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特許73823333-メチルシクロアルケノン類の製造方法
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  • 特許-3-メチルシクロアルケノン類の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】3-メチルシクロアルケノン類の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 45/66 20060101AFI20231109BHJP
   C07C 45/62 20060101ALI20231109BHJP
   C07C 49/385 20060101ALI20231109BHJP
   C07C 49/607 20060101ALI20231109BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20231109BHJP
【FI】
C07C45/66
C07C45/62
C07C49/385 E
C07C49/607
C07B61/00 300
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020549246
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2019037435
(87)【国際公開番号】W WO2020067079
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】P 2018179516
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000169466
【氏名又は名称】高砂香料工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100128761
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】前田 裕徳
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108191622(CN,A)
【文献】国際公開第2010/109650(WO,A1)
【文献】特開2018-87184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07B
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化ジルコニウムを含む触媒の存在下、前記触媒に対して0.2倍質量以上の下記一般式(1):
【化1】
(式(1)中、nは8、9、10、11、又は12を示す)
で表されるジケトンを気相で分子内縮合反応させることを含む、下記一般式(2):
【化2】
(式(2)中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示し、二重結合の配置はシス又はトランスのどちらでもよく、nは一般式(1)におけるnと同じである。)
で表される3-メチルシクロアルケノン類の製造方法であって、
触媒に含まれる金属酸化物(酸化ジルコニウムを除く)の量が、触媒総重量に対して3質量%以下である、前記3-メチルシクロアルケノン類の製造方法
【請求項2】
前記触媒が、酸化ジルコニウムである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記触媒が、酸化ジルコニウム以外の金属酸化物をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記金属酸化物がアルミナである、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記一般式(1)で表されるジケトンが2,15-ヘキサデカンジオンであり、分子内縮合反応により生成する前記一般式(2)で表される3-メチルシクロアルケノン類が3-メチルシクロペンタデセノン類である、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記触媒を反応器に充填し、反応器に充填した触媒1gに対して、前記一般式(1)で示されるジケトンを、0.01~50g/hrの量で反応器に連続的に供給して分子内縮合反応させることを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
酸化ジルコニウムを含む触媒の存在下、触媒に対して0.2倍質量以上の2,15-ヘキサデカンジオンを、気相で分子内縮合反応させることにより、下記一般式(2’):
【化3】
(式中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示し、二重結合の配置はシス又はトランスのどちらでもよく、n’は10を示す。)
で表される3-メチルシクロペンタデセノン類を製造し、
得られた3-メチルシクロペンタデセノン類を水素化すること
を含む、ムスコンの製造方法であって、
触媒に含まれる金属酸化物(酸化ジルコニウムを除く)の量が、触媒総重量に対して3質量%以下である、前記ムスコンの製造方法
【請求項8】
前記触媒を反応器に充填し、反応器に充填した触媒1gに対して、2,15-ヘキサデカンジオンを、0.01~50g/hrの量で反応器に連続的に供給して分子内縮合反応させることを含む、請求項に記載のムスコンの製造方法。
【請求項9】
前記触媒が、酸化ジルコニウムである、請求項又はに記載のムスコンの製造方法。
【請求項10】
前記触媒が、酸化ジルコニウム以外の金属酸化物をさらに含む、請求項又はに記載のムスコンの製造方法。
【請求項11】
前記金属酸化物がアルミナである、請求項10に記載のムスコンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大環状ケトンである3-メチルシクロアルケノン類の製造方法、特に香料として有用なムスコンの合成中間体である3-メチルシクロペンタデセノン類の製造方法に関する。また、本発明は、ムスコンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大環状ケトンを合成する試みは行われており、特に香料として重要なムスコンの合成中間体である3-メチルシクロペンタデセノン類を2,15-ヘキサデカンジオンより合成する方法が知られている。例えば、有機亜鉛化合物を用いて分子内環化させる方法(特許文献1参照);四塩化チタン及びトリブチルアミンを用いて分子内環化し、酸触媒にて脱水させる方法(非特許文献1参照);2,15-ヘキサデカンジオンを気相にて触媒量に対して5~15質量%の水の存在下、触媒としてTiO、CeO、及びThOのいずれかを用いて分子内環化させる方法(特許文献2参照);2,15-ヘキサデカンジオンを気相にて、触媒としてZnO、CaO、及びMgOのいずれかを用いて分子内環化させる方法(特許文献3参照)等が知られている。
また、酸化ジルコニウム触媒を用いた分子内気相アルドール反応の例としては、2,5-ヘキサンジオンを分子内環化して3-メチルシクロペンテノンを合成する方法(非特許文献2参照)が知られている。
【0003】
しかしながら、上記の種々の3-メチルシクロペンタデセノン類の製造方法では、(i)当量以上の助剤の使用、(ii)特殊な触媒の使用、(iii)大希釈系、(iv)収率が低い、(v)原料供給量が低く反応効率が悪い等の問題点があった。
例えば、特許文献1に記載の方法は液相反応であることから、分子間縮合を抑制するために大希釈系(実施例での原料2,15-ヘキサデカンジオン濃度は約0.2wt/vol%)とする必要があり、かつ、ヨウ化エチル亜鉛という高価な助剤を当量以上使用することから、経済的ではない。
非特許文献1に記載の方法も、同様に大希釈系(原料2,15-ヘキサデカンジオン濃度は最大で約1.3wt/vol%)とする必要があり、かつ、当量以上の助剤を使用することから、経済的な製造方法とは言えない。
特許文献2に記載された方法は、分子間縮合を抑制するために、気相にて触媒としてTiO、CeO、及びThOのいずれかを用いて反応を行う方法である。しかし、触媒にアルカリ金属などをドーピングする等の特殊な処理を必要とし、触媒に対する原料2,15-ヘキサデカンジオンの供給量も少なく(実施例での原料2,15-ヘキサデカンジオンの供給量は触媒1gに対し1時間あたり0.01g(LHSV=0.01))、反応効率が悪く経済的ではない。
特許文献3に記載された方法は、気相にて触媒としてZnO、CaO、及びMgOのいずれかを用いて反応を行う方法である。しかし、触媒に対する原料2,15-ヘキサデカンジオンの供給量が少なく(実施例での原料2,15-ヘキサデカンジオンの供給量は触媒1gに対し1時間あたり約0.025g(LHSV=0.025))、反応効率が悪く経済的な製造方法ではない。
【0004】
また、非特許文献2に記載の方法は、酸化ジルコニウムを含む触媒を用いた2,5-ヘキサンジオンを原料として用いた分子内気相アルドール縮合反応であるが、炭素数6のジケトンを原料に用いた分子内反応が非常に有利な反応である。2,5-ヘキサンジオンを原料として用いた分子内アルドール縮合反応の例として、例えば非特許文献3があるが、塩基として安価なリン酸カリウムを用いた低希釈条件の液相反応でも、目的とする3-メチルシクロペンテノンが高収率で容易に得られる。よって、非特許文献2に記載の方法は、分子内反応が困難な大環状ケトンの製造方法とは全く別の種類の製造方法を開示したものであると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開昭59-157047号公報
【文献】特開平3-81242号公報
【文献】国際公開第2010-109650号
【非特許文献】
【0006】
【文献】Tetrahedron 2002,58,8269-8280
【文献】Catalysis Communications 2017,92,105-108
【文献】Green Chemistry 2015,17,2393-2397
【文献】触媒学会、「触媒講座第5巻(工学編1)触媒設計」、第1版、株式会社講談社、1985年12月10日、p.39-45
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術の問題点を解決し、気相反応で反応効率のよい大環状ケトンの製造方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、酸化ジルコニウムを含む触媒の存在下、気相反応によって対応するジケトンから予想外に反応効率よく目的の3-メチルシクロアルケノン類を製造できることを見出した。なお、このことは特許文献3の比較例2で開示されている酸化ジルコニウムを触媒に使用した結果(転化率99%、選択率0%、収率0%)からは全く予見できず、酸化ジルコニウム触媒を用いた実験結果は全く予想外のものであった。本発明者らは、これらの知見に基づき、さらに研究を重ね、ついに本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、下記の〔1〕~〔21〕に関する。
〔1〕酸化ジルコニウムを含む触媒の存在下、前記触媒に対して0.2倍質量以上の下記一般式(1):
【化1】

(式(1)中、nは8、9、10、11、又は12を示す)
で表されるジケトンを気相で分子内縮合反応させることを含む、下記一般式(2):
【化2】

(式(2)中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示し、二重結合の配置はシス又はトランスのどちらでもよく、nは一般式(1)におけるnと同じである。)
で表される3-メチルシクロアルケノン類の製造方法。
〔2〕前記触媒が、酸化ジルコニウム単体である、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕前記触媒が、酸化ジルコニウム以外の金属酸化物をさらに含む、前記〔1〕に記載の製造方法。
〔4〕前記金属酸化物がアルミナである、前記〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕アルミナの含有量が、触媒総重量に対して10質量%以下である、前記〔4〕に記載の製造方法。
〔6〕前記一般式(1)で表されるジケトンが2,15-ヘキサデカンジオンであり、分子内縮合反応により生成する前記一般式(2)で表される3-メチルシクロアルケノン類が3-メチルシクロペンタデセノン類である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔7〕前記触媒を反応器に充填し、反応器に充填した触媒1gに対して、前記一般式(1)で示されるジケトンを、0.01~50g/hrの量で反応器に連続的に供給して分子内縮合反応させることを含む、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔8〕酸化ジルコニウムを含む触媒の存在下、触媒に対して0.2倍質量以上の2,15-ヘキサデカンジオンを、気相で分子内縮合反応させることにより、下記一般式(2’):
【化3】

(式中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示し、二重結合の配置はシス又はトランスのどちらでもよく、n’は10を示す。)
で表される3-メチルシクロペンタデセノン類を製造し、
得られた3-メチルシクロペンタデセノン類を水素化すること
を含む、ムスコンの製造方法。
〔9〕前記触媒を反応器に充填し、反応器に充填した触媒1gに対して、2,15-ヘキサデカンジオンを、0.01~50g/hrの量で反応器に連続的に供給して分子内縮合反応させることを含む、前記〔8〕に記載のムスコンの製造方法。
〔10〕前記触媒が、酸化ジルコニウム単体である、前記〔8〕又は〔9〕に記載のムスコンの製造方法。
〔11〕前記触媒が、酸化ジルコニウム以外の金属酸化物をさらに含む、前記〔8〕又は〔9〕に記載のムスコンの製造方法。
〔12〕前記金属酸化物がアルミナである、前記〔11〕に記載のムスコンの製造方法。
〔13〕アルミナの含有量が、触媒総重量に対して10質量%以下である、前記〔12〕に記載のムスコンの製造方法。
〔14〕前記〔6〕又は〔7〕に記載の製造方法により3-メチルシクロペンタデセノン類を含む3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を生成し、
この3-メチルシクロペンタデセノン類含有液から原料である2,15-ヘキサデカンジオンを晶析分離して除き、
その2,15-ヘキサデカンジオンを除いた3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を水素化すること
を含む、ムスコンの製造方法。
〔15〕酸化ジルコニウムを含む触媒の存在下、触媒に対して0.2倍質量以上の2,15-ヘキサデカンジオンを、気相で分子内縮合反応させることにより、下記一般式(2’):
【化4】

(式中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示し、二重結合の配置はシス又はトランスのどちらでもよく、n’は10を示す。)
で表される3-メチルシクロペンタデセノン類を含む3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を生成し、
前記3-メチルシクロペンタデセノン類含有液に含まれる3-メチルシクロペンタデセノン類を水素化すること
を含む、ムスコンの製造方法。
〔16〕前記3-メチルシクロペンタデセノン類含有液から原料である2,15-ヘキサデカンジオンを晶析分離して除き、
前記2,15-ヘキサデカンジオンを除いた3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を水素化すること
を含む、前記〔15〕に記載のムスコンの製造方法。
〔17〕前記触媒を反応器に充填し、反応器に充填した触媒1gに対して、2,15-ヘキサデカンジオンを、0.01~50g/hrの量で反応器に連続的に供給して分子内縮合反応させることを含む、前記〔15〕又は〔16〕に記載の製造方法。
〔18〕前記触媒が、酸化ジルコニウム単体である、前記〔15〕~〔17〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔19〕前記触媒が、酸化ジルコニウム以外の金属酸化物をさらに含む、前記〔15〕~〔17〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔20〕前記金属酸化物がアルミナである、前記〔19〕に記載の製造方法。
〔21〕アルミナの含有量が、触媒総重量に対して10質量%以下である、前記〔20〕に記載の製造方法。
【0010】
また、本発明は、下記の〔1〕~〔7〕に関する。
〔1〕酸化ジルコニウム触媒の存在下、下記一般式(1)
【化5】

(式(1)中、nは8,9,10,11、又は12を示す)
で表されるジケトンを気相で分子内縮合反応させることを特徴とする、下記一般式(2)
【化6】

(式(2)中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示す。二重結合はシス、トランスどちらでもよい。nは一般式(1)と同じ。)
で表される3-メチルシクロアルケノン類の製造方法。
〔2〕金属酸化物を含む酸化ジルコニウム触媒の存在下、上記一般式(1)で表されるジケトンを気相で分子内縮合反応させることを特徴とする、上記一般式(2)で表される、前記〔1〕に記載の3-メチルシクロアルケノン類の製造方法。
〔3〕前記金属酸化物がアルミナであることを特徴とする、前記〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕アルミナの含有量が、触媒総重量に対して10質量%以下であることを特徴とする、前記〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕上記一般式(1)で表されるジケトンが2,15-ヘキサデカンジオンであり、分子内縮合反応により生成する上記一般式(2)で表される3-メチルシクロアルケノン類が3-メチルシクロペンタデセノン類であることを特徴とする、前記〔1〕~[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
〔6〕前記触媒を反応器に充填し、反応器に充填した触媒1gに対して、上記一般式(1)で示されるジケトンを、0.01~50g/hrの量で反応器に連続的に供給して分子内縮合反応させることを特徴とする、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔7〕前記〔5〕又は〔6〕の製造方法により3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を生成し、この3-メチルシクロペンタデセノン類含有液から原料である2,15-ヘキサデカンジオンを晶析分離して除き、その2,15-ヘキサデカンジオンを除いた3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を、水素化することを特徴とするムスコンの製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の製造方法によれば、対応するジケトンから3-メチルシクロアルケノン類を、従来の製法に比べて反応効率よく製造することができる。さらに、本発明の好ましい態様によれば、対応するジケトンから3-メチルシクロアルケノン類を高い原料供給量を保ちながらも高転化率かつ高選択率で製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の3-メチルシクロアルケノン類の製造方法において有効に使用しうる製造装置の一例を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、酸化ジルコニウムを含む触媒の存在下、前記触媒に対して0.2倍質量以上の下記一般式(1):
【化7】

(式(1)中、nは8、9、10、11、又は12を示す)
で表されるジケトンを気相で分子内縮合反応させることを含む、下記一般式(2):
【化8】

(式(2)中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示し、二重結合の配置はシス又はトランスのどちらでもよく、nは一般式(1)におけるnと同じである。)
で表される3-メチルシクロアルケノン類の製造方法にかかるものである。
【0014】
<原料化合物>
本発明で原料化合物として使用するジケトンは下記一般式(1):
【化9】

(式(1)中、nは8、9、10、11、又は12を示す)
で表される。
本発明で原料化合物として使用するジケトンは、具体的には2,13-テトラデカンジオン、2,14-ペンタデカンジオン、2,15-ヘキサデカンジオン、2,16-ヘプタデカンジオン、2,17-オクタデカンジオンである。本発明では、上記で示したジケトンのうち1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
原料ジケトンの製造方法は特に限定されないが、例えば、脂肪族ハロゲン化物とケトン類を塩基存在下で反応させて製造したジケトンを用いてもよい。
なお、本発明において、2,15-ヘキサデカンジオンを原料ジケトンとして用いた場合は、分子内縮合反応により得られる3-メチルシクロペンタデセノン類を水素化することにより、香料として有用なムスコンを得ることができる。
【0015】
本発明で原料化合物として使用するジケトンの量は、触媒に対して0.2倍質量以上であり、0.3倍質量以上が好ましく、1倍質量以上がより好ましい。ジケトンが触媒に対して0.2倍質量以上であると、目的の3-メチルシクロアルケノン類を反応効率よく製造することができる。また、高い原料供給量を保ちながら、目的の3-メチルシクロアルケノン類を高転化率かつ高選択率で製造することができる。なお、特に限定されないが、高転化率を維持する点で、使用するジケトンの量は、触媒に対して1000倍質量以下であることが好ましく、500倍質量以下であることがより好ましい。
【0016】
<触媒>
本発明で使用される触媒としては、酸化ジルコニウム(二酸化ジルコニウム(ZrO)、ジルコニアとも称される。)からなる単成分であってもよく、酸化ジルコニウムとその他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。触媒が、酸化ジルコニウムとその他の成分を1種又は2種以上含む場合、酸化ジルコニウムとその他の成分との物理的混合物であってもよく、酸化ジルコニウムとその他の成分とが複合体を形成していてもよい。酸化ジルコニウムとその他の成分とが複合体を形成する場合、複合体の形態は特に限定されない。例えば、酸化ジルコニウムとその他の成分が原子レベルで複合している状態であってもよく、酸化ジルコニウムの表面などにその他の成分が担持されて複合体を形成している状態であってもよい。酸化ジルコニウムとその他の成分との複合体の製造方法は特に限定されない。例えば、非特許文献4に記載の含侵法、混錬法または共沈法などによって製造することができる。
その他の成分としては、特には限定されないが、たとえば、SO、PO、B及び金属酸化物(酸化ジルコニウムを除く)等が挙げられる。金属酸化物の具体例としては、Al(アルミナ)、SiO、WO、CaO、MgO、BeO、NaO、KO、LiO、CsO、TiO、CeO、VO、V、Cr、MnO、MnO、Mn、Fe、Co、NiO、CuO、Ga、GeO、RbO、SrO、Y、Nb、In、SnO、MoO、Sb,ThO、CdO、ZnO、BaO、Ta、Bi、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Tm、Yb、及びLuなどが挙げられる。その中でも反応性及び安定性の面からAlが好ましい。
【0017】
触媒に含まれる金属酸化物の量は、特には限定されないが、好ましくは触媒総重量に対して10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下である。
触媒として使用される酸化ジルコニウム、又は酸化ジルコニウムを含む触媒は、未焼成のものを用いてもよいし、焼成処理を施してから使用してもよい。触媒へ焼成処理を施すときの温度は、400~1000℃であることが好ましく、さらに好ましくは600~900℃であり、特に好ましくは700~900℃である。また、焼成時間は1~48時間が好ましく、さらに好ましくは2~36時間であり、特に好ましくは3~12時間である。
触媒として使用される酸化ジルコニウム、又は酸化ジルコニウムを含む触媒の結晶構造は、特に限定されず、単斜晶、正方晶、立方晶、又は非晶質のいずれのものも使用することができる。
触媒として使用される酸化ジルコニウム、又は酸化ジルコニウムを含む触媒の形状は、粉末又は成形体のどちらも使用することができるが、取扱いの観点から、成形体を用いることが好ましい。成形体のサイズ及び形状は特に制限されない。例えば、1~10mm、好ましくは1~5mm程度のサイズを有するペレット状(短尺柱状)、球状、立方体状、直方体状、円盤状、楕円球状、円筒状などの成型体を用いることができる。
触媒として使用される酸化ジルコニウム、又は酸化ジルコニウムを含む触媒のBET比表面積は、特に限定されないが、好ましくは10m/g以上200m/g以下であり、さらに好ましくは10m/g以上100m/g以下である。なお、一般的には焼成温度を高くすると比表面積は小さくなる傾向がある。
【0018】
<反応器>
反応器は特に限定されなく、原料ジケトンの気化、触媒への接触、及び分子内縮合反応を行うことのできる反応装置であれば、いかなる装置でも使用することができる。
その中でも、反応器として、好ましくは触媒充填層反応器が用いられる。触媒充填層反応器は、筒状の容器に触媒を層状に充填し、その一方の端部から原料を供給し、もう一方の端部から反応生成物を取り出すようにした反応器である。図1は、触媒充填層反応器の一例を模式的に示した図である。原料を供給するためのライン1から原料を供給し、気化器(ヒーター付き)2で原料を気体状にし、触媒を充填した反応器(ヒーター付き)3の端部から原料を連続的に供給して、原料と触媒とを気相状態で接触させて反応させることができる。生成物は、触媒を充填した反応器(ヒーター付き)3のもう一方の端部から連続的に取り出し、コンデンサー4により冷却して、反応生成物の受器5で捕集することができる。本発明において、触媒充填層反応器の内径及び長さなどは特に制限されず、各々の状況に適したサイズとすることができる。
触媒充填層反応器を用いて本発明を実施するにあたっては、特に制限されないが、筒状の反応器に触媒として使用される酸化ジルコニウム、又は酸化ジルコニウムを含む触媒を層状に充填し、当該反応器に気化器等で気体状にした原料ジケトンを触媒充填層反応器の一方の端部から連続的に供給して、原料であるジケトンと、触媒として使用される酸化ジルコニウム、又は酸化ジルコニウムを含む触媒を気相状態で接触させて分子内縮合反応を行なわせ、3-メチルシクロアルケノン類を含む生成物を触媒充填層反応器のもう一方の端部から連続的に取り出す方法が好ましい。
【0019】
<溶媒>
原料のジケトンは、そのまま使用してもよいし、溶媒に溶解して使用してもよい。溶媒としては、通常は炭化水素類が用いられ、特に炭素数6~14の脂肪族炭化水素類が好ましいが、反応に不活性なものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、デカン、ドデカン、イソドデカン、デカリン、及びテトラデカン等が挙げられる。
溶媒の使用量は特に限定されないが、原料のジケトンに対して0~100倍質量、好ましくは5~50倍質量、特に好ましくは5~30倍質量である。
【0020】
<キャリアーガス>
キャリアーガスは反応に不活性なガスであればよく、特に制限されないが、例えば、窒素、又は二酸化炭素を用いることができる。キャリアーガスの使用量は、多すぎると経済的ではなく、少なすぎると副反応を制御できなくなるので、通常は原料1gに対して0.2L以上20L以下で用いられる。
【0021】
<蒸発部の温度>
原料のジケトンを気体状にする気化器の温度、すなわち蒸発部の温度は、通常は250~500℃であるが、特にこの範囲に限定されず、原料のジケトンが全量気化する温度であればよい。
【0022】
<原料の供給速度>
反応器に連続的に原料のジケトンを供給させて分子内縮合反応させる時の反応器への原料のジケトンの供給量は、原料ジケトンの種類、反応器の種類及び構造などに応じて適宜調節できる。例えば、反応器に充填した触媒1gに対して、原料ジケトンを、0.01~50g/hr、好ましくは0.05~20g/hr、特に好ましくは0.05~5g/hrの量で反応器に連続して供給し、反応効率よく分子内縮合反応させることができる。本発明の製造方法によれば、上述のように原料の供給速度を高めても分子内縮合を反応効率よく行うことが可能である。さらに、本発明の好ましい態様によれば、原料の供給速度を高めても高転化率かつ高選択率で3-メチルシクロアルケノン類を反応効率よく製造することが可能である。
【0023】
<反応温度>
反応温度は低すぎると反応が進まず、高すぎると副反応が進行するため、250~500℃の範囲が好ましく、300~450℃の範囲が特に好ましい。
【0024】
<生成物の捕集>
反応生成物は0℃以上60℃以下に冷却して捕集することができる。この反応生成物(以下、反応生成液ともいう)の主組成物は、使用した溶媒、3-メチルシクロアルケノン類、及び未反応の原料ジケトンである。得られた反応生成液から晶析分離や蒸留などの公知の分離手法によって3-メチルシクロアルケノン類及び未反応の原料ジケトンをそれぞれ分離することができる。
得られた反応生成液から晶析分離や蒸留などの公知の分離手法によって回収される未反応のジケトンは、循環利用することが可能である。
このようにして得られた3-メチルシクロアルケノン類は、下記一般式(2)
【化10】

(式(2)中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示し、二重結合の配置はシス又はトランスのどちらでもよく、nは一般式(1)におけるnと同義である。)
で表される。具体的には、(E)-3-メチル-2-シクロアルケノン、(Z)-3-メチル-2-シクロアルケノン、(E)-3-メチル-3-シクロアルケノン、(Z)-3-メチル-3-シクロアルケノン、又は3-メチレン-シクロアルカノンである。
【0025】
<ムスコンの製造方法>
原料ジケトンとして、2,15-ヘキサデカンジオンを用いた時の反応生成物の主組成物は、使用した溶媒、3-メチルシクロペンタデセノン類、及び未反応の2,15-ヘキサデカンジオンを含む3-メチルシクロペンタデセノン類含有液である。反応生成液である3-メチルシクロペンタデセノン類含有液から未反応の2,15-ヘキサデカンジオンを晶析又は蒸留などによって除いた後の3-メチルシクロペンタデセノン類は、そのまま、すなわち使用した溶媒を含む3-メチルシクロペンタデセノン類含有液のまま、又は使用した溶媒を適切な溶媒に置換した3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を、公知の方法でオレフィン部分を水素化してムスコンに誘導することができる。あるいは、反応生成液である3-メチルシクロペンタデセノン類含有液をそのまま、すなわち使用した溶媒及び未反応の2,15-ヘキサデカンジオンを含む3-メチルシクロペンタデセノン類含有液のまま、又は使用した溶媒を適切な溶媒に置換した3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を、公知の方法でオレフィン部分を水素化してムスコンに誘導してもよい
3-メチルシクロペンタデセノン類のオレフィン部分を水素化する方法は特に限定されない。例えば、特許文献2記載の方法のようにパラジウム触媒存在下でオレフィン部分を水素化してもよいし、特許文献3記載の方法のようにルテニウム触媒存在下でオレフィン部分を水素化してもよい。
【0026】
すなわち、本発明は、酸化ジルコニウムを含む触媒の存在下、触媒に対して0.2倍質量以上の2,15-ヘキサデカンジオンを、気相で分子内縮合反応させることにより、下記一般式(2’):
【化11】

(式中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示し、二重結合の配置はシス又はトランスのどちらでもよく、n’は10を示す。)
で表される3-メチルシクロペンタデセノン類を生成し、
前記3-メチルシクロペンタデセノン類を水素化すること
を含む、ムスコンの製造方法をも包含するものとする。
また、本発明は、酸化ジルコニウムを含む触媒の存在下、触媒に対して0.2倍質量以上の2,15-ヘキサデカンジオンを、気相で分子内縮合反応させることにより、下記一般式(2’):
【化12】

(式中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示し、二重結合の配置はシス又はトランスのどちらでもよく、n’は10を示す。)
で表される3-メチルシクロペンタデセノン類を含む3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を生成し、
前記3-メチルシクロペンタデセノン類含有液に含まれる3-メチルシクロペンタデセノン類を水素化すること
を含む、ムスコンの製造方法をも包含するものとする。
また、本発明は、酸化ジルコニウムを含む触媒の存在下、触媒に対して0.2倍質量以上の2,15-ヘキサデカンジオンを、気相で分子内縮合反応させることにより、下記一般式(2’):
【化13】

(式中、実線と点線の3つの二重線のうち、1つは二重結合、残りの2つは単結合を示し、二重結合の配置はシス又はトランスのどちらでもよく、n’は10を示す。)
で表される3-メチルシクロペンタデセノン類を含む3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を生成し、
前記3-メチルシクロペンタデセノン類含有液から原料である2,15-ヘキサデカンジオンを晶析分離して除き、
前記2,15-ヘキサデカンジオンを除いた3-メチルシクロペンタデセノン類含有液を水素化すること
を含む、ムスコンの製造方法をも包含するものとする。
【実施例
【0027】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0028】
以下の実施例及び比較例において、反応生成物の測定は、ガスクロマトグラフィー法(GLC)により行った。
・使用分析機器:GC2010ガスクロマトグラフ(島津製作所製)
・カラム:Agilent社製BC-WAX(0.25mm×30m×0.3μm)
・検出器:FID
また、以下の実施例において、転化率、選択率、及び収率は、下記数式から求めた。
転化率(%)={(W-W)/W}×100
選択率(%)={W/(W―W)}×100
収率(%)={W/W}×100
なお、上記式中、W、W、及びWの定義は下記の通りである。
=原料のモル数(反応器に供給した原料の総モル数)
=原料の残モル数(反応生成物中に残存していた原料のモル数)
=反応生成物中での目的物(相当する3-メチルシクロアルケノン類)のモル数
【0029】
[実施例1]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を70g充填し、その上部に触媒として未焼成の酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)100g(5mmφ、BET比表面積63.6m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを70g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を12L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、0.2倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0030】
[実施例2]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を70g充填し、その上部に触媒として未焼成の酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)100g(5mmφ、BET比表面積63.6m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを70g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を12L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を100時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、1.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0031】
[実施例3]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として未焼成の酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)20g(5mmφ、BET比表面積63.6m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を12L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、1.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0032】
[実施例4]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として未焼成の酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)20g(5mmφ、BET比表面積63.6m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を12L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を6時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、0.3倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0033】
[実施例5]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として未焼成の酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)20g(5mmφ、BET比表面積63.6m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を300℃に加熱し、触媒充填層反応器を300℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を30L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、1.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0034】
[実施例6]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)20g(5mmφ、BET比表面積63.6m/g)を空気中700℃で3時間の焼成処理を行ったものを充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を300℃に加熱し、触媒充填層反応器を300℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を30L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、1.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0035】
[実施例7]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)20g(5mmφ、BET比表面積63.6m/g)を空気中900℃で3時間の焼成処理を行ったものを充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を300℃に加熱し、触媒充填層反応器を300℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を30L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、1.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0036】
[実施例8]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として複合体であるアルミナ0.24質量%含む酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)20g(5mmφ、BET比表面積80.5m/g)を空気中550℃で3時間の焼成処理を行ったものを充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を300℃に加熱し、触媒充填層反応器を300℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を30L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、1.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0037】
[実施例9]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として複合体であるアルミナ0.24質量%含む酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)20g(5mmφ、BET比表面積80.5m/g)を空気中800℃で3時間の焼成処理を行ったものを充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を30L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、1.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0038】
[実施例10]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として複合体であるアルミナ0.70質量%含む酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)20g(5mmφ、BET比表面積89.3m/g)を空気中550℃で3時間の焼成処理を行ったものを充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を300℃に加熱し、触媒充填層反応器を300℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を30L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、1.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0039】
[実施例11]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として空気中800℃で3時間の焼成処理を行った複合体であるアルミナ0.74質量%含む酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)20g(5mmφ、BET比表面積27.4m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を30L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、1.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0040】
[実施例12]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として空気中800℃で3時間の焼成処理を行った複合体であるアルミナ0.74質量%含む酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)10g(5mmφ、BET比表面積27.4m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を30L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、2.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0041】
[実施例13]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として複合体であるアルミナ1.01質量%含む酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)10g(5mmφ、BET比表面積106m/g)を空気中800℃で3時間の焼成処理を行ったものを充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を30L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、2.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0042】
[実施例14]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として複合体であるアルミナ2.98質量%含む酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)10g(5mmφ、BET比表面積182m/g)を空気中800℃で3時間の焼成処理を行ったものを充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を30L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、2.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0043】
[実施例15]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として空気中800℃で3時間の焼成処理を行った複合体であるアルミナ0.76質量%含む酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)10g(2mmφ、BET比表面積31.1m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を400℃に加熱し、触媒充填層反応器を380℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を12L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を77g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を20時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、5.6倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0044】
[実施例16]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を85g充填し、その上部に触媒として空気中800℃で3時間の焼成処理を行った複合体であるアルミナ0.76質量%含む酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)20g(2mmφ、BET比表面積31.1m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを85g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を410℃に加熱し、触媒充填層反応器を392℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を24L/hrで流しながら、7.04質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を142g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を100時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、50.0倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
[比較例1]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を70g充填し、その上部に触媒として未焼成の酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)100g(5mmφ、BET比表面積63.6m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを70g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を12L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を6時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、0.06倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表2に示す。
【0047】
[比較例2]
触媒充填層反応器(21.5mmφ、長さ700mm)の下部に磁性ラシヒリング(トウトクエンジ社製)を70g充填し、その上部に触媒として未焼成の酸化ジルコニウムのペレット(第一稀元素化学工業株式会社製)100g(5mmφ、BET比表面積63.6m/g)を充填し、さらにその上部に磁性ラシヒリングを70g充填した。触媒充填層反応器の上部に気化器を設置し、気化器を340℃に加熱し、触媒充填層反応器を340℃に加熱した。キャリアーガスとして窒素を12L/hrで流しながら、3.65質量%の2,15-ヘキサデカンジオンを溶解したキシレン溶液を27g/hrの速度で気化器を通して触媒充填層反応器に導入し、分子内縮合反応を行った。この反応生成物を10℃以下に冷却して捕集した。
この反応を12時間行った。2,15-ヘキサデカンジオンの使用量は、触媒に対し、0.12倍質量であった。捕集した反応生成液をガスクロマトグラフィー法で分析して、転化率、及び3-メチルシクロペンタデセノン類の選択率、並びに収率を求めた。その結果を後記する表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
特許文献3に記載されている通り、触媒に酸化ジルコニウムを用いても、原料供給量が少なく、かつ反応時間が十分でない場合は、目的とする3-メチルシクロペンタデセノン類は全く得られなかった。
【0050】
[実施例17]ムスコンの製造方法
実施例16で得られた反応生成液を濃縮し、ヘプタン1200gを投入し、50℃に温めた。その後ゆっくり冷却し、未反応の2,15-ヘキサデカンジオンを析出させた。-10℃まで冷却した後、析出した結晶を濾過分離して、3-メチルシクロペンタデセノン類を含むヘプタン溶液1690gを得た。ヘプタン溶液は3-メチルシクロペンタデセノン類を614g含有しており、2,15-ヘキサデカンジオンは含んでいなかった。得られた結晶の乾燥後の重量は132gであり、2,15-ヘキサデカンジオンの含有量は123gであった。
このようにして得られた、3-メチルシクロペンタデセノン類を含むヘプタン溶液138gを採取し濃縮後、触媒としての5質量%パラジウムカーボンを0.1g、溶媒としての2プロパノール80gを加え2.0MPa水素加圧下、25℃で20時間反応させた。反応後、触媒としての5質量%パラジウムカーボンを濾過分離して除き、濃縮後、精密蒸留を行うことで、純度99質量%のムスコン40gを得た。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、香料として有用なムスコン、ムスコンの合成中間体である3-メチルシクロペンタデセノン及び3-メチルシクロアルケノン類の効率的な製造方法を提供するものである。
【符号の説明】
【0052】
1 原料を供給するためのライン
2 気化器(ヒーター付き)
3 触媒を充填した反応器(ヒーター付き)
4 コンデンサー
5 反応生成物の受器
図1