得した各測位端末の位置情報を、各測位端末が設けられた測位対象の位置情報として取得する。
【0028】
管理サーバ40は、測位対象の位置情報を管理する位置管理装置である。管理サーバ40は、基地局測位プラットフォーム30から受信する基地局測位情報に基づき、測位対象の位置情報を管理する。
【0029】
例えば、管理サーバ40は、拠点2の位置情報に基づく照合領域と、拠点2の拠点情報とを関連付けた照合情報を生成する。照合領域は、測位端末20が設けられた物流資材がどの拠点に存在するかを照合するための領域である。拠点情報は、物流資材の管理場所である拠点2に関する情報を示す管理場所情報である。管理サーバ40は、生成した照合情報を照合情報記憶部50に記憶させる。
【0030】
また、管理サーバ40は、物流資材の位置情報と、照合情報記憶部50に記憶された照合情報とを照合し、物流資材の現在の位置と対応する拠点2の拠点情報を取得する。具体的に、管理サーバ40は、物流資材の位置情報と照合情報との照合により、物流資材の位置情報が示す位置が含まれる照合領域と関連付けられた拠点の拠点情報を取得する。管理サーバ40は、取得した拠点情報をユーザ端末80へ送信する。
【0031】
ユーザ端末60は、ユーザが各種情報を参照するために操作する装置である。ユーザ端末60は、例えば、スマートフォン、タブレット、PC(パーソナルコンピュータ)等のいずれかの端末である。なお、ユーザ端末60は、かかる例に限定されない。ユーザ端末60は、ユーザの操作に応じて、管理サーバ40から送信された拠点情報を出力する。
【0032】
<1-2.管理サーバの構成>
以上、位置管理システム1の構成の一例について説明した。続いて、
図2を参照して、管理サーバ40の機能構成の一例について説明する。
図2は、本実施形態に係る管理サーバ40の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ40は、通信部410、制御部420、及び記憶部430を備える。
【0033】
(1)通信部410
通信部410は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部410は、基地局測位プラットフォーム30から送信される基地局測位情報を受信し、制御部420へ出力する。また、通信部410は、制御部420から入力される拠点情報をユーザ端末60へ送信する。
【0034】
(2)制御部420
制御部420は、管理サーバ40の動作全体を制御する。
図2に示すように制御部420は、生成部4202及び照合部4204を備える。
【0035】
(2-1)生成部4202
生成部4202は、測位端末10に関する基地局測位により取得された拠点2の位置情報に基づく照合領域と、拠点2の拠点情報とを関連付けた照合情報を生成する。例えば、生成部4202は、拠点情報の内、拠点名を照合領域と関連付けて照合情報を生成する。生成部4202は、生成した照合情報を照合情報記憶部50に記憶させる。
【0036】
例えば、生成部4202は、基地局測位プラットフォーム30から受信する測位端末10の基地局測位情報に基づき、照合領域を生成する。生成部4202は、生成した照合領域と、測位端末10が設けられている拠点2の拠点情報とを関連付ける。照合領域は、例えば、拠点2の位置情報の推定半径によって示される領域、又は拠点2の複数の位置情報によって示される領域である。
【0037】
照合領域が拠点2の位置情報の推定半径によって示される領域である場合、生成部4202は、拠点2の位置情報ごとに照合領域を生成する。例えば、生成部4202は、基地局測位情報に含まれる信用度が示す半径に基づき、当該半径と対応する位置情報が示す位置を中心とする円を、照合領域として生成する。
【0038】
ここで、
図3を参照して、拠点2の位置情報ごとに生成される照合領域の一例について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る拠点2の位置情報ごとに生成される照合領域の一例を示す図である。
【0039】
図3に示す点P
1~点P
5は、拠点2-1に設けられた測位端末10-1に関する基地局測位により取得された拠点2-1の位置を示している。
点P
1の信用度が示す半径がr
1である場合、生成部4202は、半径がr
1の円を照合領域CZ
1として生成する。
点P
2の信用度が示す半径がr
2である場合、生成部4202は、半径がr
2の円を照合領域CZ
2として生成する。
点P
3の信用度が示す半径がr
3である場合、生成部4202は、半径がr
3の円を照合領域CZ
3として生成する。
点P
4の信用度が示す半径がr
4である場合、生成部4202は、半径がr
4の円を照合領域CZ
4として生成する。
点P
5の信用度が示す半径がr
5である場合、生成部4202は、半径がr
5の円を照合領域CZ
5として生成する。
【0040】
また、生成部4202は、拠点2の複数の位置情報の内、少なくとも3つの位置情報が示す位置を結んで照合領域を生成してもよい。照合領域が拠点2の複数の位置情報によって示される領域である場合、生成部4202は、例えば、照合領域の面積が最大となるように、照合領域の生成に用いる位置情報を決定し、照合領域を生成する。
【0041】
ここで、
図4を参照して、拠点2の複数の位置情報が示す位置を結んで生成される照合領域の一例について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る拠点2の複数の位置情報が示す位置を結んで生成される照合領域の一例を示す図である。
【0042】
図4に示す点P
1~点P
5は、
図3と同様に、拠点2-1に設けられた測位端末10-1に関する基地局測位により取得された拠点2-1の位置を示している。生成部4202は、点P
2と点P
3を結んだ直線L
1、点P
3と点P
4を結んだ直線L
2、点P
4と点P
5を結んだ直線L
3、及び点P
5と点P
2を結んだ直線L
4で囲まれた領域を照合領域SZ
1として生成する。
【0043】
また、生成部4202は、拠点2の複数の位置情報が示す位置の内、任意の位置が含まれる照合領域を生成してもよい。例えば、生成部4202は、拠点2の複数の位置情報が示す位置の内、全ての位置が含まれる照合領域を生成してもよい。
【0044】
ここで、
図5を参照して、拠点2の複数の位置情報が示す位置の全てが含まれる照合領域の一例について説明する。
図5は、第1の実施形態に係る拠点2の複数の位置情報が示す位置の全てが含まれる照合領域の一例を示す図である。
【0045】
図5に示す点P
1~点P
5は、
図3と同様に、拠点2-1に設けられた測位端末10-1に関する基地局測位により取得された拠点2-1の位置を示している。生成部4202は、
図5に示すように、点P
1~点P
5の全てが含まれる領域を照合領域SZ
2として生成する。
【0046】
なお、生成部4202は、地理的条件を考慮して照合領域を生成してもよい。地理的条件は、例えば、河川、海、山、山の裾野、軍事基地等である。一例として、生成部42020は、当該地理的条件に基づき、照合領域の形状を決定する。
【0047】
ここで、
図6を参照して、地理的条件を考慮した照合領域の一例について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る地理的条件を考慮した照合領域の一例を示す図である。
【0048】
図6に示す点P
1~点P
5は、
図3と同様に、拠点2-1に設けられた測位端末10-1に関する基地局測位により取得された拠点2-1の位置を示している。点P
2は、川91の中に位置している。そこで、生成部4202は、点P
1~点P
5の内、点P
2を除いた点を結んで照合領域を生成する。具体的に、生成部4202は、点P
3と点P
4を結んだ直線L
2、点P
4と点P
5を結んだ直線L
3、点P
5と点P
1を結んだ直線L
5、及び点P
1と点P
3を結んだ直線L
6で囲まれた領域を照合領域SZ
3として生成する。
【0049】
また、生成部4202は、拠点2の位置情報が示す緯度経度の小数部の桁数に基づき、照合領域を生成してもよい。ここで、
図7~
図10を参照して、拠点2の位置情報が示す緯度経度の小数部の桁数に基づき生成される照合領域について説明する。
【0050】
第1の実施形態では、基地局測位により取得された拠点2-1の位置を示す緯度経度は、小数部を有する数値として、基地局測位プラットフォーム30から管理サーバ40へ送信される。例えば、管理サーバ40が基地局測位プラットフォーム30から受信する緯度経度の小数部の桁数は、8桁である。
【0051】
緯度経度は、それぞれ距離に変換することができる。例えば、緯度の場合、緯度1度あたりの距離は、約110kmである。経度の場合、経度1度あたりの距離は、緯度に応じて変化する。例えば、緯度0度の赤道上において、経度1度あたりの距離は、約110kmである。これより、緯度経度は、変換後の距離に基づく領域を示し得る。
【0052】
緯度経度が示す距離は、緯度経度の小数部の桁数によって変わる。例えば、緯度経度の小数部の桁数が多くなるほど、緯度経度が示す距離は小さくなり、緯度経度が示す領域が小さくなる。即ち、緯度経度の小数部の桁数を多くすることで、物流資材の位置をより細かい精度で特定することができる。一方、緯度経度の小数部の桁数が少なくなるほど、緯度経度が示す距離は大きくなり、緯度経度が示す領域が大きくなる。即ち、緯度経度の小数部の桁数を少なくすることで、物流資材の位置をより粗い精度(例えば領域)で特定することができる。
【0053】
よって、生成部4202は、管理サーバ40が基地局測位プラットフォーム30から受信する緯度経度の小数部の桁数を調整することで、緯度経度が示す領域の大きさを調整することができる。生成部4202は、小数部の桁数を調整後の緯度経度が示す領域を照合領域として生成する。なお、以下では、説明の便宜上、緯度経度が示す領域である照合領域の形状が円形であり、緯度経度が示す距離は、照合領域の直径dを示すものとする。
【0054】
図7は、第1の実施形態に係る緯度経度の小数部の桁数の変化に応じた照合領域の直径dを示す表である。
例えば、
図7に示すように、小数部の桁数が8桁である場合、照合領域の直径dは、約0.001mとなる。
小数部の桁数が7桁である場合、照合領域の直径dは、約0.01mとなる。
小数部の桁数が6桁である場合、照合領域の直径dは、約0.1mとなる。
小数部の桁数が5桁である場合、照合領域の直径dは、約1mとなる。
小数部の桁数が4桁である場合、照合領域の直径dは、約10mとなる。
小数部の桁数が3桁である場合、照合領域の直径dは、約100mとなる。
小数部の桁数が2桁である場合、照合領域の直径dは、約1000mとなる。
小数部の桁数が1桁である場合、照合領域の直径dは、約10000mとなる。
図7に示すように、緯度経度の小数部の桁数が多くなる程、照合領域の直径dが小さくなり、緯度経度の小数部の桁数が少なくなる程、照合領域の直径dが大きくなる。
【0055】
図8は、第1の実施形態に係る緯度経度が示す位置の領域によって示される照合領域の一例を示す図である。
図8に示すように、点Pの緯度経度は、(35.xxxxxxxx,139.yyyyyyyy)である。点Pの小数部の桁数は、8桁である。点Pの大きさは、直径d=約0.001mである。例えば、点Pの小数部の桁数を8桁から4桁に変更する。少数部の桁数が4桁となった点P’の緯度経度は、(35.xxxx,139.yyyy)である。小数部の桁数が4桁のため、点P’の大きさは、直径d=約10mである。生成部4202は、例えば、点P’の内側の領域を照合領域SZ
4として生成する。
【0056】
図9は、第1の実施形態に係る拠点2の複数の位置情報の緯度経度が示す領域に基づき生成される照合領域の一例を示す図である。
図9に示す点P
1~点P
5は、
図3と同様に、拠点2-1に設けられた測位端末10-1に関する基地局測位により取得された拠点2-1の位置を示している。
【0057】
図9に示すように、生成部4202は、点P
1の小数部の桁数を変更した点P
1’の内側の領域を照合領域SZ
4-1として生成する。また、生成部4202は、点P
2の小数部の桁数を変更した点P
2’の内側の領域を照合領域SZ
2-1として生成する。また、生成部4202は、点P
3の小数部の桁数を変更した点P
3’の内側の領域を照合領域SZ
4-3として生成する。また、生成部4202は、点P
4の小数部の桁数を変更した点P
4’の内側の領域を照合領域SZ
4-4として生成する。また、生成部4202は、点P
5の小数部の桁数を変更した点P
5’の内側の領域を照合領域SZ
4-5として生成する。
【0058】
図10は、第1の実施形態に係る拠点2の複数の位置情報の緯度経度が示す領域に基づき生成される照合領域の数を増やした場合の照合の一例を示す図である。
図10には、
図9に示した状態から、照合領域SZ
4の数を任意の数だけ増やした状態を示している。なお、
図10に示す点P’’は、測位端末20に関する基地局測位により取得された物流資材の位置を示している。
【0059】
図10に示すように、点P’’は、点P
n’の内側の領域である照合領域SZ
4-nの中に含まれる。そのため、物流資材は、後述する照合部4204が行う照合により、拠点2-1に存在すると特定される。なお、
図9の状態のまま照合部4204が照合を行った場合、点P’’が含まれる照合領域SZ
4が存在しないため、物流資材が存在する拠点2が特定されない。
【0060】
以上より、緯度経度が示す領域に基づき生成される照合領域の数を増やすほど、測位端末20に関する基地局測位により取得された物流資材の位置が照合領域SZ4に含まれる可能性が高くなり、物流資材が存在する拠点2を特定できる可能性も高くなる。よって、拠点2の位置情報の緯度経度が示す領域に基づき生成される照合領域の数を増やすほど、物流資材が存在する拠点2の特定精度を向上することができる。
【0061】
なお、照合領域は、ユーザによって手動で生成されてもよい。例えば、ユーザは、生成部4202と同様に、拠点2の複数の位置情報の内少なくとも3つの位置情報が示す位置を結んだ照合領域、拠点2の複数の位置情報が示す位置の内の任意の位置が含まれる照合領域、地理的条件を考慮した照合領域等を生成する。
【0062】
なお、生成部4202が生成する照合領域の形状、及びユーザが手動で生成する照合領域の形状は、特に限定されない。当該照合領域の形状は、例えば、円形、矩形、及び多角形等の任意の形状であってよい。
【0063】
(2-2)照合部4204
照合部4204は、照合情報記憶部50に記憶された照合情報と、測位端末20に関する基地局測位により取得された物流資材の位置情報とを照合して、物流資材が存在する拠点2の拠点情報を取得する。取得後、照合部4204は、通信部410を介して、取得した拠点情報をユーザ端末60へ送信する。
【0064】
照合部4204は、例えば、照合により物流資材が保管されている拠点名を取得する。具体的に、照合部4204は、物流資材の位置情報の示す位置が、照合情報の照合領域に含まれるかを確認する。照合部4204は、物流資材の位置情報の示す位置が含まれる照合領域に関連付けられた拠点名を取得する。
【0065】
図3に示したように、測位端末10-1の基地局測位情報に基づく照合領域が照合領域CZ
1~CZ
5であったとする。物流資材の位置情報の示す位置が照合領域CZ
1~CZ
5のいずれかに含まれる場合、照合部4204は、照合領域CZ
1~CZ
5に関連付けられた拠点2-1の拠点名を取得する。
【0066】
図4に示したように、測位端末10-1の基地局測位情報に基づく照合領域が照合領域SZ
1であったとする。物流資材の位置情報の示す位置が照合領域SZ
1に含まれる場合、照合部4204は、照合領域SZ
1に関連付けられた拠点2-1の拠点名を取得する。
【0067】
なお、照合部4204は、物流資材が存在する拠点名を取得できなかった場合、物流資材が拠点2に存在しないと判定し、拠点名の代わりに物流資材の状態を示す情報をユーザ端末60へ送信してもよい。例えば、照合部4204は、物流資材が移動体により移動中の状態であることを示す情報、物流資材が流出又は盗難等により照合情報にない場所に存在することを示す情報等をユーザ端末60へ送信する。
【0068】
(3)記憶部430
記憶部430は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部430は、制御部420の処理において出力されるデータや、各種アプリケーション等のデータを記憶する。なお、記憶部430は、生成部4202が生成する照合情報を記憶してもよい。
【0069】
記憶部430は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部430は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0070】
<1-3.データ構成>
以上、管理サーバ40の機能構成の一例について説明した。続いて、
図11~
図13を参照して、本実施形態に係るデータ構成の一例について説明する。
【0071】
(1)拠点情報のデータ構成
まず、
図11を参照して、拠点情報について説明する。
図11は、第1の実施形態に係る拠点情報のデータ構成の一例を示す図である。
図11に示すように、拠点情報のレコードには、拠点名、拠点位置情報、及び設置測位端末が含まれる。なお、拠点情報のレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
【0072】
拠点名は、拠点2の名称である。拠点位置情報は、各拠点2が存在する位置を示す座標(XK,YK)である。設置測位端末は、各拠点2に設けられている測位端末10の名称である。
【0073】
例えば、
図11に示す拠点情報の1レコード目には、拠点名が「拠点I」、拠点位置情報が(X
K1,Y
K1)、設置測位端末が「測位端末I」であることが記憶されている。これは、「拠点I」が(X
K1,Y
K1)に存在し、「拠点I」に「測位端末I」が設けられていることを示している。
【0074】
また、
図11に示す拠点情報の2レコード目には、拠点名が「拠点II」、拠点位置情報が(X
K2,Y
K2)、設置測位端末が「測位端末II」であることが記憶されている。これは、「拠点II」が(X
K2,Y
K2)に存在し、「拠点II」に「測位端末II」が設けられていることを示している。
【0075】
また、
図11に示す拠点情報のNレコード目には、拠点名が「拠点N」、拠点位置情報が(X
KN,Y
KN)、設置測位端末が「測位端末N」であることが記憶されている。これは、「拠点N」が(X
KN,Y
KN)に存在し、「拠点N」に「測位端末N」が設けられていることを示している。
【0076】
(2)基地局測位情報のデータ構成
まず、
図12を参照して、基地局測位情報について説明する。
図12は、第1の実施形態に係る基地局測位情報のデータ構成の一例を示す図である。
図12に示すように、基地局測位情報のレコードには、測位端末名、測位日時、位置情報、及び信用度が含まれる。なお、基地局測位情報のレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
【0077】
測位端末名は、基地局測位に関する通信を行った測位端末の名称である。測位日時は、基地局測位が行われた日時である。位置情報は、基地局測位により取得された拠点2の位置情報である。信用度は、基地局測位の推定半径である。
【0078】
例えば、
図6に示す基地局測位情報の1レコード目には、測位端末名が「測位端末I」、測位日時が「2020/01/01 12:00:00」、位置情報が(X
B1-1,Y
B1-1)、信用度が「1000m」であることが記憶されている。これは、「2020/01/01 12:00:00」に行われた「測位端末I」に関する基地局測位により取得された基地局測位情報の位置情報が(X
B1-1,Y
B1-1)、信用度が「1000m」であることを示している。具体的に、1レコード目の位置情報(X
B1-1,Y
B1-1)は、
図3に示した点P
1の座標を示し、信用度「1000m」は、
図3に示したr
1の値を示している。
【0079】
また、
図12に示す基地局測位情報の2レコード目には、測位端末名が「測位端末I」、測位日時が「2020/01/01 24:00:00」、位置情報が(X
B1-2,Y
B1-2)、信用度が「2000m」であることが記憶されている。これは、「2020/01/01 24:00:00」に行われた「測位端末I」に関する基地局測位により取得された基地局測位情報の位置情報が(X
B1-2,Y
B1-2)、信用度が「2000m」であることを示している。具体的に、2レコード目の位置情報(X
B1-2,Y
B1-2)は、
図3に示した点P
2の座標を示し、信用度「2000m」は、
図3に示したr
2の値を示している。
【0080】
また、
図12に示す基地局測位情報の3レコード目には、測位端末名が「測位端末I」、測位日時が「2020/01/02 12:00:00」、位置情報が(X
B1-3,Y
B1-3)、信用度が「800m」であることが記憶されている。これは、「2020/01/02 12:00:00」に行われた「測位端末I」に関する基地局測位により取得された基地局測位情報の位置情報が(X
B1-3,Y
B1-3)、信用度が「800m」であることを示している。具体的に、3レコード目の位置情報(X
B1-3,Y
B1-3)は、
図3に示した点P
3の座標を示し、信用度「800m」は、
図3に示したr
3の値を示している。
【0081】
また、
図12に示す基地局測位情報の4レコード目には、測位端末名が「測位端末I」、測位日時が「2020/01/02 24:00:00」、位置情報が(X
B1-4,Y
B1-4)、信用度が「1500m」であることが記憶されている。これは、「2020/01/02 24:00:00」に行われた「測位端末I」に関する基地局測位により取得された基地局測位情報の位置情報が(X
B1-4,Y
B1-4)、信用度が「1500m」であることを示している。具体的に、4レコード目の位置情報(X
B1-4,Y
B1-4)は、
図3に示した点P
4の座標を示し、信用度「1500m」は、
図3に示したr
4の値を示している。
【0082】
また、
図12に示す基地局測位情報の5レコード目には、測位端末名が「測位端末I」、測位日時が「2020/01/03 12:00:00」、位置情報が(X
B1-5,Y
B1-5)、信用度が「1200m」であることが記憶されている。これは、「2020/01/03 12:00:00」に行われた「測位端末I」に関する基地局測位により取得された基地局測位情報の位置情報が(X
B1-5,Y
B1-5)、信用度が「1200m」であることを示している。具体的に、5レコード目の位置情報(X
B1-5,Y
B1-5)は、
図3に示した点P
5の座標を示し、信用度「1200m」は、
図3に示したr
5の値を示している。
【0083】
(3)照合情報のデータ構成
まず、
図13を参照して、照合情報について説明する。
図13は、第1の実施形態に係る照合情報のデータ構成の一例を示す図である。
図13に示すように、照合情報のレコードには、拠点名、照合領域I、及び照合領域IIが含まれる。なお、照合情報のレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
【0084】
拠点名は、照合領域と関連付けられた拠点の名称である。照合領域Iは、拠点2の位置情報ごとに生成された照合領域である。照合領域IIは、拠点2の複数の位置情報に基づき生成された照合領域である。
【0085】
例えば、
図13に示す照合情報の1レコード目には、拠点名が「拠点I」、照合領域Iが「CZ
1」、照合領域IIが「SZ
1」であることが記憶されている。これは、物流資材の位置情報の示す位置が「CZ
1」又は「SZ
1」に含まれる場合、当該物流資材が「拠点I」に存在していることを示している。具体的に、1レコード目の照合領域I「CZ
1」は、
図3に示したCZ
1を示し、照合領域II「SZ
1」は、
図4に示した「SZ
1」を示している。
【0086】
また、
図13に示す照合情報の2レコード目には、拠点名が「拠点I」、照合領域Iが「CZ
2」、照合領域IIが「SZ
1」であることが記憶されている。これは、物流資材の位置情報の示す位置が「CZ
2」又は「SZ
1」に含まれる場合、当該物流資材が「拠点I」に存在していることを示している。具体的に、2レコード目の照合領域I「CZ
2」は、
図3に示したCZ
2を示し、照合領域II「SZ
1」は、
図4に示した「SZ
1」を示している。
【0087】
また、
図13に示す照合情報の3レコード目には、拠点名が「拠点I」、照合領域Iが「CZ
3」、照合領域IIが「SZ
1」であることが記憶されている。これは、物流資材の位置情報の示す位置が「CZ
3」又は「SZ
1」に含まれる場合、当該物流資材が「拠点I」に存在していることを示している。具体的に、3レコード目の照合領域I「CZ
3」は、
図3に示したCZ
3を示し、照合領域II「SZ
1」は、
図4に示した「SZ
1」を示している。
【0088】
また、
図13に示す照合情報の4レコード目には、拠点名が「拠点I」、照合領域Iが「CZ
4」、照合領域IIが「SZ
1」であることが記憶されている。これは、物流資材の位置情報の示す位置が「CZ
4」又は「SZ
1」に含まれる場合、当該物流資材が「拠点I」に存在していることを示している。具体的に、4レコード目の照合領域I「CZ
4」は、
図3に示したCZ
4を示し、照合領域II「SZ
1」は、
図4に示した「SZ
1」を示している。
【0089】
また、
図13に示す照合情報の5レコード目には、拠点名が「拠点I」、照合領域Iが「CZ
5」、照合領域IIが「SZ
1」であることが記憶されている。これは、物流資材の位置情報の示す位置が「CZ
5」又は「SZ
1」に含まれる場合、当該物流資材が「拠点I」に存在していることを示している。具体的に、5レコード目の照合領域I「CZ
5」は、
図3に示したCZ
5を示し、照合領域II「SZ
1」は、
図4に示した「SZ
1」を示している。
【0090】
<1-4.処理の流れ>
以上、データ構成の一例について説明した。続いて、
図14を参照して、本実施形態に係る管理サーバ40における処理の流れの一例について説明する。
図14は、本実施形態に係る管理サーバ40における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0091】
図14に示すように、管理サーバ40は、まず、基地局測位プラットフォーム30から情報を受信したか否かを確認する(S102)。情報を受信した場合(S102/YES)、管理サーバ40は、S104の処理を実行する。一方、情報を受信していない場合(S102/NO)、管理サーバ40は、S102の処理を繰り返す。
【0092】
管理サーバ40は、受信した情報が拠点2に設けられた測位端末10に関する基地局測位情報であるか否かを確認する(S104)。受信した情報が拠点2に設けられた測位端末10に関する基地局測位情報である場合(S104/YES)、管理サーバ40は、S106の処理を実行する。一方、受信した情報が拠点2に設けられた測位端末10に関する基地局測位情報でない場合(S104/NO)、管理サーバ40は、S112の処理を実行する。
【0093】
管理サーバ40は、受信した測位端末10に関する基地局測位情報に含まれる拠点2の位置情報に基づき、照合領域を生成する(S106)。
【0094】
照合領域の生成後、管理サーバ40は、生成した照合領域と、拠点2の拠点情報とを関連付けて照合情報を生成する(S108)。
【0095】
照合情報の生成後、管理サーバ40は、生成した照合情報を照合情報記憶部50に記憶させ(S110)、S102から処理を繰り返す。
【0096】
管理サーバ40は、受信した測位端末20に関する基地局測位情報に含まれる物流資材の位置情報と、照合情報の照合領域を照合する。(S112)。
【0097】
照合後、管理サーバ40は、物流資材の位置情報の示す位置が含まれる照合領域と関連付けられた拠点名を取得する(S114)。
【0098】
拠点名の取得後、管理サーバ40は、取得した拠点名を出力し(S116)、S102から処理を繰り返す。
【0099】
以上説明したように、第1の実施形態に係る位置管理装置は、拠点2に設けられた測位端末10に関する基地局測位で取得された拠点2の位置情報に基づく照合領域と、拠点2の拠点情報とを関連付けた照合情報を生成する。
【0100】
また、位置管理装置は、物流資材に設けられた測位端末20に関する基地局測位で物流資材の位置情報が取得された場合、物流資材の位置情報と照合情報とを照合する。そして、位置管理装置は、物流資材の位置情報が示す位置が含まれる照合領域と関連付けられた拠点情報を取得する。
【0101】
かかる構成により、第1の実施形態に係る位置管理装置は、物流資材の位置情報が示す位置(点)が、拠点2の位置情報に基づき示される照合領域(領域)に含まれるか否かに基づき、物流資材が存在する拠点名を取得できる。このように、位置管理装置は、点と領域との照合により物流資材が存在する拠点名を取得する。これにより、位置管理装置は、点と点とが一致するか否かに基づき拠点名を取得する照合では取得できなかった拠点名を取得することができる。よって、第1の実施形態に係る位置管理装置は、点と点とが一致するか否かに基づき拠点名を取得する照合では管理できなかった物流資材の管理を行うことができるようになる。
【0102】
以上より、第1の実施形態に係る位置管理装置は、基地局測位に基づく管理対象の位置管理精度を向上することができる。
【0103】
<<2.第2の実施形態>>
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。続いて、
図15を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と重複する説明は省略する。
【0104】
<2-1.位置管理システムの構成>
図15を参照して、第2の実施形態に係る位置管理システムの構成の一例について説明する。
図15は、第2の実施形態に係る位置管理システム1の構成の一例を示す図である。
図15に示すように、位置管理システム1の拠点2には、基地局70が設けられる。なお、
図15に示す第2の実施形態に係る位置管理システム1は、基地局70が追加された以外は
図1を参照して説明した第1の実施形態に係る位置管理システム1の構成と同一である。以下では、第1の実施形態とは異なる構成と機能についてのみ説明し、同一の構成と機能についての説明を省略する。
【0105】
測位端末10の通信部102は、同一の拠点2に設けられた基地局70を介して、基地局測位プラットフォーム30と通信を行う。
【0106】
基地局測位プラットフォーム30は、基地局70を介した測位端末10との通信に基づき、測位端末10に関する基地局測位を行う。
【0107】
基地局70は、拠点2に設けられた測位端末10が通信を行う基地局である。基地局70は、複数の拠点2ごとに設けられる。基地局70は、複数の基地局70-1~70-n(nは自然数)を含む。測位端末10に関する基地局測位は、同一の拠点2に設けられた測位端末10と基地局70との通信に基づき行われる。
【0108】
第1の実施形態のように測位端末10が拠点2以外の場所に設けられた基地局と通信を行う場合と比較し、測位端末10が基地局70と通信を行う場合の通信の精度は向上する。よって、測位端末10に関する基地局測位の精度も向上する。
【0109】
<2-2.管理サーバの構成>
以上、第2の実施形態に係る位置管理システム1の構成の一例について説明した。続いて、管理サーバ40の機能構成の一例について説明する。なお、第2の実施形態に係る管理サーバ40の構成は、
図2を参照して説明した第1の実施形態に係る管理サーバ40の構成と同一である。以下では、第1の実施形態とは異なる構成と機能についてのみ説明し、同一の構成と機能についての説明を省略する。
【0110】
(1)生成部4202
生成部4202は、同一の拠点2に設けられた測位端末10と基地局70との通信に基づき行われる測位端末10に関する基地局測位で取得された拠点2の位置情報に基づく照合領域を複数の拠点2ごとに生成する。生成部4202は、生成した照合領域と、測位端末10及び基地局70が設けられている拠点2の拠点情報とを関連付ける。
【0111】
(2)照合部4204
照合部4204は、複数の拠点2の内、物流資材の位置情報が示す位置が含まれる照合領域と対応する拠点2に物流対象が存在すると特定する。特定後、照合部4204は、物流資材の位置情報が示す位置が含まれる照合領域と関連付けられた拠点情報を、特定された拠点2の拠点情報として照合情報から取得する。
【0112】
なお、複数の拠点2が近接する場合、生成部4202が生成した各拠点2の照合領域が重畳する恐れがある。近接する複数の拠点2の照合領域が重畳している重畳領域に、物流資材の位置情報が示す位置が含まれたとする。この場合、照合部4204は、当該物流資材が、近接する複数の拠点2のいずれの拠点で保管されているかを特定できない。
【0113】
しかしながら、第2の実施形態のように、複数の拠点2ごとに基地局70が設けられて基地局測位の精度が向上することで、基地局測位によって取得される位置情報が示す位置が分布する分布領域が縮小する。分布領域が縮小することで、近接する複数の拠点2の各々の分布領域が重畳する可能性が低くなる。よって、拠点2の照合領域と、他の拠点2の照合領域とが重畳する可能性も低くなる。
【0114】
これにより、照合部4204は、複数の拠点2が近接する場合であっても、複数の拠点2のいずれの拠点に物流資材が存在しているかを特定しやすくなる。よって、管理サーバ40は、基地局70が拠点2に設けられることで、物流資材が存在する拠点2の特定精度を向上することができる。
【0115】
なお、照合部4204は、物流資材が存在する拠点2を特定できなかった場合、物流資材が拠点2に存在しないと判定し、拠点情報の代わりに物流資材の状態を示す情報をユーザ端末60へ送信してもよい。例えば、照合部4204は、物流資材が移動体により移動中の状態であることを示す情報、物流資材が流出又は盗難等により照合情報にない場所に存在することを示す情報等をユーザ端末60へ送信する。
【0116】
ここで、
図16を参照して、第2の実施形態に係る物流資材が存在する拠点2の特定の一例について説明する。
図16は、第2の実施形態に係る物流資材が存在する拠点2の特定の一例を示す図である。
図16の上図には、基地局が拠点2以外の場所に設けられている場合の照合領域の一例が示されている。
図16の下図には、基地局が拠点2に設けられた場合の照合領域の一例が示されている。
【0117】
図16の上図に示す拠点2-1には、測位端末10-1が設けられている。照合領域SZ
2-1は、測位端末10-1に関する基地局測位に基づく照合領域である。
図16の上図に示す拠点2-2には、測位端末10-2が設けられている。照合領域SZ
3-1は、測位端末10-2に関する基地局測位に基づく照合領域である。重畳領域OZは、照合領域SZ
2-1と照合領域SZ
3-1とが重畳している領域である。点P
6は、測位端末20(不図示)に関する基地局測位によって取得された物流資材の位置情報が示す位置である。点P
6は、重畳領域OZに含まれている。
【0118】
図16の上図に示すように、点P
6が重畳領域OZに含まれている場合、管理サーバ40は、点P
6に位置すると示された物流資材が拠点2-1と拠点2-2のどちらに存在するかを特定することができない。そこで、上述したように、基地局70を拠点2に設けることで、位置情報の分布を縮小して照合領域同士が重畳することを避ける。
【0119】
例えば、
図16の下図に示すように、拠点2-1には、基地局70-1が設けられる。これにより、
図16の上図に示した照合領域SZ
2-1は、
図16の下図に示す照合領域SZ
2-2のように縮小する。また、拠点2-2には、基地局70-2が設けられる。これにより、
図16の上図に示した照合領域SZ
3-1は、
図16の下図に示す照合領域SZ
3-2のように縮小する。各照合領域が縮小したことにより、
図16の下図に示すように、照合領域SZ
2-2と照合領域SZ
3-2は、重畳しなくなる。
【0120】
各照合領域が重畳しなくなったことにより、点P6が照合領域SZ2-2のみに含まれることが明確となる。よって、管理サーバ40は、点P6に位置すると示された物流資材が拠点2-1に存在すると特定することができる。
【0121】
以上説明したように、第2の実施形態に係る位置管理装置は、同一の拠点2に設けられた測位端末10と基地局70の通信に基づき行われる測位端末10に関する基地局測位で取得された拠点2の位置情報に基づく照合領域を生成する。当該位置管理装置は、生成した照合領域と拠点2の管理場所情報とを関連付けた照合情報を複数の拠点2ごとに生成する。
【0122】
また、当該位置管理装置は、物流資材に設けられた測位端末20に関する基地局測位で物流資材の位置情報が取得された場合、物流資材の位置情報と照合情報とを照合する。当該位置管理装置は、当該照合により、複数の拠点2の内、物流資材の位置情報が示す位置が含まれる照合領域と対応する拠点2に物流資材が存在すると特定する。そして、当該位置管理装置は、特定された拠点2の管理場所情報を照合情報から取得する。
【0123】
かかる構成により、第2の実施形態に係る位置管理装置の生成部4202が生成する照合領域は、基地局70が複数の拠点2ごとに設けられることで精度が向上した基地局測位の結果に基づき生成される。これにより、拠点2の照合領域と、拠点2と近接する他の拠点2の照合領域とが重畳する可能性が低くなる。
【0124】
これにより、第2の実施形態に係る位置管理装置は、複数の拠点2が近接する場合であっても、複数の拠点2のいずれの拠点に物流資材が存在するかを特定しやすくなる。よって、当該位置管理装置は、基地局70が複数の拠点2ごとに設けられることで、物流資材が存在する拠点2の特定精度を向上することができる。
【0125】
以上より、第2の実施形態に係る位置管理装置は、基地局測位に基づく管理対象の位置管理精度を向上することができる。
【0126】
以上、本発明の各実施形態について説明した。なお、上述した実施形態における位置管理装置をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0127】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0128】
1 位置管理システム
2 拠点
10 測位端末(第1の測位端末)
20 測位端末(第2の測位端末)
30 基地局測位プラットフォーム
40 管理サーバ
50 照合情報記憶部
60 ユーザ端末
70 基地局
90 ネットワーク
102 通信部
202 通信部
410 通信部
420 制御部
430 記憶部
4202 生成部
4204 照合部