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特許7382409イチョウの葉の乾燥エキスを含む摂取容易な錠剤の調製のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】イチョウの葉の乾燥エキスを含む摂取容易な錠剤の調製のための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/20 20060101AFI20231109BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 36/16 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20231109BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20231109BHJP
   A61K 127/00 20060101ALN20231109BHJP
【FI】
A61K9/20
A61K9/28
A61K31/192
A61K31/343
A61K31/353
A61K36/16
A61K47/04
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/38
A61K127:00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021539596
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2020050306
(87)【国際公開番号】W WO2020148125
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】19151878.6
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521297808
【氏名又は名称】ドクトル ビルマール シュバーベ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ローテ
【審査官】菊池 美香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/038145(WO,A1)
【文献】特表2011-506512(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1939355(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/20
A61K 9/28
A61K 31/192
A61K 31/343
A61K 31/353
A61K 36/16
A61K 47/04
A61K 47/12
A61K 47/14
A61K 47/32
A61K 47/36
A61K 47/38
A61K 127/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イチョウの葉の乾燥エキスの経口投与のための最大15分間の崩壊時間を有し、かつ100mgの含有イチョウエキスあたり150mgから300mgの間の総錠剤重量を有する速崩壊性錠剤の調製のための方法であって、
(a)前記イチョウエキスが100mgの含有イチョウエキスあたり6.94mgから27.78mgの結合剤、100mgの含有イチョウエキスあたり5.56mgから22.22mgの崩壊促進剤、100mgの含有イチョウエキスあたり1.11mgから4.44mgの流れ調整剤及び100mgの含有イチョウエキスあたり0.28mgから1.11mgの離型剤と混合され、そして続いて圧縮され、そして粉砕されて濃縮した顆粒を得る第一工程ステップ、並びに
(b)ステップ(a)において得た濃縮した顆粒が、さらに100mgの含有イチョウエキスあたり22.78mgから91.11mgの結合剤、100mgの含有イチョウエキスあたり11.11mgから44.44mgの崩壊促進剤、100mgの含有イチョウエキスあたり0.56mgから2.22mgの流れ調整剤及び100mgの含有イチョウエキスあたり1.67mgから6.67mgの離型剤と混合され、そして打錠され錠剤にされる第二工程ステップを含み、
ここで、ステップ(a)の賦形剤の総量が100mgの含有イチョウエキスあたり13.89mgから55.56mgであり、かつステップ(b)の賦形剤の総量が100mgの含有イチョウエキスあたり36.12mgから144.44mgであり;かつ
ここで、ステップ(a)及びステップ(b)の前記結合剤が微結晶性セルロースであり、ステップ(a)及びステップ(b)の前記崩壊促進剤がクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、又はデンプングリコール酸ナトリウムより独立して選択され、ステップ(a)及びステップ(b)の前記流れ調整剤が高分散シリカ又は沈殿シリカより独立して選択され、かつステップ(a)及びステップ(b)の前記離型剤がステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、グリセリルジベヘネート、ベヘン酸Ca、又はフマル酸より独立して選択される方法
【請求項2】
イチョウの葉の乾燥エキスの経口投与のための最大15分間の崩壊時間を有し、かつ100mgの含有イチョウエキスあたり160mgから200mgの間の前記錠剤の総重量を有する速崩壊性錠剤の調製のための請求項1に記載の方法であって、
(a)前記イチョウエキスが第一工程ステップにおいて100mgの含有イチョウエキスあたり8.33mgから13.89mgの結合剤、100mgの含有イチョウエキスあたり6.67mgから11.11mgの崩壊促進剤、100mgの含有イチョウエキスあたり1.33mgから2.22mgの流れ調整剤及び100mgの含有イチョウエキスあたり0.33mgから0.56mgの離型剤と混合され、そして続いて圧縮され、そして粉砕されて、濃縮した顆粒が得られ、かつ、
(b)第二工程ステップにおいて、ステップ(a)において得られた濃縮した顆粒がさらに100mgの含有イチョウエキスあたり27.33mgから45.56mgの結合剤、さらに100mgの含有イチョウエキスあたり13.33mgから22.22mgの崩壊促進剤、さらに100mgの含有イチョウエキスあたり0.67mgから1.11mgの流れ調整剤及びさらに100mgの含有イチョウエキスあたり2.00mgから3.33mgの離型剤と混合され、そして打錠され錠剤になり、
ここで、前記ステップ(a)の賦形剤の総量が100mgの含有イチョウエキスあたり16.67mgから27.78mgであり、かつ前記ステップ(b)の賦形剤の総量が100mgの含有イチョウエキスの43.33mgから72.22mgであり、かつ
ここで、ステップ(a)及びステップ(b)の前記結合剤が微結晶性セルロースであり、ステップ(a)及びステップ(b)の前記崩壊促進剤がクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、又はデンプングリコール酸ナトリウムより独立して選択され、ステップ(a)及びステップ(b)の前記流れ調整剤が高分散シリカ又は沈殿シリカより独立して選択され、かつステップ(a)及びステップ(b)の前記離型剤がステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、グリセリルジベヘネート、ベヘン酸Ca、又はフマル酸より独立して選択されることにおいて特徴づけられる方法。
【請求項3】
ステップ(a)及びステップ(b)における前記崩壊促進剤がクロスカルメロースナトリウムであり、ステップ(a)及びステップ(b)における前記流れ調整剤が沈殿シリカであり、かつステップ(a)及びステップ(b)における前記離型剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(a)の前記圧縮することがローラーコンパクターによって実施される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
イチョウエキスを除いたさらなる植物エキスのない又は述べられる前記賦形剤を除いたさらなる賦形剤が用いられない、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記錠剤の総質量が100mgの含有イチョウエキスあたり160mgから200mgの間であることにおいて特徴づけられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法
【請求項7】
前記錠剤の総質量が100mgの含有イチョウエキスあたり175mgであることにおいて特徴づけられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法
【請求項8】
80mgから360mgの前記イチョウの葉の乾燥エキスが含まれることにおいて特徴づけられる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法
【請求項9】
220から260mgの前記イチョウの葉の乾燥エキスが含まれることにおいて特徴づけられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法
【請求項10】
240mgの前記イチョウの葉の乾燥エキスが含まれることにおいて特徴づけられる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法
【請求項11】
前記イチョウの葉の乾燥エキスが22.0から27.0%のフラボン配糖体として計算されるフラボノイド、2.6から3.2%のビロバライド、2.8から3.4%のギンコライドA、B及びC並びに、最大5ppmのギンコール酸を含むことにおいて特徴づけられる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法
【請求項12】
乳糖が含まれないことにおいて特徴づけられる請求項に記載の方法
【請求項13】
イチョウエキスを除いた他の植物エキス又は他の有効成分が含まれず、かつ前記賦形剤を除いた他の賦形剤が含まれない、請求項に記載の方法
【請求項14】
前記錠剤が微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、沈殿シリカ及びステアリン酸マグネシウムを含むことにおいて特徴づけられる、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法
【請求項15】
前記錠剤がフィルムによって追加的にコートされ、かつ最大30分間の崩壊時間を有することを特徴づけられる、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イチョウの葉の乾燥エキスの経口投与のための最大15分間の崩壊時間を有し、かつ100mgの含有イチョウエキスあたり150mgから300mgの間の錠剤の総重量を有する速崩壊性錠剤の調製のための方法に関する。また、本発明の対象は、そのイチョウの葉の乾燥エキスを含んでいる速崩壊性錠剤を提供することであり、それらの小さい大きさのために、これまで使用されている錠剤よりも摂取しやすい。好ましい態様において、その錠剤は、乳糖を含まず、かつまたそれゆえ十分に耐用性がある。
【0002】
そのイチョウの葉のエキスは数十年間薬物として用いられている。現在、それらは様々な型の認知症及びそれらの症状及び脳及び末梢の循環障害、耳鳴り、及びめまいを治療するために用いられる。その有効性に関連される成分は、テルペンラクトン(ギンコライドA、B、C及びビロバライド)並びにフラボンの配糖体(ケルセチン、ケンフェロール及びイソラムネチン)である。Ph.Eur.,に従って、医薬的に用いられるイチョウ乾燥エキスは、22.0から27.0%のフラボン配糖体として計算されるフラボノイド、2.6から3.2%のビロバライド、2.8から3.4%のギンコライドA、B及びC並びに最大5ppmのギンコール酸を含む。欧州薬局方に従い、乾燥エキスは一般的に95重量%以上の乾燥残基に対応する5重量%以上の乾燥時のロスを有する。また、Tebonin(登録商標)に含まれるその特定のエキスEGb761(登録商標)は本明細書に適合する。これらの認知症疾患は主に高齢の人々に発症し、それらの人々は往々にして様々な異なる薬物を摂取しなければならず、年齢により唾液の産生が減るため困難な嚥下及びパーキンソン病のような、往々にしてある追加の神経疾患の存在に苦しむ。薬物摂取におけるこれらの問題は、薬物が摂取されないために、往々にして治療への減少したコンプライアンスに、結果として薬物を継続することの失敗に繋がる。
【0003】
欧州薬局方第9版2017(Ph.Eur.)の定義に従い、錠剤は一以上の有効成分の単回投与量を含んでいる固形の薬物調製物である。(コートされない)錠剤は、欧州薬局方の試験2.9.1.「崩壊時間」に従うべきであり、試験条件下で15分間以内に崩壊しなければならない。安定性を改善し、明瞭さを保証し、飲み込みやすさを改善するために、錠剤はたいてい有色のフィルムによってコートされる。そのフィルムがとても薄いポリマーコーティングである場合に、その錠剤はフィルムコーティング剤と呼ばれる。フィルムコーティング剤はPh.Eurに従い30分以内に崩壊しなければならない。
【0004】
また、正確な投与量のような、錠剤の利点は、不利、例えばそれらが固形の異物として噛まずに飲み込まれ、15分間以内に分解されそれらの効果を発揮する必要により相殺される。小さな錠剤の大きさ及び短い崩壊時間はそれゆえ重要な特性である。両方を達成することは、錠剤が規定した体積の粒子を圧縮することによって製造され、崩壊促進剤及び増量剤のような賦形剤のより高い重量パーセント並びに薬物のより低い重量パーセントを含むより大きな錠剤よりも、薬物のより高い重量パーセントを有する小さく、硬く打錠した錠剤は、含まれる物理特性によってより長い崩壊時間を必然的に有するので、問題になりうる。含有有効成分の量に関連して小さい錠剤サイズは、より多くの量の有効成分が含まれるのでより有利である。それゆえ最高の有効成分含量を有する商用のものである240mg錠剤の場合において特に関連性がある。240mgより多いイチョウエキスを有する錠剤の準備が将来において必要になると考えられ、コンパクトな錠剤のアベイラビリティはさらにより重要になるだろう。
【0005】
Red List(2017年オンライン版)において、35の異なる製品がイチョウの有効成分について見られうる。これらのうち、28は葉のエキスを含んでいる単一の製品であり、残りの7つはホメオパシーのルールに従い調製されるチンキ又は希釈剤を含むホメオパシー医薬品である。イチョウの葉エキス製品の剤形の間で、フィルム錠は25製品に主流であり、そしてまた液体(点眼剤)として3つの製品がある。そのフィルムコーティング錠は30、40、50、60、80、120又は240mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含む。このドイツ薬局方に挙げられ、現在までに知られている固形剤形「フィルムコーティング錠」におけるすべての製品は、製品の説明書から見られうるように、その組成物の一部としての成分であるラクトース又はラクトース一水和物を含む。
【0006】
以下の表1では、ドイツ国内で商用販売されている240mgのイチョウの葉の乾燥エキス製品、それらの大きさ及び重量を挙げている。対応のパッケージリーフレットに従い、全ての製品は乳糖を含む。述べられている錠剤の全ては30分以下の崩壊時間を有する速崩壊性のフィルムコーティング錠である。
【0007】
【表1】
【0008】
非コーティング錠の総重量における有効成分の重量フラクションは、ドイツ国内で商用販売されている錠剤について31.3から29.6%の間であり、又は100mgの含有イチョウエキスあたり320mgから338mgの錠剤質量に対応して、錠剤と含有有効成分との質量比(TM/WM)は3.20~3.38である。
【0009】
EP2072054A1では240mgのイチョウの葉の乾燥エキス及び800mgの錠剤内核の質量を有する(すなわち100mgの含有イチョウエキスあたり333mgの錠剤質量に対応するTM/WM=3.33を有する)錠剤を記載しており、その160mgは乳糖一水和物である(比較例1及びEP2072054A1、本発明に従う実施例3参照)。記載した錠剤は、速崩壊性錠剤である(EP2072054A1、本発明に従う実施例3「徐放剤形」及び請求項15)。
【0010】
乳糖はガラクトース及びグルコースからなる乳汁内で見られる二糖である。その無水物の形態において、乳糖は吸湿性であり;水性溶液から、一水和物としてより安定なα型に晶出する。乳糖は最も一般的に用いられる錠剤のための基本的な物質である(「Die Tabllette」;W.A.Ritschel,A.Bauer-Brandl;ECV Verlag Aulendorf,2002,p。74)。乳糖不耐症において、食物により摂取される乳糖は、消化酵素ラクターゼの消失した又は減少した産生の結果として、消化されない又は不完全に消化される。小腸において消化されない乳糖は、乳糖不耐症のヒトの大腸に到達し、そしてそこで腸内フローラにより栄養素として発酵される。その結果は主に鼓腸、腹圧、腹部のけいれん、悪心、嘔吐及び往々にして自然発症の下痢(spontaneous diarroea)である。
【0011】
(EP2701688B1として認められる)WO2012/146592A1では、240mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含んでいる徐放を有する錠剤及びその調製を記載している(比較例2を参照)。この錠剤は、乳糖を含まず、420mgの重量であり、ごくわずかな賦形剤を含み、57モル%(100mgの含有イチョウエキスあたり175mgの錠剤重量に対応するTM/WM=1.75)の有効成分を有し、そしてそれゆえとてもコンパクトである。しかしながら、欧州薬局方の定義に従い、この態様はその有効成分の変化した放出を有する錠剤、この場合においてリタード錠と呼ばれるものであり、その錠剤の崩壊は計画的に減速され、そしてその有効成分は6時間を超える期間にわたって制御した方式において放出される。
【0012】
(EP2701688B1として認められる)WO2012/146592A1に記載されているリタード錠は、本発明に従う速放性のコンパクトな乳糖を含まない錠剤及びEP2072054A1に記載されている速放性のより大きい乳糖を含む錠剤と比較して、その有効成分がよりゆっくりと体内に吸収され、効果が出るのが遅れるという欠点を有する。現在のところ、この錠剤の放出挙動が全ての他の製品から異なり、そしてそれゆえその有効性が高価な臨床試験においてまだ証明しなければならないので、ドイツではイチョウの葉エキスの有効成分を有するリタード錠は発売されていない。
【0013】
その特別な、リタード錠の有効成分の徐放は、型及び量に従う賦形剤の選択によって、すなわち少量の賦形剤を用いることによって、リタード錠として低膨化能を有する非水溶性のエチルセルロースを用いることによって、かつクロスカルメロースナトリウムのような崩壊促進剤を用いないことによって、もたらされる。
【0014】
DE 20 2014 005 450 U1では、アーティチョークの葉からの乾燥エキスを含んでいる乳糖のない医薬品を記載している。その態様は、ハードカプセル又は錠剤の形態における固形医薬品の剤形である。本書では乳糖のない医薬品の定性的な組成物の情報を提供しているが、本形態の適当な調製がどのようにもたされるか、及び調製した医薬品がどのようにより大きい又はより重い形態であるかについて情報を提供しない。
【0015】
課題は、イチョウの葉の乾燥エキスの経口投与のための最大15分間の崩壊時間を有し、かつ100mgの含有イチョウエキスあたり150mgから300mgの間の錠剤の総重量を有する速崩壊性錠剤の調製のための方法を提供することだった。また、課題は小さな大きさ、すなわち良好な飲み込みやすさを有する、イチョウの葉の乾燥エキスを有する速崩壊性錠剤を、好ましい態様において、乳糖なしに、すなわち良好な耐用性を有して提供することだった。
【0016】
イチョウの葉の乾燥エキスはとても細かく、茶色の粉末であり、開放系において保存される場合に、環境からとても早く水分を吸収し、互いにくっつきやすい。少なくとも90%の100μm未満の小さな粒子サイズ並びに迅速及び強力な水分吸収のために、普通の医薬的な賦形剤を有するこのエキスの混合物は乏しい流動性を有し、そして直接的な圧縮による錠剤の生産には不適当である。この理由のために、賦形剤はエキスの流動性を改善することを必要とされ、粉末混合物を圧縮することにより錠剤の生産を可能にする。流動性及び打錠性を改善する理想的な賦形剤は乳糖一水和物である。この理由のために、乳糖はイチョウの葉のエキスを含んでいるほとんど全ての高用量の製品に含まれる。
【0017】
驚くべきことに、現在、イチョウエキスの特定の表面領域を減らすことによって、その錠剤に含まれる少ない割合の賦形剤を加えること、そして打錠によってこの混合物を圧縮し、その後粉砕すること(工程(a);圧縮成形物(compactate)の質量が有効成分の質量の1.14から1.57倍である本文脈中の低い割合の賦形剤)によって、濃縮した顆粒(圧縮成形物(compactate))を産生することが可能になった。この圧縮した顆粒は、錠剤産生に必要とされる流動特性をもたらすための乳糖が必要とされないような良い流動性を有する(比較例1参照)。
【0018】
さらなる医薬的に通常の賦形剤、すなわち微結晶性セルロース(結合剤)、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン又はデンプングリコール酸ナトリウム(崩壊促進剤)、高分散シリカ又は沈殿シリカ(流れ調整剤)及びステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、グリセリルジベヘネート、ベヘン酸Ca、又はフマル酸(離型剤)を有するこの顆粒を混合することによって、錠剤は得られ(工程(b))、高い割合の有効成分及び低い割合の賦形剤にもかかわらず、それらはとても短い崩壊時間を有し(表2参照)、比較例1の表のそれらよりもさらに低い。
【0019】
それゆえ、本発明の対象は、イチョウの葉の乾燥エキスの経口投与のための最大15分間の崩壊時間を有し、かつ(240mgのイチョウエキスを含んでいる錠剤の場合において、360mgから720mgの間の総重量に対応する)100mgの含有イチョウエキスあたり150mgから300mgの間の錠剤の総重量を有する速崩壊性錠剤の調製のための方法を提供することであって、
(a)そのイチョウエキスが100mgの含有イチョウエキスあたり6.94mgから27.78mgの結合剤、100mgの含有イチョウエキスあたり5.56mgから22.22mgの崩壊促進剤、100mgの含有イチョウエキスについて1.11から4.44mgの流れ調整剤、100mgの含有イチョウエキスあたり0.28mgから1.11mgの離型剤と混合され、続いて圧縮され粉砕され、濃縮した顆粒を得る第一工程ステップ、及び
(b)ステップ(a)において入手した濃縮した顆粒が100mgの含有イチョウエキスあたり22.78mgから91.11mgの結合剤、さらに100mgの含有イチョウエキスあたり11.11mgから44.44mgの崩壊促進剤、さらに100mgの含有イチョウエキスあたり0.56mgから2.22mgの流れ調整剤、さらに100mgの含有イチョウエキスあたり1.67mgから6.67mgの離型剤と混合され、打錠され錠剤にされる第二工程ステップ、を含み、
ここで、ステップ(a)の賦形剤の総量は、100mgの含有イチョウエキスあたり13.89mgから55.56mgであり、ステップ(b)の賦形剤の総量は100mgの含有イチョウエキスあたり36.11mgから144.44mgであり、かつ、
ここで、ステップ(a)及びステップ(b)における結合剤は微結晶性セルロースであり、ステップ(a)及びステップ(b)の崩壊促進剤はクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン又はデンプングリコール酸ナトリウムより独立して選択され、ステップ(a)及びステップ(b)における流れ調整剤は高分散シリカ又は沈殿シリカより独立して選択され、かつステップ(a)及びステップ(b)の離型剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、グリセリルジベヘネート、ベヘン酸Ca、又はフマル酸から独立して選択される。
【0020】
好ましいものは、イチョウの葉の乾燥エキスの経口投与について最大15分間の崩壊時間を有し、かつ(240mgのイチョウエキスを含んでいる錠剤の場合において384mgから480mgの間の総重量に対応する)100mgの含有イチョウエキスあたり160mgから200mgの間の錠剤の総重量を有する速崩壊性錠剤を調製するための方法であって、
(a)イチョウエキスが100mgの含有イチョウエキスあたり8.83mgから13.89mgの結合剤、100mgの含有イチョウエキスあたり6.67mgから11.11mgの崩壊促進剤、100mgの含有イチョウエキスあたり1.33mgから2.22mgの流れ調整剤、及び100mgの含有イチョウエキスあたり0.33mgから0.56mgの離型剤と混合され、そして続いて圧縮され、そして粉砕され、濃縮した顆粒(圧縮成形物(compactate))を得る第一工程ステップ、及び
(b)ステップ(a)において得られた濃縮した顆粒がさらに100mgの含有イチョウエキスあたり27.33mgから45.56mgの結合剤、さらに100mgの含有イチョウエキスあたり13.33mgから22.22mgの崩壊促進剤、さらに100mgの含有イチョウエキスあたり0.67mgから1.11mgの流れ調整剤、さらに100mgの含有イチョウエキスあたり2.00mgから3.33mgの離型剤と混合され、そして打錠され錠剤にされる第二工程ステップを含み、
ここで、ステップ(a)における賦形剤の総量が100mgの含有イチョウエキスあたり16.67mgから27.78mgであり、かつ、ステップ(b)における賦形剤の総量が100mgの含有イチョウエキスあたり43.33mgから72.22mgであり、かつ、
ここで、ステップ(a)及びステップ(b)における結合剤が微結晶性セルロース、ステップ(a)及びステップ(b)における崩壊促進剤がクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン又はスターチグリコール酸ナトリウムより独立して選択され、ステップ(a)及びステップ(b)における流れ調整剤が高分散シリカ又は沈殿シリカから独立して選択され、かつステップ(a)及びステップ(b)において離型剤がステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、グリセリルジベヘネート、ベヘン酸Ca、又はフマル酸から独立して選択される。
【0021】
上記の方法の好ましい態様において、ステップ(a)及びステップ(b)における崩壊促進剤はカルメロースナトリウムであり、ステップ(a)及びステップ(b)における流れ調整剤は沈殿シリカであり、かつステップ(a)及びステップ(b)における離型剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0022】
上記の方法の別の好ましい態様において、ステップ(a)の圧縮することはローラーコンパクターによって実施される。
【0023】
上記の方法のさらに好ましい態様において、イチョウエキスを除いた植物エキス又は他の有効成分は用いられず、かつ述べられる賦形剤を除いた他の賦形剤は用いられない。
【0024】
上記の方法のステップ(a)の賦形剤は45重量%から55重量%の結合剤、36重量%から44重量%の崩壊促進剤、7重量%から9重量%の流れ調整剤、及び1.5重量%から2.5重量%の離型剤を含む。工程(b)における賦形剤の組成物は57重量%から69重量%、28重量%から34重量%の崩壊促進剤、1重量%から2重量%の流れ調整剤、及び4重量%から5重量%の離型剤である。
【0025】
本発明のさらなる対象は、イチョウの葉の乾燥エキスの経口投与のための最大15分間の崩壊時間を有し、かつ(240mgのイチョウエキスを含んでいる錠剤の場合において、360mgから720mgの間の総重量に対応する)100mgの含有イチョウエキスあたり150mgから300mgの間の錠剤の総重量を有し、上記の方法によって入手可能な、速崩壊性錠剤を提供することである。
【0026】
好ましい態様において、その錠剤は80から360mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含むことにおいて特徴づけられる。
【0027】
特に好ましい態様において、その錠剤は220mgから260mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含むことにおいて特徴づけられる。
【0028】
さらにより好ましい態様において、その錠剤は240mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含むことにおいて特徴づけられる。
【0029】
好ましくは、上記の錠剤は22.0から27.0%のフラボン配糖体として計算されるフラボノイドを含んでいるイチョウの葉の乾燥エキス、2.6から3.2%のビロバライド、2.8から3.4%のギンコライドA、B、及びC並びに最大5ppmのギンコール酸を含む。それらのパーセンテージは重量を意味する(重量%)。
【0030】
別の好ましい態様において、上記の錠剤は乳糖を含まない。
【0031】
さらに好ましい態様において、上記の錠剤はフィルムにより追加的にコートされ、かつ最大30分間の崩壊時間を有する。
【0032】
加えて、また、本発明の対象は、イチョウの葉の乾燥エキスの経口投与のための最大15分間の崩壊時間を有する速崩壊性錠剤を提供することであって、(240mgのイチョウエキスを含む錠剤の場合において、360mgから720mgの間の総重量に対応する)錠剤の総重量が100mgの含有イチョウエキスあたり150mgから300mgの間であることにおいて特徴づけられ、その錠剤が、イチョウエキスに加えて、結合剤としての微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン又はデンプングリコール酸ナトリウムより選択される崩壊促進剤、高分散シリカ又は沈殿シリカより選択される流れ調整剤、及びステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、グリセリルジベヘネート、ベヘン酸Ca、又はフマル酸から選択される離型剤を含んでいる。
【0033】
好ましくは、錠剤の総重量は、(240mgのイチョウエキスを含んでいる錠剤の場合において、384mgから480mgの間の総重量に対応する)100mgの含有イチョウエキスあたり160mgから200mgの間である。
【0034】
特に好ましくは、錠剤の総重量は、(240mgのイチョウエキスを含んでいる錠剤の場合において420mgの総重量に対応する)100mgの含有イチョウエキスあたり175mgである。
【0035】
別の好ましい態様において、錠剤は80から360mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含む。
【0036】
特に好ましくは、その錠剤は220から260mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含む。
【0037】
より好ましくは、その錠剤は240mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含む。
【0038】
好ましくは、上記の錠剤は、22.0から27.0%のフラボン配糖体として計算されるフラボノイド、2.6から3.2%のビロバライド、2.8から3.4%のギンコライドA、B及びC並びに最大5ppmのギンコール酸を含んでいるイチョウの葉の乾燥エキスを含む。そのパーセンテージは重量を意味する(重量%)。
【0039】
別の態様において、上記の錠剤は乳糖を含まない。
【0040】
さらに好ましい態様において、上記の錠剤はイチョウエキス以外の任意の植物エキス又は他の有効成分を含まず、かつ述べられた賦形剤以外の賦形剤を含まない。
【0041】
さらに、上記の錠剤は好ましくは賦形剤として微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、沈殿シリカ及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0042】
さらに好ましい態様において、上記の錠剤はフィルムによって追加的にコートされ、かつ最大30分間の崩壊時間を有する。
【0043】
上記の説明、実施例及び請求の範囲において与えられる量は、実施例2の組成物の比例換算によって、かつ100mgのイチョウエキスの参照によって得られ、小数点以下2桁に丸められている。合計におけるありうる不正確さをそれゆえ除外することができない。
【実施例
【0044】
本発明に従う実施例1:錠剤重量と有効成分の重量比を1.5で有する240mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含むコーティング無しのコンパクトな、乳糖を含まない錠剤
【0045】
【表2】
【0046】
実施例1に記載されるように本発明に従う錠剤の調製のために、480gのイチョウの葉エキスを33.34gの微結晶性セルロース、26.66gのクロスカルメロースナトリウム、5.34gの沈殿シリカ及び1.34gのステアリン酸マグネシウムと混合し、ローラーコンパクターによって加工し、濃縮した顆粒(圧縮成形物(compactate))を得る(工程(a))。1600錠を生産するために、それゆえ得られた437.34gの顆粒を、87.46gの微結晶性セルロース、42.67gのクロスカルメロースナトリウム、2.13gの沈殿シリカ及び6.40gのステアリン酸マグネシウムと混合し、そしてロータリー式錠剤機上で打錠しそれぞれ360mgの重量を有する錠剤を形成する(工程(b))。
【0047】
本発明に従う実施例2:錠剤重量と有効成分の重量比を1.75で有する240mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含むコーティング無しのコンパクトな、乳糖を含まない錠剤
【0048】
【表3】
【0049】
実施例2に従う本発明の100,000錠を生産するために、24.00kgのイチョウの葉エキスを2.50kgの微結晶性セルロース、2.00kgのクロスカルメロースナトリウム、0.40kgの沈殿シリカ及び0.10kgのステアリン酸マグネシウムと混合し、ローラーコンパクターによって加工し、濃縮した顆粒(圧縮成形物(compactate))を形成する(工程(a))。その顆粒を8.20kgの微結晶性セルロース、4.00kgのクロスカルメロースナトリウム、0.20kgの沈殿シリカ、及び0.60kgのステアリン酸マグネシウムと混合し、そしてロータリー式錠剤機上で打錠しそれぞれ420mgの重量を有する錠剤を形成する(工程(b))。
【0050】
本発明に従う実施例3:錠剤重量と有効成分の重量比を3.0で有する240mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含むコーティング無しのコンパクトな、乳糖を含まない錠剤
【0051】
【表4】
【0052】
実施例3におけるような本発明に従う錠剤を調製するために、480gのイチョウの葉エキスを133.34gの微結晶性セルロース、106.66gのクロスカルメロースナトリウム、21.34gの沈殿シリカ、及び5.34gのステアリン酸マグネシウムと混合し、ローラーコンパクターによって加工し、濃縮した顆粒(圧縮成形物(compactate))を得た(工程(a))。1600錠を生産するために、597.34gのそれゆえ得られた顆粒を349.66gの微結晶性セルロース、170.67gのクロスカルメロースナトリウム、8.53gの沈殿シリカ、及び25.60gのステアリン酸マグネシウムと混合し、そしてロータリー式錠剤機上で打錠しそれぞれ720mgの重量を有する錠剤を形成した(工程(b))。
【0053】
本発明に従う実施例4:240mgのイチョウの葉の乾燥エキスを含むコーティングを有するコンパクトな、乳糖を含まない錠剤
【0054】
本発明に従う実施例2の乳糖を含まない、コンパクトな錠剤を、その錠剤の崩壊、そしてそれゆえ有効成分の放出をほとんど遅らせない薄く着色したコーティングにより提供しうる(表2参照)。
【0055】
【表5】
【0056】
非発明の比較例:
【0057】
EP 2072054A1からの比較例1
【0058】
EP2072054A1では、160mgが乳糖一水和物である、800mgの重量を有する錠剤の好ましい態様におけるイチョウの葉のエキスの使用を記載する。本発明に従うEP 2072054A1の実施例3に従う錠剤の生産(段落[0033])について、そのエキスを以下の表において記載した賦形剤と混合し、さらなる工程ステップなく、直接的に打錠した。記載した錠剤は(EP2072054A1、本発明に従う請求項15及び実施例1の表)有効成分の迅速な放出を有する錠剤である。この態様は、本発明に従う錠剤よりも有意に大きく重く、そして乳糖一水和物を含む。
【0059】
【表6】
【0060】
EP2701688B1からの比較例2
【0061】
(EP2701688B1として認められる)WO2012/146592A1では240mgの徐放性のイチョウの葉の乾燥エキス及びその調製物を含んでいる錠剤を記載している。その錠剤を本発明に従うWO2012/146592A1の実施例1に記載されるように調製する。これに関して、その組成物は以下の表に示される。この錠剤は乳糖を含まず、ごくわずかの賦形剤を含み、そしてそれゆえとてもコンパクトである。しかしながら、欧州薬局方の定義に従い、この態様は、この場合においてリタード錠と称され、その錠剤の崩壊が計画的に遅延され、かつその有効成分が6時間より長い時間にわたり制御した方式において放出される、有効成分の修飾した放出を有する錠剤である(本発明に従う実施例1の表を参照)。
【0062】
【表7】
【0063】
崩壊時間と大きさとの比較
【0064】
欧州薬局方Ph.Eur.2.9.1の規定に従い、実施例1から4及び比較例1(より大きい、乳糖を有する速崩壊性錠剤を)及び比較例2(コンパクトなリタード錠)の表に従う本発明に従うコンパクトな錠剤の崩壊時間を決定した。
【0065】
【表8】
【0066】
本発明に従う錠剤は、含まれる有効成分の重量に関連して、高い有効成分含量又は低い錠剤重量に関わらず、15分間未満(コーティングなし、実施例1から3)又は30分間未満(コーティング有り、実施例4)の短い崩壊時間を有し、そしてそれゆえ、欧州薬局方の規格に従う。
【0067】
それによって、本発明に従い実施例1から4の錠剤は同じ有効成分含量を有する比較例1の錠剤よりも小さい。