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特許7382386電気加熱発煙システムにおける発熱デバイスの温度を制御する方法及び電気加熱発煙システム
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  • 特許-電気加熱発煙システムにおける発熱デバイスの温度を制御する方法及び電気加熱発煙システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】電気加熱発煙システムにおける発熱デバイスの温度を制御する方法及び電気加熱発煙システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20231109BHJP
   G01K 3/02 20060101ALI20231109BHJP
   G05D 23/20 20060101ALI20231109BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20231109BHJP
   H05B 3/46 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
A24F40/57
G01K3/02 Z
G05D23/20 Z
H05B3/00 310C
H05B3/46
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021503081
(86)(22)【出願日】2018-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 CN2018096671
(87)【国際公開番号】W WO2020019123
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-01-21
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】519027992
【氏名又は名称】湖北中烟工業有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】China Tobacco Hubei Industrial Corporation Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲華▼臣
(72)【発明者】
【氏名】李 丹
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲義▼坤
(72)【発明者】
【氏名】胡 騰斐
(72)【発明者】
【氏名】▲薫▼ ▲愛▼君
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】竹下 和志
【審判官】槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-515093号公報
【文献】米国特許出願公開第2015/0359263号明細書
【文献】特表2015-524260号公報
【文献】国際公開第2018/019786号
【文献】特開2009-58501号公報
【文献】中国実用新案第205942474号明細書
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定電流源と、発熱デバイスに電力を供給するための電源と、電源に接続された発熱デバイスと、を備えた電気加熱発煙システムにおける発熱デバイスの温度を制御する方法であって、
電流源が一定電流I0を発熱デバイスに出力すること、および、
前記発熱デバイスの実際の温度を所定の温度に維持して制御することを含み、前記制御することは、
S1、発熱デバイスの両端の定電流I0に対応する電圧値U0を特定すること、
S2、前記発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0に基づき、発熱デバイスの実際の温度値Tを特定することであって、ここで前記発熱デバイスの実際の温度値を導出することは、発熱デバイスの実際の温度値と発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0との関数関係式により、発熱デバイスの実際の温度値を求める方式よって行われることを特徴とし、前記関数関係式がT=a*U0+bであり、ただし、Tが発熱デバイスの温度を示し、U0が定電流源に対応する電圧を示し、a、bが特定の発熱デバイスに関するパラメータを示すことを特徴とし、前記パラメータaが1/(c*I0)であり、パラメータbがR0/cであり、ただし、cが特定の発熱デバイスの抵抗温度係数であり、R0が特定の発熱デバイスの初期抵抗であることを特徴とすること、
S3、前記発熱デバイスの実際の温度値Tを所定の温度と比較すること、および、
S4、発熱デバイスに供給する電力を調整することで、発熱デバイスの実際の温度値Tを所定の温度に維持し、前記所定の温度値は、経時的に変化する温度曲線を有し、前記温度曲線は、発熱デバイスの温度を初期温度から最高温度まで上昇させる第1段階と、発熱デバイスの温度を最高温度から作動温度まで下降させる第2段階と、発熱デバイスの温度を作動温度に保持する第3段階と、の3段階を含み、第1段階では、発熱デバイスの温度が期間t1において初期温度から最高温度T1まで上昇し、t1が1秒~25秒の範囲にあり、最高温度T1が350℃~450℃の範囲にあり、第2段階では、発熱デバイスの温度が期間t2において最高温度から作動温度T0まで低下し、t2が1秒~25秒の範囲にあり、作動温度T0が280℃~380℃の範囲にあり、かつ、最高温度T1よりも低く、第3段階では、発熱デバイスの温度が期間t3において、電力供給が終了するまで、作動温度T0を保持しており、t3が120秒~600秒の範囲にあること、を含む方法。
【請求項2】
前記定電流I0の数値が50mA以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
発熱デバイスと、
一定電流I0を発熱デバイスに出力するための定電流源と、
発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0を特定して温度導出モジュールにフィードバックするための検出モジュールと、
発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0を受信するとともに、加熱素子の実際の温度値を導出し、前記実際の温度値を中央制御チップにフィードバックするための温度導出モジュールと、
一定電流を発熱デバイスに出力するように定電流源を制御するとともに、定電流源からフィードバックされた信号をリアルタイムに検出して制御する中央制御チップであって、温度導出モジュールから発熱デバイスの実際の温度値を受信するとともに、前記発熱デバイスの実際の温度値を所定の温度値と比較するために用いられ、さらに、電源コントローラを制御するために用いられる中央制御チップと、ここで前記温度導出モジュールには、発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0と発熱デバイスの実際の温度値との関数関係式が記憶されていることを特徴とし、前記関数関係式がT=a*U0+bであり、ただし、Tが発熱デバイスの温度を示し、U0が定電流源に対応する電圧を示し、a、bが特定の発熱デバイスに関するパラメータを示すことを特徴とし、前記パラメータaが1/(c*I0)であり、パラメータbがR0/cであり、ただし、cが特定の発熱デバイスの抵抗温度係数であり、R0が特定の発熱デバイスの初期抵抗であることを特徴とし、
発熱デバイスに供給する電力を調整することで、発熱デバイスの実際の温度値を所定の温度に維持するための電源コントローラと、を備え、前記所定の温度値は、経時的に変化する温度曲線を有し、前記温度曲線は、発熱デバイスの温度を初期温度から最高温度まで上昇させる第1段階と、発熱デバイスの温度を最高温度から作動温度まで下降させる第2段階と、発熱デバイスの温度を作動温度に保持する第3段階と、の3段階を含み、第1段階では、発熱デバイスの温度が期間t1において初期温度から最高温度T1まで上昇し、t1が1秒~25秒の範囲にあり、最高温度T1が350℃~450℃の範囲にあり、第2段階では、発熱デバイスの温度が期間t2において最高温度から作動温度T0まで低下し、t2が1秒~25秒の範囲にあり、作動温度T0が280℃~380℃の範囲にあり、かつ、最高温度T1よりも低く、第3段階では、発熱デバイスの温度が期間t3において、電力供給が終了するまで、作動温度T0を保持しており、t3が120秒~600秒の範囲にあることを特徴とする電気加熱発煙システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新型タバコの技術分野に関し、さらに具体的にいうと、電気加熱発煙システムにおける発熱デバイスの温度への制御に関する。
【背景技術】
【0002】
電気加熱発煙具の発熱デバイスは、器具全体にとっての重要な部品であり、加熱不燃の電気加熱発煙具の発熱デバイスの温度を制御することは、タバコ油の低減、低温巻きタバコが熱を受けた場合の有害物質の揮発の減少、電気加熱による発煙に対するユーザー体験の向上、発熱素子の洗浄、電気加熱発煙具の使用寿命の延長などの面では、重要な意義を持っている。
電気加熱発煙システムにおける発熱デバイスの温度制御方法として、 現在、主に、発熱デバイスの両端電圧値、発熱デバイスに入力された電流値又は発熱デバイスへの電力出力を直接に調整することで、発熱デバイスの温度をさらに制御する方法、発熱デバイスの抵抗率を検出し、抵抗率と温度との対応関係に応じて、発熱デバイスの温度をさらに制御する方法などがある。
発熱デバイスの両端電圧値、入力された電流値又は発熱デバイスへの電力出力を直接に制御する方式などによって発熱デバイスの温度を制御する方法では、発熱デバイスの温度及びその温度の変動率を正確に把握することができないため、特に、発熱デバイスが熱を受けた物体と接触すると、熱を受けた物体の比重、熱容量の大きさ、体積及び消費行為などの態様が発熱デバイスの温度に影響を与え、さらに予め設定された温度制御プログラムにも偏差をもたらすため、発熱デバイスの温度を正確に制御できなくなる。
発熱デバイスの抵抗率を検出し、抵抗率と温度との関係に応じて発熱デバイスの温度を制御する方法では、発熱デバイスの抵抗の安定性から大きく影響されるため、発熱デバイスの経年劣化により、抵抗率と温度との関係にばらつきが生じ、温度制御の歪みを招き、発熱デバイスの温度を正確に制御できなくなる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、上記不備を解消し、即ち、電気加熱発煙システムにおける発熱デバイスの温度を制御するための既存の方法では、発熱デバイスの温度を正確に制御できないという技術的課題を解決することを目的にしている。
第一の態様では、本発明は、電気加熱発煙システムにおける発熱デバイスの温度を制御する方法を提供する。前記電気加熱発煙システムは、定電流源と、発熱デバイスに電力を供給するための電源と、電源に接続された発熱デバイスと、を備えた。本発明に係る発熱デバイスを制御する方法では、所定の温度値を設定し、前記所定の温度値が変わらない一定のものであってもよく、経時的に変化するものであってもよいこと、定電流源が一定電流I0を発熱デバイスに出力すること、および、前記発熱デバイスの実際な温度を所定の温度に維持して制御することを含み、前記制御することは、
S1、発熱デバイスの両端の定電流I0に対応する電圧値U0を特定すること、
S2、前記発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0に基づき、発熱デバイスの実際な温度値Tを導出すること、
S3、前記発熱デバイスの実際な温度値Tを所定の温度と比較すること、および、
S4、発熱デバイスに供給する電力を調整することで、発熱デバイスの実際な温度値Tを所定の温度に維持すること、を含む。
好ましくは、前記定電流I0の数値が50mA以下である。
選択的に、発熱デバイスの実際な温度値を導出することは、発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0と発熱デバイスの実際な温度値との対応テーブルから、温度値を検索すること、又は、発熱デバイスの実際な温度値と発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0との関数関係式により、発熱デバイスの実際な温度値を求めることである。
好ましくは、発熱デバイスの実際な温度値と発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0との関数関係式はT=a*U0+bであり、ただし、Tが発熱デバイスの温度を示し、U0が定電流源に対応する電圧を示し、a、bが特定の発熱デバイスに関する定数を示す。さらに、パラメータaが1/(c*I0)であり、パラメータbがR0/cであり、ただし、パラメータcが特定の発熱デバイスの抵抗温度係数であり、R0が特定の発熱デバイスの初期抵抗である。
選択的に、所定の温度値は、変わらない一定のものに設定されてもよいし、経時的に変化するものに設定されてもよい。好ましくは、経時的に変化するとともに、経時的に変化する温度曲線に設定されている。
好ましくは、発熱デバイスの所定温度曲線は、発熱デバイスの温度を初期温度から最高温度まで上昇させる第1段階と、発熱デバイスの温度を最高温度から作動温度まで下降させる第2段階と、発熱デバイスの温度を作動温度に保持する第3段階と、の3段階を含む。
好ましくは、前記最高温度は、350℃~450℃の範囲にあり、前記作動温度は、280℃~380℃の範囲にある。
好ましくは、前記第1段階の持続時間が1秒~25秒の範囲にあり、前記第2段階の持続時間が1秒~25秒の範囲にあり、前記第3段階の持続時間が120秒~600秒の範囲にある。
好ましくは、電気加熱発煙システムにおける発熱デバイスの発熱期間内において当該制御方法及び制御ステップを絶えずに繰り返すことにより、発熱デバイスの実際な作動温度を所定の温度に維持して調整する。
好ましくは、本発明に係る制御ステップは、電力供給期間において約50Hz-9000Hzの周波数で実行される。
第二の態様では、本発明は、発熱デバイス、定電流源、検出モジュール、温度導出モジュール、中央制御チップ、および、電源コントローラを備えた電気加熱発煙システムを提供する。
本発明に係る発熱デバイスは、タバコ、タバコ油のような様々な形式の煙霧形成基質を加熱するために用いられる。選択的に、当該発熱デバイスは、任意の適宜な数や形式が用いられてもよい。例えば、発熱デバイスは、1つ以上であってもよく、適宜な形式として、針状、シート状、テーパ状が挙げられるが、それらに限られない。
本発明に係る定電流源は、一定電流を発熱デバイスに出力するために用いられる。
本発明に係る検出モジュールは、定電流の入力に基づき、発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0を特定して温度導出モジュールにフィードバックするために用いられる。
本発明に係る温度導出モジュールは、発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値を受信するとともに、加熱素子の実際な温度値を導出し、前記実際な温度値を中央制御チップにフィードバックするために用いられる。
選択的に、前記検出モジュール及び/又は温度導出モジュールは、中央制御チップとは別体に設けられてもよいし、全部または一部が中央制御チップに集積されてもよい。
選択的に、当該温度導出モジュールには、発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0と発熱デバイスの実際な温度値との対応テーブル、又は、発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0と発熱デバイスの実際な温度値との関数関係式が記憶されている。
好ましくは、発熱デバイスの実際な温度値と発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧値U0との関数関係式はT=a*U0+bであり、ただし、Tが発熱デバイスの温度を示し、U0が定電流源に対応する電圧を示し、a、bが特定の発熱デバイスに関する定数を示す。さらに、パラメータaが1/(c*I0)であり、パラメータbがR0/cであり、ただし、パラメータcが特定の発熱デバイスの抵抗温度係数であり、R0が特定の発熱デバイスの初期抵抗である。
本発明に係る中央制御チップは、一定電流を発熱デバイスに出力するように定電流源を制御するとともに、定電流源からフィードバックされた信号をリアルタイムに検出して制御するために用いられ、また、温度導出モジュールから発熱デバイスの実際な温度値を受信するとともに、前記発熱デバイスの実際な温度値を所定の温度値と比較するために用いられ、さらに、電源コントローラを制御するために用いられる。選択的に、当該中央制御チップは、当業界でよく見られる任意の適宜な形式が用いられてもよい。
当該中央制御チップには、所定の温度値が記憶されており、選択的に、所定の温度値は、変わらない一定のものに設定されてもよいし、経時的に変化するものに設定されてもよい。好ましくは、経時的に変化するとともに、経時的に変化する温度曲線に設定されている。さらに、中央制御チップには、温度曲線における各段階の持続時間及び関連した温度値が記憶されている。
好ましくは、前記温度曲線は、発熱デバイスの温度を初期温度から最高温度まで上昇させる第1段階と、発熱デバイスの温度を最高温度から作動温度まで下降させる第2段階と、発熱デバイスの温度を作動温度に保持する第3段階と、の3段階を含む。
好ましくは、前記最高温度は、350℃~450℃の範囲にあり、前記作動温度は、280℃~380℃の範囲にあり、前記第1段階の持続時間が1秒~25秒の範囲にあり、前記第2段階の持続時間が1秒~25秒の範囲にあり、前記第3段階の持続時間が120秒~600秒の範囲にある。
好ましくは、消費者による選択に利便性を図るために、中央制御チップには、複数の所定温度値が記憶されている。
本発明に係る電源コントローラは、発熱デバイスに供給する電力を調整することで、発熱デバイスの実際な温度値を所定の温度に維持するために用いられる。
本発明の第一の態様及び第二の態様によれば、発熱デバイスは、任意の適宜な抵抗の材料を含んでもよい。適宜な抵抗の材料は、金属セラミック発熱体、導電性セラミック、ニッケル含有合金、コバルト含有合金、クロム含有合金、アルミニウム含有合金、チタン含有合金、ジルコニウム含有合金、ハフニウム含有合金、ニオブ含有合金、 モリブデン含有合金、タンタル含有合金、タングステン含有合金、スズ含有合金、ガリウム含有合金、マンガン含有合金、鉄含有合金を含んでもよいが、それらに限らない。好ましくは、当該発熱デバイスに含まれた抵抗の材料は、タングステン、マンガン、添加剤を含み、前記添加剤が、モリブデン、ルテニウム、テルル、ゲルマニウムおよびバナジウムから選択される少なくとも 1つである。
以上により、本発明は、制御回路に一定電流源を追加することで、当該定電流源が一定電流を発熱デバイスに出力することができる。発熱デバイスの両端の定電流に対応する電圧を特定し、特定の発熱デバイスの実際な作動温度と上記電圧との対応関係に応じて、唯一の実際な作動温度値を取得し、さらに、所定の温度との比較状況に応じて、電源から供給される電力の大きさを調整することにより、最終的に発熱デバイスの実際な作動温度を所定の温度に維持して制御し調整する。本発明が新型タバコの技術分野に適用された場合、発熱デバイスの温度を所定の温度に従って正確に制御することができ、制御の精確度が大きく高まり、タバコによる有害物質の揮発を制御できるようになり、電気発熱発煙システムの利用者が安定的な喫煙心地や良好な吸い体験を取得することができ、電気発熱発煙システム製品の使用寿命を延ばすことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付図面は、本発明をさらに理解するために供するものであって、明細書の一部を構成するものであり、以下の具体的な実施の形態とともに、本発明を解釈するために用いられるが、本発明を制限するものではない。添付図面において、
図1図1は、本発明の実施例に係る発熱デバイスの温度を制御する方法の原理図である。
図2図2は、本発明の実施例に係る中央制御チップに記憶されている所定の温度値の温度変化曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1には、一実施例における発熱デバイスの温度を制御する方法の原理図、および、電気加熱発煙システムが示される。実施例では、電気加熱発煙システムは、中央制御チップ、定電流源、発熱デバイス、検出モジュール、温度導出モジュール、電源コントローラを備えた。そのうち、中央制御チップは、定電流源が一定電流I0を発熱デバイスに出力するように制御するとともに、定電流源からフィードバックされた信号をリアルタイムに検出して制御し、定電流源の作動の安定性を制御する。検出モジュールは、定電流源の入力に基づき、U0=I0*Rにより、発熱デバイスの両端の上記定電流I0に対応する電圧U0をリアルタイムに特定するとともに、電圧U0の値を温度導出モジュールにフィードバックし、温度導出モジュールは、T=a*U0+bという関数関係式により、当該時間での発熱デバイスの実際な温度値を計算する。ただし、Rが発熱デバイスのリアルタイムな抵抗を示し、Tが発熱デバイスの温度を示し、U0が定電流I0に対応する電圧を示し、a、bが特定の発熱デバイスに関する定数を示す。さらに、パラメータaが1/(c*I0)であり、パラメータbがR0/cであり、ただし、パラメータcが特定の発熱デバイスの抵抗温度係数であり、R0が特定の発熱デバイスの初期抵抗である。一実施例では、定電流I0が10mAに設定され、特定の発熱デバイスの抵抗温度係数が4000ppm/℃であり、初期抵抗が1Ωである。
温度導出モジュールは、発熱デバイスの実際な温度を中央制御チップにリアルタイムにフィードバックし、中央制御チップは、当該時間での発熱デバイスの実際な温度と内部に記憶されている当該時間での所定の温度とを比較し、前者が後者よりも高くなると、電源コントローラを制御することで、電源電力の出力を低下させて、発熱デバイスの温度を下降させるが、前者が後者よりも低くなると、電源コントローラを制御することで、電源電力の出力を増大させて、発熱デバイスの温度を上昇させる。上述した制御方法及び制御ステップを絶えずに繰り返すことにより、発熱デバイスの実際な作動温度を所定の温度に維持して制御する。
図2には、一実施例における中央制御チップに記憶された所定の温度値の温度変化曲線図が示される。第1段階では、発熱デバイスの温度が期間t1において初期温度から最高温度T1まで上昇し、t1が1秒~25秒の範囲にあり、最高温度T1が350℃~450℃の範囲にある。第2段階では、発熱デバイスの温度が期間t2において最高温度から作動温度T0まで低下し、t2が1秒~25秒の範囲にあり、作動温度T0が280℃~380℃の範囲にあり、かつ、最高温度T1よりも低い。第3段階では、発熱デバイスの温度が期間t3において、電力供給が終了するまで、作動温度T0を保持している。t3が120秒~600秒の範囲にある。
一実施例では、t1が17秒に設定され、最高温度T1が390℃に設定され、t2が3秒に設定され、作動温度T0が360℃に設定され、t3が250秒に設定される。
以上では、本発明の好適な実施の形態が記述されているが、しかし、本発明は、上記実施の形態における具体的な詳細内容によって限定されたものではない。本発明の技術的思想の範囲内において、本発明の技術案に対して種々の簡単な変形を与えることができ、これらの簡単な変形はいずれも、本発明の保護範囲に該当するものである。
図1
図2