(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】ショーツ
(51)【国際特許分類】
A41B 9/12 20060101AFI20231109BHJP
A41B 9/04 20060101ALI20231109BHJP
A61F 13/72 20060101ALI20231109BHJP
A61F 13/74 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
A41B9/12 E
A41B9/04 C
A41B9/04 F
A61F13/72 100
A61F13/74
(21)【出願番号】P 2021010745
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2021-01-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398056827
【氏名又は名称】株式会社ファーストリテイリング
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100154759
【氏名又は名称】高木 貴子
(72)【発明者】
【氏名】石井 万紀子
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 陽子
(72)【発明者】
【氏名】藤井 英一
【合議体】
【審判長】山崎 勝司
【審判官】金丸 治之
【審判官】西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-29542(JP,A)
【文献】特開2002-345891(JP,A)
【文献】国際公開第2006/129550(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3107255(JP,U)
【文献】特開2010-131967(JP,A)
【文献】特開2011-144463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 9/12
A61F 13/66
A61F 13/72
A61F 13/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショーツ本体(2)のクロッチ部(23)の内側に、前記クロッチ部(23)の前端から後端へ架け渡され、接着面(C3)を有する吸収性パッド(C)を周囲に巻き付け可能な第2のクロッチ部(3)が設けられたショーツ(1)において、
前記第2のクロッチ部(3)は、内側から順に少なくとも吸水層(31)及び防水層(33)が配置された多層構造の吸収性部材であり、
前記第2のクロッチ部(3)の最外層として、前記吸収性パッド(C)の接着面(C3)を貼り付け可能なパッド保持層(34)がさらに配置され、
前記パッド保持層(34)は、前記防水層(33)と比べて、前記接着面(C3)との接着性が低く、前記吸収性パッド(C)の取り外しが容易な素材であり、
前記第2のクロッチ部(3)の外周に、前記第2のクロッチ部(3)の端部を挟み、前記第2のクロッチ部(3)の各層の端面を覆う防水テープ(51,52)が配置され、
前記第2のクロッチ部(3)の端部と前記防水テープ(51,52)と
は、撥水性の糸
を用いた第1ステッチ(61,62)によって縫着され
、
前記吸水層(31)は、前記第1ステッチ(61,62)よりも中央側において、撥水性の糸を用いた第2ステッチ(63)によって環状に縫着されている
ことを特徴とするショーツ(1)。
【請求項2】
前記防水テープ(51,52)は、さらに前記クロッチ部(23)の前端又は後端に配置されて、前記前端又は前記後端の端面を覆い、
前記防水テープ(51,52)、前記第2のクロッチ部(3)及び前記クロッチ部(23)が前記
第1ステッチ(61,62)によって縫着されている
ことを特徴とする請求項1に記載のショーツ(1)。
【請求項3】
前記吸水層(31)と前記防水層(33)との間に保水層(32)が配置されており、
前記保水層(32)は、前記第2のクロッチ部(3)の全域よりも小さい領域を有し、前記第2のクロッチ部(3)の中央側に配置され、
前記吸水層(31)と前記保水層(32)とは、前記保水層(32)の外周に沿って前記
第2ステッチ(63)により縫着される
ことを特徴とする請求項
1又は2に記載のショーツ(1)。
【請求項4】
前記吸水層(31)は、前記
第2ステッチ(63)より内部の領域又は
前記第2ステッチ(63)より外部
であって前記第1ステッチ(61,62)より内部の領域において
、さらに撥水性の糸
を用いた1又は複数の第3ステッチにより環状に縫着される
ことを特徴とする請求項
1~3のいずれか一項に記載のショーツ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生理用ナプキンや失禁パッド等の吸収性パッドを固定できるサニタリーショーツが知られている。サニタリーショーツはそれ自体が吸収性能を有しないため、吸収性パッドのズレ等により経血や尿が漏れたときに着衣が汚れることがある。
【0003】
着衣が汚れないよう、ショーツ全体が吸水シートと防水シートの積層体により形成されたショーツが提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平7-28530号
【文献】実用新案登録第3202038号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ショーツ本体のすべてを防水加工すると蒸れやすく、着用者が不快に感じることがある。また経血等がショーツ全体に広がると、着用者の身体が汚れやすくなる。
【0006】
本発明は、快適に着用できるショーツの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ショーツ本体(2)のクロッチ部(23)の内側に、前記クロッチ部(23)の前端から後端へ架け渡され、接着面(C3)を有する吸収性パッド(C)を周囲に巻き付け可能な第2のクロッチ部(3)が設けられたショーツ(1)である。第2のクロッチ部(3)は、内側から順に少なくとも吸水層(31)及び防水層(33)が配置された多層構造の吸収性部材である。第2のクロッチ部(3)の最外層として吸収性パッド(C)の接着面(C3)を貼り付け可能なパッド保持層(34)がさらに配置される。パッド保持層(34)は、防水層(33)と比べて、接着面(C3)との接着性が低く、前記吸収性パッド(C)の取り外しが容易な素材である。前記第2のクロッチ部(3)の外周に、前記第2のクロッチ部(3)の端部を挟み、前記第2のクロッチ部(3)の各層の端面を覆う防水テープ(51,52)が配置される。前記第2のクロッチ部(3)の端部と前記防水テープ(51,52)とは、撥水性の糸を用いた第1ステッチ(61,62)によって縫着される。前記吸水層(31)は、前記第1ステッチ(61,62)よりも中央側において、撥水性の糸を用いた第2ステッチ(63)によって環状に縫着されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、快適に着用できるショーツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】ショーツ本体のクロッチ部の内側を示す平面図である。
【
図4】第2のクロッチ部の多層構造を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のショーツの実施の形態について、図面を参照して説明する。以下に説明する構成は本発明の一例(代表例)である。本発明はこれに限定されない。
【0011】
なお以下の説明において、右とは図面中の方向X1をいい、左とは図面中の方向X2をいう。上とは図面中の方向Y1をいい、下とは図面中の方向Y2をいう。前とは図面中の方向Z1をいい、後ろとは図面中の方向Z2をいう。また内側とは着用者の肌に接する側をいい、外側とはその反対側をいう。
【0012】
図1は、本実施形態のショーツ1を示す。
ショーツ1は、ショーツ本体2と伸縮テープ41及び42とを備える。ショーツ本体2は、着用者のウェストと脚を通すための開口が上方と左右の下方にそれぞれ設けられた生地体である。
【0013】
ショーツ本体2の上方の開口周縁には、伸縮テープ41が縫着される。ショーツ本体2の下方の開口周縁には、伸縮テープ42が縫着される。伸縮テープ41及び42により、ショーツ1が着用者のウェスト及び脚の付け根にフィットしやすくなる。
【0014】
ショーツ本体2は、前部21、後部22及びクロッチ部23から構成される。本実施形態において、前部21、後部22及びクロッチ部23がそれぞれ別の生地体からなり、各生地体を縫着してショーツ本体2を構成しているが、各部が1つの生地体から構成されていてもよい。
【0015】
前部21と後部22とは、互いの左右両端が縫着され、着用者のウェストの周囲を覆う。クロッチ部23の前端は前部21の下端と縫着される。またクロッチ部23の後端は後部22の下端と縫着される。クロッチ部23は着用者の股を覆う。
【0016】
図2は、クロッチ部23の内側を示す平面図である。
図3は、
図2中のI-I線における断面図である。
図4は、第2のクロッチ部3の展開図である。
【0017】
クロッチ部23は2重構造となっており、クロッチ部23の生地体の内側には第2のクロッチ部3が設けられている。
【0018】
本実施形態において、クロッチ部23の生地体は、表地23A及び裏地23Bの2層からなる。内側に配置される裏地23Bは防水性を有する。
【0019】
第2のクロッチ部3の前後の長さはクロッチ部23と同じであり、前端と後端の位置がクロッチ部23と一致する。一方、第2のクロッチ部3の左右の幅はクロッチ部23よりも短く、左端と右端がクロッチ部23より中央側に位置する。
【0020】
第2のクロッチ部3は、クロッチ部23の前端から後端へ架け渡されている。すなわち、第2のクロッチ部3の前端と後端はショーツ本体2に固定されるが、前端と後端以外はショーツ本体2から分離して浮いた状態にある。
【0021】
よって、第2のクロッチ部3の周囲にウィング付きの吸収性パッドCを巻き付けることが可能である。例えば、吸収性パッドCは、経血を吸収するナプキンや尿用の吸水パッドである。
【0022】
吸収性パッドCの装着時、吸収性パッドCの本体C1が第2クロッチ部3上に配置される。ウィングC2は第2のクロッチ部3の左端及び右端で折り返され、第2のクロッチ部3とクロッチ部23との間に挿入される。
【0023】
吸収性パッドCは接着面C3を有する。接着面C3が第2クロッチ部3と対面するように、吸収性パッドCは配置される。本体C1及びウィングC2の接着面C3が第2のクロッチ部3の表面に貼り付くことにより、ショーツ1に吸収性パッドCを固定することができる。
【0024】
第2のクロッチ部3は、多層構造を有する吸収性部材である。よって、吸収性パッドCを装着していない場合でも、第2のクロッチ部3によって経血又は尿等の着用者の身体から排出された液体を吸収することができる。ショーツ本体2とは別部材の第2のクロッチ部3が液体を吸収するため、ショーツ本体2の汚れ防止を図ることができる。
【0025】
吸収性パッドCの装着時も、位置ずれ等により吸収性パッドCから漏れた液体を第2のクロッチ部3により吸収でき、ショーツ本体2の汚れ防止を図ることができる。
【0026】
漏れを防ぐ観点から、第2のクロッチ部3の吸水量は、5ml以上が好ましく、10ml以上が好ましい。保水による不快感を減らす観点からは、同吸水量は、60ml以下が好ましく、50ml以下がより好ましい。
【0027】
第2のクロッチ部3において、内側から順に吸水層31及び防水層33が配置される。本実施形態において、吸水層31と防水層33の間には、保水層32がさらに配置されている。身体から排出された液体は吸水層31により吸収され、さらに保水層32に吸収される。吸収された液体は、保水層32からクロッチ部23側への移動が防水層33によって阻まれるため、保水層32中に保持される。
【0028】
吸水層31としては、吸水性を有する編地又は織地等の生地を用いることができる。肌触りの観点からは、スムース、天竺等の柔軟性及び伸縮性を有する生地が好ましい。吸水層31の素材としては特に限定されず、ポリエステル等の合繊繊維であってもよいし、綿等の天然繊維であってもよい。
【0029】
保水層32としては、吸水性及び保水性を有する不織布等を用いることができる。保水層32の素材としては、ポリエステル等の通常の繊維に比べて吸水速度が速く、吸水量も多い超吸水繊維を用いることが好ましい。不織布は、アクリル繊維やポリエステル繊維等の混合繊維から形成されてもよい。
【0030】
保水層32の厚さは、第2のクロッチ部3が目的とする吸水量等に応じて決定することができる。保水の観点からは、保水層32の厚さは、0.5mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましい。着用時の違和感を減らす観点からは、厚さは、10mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましく、4mm以下がさらに好ましい。
【0031】
防水層33は、蒸れを防ぐ観点から、防水性だけでなく透湿性を有することが好ましい。
【0032】
本実施形態の防水層33は、防水性及び透水性を有する樹脂フィルム331の内側に保水層32と同様の不織布332がラミネートされている。防水層33も吸水性及び保水性を有することにより、第2のクロッチ部3の吸水量を増やすことができる。
【0033】
第2のクロッチ部3において、防水層33よりも外側の最外層としてパッド保持層34がさらに配置される。最外層のパッド保持層34には、吸収性パッドCのウィングC2の接着面C3が貼り付けられる。
【0034】
パッド保持層34は、防水層33と比べて、吸収性パッドCの接着面C3との接着性が低く、吸収性パッドCを容易に取り外すことが可能である。このようなパッド保持層34としては、表面が平滑な織地を用いることができる。
【0035】
上述のように防水性の樹脂フィルム等が用いられる防水層33は、吸水性パッドCの接着面C3に使用される粘着剤との接着性が比較的高い。しかし、防水層33と吸収性パッドCとの間にパッド保持層34が介在することにより、小さい剥離力で接着面Cを剥がすことができ、吸収性パッドCの脱着が容易となる。
【0036】
上述した表面が平滑な織地は、ショーツ本体1又はクロッチ部23に用いられる伸縮性の生地と比べてもパッド保持層34の接着面C3との接着性が低く、接着面C3を剥がしやすい。そのため、剥がす力によってパッド保持層34の生地体のたるみ又は毛羽立ち等が生じにくい。
【0037】
第2のクロッチ部3の各層は、抗菌性又は制菌性を有することが好ましい。特に、肌に接する吸水層31及び液体を保持する保水層32が抗菌性又は制菌性を有することが好ましい。抗菌性又は制菌性は、抗菌剤又は制菌剤を各層の基材に加工することにより付与され得る。
【0038】
第2のクロッチ部3の各層は、撥水性の糸によって、第2のクロッチ部3の外周において縫着される。本実施形態のショーツ1は、第2のクロッチ部23の外周に配置された防水テープ51及び52を備える。第2のクロッチ部23の各層は、防水テープ51及び52とともに縫着され、ステッチ61及び62が設けられる。
【0039】
防水テープ51は、第2クロッチ部23の左端及び右端に配置される。防水テープ51は、第2クロッチ部23の左端及び右端を挟み、これらの端面を覆うように折り込まれる。ステッチ61は、折り込まれた防水テープ51を撥水性の糸によって第2クロッチ部23に縫着することにより形成される。
【0040】
防水テープ52は、第2のクロッチ部23の前端及び後端に配置される。防水テープ52は、第2のクロッチ23からさらに左右に延びて、ショーツ本体2のクロッチ部23の前端及び後端にも配置される。
【0041】
防水テープ52は、第2のクロッチ部23及びクロッチ部23の前端及び後端を挟み、これらの端面を覆うように折り込まれる。ステッチ62は、折り込まれた防水テープ52を撥水性の糸によって第2のクロッチ部23及びクロッチ部23に縫着することにより形成される。
【0042】
防水テープ51及び52により、第2のクロッチ部23及びクロッチ部23の端面からの液体の流出を抑えることができる。縫着には撥水性の糸が使用されるため、外周側に広がる液体を中央側へはじきやすく、外周側への液体の流出をより抑えやすい。
【0043】
防水テープ51及び52としては、例えば防水性の布地から作成されるバイアステープ等を用いることができる。
【0044】
吸水層31と保水層32とは、撥水性の糸によって、第2のクロッチ部3の外周よりも中央側において環状に縫着され、ステッチ63が設けられる。撥水性の糸によって外周側へ流出しようとする液体をはじいて、中央側へ戻しやすくなる。
【0045】
保水層32は、第2のクロッチ部3の全域よりも小さい領域を有し、第2のクロッチ部3の中央側に配置される。ステッチ63は、保水層32の外周に沿って吸水層31と保水層32とを撥水性の糸によって縫着することにより形成される。
【0046】
外周のステッチ61及び62と中央側のステッチ63とにより、厚さ方向に貫通する撥水性の糸の壁を2重に設けることができる。液体は第2のクロッチ部3の中央付近に付着し、各層に吸収されて外周側へと広がるが、この広がりを2重の壁によって段階的に遮ることができる。これにより外周側からの液体の漏れを効果的に抑えることができる。
【0047】
撥水性の糸としては特に限定されず、撥水性を有する樹脂により構成された糸や、撥水性の樹脂がコートされた糸等を用いることができる。各ステッチ61~63の撥水糸は、互いに同じ種類の糸であってもよいし、撥水性の程度が異なる糸であってもよい。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、ショーツ本体2のクロッチ部23の内側に第2のクロッチ部3が設けられる。第2のクロッチ部3は、多層構造の吸収性部材である。
【0049】
吸収性パッドCが装着されておらず、不意の排出時にも、第2のクロッチ部3によって経血や尿等の液体を十分に吸収することができる。よって、ショーツ1からの漏れを抑えて着衣を汚すことを回避することができる。
【0050】
また第2のクロッチ部3は、周囲に吸収性パッドCを装着可能であり、最外層にパッド保持層34を備える。パッド保持層34は、吸収性パッドCの接着面C3を剥がしやすいため、吸収性パッドCの取り付け及び取り外しが容易なショーツ1を提供することができる。
【0051】
吸収性パッドCの装着時にも、吸収性パッドCから漏れた液体は第2のクロッチ部3に保持され、ショーツ1全体には広がらない。よって、着衣及び身体が汚れず、快適に着用できるショーツ1を提供することができる。
【0052】
ポリマーではなく、編地や織地、不織布等の生地が用いられる第2のクロッチ部3は洗濯も可能であり、ショーツ1を繰り返し使用可能である。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【0054】
例えば、ステッチ63は保水層32の外周に沿って環状に設けられたが、この環状の領域の外部又は内部の領域において撥水性の糸により吸収層31等の各層が縫着され、さらに1又は複数のステッチが設けられてもよい。撥水性の糸により中央側から外周側への液体の流れを複数段階で遮ることができ、液体の漏れをより減らしやすい。
【0055】
上記ステッチの形状は特に限定されず、環状でもよいし線状でもよい。例えば、ステッチ63の内部の領域において前後に延びる2つの線状のステッチが中央部を挟むように設けられてもよい。
【0056】
また第2のクロッチ部3の多層構造は上記に限定されない。例えば、各層は複数設けられてもよい。保水層32は吸収性も有するため、内側から吸水層31、保水層32、吸水層31、保水層32、防水層33のような順番で配置されてもよい。
【0057】
第2のクロッチ部3は上述した各層以外の他の層を有してもよい。例えば、吸水層31と保水層32の間に、親水化剤により処理された不織布が後戻り防止層として設けられてもよい。このような不織布は、吸水層31から保水層32へ送液する速度が速く、保水層32から吸水層13への液体の後戻りを抑える。
【符号の説明】
【0058】
1・・・ショーツ、2・・・ショーツ本体、3・・・第2のクロッチ部、31・・・吸水層、32・・・保水層、33・・・防水層、34・・・パッド保持層、51,52・・・防水テープ