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特許7382307強靱性、高温度性能、及びUV吸収性を有する多層等方性フィルム
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  • 特許-強靱性、高温度性能、及びUV吸収性を有する多層等方性フィルム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】強靱性、高温度性能、及びUV吸収性を有する多層等方性フィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/06 20190101AFI20231109BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20231109BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
B32B7/06
B32B7/023
G02B5/30
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020506324
(86)(22)【出願日】2018-08-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-22
(86)【国際出願番号】 US2018045694
(87)【国際公開番号】W WO2019032635
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】62/542,507
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,スティーブン エー.
(72)【発明者】
【氏名】パツマン,デレク ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】リュー,リチャード ユーフェン
(72)【発明者】
【氏名】ホー,ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】ヘブリンク,ティモシー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズビー,ケヴィン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デルロフスク,ジョン エフ.サード
(72)【発明者】
【氏名】パーセル,ジョン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】フェイ,ウィリアム ティー.
(72)【発明者】
【氏名】スヴァカ,ジェームズ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン,リチャード ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】リンドキスト,ティモシー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ダークス,クリストファー ジェイ.
【審査官】深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-216824(JP,A)
【文献】特表2015-530293(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0065397(US,A1)
【文献】特表2003-515754(JP,A)
【文献】特表平08-504381(JP,A)
【文献】特表2001-522741(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0348947(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B29C 48/00-48/96
C08J 5/00- 5/02、 5/12- 5/22
G02B 5/20- 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配向層と、
結合層と、
剥離層と、
等方性層と、をこの順序で有し、
前記配向層、前記結合層、前記剥離層、及び前記等方性層は全て、押出可能な材料を含み、かつ共押出されており、
前記剥離層は、90度剥離試験において、前記等方性層に対する0.02~0.15N/cm(5~40g/インチ)の接着性をもたらし、
前記等方性層は、0.01未満の面外複屈折を呈し、
前記結合層は、90度剥離試験において、前記配向層に対する1.9N/cm(500g/インチ)より大きい剥離力をもたらす、
多層フィルム。
【請求項2】
第1の配向層と、
等方性層と、
第2の配向層と、をこの順序で有し、
前記第1及び第2の配向層、並びに前記等方性層は全て、押出可能な材料を含み、かつ共押出されており、
前記第1の配向層と前記等方性層とは物理的に互いに接触しており、
前記等方性層と前記第2の配向層とは物理的に互いに接触しており、
前記等方性層は、0.01未満の面外複屈折を呈
前記等方性層は、90度剥離試験において、前記第1の配向層及び前記第2の配向層に対する0.02~0.15N/cm(5~40g/インチ)の接着性をもたらす、
多層フィルム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くのフィルム用途、特に電子機器では、製造業者は、より薄く、より軽量の設計部品を望む。その結果、多くの用途に薄い基材を提供することが強く望まれている。更に、これらの用途のいくつかは、基材フィルムに関連する光学損失、吸収、及びヘイズを最小限に抑えることを試みている。加えて、多くの用途は、減偏光による影響を受けやすく、したがって、高度に等方性の基材を必要とする。高弾性、高使用温度、及び妥当な強靭性(非脆性)の基材もまた、プロセス取り扱い工程及び最終用途の両方で望ましい。最後に、多くの一体型ディスプレイ基材は、ディスプレイマトリックス内のより深い(光源から離れた)材料の一部を保護するために、ある程度の紫外線(UV)光遮断性をもたらす必要がある。
【0002】
等方性低ヘイズフィルムが知られている。例えば、アクリル及びCOCシート/ロールは、市場で入手可能である。しかしながら、これらのフィルムは、困難な物理的特性に悩まされており、これら(又はコポリエステル)などの等方性フィルムの薄型バージョンは、入手可能である場合、非常に高価であり、取り扱いが非常に困難である。また、これらのフィルムは、必要量のUV光遮断性を本質的に提供しない。
【発明の概要】
【0003】
第1の多層フィルムは、配向層と、剥離層と、等方性層と、をこの順序で有する。配向層、剥離層、及び等方性層は全て、押出可能な材料を含み、かつ配向されている。
【0004】
第2の多層フィルムは、第1の配向層と、第1の剥離層と、等方性層と、第2の剥離層と、第2の配向層と、をこの順序で有する。第1及び第2の配向層、第1及び第2の剥離層、並びに等方性層は全て、押出可能な材料を含み、かつ配向されている。
【0005】
第3の多層フィルムは、第1の等方性層と、第1の剥離層と、配向層と、第2の剥離層と、第2の等方性層と、をこの順序で有する。第1及び第2の等方性層、第1及び第2の剥離層、並びに配向層は全て、押出可能な材料を含み、かつ配向されている。
【0006】
第4の多層フィルムは、第1の等方性層と、配向層と、結合層と、剥離層と、第2の等方性層と、をこの順序で有する。第1及び第2の等方性層、結合層、並びに剥離層は全て、押出可能な材料を含み、かつ配向されている。
【0007】
第5の多層フィルムは、第1の等方性層と、第1の剥離層と、第1の結合層と、配向層と、第2の結合層と、第2の剥離層と、第2の等方性層と、をこの順序で有する。第1及び第2の等方性層、第1及び第2の剥離層、第1及び第2の結合層、並びに配向層は全て、押出可能な材料を含み、かつ配向されている。
【0008】
第6の多層フィルムは、第1の配向層と、等方性層と、第2の配向層と、をこの順序で有する。第1及び第2の配向層、並びに等方性層は全て、押出可能な材料を含み、かつ配向されている。
【0009】
第7の多層フィルムは、第1の等方性層と、配向層と、第2の等方性層と、をこの順序で有する。配向層、並びに第1及び第2の等方性層は全て、押出可能な材料を含み、かつ配向されている。
【0010】
第8の多層フィルムは、第1の配向層と、第1の等方性層と、結合層と、第2の等方性層と、第2の配向層と、をこの順序で有する。第1及び第2の配向層、第1及び第2の等方性層、並びに結合層は全て、押出可能な材料を含み、かつ配向されている。
【0011】
第9の多層フィルムは、第1の配向層と、結合層と、第2の配向層と、をこの順序で有する。第1及び第2の配向層、並びに結合層は全て、押出可能な材料を含み、かつ配向されている。
【0012】
他の多層フィルムは、これら9つ又は他の実施形態のうちのいずれかを含み、押し出されたが配向されていないキャリア層を、配向層の代わりに有し、他の層は必ずしも押出可能でも配向されているわけでもない。
具体的には例えば、以下の多層フィルムについても付記する。
キャリア層と、剥離層と、等方性層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
当該多層フィルムは、前記キャリア層と前記剥離層との間に結合層を更に含んでいてもよい。
第1のキャリア層と、第1の剥離層と、等方性層と、第2の剥離層と、第2のキャリア層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
第1の等方性層と、第1の剥離層と、キャリア層と、第2の剥離層と、第2の等方性層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
第1の等方性層と、キャリア層と、結合層と、剥離層と、第2の等方性層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
第1の等方性層と、第1の剥離層と、第1の結合層と、キャリア層と、第2の結合層と、第2の剥離層と、第2の等方性層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
第1のキャリア層と、等方性層と、第2のキャリア層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
第1の等方性層と、キャリア層と、第2の等方性層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
第1のキャリア層と、第1の等方性層と、結合層と、第2の等方性層と、第2のキャリア層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
第1のキャリア層と、結合層と、第2のキャリア層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
キャリア層と、複数の等方性層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
第1のキャリア層と、少なくとも3つの等方性層のパケットと、第2のキャリア層と、をこの順序で有する、多層フィルム。
当該多層フィルムは、前記等方性層と前記第1又は第2のキャリア層との間に剥離層を更に含んでいてもよい。

【図面の簡単な説明】
【0013】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、説明と共に本発明の利点及び原理を説明する。図面は以下のとおりである。
図1】3層フィルム実施形態の側面図である。
図2】4層フィルム実施形態の側面図である。
図3】5層フィルム実施形態の側面図である。
図4】5層フィルム実施形態の側面図である。
図5】5層フィルム実施形態の側面図である。
図6】7層フィルム実施形態の側面図である。
図7】3層フィルム実施形態の側面図である。
図8】3層フィルム実施形態の側面図である。
図9】5層フィルム実施形態の側面図である。
図10】3層フィルム実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、高弾性、高使用温度、UV遮断性、及び強靱性の所望の特性を有する、低ヘイズ、非晶質の等方性フィルムの剥離可能な薄層を特徴とする基材の提供を可能にする、多層フィルム及びフィルムの製造方法を含む。
【0015】
多層共押出、共配向、及びアニーリングプロセスを使用して、リリース層及び支持基材の上に薄い等方性のUV遮断層を提供することができる。これらのフィルム構造は、コーティング及び加工などの追加の処理工程中に一緒に維持することができる。リリース層及び寸法安定性基材層は、処理工程が完了すると容易に除去することができる。
【0016】
上に列挙した特徴を有するフィルムを提供するために、所望のポリマー材料の層をキャリアバッキング上に押出コーティング又は溶媒コーティングするなどの代替の作製方法を試みてもよい。
【0017】
本発明の多層フィルム用の例示的な等方性材料を溶媒コーティングすることは、より高いMW(20,000+の原子質量単位)の芳香族ポリエステルの溶解度が非常に制限されるため困難である。低固形分、及びトリフルオロ酢酸又はo-クロロベンゼン(cholorbenzene)/フェノールなどの望ましくない溶媒選択は、ある程度の溶解度を提供することができる溶媒の限定されたセットの2つの例である。
【0018】
広く清潔で均一な材料層に押出コーティングすることもまた、非常に困難であり得る。薄い押出コーティングされた層は、溶融完全性、ライン速度能力、及びキャリパー制御によってしばしば制限され、約20ミクロンの下限を有する傾向がある。加えて、共押出プロセス自体は、本発明の多層フィルムに使用される材料を含む多くのポリマーにある程度の複屈折/リターダンスを付与する。
【0019】
驚くほど低い等方性を呈する薄い低ヘイズフィルムは、寸法安定性をもたらすキャリア基材及び剥離層との共押出、フィルムの層の共配向、及びフィルムのアニーリングを伴うプロセスを通じて作製されてきた。本発明の多層フィルムの配向及びアニーリングプロセスは、望ましいレベルまで複屈折/リターダンスを低減する。加えて、本発明の多層フィルムの共押出プロセスは、汚れていない清潔な表面を提供することができ、押出コーティングプロセスに典型的な、表面欠陥及びダイビルドアップ(オリゴマー)問題を回避する。したがって、材料及びプロセス条件の賢明な選択により、薄い、低ヘイズ、強靱、UV遮断性及び等方性のフィルムの物品が製造されてきた。
【0020】
以下は、多層フィルムの物品の例示的な構成である。様々な層のための材料、及び物品の製造方法について、以下に更に説明する。
【0021】
図1は、ABC層構成を有する3層フィルム10の側面図である。フィルム10は、図示された構成に次の層:配向層A(12)、剥離層B(14)、及び等方性層C(16)を含む。フィルム10のこの構成は、安定化層A及び剥離層Bを有する等方性層(層C)を提供する。
【0022】
図2は、ADBC層構成を有する4層フィルム18の側面図である。フィルム18は、図示された構成に次の層:配向層A(20)、結合層D(22)、剥離層B(24)、及び等方性層C(26)を含む。フィルム18のこの構成は、層の第1の分離が生じる場所(この場合、層Bと層Cとの間)を制御する追加の能力を提供する。
【0023】
図3は、ABCBA層構成を有する5層フィルム28の側面図である。フィルム28は、図示された構成に次の層:配向層A(30)、剥離層B(32)、等方性層C(34)、剥離層B(36)、及び配向層A(38)を含む。フィルム28のこの構成は、等方性層(層C)の汚れていない無菌表面を可能にする。
【0024】
図4は、CBABC層構成を有する5層フィルム40の側面図である。フィルム40は、図示された構成に次の層:等方性層C(42)、剥離層B(44)、配向層A(46)、剥離層B(48)、及び等方性層C(50)を含む。フィルム40のこの構成は、等方性層(層C)の二重生成を可能にする。
【0025】
図5は、CADBC層構成を有する5層フィルム52の側面図である。フィルム52は、図示された構成に次の層:等方性層C(54)、配向層A(56)、結合層D(58)、剥離層B(60)、及び等方性層C(62)を含む。フィルム52のこの構成は、等方性層(層C)の制御されたリリースを可能にし、またフィルムの優れたカール制御を可能にする。
【0026】
図6は、CBDADBC層構成を有する7層フィルム64の側面図である。フィルム64は、図示された構成に次の層:等方性層C(66)、剥離層B(68)、結合層D(70)、配向層A(72)、結合層D(74)、剥離層B(76)、及び等方性層C(78)を含む。フィルム64のこの構成は、等方性層(層C)の制御されたリリースと二重生成とを組み合わせる。
【0027】
図7は、ACA層構成を有する3層フィルム80の側面図である。フィルム80は、図示された構成に次の層:配向層A(82)、等方性層C(84)、及び配向層A(86)を含む。フィルム80のこの構成は、複数の安定化層(層A)を有する等方性層(層C)を提供する。
【0028】
図8は、CAC層構成を有する3層フィルム88の側面図である。フィルム88は、図示された構成に次の層:等方性層C(90)、配向層A(92)、及び等方性層C(94)を含む。フィルム88のこの構成は、等方性層(層C)の二重生成を可能にする。
【0029】
図9は、ACDCA層構成を有する5層フィルム96の側面図である。フィルム96は、図示された構成に次の層:配向層A(98)、等方性層C(100)、結合層D(102)、等方性層C(104)、及び配向層A(106)を含む。フィルム96のこの構成は、等方性層間にポリマー材料(層D)を組み込むことにより、等方性層(層C)の追加の機能性を可能にする。
【0030】
図10は、ADA層構成を有する3層フィルム108の側面図である。フィルム108は、図示された構成に次の層:配向層A(110)、結合層D(112)、及び配向層A(114)を含む。フィルム108のこの構成は、複数の安定化層(層A)を有する単一層の熱可塑性材料(層D)を可能にする。
【0031】
実施例に更に記載されるように、層の材料の共押出、続いて共押出された層材料の配向及びアニーリングによって、図1図10の多層フィルム構造を作製することができる。
【0032】
これらの多層フィルムを作製する際に利用される材料セットは、以下を含む。
【0033】
層A材料は、好ましくは、3M Companyから入手可能なPEN又は低溶融PENである。PENは、0.48 IVポリエチレンナフタレートポリマーとして記載され得る。低溶融PENは、エステルベースで90モル%のナフタレート部分と10モル%のテレフタレート部分とを含む、0.48 IVコポリエステルとして記載され得る。エチレングリコールは、このポリマー中にジオールを含む。層Aは、キャリア媒体、支持基材として機能する配向層であり、配向及びアニーリングプロセスの両方の間に平坦なフィルムの生成を可能にする。アニーリング後、層Aは、高い弾性及び寸法安定性をもたらすように機能する。
【0034】
層B材料は、好ましくは、次の材料:A層、C層、及びD層と、共押出及び共配向ができるポリプロピレン又はコポリプロピレンとのブレンドである。これらの材料の例は、Lyondell-Basellから入手可能なPro-Fax SR549Mコポリプロピレン(7%ポリエチレン)である。これらのポリプロピレンは、層Bの70重量%以上を構成し、次のもの:層A、層C、及び層Dと、共押出及び共配向ができるSEBS/SEPSブロックコポリマーのうちの1つ以上とのブレンドである。これらの材料の例としては、Kraton Corporationから入手可能なKraton G1645及びKraton G1657が挙げられる。層Bはまた、層A、層C、及び層Dと共押出及び共配向ができるオレフィン系帯電防止剤を含有してもよく、これにより、フィルムキャスティングプロセスにおける静電ピンニングを向上させる。例示的な帯電防止樹脂は、Sanyo Chemical Industriesから入手可能なPelestat 230である。層Bは、層A又は層Cへ約5~40gliの接着性をもたらすように設計された剥離層である。
【0035】
層C材料は、好ましくは、PENgとして知られるcoPENポリマーである。
【0036】
PENg30は、3M Companyから入手可能なcoPENポリエステルである。作製方法及び材料組成物(エステルベースで100%のNDC、ジオールベースで70モル%のエチレングリコール及び30モル%のCHDM)は、実施例においてより完全に記載されている。PENg40及びPENg50はまた、ジオールベースで40モル%及び50モル%のCHDMを有するcoPENポリエステルであり、また、実施例においてより完全に記載されている。層Cは、例えば、高弾性、高使用温度、UV遮断性、及び強靱性の所望の特性を有する、低ヘイズ、非晶質の等方性フィルムの剥離可能な薄層の機能性をもたらす、等方性層である。
【0037】
任意の層D材料又は複数の材料は、最も好ましくは、ポリエステルに対して優れた接着性(>300gli)を呈する弾性オレフィン又はオレフィンブレンドである。これらのオレフィンは、層A、層B、及び層Cと共押出及び共配向ができる必要がある。例示的な弾性オレフィンとしては、Kraton Corporationから入手可能なKraton G1645及びKraton G1657が挙げられる。これらの材料はまた、SR549M又はPelestat 230などの低レベルの他の材料とブレンドして、物理的特性及び接着特性を調整させる、並びに/又は静電ピンニング性能を向上させることもできる。層Dは、結合層として機能する。
【0038】
他の実施形態では、配向層の代わりに、キャリア層を使用することができる。キャリア層は、押し出すことはできるが、配向することはできない。キャリア層の例は、ポリエチレンフィルムである。このようなキャリア層を使用する場合、フィルムの他の層は、押出可能である必要も配向されている必要もなく、例えばインフレーションフィルムプロセスを使用して、フィルムを作製することができる。
【実施例
【0039】
実施例1~3及びC1~C3:コポリエステルの作製及び特性評価
一連のポリエステルコポリマーを、以下の手順を使用して生成した。
【0040】
高温油温度制御、オーバーヘッド分離カラム、及び真空ポンプを備えたステンレス鋼の10ガロン反応器に、以下の成分を室温で加えた。
ジメチル-2,6-ナフタレンジカルボキシレート(NDC)-Indorama Ventures(Decatur,AL)から入手
エチレングリコール(EG)-Huntsman Petrochemical(The Woodlands,TX)から入手
シクロヘキサンジメタノール(CHDM)-Eastman Chemical(Kingsport,TN)から入手
テトラブチルチタネート(TBT)-Dorf Ketal(Houston,TX)から入手
酢酸コバルト(CoAc)-Shepherd Chemical(Cincinnati,OH)から入手
酢酸亜鉛(ZnAc)-Mallinckrodt Baker(Phillipsburg,NJ)から入手
三酢酸アンチモン(SbAc)-Arkema(Philadelphia,PA)から入手
【0041】
各実施例及び比較例について、反応器に充填された各成分の量を表1に示す。
【0042】
反応器の内容物を、125rpmで20psig(140kpa)の窒素下で混合しながら加熱した。約2時間にわたって、エステル交換反応が起こり、最高495°F(258℃)の温度に達した。生成物のメタノールを分離カラムを通して追い出し、受け器に回収した。次いで、ケトル内の圧力をゆっくりと大気圧まで低下させた。実施例C1及びC2の場合、Rhodia(Cranbury,NJ)から入手したトリエチルホスホノアセテート(TEPA)を、表1に示す量で安定剤として加えた。これらの実施例及び比較例のそれぞれについて、温度を再び上昇させ、真空をケトルに適用し、バッチ粘度が許容されるにつれて真空を増加させた。過剰なエチレングリコールを追い出した。約545°F(285℃)の温度及び約1mmHg(0.1kpa)の低真空で約2時間後、反応は、所望の終点(約0.48dL/gの固有粘度(又はIV)、フェノール/o-クロロベンゼンの60/40重量%ブレンドで測定)まで進行した。次いで、ケトルを空にし、得られた樹脂を室温まで冷却し、その後、更に評価するために小片に粉砕した。
【表1】
【0043】
次いで、各例示的な樹脂の一部を150℃のオーブンに48時間置いて冷結晶化を生じさせた。次いで、示差走査熱量計、又はDSC(TA Instruments(New Castle,Del.)から市販されているQ2000)を使用して、冷結晶化材料を試験した。試験は、30℃~290℃の温度範囲にわたる3段階加熱-冷却-加熱温度法を含んだ。試験片を、第1の加熱後、3分間290℃で保持した。温度ランプ速度は、加熱及び冷却の両方について20℃/分であった。第1の加熱スキャン及び第2の加熱スキャンの両方を記録し、分析した。表2は、融点及び関連する融解エンタルピー(δH)の結果を表す。加えて、各材料のガラス転移温度(Tg)もまた列挙される。
【表2】
【0044】
表2は、実施例1、2、及び3(それぞれPENg30、PENg40、及びPENg50)が融解エンタルピーをほとんど又は全く有さず(<3J/g)、210℃以下の融点を呈することを示す。この表中の6つの材料全てのTgは、115℃~120℃であると測定された。
【0045】
実施例4~6及びC4
A/B/C/B/A層構成の一連の3成分5層フィルムを、共押出、延伸、及びアニーリングによって生成した。これらの5層フィルムは、図3と一致する層構成を使用した。3つの実施例及び比較例のそれぞれについて、A層樹脂は、インハウスで調製した0.48 IVのPENホモポリマーであった。PENの供給速度は、4.54kg/時間であった。各々について、B層樹脂は、Pro-Fax SR549M(Lyondell-Basell(Houston TX)から入手した11MFI(メルトフローインデックス)の透明ポリプロピレンランダムコポリマー)と、Kraton 1645(Kraton Corporation(Houston TX)から入手した3MFIのスチレン-エチレン/ブタジエン-スチレン(SEBS)トリブロックポリマー)と、の9:1ブレンド(重量比)である。このブレンドの供給速度は、2.27kg/時であった。C層樹脂は、これらの実施例及び比較例の間で変化した。実施例4は、C層樹脂として、実施例1の樹脂(PENg30)を使用した。実施例5は、C層樹脂として、実施例2の樹脂(PENg40)を使用した。実施例6は、C層樹脂として、実施例3の樹脂(PENg50)を使用した。比較例C4は、C層樹脂として、実施例C3の樹脂(PENg60)を使用した。各々について、C層樹脂の供給速度は、4.54kg/時間であった。
【0046】
実施例4~6及び比較例C4の各フィルムについて、PEN樹脂を、27mmの二軸押出機(TSE)を用いて、ギアポンプ及びネックチューブを通して5層供給ブロックの外側層に押し出すことによって、外側層(又はA層)を生成した。このメルトトレイン(melt train)は、約285℃のピーク温度を有する漸進的温度押出プロファイルを使用した。中間層(又はB層)を、上記の樹脂の両方を、約260℃がピークの漸進的温度プロファイルを有する27mmのTSEに供給し、次いで、ギアポンプ及びネックチューブに供給し、かつそれらを通して、5層供給ブロックの第2層及び第4層に供給することによって生成した。コア層(又はC層)は、上記の樹脂を、ギアポンプ及びネックチューブを備える25mmのTSEを通して押し出して、5層供給ブロックの第3層(又は中央層)に供給することによって生成した。再び、約285℃のピーク温度を有する漸進的温度プロファイルを使用した。8インチ(20.3cm)のフィルムダイを供給し、これらを約285℃の温度で保持した。溶融押出物を、約50℃の温度で維持されたキャスティングホイールにキャストした。約36ミル(0.91mm)厚のキャストウェブをこのプロセス中に供給ブロックを生成した。
【0047】
次いで、押出及びキャスティングプロセスから生成されたキャストウェブを、Brueckner Maschinenbau(Siegsdorf,Germany)から入手したKARO IV研究室用延伸機を使用して、延伸及びアニーリングした。フィルムの延伸を、約140℃の温度のオーブンで行った。予熱期間は、約45秒であった。フィルムを元のサイズの350%×350%の最終寸法まで同時に二軸延伸し、約3ミル(75ミクロン)の完成フィルムを得た。次いで、これらのフィルムを約225℃に維持されたアニーリングオーブンに搬送し、その温度で15秒間保持した。次いで、これらの延伸及びアニーリングされたフィルムを、屈折率、ヘイズ、及び透過率について評価した。また、未延伸のキャストウェブも屈折率について評価した。結果を表3に示す。5層フィルムを穏やかな剥離によってはがした後、これらの試験片フィルムのC(コア)層上で全ての測定を行った。各キャストウェブのC層は、約15ミル(0.38mm)厚であり、延伸されたC層は、約1.2ミル(30ミクロン)厚であった。
【0048】
これらの実施例の試験片の屈折率を、Metricon Prismカップラー(Metricon Corporation(Pennington,NJ))を使用して、機械方向(MD)、横断方向(TD)、及び厚さ(TM)方向で測定した。MD、TD及びTMの屈折率はそれぞれ、Nx、Ny、及びNzとして標識される。平均面内屈折率は、所与のサンプルについてのNx及びNy屈折率測定値の平均を表す。面外複屈折は、平均面内屈折率と、フィルムに垂直な方向(Nz)の屈折率との間の差を表す。%ヘイズを、BYK-Gardner USA(Columbia,MD)製のHaze-Gard装置を使用して測定した。ヘイズを、ASTM D-1003に従って測定した。表3において、「370nmでの%T」は、Shimadzu UV/Vis分光計(Shimadzu Scientific Instruments(Columbia,MD))を使用して測定した、370nmでの等方性キャストウェブの%透過率を指す。
【表3】
【0049】
表3は、実施例4、5、6及び比較例C4のキャストウェブが全て、低い面外複屈折(<0.01)を呈することを示す。しかしながら、実施例4、5、及び6のみが、延伸及びアニーリング後に低レベルの面外複屈折(<0.01)を維持する。全ての実施例は、低い%ヘイズを呈した。全ての実施例はまた、370nmで高レベルのUV遮断性を呈し、実施例4、5、及び6については、%Tレベルが<10%であった。
【0050】
実施例7~9:
C/A/D/B/C層構成の一連の4成分5層フィルムを、共押出、延伸、及びアニーリングによって生成した。これらの5層フィルムは、図5と一致する層構成を使用した。CADBCフィルム層積層体のこれらの実施例の材料入力を表4に示す。
【表4】
【0051】
低溶融PENは、エステルベースで90モル%のナフタレート部分と10モル%のテレフタレート部分とを含む、0.48 IV(g/dL)コポリエステルを指す。ジオール成分は、100%エチレングリコールである。低溶融PENは、インハウスで合成された。
【0052】
Pelestat 230は、三洋化成(京都、日本)から入手可能なポリエーテル-ポリオレフィン帯電防止性ブロックコポリマーを指す。
【0053】
実施例7~9の各フィルムについて、PENg30(実施例1に記載)樹脂を、27mmの二軸押出機(TSE)を用いて、ギアポンプ及びネックチューブを通して5層供給ブロックの外側層に押し出すことによって、外側層(又はC層)を生成した。このメルトトレインは、約270℃のピーク温度を有する漸進的温度押出プロファイルを使用した。上記の樹脂の両方を、約260℃がピークの漸進的温度プロファイルを有する18mmのTSEに供給し、次いで、ギアポンプ及びネックチューブに供給し、かつそれらを通して、5層供給ブロックの第4層に供給することによって、一方の中間層(B層)を生成した。上記の樹脂を、約285℃がピークの漸進的温度プロファイルを有する27mmのTSEに供給し、次いで、ギアポンプ及びネックチューブに供給し、かつそれらを通して、5層供給ブロックの第2層に供給することによって、もう1つの中間層(A層)を生成した。上記の樹脂を、ギアポンプ及びネックチューブを備える25mmのTSEを通して押し出して、5層供給ブロックの第3層(又は中央層)に供給することによって、中央層(又はD層)を生成した。再び、約260℃のピーク温度を有する漸進的温度プロファイルを使用した。8インチ(20.3cm)のフィルムダイを供給し、これらを約285℃で温度に保持した。溶融押出物を、約50℃の温度で維持されたキャスティングホイールにキャストした。約24ミル(0.61mm)厚のキャストウェブをこのプロセス中に供給ブロックを生成した。
【0054】
次いで、押出及びキャスティングプロセスから生成されたキャストウェブを、Brueckner Maschinenbau(Siegsdorf,Germany)から入手したKARO IV研究室用延伸機を使用して、延伸及びアニーリングした。フィルムの延伸を、約140℃の温度のオーブンで行った。予熱期間は、約30秒であった。フィルムを元のサイズの350%×350%の最終寸法まで同時に二軸延伸し、約2ミル(50ミクロン)の完成フィルムを得た。次いで、これらのフィルムを約225℃に維持されたアニーリングオーブンに搬送し、その温度で15秒間保持した。次いで、これらの延伸及びアニーリングされたフィルムを、屈折率、ヘイズ、及び剥離力について評価した。また、未延伸のキャストウェブも屈折率について評価した。結果を表5に示す。5層フィルムを穏やかな剥離によってはがした後、これらの試験片フィルムの底部C層(B層に隣接するもの)上で全ての屈折率及びヘイズ測定を行った。各キャストウェブの底部C層は、約5ミル(0.13mm)厚であり、延伸されたC層は、約0.4ミル(10ミクロン)厚であった。
【0055】
Imass SP-2100(Imass,Inc.(Marshfield,MA))を使用し、標準的な90度剥離試験を使用して、フィルムの剥離力について評価した。3つの実施例全てについて、剥離層(B)及び等方性層(C)は、10g/インチ(3.9g/cm)未満の剥離力を呈し、一方、結合層(D)及び配向層(A)は、500g/インチ(200g/cm)より大きい剥離力を呈するという点に留意されたい。これらの実施例における剥離された等方性層は、低ヘイズ及び低面外複屈折を呈する。
【表5】
【0056】
耐溶媒性:
実施例4に記載されたフィルムは、これらの溶媒のそれぞれに室温で5分間曝露した場合、シクロヘキサノン、n-ブチルアセテート、及びプロピルグリコールメチルエーテルアセテートに対して優れた耐溶媒性を呈する。膨潤、割れ、又はひずみの痕跡は見られなかった。
【0057】
追加の実施例
一連の多層フィルムを、共押出インフレーションフィルムプロセスによって生成した。ACA(図7)及びABCBA(図3)フィルム層積層体の実施例の材料入力を表6に示す。
【表6】
【0058】
DOW611Aポリエチレン樹脂を、約30:1の長さ対直径比を有する20mmの単軸押出機及びアダプタを通して、7層環状積層ダイ(Labtech Engineering(Samutprakarn,Thailand)から「COEX 7-LAYER」(タイプLF-400)の商品名で入手)の層1、層2、層3、層6、及び層7に押し出すことによって、スキン層(A)を生成した。これらのメルトトレインは、約210℃のピーク温度を有する漸進的温度押出プロファイルを使用した。上記の樹脂を、約30:1の長さ対直径比を有する20mmの単軸押出機及びアダプタを通して、7層環状積層ダイの第4層及び第5層に押し出すことによって、コア層(C)を生成した。これらのメルトトレインは、約255℃のピーク温度を有する漸進的温度押出プロファイルを使用した。パンケーキ型ダイ及びマンドレルを、227℃の目標温度で保持した。インフレーション成形機のモータ出力を、約3000rpmに保持した。続いて、バブルをダイの約10フィート上で折りたたみ、巻き取った。
【0059】
生成したフィルムを、表7に列挙されるように、透過率、ヘイズ、及び屈折率について測定した。PENg30/40サンプルの目標厚さは、1.5ミルのフィルムを目標とした。
【表7】
【0060】
表7に示すように、サンプルヘイズは、1%の目標よりも高い。これは、小規模ラインでの冷却能力に起因する。表7にも示すように、これらのサンプルの複屈折は、0.005の目標を下回る。これは、これらのフィルムが等方性であると考えられることを示す。
【0061】
また、Brampton Engineeringによって提供された、9層環状積層ダイインフレーションフィルムラインを使用して、サンプルを生成した。サンプル構造は、表8に詳細に記載されている。
【表8】
【0062】
DOW611Aポリエチレン樹脂を、2.5インチの単軸押出機を通して、アダプタを通して、9層パンケーキ型インフレーションフィルムダイの層1、層2、層3、層4、層6、層7、層8、及び層9に押し出すことによって、外側層(A)を生成した。これらのメルトトレインは、約200℃のピーク温度を有する漸進的温度押出プロファイルを使用した。上記の樹脂を、アダプタ及びダンプバルブを備える2インチの単軸押出機を通して、9層パンケーキ型インフレーションフィルムダイの第5層に押し出すことによって、コア層(C)を生成した。このメルトトレインは、約255℃のピーク温度を有する漸進的温度押出プロファイルを使用した。パンケーキ型ダイ及びマンドレルを、220℃の目標温度で保持した。
【0063】
これらのサンプルの透過率、ヘイズ、及び屈折率を、表9に列挙する。これらのサンプルは、0.25ミル~2ミルの厚さの範囲である。全てのフィルムサンプルを、サンプル17-0825-3を除いて、PENg30から作製した。このサンプル17-0825-3は、PENg40から作製された。これにより、屈折率の差を説明する。
【表9】
【0064】
表8に示すほとんどの部分について、ヘイズは、1%未満であり、透過率は、光学的に透明なフィルムの目標である90%よりも高い。フィルムの屈折率は、屈折率が測定される角度に基づいて変化する。これは、形成比に起因する。形成比が1に近づくにつれて、フィルムは、よりバランスのとれた配向を呈する。
【0065】
図9及び図10にそれぞれ示されたACDCA及びADAの構成を示すフィルムを作製した。サンプル構造を、表10に詳細に記載する。
【表10】
【0066】
DOW611Aポリエチレン樹脂を、約30:1の長さ対直径比を有する20mmの単軸押出機及びアダプタを通して、7層環状積層ダイ(Labtech Engineering(Samutprakarn,Thailand)から「COEX 7-LAYER」(タイプLF-400)の商品名で入手)の層1、層2、層6、及び層7に押し出すことによって、スキン層(A)を生成した。これらのメルトトレインは、約210℃のピーク温度を有する漸進的温度押出プロファイルを使用した。コア層(C)は、上記の樹脂を、約30:1の長さ対直径比を有する20mmの単軸押出機及びアダプタを通して、7層環状積層ダイの第3層、第4層、及び第5層に押し出すことによって生成した。これらのメルトトレインは、約265℃のピーク温度を有する漸進的温度押出プロファイルを使用した。環状積層ダイ及びマンドレルを、265℃の目標温度で保持した。インフレーション成形機のモータ出力を、約1800rpmに保持した。
【0067】
これらのフィルムのリターダンス及び複屈折数を、表11に列挙する。
【表11】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10