(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】駐車処理のための方法、システム、装置及び車両コントローラ
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20231109BHJP
B60W 50/00 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W50/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020159517
(22)【出願日】2020-09-24
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】202010067384.4
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ヂャオ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン, ヂェンツァオ
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ツォン
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ, ジェンボ
(72)【発明者】
【氏名】チォン, フーリン
【審査官】竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-001679(JP,A)
【文献】特開2015-135677(JP,A)
【文献】特開2002-331882(JP,A)
【文献】特開2020-009412(JP,A)
【文献】特開2019-131177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両コントローラにおけるリクエスタオペレーティングシステムにより実行される駐車処理のための方法であって、
レシーバオペレーティングシステムに対し、クロック同期要求メッセージを少なくとも2回送信するステップであって、前記クロック同期要求メッセージは、リクエスタオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ送信時刻を含む、ステップと、
前記レシーバオペレーティングシステムからのクロック同期フィードバックメッセージを取得するステップであって、前記クロック同期フィードバックメッセージは、レシーバオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ受信時刻を含む、ステップと、
少なくとも2回のクロック同期のメッセージ受信時刻及びメッセージ送信時刻に基づいて、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定するステップであって、前記システム時間基準偏差は、駐車システムにおける感知モジュール以外の他のモジュールが、前記感知モジュールから取得した感知結果データ、及び、前記システム時間基準偏差に基づいて、車両を制御するために用いられる、ステップと、
を含み、
前記駐車システムは、車両コントローラ内に配置され、前記感知モジュールは、前記車両コントローラ内の第1のオペレーティングシステムに配置され、前記他のモジュールは、前記車両コントローラ内の第2のオペレーティングシステムに配置され、前記レシーバオペレーティングシステムは、前記第1のオペレーティングシステムである、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも2回のクロック同期におけるメッセージ受信時刻及びメッセージ送信時刻に基づいて、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定するステップは、
少なくとも2回のクロック同期のそれぞれについて、前記メッセージ受信時刻と前記メッセージ送信時刻との間の時間差を決定するステップと、
少なくとも2回のクロック同期の時間差のうちの最小の時間差を、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差とするステップと、
を含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定した後、
前記レシーバオペレーティングシステムから送信されたターゲットデータメッセージを取得するステップであって、前記ターゲットデータメッセージはレシーバオペレーティングシステムの時間基準に基づくターゲットデータの送信時刻を含む、ステップと、
前記システム時間基準偏差と前記ターゲットデータの送信時刻に基づいて、リクエスタオペレーティングシステムの時間基準に基づくターゲットデータの送信時刻を決定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記リクエスタオペレーティングシステムは、QNXオペレーティングシステムであり、前記レシーバオペレーティングシステムは、アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムである
ことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
車両コントローラに配置されたリクエスタオペレーティングシステムに配置される駐車処理のための装置であって、
レシーバオペレーティングシステムに対し、クロック同期要求メッセージを少なくとも2回送信するように構成されるメッセージ送信モジュールであって、前記クロック同期要求メッセージは、リクエスタオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ送信時刻を含む、モジュールと、
前記レシーバオペレーティングシステムからのクロック同期フィードバックメッセージを取得するように構成されるメッセージ取得モジュールであって、前記クロック同期フィードバックメッセージは、レシーバオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ受信時刻を含む、モジュールと、
少なくとも2回のクロック同期のメッセージ受信時刻及びメッセージ送信時刻に基づいて、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定するように構成される基準偏差決定モジュールであって、前記システム時間基準偏差は、駐車システムにおける感知モジュール以外の他のモジュールが、前記感知モジュールから取得した感知結果データ、及び、前記システム時間基準偏差に基づいて、車両を制御するために用いられる、基準偏差決定モジュールと、
を備え、
前記駐車システムは、車両コントローラ内に配置され、前記感知モジュールは、前記車両コントローラ内の第1のオペレーティングシステムに配置され、前記他のモジュールは、前記車両コントローラ内の第2のオペレーティングシステムに配置され、前記レシーバオペレーティングシステムは、前記第1のオペレーティングシステムである、
ことを特徴とする駐車処理装置。
【請求項6】
コンピュータプログラムであって、プロセッサに実行されると、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の方法を実現させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、高度道路交通の技術分野に関し、特に、自律駐車の技術分野に関し、具体的には、駐車処理のための方法、システム、装置及び車両コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の進歩に伴い、自動駐車及び自動バレーパーキングの実行可能性が高くなっている。
【0003】
現在、APA(Automatic Parking Assist)及びAVP(Automated Valet Parking)の適用には、APA及びAVPのためのソフトウェアシステムを搭載する一組の外部ハードウェアを追加することが最も常用される手段である。当該手段では、車両自体のシステムとデカップリングすることができる一方、追加されるハードウェアのコストは、総売価の80%以上を占めるため、車両のコストが高くなる。
【0004】
よって、車載システム自身の既存のハードウェアにより、APAおよびAVPを利用することにより、利用コストを低減しつつ、既存の車載リソースを最大限に利用できる方案が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、駐車処理のための方法、システム、装置及び車両コントローラを開示する。本願によれば、駐車システムのコストを低下させ、既存の車載リソースを最大限に利用でき、ハードウェアの追加を必要としないので追加のハードウェアによる取り付けコストを低減し、システムの複雑度を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、車両コントローラに配置された駐車システムにより実行される、駐車処理のための方法であって、前記駐車システムは、前記車両コントローラ内の第1のオペレーティングシステムに配置された感知モジュールと、前記車両コントローラ内の第2のオペレーティングシステムに配置された、前記感知モジュール以外の他のモジュールと、を備え、前記方法は、前記感知モジュールが、画像収集装置により収集された画像を処理し、感知結果データを得るステップと、前記他のモジュールが、前記感知モジュールから取得した感知結果データに基づいて、車両を制御するステップと、を含む方法を提供する。
【0007】
本願に係る上記の実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。感知モジュールを第1のオペレーティングシステムに配置し、他のモジュールを第2のオペレーティングシステムに配置し、第1のオペレーティングシステムと第2のオペレーティングシステムとが協同動作することにより、駐車システムは、既存の車載リソースを利用して自律駐車を実現することができ、外部ハードウェアを追加する必要がなく、コストを低減する。
【0008】
選択的に、前記第1のオペレーティングシステムと、前記第2のオペレーティングシステムとは、共有メモリ領域を有し、前記感知モジュールと前記他のモジュールとは前記共有メモリ領域を介してデータ交換を行う。
【0009】
本願に係る上記の実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。第1のオペレーティングシステムと第2のオペレーティングシステムとが共有メモリ領域を有することで、データ転送速度を向上させる。
【0010】
選択的に、前記第1のオペレーティングシステムが、前記共有メモリ領域から、超音波データを含む画像を取得するために、前記共有メモリ領域は、第2のオペレーティングシステムから、超音波データを含む画像を取得することに用いられる。
【0011】
本願に係る上記の実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。超音波データにより、車両が周囲の障害物情報を取得することができ、超音波データを画像に描画することで、車両が画像における障害物を認識した後に周囲環境に基づいて車両の走行を制御することができる。
【0012】
選択的に、前記第2のオペレーティングシステムに、サラウンドビューモニタリングシステムがさらに配置され、前記感知モジュール又は前記サラウンドビューモニタリングシステムが、前記共有メモリ領域から前記画像を取得するために、前記共有メモリ領域は、画像収集装置が収集した画像を保存するために用いられる。
【0013】
本願に係る上記の実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。サラウンドビューモニタリングシステムは、車両周辺の障害物を取得することができ、車両が安全に走行するように制御することができる。
【0014】
選択的に、前記第1のオペレーティングシステムは、アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムであり、前記第2のオペレーティングシステムはQNXオペレーティングシステムである。
【0015】
本願に係る上記の実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムは、感知モジュールのディープランニングをサポートできる一方、QNXオペレーティングシステムは、運転安定性が優れることとなり、デュアルシステムの形式により、車載された既存のリソースを利用して自律駐車を行う目的を達成することができる。
【0016】
第2態様において、車両コントローラにおけるリクエスタオペレーティングシステムにより実行される駐車処理のための方法であって、レシーバオペレーティングシステムに対し、クロック同期要求メッセージを少なくとも2回送信するステップであって、前記クロック同期要求メッセージは、リクエスタオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ送信時刻を含む、ステップと、前記レシーバオペレーティングシステムからのクロック同期フィードバックメッセージを取得するステップであって、前記クロック同期フィードバックメッセージは、レシーバオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ受信時刻を含む、ステップと、少なくとも2回のクロック同期のメッセージ受信時刻及びメッセージ送信時刻に基づいて、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定するステップと、を含む方法を提供する。
【0017】
本願に係る上記の実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。システム時間基準偏差を決定することにより、車両がより正確な駐車制御指令を出すことができる。
【0018】
選択的に、少なくとも2回のクロック同期におけるメッセージ受信時刻及びメッセージ送信時刻に基づいて、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定するステップは、少なくとも2回のクロック同期のそれぞれについて、前記メッセージ受信時刻と前記メッセージ送信時刻との間の時間差を決定するステップと、少なくとも2回のクロック同期の時間差のうちの最小の時間差を、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差とするステップと、を含む。
【0019】
本願に係る上記の実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。時間差のうちの最小の時間差をシステム時間基準偏差とすることにより、クロック同期におけるメッセージ遅延の時間をシステム時間基準偏差として扱ってしまうことを効果的に回避することができる。
【0020】
選択的に、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定した後、上記方法は、前記レシーバオペレーティングシステムから送信されたターゲットデータメッセージを取得するステップであって、前記ターゲットデータメッセージはレシーバオペレーティングシステムの時間基準に基づくターゲットデータの送信時刻を含む、ステップと、前記システム時間基準偏差と前記ターゲットデータの送信時刻に基づいて、リクエスタオペレーティングシステムの時間基準に基づくターゲットデータの送信時刻を決定するステップと、をさらに含む。
【0021】
本願に係る上記の実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。リクエスタオペレーティングシステムのシステム時間基準に基づくターゲットデータ送信の正確な時刻を決定することにより、自律駐車における制御指令送信の正確性を向上させる。
【0022】
選択的に、前記リクエスタオペレーティングシステムは、QNXオペレーティングシステムであり、前記レシーバオペレーティングシステムは、アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムである。
【0023】
上記出願における一つの実施例は以下の利点又は有益な効果を有する。QNXオペレーティングシステムから送信されたターゲットデータ送信時刻を決定することができ、デュアルシステムによる制御車両の正確性を向上させる。
【0024】
第3態様において、駐車システムであって、車両コントローラ内の第1のオペレーティングシステムに配置された感知モジュールと、前記車両コントローラ内の第2のオペレーティングシステムに配置された、前記感知モジュール以外の他のモジュールと、を備え、前記感知モジュールは、画像収集装置により収集された画像を処理し、感知結果データを得るように構成され、前記他のモジュールは、前記感知モジュールから取得した感知結果データに基づいて、車両を制御するように構成される、駐車システムを提供する。
【0025】
第4態様において、車両コントローラに配置されたリクエスタオペレーティングシステムに配置される駐車処理のための装置であって、レシーバオペレーティングシステムに対し、クロック同期要求メッセージを少なくとも2回送信するように構成されるメッセージ送信モジュールであって、前記クロック同期要求メッセージは、リクエスタオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ送信時刻を含む、モジュールと、前記レシーバオペレーティングシステムからのクロック同期フィードバックメッセージを取得するように構成されるメッセージ取得モジュールであって、前記クロック同期フィードバックメッセージは、レシーバオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ受信時刻を含む、モジュールと、少なくとも2回のクロック同期のメッセージ受信時刻及びメッセージ送信時刻に基づいて、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定するように構成される基準偏差決定モジュールと、を備える、駐車処理装置を提供する。
【0026】
第5態様において、感知モジュール、及び、前記感知テンプレート以外の他のモジュールを有する駐車システムが配置された車両コントローラであって、前記感知モジュールは、前記車両コントローラ内の第1のオペレーティングシステムに配置され、前記他のモジュールは、前記車両コントローラ内の第2のオペレーティングシステムに配置され、前記感知モジュールは、画像収集装置により収集された画像を処理し、感知結果データを得るように構成され、前記他のモジュールは、前記感知モジュールから取得した感知結果データに基づいて、車両を制御するように構成される、車両コントローラを提供する。
【0027】
上記出願における一つの実施例は以下の利点又は有益な効果を有する。感知モジュールを第1のオペレーティングシステムに配置し、他のモジュールを第2のオペレーティングシステムに配置し、第1のオペレーティングシステムと第2のオペレーティングシステムとが協同動作することにより、駐車システムは既存の車載リソースを利用して自律駐車を実現することができ、外部ハードウェアを追加する必要がなく、コストを低減する。
【0028】
第6態様において、コンピュータプログラムであって、プロセッサに実行されると、第1態様又は第2態様に記載の方法を実現させるコンピュータプログラムを提供する。
【0029】
上記選択可能な実施形態による他の技術的効果は、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図面は、本願を限定するものではなく、本願発明をよく理解できるためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1a】本願の第1の実施例に係る駐車処理のための方法のフローチャートである。
【
図1b】本願の第1の実施例に係る車両コントローラの構成を示すブロック図である。
【
図2】本願の第2の実施例に係る駐車処理のための方法のフローチャートである。
【
図3】本願の第2の実施例に係るクロック同期のメッセージ交換のプロセス概略図である。
【
図4】本願の第3の実施例に係る駐車システムの構造概略図である。
【
図5】本願の第4の実施例に係る駐車処理のための装置の構造概略図である。
【
図6】本願の実施例に係る駐車処理のための方法を実施するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下は、図面を参照して本願の例示的な実施例を説明する。そのうち、理解の便宜上、本願の実施例の様々な詳細を含むが、これらの詳細は、単なる例示的なものと考えるべきである。従って、当業者にとって、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、ここで記述される実施例に対し、様々な修正や変更を行えることは自明である。なお、以下の説明では、明確化及び簡略化のため、公知の機能及び構成については説明を省略する。
【0033】
<第1の実施例>
図1aは本願の第1の実施例に係る駐車処理のための方法のフローチャートである。本実施例は、駐車システムが自律駐車をする場合に用いられる。本願の実施例は、車両コントローラに配置された駐車システムによって実行される。前記駐車システムは、感知モジュール、及び前記感知テンプレート以外の他のモジュールを備える。前記感知モジュールは、前記車両コントローラ内の第1のオペレーティングシステムに配置される。前記他のモジュールは、前記車両コントローラ内の第2のオペレーティングシステムに配置される。
図1aに示すように、本実施例に係る駐車処理のための方法は、以下のステップを含むことができる。
【0034】
S110:感知モジュールが、画像収集装置により収集された画像を処理し、感知結果データを得る。
【0035】
本実施例において、感知モジュールは、ディープランニングアルゴリズムをサポートするモジュールであり、該モジュールは、車両コントローラにおけるGPU(Graphics Processing Unit、グラフィックプロセッサ)及びDSP(Digital Signal Processing、デジタル信号処理)の演算力を使用する必要がある。そのうち、GPUは、ディスプレイコア、ビジュアルプロセッサ、ディスプレイチップとも呼ばれ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ゲーム機及び移動装置において画像及びイメージの関連演算動作を行うための専用のマイクロプロセッサである。DSPは、コンピュータ又は専用処理装置を利用して、デジタル形式で信号に対して収集、変換、フィルタリング、値の評価、強化、圧縮、識別等の処理を行って、需要の信号形式を得るためのものである。本実施例において、画像収集装置は、車両に搭載されたカメラであってもよい。感知結果データは、感知モジュールが画像を処理することによって得られたデータであり、例示的に、感知結果データは、周囲環境における障害物の輪郭データ情報であってもよく、空き駐車スペースのデータ情報であってもよい。
【0036】
選択的に、前記第1のオペレーティングシステムは、アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステム(Android(登録商標))であり、前記第2のオペレーティングシステムは、QNXオペレーティングシステムである。
【0037】
本実施例において、車両は、特に自律運転車両は、一般的に、車両制御チップのQNX+Android(登録商標)のデュアルオペレーティングシステムを搭載する。アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムは、Linux(登録商標)のオープニングソースコードに基づくオペレーティングシステムである。アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムは、車両コントローラにおけるGPUとDSPの演算力を使用することができ、そのため、感知モジュールをアンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムに配置した後、感知モジュールが画像処理をサポートすることができる。QNXオペレーティングシステムは、分散型リアルタイムオペレーティングシステムであり、QNXオペレーティングシステムは、車両コントローラにおけるCPUを用いて実現することができ、QNXオペレーティングシステムは、車両コントローラのGPU又はDSP演算力を用いることができない。
【0038】
S120:前記他のモジュールが、前記感知モジュールから取得した感知結果データに基づいて、車両を制御する。
【0039】
本実施例において、他のモジュールは、制御モジュール、計画モジュール、環境モデリングモジュール及び時間同期モジュール等を含むことができる。そのうち、制御モジュールは、感知結果データに基づいて、車両に制御指令を送信する。計画モジュールは、車両の経路計画及び制御に用いられる。環境モデリングモジュールは、感知結果データに基づいてマルチチャネル間、及び、マルチフレーム間の融合を行うとともに、障害物情報を構築するために用いられる。時間同期モジュールは、第1のオペレーティングシステム及び第2のオペレーティングシステムの時間を同期させるために用いられる。
【0040】
選択的に、前記第1のオペレーティングシステムと前記第2のオペレーティングシステムとは、共有メモリ領域を有する。前記感知モジュールと前記他のモジュールは、前記共有メモリ領域によってデータ交換を行う。
【0041】
本実施例において、共有メモリ領域は、第1のオペレーティングシステムと第2のオペレーティングシステムとの間のインタラクションに用いられる領域であり、該共有メモリ領域は、画像収集装置から収集した画像及び感知モジュールと他のモジュールとの間のインタラクションデータを記憶することができる。
【0042】
具体的には、
図1(b)に示す車両コントローラのアーキテクチャを参照する。
図1bを参照すると、第1のオペレーティングシステム及び第2のオペレーティングシステムは、いずれも共有メモリ領域からデータを取得することができ、デュアルオペレーティングシステム間のデータ転送効率を向上させることができる。具体的には、第2のオペレーティングシステムは、車両センサにより検出された感知データ、及び、カメラにより収集された画像データを取得し、第2のオペレーティングシステムは、感知データを処理し、例えば、超音波感知データに対して、障害物識別を行い、超音波の障害物情報を取得し、且つ超音波の障害物情報及び画像データに基づいて、超音波を含む画像を描画し、第2のオペレーティングシステムは、超音波を含む画像を共有記憶領域に記憶し、第1のオペレーティングシステムは共有記憶領域から超音波を含む画像を取得することができる。車両センサは、超音波センサユニット、全地球測位システム、慣性測定ユニット等を含むことができる。
【0043】
具体的には、感知モジュールは、感知結果データを共有メモリ領域に書き込み、他のモジュールは、共有メモリ領域から感知結果データを取得する。
【0044】
さらに、第1のオペレーティングシステム及び第2のオペレーティングシステムは、仮想ネットワーク通信を介し、データ交換を行うことができる。仮想ネットワークリンクは、二つの計算装置の間に、物理的な接続を有せず、ネットワーク仮想化によって実現される。慣用な仮想ネットワーク形式として、VLAN、VPN、VPLS等のプロトコルに基づく仮想ネットワークと、hypervisor内部のネットワーク接続仮想マシン等の仮想デバイスに基づく仮想ネットワークとの2種がある。
【0045】
選択的に、前記第2のオペレーティングシステムに、さらにサラウンドビューモニタリングシステムが配置される。前記共有メモリ領域は、画像収集装置が収集した画像を記憶するために用いられ、それにより、前記感知モジュール及び前記サラウンドビューモニタリングシステムは、前記共有メモリ領域から前記画像を取得する。
【0046】
本実施例では、サラウンドビューモニタリングシステムは、車両周辺に車両周辺の全視野範囲をカバーできる4から8個の広角画像収集装置を架設し、同一時刻に収集されたマルチビデオ画像を一つの車両周辺の360度の車体平面図とするように処理し、最後に、中央コンソールの画面に表示して、車両の制御に使用する。具体的には、画像収集装置は、同一時刻のマルチビデオ映像を収集した後、これらの画像を共有メモリ領域に記憶し、サラウンドビューモニタリングシステムは、共有メモリ領域から画像を取得することができる。
【0047】
または、前記共有メモリ領域は、第2のオペレーティングシステムから超音波データを含む画像を取得することに用いられ、前記第1のオペレーティングシステムは前記共有メモリから超音波データを含む画像を取得する。
【0048】
本実施例では、車両の車体周囲に超音波センサモジュールを取り付ける。これにより、車両の周囲の状況を検出し、且つ、超音波データを画像収集装置に収集された画像に描画し、超音波データを含む画像を共有メモリ領域に記憶する。
【0049】
本願の上記実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。感知モジュールを第1のオペレーティングシステムに配置し、他のモジュールを第2のオペレーティングシステムに配置し、第1のオペレーティングシステムと第2のオペレーティングシステムとが共同動作することにより、駐車システムは、既存の車載リソースを利用して自律駐車を実現することができ、外部ハードウェアを追加する必要がなく、コストを低減する。
【0050】
<第2の実施例>
図2は、本願の第2の実施例に係る駐車処理のための方法のフローチャートである。本実施例は、駐車システムの自律駐車の場合に用いられ、具体的にはレシーバオペレーティングシステムとリクエスタオペレーティングシステムとの間の時間同期に用いられる。本願実施例は、車両コントローラにおけるリクエスタオペレーティングシステムによって実行される。
図2に示すように、本実施例に係る駐車処理のための方法は、以下のステップを含むことができる。
【0051】
S210:レシーバオペレーティングシステムに対し、クロック同期要求メッセージを少なくとも2回送信する。
【0052】
本実施例では、前記クロック同期要求メッセージは、リクエスタオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ送信時刻を含む。クロック同期要求メッセージは、リクエスタオペレーティングシステムによって、レシーバオペレーティングシステムに送信して、リクエスタオペレーティングシステムとレシーバオペレーティングシステムのクロックを同期させるためのものである。リクエスタのオペレーティングシステムとレシーバのオペレーティングシステムとは、システム時間基準が異なるため、クロック同期要求メッセージにおけるメッセージ送信時刻は、リクエスタのオペレーティングシステム時間基準で統計されている。さらに、クロック同期要求メッセージに、メッセージのIDをさら携帯することができる。
【0053】
選択的に、駐車システムにおいて、感知モジュールが感知結果データを他のモジュールに送信するために、前記リクエスタオペレーティングシステムは、QNXオペレーティングシステムであり、前記レシーバオペレーティングシステムはアンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムである。
【0054】
S220:前記レシーバオペレーティングシステムのクロック同期フィードバックメッセージを取得する。
【0055】
本実施例において、前記クロック同期フィードバックメッセージは、レシーバオペレーティングシステム時間基準に基づくメッセージ受信時刻を含む。
【0056】
レシーバオペレーティングシステムがクロック同期要求メッセージを受信した後に、クロック同期フィードバックメッセージをリクエスタオペレーティングシステムに送信する。そのうち、クロック同期フィードバックメッセージにフィードバックメッセージのIDを含む。具体的なインタラクションプロセスは、
図3に示すクロック同期要求メッセージのインタラクションのプロセス模式図を参照することができる。
【0057】
S230:少なくとも2回のクロック同期のメッセージ受信時刻とメッセージ送信時刻に基づき、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定する。
【0058】
本実施例では、メッセージ受信時刻とメッセージ送信時刻との差によって、リクエスタオペレーティングシステムとレシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定することができる。ネットワーク遅延が不安定であるため、クロック同期要求メッセージは、複数回(例えば50回)送信すべきであり、メッセージ遅延による誤差をできるだけ低減させる。
【0059】
選択的に、少なくとも2回のクロック同期におけるメッセージ受信時刻及びメッセージ送信時刻に基づいて、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定するステップは、少なくとも2回のクロック同期のそれぞれについて、前記メッセージ受信時刻と前記メッセージ送信時刻との間の時間差を決定するステップと、少なくとも2回のクロック同期の時間差のうちの最小の時間差を、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差とするステップと、を含む。
【0060】
具体的には、毎回のクロック同期過程におけるメッセージ受信時刻とメッセージ送信時刻との差を求めて、複数の時間差を得る。最小の時間差をリクエスタオペレーティングシステムとレシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差とする。このようにすれば、最小時間差のメッセージ遅延の影響が最小であり、リクエスタオペレーティングシステムとレシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差をより正確にする利点を有する。
【0061】
選択的に、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定した後、前記レシーバオペレーティングシステムから送信されたターゲットデータメッセージを取得するステップであって、前記ターゲットデータメッセージはレシーバオペレーティングシステムの時間基準に基づくターゲットデータの送信時刻を含む、ステップと、前記システム時間基準偏差と前記ターゲットデータの送信時刻に基づいて、リクエスタオペレーティングシステムの時間基準に基づくターゲットデータの送信時刻を決定するステップと、をさらに含む。
【0062】
本実施例において、ターゲットデータメッセージは、レシーバオペレーティングシステムから送信された感知結果データであってもよく、本実施例において、レシーバオペレーティングシステムは、アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムであってもよく、リクエスタオペレーティングシステムは、QNXオペレーティングシステムであってもよい。アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムの送信時刻と、システム時間基準偏差とに基づいて、QNXオペレーティングシステムにおけるセンシング結果データの送信時刻を決定することができる。このようにすれば、QNXオペレーティングシステムで駐車制御指令をより正確にすることができる利点を有する。
【0063】
本願の上記実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。QNXオペレーティングシステムから送信されたターゲットデータ送信時刻を決定することができ、デュアルシステムによる制御車両の正確性を向上させる。
【0064】
<第3の実施例>
図4は本願の第3の実施例に係る駐車システムの構造概略図であり、前述の駐車処理のための方法を実行することができ、該システムは、車両コントローラ内の第1のオペレーティングシステムに配置された感知モジュールと、前記車両コントローラ内の第2のオペレーティングシステムに配置された、前記感知モジュール以外の他のモジュールと、を備え、前記感知モジュールは、画像収集装置により収集された画像を処理し、感知結果データを得るように構成され、前記他のモジュールは、前記感知モジュールから取得した感知結果データに基づいて、車両を制御するように構成される。
【0065】
前記第1のオペレーティングシステム及び前記第2のオペレーティングシステムは共有メモリ領域を有し、前記感知モジュール及び前記他のモジュールは、前記共有メモリ領域によってデータ交換を行う。
【0066】
前記共有メモリ領域は、第2のオペレーティングシステムから超音波データを含む画像を取得することに用いられ、前記第1のオペレーティングシステムは、前記共有メモリから超音波データを含む画像を取得する。
【0067】
前記第2のオペレーティングシステムにさらにサラウンドビューモニタリングシステムが配置される。前記共有メモリ領域は、画像収集装置が収集した画像を記憶するために用いられ、それにより、前記感知モジュール又は前記サラウンドビューモニタリングシステムは、前記共有メモリ領域から前記画像を取得する。
【0068】
前記第1のオペレーティングシステムは、アンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムであり、前記第2のオペレーティングシステムは、QNXオペレーティングシステムである。
【0069】
本実施例におけるシステムは、本願の実施例に係る駐車処理のための方法を実施することができ、実施形態に応じた機能モジュール及び有益な効果を有する。
【0070】
<第4の実施例>
図5は本願の第4の実施例に係る駐車処理のための装置の構造概略図であり、該装置は、車両コントローラに配置されるリクエスタオペレーティングシステムであり、本願の実施例に係る駐車処理のための方法を実行することができ、実行方法に応じた機能モジュールを有し、相応する有益な効果を奏する。
図5に示すように、該装置500は、レシーバオペレーティングシステムに対し、クロック同期要求メッセージを少なくとも2回送信するように構成されるメッセージ送信モジュール501であって、前記クロック同期要求メッセージは、リクエスタオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ送信時刻を含む、モジュールと、前記レシーバオペレーティングシステムからのクロック同期フィードバックメッセージを取得するように構成されるメッセージ取得モジュール502であって、前記クロック同期フィードバックメッセージは、レシーバオペレーティングシステムの時間基準に基づくメッセージ受信時刻を含む、モジュールと、少なくとも2回のクロック同期のメッセージ受信時刻及びメッセージ送信時刻に基づいて、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差を決定するように構成される基準偏差決定モジュール503と、を備える。
【0071】
基準偏差決定モジュール503は、少なくとも2回のクロック同期のそれぞれについて、前記メッセージ受信時刻と前記メッセージ送信時刻との間の時間差を決定し、少なくとも2回のクロック同期の時間差のうちの最小の時間差を、前記リクエスタオペレーティングシステムと前記レシーバオペレーティングシステムとの間のシステム時間基準偏差とするように構成される。
【0072】
前記装置は、さらに、前記レシーバオペレーティングシステムから送信されたターゲットデータメッセージを取得し、前記ターゲットデータメッセージはレシーバオペレーティングシステムの時間基準に基づくターゲットデータの送信時刻を含む。前記装置は、さらに、前記システム時間基準偏差と前記ターゲットデータの送信時刻に基づいて、リクエスタオペレーティングシステムの時間基準に基づくターゲットデータの送信時刻を決定する。
【0073】
<第5の実施例>
本願の第5の実施例において、本願実施例に係る駐車処理のための方法を実行する車両コントローラを提供する。感知モジュール、及び、前記感知テンプレート以外の他のモジュールを有する駐車システムが配置された車両コントローラにおいて、前記感知モジュールは、前記車両コントローラ内の第1のオペレーティングシステムに配置され、前記他のモジュールは、前記車両コントローラ内の第2のオペレーティングシステムに配置され、前記感知モジュールは、画像収集装置により収集された画像を処理し、感知結果データを得るように構成され、前記他のモジュールは、前記感知モジュールから取得した感知結果データに基づいて、車両を制御するように構成される。
【0074】
本願の実施例によれば、本願はさらに電子機器及び読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0075】
図6に示すように、本願の実施例に係る駐車処理のための方法の電子機器のブロック図である。電子機器は、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、テーブル型コンピュータ、携帯情報端末、サーバ、ブレード型サーバ、大型コンピュータ等の様々な形態のデジタルコンピュータを対象とする。また、電子機器は、個人デジタル処理、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル機器等の各種のモバイル機器を表すことができる。なお、ここで示した構成要素、その接続関係、およびその機能はあくまで一例であり、ここで説明した本願の実現や要求される機能を限定することを意図したものではない。
【0076】
図6に示すように、該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ601、メモリ602、及び各部品を接続するためのインタフェース(高速インタフェース及び低速インタフェースを含む)を含む。各構成要素は、互いに異なるバスで接続されており、共通のマザーボード上に実装されていてもよいし、必要に応じて実装されていてもよい。前記プロセッサは、前記メモリまたは前記メモリに記憶され、前記インタフェースに接続された表示装置などの外部入出力装置にGUIのグラフィック情報を表示させる指示を含む、前記電子機器で実行される命令を処理してもよい。他の実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサおよび/または複数のバスを、複数のメモリおよび複数のメモリとともに使用することができる。また、複数の電子機器を接続し、各機器が必要な動作(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ群、マルチプロセッサシステムなど)を提供するようにしてもよい。
図6では、1つのプロセッサ601を例としている。
【0077】
メモリ602は、本出願が提供する非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。そのうち、前記メモリは少なくとも一つのプロセッサが実行可能な命令を記憶し、前記少なくとも一つのプロセッサに本出願が提供する駐車処理のための方法を実行させる。本願の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体はコンピュータコマンドを記憶し、該コンピュータコマンドはコンピュータに本願が提供する駐車処理のための方法を実行させるために用いられる。
【0078】
メモリ602は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム及びモジュール、例えば、本願の実施例における駐車処理のための方法に対応するプログラム指令/モジュール(例えば、
図5に示すメッセージ送信モジュール501、メッセージ取得モジュール502及び基準偏差決定モジュール503)を記憶することに用いることができる。プロセッサ601はメモリ602に記憶された非一時的なソフトウェアプログラム、指令及びモジュールを実行することにより、サーバの各種機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち上記方法の実施例における駐車処理のための方法を実現する。
【0079】
メモリ602は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを格納する格納プログラム領域と、駐車処理方法に応じた電子デバイスの使用に伴って作成されたデータ等を格納する格納データ領域とを含んでもよい。また、メモリ602は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、また非一時的なメモリ、例えば少なくとも一つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ装置又は他の非一時的な固体記憶装置を含むことができる。いくつかの実施例において、メモリ602はプロセッサ601と遠隔に設置されたメモリを選択することができ、これらの遠隔メモリはネットワークを介して駐車処理のための方法の電子機器に接続することができる。上記ネットワークとしては、例えば、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信網、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0080】
駐車処理のための方法の電子機器は、さらに、入力装置603と、出力装置604とを備えることができる。プロセッサ601、メモリ602、入力装置603及び出力装置604は、バス又はその他の方式で接続されていてもよく、
図6ではバスで接続されている例を示している。
【0081】
入力装置603は、入力された数字や文字の情報や、タッチパネル、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパネル、ポインティングデバイス、マウスボタン、トラックボール、ジョイスティック等の駐車処理のための方法の電子機器のユーザ設定や機能制御に関するキー信号の入力を受け付けることができる。出力装置604は、表示装置、補助照明装置(例えば、LED)、触覚フィードバック装置(例えば、振動モータ)等を含んでもよい。該表示装置は以下を含むことができるがこれらに限定されず、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ及びプラズマディスプレイが挙げられる。いくつかの実施形態において、表示装置はタッチパネルであってもよい。
【0082】
ここで説明するシステム及び技術の様々な実施形態はデジタル電子回路システム、集積回路システム、専用ASIC(専用集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施形態は以下を含むことができる。1つ又は複数のコンピュータプログラムに実装され、該1つ又は複数のコンピュータプログラムは少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムにおいて実行及び/又は解釈することができ、該プログラマブルプロセッサは専用又は汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置及び少なくとも1つの出力装置からデータ及びコマンドを受信することができ、且つデータ及びコマンドを該記憶システム、該少なくとも1つの入力装置及び該少なくとも1つの出力装置に伝送する。
【0083】
これらの計算プログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、これらの計算プログラムは、上位プロセスおよび/またはオブジェクト指向のプログラミング言語、および/またはアセンブル/機械言語を利用して実現することができる。ここで、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」とは、機械可読信号である機械指令を受ける機械可読媒体を含み、機械指令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに与えるための任意のコンピュータプログラム製品、装置、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理装置(PLD))を意味する。「機械可読信号」とは、機械指令やデータをプログラマブルプロセッサに供給するための任意の信号を意味する。
【0084】
ここで説明したシステム及び技術は、ユーザとのインタラクションを提供するために、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)モニタなど)と、ユーザが入力をコンピュータに提供するためのキーボードやポインティングデバイス(例えば、マウスやトラックボールなど)とを有するコンピュータ上で実現することができる。他の種類の装置はさらにユーザとのインタラクションを提供することに用いることができる。例えば、ユーザに提供するフィードバックはいかなる形態のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよい。且ついかなる形態(音声入力、音声入力又は触覚入力を含む)でもユーザからの入力を受信することができる。
【0085】
ここで説明したシステム及び技術を、バックグラウンド部品を含む計算システム(例えば、データサーバとする)、ミドルウェア部品を含む計算システム(例えば、アプリケーションサーバとする)、フロントエンド部品を含む計算システム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであって、ユーザは、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを介して、ここで説明したシステム及び技術の実施形態とインタラクションすることができる)、又は、このようなバックグラウンド部品、ミドルウェア部品、又はフロントエンド部品のいずれかの組み合わせを含む計算システムに実装することができる。また、システムの各構成要素は、任意の形態で接続されていてもよいし、通信網等のデジタルデータ通信によって接続されていてもよい。通信ネットワークとしては、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、エリアチェーンネットワークなどが挙げられる。
【0086】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含んでもよい。クライアントとサーバは、通常、互いに離れており、通信ネットワークを介してやり取りされる。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で動作し、互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって生成される。
【0087】
本願の実施例の技術的解決手段に基づき、感知モジュールを第1のオペレーティングシステムに配置し、他のモジュールを第2のオペレーティングシステムに配置し、第1のオペレーティングシステムと第2のオペレーティングシステムの協働作用により、駐車システムは既存の車載リソースを利用して自律駐車を実現することができ、外部ハードウェアを追加する必要がなく、コストを低減する。
【0088】
なお、上述した様々な形態のフローを用いて、並び替え、追加、削除を行うようにしてもよい。例えば、本願において開示される各ステップは、並列的あるいは個別に実行されるものであっても良いし、また、本願において開示される技術的思想の範囲内において、並列的あるいは個別に実行されるものであっても良い。
【0089】
上記具体的な実施形態は、本出願の保護範囲を限定するものではない。以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本願の精神及び原則内で行われた修正、均等置換及び改良等は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。