(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】上肢機能評価装置と方法及び上肢リハビリトレーニングシステムと方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20231109BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
A61B5/11 230
A61H1/02 K
(21)【出願番号】P 2021550315
(86)(22)【出願日】2020-10-10
(86)【国際出願番号】 CN2020120143
(87)【国際公開番号】W WO2021243918
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】202010483531.6
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521380694
【氏名又は名称】深▲せん▼華鵲景医療科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Wisemen Medical Technologies Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room A306, The Third Branch Of Rapoo&Space Life Science Park, No. 22 Jinxiu East Road, Jinsha Community, Kengzi Street, Pingshan District Shenzhen City, Guangdong 518122, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呉 剣煌
(72)【発明者】
【氏名】孫 維
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-144830(JP,A)
【文献】特開2019-012965(JP,A)
【文献】特開2017-064120(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0114194(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109621324(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104666047(CN,A)
【文献】中国実用新案第208864738(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0105222(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1980378(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第109176512(CN,A)
【文献】特表2017-536566(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110711361(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109331453(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108814894(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06- 5/22
A63B 69/00-69/40
A61H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上肢リハビリトレーニングシステムであって、
上肢機能評価装置を含み、
前記上肢機能評価装置は、
ディスプレー、深さカメラ及び中央処理装置を含み、
前記深さカメラは、利用者の動作をキャプチャーするためのものであり、前記ディスプレーは、パイロット動作及び利用者の動作を表示するためのものであり、前記中央処理装置は、それぞれ、前記ディスプレー及び前記深さカメラに接続され、
前記深さカメラは、RGB撮影レンズ及び深さ撮影レンズを含み、前記RGB撮影レンズは、利用者の関節点の二次元座標を取得するためのものであり、前記深さ撮影レンズは、利用者の関節点の深さ座標を取得するためのものであり、
外骨格機械式アーム及び運動制御手段をさらに含み、
前記運動制御手段は、前記中央処理装置に接続されており、前記外骨格機械式アームの動作を制御するためのものであり、
前記利用者の動作は、利用者における健康側にあるアームの運動姿態を含み、前記深さカメラは、利用者における健康側にあるアームの運動姿態を即時にキャプチャーするためのものであり、
前記中央処理装置は、前記利用者における健康側にあるアームの運動姿態に基づいて、前記外骨格機械式アームの運動を制御し、前記外骨格機械式アームに位置する利用者における疾患側にあるアームが対応に運動するように連動する、ことを特徴とする上肢リハビリトレーニングシステム。
【請求項2】
前記運動制御手段は、それぞれ、外骨格機械式アームにおける上臂の外転/内転、上臂の上がり/下がり及び下臂の屈曲を実現するための三つの駆動手段を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の上肢リハビリトレーニングシステム。
【請求項3】
前記中央処理装置には、利用者が模倣し又は観察するための動作場面及び/又は利用者とインタラクションするためのインタラクション場面が複数記憶されており、
前記ディスプレーは、複数の動作場面及び/又はインタラクション場面を表示するためのものである、ことを特徴とする請求項1または2に記載の上肢リハビリトレーニングシステム。
【請求項4】
請求項1に記載の上肢
リハビリトレーニングシステムの使用方法であって、
ディスプレーにパイロット動作を表示するステップと、
利用者に、ディスプレーに要求されるパイロット動作に従って模倣を行わせるステップと、
深さカメラが利用者による動作をキャプチャーして、利用者の関節点の三次元座標を取得するステップと、
中央処理装置がパイロット動作及び利用者による模倣の動作に従って利用者が動作する完了の度合いを判断するステップと、を含む、ことを特徴とする上肢
リハビリトレーニングシステムの使用方法。
【請求項5】
前記中央処理装置は、前記利用者の動作する完了の度合いに従って、予め記憶されている異なる前記完了の度合いと対応する計画を呼び出して前記ディスプレーに表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の上肢
リハビリトレーニングシステムの使用方法。
【請求項6】
請求項1に記載の上肢
リハビリトレーニングシステムの使用方法であって、
ディスプレーがパイロット動作を表示するステップと、
深さカメラが利用者の動作をキャプチャーし、利用者の関節点の三次元座標を取得するステップと、
中央処理装置がパイロット動作及び利用者による模倣の動作に従って利用者が動作する完了の度合いを判断するステップと、を含むことを特徴とする上肢
リハビリトレーニングシステムの使用方法。
【請求項7】
前記中央処理装置は、前記利用者が動作する完了の度合いに従って、予め記憶されている、異なる完了の度合いと対応する計画を呼び出して前記ディスプレーに表示するステップ、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の上肢
リハビリトレーニングシステムの使用方法。
【請求項8】
上肢機能評価装置を含む上肢リハビリトレーニングシステムの使用方法であって、
前記上肢機能評価装置は、
ディスプレー、深さカメラ及び中央処理装置を含み、
前記深さカメラは、利用者の動作をキャプチャーするためのものであり、前記ディスプレーは、パイロット動作及び利用者の動作を表示するためのものであり、前記中央処理装置は、それぞれ、前記ディスプレー及び前記深さカメラに接続され、
前記深さカメラは、RGB撮影レンズ及び深さ撮影レンズを含み、前記RGB撮影レンズは、利用者の関節点の二次元座標を取得するためのものであり、前記深さ撮影レンズは、利用者の関節点の深さ座標を取得するためのものであり、
外骨格機械式アーム及び運動制御手段をさらに含み、
前記運動制御手段は、前記中央処理装置に接続されており、前記外骨格機械式アームの動作を制御するためのものであり、
深さカメラにより、利用者における健康側にあるアームの運動姿態をキャプチャーし、健康側にあるアームの座標データを取得するステップと、
座標データをフィルタ処理することにより、利用者の運動モデルを作成するステップと、
座標鏡映変換により、利用者における健康側にあるアームの運動座標を疾患側にあるアームの運動座標に転換するステップと、
運動学解析により、外骨格機械式アームにおける各関節の動作角度を算出するステップと、
機械式アームサーボ制御システムが実行することにより、利用者における疾患側にあるアームが健康側にあるアームのほうと対称な動作を行うように外骨格機械式アームが連動するように実現するステップと、を含むことを特徴とする上肢リハビリトレーニングシステムの使用方法。
【請求項9】
前記利用者における健康側にあるアームの運動姿態は、健康側にあるアームの肩関節、肘関節及び腕関節のうちのいずれかの一つ又は複数を具体的に含む、ことを特徴とする請求項8に記載の上肢リハビリトレーニングシステムの使用方法。
【請求項10】
前記外骨格機械式アームに従動補助使用モードが用いられる場合には、利用者に受けられる力の大きさ及び方向を即時に検測し、利用者に受けられる力の大きさが所定値を超えると、外骨格機械式アームが利用者に前記方向の助力をかけるように制御する、ことを特徴とする請求項9に記載の上肢リハビリトレーニングシステムの使用方法。
【請求項11】
前記外骨格機械式アームに自発トレーニング使用モードが用いられる場合には、利用者のアームが機械式アームを引くと前記外骨格機械式アームが運動するように駆動することができる、ことを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の上肢リハビリトレーニングシステムの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理療法による力学リハビリ用機器の技術分野に関し、特に、上肢機能評価装置とその使用方法及び上肢リハビリトレーニングシステムとその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、加齢化の現象が酷くなるにつれ、脳卒中の患者が多くなり、その大部分は、上肢機能の障害が伴う。従って、利用者の上肢機能の障害レベルを評定して上肢機能をリハビリにトレーニングする上肢リハビリトレーニングシステムが必要となる。現在、国際的には、上肢機能の障害を評価するための複数の標準が存在しているものの、利用者に対する医師らの一対一の評価に基づいて、口頭の指令及び動作への感知により、動作指令に対する利用者の実行結果及び筋肉力を検測して記録し、表に記入して評価することが一般的である。また、利用者の上肢障害の度合いについて基礎的な了解ができれば、診断用計画を定めることが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
故に、従来技術において、一対一で焦点を合わせる医師らの評価は、異なる時期に利用者の動作も異なることから、視知覚により判断及び記録を行うことが難しく、ある程度の誤差が存在し、客観性を欠如している。しかも、評価用時間が比較的長くかかり、医師らの時間が大量にかかることから、毎日診療を受ける利用者が限られてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、従来技術に存在している上記した技術的課題を解決するために、上肢機能評価装置と方法及び上肢リハビリトレーニングシステムと方法を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、上肢機能評価装置を提供している。前記上肢機能評価装置は、ディスプレー、深さカメラ及び中央処理装置を含み、前記深さカメラは、利用者の動作をキャプチャーするためのものであり、前記ディスプレーは、パイロット動作及び利用者の動作を表示するためのものであり、前記中央処理装置は、それぞれ前記ディスプレー及び前記深さカメラに接続される。
【0006】
さらに、前記深さカメラは、RGB撮影レンズ及び深さ撮影レンズを含み、前記RGB撮影レンズは、利用者の関節点の二次元座標を取得するためのものであり、前記深さ撮影レンズは、利用者の関節点の深さ座標を取得するためのものである。
【0007】
本発明は、本発明に係る上記に記載の上肢機能評価装置を含む、上肢リハビリトレーニングシステムをさらに提供する。
【0008】
さらに、前記上肢リハビリトレーニングシステムは、外骨格機械式アーム及び運動制御手段をさらに含み、前記運動制御手段は、前記中央処理装置に接続されており、前記外骨格機械式アームの動作を制御するためのものである。
【0009】
さらに、前記利用者の動作は、利用者における健康側にあるアームの運動姿態を含み、前記深さカメラは、利用者における健康側にあるアームの運動姿態を即時にキャプチャーするためのものであり、前記中央処理装置は、前記利用者における健康側にあるアームの運動姿態に基づいて、前記外骨格機械式アームの運動を制御し、前記外骨格機械式アームに位置する利用者における疾患側にあるアームが対応に運動するように連動する。
【0010】
さらに、前記運動制御手段、それぞれ、外骨格機械式アームにおける上臂の外転/内転、上臂の上がり/下がり及び下臂の屈曲を実現するための三つの駆動手段を制御する。
【0011】
さらに、前記機械式外骨格アームにおける前記肩関節及び前記肘関節は、取り囲み式ガイドレールとして構成される。
【0012】
さらに、前記中央処理装置には、利用者が模倣し又は観察するための動作場面及び/又は利用者とインタラクションするためのインタラクション場面が複数記憶されており、前記ディスプレーは、前記複数の動作場面及び/又はインタラクション場面を表示するためのものである。
【0013】
本発明は、上肢機能評価装置の使用方法をさらに提供する。前記方法はディスプレーにパイロット動作を表示するステップと、利用者に、ディスプレーに要求されるパイロット動作に従って模倣を行わせるステップと、深さカメラが利用者による動作をキャプチャーして、利用者の関節点の三次元座標を取得するステップと、中央処理装置がパイロット動作及び利用者による模倣の動作に従って利用者が動作する完了の度合いを判断するステップと、を含む。
【0014】
さらに、前記方法は、前記中央処理装置は、前記利用者の動作する完了の度合いに従って、予め記憶されている異なる前記完了の度合いと対応する計画を呼び出して前記ディスプレーに表示するステップをさらに含む。
【0015】
本発明は、上肢リハビリトレーニングシステムの使用方法をさらに提供する。前記方法は、深さカメラにより、利用者における健康側にあるアームの運動姿態をキャプチャーし、健康側にあるアームの座標データを得出するステップと、座標データをフィルタ処理することにより、利用者の運動モデルを作成するステップと、座標鏡映変換により、利用者における健康側にあるアームの運動座標を疾患側にあるアームの運動座標に転換するステップと、運動学解析により、外骨格機械式アームにおける各関節の動作角度を算出するステップと、機械式アームサーボ制御システムが実行することにより、利用者における疾患側にあるアームが健康側にあるアームのほうと対称な動作を行うように外骨格機械式アームが連動するように実現するステップと、を含む。
【0016】
さらに、前記利用者における健康側にあるアームの運動姿態は、健康側にあるアームの肩関節、肘関節及び腕関節のうちのいずれかの一つ又は複数を具体的に含む。
【0017】
さらに、前記外骨格機械式アームに従動補助使用モードが用いられる場合には、利用者に受けられる力の大きさ及び方向を即時に検測し、利用者に受けられる力の大きさが所定値を超えると、外骨格機械式アームが利用者に前記方向の助力をかけるように制御する。
【0018】
さらに、前記外骨格機械式アームに自発トレーニング使用モードが用いられる場合には、利用者のアームが機械式アームを引くと前記外骨格機械式アームが運動するように駆動することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、深さカメラにより利用者の動作を精確にキャプチャーすることにより、取得されるデータを一層に精確的かつ客観的にすると共に、記録や記憶を簡便にすることができる。中央処理装置は、動作の完了の度合いが評価表における要求を満たしているかどうかを判断することにより、利用者は、医師らから大幅に補助・協力を受けなくても自ら完了することも可能であり、臨床によく使われる評価表により評価報告の結果を取得することが可能である。その評価は、時間が短く、効率が高く、医師らの時間を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明における具体的な実施形態又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するためには、以下に、具体的な実施形態又は従来技術を説明する時に必要となる図面を簡略に紹介するが、明らかなことは、以下に説明する図面が本発明の幾つかの実施形態に過ぎず、当業者にとって、創造性を有する労働が無い限り、これらの図面に基づいて他の図面を取得することも可能である。
【0021】
【
図1】本発明の実施例が提供する上肢リハビリトレーニングシステムの構成の模式図であり、ただし、本発明の上肢機能評価装置が示されている。
【
図2】
図1の局所的拡大図であり、本発明に係る上肢リハビリトレーニングシステムが示されている。
【
図4】本発明の実施例に係る上肢機能評価装置の使用方法のフローチャートである。
【
図5】本発明の実施例に係る上肢リハビリトレーニングシステムの制御の原理図である。
【
図6】本発明の実施例に係る上肢リハビリトレーニングシステムの使用方法のフローチャートである。
【
図7】本発明の実施例に係る上肢リハビリトレーニングシステムに従動リハビリトレーニング使用モードが用いられる制御の原理図である。
【
図8】本発明の実施例に係る上肢リハビリトレーニングシステムに従動補助リハビリトレーニングトレーニング使用モードが用いられる制御の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しながら、本発明の技術的手段を明確に、かつ、完全に説明するが、明らかなことは、説明する実施例が本発明の実施例の全てでなく、その一部に過ぎない。創造性を有する労働が無い限り、当業者が本発明に係る実施例に基づいて取得するあらゆる他の実施例は、いずれも、本発明の保護しようとする範囲に含まれる。
【0023】
本発明への説明において、説明すべきことは、「センター」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの用語により指示される方位や位置関係が、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明してその説明を簡便に行うためのものに過ぎず、係る装置又は素子が必ず特定の方位を有し、また、特定の方位に従って構成され操作されることを指示したり示唆したりするわけではない。従って、本発明を限定すると理解されるべきではない。
【0024】
本発明への説明において、説明すべきことは、明確な規定や限定が無ければ、「取り付け」、「繋がり」や「接続」の表現を広義的に理解すべき、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能接続であってもよいし、一体接続されてもよく、又は、機械接続であってもよいし、電気接続であってもよいし、直接繋がりであってもよいし、中間媒体を介して間接繋がりであってもよいし、二つの素子の内部における連通であってもよい。当業者にとっては、具体的な場合によって、上記の用語が本発明に存在している具体的な意味を理解することが可能である。
【0025】
本発明への説明においては、外骨格機械式アームが機械式アームと略称されることがあるが、同じ意味を指していると当業者が理解すべきである。
【0026】
本発明の一局面によると、上肢機能評価装置を提供する。
図1に示すように、上肢機能評価装置は、ディスプレー10、深さカメラ11及び中央処理装置を含み、深さカメラ11は、利用者の動作をキャプチャーするためのものであり、ディスプレー10は、パイロット動作及び利用者の動作を表示するためのものであり、中央処理装置は、それぞれ、係るディスプレー10及び深さカメラ11に接続される。好ましくは、深さカメラ11は、利用者の関節の角度及び位置情報をキャプチャーするためのものである。
【0027】
図1に示すように、本実施例では、上肢機能評価装置ディスプレー10は、含まれるディスプレーホルダー12、ディスプレー10及び深さカメラ11が、それぞれ、ディスプレーホルダー12に取り付けられ、ディスプレーホルダー12は、底部にトロリーホイールが設けられている。
【0028】
ただし、深さカメラ11は、利用者における各関節のパラメーターを精確にキャプチャーし、関節の角度及び位置などの情報を測量し、利用者のアームが実行可能な範囲を識別して判定し、取得されるデータを一層に精確的かつ客観的にすると共に、記録及び記憶を簡便に行うことができる。中央処理装置は、動作の完了の度合いが評価表における要求を満たしているかどうかを判断することにより、利用者は、医師らから大幅に補助・協力を受けなくても自ら完了することが可能であり、臨床によく使われる評価表により評価報告の結果を取得することが可能である。その評価は、時間が短く、効率が高く、医師らの時間を大幅に削減することができる。
【0029】
本発明に係る上肢機能評価装置は、脳卒中などの病気による上肢機能の障害を評価して診断することに用いられる。まず、医師らに掛かる手間を省き、次に、上肢障害となる利用者に対してその上肢のリハビリレベルを一層に客観的かつ精確的に評価することができる。
【0030】
本実施例では、中央処理装置に、記憶モジュールが設けられている。記憶モジュールには、リハビリ用計画が複数設けられており、異なる評価結果は、異なるリハビリ用計画と対応すると共に複数のリハビリ用計画に一対一で対応してマッチングするように設置される。中央処理装置は、上記の評価結果に基づいて、リハビリ用計画を対応に呼び出し、表示スクリーンにより利用者及び/又は医師らへ表示するものである。本実施例は、焦点を合わせる評価報告を生成できることから、医師ら及び利用者が便宜に参照するようにして、評価の効率が高まる。
【0031】
本発明は、本発明に係る前記上肢機能評価装置を使用する方法をさらに提供する。
図4に示すように、当該方法は、ディスプレー10は、パイロット動作を表示して、利用者がディスプレー10に要求されるパイロット動作に従って模倣するステップと、深さカメラ11が利用者の動作をキャプチャーし、システムが利用者の関節点の三次元座標を取得するステップと、中央処理装置がパイロット動作及び利用者の動作に従って利用者が動作する完了の度合い(例えば、全てが完了であるか、一部が完了であるか、それとも、全く完了できない)を判断し、評価報告(臨床によく使われる評価表による評価報告の結果を取得できるもの)を形成してから、システム及び医師らが診断計画及び、焦点を合わせる運動処方を提供するステップと、を含む。
又は、当該方法は、ディスプレー10がパイロット動作を表示するステップと、深さカメラ11が利用者の動作をキャプチャーし、システムが利用者の関節点の三次元座標を取得するステップと、中央処理装置がパイロット動作及び利用者の動作に従って利用者が動作する完了の度合い(例えば、全てが完了であるか、一部が完了であるか、それとも、全く完了できない)を判断し、評価報告(臨床によく使われる評価表による評価報告の結果を取得できるもの)を形成してから、システム及び医師らが診断計画及び焦点を合わせる運動処方を提供するステップと、を含む。
【0032】
さらに、上記の使用方法は、中央処理装置は、前記利用者が動作する完了の度合いに従って、予め記憶されている異なる前記完了の度合いと対応する計画を呼び出して前記ディスプレーに表示するステップをさらに含む。
【0033】
さらに、深さカメラ11は、RGB撮影レンズ(redgreenblue撮影レンズ)及び深さ撮影レンズを含み、RGB撮影レンズは、利用者の関節点の二次元座標を取得するためのものであり、深さ撮影レンズは、利用者の関節点の深さ座標を取得するためのものである。
【0034】
好ましくは、本発明に、深さカメラ11が用いられることから、他の装置を着装しなくても、アームの3D姿態を便利で速くキャプチャーすることができる。
【0035】
具体的に、深さカメラ11により利用者の動作をキャプチャーし、システムが利用者の関節点の三次元座標を取得する。まず、ディープニューラルネットワークによる深層学習の方法を用いて、深さカメラ11のRGB撮影レンズがキャプチャーしたカラー画像に基づいて、利用者の関節点の二次元座標を取得してから、深さカメラ11の深さ撮影レンズがキャプチャーした深さ画像に基づいて、利用者の関節点の深さ座標を取得し、最後に、取得された利用者の関節点の二次元座標及び深さ座標を、利用者の関節点の三次元座標にマッチングする。ただし、ディープニューラルネットワークによる深層学習の方法は、自己遮蔽写真及び回転前後のものなど、動作が検測されにくい特殊的な写真をトレーニングセットとして追加し、ディープニューラルネットワークモデルをトレーニングするものである。自己遮蔽とは、深さカメラ11がキャプチャーした利用者におけるある関節点が、利用者自体の他の関節点に遮蔽されてしまい、例えば、深さカメラ11に直面すると共に前方へ伸びるアームが水平位置に位置すると、深さカメラ11、腕関節点及び肩関節点という三つの点により一本の直線を成すことにより、その後ろに位置する肩関節点が腕関節点により遮蔽され、関節点の座標への検測が正確にならないということを意味する。当該方法を用いる利点は、自己遮蔽などの原因により関節点座標への検測が正確にならないという問題を避けることができ、利用者の関節点の三次元座標を正確に検測することができる。
【0036】
次に、利用者が動作する完了の度合いを判断する。システムは、臨床によく使われる評価表を参照しながら評価を行い、評価表における動作の全てを量子化して自動的に評価する。本発明は、長・短期記憶人工ニューラルネットワーク(Long Short-Term Memory)による深層学習の方法を用いて、例えば全てが完了であるか、一部が完了であるか、それとも、全く完了できないという、動作の完了の度合いを判断する。ただし、モデルをトレーニングする時には、異なる動作シーケンスにおけるキーフレーム及びキーノード(key node)を人工でマークすることにより、標準動作を静的にマッチングするように実現し、次に、自動的にサンプリングしてより多くの隣接フレームを取得し、動的にマッチングを実現し、キーフレーム、キーノード及び隣接フレームを組み合わせてコーディングし、標準動作のテンプレートシーケンスのモデルを形成する。最後、最長共通部分列(Longest Common Subsequence)のアルゴリズムを用いて、利用者による動作が標準動作を満たしているかどうかを識別する。まず、利用者が現在している動作を即時に検測し、動作シーケンスを形成してから、標準動作のテンプレートシーケンスのモデルと対比して、最長共通部分列を算出することにより、利用者が現在している動作についてその不規範程度をフィードバックし、動作完了の度合いを判断して具体的に採点を行う。ただし、キーフレーム、キーノード、隣接フレーム及び現在の動作フレームには、利用者における各関節点の三次元座標が含まれている。評価すべき動作の全てが完了すると、評価報告を形成し、システム及び医師らから、診断計画及び焦点を合わせる運動処方を提供する。
【0037】
また、利用者は、焦点を合わせるように上肢をリハビリにトレーニングする場合には、医師らにより、利用者のアームを割ってリハビリにトレーニングを行うように繰り返し、まず、利用者の肌力の機能を段々に改善させ、次に、ある程度までリハビリすると、幾つかの簡単な補助手段を持ってトレーニングを強化させることが初期の治療計画である。医師らが数多くの手間をかかるが、中国の患者らが多く、医師らの配分が非常に不足していることから、利用者にトレーニングを十分に行わせることが難しい。
【0038】
そして、本発明が上肢リハビリトレーニングシステムを提供する。
図1乃至
図3に示すように、当該上肢リハビリトレーニングシステムは、本発明に係る上記の上肢機能評価装置を含み、上肢リハビリロボットをさらに含み、上肢リハビリロボットは、外骨格機械式アーム及び運動制御手段を含み、運動制御手段は、中央処理装置に接続され、外骨格機械式アームの動作を制御するためのものである。
【0039】
具体的に、外骨格機械式アームは、肩関節及び肘関節を含み、肩関節は、肩関節第一関節、肩関節第二関節及び肩関節第三従動関節を含み、肘関節は、肘関節第一関節及び肘関節第二従動関節を含む。運動制御手段は、外骨格機械式アームにおける上臂の外転/内転、上臂の上がり/下がり及び下臂の屈曲を実現するための三つの駆動手段を制御する。具体的に、三つの駆動手段は、肩関節第一関節に対応する第一駆動手段71、肩関節第二関節に対応する第二駆動手段72及び肘関節に対応する第三駆動手段73を含み、第二駆動手段71、第二駆動手段72及び第三駆動手段73は、それぞれ、上臂の外転/内転、上臂の上がり/下がり及び下臂の屈曲を実現するためのものである。肘関節は、肘関節第一関節73及び肘関節第二従動関節9を含み、肘関節第一関節73は、下臂の屈曲を実現するためのものである。好ましくは、外骨格機械式アームの肩関節は、その三番目の自由度(下臂の屈曲を実現可能であるもの)が従動式に制御される。
【0040】
本実施例が提供する上肢リハビリトレーニングシステムは、外骨格機械式アームを採用しており、使用の際に、アームを外骨格機械式アームに置くと、運動の範囲が大きく、各関節の動作を実現でき、関節に対してトレーニング及びリハビリを効果的に行うことができる。本実施例では、その外骨格機械式アームが三つの主な関節に対してリハビリの動作を行うものであり、コストが低く、設計が容易で、安全上の係数が高い。また、本実施例は、運動制御手段により、機械式アームを制御して利用者の上肢の運動を連動することにより、利用者の肌力を早期回復するようにトレーニングを行うという問題を解決して、初期に比較的酷い利用者に対してトレーニングを行う役割を果たす。医師らに掛かる手間を削減してリハビリトレーニングの効率を高めることができる。
【0041】
図3に示すように、第一駆動手段71、第二駆動手段72及び第三駆動手段73は、それらの中央軸が直交し、2つずつ垂直する。各駆動手段は、それぞれ、サーボモータ、減速機、エンコーダー、駆動手段及びブレーキなどを含み、一体化する駆動手段に該当する。具体的に、駆動には、サーボモータ、高調波減速機、インクリメンタルエンコーダー、アブソリュートエンコーダー、駆動制御手段、ブレーキ、トルクセンサーを含む中空式・一体化の駆動関節が採用されており、その機能が完全的であり、空間がコンパクトであり、配線を設置することが簡便である。
【0042】
好ましくは、外骨格機械式アームにおける肩関節第三従動関節8及び肘関節第二従動関節9は、取り囲み式ガイドレールとして構成される。外骨格機械式アームは、左右の手のほうを交換することを実現でき、また、外骨格機械式アームを交換する際において、急速で位置決め、切り替え及び固定を実現でき、プランジャー20を外すということだけで、切り替えてから自動的に位置決めて固定を行うことができる。
【0043】
図3に示すように、外骨格機械式アームは、上臂引きリンク15及び下臂引きリンク16をさらに含み、上臂引きリンク15及び下臂引きリンク16は、手動又は電気により長さを調節することにより、異なる長さであるアームの利用者に適用されてもよい。利用者における肩関節と肘関節、並びに、それぞれ外骨格機械式アームにおける肩関節と肘関節とは、それらの位置が対応している。本実施例では、手動調節機構により、肩関節第三従動関節8、肘関節第二従動関節9及び減衰式腕関節17の間隔距離を調節する。
【0044】
好ましくは、
図3に示すように、利用者の上臂及び下臂を縛るように、上臂引きリンク15に上臂ゲートル101が設置されており、下臂引きリンク16に下臂ゲートル102が設置されている。
【0045】
図1及び
図2に示すように、本実施例では、上肢リハビリロボットは、機器主体2と椅子をさらに含み、利用者が評価とトレーニングを行う時に、椅子に座ってもよいようにする。外骨格機械式アームは、機器主体2に固定され、機器主体2に医療用キャスター1、非常スイッチ3、プッシュハンドル4、垂直昇降モジュール5及び水平移動モジュール6が設けられている。垂直昇降モジュール5、水平移動モジュール6は、それぞれ、外骨格機械式アームによる昇降や平行移動などの運動を駆動するためのものである。
【0046】
図3に示すように、本実施例に係る外骨格機械式アームは、利用者の腕と握り力とを測量したりリハビリにトレーニングしたりするように実現できる減衰式腕関節17及び握力ハンドル13が末端に設けられている。握力ハンドル13は、減衰式腕関節17にハンドル引きリンク14を介して接続される。
【0047】
本発明に係る上肢リハビリトレーニングシステムには、電源やホストなどのハードウェア機器が設置されている。ホストは、評価を行う際に、ディスプレー10と共に、映画、画像、音声等の方式により、利用者に、提示を与えて様々な評価動作を完了させると共に、深さカメラ11により利用者の肢体動作を識別してキャプチャーし、記憶したり記録したりして、動作の完了の度合いを判断し、量子化した採点の結果を提供し、評価用報告を形成し、医師らに提供する上で、医師らにより、診断の計画及び焦点を合わせる運動の処方を選択して定める。
【0048】
好ましくは、上肢リハビリトレーニングシステムは、太陽熱発電装置を含み、太陽熱発電装置は、太陽熱エネルギーを吸収して太陽熱を光電効果又は光化学効果に基づいて直接又は間接に電気エネルギーに転換し、上肢リハビリトレーニングシステムに電力を供給する。太陽熱発電装置を用いる場合には、電力を提供する条件を有さなく又は電気エネルギーが不足している箇所に、本発明に係るリハビリトレーニングシステムを用いてリハビリにトレーニングすることができる。そうすると、本装置が適用可能な範囲及び場面が広がり、室内による約束を破ると共に、新型エネルギーの利用に役立ち、エネルギーを節約して環境に優しくなるように実現することができる。
【0049】
本発明の一実施例では、太陽熱発電装置は、ソーラーパネルを含み、ソーラーパネルは、ディスプレー10の背面に設置されてもよい。本発明の他の一実施例では、太陽熱発電装置は、薄膜太陽電池を含み、当該薄膜太陽電池は、上肢リハビリトレーニングシステムの外面に貼り付けられてもよい。
【0050】
特に、天気が良い時に、利用者が時々アウトドアでリハビリにトレーニングを行うことから、まず、心持ちを効果的に緩みリハビリに役立ち、また、太陽熱により発電を十分に用いて、エネルギーを節約して環境に優しくなることができる。
【0051】
さらに、利用者の動作は、利用者における健康側にあるアームの運動姿態を含み、深さカメラ11は、利用者における健康側にあるアームの運動姿態を即時にキャプチャーするためのものであり、中央処理装置は、利用者における健康側にあるアームの運動姿態により、外骨格機械式アームの運動を制御して、外骨格機械式アームに位置する疾患側にあるアームが対応して運動するように連動する。
【0052】
具体的に、
図5に示すように、深さカメラ、ディスプレー及び運動制御手段は、それぞれ、中央処理装置に接続されており、運動制御手段は、外骨格機械式アームに接続される。使用の際には、利用者における疾患側にあるアームが外骨格機械式アームに位置しており、深さカメラは、利用者における健康側にあるアームの運動姿態をキャプチャーするためのものであり、深さカメラは、利用者における健康側にあるアームの運動姿態をキャプチャーしながら中央処理装置に送信し、中央処理装置は、利用者における健康側にあるアームの運動姿態を受信しながら運動制御手段に指令を送信し、運動制御手段は、指令に基づいて外骨格機械式アームが対応に動作するように制御し、利用者における疾患側にあるアームが動作するように連動する。ディスプレーは、中央処理装置と両方向にインタラクションすることにより、中央処理装置より送信される処理情報及び/又は処理結果を表示してもよい。ただし、運動制御手段は、機械式アームサーボ制御システムを含み、機械式アームサーボ制御システムは、中央処理装置による指令に基づいて、上記の運動制御手段を制御するためのものである。
【0053】
本発明は、上記の前記上肢リハビリトレーニングシステムによる使用の方法をさらに提供する。
図6に示すように、深さカメラ11により、利用者における健康側にあるアームの関節点(肩関節、肘関節や腕関節などを含み)をキャプチャーし、健康側にあるアームの座標データを取得する。座標データについてフィルタ処理を行い、利用者の運動モデルを作成する。座標鏡映変換により、利用者における健康側にあるアームの運動座標を疾患側にあるアームの運動座標に転換する。運動学解析に基づいて、外骨格機械式アームにおける各関節の動作角度を算出する。機械式アームサーボ制御システムが実行することにより、利用者における疾患側にあるアームが健康側にあるアームのほうと対称な動作を行うように外骨格機械式アームが連動するように実現する。
【0054】
さらに、利用者における健康側にあるアームの運動姿態は、健康側にあるアームの肩関節、肘関節及び腕関節のうちのいずれかの一つ又は複数を具体的に含む。必要に応じて、深さカメラ11が利用者における頸部、腹部又は疾患側にある肩関節の座標をキャプチャーしてもよい。
【0055】
具体的な実現用ステップは、
図6に示すように、まず、深さカメラ11により利用者の動作をキャプチャーし、人体の各関節の位置情報(例えば、健康側にある手の肩関節、肘関節、腕関節及び頸部、腹部、患側にある肩関節の関節点座標)を取得でき、つまり、空間座標系における各関節の所在する位置点の座標データを取得でき、これらのデータが多いと共にある程度でジャンプすることから、これらのデータをフィルタ処理して、合理的かつ効果的なデータを選択することができる。座標データについてフィルタ処理を行うと、利用者の運動モデルを作成し、人体のモデル図を生成してから、これらのデータについて座標鏡映変換処理を行い、鏡映となる座標データを形成し、つまり、座標鏡映変換により、健康側にあるアームの運動座標を疾患側にあるアームの運動座標に転換する。次に、運動学解析により、外骨格機械式アームにおける各関節間の角度及び位置関係を算出し、機械式アームサーボ制御システムに送信し、機械式アームサーボ制御システムは、機械式アームを制御して対応に動作を実行することにより、疾患側にあるアームが健康側にあるアームのほうと対称な動作を行うように外骨格機械式アームが連動するように実現する。好ましくは、本実施例に係る上記のリハビリトレーニングシステムは、アブソリュートエンコーダーをさらに含み、アブソリュートエンコーダーは、機械式アームのサーボ制御システムに接続されており、機械式アームにおける各関節が正確な位置まで実行されるかどうかを判断して、クローズループ制御を形成するクローズループフィードバックに用いられる。
【0056】
上記の前記上肢リハビリトレーニングシステムの使用方法は、疾患側にあるアームと健康側にあるアームが対称な協調性を有している動作を実現できる。類似な原理及びステップによると、非鏡映対称でないが協調性を有している動作を実現できる。非鏡映対称による協調性の動作と鏡映対称による協調性の動作は、座標を変換する処理のアルゴリズムが異なるが、他の処理、ステップ及び原理が同じである。具体的な相違は、上記のステップにおける「これらのデータを座標鏡映変換処理して鏡映の座標データを形成し、つまり、座標鏡映変換により、健康側にあるアームの運動座標を疾患側にあるアームの運動座標に転換する」ということが、非鏡映対称でなく協調性を有する動作を行う際に、「これらのデータを、協調性を有する動作の座標に変換する処理を行い、協調性を有する動作の座標データを形成し、つまり、協調性を有する座標の変換処理により健康側にあるアームの運動座標を、疾患側にあるアームが健康側にあるアームと協調性を有して協力する動作を行う運動座標に転換する」ということに調整されることが必要である。従って、疾患側にあるアームと健康側にあるアームとが協調性を有して動作し、例えば、両手で掴み取り、ステアリングホイールを操舵する等、非鏡映であり協力するような動作を実現することができる。
【0057】
利用者は、健康側にあるアームにより、疾患側にある自己のアームがリハビリにトレーニングするように連動することができる。深さカメラ11により健康側にあるアームの姿態を採集し、即時に制御するという方式に基づいて、外骨格機械式アームのサーボ制御システムが外骨格機械式アームを制御して、疾患側にあるアームが、鏡映の対称性を有するリハビリ動作及び両手で協力する式のリハビリ動作(例えば、利用者の左側アームが健康側であり、右側アームが疾患側であるとすると、左側に位置する高い箇所に物を取る場合に、健康側にあるアームが左上に上がり、外骨格機械式アームが、制御アームが同期に左上に上がるように制御すること、ステアリングホイールを制御すると、ステアリングホイールが回転する動作を模擬すること、又は、協力するような他の動作)を実行するように連動する。本発明は、鏡映動作を即時で同期に実行することにより、利用者における健康側にあるアームをキャプチャーしながら、疾患側にあるアームの動作の軌跡を即時に算出し、しかも、外骨格機械式アームが実行することから、即時性が良くなり、利用者が自発的にリハビリにトレーニングすることが可能であり、健康側にある自己のアームが独立して運動する一方、システムは、疾患側にあるアームが対称に動作するように外骨格機械式アームが連動するように制御する。このような使用方法は、利用者をより良くリハビリさせるように助かることができる。
【0058】
運動制御手段は、速度制御機能を有する。外骨格機械式アームにおける現在の運動速度が設定値よりも大きい場合には、運動制御手段が、外骨格機械式アームに運動速度を落とさせるように制御する。リハビリの過程が速過ぎにならないため、安全のために、鏡映に基づいてリハビリを行う過程において健康側にあるアームが速すぎる場合に、疾患側にあるアームに速度を制限して制御する策略を対応的に用いて速度を落として平滑化処理を行うとよい。
【0059】
中央処理装置には、複数の動作場面(例えば、リンゴを摘み、ボールを蹴り、飯を食べるなど)及び/又はインタラクション場面が複数記憶されている。具体的に、中央処理装置における記憶モジュールには、動作場面が複数記憶されており、ディスプレー10は、複数の動作場面及び/又はインタラクション場面を表示するためのものである。ただし、複数の動作場面は、利用者が模倣したり又は観察したりするためのものであり、前記インタラクション場面は、利用者とインタラクションするためのものである。本実施例では、視覚及び脳神経への刺激などの複数の要素を追加することにより、上肢をリハビリにトレーニングすることに役立つ。好ましくは、動作場面に、インタラクションを模擬する場面が含まれている。本実施例が複数のインタラクションを模擬する場面を提供することにより、インタラクションというタイプの視覚への刺激を増やして、味気ないリハビリ用トレーニング動作を解決して、リハビリ用トレーニングの効果が良い。
【0060】
本発明の一実施例では、上記の視覚への刺激という機能を有する中央処理装置を用いると共に鏡映によるリハビリトレーニング使用モードを協力して用いることから、利用者が、健康側にある自己のアームにより、疾患側にあるアームを連動し、リハビリの過程に、利用者による主観的な意識の要素を追加して一定の視覚への刺激を協力し、視覚を介して利用者による自発的な動作意識を刺激することから、より良いリハビリ用トレーニングを行うことができる。本実施例では、上肢リハビリトレーニングシステムが機体の機能をトレーニングするシステムに該当しており、リハビリを行う過程に視覚への刺激を追加して、ある程度の行為や心理への干渉を与える。また、リハビリを行う過程に趣味性や認知上の思考など、視覚へ刺激のトレーニングを追加し、従来の干渉形態が味気なく効果が無いということを避けることができる。本発明に係る上肢リハビリロボットに複数のリハビリ用計画が内蔵されており、それらが対応する視覚のリハビリ場面と協力することから、リハビリにトレーニングする過程に、より良い視覚へ刺激を効果的に提供することができる。
【0061】
本発明に係る上肢リハビリロボットは、異なる使用方法を複数有しており、外骨格機械式アームが助力を提供するかどうか、及び、提供する助力の大きさにより、以下の三つの使用方法に分けられてもよい。
【0062】
一番目の使用方法は、外骨格機械式アームがすべての助力を提供するものであり、外骨格機械式アームは、アームが運動するように連動しており、利用者の従動リハビリトレーニング使用モードを実現することができる。二番目の使用方法は、外骨格機械式アームが一部の助力を提供するものであり、利用者アームと外骨格機械式アームとが共に力がかかり、従動補助リハビリトレーニング使用モードを実現することができる。三番目の使用方法は、機械式アームが利用者に助力がかからない一方、利用者から力を受けるものであり、利用者の引きにより対応に運動しており、自発リハビリトレーニング使用モードを実現することができる。
【0063】
一番目の使用方法である従動リハビリトレーニング使用モードは、上肢が初期に酷い障害となる利用者に対して、肌力をより良く回復するトレーニングを行い、単一の関節及び複数の関節をリハビリに運動するように実現すると共に、飯を食べたり、物を掴み取ったり、机を拭いたりするなどの視覚上の適用場面を協力するものである。
【0064】
具体的に、従動リハビリトレーニング使用モードでは、三つの駆動手段7により、上臂引きリンク15及び下臂引きリンク16が運動するように連動して、アームが対応に動作するように連動する。それは、単一の関節をリハビリにトレーニングするもの、及び、複数の関節が合わせて動くことによりリハビリにトレーニングするものに分けられてもよい。動作と同時に、ディスプレー10が豊かな動作場面を表示してよく、例えば、飯を食べたり、物を掴み取ったり、ガラスを拭いたりする等動作場面を協力して、利用者に視覚を刺激する。
【0065】
より具体的に、本実施例では、従動リハビリトレーニング使用モードに視覚の同期という形態が採用されており、医師らからの3Dによる教示(マウスにより3D人物モデルのアームをドラッグし外骨格機械式アームがリハビリに運動する範囲を設定する)又はパラメーターとしての設定(手動で各関節がリハビリに運動する角度を入力する)に基づいて、焦点を合わせるリハビリ用トレーニングを利用者に行う。実行の過程には、外骨格機械式アームのほうと同じの運動姿態である3D人物モデルの動作による模擬を同期に再生し、又は、視点を自発的に設定して、外骨格機械式アームのほうと同じの運動姿態であるアーム動作場面による模擬(例えば、動作に応じて飯を食べたり、机を拭いたり、高い箇所に物を取ったりするなどの場面をマッチングする)を再生し、又は、ゲームによりトレーニングを行う。具体的に、従動リハビリトレーニング使用モードには、一体化する関節が位置リングという制御モードを用いて、各関節が絶対角度を実行するように制御する。
図7に示すように、中央処理装置は、医師らから入力される関節位置指令を受信して、関節運動角度の情報を機械式アームサーボ制御システムに送信し、機械式アームサーボ制御システムが当該動作の時間を算出する上で実行し、線路を企画すると共に、時間のパラメーターを中央処理装置にフィードバックする。中央処理装置は、3Dモデルの動作をマッチングするように同期に実行することにより、外骨格機械式アームとビデオモデル動作とが同期する効果を達成する。アブソリュートエンコーダーは、機械式アームサーボ制御システムに接続されており、機械式アーム各関節が正確な位置まで効果的に実行されるかどうかを判断して、制御クローズループを形成するクローズループフィードバックに用いられる。
【0066】
二番目の使用方法は、従動補助トレーニング使用モードである。
図8に示すように、従動補助トレーニング使用モードは、肌力がある程度で回復され又は障害が軽度である利用者というある程度でのリハビリ用トレーニングに適用されており、利用者のアームにより、外骨格機械式アームが運動するように連動し、外骨格機械式アームがアームによる動作の意図を判断する上で助力をかかるように協力して、補償用運動をある程度で与える。同様に、視覚への一定の刺激を協力して、より良いリハビリの効果を達成してもよい。駆動手段7は、トルクモードによる制御であり、利用者のアームにより、外骨格機械式アームが運動するように連動し、外骨格機械式アームは、アームによる動作の意図を判断する上で助力をかかるように協力する。本発明に設計される一体化する駆動関節に一次元のトルクセンサーが内蔵されており、独立するセンサー信号により三つの主な関節による動作の意図を判断する。
【0067】
ただし、意図への判断には、力覚センサーにより現在に受けられている受力が変わるかどうかについて判断し、上向きの力がある場合にアームが上がろうとすると判断し、外骨格機械式アームが対応の角度まで上がるように補助する一方、下向きの圧力がある場合にアームが下がろうとすると判断し、外骨格機械式アームが対応の角度まで下がるように補助する。アームによる意図を判断することは、二つの形態が存在しており、一番目は、一体化する関節に位置するトルクセンサーにより、各関節における現在のトルク値の変化を測量して、アームによる動作の意図を判断するものであり、二番目は、一体化する関節に位置するアブソリュートエンコーダーとインクリメンタルエンコーダーとの差分値の変化を対比して計算することによりトルク値に変換するものである。トルクの増減を判断することにより、関節による運動方向及び距離を算出する。トルクセンサーが採集する信号は、外骨格機械式アームを力と位置との両方で制御することに用いられ、当該トルク情報は、運動学のデカップリングを経て各自由度について所定の運動量の偏差信号に転換され、外骨格機械式アームが運動するように制御して、外骨格機械式アームに作用する利用者のトルクを外骨格機械式アームの制御クローズループに活用する。
【0068】
つまり、前記外骨格機械式アームが従動補助使用モードを用いる場合には、機械式アームにおおける各関節に検測センサーが設けられており、そうすると、利用者に受けられる力の大きさ及び方向を即時に検測でき、利用者に受けられる力の大きさが所定値を超えると、外骨格機械式アームにより利用者に前記方向の助力をかかるように制御する。
【0069】
二番目の使用方法は、自発リハビリトレーニングモードであり、機械式アームにおける各関節の抵抗力モードを設定することにより、利用者に自ら機械式アームを引かせ、力を回復するトレーニングを行わせるようにすることができる。自発リハビリトレーニング使用モードは、リハビリの效果が比較的良い利用者向けのものであり、利用者は、急速で大幅に動作を実現して、難しさが異なる一連のゲームを設定することにより、アームを揺動してゲームの動作を完了させる。自発リハビリトレーニング使用モードは、外骨格機械式アームと協力してもよく、外骨格機械式アームと分離して深さカメラ11だけを用いてもよい(つまり、視覚システムが独立して完了する)。複数の映画場面を設定することにより、インタラクションというタイプに該当するリハビリトレーニングゲームを利用者に行い、利用者の動作が深さカメラ11によりキャプチャーされることにより、動作を判定することができる。
【0070】
より具体的に、自発リハビリトレーニング使用モードは、二つの種類に分けられており、一番目は、アームにより機械式アームが運動するように引き、異なる抵抗力モードを各関節に設定することにより、異なるレベルを実現して、異なる力となるリハビリ用トレーニングを実現する。例えば、カレントループによる制御モードを用いる抵抗力モードであってもよいし、異なる抵抗力モードを設定して、利用者に楽に又は力により外骨格機械式アームを引かせてもよいし、当該方式を用いて幾つかのゲームによりトレーニングをしてもよい。本実施例では、本発明に係る上肢リハビリトレーニングシステムは、減衰力を調整可能なリハビリ機器であってもよい。それは、力学リハビリ物理療法機器であり、異なる減衰力モードを各関節に設定することにより、異なるレベルを実現し、異なる力によるリハビリ用トレーニングを実現し、利用者に肢体の力を回復するように助ける。
【0071】
もう一つは、利用者が外骨格機械式アームから離開して、深さ視覚によりアームの運動姿態をキャプチャーして、ゲームによりリハビリにトレーニングを行う形態である。ゲームの場面を設定することにより、ゲームにおける空間座標とアーム末端位置の座標とをマッチングして設けて、2D/3Dのゲームのインタラクションを実現することができる。
【0072】
ただし、運動制御手段は、中央処理装置に接続されており、外骨格機械式アームの動作を制御するためのものである。具体的に、従動リハビリトレーニング使用モードが適用される場合に、駆動装置により上臂引きリンク15、下臂引きリンク16が運動するように連動して、利用者のアームが対応に動作するように連動する。助力式従動補助トレーニングが適用される場合に、駆動装置がトルク制御モードとされ、利用者アームにより外骨格機械式アームが運動するように連動し、外骨格機械式アームがアームによる動作の意図を判断して、助力をかかるように協力する。
【0073】
以上より、本発明が提供する上肢リハビリトレーニングシステムは、従動、従動補助、自発、鏡映及び協力のリハビリトレーニング使用モードを実現することができ、適用可能な範囲が広がる。本発明が提供する上肢リハビリトレーニングによる上肢リハビリは、コミュニティに位置するリハビリ物理療法センター及びコミュニティに位置するリハビリトレーニングセンターにサービスを提供してもよい。
【0074】
本実施例では、上肢リハビリトレーニングシステムが機能性を付ける電気刺激装置を含み、機能性を付ける電気刺激装置が電気刺激パルス発生装置、電極シート及び シングルチップマイクロコンピュータを含み、 シングルチップマイクロコンピュータに前記電気刺激パルス発生装置が接続され、電気刺激パルス発生装置に電極シートが複数接続され、電極シートが利用者の上肢に貼り付けられるものである。本実施例には、機能性を付ける電気刺激を用いて、三角波又は矩形波とされるマイクロカレントを用いて利用者の筋肉を電気刺激して、筋肉の強さ及び耐力を増やして、利用者が動く能力が高まり、リハビリの效果を効果的に高めることに役立つ。
【0075】
機能性を付ける電気刺激は、表面電極及び植え込み型電極により、利用者における筋肉の運動神経を刺激し、電極間の電界が神経に触発し電位を発生して、この電位が化学方法により神経元の触発箇所を介して筋肉における細胞に転送し筋肉の収縮を引き起こすことにより、組織が動くようにして、電圧や周波数を変えることにより刺激を制御することができる。
【0076】
本発明は、行為、心理や認識を干渉するためのリハビリトレーニング及び測定評価システムを有するものとされてもよい。
【0077】
最後に説明するべきことは、以上における各実施例が本発明の技術的手段を説明するためのものに過ぎず、それらに限定されるものではない。前述の各実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者にとって理解するべきことは、依然として前述各実施例に記載される技術的手段を補正し又はそのうちの一部やすべての技術特徴を均等置換してもよく、これらの補正又は置換により、対応する技術的手段の本質が本発明における各実施例の技術的手段の範囲を逸脱するわけではない。
【符号の説明】
【0078】
1 医療用キャスター
2 機器主体
3 非常スイッチ
4 プッシュハンドル
5 垂直昇降モジュール
6 水平移動モジュール
71 肩関節第一関節
72 肩関節第二関節
73 肘関節第一関節
8 肩関節第三従動関節
9 肘関節第二従動関節
10 ディスプレー
11 深さカメラ
12 ディスプレーホルダー
13 握力ハンドル
14 ハンドル引きリンク
15 上臂引きリンク
16 下臂引きリンク
17 減衰式腕関節
20 プランジャー
101 上臂ゲートル
102 下臂ゲートル