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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】荷電粒子線装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/28 20060101AFI20231109BHJP
   H01J 37/16 20060101ALI20231109BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
H01J37/28 B
H01J37/16
H01J37/20 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020165205
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057114
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000004271
【氏名又は名称】日本電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】水野 議覚
(72)【発明者】
【氏名】青島 慎
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-057764(JP,A)
【文献】特開2015-090826(JP,A)
【文献】特開2018-163823(JP,A)
【文献】特開2020-087701(JP,A)
【文献】国際公開第2012/087138(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00-37/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子線で試料を走査する荷電粒子線装置であって、
前記試料に前記荷電粒子線を照射するための光学系を含む鏡筒と、
前記鏡筒に接続された試料室に配置され、前記試料を冷却する試料ステージと、
前記鏡筒内に配置され、前記鏡筒内のガスを吸着する冷却部材と、
を含む、荷電粒子線装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記光学系は、対物レンズを含み、
前記鏡筒は、前記冷却部材が配置される冷却部材配置室を含み、
前記冷却部材配置室は、前記対物レンズに隣接している、荷電粒子線装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記試料室に配置され、前記試料室内のガスを吸着する他の冷却部材を含む、荷電粒子線装置。
【請求項4】
請求項3において、
冷却源と、
前記冷却源と前記冷却部材とを熱的に接続する第1熱伝導体と、
前記冷却源と前記他の冷却部材とを熱的に接続する第2熱伝導体と、
を含む、荷電粒子線装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記冷却源と前記冷却部材配置室とを接続する第1管と、
前記冷却源と前記試料室とを接続する第2管と、
を含み、
前記第1管と前記第2管は、接続されている、荷電粒子線装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記光学系は、対物レンズを含み、
前記冷却部材は、前記対物レンズ内に配置されている、荷電粒子線装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記冷却部材には、前記荷電粒子線を通過させる絞りが設けられ、
前記絞りは、前記対物レンズ内に配置されている、荷電粒子線装置。
【請求項8】
請求項6において、
前記冷却部材は、
前記対物レンズの下に配置される第1部分と、
前記第1部分に接続され、前記対物レンズ内に配置される第2部分と、
を有し、
前記第2部分は、筒状であり、
前記第2部分の内部を前記荷電粒子線が通過する、荷電粒子線装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第2部分には、絞りが設けられ、
前記絞りの径は、前記第2部分の内径よりも小さい、荷電粒子線装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項において、
前記鏡筒内に配置され、荷電粒子源が配置された荷電粒子源室を仕切る仕切弁と、
前記冷却部材の温度を測定する温度測定素子と、
前記冷却部材の温度の測定結果に基づいて、前記仕切弁を制御する制御部と、
を含む、荷電粒子線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
走査電子顕微鏡や集束イオンビーム装置などの荷電粒子線装置では、試料を様々な条件下において観察することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、試料を冷却した状態で観察するための走査電子顕微鏡が開示されている。特許文献1に開示された走査電子顕微鏡は、試料室において試料を冷却する冷却ステージを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-122594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような荷電粒子線装置では、内部は、高真空または超高真空に保たれている。しかしながら、荷電粒子線装置の内部には、ガスが残留しており、この残留ガスが試料表面に付着する場合がある。
【0006】
冷却ステージを搭載した荷電粒子線装置では、残留ガスに含まれる水分子は、試料表面に吸着して氷となる。試料表面に氷が付着してしまうと、試料本来の形状を観察できない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る荷電粒子線装置の一態様は、
荷電粒子線で試料を走査する荷電粒子線装置であって、
前記試料に前記荷電粒子線を照射するための光学系を含む鏡筒と、
前記鏡筒に接続された試料室に配置され、前記試料を冷却する試料ステージと、
前記鏡筒内に配置され、前記鏡筒内のガスを吸着する冷却部材と、
を含む。
【0008】
このような荷電粒子線装置では、鏡筒内に冷却部材が配置されている。そのため、このような荷電粒子線装置では、鏡筒内から試料室に流れ込む残留ガスを効率よく低減できる。したがって、冷却された試料に付着する氷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る電子顕微鏡の構成を示す図。
図2】比較例に係る電子顕微鏡の構成を示す図。
図3】第2実施形態に係る電子顕微鏡の構成を示す図。
図4】第3実施形態に係る電子顕微鏡の構成を示す図。
図5】第3実施形態に係る電子顕微鏡の対物レンズを模式的に示す図。
図6】絞りの効果を説明するための図。
図7】絞りの効果を説明するための図。
図8】第4実施形態に係る電子顕微鏡の構成を示す図。
図9】第4実施形態に係る電子顕微鏡の対物レンズを模式的に示す図。
図10】第5実施形態に係る電子顕微鏡の対物レンズを模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
以下では、本発明に係る荷電粒子線装置として、電子線で試料を走査する走査電子顕微鏡を例に挙げて説明するが、本発明に係る荷電粒子線装置は電子線以外の荷電粒子線(イオンビーム等)で試料を走査する装置であってもよい。
【0012】
1. 第1実施形態
1.1. 電子顕微鏡
まず、第1実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成を示す図である。
【0013】
電子顕微鏡100は、電子線で試料を走査する走査電子顕微鏡である。電子顕微鏡100は、図1に示すように、鏡筒10と、試料ステージ20と、二次電子検出器30と、反射電子検出器40と、試料汚染防止装置50と、真空排気系60と、真空排気系62と、真空排気系64と、を含む。
【0014】
鏡筒10は、電子線を集束して電子プローブを形成し、電子プローブで試料を走査する。鏡筒10は、試料に電子線を照射するための光学系を含む。具体的には、鏡筒10は、電子源11と、コンデンサーレンズ12と、コンデンサーレンズ13と、開き角制御レンズ15と、対物レンズ16と、を含む。
【0015】
電子源11(荷電粒子源の一例)は、電子を発生させる。電子源11は、例えば、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線を放出する電子銃である。
【0016】
コンデンサーレンズ12およびコンデンサーレンズ13は、電子源11から放出された電子を集束する。例えば、コンデンサーレンズ12およびコンデンサーレンズ13によって、プローブ電流とプローブ径を制御できる。
【0017】
鏡筒10内には、仕切弁14が配置されている。仕切弁14は、2つの部屋の真空隔壁として用いられる真空弁である。図1に示す例では、仕切弁14は、作動排気室104と第1中間室106との間の真空隔壁として用いられている。仕切弁14によって、高真空または超高真空に保たれる電子源室102を仕切ることができる。図示の例では、仕切弁14によって、電子源室102および作動排気室104が、他の部分と仕切られている。
【0018】
開き角制御レンズ15は、電子プローブの開き角を制御するためのレンズである。
【0019】
対物レンズ16は、試料室110の直上に配置されている。対物レンズ16は、試料の最も近くに配置されるレンズである。例えば、対物レンズ16によって、電子線を試料表面にフォーカスできる。
【0020】
対物レンズ16は、電磁コイルと、ヨークと、磁極片と、を含む。対物レンズ16では、電磁コイルで発生した磁場を、ヨークの先端に取り付けられた磁極片から漏洩させる。
【0021】
なお、図示はしないが、鏡筒10は、電子線を二次元的に偏向して、電子プローブで試料上を走査するための走査コイルを含む。また、鏡筒10は、電子線をカットするための
絞りや、電子線を偏向させる偏向器などを含んでいてもよい。
【0022】
鏡筒10には、電子源室102(荷電粒子源室の一例)、作動排気室104、第1中間室106、および第2中間室108が設けられている。電子源室102に配置された電子源11から放出された電子線は、電子源室102、作動排気室104、第1中間室106、第2中間室108、および対物レンズ16内を通って試料室110に配置された試料に照射される。
【0023】
電子源室102には、電子源11が配置されている。電子源室102には、真空排気系60が接続されている。電子源室102は、真空排気系60によって真空排気されている。真空排気系60は、例えば、スパッターイオンポンプを含む。電子源室102は、作動排気室104に接続されている。
【0024】
作動排気室104には、コンデンサーレンズ12およびコンデンサーレンズ13が配置されている。作動排気室104には、真空排気系62が接続されている。作動排気室104は、真空排気系62によって真空排気されている。真空排気系62は、例えば、スパッターイオンポンプを含む。
【0025】
電子源室102と作動排気室104とは、別の排気系で排気されており、電子源室102と作動排気室104の間には、オリフィスが配置されている。そのため、電子源室102と作動排気室104とは圧力差が保たれている。
【0026】
作動排気室104は、第1中間室106に接続されている。作動排気室104と第1中間室106との間には、オリフィスが配置されている。
【0027】
第1中間室106には、仕切弁14および開き角制御レンズ15が配置されている。第1中間室106には、配管107が接続されている。配管107は、第1中間室106と試料室110を接続している。配管107は、第1中間室106を真空排気するための排気経路として機能する。なお、第1中間室106には、真空排気系が接続されていない。第1中間室106は、第2中間室108に接続されている。
【0028】
第2中間室108には、二次電子検出器30および反射電子検出器40が配置されている。第2中間室108には、真空排気系が接続されていない。第2中間室108は、対物レンズ16に接続されている。第2中間室108は、対物レンズ16の直上に位置し、対物レンズ16に隣接している。
【0029】
試料ステージ20は、低温下で試料を観察するための冷却ステージである。試料ステージ20は、例えば、液体窒素を用いて冷却される。図示はしないが、試料ステージ20は、熱伝導体を介して液体窒素タンクに熱的に接続されている。なお、試料ステージ20を冷却する手段は、特に限定されず、例えば、液体ヘリウムを用いて冷却してもよいし、ペルチェ素子を用いて冷却してもよい。
【0030】
試料室110には、試料ステージ20が配置されている。すなわち、試料室110には、試料が配置される。試料室110には、真空排気系64が接続されている。真空排気系64は、例えば、ターボ分子ポンプを含む。試料室110は、鏡筒10に接続されている。試料室110は、対物レンズ16に接続されている。
【0031】
二次電子検出器30は、試料から放出された二次電子を検出する。反射電子検出器40は、試料から放出された反射電子を検出する。電子顕微鏡100では、試料から放出された二次電子や反射電子が対物レンズ16の漏洩磁場によって対物レンズ16内に吸い上げ
られ、さらに、対物レンズ16の磁場に拘束されたまま光軸に沿って上方に導かれる。そのため、二次電子検出器30および反射電子検出器40は、対物レンズ16の上方に配置されている。
【0032】
試料汚染防止装置50は、鏡筒10内の残留ガスを吸着させる。試料汚染防止装置50は、冷却部材52と、液体窒素タンク54(冷却源の一例)と、熱伝導体56と、を含む。
【0033】
冷却部材52は、鏡筒10内に配置されている。冷却部材52は、鏡筒10内の残留ガスを吸着する。図示の例では、冷却部材52は、第2中間室108に配置されている。すなわち、電子顕微鏡100では、第2中間室108は、冷却部材52が配置される冷却部材配置室として機能する。冷却部材52は、第2中間室108の残留ガスを吸着させる。
【0034】
冷却部材52は、例えば、筒状である。筒状の冷却部材52の側面には、複数の貫通孔が形成されていてもよい。なお、冷却部材52の形状は電子線の経路を妨げなければ、特に限定されず、例えば、板状であってもよい。冷却部材52は、非磁性の材料からなる。これにより、冷却部材52が電子線に与える影響を低減できる。
【0035】
なお、冷却部材52を光学系の光軸の近傍に配置する場合には、冷却部材52を光軸に関して対称な形状とする。これにより、冷却部材52が電子線に与える影響を低減できる。
【0036】
冷却部材52は、熱伝導体56を介して液体窒素タンク54に熱的に接続されている。これにより、冷却部材52を冷却できる。図1に示す例では、冷却部材52は、熱伝導体56で支持されている。
【0037】
熱伝導体56は、冷却部材52と液体窒素タンク54を熱的に接続している。また、熱伝導体56は、冷却部材52と液体窒素タンク54を機械的に接続している。熱伝導体56は、冷却部材52を支持する支持部材としても機能する。熱伝導体56は、熱伝導率の高い材料からなる。
【0038】
なお、図示はしないが、冷却部材52は、熱伝導体56以外の支持部材で支持されていてもよい。すなわち、熱伝導体56は、冷却部材52と液体窒素タンク54を熱的に接続する機能を有し、冷却部材52を支持する機能を有していなくてもよい。例えば、熱伝導体56は、ワイヤーやシートであってもよい。この場合、支持部材は、樹脂などの熱絶縁部材であることが好ましい。
【0039】
液体窒素タンク54は、冷却部材52を冷却するための冷却源である。なお、冷却源は、液体窒素タンク54に限定されず、冷却部材52を冷却できれば特に限定されない。
【0040】
1.2. 作用効果
次に、電子顕微鏡100の作用効果について説明する。以下では、冷却部材52が試料室110に配置されている電子顕微鏡と比較しながら、説明する。図2は、比較例に係る電子顕微鏡100Dの構成を示す図である。比較例に係る電子顕微鏡100Dは、冷却部材52が試料室110に配置されている点を除いて、電子顕微鏡100と同じ構成である。
【0041】
まず、電子顕微鏡100Dについて説明する。図2に示すように、試料室110には、ターボ分子ポンプを含む真空排気系64が接続されている。また、試料室110には、冷却部材52が配置されている。そのため、試料室110は、真空排気系64で、直接、真
空排気されるとともに、冷却部材52や冷却された試料ステージ20によって残留ガスが吸着される。したがって、試料室110は、例えば、1×10-5Pa程度の高真空を実現できる。
【0042】
一方、対物レンズ16内や第2中間室108には、真空排気系が接続されていない。例えば、対物レンズ16内や第2中間室108は、試料室110を介して、真空排気系64で真空排気される。ここで、対物レンズ16の先端部には、磁極片が配置されており、磁極片間の距離は磁場を集中させるために小さい。そのため、対物レンズ16の先端部を排気経路としてみた場合、そのコンダクタンスは小さい。
【0043】
電子源室102は、真空排気系60で真空排気され、作動排気室104は、真空排気系62で真空排気されている。そのため、電子源室102および作動排気室104は、高真空を実現できる。しかしながら、作動排気室104と第1中間室106との間は、オリフィスを用いて作動排気されているため、電子源室102および作動排気室104が高真空であっても、第1中間室106の真空度および第2中間室108の真空度への影響は小さい。
【0044】
また、第1中間室106には、排気経路として配管107が接続されているが、第1中間室106と真空排気系64との間の距離が大きいため、十分なコンダクタンスが得られない。
【0045】
したがって、第1中間室106、第2中間室108、および対物レンズ16内は、電子源室102、作動排気室104、および試料室110と比べて、真空度が悪い(圧力が高い)。
【0046】
このように、鏡筒10内には、試料室110と比べて、真空度が悪い空間が存在する。したがって、鏡筒10内の残留ガスが対物レンズ16から試料室110に流れ込む。
【0047】
試料は、対物レンズ16の直下に配置されるため、対物レンズ16から試料室110に流れ込む残留ガスの影響を、直接、受ける。例えば、水分子を含む残留ガスは、対物レンズ16の先端から、試料に向かって飛んでくる。試料は、試料ステージ20によって冷却されているため、残留ガスを積極的に吸着する。冷却された試料に付着した水分子は、氷となり、試料本来の形状を観察することができない。
【0048】
電子顕微鏡100Dでは、冷却部材52が試料室110に配置されている。そのため、試料室110内の残留ガスを吸着して試料室110の真空度を向上できる。しかしながら、試料室110と対物レンズ16との間のコンダクタンスが大きいため、試料室110に配置された冷却部材52は、鏡筒10内の真空度にはほとんど影響しない。したがって、試料室110に配置された冷却部材52では、鏡筒10内から試料室110に流れ込む残留ガスを低減する効果が小さい。
【0049】
これに対して、電子顕微鏡100では、鏡筒10内に冷却部材52が配置されている。そのため、電子顕微鏡100では、鏡筒10内から試料室110に流れ込む残留ガスを効率よく低減できる。したがって、電子顕微鏡100では、冷却された試料に付着する氷を低減できる。
【0050】
電子顕微鏡100Dでは、上述したように、第2中間室108は、真空排気系で、直接、真空排気されていないため、真空度が悪い。したがって、第2中間室108には多くの残留ガスが存在する。また、第2中間室108は、対物レンズ16に隣接しており、試料室110との間の距離が小さい。したがって、第2中間室108の残留ガスの多くは、試
料室110に流れ込む。
【0051】
電子顕微鏡100では、第2中間室108に冷却部材52が配置されている。そのため、冷却部材52が第2中間室108の残留ガスを吸着し、第2中間室108の真空度を向上できる。また、対物レンズ16に隣接し、試料室110との間の距離が小さい第2中間室108に冷却部材52が配置されることによって、鏡筒10内から対物レンズ16を通って試料室110に流れ込む残留ガスを効率よく低減できる。
【0052】
電子顕微鏡100Dでは、試料室110に冷却部材52が配置されている。また、冷却部材52は、試料に付着する氷を低減する効果を高めるために、試料近傍、すなわち、対物レンズ16直下の近傍に配置されることが好ましい。しかしながら、試料近傍に冷却部材52が配置されると、視野が狭くなる、作動距離を短くできないといった問題が生じる。なお、作動距離は、対物レンズ16の下面と試料との間の距離であり、作動距離を短くすると分解能を向上できる。
【0053】
これに対して、電子顕微鏡100では、鏡筒10内に冷却部材52が配置されるため、冷却部材52が視野や作動距離を妨げない。また、図示はしないが、試料室110内には、検出器やマニピュレーターなどが配置される場合があるが、電子顕微鏡100では、電子顕微鏡100Dに比べて、これらの配置の自由度が高い。
【0054】
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係る電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図3は、第2実施形態に係る電子顕微鏡200の構成を示す図である。以下、第2実施形態に係る電子顕微鏡200において、第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0055】
上述した電子顕微鏡100では、図1に示すように、第2中間室108に冷却部材52が配置されていた。
【0056】
これに対して、電子顕微鏡200では、図3に示すように、第2中間室108に第1冷却部材52aが配置され、試料室110に第2冷却部材52bが配置されている。
【0057】
試料汚染防止装置50は、第1冷却部材52aと、第2冷却部材52bと、液体窒素タンク54と、第1熱伝導体56aと、第2熱伝導体56bと、を含む。
【0058】
第1冷却部材52aおよび第1熱伝導体56aは、上述した図1に示す冷却部材52および熱伝導体56と同様の構成および機能を有している。
【0059】
第2冷却部材52bは、試料室110に配置されている。第2冷却部材52bは、試料室110内の残留ガスを吸着させる。第2冷却部材52bが試料室110に配置されることによって、試料室110の真空度を向上でき、試料に付着する氷を低減できる。第2冷却部材52bは、例えば、板状である。なお、第2冷却部材52bの形状は、特に限定されない。
【0060】
第2冷却部材52bは、第2熱伝導体56bを介して液体窒素タンク54に熱的に接続されている。これにより、第2冷却部材52bを冷却することができる。第2冷却部材52bの温度は、例えば、試料の温度よりも低い。これにより、試料に付着するガスをより低減できる。
【0061】
電子顕微鏡200では、1つの液体窒素タンク54に、第1冷却部材52aおよび第2
冷却部材52bが接続されている。このように、電子顕微鏡200では、第1冷却部材52aと第2冷却部材52bで冷却源を共有している。そのため、電子顕微鏡200では、部品点数を削減できる。さらに、ユーザーが液体窒素を補充する手間を減らすことができる。
【0062】
第2冷却部材52bは、第2熱伝導体56bで支持されている。なお、図示はしないが、第2冷却部材52bは、第2熱伝導体56b以外の支持部材で支持されていてもよい。この場合、支持部材は、樹脂などの絶縁部材であることが好ましい。
【0063】
第2熱伝導体56bは、第2冷却部材52bと液体窒素タンク54を熱的に接続している。図3に示す例では、第2熱伝導体56bは、第2冷却部材52bと液体窒素タンク54を機械的に接続している。第2熱伝導体56bは、第2冷却部材52bを支持する支持部材としても機能する。第2熱伝導体56bは、第1熱伝導体56aを介して液体窒素タンク54に接続されていてもよい。第2熱伝導体56bは、熱伝導率の高い材料からなる。
【0064】
液体窒素タンク54と第2中間室108は、第1管58aで接続されている。液体窒素タンク54と試料室110は、第2管58bで接続されている。第1管58aと第2管58bは、接続されている。
【0065】
第1管58aおよび第2管58bは、第2中間室108と試料室110をつなぐ排気経路として機能する。すなわち、第2中間室108は、第1管58a、第2管58b、および試料室110を介して、真空排気系64で排気される。これにより、第2中間室108の排気経路を増やすことができ、第2中間室108の真空度を向上できる。
【0066】
また、第1熱伝導体56aは、第1管58aを通っている。このように、第1管58aは、第1熱伝導体56aを通すための管としても機能する。また、第2熱伝導体56bは、第2管58bを通っている。このように、第2管58bは、第2熱伝導体56bを通すための管としても機能する。
【0067】
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係る電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図4は、第3実施形態に係る電子顕微鏡300の構成を示す図である。図5は、電子顕微鏡300の対物レンズ16を模式的に示す図である。以下、第3実施形態に係る電子顕微鏡300において、第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0068】
上述した電子顕微鏡100では、図1に示すように、第2中間室108に冷却部材52が配置されていた。
【0069】
これに対して、電子顕微鏡300では、図4および図5に示すように、対物レンズ16内に冷却部材52が配置されている。
【0070】
対物レンズ16内には、図示はしないが、ライナーチューブが配置されている。ライナーチューブは、対物レンズ16における電子線の経路に設けられた筒である。ライナーチューブは、真空隔壁として機能する。これにより、対物レンズ16の電磁コイルなど、ガスの放出の多い部品を真空外に配置できる。冷却部材52は、対物レンズ16内のライナーチューブ内に配置されている。
【0071】
冷却部材52は、例えば、筒状であり、対物レンズ16の光軸に関して対称である。冷
却部材52が光軸に関して非対称である場合、非点収差が悪化する。なお、冷却部材52の形状は特に限定されず、例えば、電子線を通過させる貫通孔が形成された板状であってもよい。
【0072】
図示の例では、熱伝導体56は、対物レンズ16の側面に設けられた孔17を通って、冷却部材52に接続されている。対物レンズ16に設けられた孔17は、熱伝導体56を対物レンズ16内に導入するための孔として機能する。さらに、孔17は、対物レンズ16内と試料室110をつなぐ排気経路としても機能する。これにより、対物レンズ16内の真空度を向上できる。
【0073】
冷却部材52には、絞り70が設けられている。絞り70は、対物レンズ16内に配置されている。絞り70は、電子線を通過させる。対物レンズ16内に絞り70を設けることによって、試料が鏡筒10内を見込む立体角を狭めることができる。すなわち、試料が鏡筒10内の汚染源を見込む立体角を狭めることができ、試料に付着する残留ガス(水分子)を低減できる。
【0074】
図6および図7は、絞り70の効果を説明するための図である。図6は、試料室に絞りを配置した場合を模式的に示す図であり、図7は、対物レンズ内に絞りを配置した場合を模式的に示す図である。なお、図6および図7では、絞りの径は同じである。
【0075】
図6および図7に示すように、対物レンズ内に絞りを配置した場合、試料室に絞りを配置した場合と比べて、絞りと試料との間の距離を大きくできる。したがって、対物レンズ内に絞りを配置した場合、試料室に絞りを配置した場合と比べて、試料が鏡筒内の汚染源を見込む立体角θを小さくできる。これにより、試料室に絞りを配置した場合と比べて、試料の汚染、例えば、試料に付着する氷を低減できる。
【0076】
ここで、絞りの径を小さくすることで、立体角θを小さくすることができる。しかしながら、絞りの径を小さくすると、電子線を振る幅、すなわち、電子顕微鏡像の視野が狭くなってしまう。この影響は、電子線の走査の偏向中心、すなわち、走査コイルとの距離が大きいほど大きい。したがって、対物レンズに絞りを配置した場合には、試料室に絞りを配置した場合と比べて、同じ視野を確保するために必要な絞りの径を小さくできる。
【0077】
また、対物レンズ内には、電子線のスキャンの偏向中心や電子線のクロスオーバー位置といった、電子線の広がりの小さい箇所があるため、この電子線の広がりの小さい箇所に絞りを配置することで、視野の狭まりを低減できる。
【0078】
このように、電子顕微鏡300では、対物レンズ16内に絞り70が配置されているため、視野を広く確保することができ、かつ、立体角θを小さくできる。
【0079】
冷却部材52には、絞り70が設けられているため、光軸に対して絞り70を高精度に位置合わせしなければならない。例えば、熱伝導体56は、冷却時に収縮するため、冷却部材52に位置ずれが生じる。したがって、図示はしないが、熱絶縁部材を用いて冷却部材52を固定して、対物レンズ16に対して冷却部材52を正確に位置決めしてもよい。また、電子顕微鏡300は、真空外から冷却部材52の位置を調整するための位置調整機構を有していてもよい。
【0080】
電子顕微鏡300では、冷却部材52は、対物レンズ16内に配置されている。そのため、電子顕微鏡300では、電子顕微鏡100と同様に、鏡筒10内から試料室110に流れ込む残留ガスを効率よく低減できる。さらに、対物レンズ16は、試料室110と連続しているため、対物レンズ16を通って試料室110に流れ込む残留ガスを効率よく低
減できる。
【0081】
電子顕微鏡300では、冷却部材52が対物レンズ16内に配置されているため、電子顕微鏡100と同様に、冷却部材52が視野や作動距離を妨げない。また、電子顕微鏡300では、電子顕微鏡100と同様に、試料室110内に配置される検出器やマニピュレーターなどの配置の自由度が高い。
【0082】
4. 第4実施形態
次に、第4実施形態に係る電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図8は、第4実施形態に係る電子顕微鏡400の構成を示す図である。図9は、電子顕微鏡400の対物レンズ16を模式的に示す図である。以下、第4実施形態に係る電子顕微鏡400において、第1実施形態に係る電子顕微鏡100、第3実施形態に係る電子顕微鏡300の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0083】
電子顕微鏡400では、図8および図9に示すように、冷却部材52は、対物レンズ16内に配置されており、冷却部材52の先端には絞り70が設けられている。
【0084】
冷却部材52は、図9に示すように、第1部分53aと、第2部分53bと、を有している。第1部分53aは、対物レンズ16の下に配置されている。すなわち、第1部分53aは、対物レンズ16内に配置されていない。
【0085】
第2部分53bは、対物レンズ16内に配置されている。第2部分53bの形状は、円筒状であり、内部を電子線が通過する。第2部分53bは、第1部分53aから対物レンズ16の下の開口を通って対物レンズ16内に向かって延びている。第2部分53bの後端は、第1部分53aに接続され、第2部分53bの先端には、絞り70が設けられている。
【0086】
絞り70は、対物レンズ16内に配置されている。絞り70の径は、第2部分53bの内径よりも小さい。
【0087】
絶縁部材80は、第1部分53aと対物レンズ16との間、および第2部分53bと対物レンズ16の間に配置されている。絶縁部材80によって、冷却部材52と対物レンズ16との間を電気的に絶縁できる。
【0088】
電子顕微鏡400では、上述した電子顕微鏡300と同様の作用効果を奏することができる。さらに、電子顕微鏡400では、対物レンズ16の下の開口から冷却部材52を対物レンズ16内に導入しているため、対物レンズ16の改造が不要である。例えば、図5に示すように、対物レンズ16に孔17を設けて冷却部材52を配置する場合には、対物レンズ16に孔17を形成しなければならない。
【0089】
なお、図8および図9に示す例では、対物レンズ16の下の開口から冷却部材52を対物レンズ16内に導入した場合について説明したが、図示はしないが、対物レンズ16の上の開口から冷却部材52を対物レンズ16内に導入してもよい。
【0090】
5. 第5実施形態
次に、第5実施形態に係る電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図10は、第5実施形態に係る電子顕微鏡500の構成を示す図である。以下、第5実施形態に係る電子顕微鏡500において、第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0091】
電子顕微鏡500は、図10に示すように、温度測定素子90と、制御部92と、を含む。
【0092】
ここで、液体窒素タンク54内の液体窒素がなくなってしまうと、冷却部材52の温度が急激に上昇し、鏡筒10内の真空度が急激に悪化する。これにより、電子源室102の真空度が悪化してしまうと、電子源11(電子銃)が損傷してしまう。そのため、電子顕微鏡500では、制御部92が冷却部材52の温度に基づいて、仕切弁14を制御することによって、電子源11の損傷を防ぐ。
【0093】
温度測定素子90は、冷却部材52の温度を測定する。温度測定素子90は、例えば、金属や、半導体などの電気抵抗を測定することで、温度を測定する抵抗温度計である。温度測定素子90は、冷却部材52に取り付けられている。温度測定素子90は、例えば、他の部材を介して、冷却部材52の温度を測定してもよい。
【0094】
なお、温度測定素子90は、冷却部材52の温度を測定でき、その測定結果を出力可能な素子であれば特に限定されない。
【0095】
制御部92は、例えば、CPU(Central Processing Unit)および記憶装置(RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)など)を含む。制御部92では、CPUで記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、下記に示す制御処理を行う。
【0096】
制御部92は、温度測定素子90から出力される冷却部材52の温度の測定結果を受け付ける。制御部92は、冷却されていた冷却部材52の温度が上昇し、冷却部材52の温度が第1閾値に達したと判断した場合に、仕切弁14を閉じる。第1閾値は、液体窒素タンク54によって冷却されていたときの冷却部材52の温度よりも高く、冷却部材52の温度が水分子の昇華する温度よりも低い温度に設定する。
【0097】
ここで、水分子が昇華する温度に達すると、冷却部材52に吸着した水分子が昇華し、鏡筒10内の真空度が急激に悪化する。したがって、電子顕微鏡500では、制御部92が、冷却部材52の温度が第1閾値に達したと判断した場合に、仕切弁14を閉じる。これにより、電子源室102と、冷却部材52が配置された第1中間室106と、の間のガスの経路が仕切られて、電子源室102の真空度の悪化を防ぐことができる。
【0098】
冷却部材52の温度がさらに上昇し、冷却部材52に吸着した水分子の大部分が昇華すると、水分子は排気され、鏡筒10内の真空度は回復する。
【0099】
制御部92は、冷却部材52の温度が上昇し、第2閾値に達したと判断した場合に、仕切弁14を開く。第2閾値は、水分子が昇華する温度以上である。
【0100】
電子顕微鏡500では、仕切弁14と、冷却部材52の温度を測定する温度測定素子90と、冷却部材52の温度の測定結果に基づいて仕切弁14を制御する制御部92と、を含む。このように、電子顕微鏡500では、冷却部材52の温度に基づいて仕切弁14を制御するため、液体窒素タンク54の液体窒素がなくなって、冷却部材52に吸着した水分子が昇華して真空度が急激に悪化しても、電子源室102の真空度が悪化することを防ぐことができる。
【0101】
ここで、冷却部材52の温度が上昇し、冷却部材52に吸着した水分子が昇華して真空度が上昇する場合、急激に真空度が悪化する。そのため、例えば、電子源室102の真空
度に基づいて仕切弁14を制御しても、電子源室102の真空度の悪化の速度が速いため、電子源11の損傷を防ぐことができない場合がある。
【0102】
これに対して、電子顕微鏡500では、冷却部材52の温度に基づいて仕切弁14を制御するため、冷却部材52に吸着した水分子が昇華して真空度が急激に悪化する前に、仕切弁14を閉じることができる。そのため、より確実に、電子源11の損傷を防ぐことができる。
【0103】
なお、制御部92は、仕切弁14とともに鏡筒10内に配置されている高電圧が印加されている部材の電源を制御してもよい。具体的には、制御部92は、仕切弁14を閉じる場合に、高電圧が印加されている部材への高電圧の印加を停止する。また、制御部92は、仕切弁14を開く場合に、高電圧の印加を再開する。電子顕微鏡500において、高電圧が印加されている部材としては、二次電子検出器30、反射電子検出器40がある。二次電子検出器30および反射電子検出器40などの高電圧が印加される部材は、真空度が悪化すると、放電を起こし、装置がダメージを受ける場合がある。
【0104】
なお、図示はしないが、高電圧が印加されている部材として、対物レンズ16がつくる磁場に静電場を重畳するための静電レンズ(電極)、検出器のフィルター、試料室に配置される検出器などがあげられる。
【0105】
6. その他
上述した実施形態では、本発明に係る荷電粒子線装置が、走査電子顕微鏡である場合について説明したが、本発明に係る荷電粒子線装置は、走査電子顕微鏡に限定されない。例えば、本発明に係る荷電粒子線装置は、イオンビームで試料を走査する集束イオンビーム装置であってもよい。なお、集束イオンビーム装置の構成は、イオン源を用いる点を除いて上述した走査電子顕微鏡と同様である。すなわち、集束イオンビーム装置では、イオン源から放出されたイオンビームを光学系で集束してイオンプローブを形成し、当該イオンプローブで試料を走査する。また、集束イオンビーム装置は、試料を冷却可能な試料ステージを含む。
【0106】
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
【0107】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成を含む。実質的に同一の構成とは、例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成である。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0108】
10…鏡筒、11…電子源、12…コンデンサーレンズ、13…コンデンサーレンズ、14…仕切弁、15…開き角制御レンズ、16…対物レンズ、17…孔、20…試料ステージ、30…二次電子検出器、40…反射電子検出器、50…試料汚染防止装置、52…冷却部材、52a…第1冷却部材、52b…第2冷却部材、53a…第1部分、53b…第2部分、54…液体窒素タンク、56…熱伝導体、56a…第1熱伝導体、56b…第2熱伝導体、58a…第1管、58b…第2管、60…真空排気系、62…真空排気系、64…真空排気系、70…絞り、80…絶縁部材、90…温度測定素子、92…制御部、100…電子顕微鏡、100D…電子顕微鏡、102…電子源室、104…作動排気室、1
06…第1中間室、107…配管、108…第2中間室、110…試料室、200…電子顕微鏡、300…電子顕微鏡、400…電子顕微鏡、500…電子顕微鏡
図1
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図10