(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】ニコチンゲル
(51)【国際特許分類】
A24B 15/16 20200101AFI20231109BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231109BHJP
A61P 25/26 20060101ALI20231109BHJP
A61K 31/465 20060101ALI20231109BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20231109BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20231109BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20231109BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20231109BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20231109BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20231109BHJP
A61K 31/352 20060101ALI20231109BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20231109BHJP
C09K 3/00 20060101ALI20231109BHJP
A61K 31/12 20060101ALN20231109BHJP
【FI】
A24B15/16
A61K45/00
A61P25/26
A61K31/465
A61K9/06
A61K9/12
A61K47/02
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/36
A61K31/352
A24F40/20
C09K3/00 103L
C09K3/00 103M
A61K31/12
(21)【出願番号】P 2020553541
(86)(22)【出願日】2019-04-08
(86)【国際出願番号】 EP2019058849
(87)【国際公開番号】W WO2019193209
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-04-08
(32)【優先日】2018-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】カペリ セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ガンブス セリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】グーダルズィ ファリード
(72)【発明者】
【氏名】キング ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】フォルマー ジャン-イヴ
(72)【発明者】
【氏名】ズーバー ジェラール
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/019543(WO,A1)
【文献】米国特許第06110495(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0120225(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0029782(US,A1)
【文献】国際公開第2008/112124(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/16
A61K 45/00
A61P 25/26
A61K 31/465
A61K 9/06
A61K 9/12
A61K 47/02
A61K 47/10
A61K 47/12
A61K 47/36
A61K 31/352
A24F 40/20
C09K 3/00
A61K 31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル組成物であって、
ニコチン、
約50重量%
~約80重量%のグリセロール、
少なくとも約0.2重量%のイオン架橋ゲル化剤、
少なくとも約0.2重量%の増粘剤または少なくとも0.2重量%の水素結合架橋ゲル化剤、および、
乳酸またはレブリン酸を含む、ゲル組成物。
【請求項2】
約0.5重量%~約2.5重量%のニコチン、
約70重量%
~約80重量%のグリセロール、
少なくとも約0.5重量%の水素結合架橋ゲル化剤、
少なくとも約0.5重量%の増粘剤、
少なくとも約0.5重量%のイオン架橋ゲル化剤、
二価イオン、および
乳酸またはレブリン酸を含む、請求項
1に記載のゲル組成物。
【請求項3】
前記組成物が、約0.5重量%~約5重量%の
乳酸またはレブリン酸を含む、請求項1
または2に記載のゲル組成物。
【請求項4】
さらにカルシウムイオンを含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載のゲル組成物。
【請求項5】
前記増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤が、それぞれ約0.5重量%~約2.5重量%で前記ゲル組成物中に存在する、請求項1~
4のいずれか一項に記載のゲル組成物。
【請求項6】
約0.5重量%~約2.5重量%のニコチン、
約70重量%~約80重量%のグリセロール、
約0.5重量%~約2重量%の増粘剤、
約0.5重量%~約2重量%の水素結合架橋ゲル化剤、
約0.5重量%~約2重量%のイオン架橋ゲル化剤、
約0.5重量%~約2.5%重量%の
乳酸またはレブリン酸、
二価イオン、および
約15重量%~約25重量%の水を含む、請求項
1に記載のゲル組成物。
【請求項7】
前記増粘剤がキサンタンガムを含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載のゲル組成物。
【請求項8】
前記水素結合架橋ゲル化剤が寒天を含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載のゲル組成物。
【請求項9】
前記イオン架橋ゲル化剤が低アシルジェランを含む、請求項1~
8のいずれか一項に記載のゲル組成物。
【請求項10】
約1.5~約2.5重量%のニコチン、
約70~約75重量%のグリセロール、
約18~約22重量%の水、
約0.5~2%の寒天
約0.5~2%のキサンタンガム、
約0.5~2%の低アシルジェラン、
約0.5重量%~約2.5重量%の
乳酸またはレブリン酸、
および
二価イオンを含む、請求項
1に記載のゲル組成物。
【請求項11】
前記酸が乳酸を含む、請求項1
0に記載のゲル組成物。
【請求項12】
カルシウムイオンを含む、請求項1
0または1
1に記載のゲル組成物。
【請求項13】
前記ゲル組成物を加熱して、前記
ニコチンを気化させることによる、請求項1~1
2のいずれか一項に記載のゲル組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置とともに利用され得るアルカロイドまたはカンナビノイドゲルに関連する。いくつかの態様において、本開示はエアロゾル発生装置とともに利用され得るニコチンゲルに関連する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品とともに使用するためのニコチン組成物は公知である。ニコチン組成物は、往々にしてエアロゾル発生物品のコイル状の電気抵抗性フィラメントによって加熱されるeリキッドなどの液体組成物である。液体組成物の偶発的な漏洩を回避するため、この液体組成物を保持する容器を製造するために多大な注意が払われる。偶発的な漏洩は、特に、容器が紙、厚紙、または液体ニコチン組成物を吸収またはそれによって損傷され得る任意の材料で作製された場合に起こり得る。
【0003】
代替的な形態のニコチン含有組成物の使用により、漏洩の可能性についての懸念を低減し得る。しかしながら、これらの代替的な形態のニコチン含有組成物は、経時的にゲルから液体へと相が変化し得る。特に、ゲル形態のニコチン含有組成物は、貯蔵時または製造から使用者による消費までに液相を放出する場合がある。これは、高レベルのグリセロール、低レベルの水、または高レベルのグリセロールおよび低レベルの水の両方を含むゲル組成物に特に当てはまる。
【0004】
向上した物理的安定性を有する、ニコチンなどのアルカロイド化合物、またはカンナビジオールまたはテトラヒドロカンナビノールなどのカンナビノイド化合物を含むゲル組成物を提供することが望ましい。向上した物理的安定性であり得る、ニコチンなどのアルカロイド化合物、またはカンナビジオールまたはテトラヒドロカンナビノールなどのカンナビノイド化合物を含むゲル組成物を提供することが望ましい。広範な貯蔵条件にわたって液相を放出しない、ニコチンなどのアルカロイド化合物、またはカンナビジオールまたはテトラヒドロカンナビノールなどのカンナビノイド化合物を含むゲル組成物を提供することが望ましい。液相を吸収しない、ニコチンなどのアルカロイド化合物、またはカンナビジオールまたはテトラヒドロカンナビノールなどのカンナビノイド化合物を含むゲル組成物を提供することが望ましい。加熱時に組成物内の、ニコチンなどのアルカロイド化合物、またはカンナビジオールまたはテトラヒドロカンナビノールなどのカンナビノイド化合物を気化するゲル組成物を提供することが望ましい。エアロゾル発生装置から漏洩しない、ニコチンなどのアルカロイド化合物、またはカンナビジオールまたはテトラヒドロカンナビノールなどのカンナビノイド化合物を含むゲル組成物を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示の様々な態様は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含むゲル組成物に関連する。本開示の様々な態様は、ニコチンを含むゲル組成物に関連する。これらのゲル組成物は、広範な相対湿度(例えば、約10%~約60%の相対湿度など)にわたって水を放出または吸収しない場合がある。ゲル組成物は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方、グリセロール、水素結合架橋ゲル化剤、イオン架橋ゲル化剤、増粘剤、および酸を含む。
【0006】
ゲル組成物は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方、少なくとも約50重量%のグリセロールまたは少なくとも70重量%のグリセロール、少なくとも約0.2重量%の水素結合架橋ゲル化剤、少なくとも約0.2重量%のイオン架橋ゲル化剤、少なくとも約0.2重量%の増粘剤、および酸を含み得る。
【0007】
ゲル組成物は、ニコチン、少なくとも約50重量%のグリセロールまたは少なくとも70重量%のグリセロール、少なくとも約0.2重量%の水素結合架橋ゲル化剤、少なくとも約0.2重量%のイオン架橋ゲル化剤、少なくとも約0.2重量%の増粘剤、および酸を含み得る。
【0008】
ゲル組成物は、合計量が約1重量%~約8重量%の増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤を含み得る。
【0009】
ゲル組成物は、約0.5重量%~約2重量%の増粘剤を含み得る。ゲル組成物は、約0.5重量%~約2重量%の水素結合架橋ゲル化剤を含み得る。ゲル組成物は、約0.5重量%~約2重量%のイオン架橋ゲル化剤を含み得る。ゲル組成物は、約0.5重量%~約2重量%の増粘剤、約0.5重量%~約2重量%の水素結合架橋ゲル化剤、および約0.5重量%~約2重量%のイオン架橋ゲル化剤を含み得る。増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤の各々は、実質的に等量のゲル組成物中に存在し得る。
【0010】
ゲル組成物は、約0.5重量%~2.5重量%のアルカロイド化合物、または約0.5重量%~2.5重量%のカンナビノイド化合物、または合計量が約0.5重量%~2.5重量%のアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方、約70重量%~80重量%のグリセロール、約0.5重量%~2重量%の水素結合架橋ゲル化剤、約0.5重量%~2重量%のイオン架橋ゲル化剤、約0.5重量%~2重量%の増粘剤、約15重量%~約25重量%の水、二価カチオン、ならびに酸を含み得る。増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤の各々は、実質的に等量のゲル組成物中に存在し得る。
【0011】
ゲル組成物は、約0.5重量%~2.5重量%のニコチン、約70重量%~80重量%のグリセロール、約0.5重量%~2重量%の水素結合架橋ゲル化剤、約0.5重量%~2重量%のイオン架橋ゲル化剤、約0.5重量%~2重量%の増粘剤、約15重量%~約25重量%の水、二価カチオン、および酸を含み得る。増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤の各々は、実質的に等量のゲル組成物中に存在し得る。
【0012】
ゲル組成物は、約1.5重量%~2.5重量%のアルカロイド化合物、もしくは約1.5重量%~2.5重量%のカンナビノイド化合物、もしくは合計量が約1.5重量%~2.5重量%のアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方、約70重量%~約75重量%のグリセロール、約18重量%~約22重量%の水、それぞれ約0.5重量%~約2重量%の寒天、キサンタンガムおよび低アシルジェラン、カルシウムイオン、ならびに乳酸などのカルボン酸を含み得る。キサンタンガム、寒天、および低アシルジェランの各々は、実質的に等量でゲル組成物中に存在し得る。
【0013】
ゲル組成物は、約1.5重量%~約2.5重量%のニコチン、約70重量%~約75重量%のグリセロール、約18重量%~約22重量%の水、それぞれ約0.5重量%~約2重量%の寒天、キサンタンガムおよび低アシルジェラン、カルシウムイオン、ならびに乳酸などのカルボン酸を含み得る。キサンタンガム、寒天、および低アシルジェランの各々は、実質的に等量でゲル組成物中に存在し得る。
【0014】
ゲル組成物は、固体培地を形成するゲル化剤、固体培地に分散するグリセロール、およびグリセロール中に分散するアルカロイド化合物、もしくはカンナビノイド化合物、もしくはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。組成物は安定なゲル相を形成する。
【0015】
ゲル組成物は、固体培地を形成するゲル化剤、固体培地に分散するグリセロール、およびグリセロールに分散するニコチンを含み得る。組成物は安定なゲル相を形成する。
【0016】
ゲル組成物は、固体培地を形成する少なくとも二つのゲル化剤、固体培地に分散するグリセロール、およびグリセロール中に分散するアルカロイド化合物、もしくはカンナビノイド化合物、もしくはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。組成物は安定なゲル相を形成する。
【0017】
ゲル組成物は、固体培地を形成する少なくとも二つのゲル化剤、固体培地に分散するグリセロール、およびグリセロールに分散するニコチンを含み得る。組成物は安定なゲル相を形成する。
【0018】
ゲル組成物は、固体培地を形成する増粘剤およびゲル化剤、固体培地に分散するグリセロール、ならびにグリセロール中に分散するアルカロイド化合物、もしくはカンナビノイド化合物、もしくはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。組成物は安定なゲル相を形成する。
【0019】
ゲル組成物は、固体培地を形成する増粘剤およびゲル化剤、固体培地に分散するグリセロール、ならびにグリセロールに分散するニコチンを含み得る。組成物は安定なゲル相を形成する。
【0020】
ゲル組成物は、固体培地を形成する増粘剤および少なくとも二つのゲル化剤、固体培地に分散するグリセロール、ならびにグリセロール中に分散するアルカロイド化合物、もしくはカンナビノイド化合物、もしくはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。組成物は安定なゲル相を形成する。
【0021】
ゲル組成物は、固体培地を形成する増粘剤および少なくとも二つのゲル化剤、固体培地に分散するグリセロール、ならびにグリセロールに分散するニコチンを含み得る。組成物は安定なゲル相を形成する。
【0022】
本開示のさらなる態様は、組成物を加熱してアルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を気化させることによる組成物の使用、ならびに加熱することが組成物から液相を放出しない組成物の使用に関連し得る。
【0023】
本開示のさらなる態様は、組成物を加熱してニコチンを気化させることによる組成物の使用、ならびに加熱することが組成物から液相を放出しない組成物の使用に関連し得る。
【0024】
有利には、ゲルは室温で固体である。この文脈において「固体」とは、ゲルが安定したサイズおよび形状を有し、かつ流動しないことを意味する。この文脈において室温は摂氏25度を意味する。ゲルは、定常状態において流動性を呈さない実質的に希釈された架橋系として定義され得る。重量では、ゲルはほとんど液体であり得、それらは液体内の三次元架橋ネットワークによって固体のような挙動を示す。その構造 (硬度) をゲルに与えるのが流体内の架橋である。このように、ゲルは、液体粒子が固体培地に分散した固体内の液体の分子の分散であり得る。
【0025】
好ましくは、ゲル組成物は、所望の粘度を付与するために、毎秒1,000,000~約1パスカル、好ましくは100,000~10パスカル、好ましくは毎秒10,000~1,000パスカル、または毎秒1,000~100パスカル、または毎秒500~200パスカルの粘度を有する。ゲル組成物の粘度は、25℃で1s-1のせん断速度で、P-PTD200+H-PTD200測定セルを備えるパラレルプレートPP25を用いて、Anton Paar MCR 302レオメータを使用して、試料の粘度を測ることによって測定され得る。
【0026】
ゲル組成物の質量は、様々な環境的貯蔵条件に曝露された時、約20%を超えて変化しない場合があり、または約15%を超えて変化しない場合があり、または約10%を超えて変化しない場合がある。組成物は、様々な環境的条件に曝露された時、約10%を超えて変化しない、または約5%を超えて変化しない、または約1%を超えで変化しない、曝露された表面積を有する外部形状を有する場合がある。
【0027】
一つまたは複数の態様では、ゲル組成物は質量を有し、摂氏24度および1気圧で約10%~約60%の範囲の相対湿度、または典型的な貯蔵条件において、その質量は約20%を超えて変化しない、または約15%を超えて変化しない、または約10%を超えて変化しない。
【0028】
一つまたは複数の態様では、ゲル組成物は、摂氏24度および1気圧で約10%~約60%の範囲の相対湿度に曝露された時、約10%を超えて変化しない、または約5%を超えて変化しない、または約1%を超えて変化しない、露出した表面積を有する外部形状を有する。
【0029】
一つまたは複数の態様では、ゲル組成物は露出表面積値(m2)および質量値(kg)を有し、質量値対露出表面積値は約0.05:1~約1:1、または約0.1:1~約1:1、または約0.5:1~約1:0.1、または約0.5:1~約1:0.5の範囲である。
【0030】
有利には、ゲル組成物は、貯蔵時または製造から消費者への輸送時、予測可能な組成物形態を提供する。アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含むゲル組成物は、その形状を実質的に維持する。アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含むゲル組成物は、貯蔵時または製造から消費者への輸送時、液相を放出しない。ニコチンを含むゲル組成物は、実質的にその形状を維持する。ニコチンを含むゲル組成物は、保存時または製造から消費者への輸送時、実質的に液相を放出しない。ゲル組成物は、単純な消耗品設計を提供し得る。この消耗品は、液体を収容するように設計される必要がなくてもよく、従って、より広範な材料および容器構造が企図され得る。
【0031】
本明細書に記載されるゲル組成物はエアロゾル発生装置と組み合わされ、従来的な喫煙方法の吸入量または空気流量の範囲内にある吸入量または空気流量でアルカロイド化合物エアロゾルを肺に提供し得る。エアロゾル発生装置は、ゲル組成物を連続的に加熱し得る。消費者は、各々の「吸煙」がアルカロイド化合物エアロゾルの量を送達する複数の吸入または「吸煙」を摂ることができる。ゲル組成物は、加熱時、好ましくは連続的な方法で、高アルカロイド化合物/粒子状物質総量(TPM)エアロゾルを消費者に送達することができる。
【0032】
本明細書に記載されるゲル組成物はエアロゾル発生装置と組み合わされ、従来的な喫煙方法の吸入量または空気流量の範囲内にある吸入量または空気流量でニコチンエアロゾルを肺に提供し得る。エアロゾル発生装置は、ゲル組成物を連続的に加熱し得る。消費者は、各々の「吸煙」がニコチンエアロゾルの量を送達する複数の吸入または「吸煙」を摂ることができる。ゲル組成物は、加熱時、好ましくは連続的な方法で、高ニコチン/粒子状物質総量(TPM)エアロゾルを消費者に送達することができる。
【0033】
本明細書に記載されるゲル組成物はエアロゾル発生装置と組み合わされ、従来的な喫煙方法の吸入量または空気流量の範囲内にある吸入量または空気流量でカンナビノイド化合物エアロゾルを肺に提供し得る。エアロゾル発生装置は、ゲル組成物を連続的に加熱し得る。消費者は、各々の「吸煙」がカンナビノイド化合物エアロゾルの量を送達する複数の吸入または「吸煙」を摂ることができる。ゲル組成物は、加熱時、好ましくは連続的な方法で、高カンナビノイド化合物/粒子状物質総量(TPM)エアロゾルを消費者に送達することができる。
【0034】
ゲル組成物は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含む。ゲル組成物は、一つまたは複数のアルカロイドを含み得る。ゲル組成物は、一つまたは複数のカンナビノイドを含み得る。ゲル組成物は、一つまたは複数のアルカロイドと一つまたは複数のカンナビノイドの組み合わせを含み得る。
【0035】
「アルカロイド化合物」という用語は、一つまたは複数の塩基性窒素原子を含む自然発生的有機化合物の任意の一つまたは複数のクラスを意味する。一般的に、アルカロイドは、アミン型構造に少なくとも一つの窒素原子を含有する。アルカロイド化合物の分子におけるこの窒素原子または別の窒素原子は、酸塩基反応の塩基として活性であり得る。ほとんどのアルカロイド化合物は、例えば複素環リングなどの環状系の一部として、その窒素原子の一つまたは複数を有する。自然界では、アルカロイド化合物は主に植物に見られ、特に特定の科の顕花植物において一般的である。しかしながら、一部のアルカロイド化合物は、動物種および菌類に見られる。本開示では、「アルカロイド化合物」という用語は、天然由来のアルカロイド化合物および合成的に作られたアルカロイド化合物の両方を指す。
【0036】
ゲル組成物は、好ましくは、ニコチン、アナタビン、およびその組み合わせからなる群から選択されるアルカロイド化合物を含む。
【0037】
好ましくは、ゲル組成物はニコチンを含む。
【0038】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、ならびにこれに類するものなど)を指す。
【0039】
「カンナビノイド化合物」という用語は、カンナビス・サティバ (Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)、およびカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)の大麻植物の一部に見られる天然の化合物の任意の一つの種類を意味する。カンナビノイド化合物は雌の頭状花で特に濃縮される。大麻植物において自然発生するカンナビノイド化合物は、カンナビジオール(CBD)およびテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む。本開示では、「カンナビノイド化合物」という用語は、天然由来のカンナビノイド化合物および合成的に製造されたカンナビノイド化合物の両方を記載するために使用される。
【0040】
ゲルは、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロル(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビシトラン(CBT)、およびその組み合わせからなる群から選択されるカンナビノイド化合物を含み得る。
【0041】
ゲル組成物は、好ましくは、カンナビジオール(CBD)、THC(テトラヒドロカンナビノール)およびその組み合わせからなる群から選択されるカンナビノイド化合物を含み得る。
【0042】
ゲルは好ましくはカンナビジオール(CBD)を含む。
【0043】
ゲル組成物は、ニコチンおよびカンナビジオール(CBD)を含み得る。
【0044】
ゲル組成物はニコチン、カンナビジオール(CBD)、および THC(テトラヒドロカンナビノール)を含み得る。
【0045】
「安定ゲル相」または「安定ゲル」という語句は、様々な環境条件に曝露された時にその形状および質量を実質的に維持するゲルを指す。安定ゲルは、相対湿度を約10%~約60%に変化させながら、標準的な温度および圧力に晒された場合、実質的に水(汗)を放出または吸収し得ない。例えば、安定ゲルは、相対湿度を約10%~約60%に変化させながら、標準的な温度および圧力に晒された場合、その形状および質量を実質的に維持し得る。
【0046】
「増粘剤」という用語は、25℃で、50重量%の水/50重量%のグリセロール混合物に0.3重量%の量で均質的に加えられた時に、ゲルの形成をもたらすことなく粘度を増大させ、混合物が流体のまま維持または保存される化合物を指す。好ましくは、増粘剤は、25℃で、50重量%の水/50重量%のグリセロールの混合物に0.3重量%の量で均質的に加えられた時に、0.1s-1のせん断レートで、ゲルの形成をもたらすことなく、少なくとも50cPs、好ましくは少なくとも200cPs、好ましくは少なくとも500cPs、好ましくは少なくとも1000cPs粘度を増加させ、混合物が流体のまま維持または保存される化合物を指す。好ましくは、増粘剤は、25℃で、50重量%の水/50重量%のグリセロールの混合物に0.3重量%の量で均質的に加えられた時に、ゲルの形成をもたらすことなく、0.1s-1のせん断レートで、添加前よりも少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも100倍大きく粘度を増加させ、混合物が流体のまま維持または保存される化合物を指す。
【0047】
本明細書に挙げた粘度値は、ブルックフィールドRVT粘度計を使用し、ディスクタイプRV#2スピンドルを25℃で6回転/分(rpm)の速度で回転させながら測定し得る。
【0048】
「ゲル化剤」という用語は、均質的に、50重量%の水/50重量%のグリセロールの混合物に約0.3重量%の量で加えられた時、固体培地または支持マトリクスを形成させてゲルへと導く化合物を指す。ゲル化剤としては、限定するものではいが、水素結合架橋ゲル化剤、及びイオン架橋ゲル化剤が挙げられる。
【0049】
「ゲル」という用語は、室温で固体を指す。この文脈において「固体」とは、ゲルが安定したサイズおよび形状を有し、かつ流動しないことを意味する。この文脈において室温は摂氏25度を意味する。ゲルは、定常状態において流動性を呈さない実質的に希釈された架橋系として定義され得る。重量では、ゲルはほとんど液体であり得、それらは液体内の三次元架橋ネットワークによって固体のような挙動を示す。その構造 (硬度) をゲルに与えるのが流体内の架橋である。このように、ゲルは、液体粒子が固体培地に分散した固体内の液体の分子の分散であり得る。
【0050】
「水素結合架橋ゲル化剤」という用語は、水素結合を介した非共有架橋結合または物理的架橋結合を形成するゲル化剤を指す。水素結合は、水素原子への共有結合ではなく、分子間の静電性双極子-双極子相互作用の一種である。これは、N、O、またはF原子などの極度の電気陰性原子に共有結合された水素原子と別の極度の電気陰性原子との間の引力から生じる。
【0051】
「イオン架橋ゲル化剤」という用語は、イオン結合を介した非共有架橋結合または物理的架橋結合を形成するゲル化剤を指す。イオン架橋は、非共有相互作用によるポリマー鎖の会合を伴う。反対の電荷を持つ多価分子が静電的に互いに引かれ合い、架橋ポリマーネットワークを生じさせると、架橋ネットワークが形成される。
【0052】
本明細書に記載のゲル組成物は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物カンナビノイド化合物の両方を消費者に送達するために、エアロゾル発生装置と組み合わされ得る。本明細書に記載のゲル組成物は、エアロゾル発生装置と組み合わされて、ニコチンを消費者に送達し得る。ゲル組成物は、エアロゾル発生装置の一部分から(ゲル消耗品として)独立して包装されても、またはエアロゾル発生装置の一部分を形成しなくてもよい。使い切ったゲル消耗品は、エアロゾル発生装置内のフルに充填されたゲル消耗品と置き換えられ得る。複数のこれらのゲル消耗品をエアロゾル発生装置と組み合わせて、キットを形成し得る。
【0053】
本明細書に記載のゲル組成物は、製造から消費者による消費へと輸送するために、密封または閉鎖容器内に包装され得る。ゲル組成物は、容器の内部表面によって画定されるヘッドスペースと接触する露出した表面を有する。ヘッドスペースは、ゲル組成物と平衡する相対湿度を有し得る。ヘッドスペース相対湿度は、ゲル組成物によって提供される(局所的な)湿度と実質的に同様であり得る。
【0054】
本明細書に記載のゲル組成物は、エアロゾル発生物品内に包装または収容され得る。「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを発生、または放出することができる物品を記述するために使用される。エアロゾル発生物品は、紙、厚紙、綿、酢酸セルロース、ビスコース、ポリ乳酸、またはその組み合わせなど、流体透過性材料で形成され得る管状要素を画定し得る。管状要素はラッパーを含み得る。ラッパーは、紙、厚紙、綿、またはその組み合わせなどの流体透過性材料から形成され得る。
【0055】
「管状要素」は、エアロゾル発生物品での使用に適した構成要素を記載する。理想的には、管状要素は幅よりも長軸方向の長さが長いが、その幅よりもその長軸方向の長さが長くなる複数構成要素アイテムの一部であり得るため、必ずしもその必要はない。典型的には、管状要素は円筒形であるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、管状要素は、楕円形、三角形もしくは長方形のような多角形、または不規則な断面を有し得る。
【0056】
エアロゾル発生物品は、開放端、近位端、および遠位端を有し得るが、異なる特定の実施形態において開放されても閉鎖されていてもよい。管状要素はゲル組成物を含有し、またエアロゾル発生物品の遠位端に近接して配置されることが好ましい。開放した近位端に陰圧を適用することにより、アルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物のうちの少なくとも一つがゲル組成物から放出される。エアロゾル発生物品は、近位端と遠位端との間の少なくとも一つの開口部を画定する。少なくとも一つの開口部は少なくとも一つの流体入口を画定し、そのためエアロゾル発生物品の開放した近位端に対して陰圧が適用されると、例えば、空気が開口部を通してエアロゾル発生物品に入る。開口部を通してエアロゾル発生物品内に吸い込まれた、例えば周囲空気などの流体は、流体ガイドの外側長軸方向通路に沿って、エアロゾル発生物品の遠位端の近くのゲル組成物に向かって流れる。その後、流体は、遠位端から近位端まで流体ガイドの内側長軸方向通路を通って、開放した近位端でエアロゾル発生物品の外へと流れる。
【0057】
開口部をエアロゾル発生物品の遠位端から離すことによって、開口部はゲル組成物を含む管状要素から分離され、開口部を通したゲル組成物の漏洩の可能性が低減される。さらに、開口部からゲル組成物を含む管状要素への気流のための、例えば外側長軸方向通路などの通路を提供することによって、開口部からの流体は、ゲル組成物に向かって導かれ得、また流体ガイドは、ゲル組成物と開口部の間のさらなる障害物として役立ち得る。これの利点は、開口部を通したゲル組成物の漏洩の可能性をさらに低減することである。加えて、流体ガイドの内側長軸方向通路は、例えば、空気、および管状要素から生成または放出された材料または蒸気などの流体が開放した近位端を通してエアロゾル発生物品から吸い出される通路を提供する。
【0058】
好ましくは、エアロゾル発生物品は略円筒形である。このことにより、エアロゾルの滑らかな流れが容易に可能となる。エアロゾル発生物品は、例えば、4ミリメートル~15ミリメートル、5ミリメートル~10ミリメートル、または6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有し得る。エアロゾル発生物品は、例えば、10ミリメートル~60ミリメートル、15ミリメートル~50ミリメートル、または20ミリメートル~45ミリメートルの長さを有し得る。
【0059】
エアロゾル発生物品の引き出し抵抗(RTD)は、とりわけ、通路の長さおよび寸法、開口部のサイズ、内側通路の最も狭窄した断面積の寸法、ならびに使用される材料に応じて変化する。特定の実施形態では、エアロゾル発生物品のRTDは、50水柱ミリメートル(mm H2O)および140水柱ミリメートル(mm H2O)、60水柱ミリメートル(mm H2O)~120水柱ミリメートル(mm H2O)、または80水柱ミリメートル(mm H2O)~100水柱ミリメートル(mm H2O)である。物品のRTDは、体積流量が口側の端で17.5ミリリットル/秒である安定条件下、内側長軸方向通路によって横断されたとき、物品の一つまたは複数の開口部と口側の端の間の静圧差を指す。標本のRTDは、ISO規格6565:2002に記載の方法を使用して測定できる。
【0060】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、プラスチック材料、金属材料、例えば酢酸セルロースなどのセルロース系材料、紙、厚紙、綿、またはその組み合わせを含む。
【0061】
特定の実施形態では、流体ガイドは、プラスチック材料、金属材料、例えば酢酸セルロースなどのセルロース系材料、紙、厚紙、またはその組み合わせを含む。
【0062】
特定の実施形態と組み合わせて、ラッパーは複数の材料を含む。特定の実施形態では、ラッパー、またはその一部分は、金属材料、プラスチック材料、厚紙、綿、またはその組み合わせを含む。ラッパーが厚紙または紙を含む場合、開口部はレーザー切断によって形成され得る。
【0063】
ラッパーは、エアロゾル発生物品のために強度および構造剛性を提供する。ラッパーに紙または厚紙が使用され、高度な剛性が望まれる場合、1平方メートル当たり60グラム超の坪量を有することが好ましい。そのようなラッパーの一つは、高い構造剛性を提供する。ラッパーは、存在する場合、リストリクタがエアロゾル発生物品内に埋め込まれる場所、または構造的支持が弱い空洞(存在する場合)などのその他の場所における、エアロゾル発生物品の外側の変形に抵抗し得る。いくつかの実施形態では、管状要素ラッパーは金属層を含む。金属層は、外側に適用されるエネルギーを集中させて管状部材を加熱するために使用され得、例えば、金属層は電磁場用のサセプタとして作用するか、または外部熱源によって供給される放射エネルギーを収集し得る。内部熱源が存在する場合、金属層は、熱がラッパーを通して管状要素から逃げるのを防ぎ、そして加熱の効率を向上させ得る。また、管状部材の周辺に沿った熱の均一な分布も提供し得る。
【0064】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、流体ガイドの外側とラッパーの内側との間にシールを備える。次に、ラッパーは流体ガイドにしっかりと取り付けられ得る。流体不透過性シールを作製する必要はない。
【0065】
特定の実施形態では、エアロゾル発生物品は、マウスピースを備える。マウスピースは、流体ガイド、またはその一部分を含み得、エアロゾル発生物品のラッパーの少なくとも近位部分を形成し得る。マウスピースは、締まりばめ、ねじ係合、または同種のものなどにより、任意の適切な方法で、ラッパーと、またはラッパーの遠位部分に接続し得る。マウスピースはフィルターを含み得るエアロゾル発生物品の部分であり得、または場合によっては、マウスピースは、存在する場合、チッピングペーパーの範囲により画定され得る。別の実施形態では、マウスピースは、エアロゾル発生物品の口側の端から40ミリメートル延びる、またはエアロゾル発生物品の口側の端から30ミリメートル延びる物品の一部分として画定され得る。
【0066】
ゲル組成物を含む管状要素は、エアロゾル発生物品の最終組立前に、遠位端の近位にエアロゾル発生物品内に配置され得る。
【0067】
完全に組み立てられると、エアロゾル発生物品は、流体が流れることができる流体通路を画定する。エアロゾル発生物品の口側の端(近位端)で陰圧が提供されると、流体はラッパー(または流体ガイドまたは両方)の開口部を通してエアロゾル発生物品に入り、その後、外側長軸方向通路を通ってエアロゾル発生物品の遠位端に向かって流れる。エアロゾルは、ゲル組成物を保持する管状要素の加熱によって随意に生成されるエアロゾルを伴う場合がある。取り込まれたエアロゾルを伴う流体は、その後、流体ガイドの内側長軸方向通路を通って、エアロゾル発生物品の開放した口側の端を通って流れ得る。
【0068】
好ましくは、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の発熱体が管状要素を含むエアロゾル発生物品のセクションを加熱し得るように、エアロゾル発生装置によって受容されるように構成される。例えば、ゲル組成物を含む管状要素がエアロゾル発生物品の遠位端に、またはその近くに配置される場合、管状要素はエアロゾル発生物品の遠位端であり得る。
【0069】
好ましくは、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品を受けるためのレセプタクルと、ゲル組成物を含有する管状要素を含むエアロゾル発生物品のセクションを加熱するように構成および配置された発熱体と、を備える適切かつ相応に形状およびサイズ設定されたエアロゾル発生装置で使用するために形状およびサイズ設定され得る。
【0070】
エアロゾル発生装置は、好ましくは、発熱体に動作可能に連結された制御電子機器を含む。制御電子機器は発熱体の加熱を制御するように構成され得る。制御電子機器は、ハウジングに対して内部にあり得る。
【0071】
ゲル組成物は、本開示によれば、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方、エアロゾル形成体、増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、イオン架橋ゲル化剤、および酸を含む。ゲル組成物は二価カチオンをさらに含み得る。
【0072】
ゲル組成物は、本開示によれば、ニコチン、エアロゾル形成体、増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、イオン架橋ゲル化剤、および酸を含む。ゲル組成物は二価カチオンをさらに含み得る。
【0073】
ゲル組成物はエアロゾル形成体を含む。理想的には、エアロゾル形成体は、関連付けられたエアロゾル発生装置の作動温度で熱劣化に対して実質的に耐性がある。適切なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。多価アルコールまたはその混合物は、トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオールおよび、グリセリン(グリセロールもしくはプロパン-1,2,3-トリオール)またはポリエチレングリコールのうちの一つまたは複数であり得る。エアロゾル形成体は、好ましくはグリセロールである。
【0074】
ゲル組成物はエアロゾル形成体の大部分を含む。ゲル組成物は、水とエアロゾル形成体の混合物を含み得、エアロゾル形成体はゲル組成物の大部分(重量で)を形成する。エアロゾル形成体は、少なくとも約50重量%のゲル組成物を形成し得る。エアロゾル形成体は、少なくとも約60重量%、または少なくとも約65重量%、または少なくとも約70重量%のゲル組成物を形成し得る。エアロゾル形成体は、約70重量%~約80重量%のゲル組成物を形成し得る。エアロゾル形成体は、約70重量%~約75重量%のゲル組成物を形成し得る。
【0075】
ゲル組成物は、グリセロールの大部分を含み得る。ゲル組成物は、水とグリセロールの混合物を含み得、グリセロールはゲル組成物の大部分(重量で)を形成し得る。グリセロールは、少なくとも約50重量%のゲル組成物を形成し得る。グリセロールは、少なくとも約60重量%、または少なくとも約65重量%、または少なくとも約70重量%のゲル組成物を形成し得る。グリセロールは、約70重量%~約80重量%のゲル組成物を形成し得る。グリセロールは、約70重量%~約75重量%のゲル組成物を形成し得る。
【0076】
ゲル組成物は、好ましくは水を含まない、または低レベルの水しか含まない。ゲル組成物が水を含まない、または低レベルの水しか含まない場合、ゲル組成物は、より高レベルの、エアロゾル形成体、ゲル化剤、増粘剤、およびニコチンなどのその他の化合物を含み得る。また、水を含まない、または低レベルの水しか含まないゲル組成物はより簡単であり、気化に必要なエネルギーが少ない。水を含まない、または低レベルの水しか含まないゲル組成物から形成されたエアロゾルは、使用者によってさほど高温ではないと知覚され得る。好ましくは、ゲル組成物は、約40重量%未満、好ましくは約30重量%未満、好ましくは約25重量%未満の水を含む。ゲル組成物は、約20重量%未満、または約15重量%未満、または約10重量%未満、または約5重量%未満の水を含み得る。
【0077】
ゲル組成物は、好ましくはいくらかの水を含む。組成物がいくらかの水を含む場合、ゲル組成物はより安定である。好ましくは、ゲル組成物は少なくとも約1重量%、または少なくとも約2重量%、または少なくとも約5重量%の水を含む。好ましくは、ゲル組成物は少なくとも約10重量%、または少なくとも約15重量%の水を含む。
【0078】
好ましくは、ゲル組成物は約8重量%~約32重量%の水を含む。好ましくは、ゲル組成物は約14重量%~約26重量%の水を含む。好ましくは、ゲル組成物は約18重量%~約22重量%の水を含む。好ましくは、ゲル組成物は約20重量%の水を含む。好ましくは、ゲル組成物は約15重量%~約25重量%の水を含む。
【0079】
ゲル組成物は、周囲環境湿度で平衡化された局所湿度を維持するために、グリセロール含有量に対する特定の比率の水を含み得る。グリセロール含有量に対するこの範囲の水は、ゲル組成物を維持するために必要な特性を提供し得る。ゲル組成物は、実質的に流動的でなく、経時的にその形状を実質的に維持する。ゲル組成物は、実質的に流動せず、経時的にその質量を実質的に維持する。周囲環境または貯蔵条件に晒された時、ゲルは水(汗)を実質的に放出しないか、または経時的に水を吸収する。
【0080】
好ましくは、ゲル組成物は、約10:1~約2:1の範囲、また約5:1~約3:1の範囲のエアロゾル形成体またはグリセロール対水を含む。好ましくは、ゲル組成物は、約4.5:1~約3.5:1の範囲のエアロゾル形成体またはグリセロール対水を含む。
【0081】
ゲル組成物は、水素結合架橋ゲル化剤およびイオン架橋ゲル化剤であるゲル化剤を含み得る。ゲル組成物は増粘剤をさらに含み得る。ゲル化剤は、エアロゾル形成体が分散し得る固体媒体を形成し得る。ゲル化剤は、エアロゾル形成体および水が分散され得る固体培地を形成し得る。水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤と組み合わせられた増粘剤は、驚くべきことに、固体培地を支持し、ゲル組成物が高レベルのグリセロールを含む時でさえもゲル組成物を維持するらしい。
【0082】
ゲル組成物は、約0.4重量%~約10重量%の範囲のゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約0.5重量%~約8重量%の範囲のゲル化剤を含む。好ましくは、ゲル組成物は、約1重量%~約6重量%の範囲のゲル化剤を含む。好ましくは、ゲル組成物は、約2重量%~約4重量%の範囲のゲル化剤を含む。好ましくは、ゲル組成物は、約2重量%~約3重量%の範囲のゲル化剤を含む。
【0083】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲の増粘剤を含む。好ましくは、組成物は、約0.5重量%~約3重量%の範囲の増粘剤を含む。好ましくは、組成物は、約0.5重量%~約2重量%の範囲の増粘剤を含む。好ましくは、組成物は、約1重量%~約2重量%の範囲の増粘剤を含む。
【0084】
ゲル組成物は、約1重量%~約8重量%の合計量でゲル組成物中に存在する、増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約2重量%~約6重量%の合計量でゲル組成物中に存在する、増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約3重量%~約5重量%の合計量でゲル組成物中に存在する、増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤を含み得る。
【0085】
ゲル組成物は、約0.3重量%~約3重量%でゲル組成物中にそれぞれ独立して存在する、増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約0.5重量%~約2重量%でゲル組成物中にそれぞれ独立して存在する、増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1重量%~約2重量%でゲル組成物中にそれぞれ独立して存在する、増粘剤、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤を含み得る。
【0086】
増粘剤は、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、アラビアガム、グアーガム、ラムダカラゲナン、または澱粉のうちの一つまたは複数を含み得る。増粘剤はキサンタンガムを含むことが好ましい。
【0087】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でキサンタンガムを含み得る。好ましくは、キサンタンガムは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、キサンタンガムは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、キサンタンガムは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0088】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でカルボキシメチルセルロースを含み得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0089】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲で微結晶セルロースを含み得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0090】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でメチルセルロースを含み得る。好ましくは、メチルセルロースは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、メチルセルロースは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、メチルセルロースは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0091】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でアラビアガムを含み得る。好ましくは、アラビアガムは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、アラビアガムは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、アラビアガムは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0092】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でグアーガムを含み得る。好ましくは、グアーガムは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、グアーガムは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、グアーガムは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0093】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でラムダカラゲナンを含み得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0094】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲で澱粉を含み得る。好ましくは、澱粉は、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、澱粉は、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、澱粉は、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0095】
水素結合架橋ゲル化剤は、ガラクトマンナン、ゼラチン、アガロース、またはコンニャクガム、または寒天のうちの一つまたは複数を含み得る。水素結合架橋ゲル化剤は、寒天を含むことが好ましい場合がある。
【0096】
ゲル組成物は、約0.3重量%~約5重量%の範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含む。好ましくは、ゲル組成物は、約0.5重量%~約3重量%の範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含む。好ましくは、ゲル組成物は、約1重量%~約2重量%の範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含む。
【0097】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でガラクトマンナンを含み得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0098】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でゼラチンを含み得る。好ましくは、ゼラチンは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、ゼラチンは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、ゼラチンは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0099】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でアガロースを含み得る。好ましくは、アガロースは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、アガロースは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、アガロースは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0100】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でコンニャクガムを含み得る。好ましくは、コンニャクガムは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、コンニャクガムは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、コンニャクガムは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0101】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲で寒天を含み得る。好ましくは、寒天は、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、寒天は、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、寒天は、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0102】
イオン架橋ゲル化剤は、低アシルジェラン、ペクチン、カッパカラゲナン、イオタカラゲナンまたはアルギネートを含み得る。イオン架橋ゲル化剤は、好ましくは低アシルジェランを含む。
【0103】
ゲル組成物は、約0.3重量%~約5重量%の範囲でイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約0.5重量%~約3重量%の範囲でイオン架橋ゲル化剤を含む。好ましくは、組成物は、約1重量%~約2重量%の範囲でイオン架橋ゲル化剤を含む。
【0104】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲で低アシルジェランを含み得る。好ましくは、低アシルジェランは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、低アシルジェランは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、低アシルジェランは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0105】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でペクチンを含み得る。好ましくは、ペクチンは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、ペクチンは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、ペクチンは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0106】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でカッパカラゲナンを含み得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0107】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でイオタカラゲナンを含み得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0108】
ゲル組成物は、約0.2重量%~約5重量%の範囲でアルギネートを含み得る。好ましくは、アルギネートは、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、アルギネートは、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、アルギネートは、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0109】
ゲル組成物は、約3:1~約1:3の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。
【0110】
ゲル組成物は、約3:1~約1:3の比率で、水素結合架橋ゲル化剤と増粘剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率で、水素結合架橋ゲル化剤と増粘剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率で、水素結合架橋ゲル化剤と増粘剤を含み得る。
【0111】
ゲル組成物は、約3:1~約1:3の比率で、イオン架橋ゲル化剤と増粘剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率で、イオン架橋ゲル化剤と増粘剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率で、イオン架橋ゲル化剤と増粘剤を含み得る。
【0112】
ゲル組成物は、約3:1~約1:3の比率でゲル化剤とアルカロイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率でゲル化剤とアルカロイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率でゲル化剤とアルカロイド化合物を含み得る。
【0113】
ゲル組成物は、約1:1~約1:5の比率で増粘剤とアルカロイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1~約1:3の比率で増粘剤とアルカロイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:2の比率で増粘剤とアルカロイド化合物を含み得る。
【0114】
ゲル組成物は、約1:5~約1:20の比率でアルカロイド化合物と水を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:8~約1:12の比率でアルカロイド化合物と水を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:10の比率でアルカロイド化合物と水を含み得る。
【0115】
ゲル組成物は、約1:50~約1:25の比率でアルカロイド化合物とグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:40~約1:30の比率でアルカロイド化合物とグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:36の比率でアルカロイド化合物とグリセロールを含み得る。
【0116】
ゲル組成物は、約3:1~約1:3の比率でゲル化剤とニコチンを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率でゲル化剤とニコチンを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率でゲル化剤とニコチンを含み得る。
【0117】
ゲル組成物は、約1:1~約1:5の比率で増粘剤とニコチンを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1~約1:3の比率で増粘剤とニコチンを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:2の比率で増粘剤とニコチンを含み得る。
【0118】
ゲル組成物は、約1:5~約1:20の比率でニコチンと水を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:8~約1:12の比率でニコチンと水を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:10の比率でニコチンと水を含み得る。
【0119】
ゲル組成物は、約1:50~約1:25の比率でニコチンとグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:40~約1:30の比率でニコチンとグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:36の比率でニコチンとグリセロールを含み得る。
【0120】
ゲル組成物は、約1:50~約1:25の比率でゲル化剤とグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:40~約1:30の比率でゲル化剤とグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:36の比率でゲル化剤とグリセロールを含み得る。
【0121】
ゲル組成物は、約1:90~約1:40の比率で増粘剤とグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:80~約1:65の比率で増粘剤とグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:73の比率でゲル化剤とグリセロールを含み得る。
【0122】
ゲル組成物は、約3:1~約1:3の比率でゲル化剤とカンナビノイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率でゲル化剤とカンナビノイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率でゲル化剤とカンナビノイド化合物を含み得る。
【0123】
ゲル組成物は、約1:1~約1:5の比率で増粘剤とカンナビノイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1~約1:3の比率で増粘剤とカンナビノイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:2の比率で増粘剤とカンナビノイド化合物を含み得る。
【0124】
ゲル組成物は、約1:5~約1:20の比率でカンナビノイド化合物と水を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:8~約1:12の比率でカンナビノイド化合物と水を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:10の比率でカンナビノイド化合物と水を含み得る。
【0125】
ゲル組成物は、約1:50~約1:25の比率でカンナビノイド化合物とグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:40~約1:30の比率でカンナビノイド化合物とグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:36の比率でカンナビノイド化合物とグリセロールを含み得る。
【0126】
ゲル組成物は、約3:1~約1:3の比率でゲル化剤およびアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率でゲル化剤およびアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率でゲル化剤およびアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。
【0127】
ゲル組成物は、約1:1~約1:5の比率で増粘剤およびアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1~約1:3の比率で増粘剤およびアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:2の比率で増粘剤およびアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。
【0128】
ゲル組成物は、約1:5~約1:20の比率でアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方および水を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:8~約1:12の比率でアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方および水を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:10の比率でアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方および水を含み得る。
【0129】
ゲル組成物は、約1:50~約1:25の比率でアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方およびグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:40~約1:30の比率でアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方およびグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:36の比率でアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方およびグリセロールを含み得る。
【0130】
ゲル組成物は二価カチオンをさらに含み得る。好ましくは、二価カチオンは、溶液中の乳酸カルシウムなどのカルシウムイオンを含む。二価カチオン(カルシウムイオンなど)は、例えばイオン架橋ゲル化剤などのゲル化剤を含む組成物のゲル形成を補助し得る。イオン効果は、ゲル形成を補助し得る。二価カチオンは、約0.1~約1重量%の範囲、または約0.5重量%でゲル組成物中に存在し得る。
【0131】
ゲル組成物はさらに酸を含み得る。酸はカルボン酸を含み得る。カルボン酸はケトン基を含み得る。好ましくは、カルボン酸は、レブリン酸または乳酸などの約10個未満の炭素原子、または約6個未満の炭素原子または約4個未満の炭酸原子を有するケトン基を含み得る。好ましくは、このカルボン酸は三つの炭素原子(乳酸など)を有する。乳酸は、驚くべきことに、類似のカルボン酸をも上回るほどにゲル組成物の安定性を改善する。カルボン酸は、ゲル形成を補助し得る. カルボン酸は、貯蔵中のゲル組成物内のアルカロイド化合物濃度、またはカンナビノイド化合物濃度、またはアルカロイド化合物濃度とカンナビノイド化合物濃度の両方の変化を低減させ得る。カルボン酸は、貯蔵中のゲル組成物内のニコチン濃度の変化を低減させ得る。
【0132】
ゲル組成物は、約0.1重量%~約5重量%の範囲でカルボン酸を含み得る。好ましくは、カルボン酸は、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、カルボン酸は、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、カルボン酸は、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0133】
ゲル組成物は、約0.1重量%~約5重量%の範囲で乳酸を含み得る。好ましくは、乳酸は、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、乳酸は、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、乳酸は、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0134】
ゲル組成物は、約0.1重量%~約5重量%の範囲でレブリン酸を含み得る。好ましくは、レブリン酸は、約0.5重量%~約3重量%の範囲であり得る。好ましくは、レブリン酸は、約0.5重量%~約2重量%の範囲であり得る。好ましくは、レブリン酸は、約1重量%~約2重量%の範囲であり得る。
【0135】
ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率でカルボン酸とアルカロイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1.5~約1.5:1の比率でカルボン酸とアルカロイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率でカルボン酸とアルカロイド化合物を含み得る。
【0136】
ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率でカルボン酸とニコチンを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1.5~約1.5:1の比率でカルボン酸とニコチンを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率でカルボン酸とニコチンを含み得る。
【0137】
ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率でカルボン酸とカンナビノイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1.5~約1.5:1の比率でカルボン酸とカンナビノイド化合物を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率でカルボン酸とカンナビノイド化合物を含み得る。
【0138】
ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率でカルボン酸とアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1.5~約1.5:1の比率でカルボン酸とアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率でカルボン酸とアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含み得る。
【0139】
ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率でカルボン酸と増粘剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1.5~約1.5:1の比率でカルボン酸と増粘剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率でカルボン酸と増粘剤を含み得る。
【0140】
ゲル組成物は、約2:1~約1:4の比率でカルボン酸とゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1~約1:3の比率でカルボン酸とゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:2の比率でカルボン酸とゲル化剤を含み得る。
【0141】
ゲル組成物は、約1:70~約1:30の比率でカルボン酸とグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:60~約1:50の比率でカルボン酸とグリセロールを含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:55の比率でカルボン酸とグリセロールを含み得る。
【0142】
ゲル組成物は、約1:30~約1:5の比率でカルボン酸と水を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:20~約1:10の比率でカルボン酸と水を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:15の比率でカルボン酸と水を含み得る。
【0143】
アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方はゲル組成物に含まれる。ゲル組成物は、約0.5重量%~約10重量%のアルカロイド化合物、または約0.5重量%~約10重量%のカンナビノイド化合物、または合計量が約0.5重量%~約10重量%のアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含む。ゲル組成物は、約0.5重量%~約5重量%のアルカロイド化合物、または約0.5重量%~約5重量%のカンナビノイド化合物、または合計量が約0.5重量%~約5重量%のアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1重量%~約3重量%のアルカロイド化合物、または約1重量%~約3重量%のカンナビノイド化合物、または合計量が約1重量%~約3重量%のアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含む。ゲル組成物は、好ましくは、約1.5重量%~約2.5重量%のアルカロイド化合物、または約1.5重量%~約2.5重量%のカンナビノイド化合物、または合計量が約1.5重量%~約2.5重量%のアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。ゲル組成物は、好ましくは、約2重量%のアルカロイド化合物、または約2重量%のカンナビノイド化合物、または合計量が約2重量%のアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。ゲル製剤のアルカロイド化合物成分は、ゲル製剤の最も揮発性の高い成分であり得る。一部の態様において、水はゲル製剤の最も揮発性の高い成分であり得、ゲル製剤のアルカロイド化合物成分はゲル製剤の二番目に揮発性の高い成分であり得る。ゲル製剤のカンナビノイド化合物成分は、ゲル製剤の最も揮発性の高い成分であり得る。一部の態様において、水はゲル製剤の最も揮発性の高い成分であり得、ゲル製剤のアルカロイド化合物成分はゲル製剤の二番目に揮発性の高い成分であり得る。
【0144】
好ましくは、ニコチンはゲル組成物中に含まれる。ニコチンは、遊離塩基形態または塩形態で組成物に加えられ得る。ゲル組成物は、約0.5重量%~約10重量%のニコチン、または約0.5~約5重量%のニコチンを含む。好ましくは、ゲル組成物は、約1重量%~約3重量%のニコチン、または約1.5重量%~約2.5重量%のニコチン、または約2重量%のニコチンを含む。ゲル製剤のニコチン成分は、ゲル製剤の最も揮発性の高い成分である場合がある。一部の態様において、水はゲル製剤の最も揮発性の高い成分であり得、ゲル製剤のニコチン成分はゲル製剤の二番目に揮発性の高い成分であり得る。
【0145】
寒天が水素結合架橋ゲル化剤として使用される実施形態では、ゲル組成物は0.2~5重量%、好ましくは0.5~2重量%の寒天を含む。好ましくは、このゲル組成物は、0.2~5重量%、好ましくは0.5~2重量%の、低アシルジェランまたはアルギネートなどのイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、このゲル組成物は、0.2~5重量%、好ましくは0.5~2重量%の、キサンタンガムなどの増粘剤を含み得る。好ましくは、ゲルはさらに、0.1~2重量%のアルカロイド化合物、または0.1~2重量%のカンナビノイド化合物を含み、好ましくは、ゲルはさらに、0.1~2重量%のアルカロイド化合物、または0.1~2重量%のカンナビノイド化合物、または合計量が0.1~2重量%のアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含む。好ましくは、ゲルはさらに0.1~2重量%のニコチンを含む。好ましくは、ゲルはさらに、70重量%~80重量%(または70重量%~75重量%)のグリセロールを含む。好ましくは、ゲル組成物はさらにカルシウムなどの二価カチオンを含む。特定の実施形態では、ゲルの残りの部分は、水および任意の風味剤を含む。好ましくは、ゲル組成物はさらに、約0.5重量%~約2.5重量%の量の酸、または乳酸などのカルボン酸を含む。
【0146】
低アシルジェランがイオン架橋ゲル化剤として使用される実施形態では、ゲル組成物は0.2~5重量%、好ましくは0.5~2重量%の低アシルジェランを含む。好ましくは、このゲル組成物は、0.2~5重量%、好ましくは0.5~2重量%の、寒天などの水素結合架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、このゲル組成物は、0.2~5重量%、好ましくは0.5~2重量%の、キサンタンガムなどの増粘剤を含み得る。好ましくは、ゲルはさらに、0.1~2重量%のアルカロイド化合物、または0.1~2重量%のカンナビノイド化合物、または合計量が0.1~2重量%のアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含む。好ましくは、ゲルはさらに0.1~2重量%のニコチンを含む。好ましくは、ゲルはさらに、70重量%~80重量%(または70重量%~75重量%)のグリセロールを含む。好ましくは、ゲル組成物はさらにカルシウムなどの二価カチオンを含む。特定の実施形態では、ゲルの残りの部分は、水および任意の風味剤を含む。好ましくは、ゲル組成物はさらに、約0.5重量%~約2.5重量%の量の酸、または乳酸などのカルボン酸を含む。
【0147】
ゲル組成物は、約1.5重量%~約2.5重量%のアルカロイド化合物、もしくは約1.5重量%~2.5重量%のカンナビノイド化合物、もしくは合計量が約1.5重量%~2.5重量%のアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方、約70重量%~約75重量%のグリセロール、約18重量%~約22重量%の水、それぞれ約0.5重量%~約2重量%の寒天、キサンタンガムおよび低アシルジェラン、ならびにカルシウムイオンを含み得る。キサンタンガム、寒天、および低アシルジェランの各々は、実質的に等量でゲル組成物中に存在し得る。
【0148】
ゲル組成物は、約1.5重量%~約2.5重量%のニコチン、約70重量%~約75重量%のグリセロール、約18重量%~約22重量%の水、それぞれ約0.5重量%~約2重量%の寒天、キサンタンガムおよび低アシルジェラン、ならびにカルシウムイオンを含み得る。キサンタンガム、寒天、および低アシルジェランの各々は、実質的に等量でゲル組成物中に存在し得る。
【0149】
ゲル組成物は(エアロゾル発生装置を介して)加熱され得、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を気化させる。ゲル組成物は、ニコチンを気化するために(エアロゾル発生装置を介して)加熱されてもよい。ゲル組成物の加熱は、液相を放出しない場合がある。
【0150】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0151】
本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0152】
本明細書で使用される「または」は概して、「および/または」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0153】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0154】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つまたは複数の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。
【0155】
本開示に記載の一つまたは複数の態様を描写する図面をこれから参照する。しかし、当然のことながら、図面に図示されていないその他の態様が本開示の範囲の中に収まる。図内で使用されている類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかし当然のことながら、所与の図内で一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図内で同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図するものではない。加えて、異なる図内で構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号の付いた構成要素を他の番号の付いた構成要素と同一または類似のものとすることはできないと示すことを意図するものではない。図面は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図面に提示された概略図は、必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【
図1】
図1は、エアロゾル発生装置の概略断面図であり、エアロゾル発生装置に挿入され得るエアロゾル発生物品の概略側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に図示したエアロゾル発生装置の概略断面図であり、エアロゾル発生装置に挿入された
図1に図示された物品の概略側面図である。
【
図3】
図3はエアロゾル発生物品の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0157】
図1~2は、エアロゾル発生物品100およびのエアロゾル発生装置200の例を示す。エアロゾル発生物品100は、近位端または口側の端101および遠位端103を有する。
図2において、エアロゾル発生物品 100の遠位端103はエアロゾル発生装置200のレセプタクル220に受容される。エアロゾル発生装置200は、エアロゾル発生物品100を受容するように構成された、レセプタクル220を画定するハウジング210を含む。エアロゾル発生装置200はまた、好ましくは締まりばめによってエアロゾル発生物品100を受容するように構成された空洞235を形成する発熱体230を含む。発熱体230は、電気抵抗加熱構成要素を含み得る。さらに、装置200は、電源240と、発熱体230の加熱を制御するために協働する制御電子機器250と、を含む。
【0158】
発熱体230は、管状要素600(図示せず)を含有するエアロゾル発生物品100の遠位端103を加熱し得る。この例では、管状要素600は、ニコチンを含むゲル組成物500を含む。エアロゾル発生物品100を加熱することにより、ゲル組成物500を含む管状要素600にニコチン含有エアロゾルを生成させ、それは近位端101でエアロゾル発生物品100から出ることができる。
【0159】
【0160】
いくつかの例では、加熱機構は、熱がエアロゾル発生装置200の発熱体230からエアロゾル発生物品100に伝達される伝導加熱によるものであってもよい。これは、エアロゾル発生物品100がエアロゾル発生装置200のレセプタクル220に位置付けられた時に容易に行うことができ、(ゲル組成物500を含む管状要素600が位置する端部であることが好ましい)遠位端103および、ひいてはエアロゾル発生物品100はエアロゾル発生装置200の発熱体230と接触する。特定の実施例では、発熱体はエアロゾル発生装置200から突出し、エアロゾル発生物品100内に貫通して管状要素600のゲル組成物500と直接接触するのに適した加熱ブレードを含む。
【0161】
この実施例では、加熱機構は、エアロゾル発生物品100がエアロゾル発生装置200のレセプタクル220内に位置するとき、発熱体が管状要素によって吸収される輻射磁気放射を発する誘導による。
【0162】
図3は、ラッパー110および流体ガイド400を含むエアロゾル発生物品100の一実施形態を図示する。
【0163】
流体ガイド400は、近位端401、遠位端403、および遠位端403から近位端401への内側長軸方向通路430を有する。内側長軸方向通路430は、第一の部分410および第二の部分420を有する。第一の部分410は、第一の部分410の遠位端413から第一の部分410の近位端411まで延びる、通路430の第一の部分を画定する。第二の部分420は、第二の部分420の遠位端423から第二の部分420の近位端421まで延びる、通路430の第二の部分を画定する。通路430の第一の部分410は、例えば空気などの流体が、エアロゾル発生物品100の近位端101に陰圧が加えられた時、内側長軸方向通路430のこの第一の部分410を加速して通るように、第一の部分410の遠位端413から近位端411に移動する圧縮された断面積を有する。内側長軸方向通路430の第一の部分410の断面積は、第一の部分410の遠位端413から近位端411に向かって狭くなる。内側長軸方向通路430の第二の部分420は、流体ガイド400の第二の部分420の遠位端423から近位端421に向かって拡大する断面積を有する。内側長軸方向通路430の第二の部分420において、流体は減速し得る。
【0164】
ラッパー110は、エアロゾル発生物品100の開放した近位端101および遠位端103を画定する。ゲル組成物500を含む管状要素600は、エアロゾル発生物品100の遠位端103に配置される。エアロゾル発生物品100は、その最端の遠位端103に端部プラグを備える。端部プラグは管状要素600の遠位側に位置付けられる。端部プラグは吸込みに対して高抵抗の材料を含み、このゆえに陰圧がエアロゾル発生物品100の近位端101に加えられた時、開口部150を通してエアロゾル発生物品100に入るように流体を付勢する。管状要素600から発生したまたは放出されたエアロゾルはニコチンを含み、加熱時、管状要素600から下流のエアロゾル発生物品の空洞140に入り、内側長軸方向通路430を通って運ばれる。
【0165】
開口部150は、ラッパー110を貫通する。少なくとも一つの開口部150は、流体ガイド400の外表面とラッパー110の内部表面との間に形成される外側長軸方向通路440と連通する。開口部150と口側の端101との間の位置で、流体ガイド400とラッパー110との間にシールが形成される。
【0166】
陰圧がエアロゾル発生物品100の近位端101に加えられた時、流体は開口部150に入り、外側長軸方向通路440を通って空洞140内へ、そしてゲル組成物を含む管状要素600が加熱されると流体がエアロゾルを取り込む、ゲル組成物を含む管状要素600へと流れる。流体はその後内側長軸方向通路430を通って、エアロゾル発生物品100の近位端101を通って流れる。流体が内側長軸方向通路430の第一の部分410を通って流れると、流体が加速する。流体が内側長軸方向通路430の第二の部分を通って流れると、流体が減速する。図示された実施形態では、ラッパー110は、流体ガイド400の近位端401と物品100の近位端101との間の近位の空洞130を画定し、それは口側の端101を出る前に流体を減速させるのに役立ち得る。
【実施例】
【0167】
表1は、製剤化されたゲル組成物製剤を記載する。
表1:
【表1】
【0168】
へこみ試験
Anton Parr PNR12貫通計および四分円錐プレートを使用して測定を行った。試料(ゲル組成物)を針の下方に装填し、試料表面の上部と手動で整列させた。試料上の針の影の先端を針と接触させた。試料当たり少なくとも三回の測定を行った。各ゲルについて貫通した平均距離を測定した。
【0169】
実施例1は、約7.5mmの貫通した距離を有した。
【0170】
実施例2は、約7.7mmの貫通した距離を有した。
【0171】
実施例3は、約7.0mmの貫通した距離を有した。
【0172】
実施例4は、約3.8mmの貫通した距離を有した。
【0173】
実施例9は、約5.0mmの貫通した距離を有した。
【0174】
貫通した距離が長いほど、ゲル組成物はより軟らかい。
【0175】
経時的なゲル組成物の重量変化
幾つかの実施例の製剤の重量を、様々な相対湿度にて45日間にわたって評価した。安定なゲル組成物は、45日間にわたってその初期重量を実質的に維持する。
【0176】
実施例4は、三つの相対湿度レベル(10%、60%、および70%)で45日間にわたって秤量された。60%の相対湿度にて、このゲル組成物は45日間にわたって、その重量を約10%追加し、この重量増加のほぼすべては最初の5日間に生じた。10%の相対湿度にて、このゲル組成物は45日間にわたって、その重量を約15%損失し、この重量損失のほぼすべては最初の5日間に生じた。70%の相対湿度にて、このゲル組成物は45日間にわたって、その重量を約25%追加し、この重量増加のほぼすべては最初の5日間に生じた。三つすべての相対湿度レベル(10%、60%、および70%)にて、液相は観察されなかった。
【0177】
実施例2は、三つの相対湿度レベル(10%、60%、および70%)で45日間にわたって秤量された。60%の相対湿度にて、このゲル組成物は45日間にわたって、その重量を約15%追加し、この重量増加のほぼすべては最初の5日間に生じた。10%の相対湿度にて、このゲル組成物は45日間にわたって、その重量を約5%損失し、この重量損失のほぼすべては最初の5日間に生じた。70%の相対湿度にて、このゲル組成物は45日間にわたって、その重量を約45%追加し、この重量増加のほぼすべては最初の5日間に生じた。
【0178】
さらなる実施例
表2は、製剤化されたゲル組成物製剤を記載する。
表2:
【表2】