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▶ トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティドの特許一覧

<図1>
  • 特許-輸送装置共有システム 図1
  • 特許-輸送装置共有システム 図2A
  • 特許-輸送装置共有システム 図2B
  • 特許-輸送装置共有システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】輸送装置共有システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20231109BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20231109BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G06Q30/06
G08G1/00 Z
【請求項の数】 3
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020084441
(22)【出願日】2020-05-13
(65)【公開番号】P2021028822
(43)【公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】16/440,019
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】永田 勝己
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-001933(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102015216961(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送装置共有システムであって、
複数の車両であって、それぞれが、
車輪が2つ以下である輸送装置により占有されるように構成された一体化ドッキングポートであって、前記一体化ドッキングポートが前記複数の車両うちの車両に一体化されたまま前記輸送装置を前記一体化ドッキングポートから取り出すことができるように構成されている一体化ドッキングポートと、
取出し処理事象および返却処理事象の時刻と位置の両方を示す処理データを送信するように構成された通信装置と、
を有している複数の車両と、
前記複数の車両と通信し、前記複数の車両から、前記複数の車両の少なくとも1つの位置を示す位置データおよび、前記複数の車両の前記少なくとも1つに対応する前記一体化ドッキングポートが、占有されているか、または空いているかを示す在庫データを受信し、ユーザからのリクエストに応答して、前記位置データおよび前記在庫データを前記ユーザに送信するとともに、前記複数の車両のなかから選択された、前記一体化ドッキングポートが占有されていない車両に対して、前記輸送装置を返却するためにユーザが向かっている途中であることを知らせる通知を送信するように構成されたサーバと、
を備えている、輸送装置共有システム。
【請求項2】
前記一体化ドッキングポートの1つ以上は、前記1つ以上の輸送装置を、格納されている間に再充電するように構成されており、前記サーバは、前記1つ以上の輸送装置に対して、少なくとも充電レベルを示しているステータスデータを受信するために前記複数の車両と通信するように構成されている、請求項1の輸送装置共有システム。
【請求項3】
輸送装置システムを管理する方法であって、
ユーザの位置に基づく、輸送装置に対するリクエストを受信することと、
前記リクエストに対する、車両と一体化されたドッキングポートに格納されている少なくとも1つの利用可能な輸送装置の受取り位置および充電レベルを含んでいる応答を送信することであって、前記ドッキングポートが前記車両に一体化されたまま前記少なくとも1つの利用可能な輸送装置のうちの輸送装置を前記ドッキングポートから取り出すことができるように前記ドッキングポートが構成されており、前記輸送装置は車輪が2つ以下の輸送装置である、ことと、
前記少なくとも1つの利用可能な輸送装置の選択を受信することと、
前記選択に応答して、ユーザが前記少なくとも1つの輸送装置を得ることを許可するアクセスコードを送信することと、
前記少なくとも1つの輸送装置の返却リクエストを受信することと、
前記返却リクエストに応答して、車両と一体化された、占有されていないドッキングポートの位置を送信するとともに、前記複数の車両のなかから選択された、前記一体化ドッキングポートが占有されていない車両に対して、前記輸送装置を返却するためにユーザが向かっている途中であることを知らせる通知を送信することと、
前記少なくとも1つの輸送装置を、前記占有されていないドッキングポートにおいて収容すること、
を含んでいる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここにおいて記述される主題は、全体的には、輸送装置共有システムに関し、より特別には、一体化ドッキングポート(docking ports)を有する車両を含む輸送装置共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の輸送装置共有システムは、人が、自転車、スクータなどのような輸送装置の使用を一時的に共有して、相対的に短い距離を移動することを可能にする。大量旅客輸送機関の駅と、最終目的地との間の最後の距離だけユーザを輸送するときの使用と関連して、これらの輸送装置は、「最終マイル車両(last-mile vehicles)」と称されることもある。幾つかのそのような共有システムにおいては、ユーザが、最終マイル車両の使用を終了したときはいつでもその車両をそこに置き去りにすることを許可し、他の誰かがその車両を手に入れてそこから使用できる。他の共有システム、例えば、最終マイル電気車両の使用を含む共有システムにおいては、ユーザは、格納および充電のために、車両をドッキングクステーション(docking station)に戻すことが要求される。
【0003】
共有システムの何れのタイプも、ユーザに運用上およびアクセスに関する問題を負わせる。ユーザが車両を何れの場所にも置き去りにすることを許可する共有システムにおいては、最終マイル車両は、一般的な目的地領域、例えば、オフィスのビル、人気のある中心部領域などの周りに集中する傾向がある。自然な配給フローでは、多くの出発点領域では最終マイル車両が提供されない状態になり、作業員が、車両を収集して再配給するために採用されることがよくある。ドッキングステーションへの返却を要求するシステムにおいては、ユーザは、彼らの目的地、またはその近くでドッキングステーションが利用可能であるということに確信が持てないときは、最終マイル車両を使用することをためらう。
【発明の概要】
【0004】
開示される装置、方法、およびシステムは、一体化ドッキングステーションを有する他の車両を組み入れる、新しいタイプの最終マイル車両共有システムに関する。他の車両としては、例えば、自動車、トラック、バスなどを挙げることができる。この方法で可動ドッキングステーションを配置することにより、ステーションの配給がより流動的且つ広範囲にわたることが可能になり、従来の固定ドッキングステーションよりも、自然に到達する辺鄙な場所においてより大きな機会を有することができる。
【0005】
1つの実施形態においては、車両は、ドッキングポートを含み、輸送装置を収容し、輸送装置を保管にするように適合されている輸送装置のためのドッキングシステム、無線でデータを送受信するための通信装置、1つ以上のプロセッサ、および、1つ以上のプロセッサに通信可能に結合され、1つ以上のプロセッサにより実行されると、1つ以上のプロセッサに、輸送装置がドッキングポートに存在するかどうかを決定させ、通信装置に、車両の位置を示す位置データ、および、ドッキングポートにおける輸送装置の少なくとも有無を示すステータスデータを外部受信機に送信させる命令を含んでいるステータスモジュールを格納しているメモリを含んでいる。
【0006】
他の実施形態においては、輸送装置共有システムは、それぞれが、輸送装置により占有され得る一体化ドッキングポートおよび、複数の車両と通信して、位置データおよび在庫データを複数の車両から受信し、ユーザからのリクエストに応答して、位置データおよび在庫データをユーザに送信するサーバを有している複数の車両を含んでおり、ここにおいて、位置データは、複数の車両の少なくとも1つの位置を示し、在庫データは、複数の車両の少なくとも1つに対応する一体化ドッキングポートが占有されているかまたは空いているかを示している。
【0007】
他の実施形態においては、輸送装置システムを管理する方法は、ユーザの位置に基づく、輸送装置に対するリクエストを受信することと、リクエストに対する、車両と一体化されたドッキングポートに格納されている少なくとも1つの利用可能な輸送装置の受取り位置および充電レベルを含んでいる応答を送信することと、少なくとも1つの利用可能な輸送装置の選択を受信することと、選択に応答して、ユーザが少なくとも1つの輸送装置を得ることを許可するアクセスコードを送信することと、少なくとも1つの輸送装置に対する返却リクエストを受信することと、返却リクエストに応答して、車両と一体化された、占有されていないドッキングポートの位置を送信することと、少なくとも1つの輸送装置を、占有されていないドッキングポートにおいて収容することを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
明細書に組み入れられ、明細書の一部を構成する付随する図面は、開示の種々のシステム、方法、および他の実施形態を例示している。図面において例示されている要素の境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、または他の形状)は、境界の1つの実施形態を表わしているということは認識されよう。幾つかの実施形態においては、1つの要素は、多数の要素として設計でき、または、多数の要素は、1つの要素として設計できる。幾つかの実施形態においては、他の要素の内部構成要素として示されている要素は、外部構成要素として実現でき、その逆もまた実現できる。更に、要素は寸法通りに示されていなくてもよい。
【0009】
図1】ここにおいて開示される実施形態を実現できる車両の1つの実施形態を例示している。
図2A】開示される主題に係る、一体化ドッキングポートを有する車両の1つの実施形態を例示している。
図2B】開示される主題に係るドッキングシステムの1つの実施形態を例示している。
図3】開示される主題に係る輸送装置共有システムの例としての実現形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
使用(例えば、レンタル)のために利用可能な複数の輸送装置と、輸送装置を保持できる一体化ドッキングポートを有する複数の車両を含んでいる輸送装置(例えば、最終マイル車両)共有システムと関連付けられているシステム、方法、および他の実施形態が開示される。最終マイル車両に対する従来のドッキングステーションは固定式であり、従って、位置の需要フローにおける変化に応答するためには適切でない。つまり、所与の領域全体にわたる、異なる時間での異なる位置における需要ピークのポケット(pockets)として、ピーク位置に従来のドッキングステーションが存在していない場合、需要は満たされないままとなり、潜在的ユーザは、他の輸送モードに頼らざるを得なくなる。
【0011】
開示される輸送装置システムは、多くの領域には、規則的にその領域を通過する車両(例えば、自動車、バス)があり、そのため、如何なる従来のドッキングステーションの近くではない多くのニッチ領域(niche areas)においてその領域がアクティブであるという事実を利用する。従って、開示される輸送装置共有システムは、多数の個人所有の車両または既存の車両ネットワーク(例えば、自動車の相乗り、バス路線など)を、レンタルおよび/または共有輸送装置に対する新しいタイプのドッキングステーションの配給を実現するために配置できる。開示される輸送装置共有システムの一部である配給車両は、1つ以上の一体化ドッキングポートを含んでいる。
【0012】
ここにおいて使用されているような「ドッキングポート」は、レンタル輸送装置を保持でき、そしてある場合には再充電できる格納ユニットである。実現形態においては、ドッキングポートは、配給車両の外部からアクセス可能な配置で、関与している配給車両上に設置されるか、または配給車両に一体化されており、それにより、一般の人の中の所望するメンバーが、配給車両自身の内部へのアクセスを必要とせずに、ドッキングポートから輸送装置を取り出すことを可能にする。このようにして、固定位置に留まり、需要フローに応答できないというのではなく、開示されるドッキングポートは規則的に可動であることができ、領域における種々のニッチ領域に輸送可能であり、それにより、取り出しのための輸出装置および返却のための空いているドッキングポート両者の利用可能性を大幅に増大する。
【0013】
上記で触れたように、開示される輸送装置共有システムは、自動車の相乗りシステムやバス路線のような、既存の旅客輸送システムに組み入れることができる。これらの実現形態においては、乗客は、1つの輸送システムから容易に出ることができ、そして、乗客の移動の「最終マイル」のための別の輸送システムに直接乗り換えることができる。例えば、バスの乗客はバスを降りることができ、バスの前部の一体化ドッキングポートからスクータを取り出して、乗客の移動の残りの部分をスクータで継続できる。到着すると、下記に示されるように、開示される輸送装置共有システムは、最も近くの空いているドッキングポートの位置を決定する方法を提供する。
【0014】
自動車の相乗りシステムの自然な広がり、およびあちらこちらに動き回る性質により、ユーザは、一般的にランダムな場所(例えば、道路に駐車している、空いている自動車の相乗り配給車両などの場所)において、配給車両上の空いているドッキングポートの位置をより高い可能性を伴って見つけることになり、それにより、輸送装置の返却を非常に容易にする。追加的特徴は、下記に検討されるように、開示される輸送装置共有システムの実現可能性と運用ロジスティックスを更に増大できる。
【0015】
図1を参照すると、開示される一体化ドッキングポートを組み入れることができる配給車両100(以降、車両100)の例が示されている。ここにおいて使用されているような「車両」とは、一般的には、人間、動物、品物などを移動させるために使用される輸送の任意の形状のことである。例えば、1つ以上の実現形態においては、車両100は自動車である。簡潔性のために、配置は、一般的に自動車に関してここにおいて記述されるが、開示される主題の範囲は自動車に制限されず、バスおよび他のタイプの車両を含むことができるということは理解されるべきである。
【0016】
図1に示されているように、車両100は多数の要素を含んでいる。種々の実施形態においては、車両100は、図1に示されている要素のすべてを必ずしも含まなくてもよいということは理解されるべきである。車両100は、図1に示されている種々の要素の任意の組み合わせを有することができる。更に、車両100は、図1に示されている要素に加えて、他の要素を有することができる。幾つかの配置においては、車両100は、図1に示されている要素の1つ以上なしで実現できる。種々の要素は、図1において車両100内に位置するものとして示されているが、これらの要素の1つ以上は、車両100の外部に位置できるということは理解されるべきである。更に、示されている要素は、相当な距離だけ物理的に離すことができる。
【0017】
車両100の可能な要素の幾つかが図1に示されており、それらは、後続する図と共に記述される。しかし、図1における要素の多くのより詳細な記述は、この記述における簡潔性の目的のために、図1から図3の検討の後に提供される。例示の簡潔性および明確性のために、適切な場合は、参照番号を異なる図面において、対応する、または類似要素を示すために繰り返えされている。加えて、検討では、ここにおいて記述される実施形態の完全な理解を提供するために多くの特定の詳細の概要を述べるが、当業者は、ここにおいて記述される実施形態は、これらの要素の種々の組み合わせを使用して実践できるということを理解するであろう。
【0018】
何れにしても、車両100は、輸送装置へのアクセスを提供すること、輸送装置の在庫および位置の追尾において支援すること、輸送装置を充電および監視すること、および他の機能に関連して、ここにおいて開示されるような方法および他の機能を実行するために実現される一体化ドッキングポート150を含んでいる。記述した機能および方法は、図の下記の検討においてより明白になるであろう。
【0019】
図2Aは、図1の車両100の1つの実現形態を示している。車両100は、例えば、例示されている実現形態においては、折り畳み可能スクータである、輸送装置200を収容して格納するように構成されている一体化ドッキングポート150を含んでいる。ドッキングポート150は、車両100の後ろ側に配置されて示されているが、開示される主題は、この特別な構成に制限されない。ドッキングポート150は、車両100の外部側からアクセス可能な、例えば、車両100の上側(屋根)、後ろ側の幅に沿って、または他の場所のような、車両100の他の部分に移すことができ、または一体化することができる。更に、単一のドッキングポート150が示されているが、車両100は、2つ以上のドッキングポート150を含むことができる。
【0020】
ドッキングポート150は、一般的に、輸送装置200を保管するための保管機構210を含んでいる。1つ以上の実施形態においては、保管機構210は、ドッキングポート150内に格納されている輸送装置200へのアクセスを制御するために開閉するように構成されている仕切り区画のドアとして実現される。しかし、他の実施形態においては、ドッキングポート150および保管機構210は、輸送装置200の異なるタイプまたはサイズに適合できる。例えば、輸送装置200が自転車である実現形態においては、ドッキングポート150はラックとして実現でき、保管機構210は、ラッチ、ロック、ブレース、または、輸送装置200をドッキングポート150に(またはその中に)保管できる他のタイプの機構として実現できる
【0021】
図2Aに示されているように、ドッキングポート150は、輸送装置200を借りたい、または得たいと所望するユーザから入力を受信するための入力装置220も含むことができる。入力装置220としては、例えば、カードリーダー、チップリーダー、近距離通信(NFC)リーダー、無線通信装置、タッチスクリーン、キーパッド、コインスロット、ドルフィーダー、または他のタイプの入力装置を挙げることができる。一般的に、入力装置220は、多数の方法の何れかにおいて、ユーザが、保管機構210を解除して、それにより輸送装置200を得るために、レンタルまたはチェックアウト処理(check-out transaction)を完了することを可能にするように構成できる。
【0022】
ドッキングポート150は、ドッキングシステムの一部として、車両100と電子的且つ機能的に一体化できる。下記で分かるように、ドッキングシステムは、開示される輸送装置共有システムの種々の特徴を提供するために、ドッキングポート150および車両100の両者における構成要素を利用できる。
【0023】
図2Bは、開示される輸送装置共有システムのドッキングシステム230の1つの実施形態のブロック図を示している。ドッキングシステム230は、図2Bに例示されている構成要素に加えて、他の構成要素を含むことができるということは理解されるべきである。図2Bに示されているように、1つの実施形態においては、ドッキングシステム230は、ドッキングポート150、ドッキングポート150に接続され、格納された装置を再充電するための電力供給源として使用できるバッテリ290(例えば、車両100のバッテリ)、通信装置280、モジュール260と270を格納しているメモリ255、モジュール260と270に従って命令を実行するプロセッサ110、および、ドッキングポート150のステータスを示すステータスデータ240と、ドッキングポート150に格納されている輸送装置200の種々の構成要素の機能のレベルを示すメインテナンスデータ250を格納しているデータベース119を含んでいる。
【0024】
バッテリ290は、車両バッテリ、例えば、カーバッテリであることができ、または、別個に充電され、ドッキングポート150との使用を指定されている別個のバッテリであることができる。
【0025】
ドッキングシステム230は、図1の車両100からのプロセッサ110およびデータベース119を含んで示されている。従って、プロセッサ110はドッキングシステム230の一部であってよく、ドッキングシステム230は、車両100のプロセッサ110とは別個のプロセッサを含むことができ、または、ドッキングシステム230は、車両100との無線通信を通して、または、他の通信経路を通してプロセッサ110にアクセスできる。例えば、1つ以上の実施形態においては、ドッキングシステム230は通信装置280を介して、種々のシステム、および車両100の電子制御ユニット(ECU)と通信できる。
【0026】
通信装置280は、例えば、下記に制限はされないが、IEEE820.11および/またはBluetooth(登録商標)を含む1つ以上の無線通信規格に従って動作するために必要な無線トランシーバおよび他の構成要素を含んでいる無線通信システムとして実現できる。ドッキングシステム230の一部、または車両100の一部であってよい通信装置280は、無線でデータ(例えば、在庫データ、位置データ、充電データなど)を、システムサーバ、クラウド系サーバ、または可動演算装置のような外部受信機に送信するように構成されている。
【0027】
メモリ255は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または、モジュール260、270を格納するための他の適切なメモリである。モジュール260、270は、例えば、プロセッサ110により実行されるとプロセッサ110に、ここにおいて開示される種々の機能を実行させるコンピュータ読取り可能命令により構成できる。
【0028】
ドッキングシステム230は、それぞれが下記において更に記述される、ステータスデータ240およびメインテナンスデータ250を格納できるデータベース119を含んでいる。データベース119は、1つの実施形態においては、車両100データ格納装置(data store)115、クラウド系格納装置、リムーバブルメモリ装置、または、制御モジュール270がアクセス可能な他の適切な位置などのような、メモリ255または他のデータ格納装置において格納される電子データ構造体として構成される。データベース119は、格納データを解析し、格納データを内部および外部システムに提供し、格納データを編成/最適化するなどのためにプロセッサ110により実行できるルーチンと共に構成される。そのため、1つの実施形態においては、データベース119は、種々の機能を実行するときに制御モジュール270により使用される上記のデータを(他のデータと共に)格納している。
【0029】
ステータスデータ240は、ドッキングポート150のステータスを示すデータ形式である。ステータスデータは、ドッキングポート150の在庫情報および充電状態、つまり、例えば、ドッキングポート150は空かどうか、または、十分に充電されている輸送装置200を格納しているかどうか、または、半分充電されている輸送装置200を格納して再充電しているかどうかなどを含むことができる。ステータスデータ240は、タイムスタンプ(日時)を付けることができ、それにより、車両100の履歴在庫フローを保存する。従って、ステータスデータ240を見直すことにより、所与の車両100において、処理事象(つまり、取出しまたは返却)がどのくらいの頻度で起こるかを決定できる。
【0030】
ステータスモジュール260は、ステータスデータ240を定期的に、および/または、処理事象が起きたときに更新できる。例えば、1つのシナリオにおいては、ユーザは、午前8時15分に車両100に接近でき、ドッキングポート150上でレンタル処理を実行でき、輸送装置200を取り出すことができる。ステータスモジュール260は、この事象およびこの事象が起きた日付/時間、およびこの事象に関連する他の情報を反映するためにステータスデータ240を更新できる。例えば、1つ以上の実施形態においては、ステータスモジュール260は、ステータスデータ240の最新情報において、車両100の位置も含むこともできる。下記に検討されるように、車両センサ121(図1)は、位置データおよび/または座標データをステータスモジュール260に提供できる全地球測位システム(GPS)を含むことができる。そのため、ステータスデータ240の最新情報は、取出し/返却処理事象の時間と位置の両者を示すことができ、より一般的には、ドッキングポート150と車両100の位置を示すことができる。
【0031】
幾つかの実現形態においては、輸送装置200は、自転車のような、人間の力で動く最終マイル車両であってよいが、他の実現形態においては、輸送装置は、電気スクータのような動力付き最終マイル装置であってよい。充電を必要とする輸送装置200に対しては、装置200がドッキングポート150に返却されたときに、例えば、バッテリの充電量が低いときは、ステータスモジュール260は、その返却を反映するためにステータスデータ240を更新でき、そして、ドッキングポート150は、輸送装置200を充電しているということを示すために、定期的にステータスデータ240を更新できる。ステータスデータ240を最新に保つことは、開示される輸送装置共有システムのユーザが、ユーザの要求を満たすドッキングポート150を搬送している車両100の位置を探すことにおいて支援できるということが分かる。
【0032】
ドッキングポート150を監視するステータスモジュール260に加えて、メインテナンスモジュール270は、ドッキングポート150に収容される輸送装置200についての診断チェックを実行できる。診断チェックは、収容される輸送装置200のタイプに合わせることができる。例えば、電気スクータに対しては、診断チェックは、バッテリ容量、現在のバッテリ充電状態、およびタイヤ圧を決定することを含むことができる。メインテナンスモジュール270は、診断チェックの結果をメインテナンスデータ250として格納できる。
【0033】
ドッキングシステム230は、開示される輸送装置共有システムが、現在格納されている輸送装置の在庫、位置、およびステータスを追尾することを可能にするように、ステータスデータ240とメインテナンスデータ250を、中央サーバまたはクラウド系サーバに送信できる。輸送装置共有システムは、例えば、ウェブサイトまたはアプリケーションのようなユーザインタフェースを介して、ユーザに、このデータへのアクセスを提供できる。
【0034】
図3は、開示される輸送装置共有システム300に対する、例としての使用ケースを示している。上述したように、システム300は、複数の配給車両301、303を含んでおり、各配給車両は、ドッキングポート302、304、および外部受信機、つまり、ドッキングポート302、304の在庫と位置を追尾し、システム300内の輸送装置200のメインテナンスステータスを追尾する中央システムサーバ305を有している。
【0035】
輸送装置200を得たいと所望するユーザ310は、未知の最も近くの輸送装置200の位置に対するリクエストをシステムサーバ305に送るために、演算装置を使用できる。1つの実現形態においては、ユーザは、リクエスト情報をシステムサーバ305に送信するように構成されているアプリケーションにリクエストを入力できる。リクエストは、位置、および、ユーザの識別情報、ユーザが求めている輸送装置200のタイプ、好適な充電レベルなどのような他の情報を含むことができる。システムサーバ305は、1つ以上の利用可能な輸送装置200の位置および充電レベルで応答できる。例えば、1つの使用ケースでは、システムサーバ305は、ステータスデータの最新情報に基づいて、車両301上のドッキングポート302は、完全に充電された輸送装置200を保持しており、それは、ユーザ310に現在最も近いドッキングポートであると決定できる。
【0036】
1つ以上の実施形態においては、ユーザは、システムサーバが予約するための輸送装置200を選択できる。システムサーバは、アクセスコードで応答でき、または、ユーザが、ドッキングポート、例えば、ドッキングポート302から予約した輸送装置200を取り出すことを可能にするタイプのキー(例えば、ユーザIDと関連付けられている)を実現できる。
【0037】
他の実施形態においては、開示される輸送装置共有システムのドッキングポートは、予約なしでアクセス可能であるが、輸送装置200へのアクセスを得るためには、ユーザが支払/識別情報をドッキングポートに入力することだけは必要である。何れにしても、前述したように、ユーザがドッキングポート150から輸送装置200を取り出すと、対応するステータスモジュール260はステータスデータ240を更新でき、更新されたステータスデータ240を、追尾の目的にために、システムのサーバ(例えば、サーバ305)に送信できる。
【0038】
図3の使用ケースを続けると、ユーザ310が輸送装置200を使用することを終了すると、ユーザ310は、返却リクエストをシステムサーバ305に送ることができ、輸送装置200を返却するための、ユーザ310の位置に最も近くの空いているドッキングポートの位置を要求する。これに応答して、例えば、システムサーバ305は、ドッキングポート304は占有されておらず、現在は、ユーザ310に最も近くの占有されていないドッキングポートであると決定できる。システムサーバ305は、占有されていないドッキングポート304の位置をユーザに送信できる。ユーザ310は、返却のためのドッキングポート304を選択でき、システムサーバ305は、車両303の運転手に、ユーザ310が、輸送装置を返却するために向かっている途中であることを通知できる。通知は、例えば、車両303のインタフェースディスプレイ上に、または、運転手にテキストのメッセージで、などのように提供できる。ユーザ310は、輸送装置200をドッキングポート304に返却することを更に継続でき、それに応答して、ドッキングポート304のステータスモジュール260はステータスデータ240を更新でき、メインテナンスモジュール270は、返却された輸送装置200の診断チェックを開始でき、メインテナンスデータ250を更新できる。
【0039】
サーバ305は、ドッキングポート302、304などから、例えば、時差的スケジュールでメインテナンスデータ250を定期的に要求できる。メインテナンスデータ250が、何らかの動作または機能不全が検出されたことを示している場合、サーバ305は、修理のためにローテーションから外すために、対応する輸送装置200にマークを付けることができ、職員を装置200の回収のために送ることができ、または、装置200の引き渡しを要求する通知を、対応する運転手に送ることができる。
【0040】
そのため、開示される輸送装置共有システム300は、最終マイル車両をニッチ領域に供給する可能性を増大し、それに対応して、ニッチおよび遠隔地領域において返却地点を提供する可能性を増大する、最終マイル車両に対する高度に向上された配給ネットワークを提供できる。個人車両、相乗り車両、および公共旅客輸送車両における一体化ドッキングポートは、所与の領域、例えば、都市または町全体にわたり、近接需要(ドッキングポートなどが近接した場所にあって欲しいという要求)における上昇に本質的に追従できる自然の流れを実現する。更に、開示されるシステムは、故障している装置に対処することを確実にするために、メインテナンスデータを定期的に収集することにより、向上された品質チェックを提供する。これらの特徴は、開示される輸送装置共有システムのユーザに、車両は良好な動作状態において利用可能であり、車両を適切なポートに返却することは相対的に容易であるという、より高い信頼と確信を与える。
【0041】
ここで図1を、ここにおいて開示されるシステムおよび方法が動作できる、例としての環境として、十分詳細に検討する。前記に説明したように、車両100は、1つ以上のプロセッサ100を含むことができる。1つ以上の配置においては、プロセッサ110は、車両100のメインプロセッサであることができる。例えば、プロセッサ110は、電子制御ユニット(ECU)であることができる。車両100は、1つ以上のタイプのデータを格納するための1つ以上のデータ格納装置115を含むことができる。データ格納装置115は、揮発性および/または不揮発性メモリを含むことができる。適切なデータ格納装置115の例としては、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(リードオンリメモリ)、PROM(プログラマブルリードオンリメモリ)、EPROM(消去可能型プログラマブルリードオンリメモリ)、EEPROM(電気的消去可能型プログラマブルリードオンリメモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、または任意の他の適切な格納媒体、または、それらの任意の組み合わせが挙げられる。データ格納装置115は、プロセッサ110の構成要素であることができ、または、データ格納装置115は、プロセッサ110による使用のために、プロセッサ110に機能的に接続できる。この記述を通して使用されているような「機能的に接続されている」という用語は、直接物理的接触のない接続を含む、直接または間接的接続を含むことができる。
【0042】
1つ以上の配置においては、1つ以上のデータ格納装置115はデータベース119(図2)を実現でき、マップデータ116を更に含むことができる。マップデータ116は、1つ以上の地形領域のマップを含むことができる。幾つかの例においては、マップデータ116は、1つ以上の地形領域における、道路、交通制御装置、道路標識、構造物、特徴、および/または目印についての情報またはデータを含むことができる。マップデータ116は、任意の適切な形状であることができる。幾つかの例においては、マップデータ116は領域の空中写真を含むことができる。幾つかの例においては、マップデータ116は、360度の地上写真を含む、領域の地上写真を含むことができる。マップデータ116は、マップデータ116に含まれている1つ以上の事項に対する、および/または、マップデータ116に含まれている他の事項に対する測定値、寸法、距離、および/または情報を含むことができる。マップデータ116は、道路の相対的位置についての情報を備えているデジタルマップを含むことができる。マップデータ116は、高品質および/または高詳細であることができる。
【0043】
上記のように、車両100はセンサシステム120を含むことができる。センサシステム120は、1つ以上のセンサを含むことができる。「センサ」は、何かを検出および/または感知できる任意の装置、構成要素および/またはシステムを意味する。1つ以上のセンサは、リアルタイムで検出および/または感知するように構成できる。ここにおいて使用されているような「リアルタイム」という用語は、ユーザまたはシステムが、特別なプロセスまたは行われるべき決定に対して十分に迅速であると感じる、または、プロセッサが、ある外部のプロセスに遅れないでついていくことを可能にする処理応答性のレベルを意味している。
【0044】
センサシステム120が複数のセンサを含んでいる配置においては、センサは、互いに独立して動作できる。または、センサの2つ以上は、互いに組み合せて動作できる。そのような場合、その2つ以上のセンサは、センサネットワークを形成できる。センサシステム120および/または1つ以上のセンサは、プロセッサ110、データ格納装置115、および/または、車両100の他の要素(図1に示されている要素の何れをも含む)に機能的に接続できる。センサシステム120は、車両100の外部環境(例えば、近くの車両)の少なくとも一部のデータを取得できる。
【0045】
センサシステム120は、任意の適切なタイプのセンサを含むことができる。異なるタイプのセンサの種々の例をここにおいて記述する。しかし、実施形態は、記述される特別なセンサに制限されないということは理解されるであろう。センサシステム120は、1つ以上の車両センサ121を含むことができる。車両センサ121は、車両100自身についての情報を検出、決定および/または感知できる。1つ以上の配置においては、車両センサ121は、例えば、慣性加速度に基づいてのように、車両100の姿勢および向きの変化を検出および/または感知するように構成できる。1つ以上の配置においては、車両センサ121は、1つ以上の加速度計、1つ以上のジャイロスコープ、慣性測定ユニット(IMU)、推定航法システム、全地球的航法衛星システム(GNSS)、全地球測位システム(GPS)、および/または他の適切なセンサを含むことができる。車両センサ121は、車両100の1つ以上の特性を検出および/または感知するように構成できる。1つ以上の配置においては、車両センサ121は、車両100の現在の速度を決定するための速度計を含むことができる。1つ以上の実施形態においては、車両センサからのデータは、例えば、追加的タイプの位置データを有するステータスデータ240を増大させるために、開示されるドッキングシステム230に対する補完的データとして使用できる。
【0046】
代替的に、または追加的に、センサシステム120は、運転環境データを取得および/または感知するように構成されている1つ以上の環境センサ122を含むことができる。「運転環境データ」は、自律車両が位置している外部環境、またはその1つ以上の部分についてのデータまたは情報を含んでいる。例えば、1つ以上の環境センサ122は、車両100の外部環境の少なくとも一部における障害物、および/または、そのような障害物について情報/データを検出、定量、および/または感知するように構成できる。そのような障害物は、静的障害物および/または動的障害物である可能性がある。1つ以上の環境センサ122は、車両100の外部環境における、例えば、車線マーカ、標識、交通信号機、交通標識、車線、横断歩道、車両100に近接している縁石、オフロード対象物などの他の物を検出、測定、定量、および/または感知するように構成できる。
【0047】
車両100は、入力システム130を含むことができる。「入力システム」は、情報/データをマシンに入力させることができる、任意の装置、構成要素、システム、要素または配置、またはそのグループを含んでいる。入力システム130は、車両の乗員(例えば、運転手または乗員)から入力を受信できる。1つ以上の実施形態においては、入力システム130は、例えば、車両100の運転手が、ある期間、車両100に一般の人がアクセスできないようにすることを意図しているため、ドッキングポート150は現在、ローテーションから外れているということを示すためのような、開示されるドッキングシステム230に対する設定を調整するための入力を受信できる。車両100は、出力システム135を含むことができる。「出力システム」は、情報/データを、車両の乗員(例えば、人間、車両の乗員など)に提示させることができる、任意の装置、構成要素、または配置、またはそのグループを含むことができる。出力システム135は、開示されるドッキングシステム230からの通知に対する表示先として働くことができる、多数のディスプレイ、モニタ、スクリーンなどを含むことができる。
【0048】
車両100は、1つ以上の車両システム140を含むことができる。車両システム140は、種々のECUにより制御でき、例えば、上記で検討した方法の何れかで、開示されるドッキングシステム230と相互作用できる。1つ以上の車両システム140の種々の例が、図1に示されている。しかし、車両100は、より多い、または、より少ない、または、異なる車両システムを含むことができる。特別な車両システムは別個に定義されているが、そのシステムまたはその部分のそれぞれ、または何れをも、車両100内のハードウェアおよび/またはソフトウェアを介して、違うように組み合わせること、または分離することができるということは認識されるべきである。車両100は、推進システム141、制動システム142、操舵システム143、スロットルシステム144、トランスミッションシステム145、信号システム146、および/またはナビゲーションシステム147を含むことができる。これらのシステムのそれぞれは、現在知られている、または後日開発される、1つ以上の装置、構成要素、および/またはその組み合わせを含むことができる。
【0049】
ナビゲーションシステム147は、車両100の地形的位置を決定し、および/または、車両100に対する走行ルートを決定するように構成されている、現在知られている、または後日開発される、1つ以上の装置、アプリケーション、および/またはその組み合わせを含むことができる。ナビゲーションシステム147は、車両100に対する走行ルートを決定するための1つ以上のマッピングアプリケーションを含むことができる。ナビゲーションシステム147は、全地球測位システム、局所測位システム、またはジオロケーション(地理的位置特定)システムを含むことができる。
【0050】
プロセッサ110および/またはドッキングシステム230は、種々の車両システム140および/またはその個々の構成要素と通信するために機能的に接続できる。例えば、図1に戻ると、プロセッサ110および/またはドッキングシステム230は、種々の車両システム140に/種々の車両システム140から、情報を送るために/情報を受信するために通信状態であることができる。
【0051】
車両100は、1つ以上のアクチュエータ170を含むことができる。アクチュエータ170は、プロセッサ110からの信号または他の入力の受信に応答して、車両システム140またはその構成要素の1つ以上を修正、調整、および/または変更するように動作できる任意の要素または要素の組み合わせであることができる。任意の適切なアクチュエータを使用できる。例えば、1つ以上のアクチュエータ170は、いつかの可能性を挙げれば、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイド、および/または圧電アクチュエータを含むことができる。
【0052】
上記したように、車両100は、車両100および/またはドッキングポート150に対する動力供給源として使用できるバッテリ290を含むことができ、外部演算システム、外部サーバ、可動演算装置などと通信するために使用できる通信装置280を含むことができる。
【0053】
車両100は、1つ以上のモジュールを含むことができ、その少なくとも幾つかは、ここにおいて記述される。モジュールは、プロセッサ110により実行されると、ここにおいて記述される種々のプロセスの1つ以上を実現する、コンピュータ読取り可能プログラムコードとして構成できる。モジュールの1つ以上は、プロセッサ110の構成要素であることができ、または、モジュールの1つ以上は、プロセッサ110が機能的に接続されている他の処理システム上で実行でき、および/または、他の処理システムの間で分散できる。モジュールは、1つ以上のプロセッサ110により実行可能な命令(例えば、プログラムロジック)を含むことができる。代替的に、または追加的に、1つ以上のデータ格納装置115は、そのような命令を含むことができる。
【0054】
1つ以上の配置においては、ここにおいて記述されるモジュールの1つ以上は、例えば、ニューラルネットワーク、ファジーロジック、または他のマシン学習アルゴリズムのような人工または演算知能要素を含むことができる。更に、1つ以上の配置においては、モジュールの1つ以上は、ここにおいて記述される複数のモジュールの間で分散できる。1つ以上の配置においては、ここにおいて記述されるモジュールの2つ以上は、単一のモジュールに組み合わせることができる。
【0055】
詳細な実施形態がここにおいて開示されている。しかし、開示されている実施形態は、例としてのみであることが意図されているということは理解されるべきである。従って、ここにおいて開示される特定の構造および機能の詳細は、制限的に解釈されてはならず、請求項に対する単なる根拠としてであり、および、当業者が、実質的に任意の適切に詳述されている構造において、ここにおける態様を種々に採用するように教示するための代表的な根拠としてである。更に、ここにおいて使用されている用語およびフレーズは、制限的であることは意図されておらず、可能な実現形態の理解可能な記述を提供することが意図されている。種々の実施形態が図1~3に示されているが、実施形態は、例示されている構造または適用に制限されない。
【0056】
図におけるブロック図は、種々の実施形態に係る、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実現形態のアーキテクチャ、機能、および動作を例示している。この点について、ブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実現するための1つ以上の実行可能な命令を備えているモジュール、セグメント、またはコードの部分を表わすことができる。幾つかの代替の実現形態においては、ブロックに記された機能は、図に記されている順序とは異なる順序で起こることができるということにも気付くべきである。例えば、関与する機能によっては、連続して示されている2つのブロックは、実際、実質的に同時に実行でき、または、ブロックは、逆の順序で実行できることもある。
【0057】
上記のシステム、構成要素、および/またはプロセスの種々の態様は、ハードウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにおいて実現でき、および、1つの処理システムにおいて集中的に実現でき、または、異なる要素が、幾つかの相互接続されている処理システムにわたり広がっている分散型において実現できる。ここにおいて記述されている方法を実行するように適合されている任意の種類の処理システムまたは他の装置は適切である。ハードウェアおよびソフトウェアの典型的な組み合わせは、展開されて実行されると、処理システムが、ここにおいて記述されている方法を実行するように処理システムを制御する、コンピュータ使用可能プログラムコードを有する処理システムであることができる。システム、構成要素、および/またはプロセスはまた、マシンが読み取ることが可能で、ここにおいて記述されている方法およびプロセスを実行するために、マシンにより実行可能な命令のプログラムを実体的に含んでいる、コンピュータプログラム製品、または他のデータプログラム格納装置のようなコンピュータ読取り可能格納装置に埋め込むこともできる。これらの要素はまた、ここにおいて記述されている方法の実現形態を可能にするすべての特徴を備え、処理システムにおいて展開されると、これらの方法を実行できるアプリケーション製品に埋め込むこともできる。
【0058】
更に、ここにおいて記述されている構成要素の幾つかの配置は、コンピュータ読取り可能プログラムコードが、例えば、そこに格納されるように含まれている1つ以上のコンピュータ読取り可能媒体に含まれているコンピュータプログラム製品の形状を取ることができる。1つ以上のコンピュータ読取り可能媒体の任意の組み合わせを利用できる。コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータ読取り可能信号媒体、または、コンピュータ読取り可能格納媒体であることができる。「コンピュータ読取り可能格納媒体」というフレーズは、非一時的格納媒体を意味している。コンピュータ読取り可能格納媒体は、例えば、下記に制限されないが、電子的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、または半導体システム、装置、またはデバイス、または、前述の任意の適切な組み合わせであることができる。コンピュータ読取り可能格納媒体のより具体的な例(すべてを網羅しているリストではない)としては、下記を挙げることができる。つまり、携帯型コンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)リードオンリメモリ(ROM)、消去可能型プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、携帯型コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(DVD)、光格納装置、磁気格納装置、または前述の任意の適切な組み合わせを挙げることができる。この文書の状況においては、コンピュータ読取り可能格納媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによる使用のため、またはそれらと接続しての使用のためのプログラムを含むまたは格納することができる任意の実体的な媒体であることができる。
【0059】
一般的に、ここにおいて使用されているようなモジュールは、特別な作業を実行し、または特別なデータタイプを実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含んでいる。更なる態様においては、メモリは、一般的には、上記のモジュールを格納している。モジュールと関連付けられているメモリは、プロセッサ内に埋め込まれているバッファまたはキャッシュ、RAM、ROM、フラッシュメモリ、または他の適切な電子格納媒体であってよい。更なる態様においては、本開示により想定されるようなモジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)のハードウェア構成要素、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、または、開示される機能を実行するための定義された構成セット(例えば、命令)と共に埋め込まれている他の適切なハードウェア構成要素として実現される。
【0060】
コンピュータ読取り可能媒体上に含まれているプログラムコードは、下記に制限されないが、無線、ワイヤ線、光ファイバ、ケーブル、RFなど、または前述の任意の適切な組み合わせを含む、任意の適切な媒体を使用して送信できる。本配置の態様に対する動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語のような、従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせにおいて記述できる。プログラムコードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータ上で全部を実行でき、または、ユーザのコンピュータ上で一部を実行でき、または、ユーザのコンピュータ上で一部、リモートコンピュータ上で一部、または、リモートコンピュータまたはサーバ上で全部を実行できる。後者のシナリオにおいては、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータに接続でき、または、外部コンピュータに接続することができる(例えば、インタ―ネットサービスプロバイダを使用するインターネットを通して)。
【0061】
ここにおいて使用されているような「1つの」という用語は、1つ、または2つ以上として定義されている。ここにおいて使用されているような「複数の」という用語は、2つ、または3つ以上として定義されている。ここにおいて使用されているような「他の」という用語は、少なくとも第2の、またはより多くのものとして定義されている。ここにおいて使用されているような「含んでいる」および/または「有している」という用語は、「備えている」(つまり、開かれている言語)として定義されている。ここにおいて使用されているような「~と~の少なくとも1つ」というフレーズは、関連付けられて列挙されている事項の1つ以上の任意の、および、すべての可能な組み合わせのことであり、それらを含んでいる。例として、「A、B、およびCの少なくとも1つ」というフレーズは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、または、それらの任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BCまたはABC)を含んでいる。
【0062】
ここにおける態様は、その態様の精神または本質的な属性から逸脱することなく他の形状で具現化できる。従って、態様の範囲を示すものとして、前述の明細書ではなく、下記の請求項を参照すべきである。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
輸送装置のためのドッキングシステムを含んでいる車両であって、
前記輸送装置を収容し、前記輸送装置を保管するように適合されているドッキングポートと、
無線でデータを送信および受信するための通信装置と、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに通信可能に結合され、
前記1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、前記輸送装置が前記ドッキングポートに存在しているかどうかを決定させ、前記通信装置に、前記車両の位置を示す位置データと、前記ドッキングポートにおける前記輸送装置の少なくとも有無を示すステータスデータを外部受信機に送信させる命令を含んでいるステータスモジュールを格納しているメモリを備えている、
車両。
〔態様2〕
前記ドッキングポートは、前記車両のバッテリに電気的に接続され、前記バッテリから電力を取り出すように適合され、前記バッテリから取り出した前記電力を使用して、前記輸送装置を再充電するように更に適合されている、態様1の車両。
〔態様3〕
前記ドッキングポートは、前記車両の外部側からアクセス可能である、態様1の車両。
〔態様4〕
前記ステータスモジュールは、前記輸送装置のバッテリ充電レベルを決定し、前記ステータスデータに、充電レベルを示すものを含ませる命令を更に含んでいる、態様1の車両。
〔態様5〕
前記外部受信機は、複数の車両の位置およびステータスを追尾するクラウドサーバである、態様1の車両。
〔態様6〕
前記メモリは、前記1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、前記輸送装置についての診断チェックを実行させ、診断報告書を生成させ、前記通信装置に、前記診断報告書を中央サーバに送信させる命令を含んでいるメインテナンスモジュールを更に格納している、態様1の車両。
〔態様7〕
前記診断報告書は、前記輸送装置のバッテリ容量、タイヤ圧、および現在のバッテリ充電レベルの1つ以上の機能性のレベルを示している、態様6の車両。
〔態様8〕
輸送装置共有システムであって、
それぞれが、輸送装置により占有され得る一体化ドッキングポートを有している複数の車両と、
前記複数の車両と通信し、前記複数の車両から、前記複数の車両の少なくとも1つの位置を示す位置データおよび、前記複数の車両の前記少なくとも1つに対応する前記一体化ドッキングポートが、占有されているか、または空いているかを示す在庫データを受信し、ユーザからのリクエストに応答して、前記位置データおよび前記在庫データを前記ユーザに送信するためのサーバを備えている、
輸送装置共有システム。
〔態様9〕
前記一体化ドッキングポートの1つ以上は、前記1つ以上の輸送装置を、格納されている間に再充電するように構成されており、前記サーバは、前記1つ以上の輸送装置に対して、少なくとも充電レベルを示しているステータスデータを受信するために前記複数の車両と通信する、態様8の輸送装置共有システム。
〔態様10〕
輸送装置システムを管理する方法であって、
ユーザの位置に基づく、輸送装置に対するリクエストを受信することと、
前記リクエストに対する、車両と一体化されたドッキングポートに格納されている少なくとも1つの利用可能な輸送装置の受取り位置および充電レベルを含んでいる応答を送信することと、
前記少なくとも1つの利用可能な輸送装置の選択を受信することと、
前記選択に応答して、前記ユーザが前記少なくとも1つの輸送装置を得ることを許可するアクセスコードを送信することと、
前記少なくとも1つの輸送装置の返却リクエストを受信することと
前記返却リクエストに応答して、車両と一体化された、占有されていないドッキングポートの位置を送信することと、
前記少なくとも1つの輸送装置を、前記占有されていないドッキングポートにおいて収容すること、
を含んでいる、方法。
図1
図2A
図2B
図3