(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】電気絶縁を含む電子機器
(51)【国際特許分類】
H04L 25/03 20060101AFI20231109BHJP
H04L 25/02 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
H04L25/03 Z
H04L25/03 B
H04L25/02 303B
(21)【出願番号】P 2020551870
(86)(22)【出願日】2018-03-27
(86)【国際出願番号】 US2018024462
(87)【国際公開番号】W WO2019190471
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-10-30
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス, ブライアン ティー.
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】千葉 輝久
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-531181(JP,A)
【文献】特表2003-505921(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0087780(US,A1)
【文献】特表2008-502215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L25/02,25/03
H04L5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁を含む電子機器(100、200)であって、前記電子機器(100、200)が、
第1の部分(100a、200a)を第2の部分(100b、200b)から分離する双方向絶縁回路(110、210)と、
前記第2の部分(100b、200b)に配置されているバストランシーバースイッチ(120b、220b)であって前記双方向絶縁回路(110、210)に通信可能に接続されている前記バストランシーバースイッチ(120b、220b)と
を備えており、
前記バストランシーバースイッチ(120b、220b)が、前記第1の部分(100a、200a)により供給される通信制御信号を前記双方向絶縁回路(110、210)から受信する、電子機器(100、200)。
【請求項2】
前記双方向絶縁回路(110、210)が、プロセッサー端子(110a、210a)およびバス端子(110b、210b)を有する変圧器(112、212)から構成されている、請求項1に記載の電子機器(100、200)。
【請求項3】
前記双方向絶縁回路(210)が、
前記変圧器(212)に通信可能に接続されているパルス発生回路(214a)であって、前記通信制御信号を受信し、前記通信制御信号に基づいてパルス信号を生成し、前記パルス信号を前記変圧器(212)に供給するように構成されているパルス発生回路(214a)と、
前記変圧器(212)に通信可能に接続されているパルス復号化回路(214b)であって、前記パルス信号を前記変圧器(212)から受信し、前記受信したパルス信号を、前記バストランシーバースイッチ(220b)により受信される前記通信制御信号に復号するように構成されているパルス復号化回路(214b)と
をさらに備えている、請求項2に記載の電子機器(200)。
【請求項4】
前記双方向絶縁回路(110)が、前記通信制御信号を前記電子機器(100)の第1の部分(100a)から受信し、前記通信制御信号を前記バストランシーバースイッチ(120b)に供給するように構成されている制御絶縁回路(114)からさらに構成されている、請求項1
または2に記載の電子機器(100)。
【請求項5】
前記制御絶縁回路(114)が、
前記通信制御信号を受信し、前記通信制御信号に基づいてパルス信号を生成するように構成されているパルス発生回路(414a)と、
前記パルス発生回路(414a)に通信可能に接続されており、前記パルス信号を前記パルス発生回路(414a)から受信し、前記パルス信号を供給するように構成されている変圧器(412)と、
前記変圧器(412)に通信可能に接続されており、前記変圧器(412)により供給される前記パルス信号を受信し、前記受信したパルス信号を、前記バストランシーバースイッチ(120b、220b)により受信される通信制御信号に復号するように構成されているパルス復号化回路(414b)と
から構成されている、請求項4に記載の電子機器(100)。
【請求項6】
前記電子機器(100、200)の前記第1の部分(100a、200a)に配置されているプロセッサートランシーバースイッチ(120a、220a)であって、前記通信制御信号により制御されるように構成されているプロセッサートランシーバースイッチ(120a、220a)をさらに備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載の電子機器(100、200)。
【請求項7】
プロセッサー送信端子(132at、232at)およびプロセッサー受信端子(134at、234at)を有するプロセッサートランシーバー回路(130a、230a)をさらに備えており、前記プロセッサートランシーバースイッチ(120a、220a)が、前記プロセッサー送信端子(132at、232at)および前記プロセッサー受信端子(134at、234at)に選択的に通信可能に接続されている、請求項6に記載の電子機器(100、200)。
【請求項8】
前記プロセッサートランシーバー回路(130a、230a)が、プロセッサー送信回路(132a、232a)およびプロセッサー受信回路(134a、234a)から構成されており、
前記プロセッサー送信回路(132a、232a)が、デジタル通信を前記第1の部分(100a、200a)のプロセッサー(140、240)から受信し、前記受信したデジタル通信を前記プロセッサートランシーバースイッチ(120a、220a)に送信するように構成されており、
前記プロセッサー受信回路(134a、234a)が、前記デジタル通信を前記プロセッサートランシーバースイッチ(120a、220a)から受信し、前記受信したデジタル通信をプロセッサー(140、240)に送信するように構成されている、請求項7に記載の電子機器(100、200)。
【請求項9】
バス送信端子(132bt、232bt)およびバス受信端子(134bt、234bt)を有するバストランシーバー回路(130b、230b)をさらに備えており、前記バストランシーバースイッチ(120b、220b)が、前記バス送信端子(132bt、232bt)および前記バス受信端子(134bt、234bt)に選択的に通信可能に接続されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の電子機器(100、200)。
【請求項10】
前記バストランシーバー回路(130b、230b)が、バス送信回路(132b、232b)およびバス受信回路(134b、234b)から構成されており、
前記バス送信回路(132b、232b)が
、デジタル通信を前記バストランシーバースイッチ(120b、220b)から受信し、前記受信したデジタル通信をバスループ(L1、L2)に送信するように構成されており、
前記バス受信回路(134b、234b)が、デジタル通信を前記バスループ(L1、L2)から受信し、前記受信したデジタル通信を前記バストランシーバースイッチ(120b、220b)に送信するように構成されている、請求項9に記載の電子機器(100、200)。
【請求項11】
電子機器の一部を電気的に絶縁する方法であって、前記方法が、
双方向絶縁回路で通信制御信号を受信することであって、
前記双方向絶縁回路が電子機器の第1の部分と第2の部分を分離し、
前記通信制御信号が第1の部分により供給されることと、
受信した通信制御信号を前記第2の部分に配置されているバストランシーバースイッチに前記双方向絶縁回路で供給することと
を含む、方法。
【請求項12】
プロセッサー端子および第2の端子を有する変圧器を前記双方向絶縁回路内に提供することをさらに含む、請求項11の方法。
【請求項13】
パルス発生回路を提供し前記変圧器に通信可能に接続することであって、
前記パルス発生回路が、前記第1の部分から前記通信制御信号を受信し、前記通信制御信号に基づいてパルス信号を生成し、前記パルス信号を変圧器に供給することと、
パルス復号化回路を提供し前記変圧器に通信可能に接続することであって、
前記パルス復号化回路が、前記変圧器から前記パルス信号を受信し、前記受信したパルス信号を、前記バストランシーバースイッチにより受信される前記通信制御信号に復号すること
をさらに含む、請求項12の方法。
【請求項14】
制御絶縁回路を提供することと、
前記制御絶縁回路で前記通信制御信号を受信することと、
前記受信した通信制御信号を前記第2の部分に配置されている前記バストランシーバースイッチに前記制御絶縁回路で供給することと
をさらに含む、請求項11
または12に記載の方法。
【請求項15】
前記制御絶縁回路を提供することが、
前記通信制御信号を受信し、前記通信制御信号に基づいてパルス信号を生成するパルス発生回路を提供することと、
変圧器を提供しパルス発生回路に通信可能に接続することであって、前記変圧器が、前記パルス発生回路から前記パルス信号を受信し、前記パルス信号を供給することと、
パルス復号化回路を提供し前記変圧器に通信可能に接続することであって、前記パルス復号化回路が、前記変圧器により供給される前記パルス信号を受信し、前記受信したパルス信号を、前記バストランシーバースイッチにより受信される前記通信制御信号に復号することと
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の部分にプロセッサートランシーバースイッチを提供し配置することと、前記通信制御信号により制御されるように前記プロセッサートランシーバースイッチを構成することとをさらに含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
プロセッサー送信端子およびプロセッサー受信端子を有するプロセッサートランシーバー回路を提供することと、前記プロセッサートランシーバースイッチをプロセッサー送信端子とプロセッサー受信端子に選択的に通信可能に接続することとをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサートランシーバー回路を提供することが、
プロセッサー送信回路とプロセッサー受信回路を提供することを含み、前記方法が、
前記第1の部分のプロセッサーにより供給されるデジタル通信を前記プロセッサー送信回路で受信することと、前記受信したデジタル通信を前記プロセッサートランシーバースイッチに前記プロセッサー送信回路で送信することと、
デジタル通信を前記プロセッサートランシーバースイッチから前記プロセッサー受信回路で受信することと、前記受信したデジタル通信を前記プロセッサーに前記プロセッサー受信回路で送信すること
をさらに含む、請求項17の方法。
【請求項19】
バス送信端子およびバス受信端子を有するバストランシーバー回路を提供し、前記バストランシーバースイッチを前記バス送信端子および前記バス受信端子に選択的に通信可能に接続することをさらに含む、請求項11から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記バストランシーバー回路を提供することが、バス送信回路およびバス受信回路を提供することを含み、
デジタル通信をバストランシーバースイッチから前記バス送信回路で受信することと、前記受信したデジタル通信をバスループに前記バス送信回路で送信することと、
デジタル通信を前記バスループから前記バス受信回路で受信することと、前記受信したデジタル通信を前記バストランシーバースイッチに前記バス受信回路で送信することとをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明される実施形態は、電気絶縁に関し、より具体的には、電気絶縁を含む電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用制御製品では、限られた計算および/または電力リソースを利用しながら、潜在的に危険で電気的にノイズの多い環境で通信を行う必要がある。一部の通信プロトコルは、このような環境で動作するように開発されている。1つの例示的な通信プロトコルは、ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサー(HART)プロトコルである。HARTプロトコルは、mA電流ループに通信を重ね合わせて、アナログ信号とデジタル通信(重ね合わせた通信)を1組のワイヤーで同時に使用できる方法である。HARTプロトコルでは、これは、2つの周波数を使用して論理ビット:1200Hz(論理1)および2200Hz(論理0)を表現することにより実現される。この通信方法は、周波数シフトキーイング(FSK)と呼ばれる。
【0003】
産業用制御製品が使用される潜在的に危険な、および/または電気的にノイズの多い環境のため、多くの製品には、入力/出力(I/O)チャネル間の電気絶縁、センサー接続および/または処理機能が含まれる。危険のない設置では、I/Oチャネルが種々のシステムに向けられる可能性があるため、この絶縁は、接地ループとノイズ源の可能性を排除するために提供される。危険領域の設置では、絶縁は承認基準を満たす必要があるかもしれない。
【0004】
図1は、電気絶縁を備えた先行技術の電子機器10を示す。
図1に示されるように、先行技術の電子機器10は、非絶縁部分10aおよび絶縁部分10bを含む。非絶縁部分10aは、絶縁デバイス12a、12bにより絶縁部分10bから電気的に絶縁されている。非絶縁部分10aおよび絶縁部分10bは、各々、送信回路13a、13bおよび受信回路14a、14bを含む。非絶縁部分10aは、さらにプロセッサー15を含み、絶縁部分10bは、変調回路16およびHARTフィルター17を含む。
【0005】
HART送信周波数(各「0」論理または「1」論理を伴う周波数)が、プロセッサー15から生成され、これは、HARTモデムを含むか、またはHARTモデムと呼ばれることがある。周波数は、通常、デジタル信号用のオプトカプラーまたはアナログ信号用の線形オプトカプラーである絶縁デバイス12aを介して送信される。周波数は、絶縁部分10bの4mAから20mAの電流設定を変調するために使用される。HARTフィルター17を介して受信される受信HART信号はまた、プロセッサー15により読み取られて復調されるために、絶縁デバイス12bを通る必要がある。しかし、この実施には、いくつかの問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
第1に、HARTは半二重形式の通信である。すなわち、デバイスは、信号を送信または受信するが、同時に送信および受信することはない。
図1に示されるように、デバイスがHART信号を送信するとき、送信される信号は受信回路でも見られる。これは、送信信号の「エコーバック」と呼ばれ、2つの別の絶縁デバイス12a、12bがあるためである。これは、送信と受信の完全性を維持するために、2つのHART絶縁ポイントを必要とする。
【0007】
第2に、オプトカプラーは、狭い電流範囲を制御するための設計能力を制限する広い電流伝達率(CTR)を有する。CTRは、オプトカプラーの片側に供給される電流と、反対側に供給される電流との比である。この比は、80%から300%の許容誤差を有する可能性がある。mA変調(HART変調など)は電流制御であるため、これらの高い許容誤差でmA変調を制御することは困難である。オプトカプラーはまた、一般的に高駆動電流を必要とするが、これは、低電力製品やループ電源駆動製品には望ましくない。
【0008】
第3に、製品が交流(AC)電圧により給電されているにもかかわらず、出力が危険領域に入る必要がある場合、絶縁コンポーネントには多くの間隔要件がある。しかし、危険領域の間隔で評価されるコンポーネントの選択は非常に制限される。さらに、HART絶縁足跡基板面積(絶縁ポイント)および/または絶縁に必要な消費電力を削減することが望まれる。したがって、上記の欠点のない電気絶縁を含む電子機器が必要とされている。
【0009】
電気絶縁を含む電子機器が提供される。一実施形態によれば、電子機器は、第1の部分を第2の部分から分離する双方向絶縁回路と、第2の部分に配置されているバストランシーバースイッチとを備えている。バストランシーバースイッチは、双方向絶縁回路に通信可能に接続されている。バストランシーバースイッチは、第1の部分により供給される通信制御信号を双方向絶縁回路から受信する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
電子機器の一部を電気的に絶縁する方法が提供される。一実施形態によれば、本方法は、通信制御信号を双方向絶縁回路で受信することを含み、双方向絶縁回路は、電子機器の第1の部分と第2の部分を分離し、通信制御信号は、第1の部分により供給される。本方法は、受信した通信制御信号を第2の部分に配置されているバストランシーバースイッチに双方向絶縁回路で供給することをさらに含む。
【0011】
態様
一態様によれば、電気絶縁を含む電子機器(100、200)は、第1の部分(100a、200a)を第2の部分(100b、200b)から分離する双方向絶縁回路(110、210)と、第2の部分(100b、200b)に配置されているバストランシーバースイッチ(120b、220b)とを備えている。バストランシーバースイッチ(120b、220b)は、双方向絶縁回路(110、210)に通信可能に接続されている。バストランシーバースイッチ(120b、220b)は、第1の部分(100a、200a)により供給される通信制御信号を双方向絶縁回路(110、210)から受信する。
【0012】
好ましくは、双方向絶縁回路(110、210)は、プロセッサー端子(110a、210a)およびバス端子(110b、210b)を有する変圧器(112、212)から構成されている。
【0013】
好ましくは、双方向絶縁回路(210)は、変圧器(212)に通信可能に接続されているパルス発生回路(214a)をさらに備えており、パルス発生回路(214a)は、通信制御信号を受信し、通信制御信号に基づいてパルス信号を生成し、パルス信号を変圧器(212)に供給するように構成されている。双方向絶縁回路(210)はまた、変圧器(212)に通信可能に接続されており、変圧器(212)からパルス信号を受信し、受信したパルス信号を、バストランシーバースイッチ(220b)により受信される通信制御信号に復号するように構成されているパルス復号化回路(214b)を備えている。
【0014】
好ましくは、双方向絶縁回路(110)は、電子機器(100)の第1の部分(100a)から通信制御信号を受信し、通信制御信号をバストランシーバースイッチ(120b)に供給するように構成されている制御絶縁回路(114)からさらに構成されている。
【0015】
好ましくは、制御絶縁回路(114)は、通信制御信号を受信し、通信制御信号に基づいてパルス信号を生成するように構成されているパルス発生回路(414a)と、パルス発生回路(414a)に通信可能に接続されており、パルス発生回路(414a)からパルス信号を受信し、パルス信号を供給するように構成されている変圧器(412)と、変圧器(412)と通信可能に接続されており、変圧器(412)により供給されるパルス信号を受信し、受信したパルス信号を、バストランシーバースイッチ(120b、220b)により受信される通信制御信号に復号するように構成されているパルス復号化回路(414b)とから構成されている。
【0016】
好ましくは、電子機器(100、200)は、電子機器(100、200)の第1の部分(100a、200a)に配置されているプロセッサートランシーバースイッチ(120a、220a)をさらに備えており、プロセッサートランシーバースイッチ(120a、220a)は、通信制御信号により制御されるように構成されている。
【0017】
好ましくは、電子機器(100、200)は、プロセッサー送信端子(132at、232at)およびプロセッサー受信端子(134at、234at)を有するプロセッサートランシーバー回路(130a、230a)をさらに備えており、プロセッサートランシーバースイッチ(120a、220a)は、プロセッサー送信端子(132at、232at)およびプロセッサー受信端子(134at、234at)に選択的に通信可能に接続されている。
【0018】
好ましくは、プロセッサートランシーバー回路(130a、230a)は、プロセッサー送信回路(132a、232a)およびプロセッサー受信回路(134a、234a)から構成されている。プロセッサー送信回路(132a、232a)は、第1の部分(100a、200a)のプロセッサー(140、240)からデジタル通信を受信し、受信したデジタル通信をプロセッサートランシーバースイッチ(120a、220a)に送信するように構成されている。プロセッサー受信回路(134a、234a)は、デジタル通信をプロセッサートランシーバースイッチ(120a、220a)から受信し、受信したデジタル通信をプロセッサー(140、240)に送信するように構成されている。
【0019】
好ましくは、電子機器(100、200)は、バス送信端子(132bt、232bt)およびバス受信端子(134bt、234bt)を有するバストランシーバー回路(130b、230b)をさらに備えており、バストランシーバースイッチ(120b、220b)は、バス送信端子(132bt、232bt)およびバス受信端子(134bt、234bt)に選択的に通信可能に接続されている。
【0020】
好ましくは、バストランシーバー回路(130b、230b)は、バス送信回路(132b、232b)およびバス受信回路(134b、234b)から構成されている。バス送信回路(132b、232b)は、デジタル通信をバストランシーバースイッチ(120b、220b)から受信し、受信したデジタル通信をバスループ(L1、L2)に送信するように構成されている。バス受信回路(134b、234b)は、デジタル通信をバスループ(L1、L2)から受信し、受信したデジタル通信をバストランシーバースイッチ(120b、220b)に送信するように構成されている。
【0021】
一態様によれば、電子機器の一部を電気的に絶縁する方法は、通信制御信号を双方向絶縁回路で受信することを含み、双方向絶縁回路は、電子機器の第1の部分と第2の部分を分離し、通信制御信号は、第1の部分により供給される。本方法は、受信した通信制御信号を第2の部分に配置されているバストランシーバースイッチに双方向絶縁回路で供給することをさらに含む。
【0022】
好ましくは、本方法は、プロセッサー端子および第2の端子を有する変圧器を双方向絶縁回路内に提供することをさらに含む。
【0023】
好ましくは、本方法は、パルス発生回路を提供し変圧器に通信可能に接続することをさらに含み、パルス発生回路は、第1の部分から通信制御信号を受信し、通信制御信号に基づいてパルス信号を生成し、パルス信号を変圧器に供給することを含む。本方法は、パルス復号化回路を提供し変圧器に通信可能に接続することをさらに含み、パルス復号化回路は、変圧器からパルス信号を受信し、受信したパルス信号を、バストランシーバースイッチにより受信される通信制御信号に復号する。
【0024】
好ましくは、本方法は、制御絶縁回路を提供することと、通信制御信号を制御絶縁回路で受信することと、受信した通信制御信号を第2の部分に配置されているバストランシーバースイッチに制御絶縁回路で提供することとをさらに含む。
【0025】
好ましくは、制御絶縁回路を提供することは、通信制御信号を受信し、通信制御信号に基づいてパルス信号を生成するパルス発生回路を提供することと、変圧器を提供しパルス発生回路に通信可能に接続することとを含み、変圧器は、パルス信号をパルス発生回路から受信し、パルス信号を供給する。制御絶縁回路を提供することは、パルス復号化回路を提供し変圧器に通信可能に接続することをさらに含み、パルス復号化回路は、変圧器により供給されるパルス信号を受信し、受信したパルス信号を、バストランシーバースイッチにより受信される通信制御信号に復号する。
【0026】
好ましくは、本方法は、第1の部分にプロセッサートランシーバースイッチを提供し配置することと、通信制御信号により制御されるようにプロセッサートランシーバースイッチを構成することとをさらに含む。
【0027】
好ましくは、本方法は、プロセッサー送信端子およびプロセッサー受信端子を有するプロセッサートランシーバー回路を提供することと、プロセッサートランシーバースイッチをプロセッサー送信端子およびプロセッサー受信端子に選択的に通信可能に接続することとをさらに含む。
【0028】
好ましくは、プロセッサートランシーバー回路を提供することは、プロセッサー送信回路およびプロセッサー受信回路を提供することを含む。本方法はまた、第1の部分のプロセッサーにより供給されるデジタル通信をプロセッサー送信回路で受信することと、受信したデジタル通信をプロセッサートランシーバースイッチにプロセッサー送信回路で送信することと、デジタル通信をプロセッサートランシーバースイッチからプロセッサー受信回路で受信することと、受信したデジタル通信をプロセッサーにプロセッサー受信回路で送信することとをさらに含む。
【0029】
好ましくは、本方法は、バス送信端子およびバス受信端子を有するバストランシーバー回路を提供することと、バストランシーバースイッチをバス送信端子およびバス受信端子に選択的に通信可能に接続することとをさらに含む。
【0030】
好ましくは、バストランシーバー回路を提供することは、バス送信回路およびバス受信回路を提供することを含む。本方法は、デジタル通信をバストランシーバースイッチからバス送信回路で受信することと、受信したデジタル通信をバスループに送信することと、デジタル通信をバスループからバス受信回路で受信することと、受信したデジタル通信をバストランシーバースイッチに送信することとをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
すべての図面で同じ参照番号は同じ要素を表す。図面は必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。
【
図1】
図1は電気絶縁を備えた先行技術の電子機器10を示す図である。
【
図2】
図2は電気絶縁を含む電子機器100、200を示す図である。
【
図3】
図3は電気絶縁を含む電子機器100、200を示す図である。
【
図4】
図4は通信制御信号140a、240a用の変圧器412を使用する制御絶縁回路410、例えば、
図2および
図3を参照して上記の制御絶縁回路114または変圧器212で使用されるパルス絶縁変圧器の詳細図を示す図である。
【
図5】
図5は時間軸510およびビット状態軸520を含む信号タイミング
図500を示す図である。
【
図6】
図6は電子機器の一部を電気的に絶縁する方法600を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図2から
図6および以下の説明は、電気絶縁を含む電子機器の実施形態の最良のモードを作成および使用する方法を当業者に教示するための具体例を示している。発明の原理を教示するために、いくつかの従来の態様は、簡略化または省略されている。当業者は、本説明の範囲内に入るこれらの例からの変形を理解するであろう。当業者は、以下に説明される特徴を種々組み合わせて、電気絶縁を含む電子機器を形成できることを理解するであろう。その結果、以下に説明される実施形態は、以下に記載される具体例に限定されず、特許請求の範囲およびそれらの均等物のみにより限定される。
【0033】
「エコーバック」や重複する基板スペースの利用など、2つの別の絶縁デバイスに関連する問題は、電子機器の第1の部分と第2の部分を分離する双方向絶縁回路を提供することにより回避できる。バストランシーバースイッチは、第2の部分に配置されており、双方向絶縁回路に通信可能に接続されている。バストランシーバースイッチは、第1の部分により供給される通信制御信号を双方向絶縁回路から受信する。したがって、通信制御信号は、バストランシーバースイッチを制御して、第2の部分の送信回路または受信回路を双方向絶縁回路に選択的に通信可能に接続することができる。その結果、双方向絶縁回路は、例えば、半二重モードのデジタル通信の送受信に使用できる。双方向絶縁回路は、送信と受信の両方に使用されるため、以下により詳細に説明されるように、エコーバックや重複する基板スペースの利用など、2つの別の絶縁デバイスに関連する問題が解消される。
【0034】
図2および
図3は、電気絶縁を含む電子機器100、200を示す。
図2および
図3に示されるように、電子機器100、200は、第1の部分100a、200aおよび第2の部分100b、200bを含む。電子機器100、200は、プロセッサー端子110a、210aおよびバス端子110b、210bを介して、第1の部分100a、200aおよび第2の部分100b、200bに通信可能に接続されており、それらの間に配置されている双方向絶縁回路110、210を含む。プロセッサー端子110a、210aおよびバス端子110b、210bは、2ポートネットワークのポートとして見ることができる。双方向絶縁回路110、210は、第1の部分100a、200aと第2の部分100b、200bを電気的に絶縁してもよい。例えば、第1の部分100a、200aは電気的に絶縁されていなくてもよく、第2の部分100b、200bは電気的に絶縁されていてもよい。したがって、第1の部分100a、200aに存在するノイズ、過渡現象、高電圧などは、伝導しないか、そうでなければ、第2の部分100b、200bに接続する可能性がある。以下により詳細に説明されるように、双方向絶縁回路110、210はまた、単一の電気絶縁デバイスまたは単一の絶縁ポイントを介して別の送受信回路を使用して、第1の部分100a、200aを第2の部分100b、200bから電気的に絶縁するように構成されている。その結果、必要な基板スペースが減り、エコーバック効果がなくなる。
【0035】
電子機器
電子機器100、200は、第1の部分100a、200aと第2の部分100b、200bに各々配置されているプロセッサートランシーバースイッチ120a、220aおよびバストランシーバースイッチ120b、220bを含む。プロセッサートランシーバースイッチ120a、220aおよびバストランシーバースイッチ120b、220bは、双方向絶縁回路110、210に通信可能に接続されている。プロセッサートランシーバースイッチ120a、220aおよびバストランシーバースイッチ120b、220bはまた、プロセッサートランシーバー回路130a、230aおよびバストランシーバー回路130b、230bに各々通信可能に(例えば、選択的に)接続されている。
【0036】
プロセッサートランシーバー回路130a、230aは、プロセッサー送信端子132at、232atおよびプロセッサー受信端子134at、234atを含む。
図2および
図3示されるように、プロセッサートランシーバースイッチ120a、220aは、プロセッサー送信端子132at、232atおよびプロセッサー受信端子134at、234atに選択的に通信可能に接続されている。第2の部分100b、200bでは、バストランシーバー回路130b、230bは、バス送信端子132bt、232btおよびバス受信端子134bt、234btを含む。バストランシーバースイッチ120b、220bは、バス送信端子132bt、232btおよびバス受信端子134bt、234btに選択的に通信可能に接続されている。バストランシーバー回路130b、230bは、mA変調回路150、250およびHARTフィルター160、260に通信可能に接続されている。特に、
図2および
図3に示されるように、バス送信回路132b、232bは、mA変調回路150、250に通信可能に接続されており、バス受信回路134b、234bは、HARTフィルター160に通信可能に接続されている。mA変調回路150、250およびHARTフィルター160、260は、バスループL1、L2に通信可能に接続されている。mA変調回路150、250は、デジタル通信をバスループL1、L2に送信するように構成されており、HARTフィルター160、260は、デジタル通信をバスループL1、L2から受信するように構成されている。
【0037】
図2および
図3に示されるように、プロセッサートランシーバースイッチ120a、220aは、双方向絶縁回路110、210内の変圧器112、212に通信可能に接続されているが、変圧器112、212の代わりに任意の適切な絶縁回路が使用されてもよい。変圧器112、212は、各々プロセッサー端子110a、210aとバス端子110b、210bを介して第1の部分100a、200aと第2の部分100b、200bに通信可能に接続されている。変圧器112、212は、プロセッサー端子110a、210aおよびバス端子110b、210bが各々第1のポートおよび第2のポートである2ポートネットワークとして見ることができる。したがって、変圧器112、212は、第1の部分100a、200aまたは第2の部分100b、200bからデジタル通信を受信するように構成されている単一のデバイスまたは単一の絶縁ポイントであり得る。
【0038】
変圧器112、212は、特定の通信プロトコルのために選択および/または設計することができる。例えば、上記のように、HARTプロトコルは、バイナリFSKスキームを利用し、論理「0」は、2200Hzの正弦波信号であり、論理「1」は、1200Hzの正弦波信号である。さらに、変圧器112、212への入力に利用可能な電流が制限される場合がある。したがって、変圧器112、212の種々のパラメーターを設計/選択して、変圧器112、212により出力される正弦波信号の波形が、2200Hzおよび1200Hzの両方での変圧器112、212への正弦波入力と実質的に同様の形状を有し、利用可能な電流供給を利用して、ノイズ、過渡現象、高電圧などが伝導するのを防ぐことを保証する。
【0039】
上記のように、HARTは、半二重通信プロトコルである。これは、電子機器100、200、またはバスループL1、L2上のデバイスのみが常に送信していることを意味する。例えば、HOSTは、コマンドを送信し、SLAVEは、応答を送信する。本明細書で使用される場合、「送信」および「受信」という用語は、電子機器100、200の観点から使用される。HART通信は、mA変調により行われる(1200Hzおよび2200Hzで電流レベルを変更)。電子機器100、200は、ホストからのコマンドを待つときに受信する。電子機器100、200は、応答を送ることにより送信する。受信であろうと送信であろうと、信号は、mA変調により渡される。mA変調は、mA変調回路150、250により実行され得、HARTフィルター160、260は、HOSTからコマンドを受信することができ、mA変調を除去することができる。
【0040】
上記のように、デジタル通信は、第1の部分100a、200aにより供給され得る。このデジタル通信を送信のために供給するために、第1の部分100a、200aは、プロセッサートランシーバー回路130a、230aに通信可能に接続されているプロセッサー140、240を含む。プロセッサー140、240は、任意の適切なプロセッサーであり得、HARTモデムを含み得る。例えば、プロセッサー140、240は、単一のCPUまたは複数のCPU、種々のタイプのメモリ、I/Oポートなどから構成されていてもよい。追加的または代替的に、デジタル通信を受信および送信するHARTモデムは、通信制御信号を供給するプロセッサーから物理的に分離されたりしてもよいし、それと通信したりしてもよい。
【0041】
図2および
図3に示されるように、プロセッサー140、240は、デジタル通信をプロセッサー送信回路132a、232aに供給し、デジタル通信をプロセッサー受信回路134a、234aから受信するように構成されている。また、
図2および
図3に示されるように、プロセッサー140、240は、通信制御信号140a、240aを双方向絶縁回路110、210に供給する。通信制御信号140a、240aは、電子機器100、200が送信しているか受信しているかを制御する。しかし、
図2に示される双方向絶縁回路110は、以下により詳細に説明されるように、双方向絶縁回路210が、
図3に示される通信制御信号240aを利用するのとは異なって通信制御信号140aを利用する。
【0042】
通信制御信号の使用
図2に示されるように、双方向絶縁回路110は、変圧器112に加えて制御絶縁回路114を含む。制御絶縁回路114は、第1の部分100aと第2の部分100bに通信可能に接続されている。特に、制御絶縁回路114は、第1の部分100aにおいてプロセッサー140に通信可能に接続されている。示されるように、制御絶縁回路114は、第1の制御信号ノード170aを介してプロセッサー140に通信可能に接続されている。制御絶縁回路114はまた、バストランシーバースイッチ120bに通信可能に接続されている。示されるように、制御絶縁回路114は、第2の制御信号ノード170bを介してバストランシーバースイッチ120bに通信可能に接続されている。第1および第2の制御信号ノード170a、170bは、同じまたは異なる形態でプロセッサートランシーバースイッチおよびバストランシーバースイッチ120a、120bに通信制御信号140aを供給することができる。制御絶縁回路114は、なお通信制御信号140aが第1の部分100aから第2の部分100bに送信されるのを可能にしながら、電気ノイズ、過渡現象、高電圧などが、例えば、第1の部分100aから第2の部分100bに伝導するのを防ぐことにより、第2の部分100bから第1の部分100aを電気的に絶縁する。
【0043】
図2に示されるように、通信制御信号140aは、双方向絶縁回路110内の制御絶縁回路114に供給される。制御絶縁回路114は、通信制御信号140aを受信し、通信制御信号140aをバストランシーバースイッチ120bに供給して、バストランシーバースイッチ120bの状態を制御する。見て分かるように、通信制御信号140aはまた、プロセッサートランシーバースイッチ120aの状態を制御するために通信制御信号140aが制御絶縁回路114により受信される前に、プロセッサートランシーバースイッチ120aに供給される。
【0044】
制御絶縁回路114は、例えば、プリント回路基板(PCB)パルス変圧器などのパルス変圧器を含み得る。パルス変圧器は、通信制御信号がパルスにエンコードされる場合に望ましい場合がある。制御絶縁回路114のこのような実施形態は、
図4を参照して説明される。
図2を参照すると、パルス変圧器は、制御絶縁回路114により供給されるパルスが、パルス変圧器に供給されるパルスの形状と実質的に同じ形状などの望ましい形状を有することを保証することができる。例えば、制御絶縁回路114により供給されるパルスは、パルス変圧器により受信されるパルスと実質的に同じ立ち上がり時間および幅を有し得る。制御絶縁回路114により供給されるパルスは、パルス変圧器により受信されるパルスと実質的に同じであるため、バストランシーバースイッチ120bは、必要に応じて作動することができる。
【0045】
制御絶縁回路114は、パルス変圧器を含み得るが、任意の適切な絶縁回路が使用されもよい。例えば、制御絶縁回路114は、他の通信制御信号用に設計されているカスタム変圧器を含み得る。なお通信制御信号140aが第2の部分100bに送信されるのを可能にしながら、第1の部分100aと第2の部分100bを絶縁する他の手段が使用されてもよい。例が、
図3を参照して以下に説明される。
【0046】
図3に示されるように、双方向絶縁回路210は、第1の部分200aに通信可能に接続されているパルス発生回路214aを含む。特に、パルス発生回路214aは、第1の制御信号ノード270aを介してプロセッサー240に通信可能に接続されている。パルス発生回路214aはまた、双方向絶縁回路210内の変圧器212に通信可能に接続されている。双方向絶縁回路210はまた、変圧器212および第2の部分200bに通信可能に接続されているパルス復号化回路214bを含む。より具体的には、パルス復号化回路214bは、第2の制御信号ノード270bを介してバストランシーバースイッチ220bに通信可能に接続されている。第1および第2の制御信号ノード270a、270bは、同じまたは異なる形態で通信制御信号240aをプロセッサートランシーバースイッチおよびバストランシーバースイッチ220a、220bに供給することができる。パルス発生回路214aおよびパルス復号化回路214bは、
図4を参照して以下により詳細に説明される。
【0047】
図3を参照すると、通信制御信号240aは、パルス発生回路214aに供給される。パルス発生回路214aは、通信制御信号240aを受信し、パルス信号を変圧器212に供給する。変圧器212は、受信したパルスをパルス復号化回路214bに供給する。パルス復号化回路は、パルス信号を、バストランシーバースイッチ220bを制御するためにバストランシーバースイッチ220bに供給される通信制御信号240aに復号する。見て分かるように、通信制御信号240aがパルス発生回路214aにより受信される前に、通信制御信号240aはまた、プロセッサートランシーバースイッチ220aを制御するためにプロセッサートランシーバースイッチ220aに供給される。
【0048】
電子機器の送受信構成
プロセッサートランシーバースイッチ120a、220aおよびバストランシーバースイッチ120b、220bを制御することは、それらの位置を切り替えることを含み得る。例えば、プロセッサートランシーバースイッチ120a、220a内の1つの位置は、双方向絶縁回路110、210のプロセッサー端子110a、210aをプロセッサー送信端子132at、232atに通信可能に接続することができる。プロセッサートランシーバースイッチ120a、220aの別のスイッチ位置は、プロセッサー端子110a、210aをプロセッサー受信端子134at、234atに通信可能に接続することができる。バストランシーバースイッチ120b、220bでは、ある位置が、バス端子110b、210bをバス送信端子132bt、232btに通信可能に接続することができる。バストランシーバースイッチ120b、220bの別のスイッチ位置は、バス端子110b、210bをバス受信端子134bt、234btに通信可能に接続することができる。任意の適切な位置が使用されてもよい。
【0049】
プロセッサー140、240は、プロセッサートランシーバースイッチ120a、220aおよびバストランシーバースイッチ120b、220bのスイッチ位置を制御することにより、バスループL1、L2と通信することができるため、第1の部分100a、200aのプロセッサー送信回路132a、232aは、プロセッサー端子110a、210aに通信可能に接続され、第2の部分100b、200bのバス送信回路132b、232bは、バス端子110b、210bに通信可能に接続されている。したがって、プロセッサー140、240は、プロセッサー送信回路132a、232a、変圧器112、212、およびバス送信回路132b、232bを介してデータをバスループL1、L2に供給することができる。したがって、電子機器100、200は、送信構成に配置されている。理解できるように、電子機器100、200は、受信構成に配置されていてもよい。
【0050】
電子機器100、200を送信構成または受信構成に配置することにより、変圧器112、212を双方向信号送信に使用することができる。単一の変圧器112、212のみが、常にデジタル通信のための単一の絶縁ポイントまたは2ポートネットワークとして使用されるため、
図1に示される先行技術の電子機器10に存在するエコーバックは、存在しない可能性がある。さらに、変圧器112、212は、良好な正弦波(例えば、HART)波形完全性を有し得る。例えば、HARTビットの送信中に、変圧器112、212は、変圧器112、212により受信される形状と実質的に同じ形状を有する正弦波信号を出力することができる。さらに、変圧器112、212はまた、危険な認可間隔を満たすように構成されていてもよい。
【0051】
制御絶縁回路
図4は、
図2および3を参照して上記の制御絶縁回路114または変圧器212で使用されるパルス絶縁変圧器など、通信制御信号140a、240a用の変圧器412を使用する制御絶縁回路410の詳細図を示す。
図4に示されるように、制御絶縁回路410は、パルス発生回路414aおよびパルス復号化回路414bに通信可能に接続されている変圧器412を含む。パルス発生回路414aおよびパルス復号化回路414bは、
図2を参照して上記の制御絶縁回路114に含まれ得る。パルス発生回路414aおよびパルス復号化回路414bもまた、
図3を参照して上記のパルス発生回路214aおよびパルス復号化回路214bと同じであってもよい。
【0052】
図5は、時間軸510およびビット状態軸520を含む信号タイミング
図500を示す。信号タイミング
図500は、通信制御信号530、パルス信号540および復号化通信制御信号530’を含むものとして示されている。通信制御信号530は、
図2および
図3を参照して上記の通信制御信号と同じであってもよい。パルス信号540は、
図2を参照して説明される制御絶縁回路114内のパルス発生回路または
図3に示されるパルス発生回路214aにより生成されてもよい。パルス信号540はまた、
図2を参照して説明される制御絶縁回路114内のパルス復号化回路または
図3に示されるパルス復号化回路214bにより復号されてもよい。パルス信号540は、復号化通信制御信号530’に復号されてもよい。
【0053】
図4に示されるように、パルス発生回路414aは、例えば、通信制御信号530を
図2および
図3を参照して上記の電子機器100、200などの電子機器の第1の部分から受信する。第1の部分は、
図2および
図3を参照して上記の第1の部分100a、200aであってもよい。
図5に示されるように、通信制御信号530は、例えば、「1」のビット値が、ループL1、L2からデータを受信するように構成されている電子機器100、200に対応し得るデジタル信号である。すなわち、プロセッサートランシーバースイッチ120a、220aおよびバストランシーバースイッチ120b、220bは、変圧器112、212を、プロセッサー受信回路134a、234aおよびバス受信回路134b、234bに通信可能に接続し、変圧器112、212を、プロセッサー送信回路132a、232aおよびバス送信回路132b、232bから通信可能に分離する。
【0054】
理解できるように、通信制御信号530が「0」のビット値にあるとき、電子機器100、200は、データをバスループL1、L2に送信するように構成され得る。この構成では、プロセッサー送信回路132a、232aおよびバス送信回路132b、232bは、変圧器112、212に通信可能に接続され得、プロセッサー受信回路134a、234aおよびバス受信回路134b、234bは、変圧器112、212から通信可能に分離され得る。
【0055】
プロセッサートランシーバースイッチ120a、220aおよびバストランシーバースイッチ120b、220bの通信制御信号530の制御は、
図2および
図3の通信制御信号140a、240aとプロセッサートランシーバースイッチ120a、220aおよびバストランシーバースイッチ120b、220bとの間の破線により示されている。理解できるように、
図2および
図3に示されるように、通信制御信号530はまた、制御絶縁回路114およびパルス発生回路214aに供給されてもよく、制御絶縁回路114およびパルス復号化回路214bにより供給されてもよく、その機能が、
図4を参照して説明される。
【0056】
図4に示されるように、パルス発生回路414aは、デジタル波形で示される通信制御信号530を受信して、パルス信号540を生成する。パルス信号540内のパルスは、マイクロ秒(kHz)の範囲であり得、したがって、単純なローパスフィルターによりmA電流ループからフィルタリングされ得る。パルス信号540内のパルスは、立上りパルスと立下りパルスから構成されているとして示されている。しかし、任意の適切なパルス信号が使用されてもよい。
【0057】
パルス発生回路414aは、電源と接地との間で、電圧供給の中間で基準を切り替えることにより、立上りパルスと立下りパルスを生成することができる。持続時間は、抵抗器-コンデンサ(RC)タイミング回路により制御できる。しかし、示されるパルス信号540または他の任意のパルス信号を生成するために、任意の適切な手段を使用することができる。
【0058】
パルス復号化回路414bは、パルス信号540を復号化通信制御信号530’に復号する。一例では、パルス復号化回路414bは、正または負のパルスを検出し、それをフリップフロップ(クロックドDタイプ)でラッチする2つのMOSFETから構成され得る。正の検出は、「スイッチ」を一方向にラッチし、負のパルスは、「スイッチ」を反対方向にラッチする。
図3の実施形態では、パルス信号540の振幅は、デジタル通信の振幅よりも大きくてもよい。したがって、デジタル通信は、例えば、2つのMOSFETにより検出されない。例えば、パルス信号540の振幅は、2つのMOSFETのラッチング閾値よりも大きくてもよいが、デジタル通信の振幅は、ラッチング閾値よりも小さくてもよい。その結果、パルス信号540のみが復号化通信制御信号530’に復号される。したがって、復号化通信制御信号530’は、例えば、
図2および
図3に示されるバストランシーバースイッチ120b、220bを制御するために再生成および使用され得る。しかし、パルス信号540を復号化通信制御信号530’に復号するために、任意の適切な手段が使用されてもよい。
【0059】
上記のように、
図4に示される変圧器412は、
図2に示される制御絶縁回路114内のパルス変圧器または
図3に示される変圧器212であり得る。
図2および
図3に示される双方向絶縁回路110、210の両方は、パルス信号を使用して、受信構成と送信構成を切り替える。
図3に示される変圧器212は、1200Hzおよび2200HzのHART周波数を渡すことができる。したがって、変圧器212は、比較的低い周波数のために磁気コアを含み得る。
図2に示される制御絶縁回路114は、
図5に示されるパルス信号540などの比較的高い周波数のパルスのみを通過させることができ、したがって、それに応じて設計することができる。
図2の双方向絶縁回路110は、低電力アプリケーションに適している場合があり、
図3の双方向絶縁回路210は、パルス信号540とデジタル通信の両方を転送するために共通の変圧器を使用することができる。しかし、理解できるように、任意の適切な絶縁回路が使用されてもよく、必ずしもパルス信号の使用を必要としない。
【0060】
電子機器の一部を電気的に絶縁する方法
図6は、電子機器の一部を電気的に絶縁する方法600を示す。
図6に示されるように、本方法600は、ステップ610において、通信制御信号を双方向絶縁回路で受信することで開始する。双方向絶縁回路は、電子機器の第1の部分と第2の部分を分離することができる。通信制御信号は、第1の部分により供給される。ステップ620において、本方法600は、受信した通信制御信号を第2の部分に配置されているバストランシーバースイッチに双方向絶縁回路で供給する。
【0061】
本方法600は、双方向絶縁回路内に変圧器を提供することをさらに含み得る。本方法600により提供される変圧器は、
図2および
図3を参照して上記の変圧器112、212と同じであってもなくてもよい。変圧器が双方向絶縁回路内に設けられる場合に、本方法600は、パルス発生回路を変圧器に提供し通信可能に接続することと、パルス復号化回路を変圧器に提供し通信可能に接続することとをさらに含み得る。パルス発生回路は、通信制御信号を第1の部分から受信し、通信制御信号に基づいてパルス信号を生成し、パルス信号を変圧器に供給することができる。パルス復号化回路は、パルス信号を変圧器から受信し、受信したパルス信号を、バストランシーバースイッチにより受信される通信制御信号に復号することができる。本方法600により使用されるパルス発生回路およびパルス復号化回路は、上記のパルス発生回路214a、414aおよびパルス復号化回路214b、414bと各々同じであり得るが、任意の適切な回路が使用されてもよい。
【0062】
追加的または代替的に、本方法600は、制御絶縁回路を提供することをさらに含み得る。制御絶縁回路が提供される場合、本方法600はまた、通信制御信号を制御絶縁回路で受信することと、受信した通信制御信号を第2の部分に配置されているバストランシーバースイッチに制御絶縁回路で供給することとを含み得る。本方法600により使用される制御絶縁回路は、
図2を参照して上記の制御絶縁回路114であってもなくてもよいが、任意の適切な絶縁回路が使用されてもよい。
【0063】
制御絶縁回路を提供することは、通信制御信号を受信し、通信制御信号に基づいてパルス信号を生成するパルス発生回路を提供することと、変圧器を提供しパルス発生回路に通信可能に接続することとを含み得る。変圧器は、パルス信号をパルス発生回路から受信し、パルス信号を供給することができる。制御絶縁回路を提供することはまた、パルス復号化回路を提供し変圧器に通信可能に接続することを含み得る。パルス復号化回路は、変圧器により供給されるパルス信号を受信し、受信したパルス信号を、バストランシーバースイッチにより受信される通信制御信号に復号することができる。パルス発生回路およびパルス復号化回路は、
図2を参照して上記の制御絶縁回路114に含まれるパルス発生回路およびパルス復号化回路であってもよいが、任意の適切な回路が使用されてもよい。
【0064】
本方法600はまた、第1の部分にプロセッサートランシーバースイッチを提供および配置することと、通信制御信号により制御されるようにプロセッサートランシーバースイッチを構成することとを含み得る。本方法600により使用されるプロセッサートランシーバースイッチは、上記のプロセッサートランシーバースイッチ120a、220aであり得るが、任意の適切なスイッチが使用されてもよい。
【0065】
本方法600は、プロセッサー送信端子およびプロセッサー受信端子を有するプロセッサートランシーバー回路を提供することをさらに含み得る。本方法600により使用されるプロセッサートランシーバー回路は、
図2および
図3を参照して上記のプロセッサートランシーバー回路130a、230aであり得る。プロセッサートランシーバー回路が提供される場合、本方法600はまた、プロセッサートランシーバースイッチをプロセッサー送信端子およびプロセッサー受信端子に選択的に通信可能に接続することを含み得る。
【0066】
プロセッサートランシーバー回路を提供するステップは、プロセッサー送信回路およびプロセッサー受信回路を提供するステップを含み得る。プロセッサー送信回路およびプロセッサー受信回路が提供される場合、本方法600はまた、第1の部分のプロセッサーにより供給されるデジタル通信をプロセッサー送信回路で受信し、受信したデジタル通信をプロセッサートランシーバースイッチにプロセッサー送信回路で送信すること、および/またはデジタル通信をプロセッサートランシーバースイッチからプロセッサー受信回路で受信し、受信したデジタル通信をプロセッサーにプロセッサー受信回路で送信することを含み得る。
【0067】
本方法600は、バス送信端子およびバス受信端子を有するバストランシーバー回路を提供し、バストランシーバースイッチをバス送信端子およびバス受信端子に選択的に通信可能に接続することをさらに含み得る。バストランシーバー回路を提供することは、バス送信回路およびバス受信回路を提供することを含み得る。バス送信回路およびバス受信回路が提供される場合、本方法600は、デジタル通信をバストランシーバースイッチからバス送信回路で受信し、受信したデジタル通信をバスループに送信することと、デジタル通信をバスループからバス受信回路で受信することと、受信したデジタル通信をバストランシーバースイッチに送信することとをさらに含み得る。
【0068】
電子機器100、200、特に、双方向絶縁回路110、210は、電子機器100、200の第1の部分100a、200aと電子機器100、200の第2の部分100b、200bとを互いから電気的に絶縁する。双方向絶縁回路110、210は、通信をバスループL1、L2から受信することと、通信をバスループL1、L2に送信することの両方のための上記の変圧器112、212などの単一の絶縁デバイスを単一の絶縁ポイントとして使用する。その結果、使用される基板スペースが少なくなり、エコーバックの問題が解消される。
【0069】
上記実施形態の詳細な説明は、本説明の範囲内であると発明者が考えたすべての実施形態の網羅的な説明ではない。実際に、当業者は、上記の実施形態の特定の要素を種々組み合わせたり排除したりしてさらなる実施形態を作成することができ、このようなさらなる実施形態は、本説明の範囲および教示に入ることを認識するであろう。また、当業者には、上記の実施形態を全体的または部分的に組み合わせて、本説明の範囲および教示内の追加の実施形態を作成することができることが明らかであろう。
【0070】
したがって、特定の実施形態が例示の目的で本明細書に説明されているが、当業者が認識するように、本説明の範囲内で種々の同等の変更が可能である。本明細書で提供される教示は、電気絶縁を含む他の電子機器に適用することができ、上記かつ添付の図に示される実施形態だけに適用することはできない。したがって、上記の実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲から決定されるべきである。