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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】作動分配部を有する飲料マシン
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/36 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
A47J31/36 120
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021516491
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019076139
(87)【国際公開番号】W WO2020064984
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】18197101.1
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ベネス, ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】ハック, ゴットフリード
(72)【発明者】
【氏名】オルバート, フェリックス
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102010037189(DE,A1)
【文献】特表2010-535575(JP,A)
【文献】特表2018-526085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
料を飲料処理ライン(43’、61)に沿って調製し、前記飲料処理ライン(43’、61)から注出するためのマシン(1)であって、アクチュエータ(57)と、前記アクチュエータ(57)によって作動される作動伝達部(50、510、520、530)とを有する作動機構(5)を備え
前記作動伝達部(50、510、520、530)は、前記アクチュエータ(57)によって作動される作動分配器(50)と、第1の入力ポート(511)を有する第1の作動出力装置(510)と、第2の入力ポート(521)を有する第2の作動出力装置(520)と、
原材料を処理することができる原材料混合チャンバ(43)を形成するために、一緒になるように相対的に移動可能な、かつ前記原材料を混合チャンバ(43)に導入すること及び/又は前記混合チャンバ(43)から除去することを可能にするために、離れるように相対的に移動可能な、第1の部分(41)及び第2の部分(42)を有する原材料混合ユニット(40)と、を備え、
前記作動分配器(50)は、第1の出力ポート(50’)に接続された前記第1の入力ポート(511)を介して前記第1の作動出力装置(510)を動作させるための前記第1の出力ポート(50’)と、第2の出力ポート(50’’)に接続された前記第2の入力ポート(521)を介して前記第2の作動出力装置(520)を動作させるための前記第2の出力ポート(50’’)と、を有し、
前記第1の作動出力装置(510)及び前記第2の作動出力装置(520)は、前記第1の出力ポート(50’)及び前記第2の出力ポート(50’’)を介して同一ではない方式で変位するマシンにおいて、
前記原材料混合ユニット(40)の前記第1及び第2の部分(41、42)は、更なる作動伝達部(45)を介して更なるアクチュエータ(44)によって相対的に移動され、前記第1及び第2の部分(41、42)は、前記作動分配器(50)の作動とは別個に作動可能であることを特徴とするマシン(1)。
【請求項2】
前記作動分配器(50)は、前記アクチュエータ(57)が前記作動分配器(50)を駆動するときに、前記作動出力装置(510、520、530)のうちの少なくとも1つが、前記作動分配器(50)の対応する前記出力ポート(50’、50’’、50’’’)によって、駆動受動期間中に静止し、駆動能動期間中に変位するように構成されている、請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
少なくとも1つの出力ポート(50’、50’’、50’’’)及び対応する入力ポート(511、521、531)は、カムフォロア及びカム機構(50’、511;50’’、521;50’’’、531)として、又は歯車機構として、構成されている、請求項1又は2に記載のマシン。
【請求項4】
少なくとも1つの出力ポート(50’、50’’、50’’’)及び対応する入力ポート(511、521、531)は、カム(50’、50’’、50’’’)の移動方向(51)に沿って延びる受動部分(50a’、50a’’、50a’’’)と、前記カムの前記移動方向(51)から逸脱する方向に沿って延びる能動部分(50b’、50b’’、50b’’’)とを有する前記カム(50’、50’’、50’’’)を備えるカムフォロア及びカム機構を有する、請求項3に記載のマシン。
【請求項5】
少なくとも1つの出力ポート(50’’’)は、第1の端部(50c1)及び第2の端部(50c2)を有する能動部分(50b’’’)を有し、前記第1及び第2の端部(50c1、50c2)は、受動部分(50a’’’)の互いに離間した位置で前記受動部分(50a’’’)に連な、請求項4に記載のマシン。
【請求項6】
前記能動部分は、前記入力ポートが前記受動部分に沿って相対的に移動するときに、前記第1の端部において相対的に素通りされ、前記入力ポートは、前記第2の端部において前記能動部分に入り、又は、
前記能動部分(50b’’’)は、前記入力ポート(531)が前記受動部分(50a’’’)に沿って相対的に移動するときに、前記第2の端部(50c2)において素通りされ、前記入力ポート(531)は、前記第1の端部(50c1)において前記能動部分(50b’’’)に入る、請求項5に記載のマシン。
【請求項7】
前記能動部分(50b’’’)及び前記受動部分(50a’’’)は、前記入力ポート(531)を前記能動部分(50b’’’)及び前記受動部分(50a’’’)に相対的に導くために以下の構成:
前記能動部分(50b’’’)が、前記第1の端部(50c1)と前記第2の端部(50c2)との間に傾斜を形成している;
前記能動部分(50b’’’)が、前記第1及び/若しくは第2の端部(50c1、50c2)に、又は前記第1の端部と前記第2の端部との間に段を画定している;
前記受動部分(50a’’’)が、前記第1及び/若しくは第2の端部(50c1、50c2)に、又は前記第1の端部と前記第2の端部との間に段(50c3)を画定している;並びに
前記受動部分(50a’’’)が、前記第1の端部(50c1)と前記第2の端部(50c2)との間に傾斜を形成している、
のうちの1つ以上を有する、請求項5又は6に記載のマシン。
【請求項8】
少なくとも1つの入力ポート(531)は、対応する前記出力ポート(50’’’)に対して付勢され、請求項1~7のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項9】
前記作動分配器(50)は、分配器軸(50d)を中心に前記アクチュエータ(57)によって回転移動され、かつ/又は直線方向に沿って直線的に移動される、請求項1~8のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項10】
少なくとも1つの作動出力装置(510、520、530)は、直接又は間接的に、回転可能及び/又は並進可能な装置(10、15、20)に接続されており、前記作動分配器(50)によって動作されるときの対応する前記作動出力装置(510、520、530)の変位によって、前記回転可能及び/又は並進可能な装置(10、15、20)を、静止した主マシンハウジング(1’)及び/又は静止した主マシンフレーム(1’’)に対して相対的に変位させるようになっている、請求項1~9のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項11】
少なくとも1つの前記回転可能及び/又は並進可能な装置(10、15、20)は、
出領域(3)の上の飲料注出ヘッド(10)、
下止部(15)、及び
原材料(2)が前記飲料処理ライン(43’、61)に入り、かつ/又は前記飲料処理ライン(43’、61)に沿って移動することを選択的に可能にする及び防止するための飲料原材料バリア(20)、
から選択される、請求項10に記載のマシン。
【請求項12】
前記飲料処理ライン(43’、61)は、
体供給源に接続可能な液体入口通路(61)、
前記飲料処理ライン(43’、61)に沿って液体を駆動するための液体駆動装置(62)、
前記飲料処理ライン(43’、61)に沿って流通する液体を熱的に調整するための熱コンディショナ(63)、
前記又は1つの混合チャンバ(43)を有する前記又は1つの原材料混合ユニット(40)であって、前記混合チャンバ(43)内で、少なくとも2つの原材料が混合されて前記飲料を形成する、前記又は1つの原材料混合ユニット(40)、並びに
記飲料処理ライン(43’、61)から注出領域(3)に向かって前記飲料を注出するための飲料出口(43’)、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項13】
御ユニット(46、47、48、49)と、
出領域(3)を画定する、静止した主マシンハウジング(1’)及び/又は静止した主マシンフレーム(1’’)の外側面(1a)と
記飲料処理ライン(43’、61)からの廃棄物を収集するための廃棄物収集器(65)と、
を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、種々異なるマシン部分(例えば、調製される飲料の原材料のカプセルを使用するマシン)の作動部を備えた飲料調製マシンに関する。
【0002】
本明細書の目的に関して、「飲料」は、茶、コーヒー、温かい又は冷たいチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの、任意の人が飲食可能な液体物質を含むことを意図している。「カプセル」は、任意の材料、特に気密包装、例えば、プラスチック、アルミニウム、リサイクル可能及び/又は生分解性の包装、並びに原材料を収容する軟質ポッド又は硬質カートリッジを含む任意の形状及び構造の、密閉包装内の風味原材料などの任意の予めポーション化された飲料原材料を含むことを意図している。カプセルは、1人分の飲料又は複数人分の飲料を調製するための量の原材料を収容することができる。
【背景技術】
【0003】
ある種の飲料調製マシンはカプセルを使用しており、カプセルは、抽出若しくは溶解される原材料、及び/又はマシン内にて保管され自動的に投入されるか、若しくは飲み物の調製時に添加される原材料を収容している。いくつかの飲料マシンは充填手段を有し、充填手段は、通常は水である液体用のポンプを含み、ポンプは水の供給源から、冷水、又は例えばサーモブロック等の加熱手段により実際には加熱された液体を圧送する。
【0004】
特に、コーヒー調製の分野では、飲料原材料を収容したカプセルが淹出装置に挿入されるマシンが広く開発されてきた。淹出装置は、カプセルを保持し、水がカプセル内に注入され、飲料がカプセル内で生成され、淹出された飲料は、カプセルから排出されて、例えばカップ又はマグカップなどの受容器内に収集することができる。
【0005】
淹出装置は、使用に際し、「新しい」カプセルを容易に挿入し、及びこのカプセルを容易に取り除くことができるように開発されてきた。典型的には、淹出装置は、カプセルを挿入/除去するための構成から、カプセル内の原材料を淹出するための構成へと相対的に移動可能な2つの部分を備えている。
【0006】
淹出装置の可動部分の作動は手動であってもよく、これは、国際公開第2009/043630号、同第01/15581号、同第02/43541号、同第2010/015427号、同第2010/128109号、同第2011/144719号、及び同第2012/032019号に開示されている。様々なハンドル構造が、欧州特許第1867260号、国際公開第2005/004683号、同第2007/135136号、同第2008/138710号、同第2009/074550号、同第2009/074553号、同第2009/074555号、同第2009/074557号、同第2009/074559号、同第2010/037806号、同第2011/042400号、同第2011/042401号、及び同第2011/144720号に開示されている。そのような構成の飲料マシンへの組み込みは、国際公開第2009/074550号、同第2011/144719号、同第2016/083484号、同第2016/083485号、及び同第2016/083488号に開示されている。
【0007】
淹出装置の可動部分の作動は、電動であってもよい。そのようなシステムは、例えば、欧州特許第1767129号に開示されている。この場合、淹出装置を開ける又は閉じるためにユーザが手作業を行う必要はない。カプセル挿入のための代替的な構成は、国際公開第2012/093107号及び同第2013/127906号に開示されている。別の電動システムが、国際公開第2012/025258号、同第2012/025259号、及び同第2013/127476号に開示されている。
【0008】
淹出装置の一体化の別の例は、国際公開第2017/037212号に開示されている。
【0009】
システムはまた、例えば、国際公開第2014/056810号、同第2014/056821号、同第2014/056862号、同第2014/060370号、同第2014/096120号、同第2014/096121号、同第2015/022342号、同第2015/022344号、同第2015/022345号、同第2015/082662号、同第2015/082663号、同第2015/082664号、同第2015/086371号、同第2015/155144号、及び同第2015/155145号に開示されているように、異なるサイズのカプセルを処理するように構成されてもよい。
【0010】
ユーザがそのようなマシンと相互作用することを可能にするために、例えば、以下の参考文献に記載されているように、マシンに動作命令を提供する又はマシンからフィードバックを取得するための、様々なシステムが当該技術分野において開示されている:オーストリア特許第410377号、スイス特許第682798号、ドイツ特許第4429353号、ドイツ特許第20200419号、ドイツ特許第202006019039号、ドイツ特許第2007008590号、欧州特許第1448084号、欧州特許第1676509号、欧州特許第08155851.2号、フランス特許第2624844号、イギリス特許第2397510号、米国特許第4,377,049号、米国特許第4,458,735号、米国特許第4,554,419号、米国特許第4,767,632号、米国特許第4,954,697号、米国特許第5,312,020号、米国特許第5,335,705号、米国特許第5,372,061号、米国特許第5,375,508号、米国特許第5,645,230号、米国特許第5,685,435号、米国特許第5,731,981号、米国特許第5,836,236号、米国特許第5,959,869号、米国特許第6,182,555号、米国特許第6,354,341号、米国特許第6,759,072号、米国特許第2007/0157820号、国際公開第97/25634号、国際公開第99/50172号、国際公開第2004/030435号、国際公開第2004/030438号、国際公開第2006/063645号、国際公開第2006/090183号、国際公開第2007/003062号、国際公開第2007/003990号、国際公開第2008/104751号、国際公開第2008/138710号、国際公開第2008/138820号、国際公開第2010/003932号、国際公開第2011/144720号、及び国際公開第2012/032019号、及び国際公開第2017/037215号。
【0011】
上記の先行技術から明らかなように、飲料マシンは、異なる時点で作動させる必要がある異なるマシン部分に関与する、原材料管理機能、飲料処理機能、飲料注出機能、インターフェース機能を含む様々な機能を統合する。
【発明の概要】
【0012】
異なる時点での作動を必要とする飲料調製マシンの異なる機能の統合及び協調に対処することが、本発明の好ましい対象(objet)である。
【0013】
本発明は飲料を調製するマシンに関する。飲料調製マシンは、家庭内又は家庭外のマシンとすることができる。マシンは、コーヒー、茶、チョコレート、カカオ、ミルク、スープ、ベビーフードなどの調製用とすることができる。
【0014】
飲料の調製は、典型的には、複数の飲料原材料の混合、例えば水と乳粉末の混合、及び/又は、飲料原材料の浸出、例えば挽いたコーヒー若しくは茶の水による浸出など、を含む。そのような原材料の1つ以上は、固まっていない粉末形態及び/若しくは凝集粉末形態、並びに/又は液体形態、特に濃縮した形態で供給することができる。水などのキャリア又は希釈液を、そのような原材料と混合して飲料を形成することができる。
【0015】
典型的には、ユーザ要求に応じて1人分(例えば、1杯分)に相当する所定量の飲料が形成及び注出される。そのような1人分の量は、飲料の種類に応じて、25~200mLの範囲内、及び、例えば、カップを満たすための量である最大300又は400mLとすることができる。形成されて注出される飲料は、リステロット、エスプレッソ、ルンゴ、カプチーノ、ラテマキアート、カフェラテ、アメリカーノコーヒー、茶などから選択してもよい。特に、コーヒーマシンは、エスプレッソ、例えば、1人分当たり20~60mLの調節可能な量を注出するために、及び/又はルンゴ、例えば、1人分当たり70~150mLの範囲内の量を注出するために構成することができる。
【0016】
本発明のマシンは、飲料を飲料処理ラインに沿って調製し、そこから飲料を注出するように構成されている。
【0017】
飲料は、飲料の原材料を収容するカプセルから調製することができる。カプセルは、表題「技術分野」に上述した種類のものであってもよく、かつ/又はカプセルは、同表題に記載される原材料を含んでもよい。
【0018】
カプセルは、カプセル本体、例えば概ね直線状又はテーパ状の本体を備えることができる。カプセルは、カプセル本体の周縁部、例えば縁又は面から延びる、円形周縁環状フランジ、例えば可撓性又は剛性のフランジを有し得る。カプセルは、茶、コーヒー、ホットチョコレート、コールドチョコレート、ミルク、スープ又はベビーフードを調製するための風味原材料を収容することができる。
【0019】
マシンは、モータ(例えば、電動モータ)などのアクチュエータと、アクチュエータによって作動される作動伝達部とを有する作動機構を備える。
【0020】
作動伝達部は、アクチュエータによって作動される作動分配器と、第1の入力ポートを有する第1の作動出力装置と、第2の入力ポートを有する第2の作動出力装置とを備える。作動分配器は、第1の出力ポートに接続された第1の入力ポートを介して第1の作動出力装置を動作させるための第1の出力ポートと、第2の出力ポートに接続された第2の入力ポートを介して第2の作動出力装置を動作させるための第2の出力ポートと、を有し、それにより、第1の作動出力装置及び第2の作動出力装置は、第1の出力ポート及び第2の出力ポートを介して同一ではない方式で変位する。
【0021】
作動分配器は、第3の出力ポートに接続された第3の入力ポートを有する第3の作動出力装置を動作させるための第3の出力ポートを有してもよく、それにより、第3の作動出力装置は、第1の作動出力装置の変位と同一ではなく、かつ第2の作動出力装置の変位と同一ではない方式で、第3の入力ポートを介して変位する。
【0022】
したがって、単一のアクチュエータを使用して、異なる方式でかつ異なる時点で移動することができる、異なる作動出力装置を変位することができ、それによって、異なる作動出力装置によって駆動される異なるマシン部分を必要なときに適切な方式で変位するように動作させることができる。
【0023】
作動分配器は、アクチュエータが作動分配器を駆動するときに、作動出力装置のうちの少なくとも1つが、作動分配器の対応する出力ポートによって、駆動受動期間中に静止し、駆動能動期間中に変位するように構成されてもよい。
【0024】
第1の作動出力装置は、第1の駆動受動期間及び能動期間に関連付けることができ、第2の作動出力装置は、第2の駆動受動期間及び能動期間に関連付けることができ、存在する場合、第3の作動出力装置は、第3の駆動受動期間及び能動期間に関連付けることができる。そのような場合では、第1の駆動受動期間及び能動期間は、第2の駆動受動期間及び能動期間と同一でなくてもよく、存在する場合、第3の駆動受動期間及び能動期間は、第1の駆動受動期間及び能動期間と同一でなくてもよく、第2の駆動受動期間及び能動期間と同一でなくてもよい。
【0025】
少なくとも1つの出力ポート及び対応する入力ポートは、カムフォロア及びカム機構として、又は歯付き歯車などの歯車機構として構成されてもよい。そのような歯付き歯車機構は、対応する出力ポートと入力ポートとが伝達トラックの一部で(変位伝達部分を形成し、したがって、以下で論じられる能動部分に類似した能動部分を構成する)係合し、かつ伝達トラックの別の部分で(変位伝達部分の不在を形成し、したがって、以下で論じられる受動部分に類似した受動部分を呈する)係合解除するのための、部分歯付き伝達トラックを有する歯車を有してもよい。
【0026】
少なくとも1つの出力ポートは、カムを形成することができ、少なくとも1つの入力ポートは、カムフォロアを形成することができ、又はその逆も同様である。
【0027】
少なくとも1つの出力ポート及び対応する入力ポートは、カムの移動方向に沿って延びる受動部分と、カムの移動方向から逸脱する方向に沿って延びる能動部分とを有するカムを有するカムフォロア及びカム機構を有することができる。例えば、受動部分は、カムの曲線状の移動と同心上の方向に沿って延び、又は受動部分は、カムの直線的な移動と平行な方向に沿って延びる。
【0028】
したがって、出力ポートと入力ポートとの間の移動伝達は、能動部分に沿って引き起こされ、受動的部分に沿って回避されてもよい。
【0029】
少なくとも1つの出力ポートは、第1の端部及び第2の端部を有する能動部分を有してもよく、第1及び第2の端部は、受動部分の互いに離間した位置で受動部分に連なっている。例えば、能動部分及び受動部分は、入力ポートが、第1の端部において受動部分から能動部分に移らされ、第2の端部において、能動部分を素通りするために受動部分に留められるように構成されている。
【0030】
能動部分は、入力ポートが受動部分に沿って相対的に移動するときに、第1の端部において相対的に素通りされてもよく、入力ポートは、第2の端部において能動部分に入る。
【0031】
能動部分は、入力ポートが受動部分に沿って相対的に移動するときに、第2の端部において相対的に素通りされてもよく、入力ポートは、第1の端部において能動部分に入る。
【0032】
したがって、作動出力装置は、作動分配器が1つの方向に駆動されるときに、(例えば、前後に)移動させることができ、作動分配器が反対方向に駆動されるときに、適所に維持することができる。
【0033】
能動部分及び受動部分は、入力ポートを能動部分及び受動部分に相対的に導くために以下の構成のうちの1つ以上を有してもよい:
能動部分は、第1の端部と第2の端部との間に傾斜を形成している;
能動部分は、第1及び/若しくは第2の端部に、又は第1の端部と第2の端部との間に段を画定している;
受動部分は、第1及び/若しくは第2の端部に、又は第1の端部と第2の端部との間に段を画定している;
受動部分は、第1の端部と第2の端部との間に傾斜を形成している。
【0034】
少なくとも1つの入力ポートは、対応する出力ポートに対して付勢されてもよい。例えば、作動出力装置のうちの少なくとも1つは、接続部材を備え、接続部材は、例えば、入力ポートと接続部材との間のばね又は弾性部分によって、対応する出力ポートに対して付勢された対応する入力ポートに移動可能に接続されている。
【0035】
作動分配器は、分配器軸を中心にアクチュエータによって回転移動されてもよく、かつ/又は直線方向に沿って直線的に移動されてもよい。例えば、作動分配器は、最初に回転して、次いで直線方向に沿って、かつ任意選択的に最終的な曲線方向に沿って、移動させることができる。
【0036】
少なくとも1つの作動出力装置は、例えば、枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカム接続部などの固定接続部又は関節接続部を介して、直接又は間接的に、例えば、枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカムコネクタなどの出力コネクタを有する関節リンクによって間接的に、回転可能及び/又は並進可能な装置に接続されており、作動分配器によって動作されるときの対応する作動出力装置の変位によって、回転可能及び/又は並進可能な装置を、静止した主マシンハウジング及び/又は静止した主マシンフレームに対して相対的に変位するようにしてもよい。例えば、各作動出力装置は、対応する回転可能及び/又は並進可能な装置に直接又は間接的に接続されており、それぞれの回転可能及び/又は並進可能な装置は、作動分配器によって動作されるときの対応する作動出力装置の変位によって、静止した主マシンハウジング及び/又は静止した主マシンフレームに対して相対的に変位する。
【0037】
回転可能及び/又は並進可能な装置は、飲料注出ヘッドとすることができる。ヘッドは、注出領域の上に、例えば、枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカム接続部などの固定接続部又は関節接続部を介して、ヘッドの作動出力装置によって変位可能な飲料通路を画定することができる。そのような注出領域は、ユーザ容器(例えば、カップ又はマグ)を支持するための支持体によって画定されてもよい。飲料注出ヘッドは、飲料を注出するために、例えば、並進して、静止した主マシンハウジング及び/又は静止した主マシンフレームから外向きに変位可能であってもよく、静止するために静止した主マシンハウジング及び/又は静止した主マシンフレーム内に内向きに変位可能であってもよい。
【0038】
回転可能及び/又は並進可能な飲料注出ヘッドの例は、国際公開第2009/043630号、国際公開第2017/037212号、国際公開第2017/037215号、PCT/EP18/064138号、及びPCT/EP18/064141号に開示されている。
【0039】
回転可能及び/又は並進可能な装置は、1つ又は上記の注出領域に飲料処理ラインから飲料を案内するためのガイドを形成する滴下止部などの滴下止部であってもよい。この領域は、ユーザ容器(例えば、カップ又はマグ)を支持するための支持体によって画定されてもよい。液滴止部は、液体残渣を廃棄物収集器に案内するように配置することができる。滴下止部は、飲料を注出領域に注出するための位置とそのような飲料を注出領域に注出することを防止するための位置との間で、例えば、静止した主マシンハウジング及び/又は静止した主マシンフレームに対して並進及び回転して、例えば、枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカム接続部などの固定接続部若しくは関節接続部を介して、かつ/又は枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカムコネクタなどのコネクタを有する関節リンクを介して、その対応する作動出力装置によって変位可能であってもよい。
【0040】
滴下止部(例えば、ガイド)は、処理ラインの下流にあり、かつ液体を注出領域及び1つ又は上記の廃棄物収集器に選択的に導くように構成された入口又は受入領域を有してもよい。
【0041】
滴下止部は、液体を注出領域に導く注出位置と、液滴止部から廃棄物収集器に液体を導く収集位置との間で移動可能な出口縁部又は出口を有することができる。
【0042】
滴下止部は、飲料を液滴止部から注出領域に導くように構成された注出出口縁部又は出口を有することができる。液滴止部は、液体の注出領域への注出を防止するように、液滴止部入口若しくは受入領域からの残留液体を収集する又は収集領域に導くように構成された、収集器又は収集出口縁部若しくは出口などの収集機構を有することができる。
【0043】
滴下止部の例は、国際公開第2006/050769号、同第2012/072758号、同第2013/127907号、同第2016/050657号、同第2016/083488号、同第2018/069266号、及び欧州特許出願第2017208722.3号に開示されている。
【0044】
回転可能及び/又は並進可能な装置は、原材料が飲料処理ラインに入り、かつ/又は飲料処理ラインに沿って移動することを選択的に可能にする及び防止するための、ゲート又はドア又はハッチなどの飲料原材料バリアとすることができる。バリアは、飲料処理ラインの外側から、例えば、そのようなマシンの外側から、挿入通路を介した飲料処理ライン内への、例えば、原材料混合ユニット内への、例えばカプセル内に供給された、原材料の挿入を制御するように構成されてもよい。例えば、飲料原材料バリアは、原材料保持位置と原材料放出位置との間で、例えば、枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカム接続部などの固定接続部又は関節接続部を介して、その対応する作動出力装置によって変位可能な機械的原材料バリアである。
【0045】
カプセル内に供給される原材料など、原材料の好適なバリアの詳細は、国際公開第2012/126971号、同第2014/056641号、同第2014/056642号、及び同第2015/086371号に開示されている。
【0046】
マシンは、例えばカプセル内の、原材料を処理することができる、原材料混合チャンバを形成するために、一緒になるように相対的に移動可能な、かつ、例えばカプセル内の、そのような原材料を混合チャンバに導入すること及び/又は混合チャンバから除去することを可能にするために、離れるように相対的に移動可能な、第1の部分及び第2の部分を有する原材料混合ユニットを含むことができる。
【0047】
モータによって相対的に移動される第1及び第2の部分を有する好適な混合ユニットの例は、欧州特許第1767129号、国際公開第2012/025258号、国際公開第2012/025259号、国際公開第2013/127476号、国際公開第2014/056641号、国際公開第2014/096122号、国際公開第2014/096123号、国際公開第2015/155144号、及び国際公開第2015/155145号に開示されている。
【0048】
第1部分及び第2の部分の少なくとも一方の部分は、テーパ状の空洞、例えば円錐形若しくは角錐形の空洞、又は直線状の空洞、例えば円筒形若しくは台形の空洞など、例えばカプセル内に原材料を受容するための空洞を画定してもよい。かかる空洞は、上記長手方向の真っ直ぐな軸線と概ね同一直線上にある軸に沿って延びていてもよい。
【0049】
これらの第1及び第2の部分のうちの他方の部分は、抽出プレートを含むことができ、この抽出プレートは、カプセルの貫流面を開口するための穿刺要素を備えたプレート、又はカプセルの予め開口した貫流面若しくは自己開口した貫流面と協働するための非侵入型プレートなどである。
【0050】
自己開口カプセルは、例えば、スイス特許第605293号及び国際公開第03/059778号に開示されている。
【0051】
マシンのプレートの穿刺要素によるカプセルの開口は、例えば、欧州特許第512470号及び同第2068684号に開示されている。
【0052】
混合チャンバを有する好適な混合ユニットの例は、国際公開第2008/037642号及び同第2013/026843号に開示されている。
【0053】
風味付き飲料は、水などのキャリア液体を(液体駆動装置(例えば、ポンプ)を用いて)カプセル内に流通させることによって、例えば、混合モジュールの第1と第2の部分の相対的な移動方向に略平行であり得る抽出方向に、カプセルに保持された風味原材料に曝露することによって液体を風味付けするように調製することができる。
【0054】
密閉カプセルを使用する場合、第1及び第2の部分は、ブレード及び/又は引裂具などのカプセル開口器、例えば引裂形状を有するプレートを含むことができ、例えばNespresso(商標)マシンから知られているような、又は欧州特許第0512470号、同第2068684号、及び国際公開第2014/076041号、並びにこれらに引用されている参考文献に開示されているようなものである。
【0055】
マシンは、混合ユニットに原材料を供給するための移送チャネルを有してもよい。チャネルは、廃棄物収集器、例えば、取り外し可能な廃棄物収集器まで延びてもよい。
【0056】
第1及び第2の部分(及び任意で移送通路)と原材料カプセルとの間の相互作用は、国際公開第2005/004683号、同第2007/135135号、同第2007/135136号、同第2008/037642号、及び同第2013/026856号に開示されているタイプであってもよい。
【0057】
混合ユニットの第1及び第2の部分は、更なる作動伝達部(例えば、歯車若しくは平歯車、並びに/又はカムフォロア及びカム伝達部)を介して、モータ及び/又はユーザハンドルなどの更なるアクチュエータによって相対的に移動させることができる。第1及び第2の部分は、作動分配器の作動とは別個に作動可能であってもよい。この場合、第1及び第2の部分の作動は、既知のタイプであってもよい。
【0058】
飲料処理ラインは、供給タンク及び/又は外部液体供給ラインなどの液体供給源に接続可能な、水入口通路などの液体入口通路を含むことができる。
【0059】
飲料処理ラインは、飲料処理ラインに沿って液体を駆動するためのポンプ、例えば、ソレノイドポンプ又はダイヤフラムポンプなどの液体駆動装置を組み込むことができる。
【0060】
飲料処理ラインは、処理ラインに沿って流通する液体を熱的に調整するための、加熱器及び/又は冷却器などの熱コンディショナを含むことができる。例えば、コンディショナは、ボイラなどのバッチ式コンディショナ、又はサーモブロック若しくは瞬間加熱器などのフローコンディショナである。
【0061】
熱コンディショナは、ボイラ又はサーモブロック又はオンデマンドヒータ(ODH)、例えば欧州特許第1253844号、同第1380243号、及び同第1809151号に開示されている種類のODHであってもよい。
【0062】
ポンプの例及びそれらの飲料マシンへの組み込みは、国際公開第2009/150030号、同第2010/108700号、同第2011/107574号、及び同第2013/098173号に開示されている。
【0063】
飲料処理ラインは、1つ又は上記の混合チャンバを有する、1つ又は上記の原材料混合ユニットを組み込むことができ、混合チャンバ内で、少なくとも2つの原材料、例えば、水と、コーヒー、茶、コカ、ミルク、ベビーフード、及びスープ濃縮物のうちの少なくとも1つから選択される風味原材料となどの、キャリア液体と添加剤となどが、混合されて、飲料を形成する。
【0064】
飲料処理ラインは、飲料処理ラインから、1つ又は上記の注出領域に向かって飲料を注出するための飲料出口を含むことができる。領域は、ユーザ容器(例えば、カップ又はマグ)を支持するための支持体によって画定されてもよい。例えば、飲料は、1つ若しくは上記の滴下止部を介して、及び/又は1つ若しくは上記の飲料注出ヘッドの1つ若しくは上記の飲料通路を介して、注出される。
【0065】
マシンは、典型的には制御ユニットを含む。
【0066】
制御ユニットは、制御回路、例えば、1つ若しくは上記の液体駆動装置及び/又は1つ若しくは上記の熱コンディショナを制御するための制御回路を有することができる。制御回路は、マイクロコントローラ及び/又はマイクロプロセッサを含んでもよい。
【0067】
制御ユニットは、原材料カプセルセンサなどの原材料センサを備えることができる。
【0068】
好適なカプセルセンサの詳細は、国際公開第2012/123440号、同第2014/147128号、同第2015/173285号、同第2015/173289号、同第2015/173292号、同第2016/005352号、同第2016/005417号、PCT/EP18/065613号、欧州特許第3275345号、及び欧州特許第3275346号に開示されている。
【0069】
制御ユニットは、ユーザインターフェース(別の又は上記制御回路に接続されたユーザインターフェースなど)を組み込んでもよい。ユーザインターフェースは、例えば、国際公開第2010/037806号、同第2011/020779号、同第2016/083485号、同第2017/037215、及びPCT/EP18/064138号に開示されているような既知の種類のものであってもよい。
【0070】
制御ユニットは、飲料処理ラインから飲料が注出される別の又は上記領域内のユーザ容器(例えばカップ又はマグ)の存在を感知するためのセンサを有することができる。このような構成は、例えば、国際公開第2018/046400号に開示されている。
【0071】
マシンは、1つ又は上記の注出領域を画定する、1つ若しくは上記の静止した主マシンハウジング及び/又は静止した主マシンフレームの外側面を有することができる。領域は、ユーザ容器(例えば、カップ又はマグ)を支持するための支持体によって画定されてもよい。例えば、支持体は、静止した主マシンハウジング及び/若しくは静止した主マシンフレームに接続された支持装置であり、又はそのようなマシンの外部にあり、かつそのようなマシンが飲料を調製及び注出するために上に配置される支持装置によって形成される。典型的には、外部支持装置は、かかるマシンを配置するための概ね水平な表面を有しており、装置は、例えば、テーブル又は棚である。
【0072】
ユーザ容器支持体は、ドリップトレイ、例えば、支持体を支持するドリップトレイに関連付けられてもよく、かつ/又は、出口の下に異なる高さのユーザ容器の配置を可能にするために、出口の下で垂直に、かつ/若しくは出口の下から離れるようにハウジングに対して移動可能であってもよい。
【0073】
好適な容器支持体の例は、欧州特許第0549887号、同第1440639号、同第1731065号、同第1867260号、米国特許第5161455号、同第5353692号、国際公開第2009/074557号、同第2009/074559号、同第2009/135869号、同第2011/154492号、同第2012/007313号、及び同第2013/186339号、欧州特許出願公開第2014198710号、同第2014198712号、同第2014198715号に開示されている。
【0074】
マシンは、飲料処理ラインからの廃棄物を収集するための廃棄物収集器を有することができる。廃棄物受容器は、飲料処理時に1つ若しくは上記の混合チャンバから除去された使用済み原材料、例えば、使用済み原材料カプセル、並びに/又は1つ若しくは上記の混合チャンバから、及び/若しくは1つ若しくは上記の滴下止部を介して1つ若しくは上記の飲料出口からの液体残渣を収集するためにマシン内に構成されてもよい。
【0075】
本発明を実施するための好適な廃棄物収集器の例は、欧州特許第1867260号、国際公開第2009/074559号、国際公開第2009/135869号、国際公開第2010/128109号、国際公開第2011/086087号、国際公開第2011/086088号、国際公開第2017/118713号、国際公開第2017/148965号、及び欧州特許第2018156589号に開示されている。
【0076】
ここで、本発明を概略図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1】静止位置にある飲料注出ヘッドを有する、本発明によるマシンの上の斜視図形態である。
図2】飲料を注出領域を介してユーザ容器内に注出するための位置に飲料注出ヘッドがある構成の図1のマシンの側面図である。
図3図2に示すマシンの断面図である。
図4図1に示すマシンの断面図である。
図5図1~4のマシンの回転可能及び/又は並進可能な装置を作動させるように構成された、アクチュエータと、作動分配器と、複数の作動出力装置とを有する作動機構の側面図であり、アクチュエータ機構(アクチュエータ、作動分配器、及び複数の作動出力装置)は、図1~4に示されていない。
図6】異なる位置にある、同じ作動機構(そのアクチュエータなしに示される)並びに回転可能及び/又は並進可能な装置の斜視図である。
図7】異なる位置にある、同じ作動機構(そのアクチュエータなしに示される)並びに回転可能及び/又は並進可能な装置の斜視図である。
図8】異なる位置にある、同じ作動機構(そのアクチュエータなしに示される)並びに回転可能及び/又は並進可能な装置の斜視図である。
図9】異なる位置にある、同じ作動機構(そのアクチュエータなしに示される)並びに回転可能及び/又は並進可能な装置の斜視図である。
図10】飲料注出ヘッドを異なる位置に変位する、マシンの作動分配器及び作動出力装置の側面図である。
図11】飲料注出ヘッドを異なる位置に変位する、マシンの作動分配器及び作動出力装置の側面図である。
図12】飲料注出ヘッドを異なる位置に変位する、マシンの作動分配器及び作動出力装置の側面図である。
図13】飲料原材料バリアを異なる位置に変位する、マシンの作動分配器及び作動出力装置の側面図である。
図14】飲料原材料バリアを異なる位置に変位する、マシンの作動分配器及び作動出力装置の側面図である。
図15】飲料原材料バリアを異なる位置に変位する、マシンの作動分配器及び作動出力装置の側面図である。
図16】滴下止部を異なる位置に変位する、マシンの作動分配器及び作動出力装置の一部の側面図である。
図17】滴下止部を異なる位置に変位する、マシンの作動分配器及び作動出力装置の一部の側面図である。
図18】滴下止部を異なる位置に変位する、マシンの作動分配器及び作動出力装置の一部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
図1図18は、例えば、飲料の原材料を収容するカプセル2から調製される飲料を飲料処理ライン43’、61に沿って調製し、そこから飲料を注出するための飲料マシン1の例示的な実施形態を示す。図1図4を参照されたい。
【0079】
したがって、原材料は、例えば、ヘッダ「技術分野」に上述した種類の、原材料カプセル4の形態で供給されてもよい。
【0080】
マシン1は、モータ(例えば、電動モータ)などのアクチュエータ57と、アクチュエータ57によって作動される作動伝達部50、510、520、530と、を備える作動機構5を有する。図5図9を参照されたい。
【0081】
作動伝達部50、510、520、530は、アクチュエータ57によって作動される作動分配器50と、第1の入力ポート511を有する第1の作動出力装置510と、第2の入力ポート521を有する第2の作動出力装置520と、を備える。作動分配器50は、第1の出力ポート50’に接続された第1の入力ポート511を介して第1の作動出力装置510を動作させるための第1の出力ポート50’と、第2の出力ポート50’’に接続された第2の入力ポート521を介して第2の作動出力装置520を動作させるための第2の出力ポート50’’とを有する。第1の作動出力装置510及び第2の作動出力装置520は、第1及び第2の出力ポート50’、50’’を介して同一ではない方式で変位する。作動分配器50は、第3の作動出力ポート50’’’に接続された第3の入力ポート531を有する第3の作動出力装置530を動作させるための第3の出力ポート50’’’を有してもよく、それにより、第3の作動出力装置530が、第1の作動出力装置510の変位と同一ではなく、かつ第2の作動出力装置520の変位と同一ではない方式で、第3の入力ポート531を介して変位する。図5図18を参照されたい。
【0082】
作動分配器50は、アクチュエータ57が作動分配器50を駆動するときに、作動出力装置510、520、530のうちの少なくとも1つが、作動分配器50の対応する出力ポート50’、50’’、50’’’によって、駆動受動期間中に静止し、駆動能動期間中に変位するように構成されてもよい(図6図9)。
【0083】
第1の作動出力装置510は、第1の駆動受動期間(図10図11)及び第1の能動期間(図11図12)に関連付けることができる。第2の作動出力装置520は、第2の駆動受動期間(図13図14)及び第2の能動期間(図14図15)に関連付けることができる。存在する場合、第3の作動出力装置530は、第3の駆動受動期間(図18図16)及び第3の能動期間(図17に関する)に関連付けることができる。第1の駆動受動期間及び能動期間は、第2の駆動受動期間及び能動期間と同一でなくてもよく、存在する場合、第3の駆動受動期間及び能動期間は、第1の駆動受動期間及び能動期間と同一でなくてもよく、第2の駆動受動期間及び能動期間と同一でなくてもよい(図6図9)。
【0084】
少なくとも1つの出力ポート50’、50’’、50’’’及び対応する入力ポート511、521、531は、カムフォロア及びカム機構50’、511;50’’、521;50’’’、531として、又は歯付き歯車などの歯車機構、例えば、対応する出力ポートと入力ポートとが伝達トラックの一部で係合し、かつ伝達トラックの別の部分で係合解除するための、部分歯付き伝達トラックを有する歯車を備えた歯付き歯車機構として、構成されてもよい。例えば、少なくとも1つの出力ポート50’、50’’、50’’’は、カムを形成し、少なくとも1つの入力ポート511、521、531は、カムフォロアを形成する。図6図18を参照されたい。
【0085】
少なくとも1つの出力ポート50’、50’’、50’’’及び対応する入力ポート511、521、531は、カム50’、50’’、50’’’の曲線状の移動と同心上の方向に沿って延びる受動部分、又はカムの直線的な移動と平行な方向に沿って延びる受動部分などの、カム50’、50’’、50’’’の移動方向51に沿って延びる受動部分50a’、50a’’、50a’’’と、カムの移動方向51から逸脱する方向に沿って延びる能動部分50b’、50b’’、50b’’’とを有するカム50’、50’’、50’’’を備えるカムフォロア及びカム機構を有してもよい。図10図18を参照されたい。
【0086】
少なくとも1つの出力ポート50’’’は、第1の端部50c1及び第2の端部50c2を有する能動部分50b’’’を有してもよく、第1の端部50c1及び第2の端部50c2は、受動部分50a’’’の互いに離間した位置で受動部分50a’’’に連なっている。例えば、能動部分50b’’’及び受動部分50a’’’は、入力ポート531が、第1の端部50c1において受動部分50a’’’から能動部分50b’’’に移らされ、第2の端部50c2において、能動部分50b’’’を素通りするために受動部分50a’’’に留められるように構成されている。図16図18を参照されたい。
【0087】
能動部分は、入力ポートが受動部分に沿って相対的に移動するときに、第1の端部において相対的に素通りされてもよく、入力ポートは、第2の端部において能動部分に入る。
【0088】
能動部分50b’’’は、入力ポート531が受動部分50a’’’に沿って相対的に移動するときに、第2の端部50c2において素通りされてもよく、入力ポート531は、第1の端部50c1において能動部分50b’’’に入る。
【0089】
能動部分50b’’’及び受動部分50a’’’は、入力ポート531を能動部分50b’’’及び受動部分50a’’’に相対的に導くために以下の構成のうちの1つ以上を有してもよい:
能動部分50b’’’は、第1の端部50c1と第2の端部50c2との間に傾斜を形成している;
能動部分50b’’’は、第1及び/若しくは第2の端部50c1に、又は第1の端部と第2の端部との間に段を画定している;
受動部分50a’’’は、第1及び/若しくは第2の端部50c1、50c2に、又は第1の端部と第2の端部との間に段50c3を画定している;並びに
受動部分50a’’’は、第1の端部50c1と第2の端部50c2との間に傾斜を形成している。図16図18を参照されたい。
【0090】
少なくとも1つの入力ポート531は、対応する出力ポート50’’’に対して付勢されてもよい。例えば、作動出力装置530のうちの少なくとも1つは、接続部材533を、接続部材は、例えば、入力ポート531と接続部材533との間のばね532又は弾性部分によって、対応する出力ポート50’’’に対して付勢された対応する入力ポート531に移動可能に接続されている。図16図18を参照されたい。
【0091】
作動分配器50は、分配器軸50dを中心にアクチュエータ57によって回転移動されてもよく、かつ/又は直線方向に沿って直線的に移動されてもよい。図5を参照されたい。
【0092】
少なくとも1つの作動出力装置510、520、530は、例えば、枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカム接続部515、525、535などの固定接続部又は関節接続部を介して、直接又は間接的に、例えば、枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカムコネクタ535’などの出力コネクタ535’を有する関節リンク530aによって間接的に、回転可能及び/又は並進可能な装置10、15、20に接続されており、作動分配器50によって動作されるときの対応する作動出力装置510、520、530の変位によって、相対的に回転可能及び/又は並進可能な装置10、15、20を、静止した主マシンハウジング1’及び/又は静止した主マシンフレーム1’’に対して変位させるようにしてもよい。例えば、各作動出力装置510、520、530は、対応する回転可能及び/又は並進可能な装置10、15、20に直接又は間接的に接続され、それぞれの回転可能及び/又は並進可能な装置10、15、20は、作動分配器50によって動作されるときの対応する作動出力装置510、520、530の変位によって、静止した主マシンハウジング1’及び/又は静止した主マシンフレーム1’’に対して相対的に変位する。図5図9を参照されたい。
【0093】
少なくとも1つの回転可能及び/又は並進可能な装置10、15、20は、飲料注出ヘッド10とすることができる。そのようなヘッド10は、ユーザ容器4(例えば、カップ又はマグ)を支持するための支持体30、31によって画定された領域3などの注出領域3の上に、例えば、枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカム接続部515などの固定接続部又は関節接続部を介して、ヘッドの作動出力装置510によって変位可能な飲料通路11を画定することができる。図1図12を参照されたい。
【0094】
飲料注出ヘッド10は、飲料を注出するために、例えば、並進して、静止した主マシンハウジング1’及び/又は静止した主マシンフレーム1’’から外向きに変位可能であってもよい。飲料注出ヘッド10は、静止するために静止した主マシンハウジング1’及び/又は静止した主マシンフレーム1’’内に内向きに変位可能であってもよい。図1図4を参照されたい。
【0095】
少なくとも1つの回転可能及び/又は並進可能な装置10、15、20は、滴下止部15であってもよい。滴下止部15は、例えば、カップ又はマグなどのユーザ容器4を支持するための支持体30、31によって画定された領域などの1つ又は上述の注出領域3に飲料処理ライン43’、61から飲料を案内するため、及び液体残渣を廃棄物収集器65に案内するためのガイドを形成してもよい。例えば、滴下止部15は、飲料を注出領域3に注出するための位置とそのような飲料を注出領域3に注出することを防止するための位置との間で、例えば、静止した主マシンハウジング1’及び/又は静止した主マシンフレーム1’’に対して並進及び回転して、例えば、枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカム接続部535などの固定接続部若しくは関節接続部を介して、かつ/又は枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカムコネクタ535’などのコネクタ535’を有する関節リンク530aを介して、その作動出力装置530によって変位可能である。図3図9、及び図16図18を参照されたい。
【0096】
少なくとも1つの回転可能及び/又は並進可能な装置10、15、20は、原材料2が飲料処理ライン43’、61に入り、かつ/又は飲料処理ライン43’、61に沿って移動することを選択的に可能にする及び防止するための、ゲート又はドア又はハッチなどの飲料原材料バリア20とすることができる。バリア20は、飲料処理ライン43’、61の外側から、例えば、そのようなマシン1の外側から、挿入通路21を介した飲料処理ライン43’、61内への、例えば、原材料混合ユニット40内への、例えばカプセル2内に供給された、原材料の挿入を制御するように構成されてもよい。例えば、飲料原材料バリア20は、原材料保持位置と原材料放出位置との間で、例えば、枢動及び/若しくは並進、並びに/若しくはカム接続部525などの固定接続部又は関節接続部を介して、その作動出力装置520によって変位可能な機械的原材料バリア20である。図1図9、及び図13図15を参照されたい。
【0097】
マシン1は、例えばカプセル2内の、原材料を処理することができる、原材料混合チャンバ43を形成するために、一緒になるように相対的に移動可能な第1の部分41及び第2の部分42を有する原材料混合ユニット40を含むことができる。第1及び第2の部分41、42は、例えばカプセル2内に供給された、原材料の混合チャンバ43への導入及び/又は混合チャンバ43からの除去を可能にするために、離れるように相対的に移動可能であってもよい。図1図4を参照されたい。
【0098】
混合ユニット40の第1及び第2の部分41、42は、更なる作動伝達部45(例えば、歯車若しくは平歯車、並びに/又はカムフォロア及びカム伝達部)を介して、モータ及び/又はユーザハンドルなどの更なるアクチュエータ44によって相対的に移動させることができる。第1及び第2の部分41、42は、作動分配器50の作動とは別個に作動可能であってもよい。図3及び図4を参照されたい。
【0099】
飲料処理ライン43’、61は、供給タンク60及び/又は外部液体供給ラインなどの液体供給源に接続可能な、水入口通路などの液体入口通路61を含むことができる。
【0100】
飲料処理ライン43’、61は、飲料処理ライン43’、61に沿って液体を駆動するためのポンプ、例えば、ソレノイドポンプ又はダイヤフラムポンプなどの液体駆動装置62を有してもよい。
【0101】
飲料処理ライン43’、61は、処理ライン43’、61に沿って流通する液体を熱的に調整するための、加熱器及び/又は冷却器などの熱コンディショナ63を含むことができる。例えば、コンディショナ63は、ボイラなどのバッチ式コンディショナ、又はサーモブロック若しくは瞬間加熱器などのフローコンディショナである。
【0102】
飲料処理ライン43’、61は、1つ又は上述の混合チャンバ43を有する、1つ又は上述の原材料混合ユニット40を組み込むことができ、混合チャンバ43内で、少なくとも2つの原材料、例えば、水と、コーヒー、茶、コカ、ミルク、ベビーフード、及びスープ濃縮物のうちの少なくとも1つから選択される風味原材料となどの、キャリア液体と添加剤2とが、混合されて、飲料を形成する。
【0103】
飲料処理ライン43’、61は、飲料処理ライン43’、61から、1つ又は上述の注出領域3に向かって飲料を注出するための飲料出口43’を備えてもよい。領域3は、ユーザ容器4(例えば、カップ又はマグ)を支持するための支持体30、31によって画定されてもよい。飲料は、1つ若しくは上述の滴下止部15を介して、及び/又は1つ若しくは上述の飲料注出ヘッド10の1つ若しくは上述の飲料通路11を介して、飲料出口43’から領域3に注出されてもよい。
【0104】
マシン1は、典型的には、制御ユニット46、47、48、49を有する。制御ユニットは、制御回路46、例えば、1つ若しくは上述の液体駆動装置62及び/又は1つ若しくは上述の熱コンディショナ63を制御するための制御回路、原材料カプセルセンサなどの原材料センサ47、1つ又は上述の制御回路46に接続されたユーザインターフェース48などのユーザインターフェース48、飲料処理ライン43’、61から飲料が注出される1つ又は上述の領域3内のユーザ容器4(例えば、カップ又はマグ)の存在を感知するためのセンサ49、のうちの少なくとも1つを含むことができる。図3を参照されたい。
【0105】
マシン1は、1つ又は上述の注出領域3を画定する、1つ又は上述の静止した主マシンハウジング1’及び/又は静止した主マシンフレーム1’’の外側面1aを有することができる。領域は、ユーザ容器4(例えば、カップ又はマグ)を支持するための支持体30、31によって画定されてもよい。支持体は、静止した主マシンハウジング1’及び/若しくは静止した主マシンフレーム1’’に接続された支持装置30であってもよく、又はそのようなマシン1の外部にあり、かつそのようなマシン1が飲料を調製及び注出するために上に配置される支持装置31によって形成されてもよい。後者の支持体31は、そのようなマシン1を配置するための概ね水平な表面を有する外部支持装置31、例えば、テーブル又は棚とすることができる。図2を参照されたい。
【0106】
マシン1は、飲料処理ライン43’、61から廃棄物を収集するための廃棄物収集器65を有することができる。収集器65は、飲料処理時に1つ若しくは上述の混合チャンバ43から除去された使用済み原材料、例えば、使用済み原材料カプセル2、並びに/又は1つ若しくは上述の混合チャンバ43から、及び/若しくは1つ若しくは上述の滴下止部15を介して1つ若しくは上述の飲料出口43’からの液体残渣を収集するための廃棄物受容器として構成されてもよい。特に図3及び4を参照されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
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