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特許7382455触媒的混合マトリックス膜層を含む多層複合体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】触媒的混合マトリックス膜層を含む多層複合体
(51)【国際特許分類】
   B01J 35/02 20060101AFI20231109BHJP
   B01D 39/16 20060101ALI20231109BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20231109BHJP
   B01J 31/26 20060101ALI20231109BHJP
   B01J 35/06 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
B01J35/02 N
B01D39/16 C
B01D53/86 222
B01D53/86 228
B01D53/86 245
B01D53/86 260
B01D53/86 270
B01J31/26 A
B01J35/06 D ZAB
B01J35/06 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022099627
(22)【出願日】2022-06-21
(62)【分割の表示】P 2020526560の分割
【原出願日】2017-11-17
(65)【公開番号】P2022130511
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】ロバ―ト イブス
(72)【発明者】
【氏名】タルン ポッダー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エー.トマノビッチ
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-138016(JP,A)
【文献】特開2004-195349(JP,A)
【文献】特開平04-235718(JP,A)
【文献】特表平11-508822(JP,A)
【文献】特開平11-001858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
B01D 39/16
B01D 53/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔多孔質ポリマー膜の内部に触媒材料を含んでなる触媒物品。
【請求項2】
前記穿孔多孔質ポリマー膜はフィブリルを含む微細構造を有する、請求項1記載の触媒物品。
【請求項3】
前記触媒材料は前記微細構造のフィブリルと絡み合っている、請求項2記載の触媒物品。
【請求項4】
前記触媒材料は前記穿孔多孔質ポリマー膜の細孔内に延在している、請求項1~3のいずれか1項記載の触媒物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、標的種を含む汚染物質を流体流から除去することができるろ過材料において使用される触媒複合体に関する。特に、触媒フルオロポリマーフィルムを含む触媒複合体である。
【背景技術】
【0002】
触媒フィルタは様々な流体ろ過用途に使用される。典型的には、これらのフィルタは、マトリックス内で触媒材料(例えば、TiO2、V25、WO3、Al23、MnO2、ゼオライト及び/又は遷移金属化合物及びそれらの酸化物)を組み合わせる。流体がマトリックスの上又は中を通過するときに、流体内の汚染物質は触媒粒子と反応して、汚染物質をより望ましい副生成物又は最終生成物に転化し、したがって、流体流から特定の汚染物質種を除去する。触媒の標的となる特定の汚染物質は標的種とも呼ばれることができる。様々な標的汚染物質は、燃焼又は産業プロセス、例えば、輸送燃焼、石炭燃焼、都市ごみ焼却及び石油精製の副生成物である。このような標的汚染物質及び触媒の例としては以下のものが挙げられる。
【0003】
表1:触媒の例
標的種 活性材料 得られる生成物
NOx、NH3 TiO2、V23、WO32+H2
CO Al23、Pt CO2
ダイオキシン/フラン TiO2、V23、WO3 CO2、HCl、H2
3 MnO22
【0004】
触媒フィルタデバイスを製造するための以前の試みの例としては、米国特許第4,220,633号及び米国特許第4,309,386号明細書に記載されているものが挙げられ、ここではフィルタバッグが、NOxの接触還元プロセスを促進するのに適切な触媒でコーティングされている。米国特許第5,051,391号明細書に、直径が0.01~1μmの金属酸化物から作られた触媒粒子がフィルタ及び/又は触媒繊維によって担持されていることを特徴とする触媒フィルタが開示されている。米国特許第4,732,879号明細書には、多孔質の、好ましくは触媒活性のある金属酸化物コーティングが、繊維形態の相対的に非多孔質の基材に適用される方法が記載されている。DE 3,633,214A1においては、触媒をフィルタ材料の層内に挿入することにより、触媒粉末が多層化フィルタバッグに取り込まれている。
【0005】
触媒フィルタデバイスを製造するためのさらなる例としては、吸着剤、反応体などのマイクロ粉末がフィルタ層内部に支持されている、藤田等による特開平8-196830号公報に記載されているものが挙げられる。特開平9-155123号公報では、ろ布に脱窒層を形成している。特開平9-220466号公報では、ガラス繊維の布に酸化チタンゾルを含浸させ、次いでこれを熱処理し、さらにメタバナジン酸アンモニウムを含浸させることによって触媒フィルタを作製する。特開平4-219124号公報では、触媒の分離を防ぐために、コンパクトで厚く、通気性の高いろ布にバッグフィルタ材料用の触媒が充填されている。米国特許第5,620,669号明細書では、フィルタが、ノード及びフィブリル構造を有する延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の複合繊維を含み、その構造内に触媒粒子が係留されている。米国特許第6,331,351号明細書は、ポリマー接着剤によって多孔質基材に付着された化学的に活性な粒子を開示している。微孔質層は、その多孔質基材の少なくとも片側に、又はその内部に、取り付けられている。得られたフィルタ材料は、フィルタ流からダストなどの汚染物質を、ダストが活性触媒部位を閉塞しうる前に除去するとともに、望ましくない種を触媒作用又は反応によって除去する。
【0006】
従来の構造体には、フィルタ操作中に二つの主要な典型的問題、すなわち化学的劣化及び機械的劣化が発生することがある。化学的劣化については、汚染によりフィルタの化学的機能が役に立たなくなる可能性があり、これは、事実上すべての従来の活性フィルタデバイス、特に触媒フィルタデバイスについて深刻な問題である。触媒は定義上、触媒反応中に消費されるものではないが、触媒フィルタは、流体流からの粒子、液体及び気体汚染物(すなわち、微細なダスト粒子、金属、シリカ、塩、金属酸化物、炭化水素、水、酸性ガス、リン、アルカリ金属、ヒ素、アルカリ酸化物など)によって操作寿命が制限されることがある。フィルタ内の活性粒子上の活性部位が物理的にマスクされ、あるいは化学的に変性することで、失活が起こる。これらの汚染物質がフィルタから排出されない限り、フィルタは交換されなければならなくなるまで効率が急速に低下する。さらに、場合によっては、製造に使用される加工助剤が触媒の劣化を引き起こす可能性がある。フィルタからダストを取り除くための様々なクリーニング装置が存在するが(例えば、シェーカーフィルタバッグ、バックパルスフィルタバッグ及びカートリッジ、リバースエアフィルタバッグなど)、これらのデバイスは、当該フィルタ材料の内部に埋没したダストを除去するのに特に効果的ではない。
【0007】
化学的劣化の別の形態は、挿入された触媒の操作中の損失によるものである。多くの場合、触媒粒子はホスト繊維に対し、過酷な通常操作に耐えるほど十分な強さで付着してはいない。その結果、触媒粒子はフィルタから脱落し、よってフィルタの有効性が低下するだけでなく、清浄な流体流を汚染することにもなる。
【0008】
機械的劣化に関しては、フィルタの機械的機能が、操作中のフィルタ繊維の摩耗によって、又はフィルタ内のダスト汚染物質の侵入及び収集によって、劣化する可能性がある。別の機械的故障は、ダスト粒子のブレークスルーによるものである。さらに、典型的なろ過システム及びバッグハウス中での高温(例えば160℃以上)操作及び反応性化学種が、数年、また場合によっては数か月かけて、フィルタ媒体の劣化原因となり得る。
【0009】
特開平10-230119号公報は、ろ布に加工されるべき繊維を液体触媒中に浸漬し、触媒を乾燥させ、繊維をろ布に成形し、そして四フッ化エチレン樹脂連続多孔質薄膜をろ布に適用することにより形成されたフィルタ材料を対象とする。
【0010】
米国特許第5,843,390号明細書は、流体流からNOxなどの汚染物質を除去するための触媒フィルタを記載している。このフィルタは、ステープル繊維にチップ化されて触媒フェルト材料にされた、触媒粒子を含有する複合繊維を使用する。このフィルタはダストなどのマクロ粒子を、そのダストが活性フィルタ部位を閉塞しうる前に除去し、望ましくない汚染物質を触媒的に効果的に転化することができる。しかしながら、このフィルタにはコストのかかる製造プロセスがあり、性能の向上が依然として必要である。
【0011】
上記のように、流体流から汚染物質をろ過するための様々な触媒材料が開示されてきたが、これらの材料は、多くの形態の故障、劣化又は閉塞を被る。したがって、耐久性を維持し、かつ、フィルタとして有用である十分な流量を提供しながら、汚染を効果的に浄化することができる触媒フィルタ材料に対するニーズが引き続き存在する。
【発明の概要】
【0012】
1つの実施形態において、本開示は触媒複合体に関する。触媒複合体は、第一の側(上流側)及び第二の側(下流側)を有する多孔質触媒フルオロポリマーフィルム、並びに1つ以上のフェルトバット、を含む触媒層状アセンブリを含む。第一のフェルトバットは、多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの上流側に隣接配置されて触媒複合体を形成し、そしてフルオロポリマーフィルムは穿孔され、そこを流れる流体中の化学汚染物質の還元又は除去を触媒する触媒複合体の適合性を損なうことなく、フルオロポリマーフィルムの通気性を高める。各フェルトバットは、PTFEステープル繊維から形成されたフリースから形成されうる。複合体は、ニードルパンチング法、ニードリング法又はその両方によって形成された複数の穿孔によって互いに結合されることができる。多孔質触媒フルオロポリマーフィルムは、0.3~6.5mmのパンチ直径に対応する直径でパンチングすること、又は0.1~3.0mmの針の直径に対応する直径でニードリングすること、によって穿孔することができる。各フェルトバットは、限定するわけではないが、PTFEフェルト、PTFEフリース、ePTFEフェルトもしくはフリース、又は、フルオロポリマーステープル繊維織布もしくは不織布などのフルオロポリマーから形成することができる。触媒複合体はまた、複数の多孔質触媒フルオロポリマーフィルムを含むことができる。
【0013】
複合体は、多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの下流側に配置されたスクリムや、多孔質触媒フルオロポリマー層の下流及び/又はスクリムの下流に配置された第二のフェルトバットや、粒子の侵入を遮断するために第一のフェルトバットの上流側に配置された多孔質保護層のような追加の層を含むことができる。多孔質保護層は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜その他の適当な多孔質ePTFE層であることができる。
【0014】
触媒複合体は、幾つかの実施形態によれば、多孔質触媒フルオロポリマーフィルムのみに穿孔を含むことができ、また場合によっては、複数の層を一緒に穿孔してもよい。例えば、1つの実施形態において、フルオロポリマーフィルム、フェルトバット及びその他の層を、フルオロポリマーフィルムを穿孔するニードリング及び/又はニードルパンチング操作によって一緒に結合してもよい。フルオロポリマーフィルムは、0.14%~50%のフルオロポリマーフィルムの開口面積率をもたらす穿孔パターンを有することができる。得られる触媒複合体の透過性により、124.5Paにおいて0.9~21.3m/分の範囲の流量を得ることができる。
【0015】
1つの実施形態において、本開示は、触媒材料で充填されそして穿孔された穿孔多孔質膜から形成された触媒複合体に関する。
【0016】
1つの実施形態において、本開示は、上記のとおりの触媒複合体を形成する方法に関する。触媒複合体は、多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの第一の側に第一のフェルトバットを積層することにより触媒層状アセンブリを形成することによって、形成することができる。層状アセンブリを一緒に結合して多層化複合体を形成することができ、そしてフルオロポリマーフィルムは、多層化複合体の最小通気度が124.5Paにおいて少なくとも0.9m/分になるように穿孔されることができる。
【0017】
この方法は、結合工程の前に層を追加する工程を含むことができ、例えば、触媒層状アセンブリに対し、その多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの第一の側とは反対側の第二の側にスクリムを追加し、該層状アセンブリに対し、該スクリムに隣接しかつ多孔質触媒フルオロポリマーフィルムとは反対側に第二のフェルトバットを追加し、及び/又は層状アセンブリに対し、第一のフェルトバットに隣接しかつ多孔質触媒フルオロポリマーフィルムとは反対側に、多孔質保護膜を追加することを含むことができる。
【0018】
層状アセンブリを一緒に結合して多層化複合体を形成することは、穿孔工程、接着剤、熱処理工程又はこれらの工程の任意の適切な組み合わせによって、触媒層状アセンブリを一緒に結合することを含むことができる。例えば、少なくとも1つの実施形態において、触媒層状アセンブリは、多層化複合体を290℃~330℃の範囲の温度で少なくとも1分間、又は、アセンブリが熱安定に達するまで熱処理することを含む熱処理工程により硬化される。
【0019】
フルオロポリマーフィルムを穿孔することは、ニードルパンチング法、ニードリング法又はこれら2つの組み合わせを含むことができる。例えば、少なくとも0.2%の開口面積率までフルオロポリマーフィルムに穿孔パターンをニードリングすることができる。あるいは、穿孔パターンは、少なくとも0.2%の開口面積率まで多層化複合体にニードルパンチングされることができる。さらに、ニードリング又はニードルパンチング工程は、他のアセンブリ化された層を含む層状アセンブリに対して行われることができ、層を結合することができる隣接層の小さな変形/穿孔とともにフルオロポリマーフィルムの穿孔をもたらす。
【0020】
1つの実施形態において、本開示は、触媒材料を内部に含む穿孔多孔質ポリマー膜を含む触媒物品に関する。穿孔多孔質ポリマー膜は複数の細孔を含み、そして、触媒材料は多孔質膜の細孔を少なくとも部分的に満たす。幾つかの特定の実施形態において、多孔質膜は、フィブリルを含む、又は、幾つかの例において、実質的にフィブリルから構成される微細構造を有する。触媒材料は微細構造のフィブリル内で絡み合うことができる。様々な実施形態において、触媒材料は多孔質膜の細孔内から延在している。
【0021】
1つの実施形態において、本開示は、上記のとおりの触媒複合体を含む触媒フィルタを使用する方法に関する。例えば、1つの実施形態において、上記のとおりの触媒複合体を含む触媒フィルタは提供される。触媒フィルタは、流体流中に配置され、流体流の流れ方向に関してフルオロポリマーフィルムの上流にスクリムが配向され、流体流は触媒フィルタを通して通過して、そこから化学及び/又は粒子状汚染物質を除去する。
【0022】
これら及び他の実施形態は、それらの利点及び特徴の多くとともに、以下の説明及び添付の図面と併せてより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
添付の図面は、本開示を更に理解するために含まれ、本明細書に取り込まれ、その一部を構成し、実施形態を例示し、記載とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0024】
図1】本開示の1つの実施形態による、上流側フェルトバットを組み合わせた穿孔多孔質触媒フルオロポリマーフィルムを含む複合フィルタ材料の概略図である。
【0025】
図2】スクリム、上流側及び下流側フェルトバット並びに保護多孔質膜を組み合わせた穿孔多孔質触媒フルオロポリマーフィルムを含む第二の複合フィルタ材料の概略図である。
【0026】
図3】上流側フェルトバット及び保護多孔質膜を組み合わせた穿孔多孔質触媒フルオロポリマーフィルムを含む第三の複合フィルタ材料の概略図である。
【0027】
図4】複合フィルタ材料の組み立てプロセスの一例を示す。
【0028】
図5図4に記載されたように複合フィルタ材料を組み立てるためのプロセスの特定の態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下は、様々な修正形態及び代替形態を受け入れることができるが、特定の実施形態は、図面内の非限定的な例として示され、以下で詳細に記載されている。記載は、すべての修正形態、均等形態及びそれらの代替形態を網羅する。
【0030】
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。本明細書で言及される添付の図面は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張されている場合があり、その点に関して、図面は限定として解釈されるべきではない。
【0031】
「フィルタ」という用語は、本明細書で使用されるときに、デバイスを通して通過する粒子又は分子を遮断し、捕捉し及び/又は変性する任意のデバイスを包含することが意図されている。本出願における「流体」という用語の使用は、液体及び気体を含む、任意形態の易流動性物質を包含することが意図されている。「触媒」という用語は、フィルタが、流体流中の1つ以上の汚染物質を触媒して、汚染物質を非汚染物質又は低汚染物質に変える(すなわち、還元又は酸化する)反応を促進することができることを意味することが意図される。「高温繊維」という用語は、本明細書で使用されるときに、有意な熱分解なしに、少なくとも150℃、又は、幾つかの例において、少なくとも160℃の温度への連続暴露に耐えることができる任意の繊維を包含することが意図される。
【0032】
本開示は、流体流中に見られる標的種を除去する際に使用するための触媒複合体を対象とする。複合体は、少なくとも1つのフェルトバットが穿孔多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの上流に配置された、1つ以上のフェルトバットの形態の高温ステープル繊維を含む。本明細書で使用するときに、「穿孔」という用語は、フィルム又は膜の一部又はすべてにわたって間隔が空けられ、最小の穿孔密度(すなわち、1cm2当たりの穴)を有する穿孔(すなわち、穴)を指す。1つの実施形態において、複合体は、穿孔触媒フルオロポリマーフィルムに直接隣接しそしてアセンブリの支持層として機能する、下流に配置されたスクリムを含む。スクリムは、織スクリム又は不織スクリム、金属スクリム又は任意の他の適切な支持スクリムであることができる。穿孔触媒フルオロポリマーフィルムは、微孔性又は多孔性(穿孔を除く)であることができるが、いずれの場合にも、フィルム上及びフィルム中を通過する流体中の汚染物質の浄化、つまり標的種の非汚染化合物又は低汚染化合物への転化を触媒反応により触媒することができる触媒材料を含む。保護膜は、一般に無触媒である。この複合体を使用すると、ダイオキシン、フラン、NOx、COなどの汚染物質を流体流から効果的に除去することができる。場合により、少なくとも1つの多孔質又は微孔質保護膜が、アセンブリに隣接して又はその内部に、かつ、穿孔触媒フルオロポリマーフィルムの上流に配置され、そして粒子がフィルムの穿孔又は細孔を閉塞させず又はさもなければフィルムの触媒部位を遮断することのないように、流体流から粒子を除去することができる。
【0033】
図1を参照すると、多孔質触媒フルオロポリマーフィルム102及びフェルトバット104を含む触媒複合体100の第一の例は示されている。上流方向106は、流入する流体流110の一般的な方向に関して定義され、下流方向108は、流出する流体流112の一般的な方向に関して定義される。フェルトバット104は、多孔質触媒フィルム102の上流に配置され、流入する流体流110からデブリ120(例えば、ダストなど)を収集するように動作可能である。多孔質触媒フルオロポリマーフィルム102は、基材フルオロポリマーフィルム中の適切な埋め込み触媒を含む触媒材料である。適切な触媒及び基材は、米国特許第5,843,390号明細書に記載されており、これを、あらゆる目的のために参照により本明細書に取り込む。例えば、米国特許第5,843,390号明細書は、低粒径の活性触媒を形成し、触媒をフルオロポリマー樹脂と組み合わせ、次いで触媒材料を使用してフェルトを形成することによって形成される繊維状触媒ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタを記載している。適切な触媒としては、限定するわけではないが、NOx種及びNH3を標的とするTiO2、V23及びWO3、COを標的とするAl23及びPt、ダイオキシン及びフランを標的とするTiO2、V23、WO3、及び/又は、O3を標的とするMnO2が挙げられる。米国特許第5,843,390号明細書に開示されているような繊維状フィルタにおいて、触媒を含む構造は、微細な触媒繊維に取り込まれ、フィルタは、場合により他の繊維と混合された、微細な触媒繊維から形成される。対照的に、本明細書に記載されるとおりの実施形態は、穿孔を有する無傷の多孔質触媒フルオロポリマーフィルムを対象とする。この穿孔触媒フルオロポリマーフィルムは穿孔されており、流体がフルオロポリマーフィルムを容易に通過することができ、一方、フィルムの触媒材料と十分に相互作用して流体流中の汚染を浄化することができる。高度に多孔質の触媒フェルトへの繊維の形成及び再結合(以前に開示されたような)に関連する工程を省略できるので、穿孔フィルムの使用は製造において有意な利点を提供する。驚くべきことに、穿孔のために、フルオロポリマーフィルム102は、圧力差が小さい場合でも、フィルタとしての機能の有意な妨げを回避しながら、十分な気流を可能にし、フィルムの触媒材料と流入する流体流110の間の十分な接触を提供し、流体流中の汚染物質の浄化を十分に触媒することができる。触媒フルオロポリマーフィルムの触媒材料は、特定の汚染物質種を標的とするように選択することができる。例えば、フルオロポリマーフィルム102の触媒材料は、例示されるように、NO、NO2、NO3などのNOx種の水及び窒素ガスへの還元又は除去を触媒するのに適した触媒種であるTiO2、V23、WO3の幾つかの組み合わせ、又はすべてを含むことができる。しかしながら、例えば、CO、ダイオキシン/フラン、O3及び他の汚染物質を浄化するために、様々な汚染物質の転化に適した他の触媒材料を代用又は含めることができる。フルオロポリマーフィルム102は、PTFE又はより多孔質の延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む任意の適切なフルオロポリマーを含むことができる。
【0034】
1つの実施形態において、多孔質触媒フルオロポリマーフィルム102は穿孔され、無傷部分116及び穿孔118を含む。穿孔118は、ニードリング操作によってフィルム102に形成することができ、ニードリング操作に応じてサイズを変えることができる。適切なニードリング操作は、材料を穿孔しそして変位させる間にフィルムを通して針を押し込むこと、又は針がフィルムの一部を除去するニードルパンチング操作を含むことができる。1つの実施形態において、フルオロポリマーフィルム102はニードリングされ、そして穿孔は0.1~3.0mmの針の直径に対応する。別の実施形態において、フルオロポリマーフィルム102は0.1~3.0mmの針の直径に対応する穿孔でニードルパンチングされる。いずれの場合にも、穿孔118は、1cm2当たり約185~558個の穴、又は1cm2当たり1~64個の穴の程度の穿孔密度でフルオロポリマーフィルム102全体にわたって間隔を置いて配置される。あるいは、穿孔フルオロポリマーフィルム102の透過性は、フルオロポリマーフィルムの開口面積百分率の点から記載でき、これは、1~50%であることができる。穿孔は、フルオロポリマーフィルムの多孔性と併せて、ろ過での使用に適した通気性を全体として触媒複合体100に提供する。例えば、触媒複合体100は、単位面積当たりの高い流量に対応することができ、これは、フレイジャー数に関して記載することができる。1つの実施形態において、触媒複合体100は、フレイジャー空気透過性試験下で、0.5インチH2Oにおいて2CFM又は124.5Paにおいて0.61m/分の流量に相当する2以上のフレイジャー数を有する。
【0035】
本開示の様々な実施形態において、穿孔118は、多孔質触媒フルオロポリマーフィルム102にパターンで形成される。パターンは、1cm2当たり少なくとも1つの穴の穿孔密度及び少なくとも0.2%の開口面積率を提供する。したがって、より大きな穿孔は、隣接する穿孔間のより大きな間隔に対応することができ、そしてより小さな穿孔は、隣接する穿孔間のより近い間隔に対応することができる。幾つかの特定の例において、穿孔密度は、1cm2当たり185~558個の穴の範囲であることができる。パターンは、好ましくは、穿孔を通る空気流がフィルム102を横切って規則的であるように編成される。幾つかの適切なパターンは、正方形パターン、三角形の狭い間隔のパターン、不定形パターン、又は、一般に最小穿孔密度に適合する他の任意の同等のパターンを含むことができる。
【0036】
多孔質触媒フルオロポリマーフィルム102は、フルオロポリマーフィルム中の統合された触媒材料を介して、標的種の触媒還元又は除去を促進する。しかしながら、フルオロポリマーフィルム102の構造は、既存の触媒構造とは有意に異なる。例えば、フルオロポリマーフィルム102のバルク(すなわち、無傷部分116)は、穿孔118がない触媒フィルタ材料の成分として機能するのに十分な空気流を可能にするとは考えられない。穿孔118は、フルオロポリマーフィルム102を横切る圧力降下を低減し(すなわち、通気性を高め)、それを様々な用途で使用可能にする。穿孔フルオロポリマーフィルム102は、124.5Paの圧力下で、1.5~61m/分の、幾つかの例では1.5~61m/分の通気性を有することができる。驚くべきことに、穿孔118を通る流体の通過は、たとえ流体のかなりの部分が無孔の無傷部分116ではなく穿孔を通って流れるとしても、触媒構造としてのフルオロポリマーフィルム102の有用性を損なわない。少なくとも1つの実施形態によれば、穿孔はフィルムを通して完全に貫通し、流体のかなりの部分が通過するための導管を提供する。それにもかかわらず、十分な流体が多孔質触媒フルオロポリマーフィルムと接触し、その中の触媒材料と相互作用して、流体流中の汚染物質を効果的に浄化する。フルオロポリマーフィルム102とフェルトバット104とのアセンブリ化された組み合わせが、触媒フィルタとしての複合体の効力に少なくとも部分的に関与すると考えられる。例えば、フルオロポリマーフィルム102及びフェルトバット104は、フェルトバット104の内部構造114(例えば、ステープル繊維)と相互作用し、流入する流体流110がフェルトバット104の内部で、特にフェルトバットとフルオロポリマーフィルム102との界面122に沿って、循環することを可能にする。この循環が、流入する流体流110を多孔質触媒フルオロポリマーフィルム102と十分に接触させ、流入する流体流を触媒し、化学的汚染物質を低減又は除去する。
【0037】
フェルトバット104は、粒子状汚染物質120をろ過し及び/又はフルオロポリマーフィルム102への導入に関して流入する流体流110を加減することができる任意の適切な多孔質構造を含むことができる。フェルトバット104は、高度多孔質内部構造を有する任意の適切な織布又は不織布、例えば、限定するわけではないが、ステープル繊維織布又は不織布、PTFEステープル繊維織布又は不織布、フルオロポリマーステープル繊維から形成されたフリース、又は、フルオロポリマーステープル繊維織布又は不織布から構成されることができる。1つの実施形態において、フェルトバット104はPTFE繊維フェルト又はPTFE繊維フリースである。
【0038】
1つの実施形態において、触媒複合体100の構成要素層は、ニードリング又はニードルパンチング操作によって一緒に結合される、すなわち、層を局所的に変形させて、層を接触させた状態に保持するために、アセンブリ化されたフェルトバット104及びフルオロポリマーフィルム102の両方を通してニードル又はパンチを押し付けることができる。一般に、ニードリング操作は材料を貫通して変形し、一方、ニードルパンチング操作は材料の小さなプラグを除去するが、どちらの操作も「ニードリング」と呼ばれることがある。触媒複合体100の層はまた、ラミネート化又は適用される熱処理、接着剤(典型的には不連続な接着剤)、外部コネクタ、製織又は他の同等の接続手段、又は、上記の任意の適切な組み合わせによって一緒に保持されうる。1つの実施形態において、触媒複合体100の構成要素層は、ニードリング及び/又はニードルパンチングし、次いで、複合体を固定させるための後続する熱処理を行うことによって組み合わされる。あるいは、触媒複合体100の構成要素層は、穿孔がフルオロポリマーフィルム102に既に適用された後に層を一緒にプレスし、続いて層状アセンブリを熱処理することによって組み合わせて触媒複合体を形成することができる。
【0039】
1つの実施形態において、触媒物品は、穿孔多孔質ポリマー膜(例えば、穿孔118を含むフィルム102などのフルオロポリマーフィルム)と、該膜に吸収され、絡み合い、埋め込まれ又はさもなければ含まれる触媒材料から形成されうる。幾つかの特定の実施形態において、多孔質膜はフィブリル化微細構造、すなわちフィブリルを含むか又はフィブリルから実質的に構成される微細構造を有する。フィブリル化微細構造は、ノード及びフィブリルを含むことができるか、又は、ノードのないフィブリルから実質的に構成されることができる。このような実施形態において、触媒材料、例えば、触媒粒子などは、微細構造のフィブリル内に絡み合うことができる。様々な実施形態において、触媒材料は、多孔質膜の細孔内から延在することができ、そして、幾つかの実施形態において、穿孔中に延在することができる。様々な実施形態において、触媒物品は、上述のように、支持層又はフェルト層を伴って、又は伴わずにアセンブリ化されることができる。言い換えれば、支持体又はフェルト層なしで触媒材料が中に含まれる穿孔多孔質ポリマー膜を含む触媒物品を製造することができる。
【0040】
触媒複合体100の層(例えば、フルオロポリマーフィルム102、フェルトバット104)はまた、追加の層と組み合わせることもできる。例えば、図2は、追加の層を含む触媒複合体200の例を示す。触媒複合体200及びその構成要素は、流入する流体流216に面する上流側212、及び、流出する流体流218が発生する下流側214に関して記載することができる。図2は、フルオロポリマーフィルム202から上流方向212において第一のフェルトバット204及び保護多孔質膜208と積層され、下流方向214に配置される支持スクリム206及び第二のフェルトバット210と積層された、フルオロポリマーフィルム101(図1)と同様の多孔質触媒フルオロポリマーフィルム202を示す。触媒複合体200は、流入する流体流216中に懸濁することができる微粒子220をろ過し、また、触媒複合体における多孔質触媒フルオロポリマーフィルム202で触媒反応によって化学汚染物質を低減又は除去することができる。
【0041】
フルオロポリマーフィルム202は、図1を参照して上で記載されたとおりのフルオロポリマーフィルム102と同様の穿孔触媒フルオロポリマーフィルムから形成されており、穿孔224により中断された無傷の部分222を含む。穿孔224は、ニードリング操作によってフィルム202に形成することができ、あるいは、穿孔118(図1)を参照して上述したように、ニードルパンチング操作により形成されうる。触媒複合体100(図1)と同様に、隣接するフルオロポリマーフィルム202及び第一のフェルトバット204の構造は、流体が穿孔224で又は無傷部分222の細孔を介してフルオロポリマーフィルム202を通過する前に、第一のフェルトバットの内部構造226内でフルオロポリマーフィルム202の触媒材料の近くに流入する流体流216の循環を提供する。様々な実施形態によれば、フルオロポリマーフィルム202及び第一のフェルトバット204は、図1を参照して上述したフルオロポリマーフィルム102及びフェルトバット104と同様の厚さ、透過性及び材料特性を有することができる。
【0042】
1つの実施形態において、保護膜208は、第一のフェルトバット204の上流側に配置され、粒子220を捕捉又はその進入を防止することができる。保護膜208は、粒子(例えば、ダスト、すす、灰など)を捕捉し、粒子のフルオロポリマーフィルム102又はフェルトバット104への侵入を防ぎ、フィルムの穿孔118の閉塞を防ぎ、フルオロポリマーフィルムの中の触媒材料へのアクセスを遮断する可能性があるフルオロポリマーフィルムのファウリングを防ぐことができる。保護膜208は、保護膜から容易にクリーニングできるフィルム中の粒子220又はケーキを集めることができ、それにより、複合体200の保守を容易にすることができる。保護膜208は、任意の適切な多孔質膜材料から構築することができ、例えば、限定するわけではないが、多孔質織布又は不織布膜、PTFE織布又は不織布、ePTFE膜、フルオロポリマー膜などから構築することができる。保護膜208は多孔質又は微孔質であり、ラミネート化、熱処理、不連続又は連続接着剤又は他の適切な方法によって第一のフェルトバット204と結合することができる。適切な保護膜は、例えば、米国特許第5,843,390号明細書に記載されている。
【0043】
1つの実施形態によれば、フルオロポリマーフィルム202は、触媒複合体200の全体としての流体透過性に有意に影響を与えることなく構造的支持を提供するスクリム206によって支持される。スクリム206は、触媒複合体200を支持できる任意の適切な多孔性バッキング材料であることができる。スクリムは、例えば、フルオロポリマー織布又は不織布、PTFE織布又は不織布、又は1つの特定の実施形態において、ePTFE繊維(例えば、W.L.Gore and Associates,Inc.Elkton.,Mdから入手可能な440デシテックスRASTEX(登録商標)繊維)から作られた織布であることができる。スクリム206は、好ましくは、フルオロポリマーフィルム202の下流214に、例えば、フルオロポリマーフィルム202の下流に隣接して配置され、又は、代替的に、下流に配置され、1つ以上の追加の層によってフルオロポリマーフィルムから分離される。スクリム206は、ニードリング又はニードルパンチング操作によってフィルム202に結合されうる。スクリム206はまた、又は代わりに、熱処理によって、層を一緒にプレスする1つ以上のコネクタによって、又はスクリム206とフルオロポリマーフィルム202の間の接着剤、例えば薄い接着剤層(連続でも又は不連続でもよい)によって、又は、ニードリング又はニードルパンチング操作を含む2つ以上の上記の方法の任意の適切な組み合わせによって、フルオロポリマーフィルム202と結合されうる。一般に、スクリム206は、フルオロポリマーフィルム202よりも高い通気性を有する。
【0044】
1つの実施形態において、触媒複合体200は、フルオロポリマーフィルム202から下流方向214に配置された第二のフェルトバット210をさらに含むことができる。第二のフェルトバット210は、第一のフェルトバット204と同様の構造及び寸法を有することができ、例えば、第二のフェルトバットは、任意の適切な織布又は不織布、例えば、限定するわけではないが、ステープル繊維織布又は不織布、PTFEステープル繊維織布又は不織布、又は、フルオロポリマーステープル繊維織布又は不織布から構成することができる。例えば、第二のフェルトバット210は、PTFE繊維フェルト又はPTFE繊維フリースであることができる。
【0045】
フルオロポリマーフィルム202、スクリム206ならびに第一及び第二のフェルトバット204,210は、ニードリング又はニードルパンチング操作、図1のフルオロポリマーフィルム102及びフェルトバット104に関して記載されるとおりの他の方法又は上記の技術の組み合わせによって一緒に結合されうる。1つの実施形態において、穿孔はフルオロポリマーフィルム202を横切る適切な流体流を提供するので、フルオロポリマーフィルム202のみが穿孔され、一方、他の層は一般にフルオロポリマーフィルム202よりも空気流に対して透過性である。あるいは、上記の要素のサブコンビネーション、例えば、フルオロポリマーフィルム202及びスクリム206、フルオロポリマーフィルム202及び第一のフェルトバット204、又は、フルオロポリマーフィルム202、第一のフェルトバット204及びスクリム206をニードリング又はニードルパンチングを使用して層を一緒に結合する方法によって穿孔することができる。層の幾つか又はすべては、熱処理、接着剤又は別の適切な結合方法によってさらに結合されうる。例えば、保護膜208は、接着、熱処理、又は保護膜の穿孔をもたらさない別の方法によって残りの層に取り付けられることができる。あるいは、保護膜208はまた、ニードリング又はニードルパンチングにより残りの層と結合されうる。
【0046】
図1及び2を参照して上に記載された触媒複合体100,200は、フェルトバットに隣接して下流にある穿孔触媒フルオロポリマーフィルムを利用する触媒複合体の例示的な実施形態であり、それらの組み合わせは、触媒フルオロポリマーフィルムに沿って、それを通る汚染流体流を導き、流体中の汚染を軽減することができる。様々な追加の構成要素、図2を参照して上述した保護膜208、スクリム206及び第二のフェルトバット210は触媒複合体200の強度を高め、フィルタ特性の改善又は粒子の侵入の低減などの追加の利点を提供することができる。
【0047】
図2に関して上述した層状要素の他の組み合わせは、本開示の範囲内で、そこから実質的に逸脱することなく可能であり、また、その中でのさらなるろ過又は触媒要素の追加が可能である。例えば、保護膜208、第一及び第二のフェルトバット204,210及びスクリム206のうちの1つ以上は触媒特性を有することができる。さらに、層は、図2に関して上述した層間で追加又は除去されることができ、例えば、追加の触媒フルオロポリマーフィルム、追加のフェルトバット層、触媒フェルトなどの追加の触媒材料(例えば、米国特許第5,843,390号明細書に記載されているものなど)、追加の支持層又はスクリム、又は上記よりも少ない層である。
【0048】
多孔質触媒フルオロポリマーフィルム202と同様の追加の触媒フルオロポリマーフィルム又は複数の該フィルムをフルオロポリマーフィルム202の上流又は下流のいずれかに提供することができ、これは異なる触媒又は触媒群を含み、流体流中の複数の特定の汚染物質の浄化を触媒する能力を備えた複合体200を提供する。追加の触媒フルオロポリマーフィルム又は複数の該フィルムを有する1つの実施形態において、さらなる中間フェルトバット及び/又はスクリムを各触媒フルオロポリマーフィルムの上流及び下流にそれぞれ提供して、触媒フルオロポリマーフィルムを分離し、フィルム間の循環のための空間を提供することができる。
【0049】
図3は、触媒フルオロポリマーフィルム302、該フルオロポリマーフィルムの上流に配置されたフェルトバット304及び該フェルトバットの上流に配置された保護膜306のみを含む代替の触媒複合体300を示す。ここで、保護膜306、フェルトバット304及びフルオロポリマーフィルム302の組み合わせは、図2を参照して上述した膜208、第一のフェルトバット204及びフルオロポリマーフィルム202とほぼ同様に動作する。流入する空気流314は保護膜306を通過し、それは粒子316の進入を少なくとも部分的に遮断する。次いで、流入する空気流314は、フェルトバット304、すなわち、フェルトバットの内部構造312を通して通過し、ここで、触媒フルオロポリマーフィルム302と相互作用し、通過し始めることができる。
【0050】
フルオロポリマーフィルム302は、フルオロポリマーフィルム102(図1)に関して上述したように穿孔されており、それにより、流入する空気流314の一部はフルオロポリマーフィルムの無傷部分308を通して通過し、別の、一般により大きな部分は穿孔310を通して通過する。穿孔318は、上記のように、ニードリング又はニードルパンチング操作によって形成することができる。2つの層、又は、幾つの例において、3つすべてのフルオロポリマーフィルム302、フェルトバット304及び保護膜306は、穿孔310を形成しかつ層を結合する単一の操作で、一緒にニードル加工又はニードルパンチング加工することができる。追加の結合手順、例えば、熱処理又は接着工程を使用して、層を一緒に取り付けることができる。
【0051】
図4は、触媒複合体のアセンブリのための例示的なプロセス400を記載し、図5は、触媒複合体アセンブリプロセス500の特定の実施形態を記載する。
【0052】
例えば、図4に示されるように、触媒複合体(触媒複合体100,200,300、図1~3など)は、PTFEステープル繊維フリース又は同様の層などのフェルトバットと触媒フルオロポリマーフィルムを一緒に積層することによってアセンブリ化して、層状アセンブリを形成することができる(行為402)。この第一のフェルトバットは、触媒フルオロポリマーフィルムの第一の上流側に積層される。追加の層、例えば、第一のフェルトバットの反対側の触媒フルオロポリマーフィルムの下流側に隣接して配置されたスクリム(行為404)、及び、該スクリムの下流側に隣接する第二のフェルトバット(行為406)を、第一のフェルトバット及びフルオロポリマーフィルムとともにアセンブリ化することができる。第一のフェルトバットの上流側に隣接して保護多孔質膜層をアセンブリに追加することができる(行為408)。アセンブリ化された層、又はアセンブリ化された層のサブセットは、ニードリング、ニードルパンチング又は両方の操作を含む穿孔工程を受けることができる(行為410)。アセンブリ化された層のサブセットのみが穿孔される場合には、ニードリング又はニードルパンチング工程(行為410)は、1つ以上の上記の積層工程の前に実施されることができ、例えば、第一のフェルトバットとのアセンブリの前にフルオロポリマーフィルムに対して、スクリムと積層する前にフルオロポリマーフィルム及び第一のフェルトバットの組み合わせに対して、追加の層を追加する前にフルオロポリマーフィルム、スクリム及び第一のフェルトバットの組み合わせに対して実施されることができる。ニードリング又はニードルパンチング工程は、層間の弱い接着を行うことができ、これは層同士を結合するのに単独で適していることがあり、又は、接着剤、コネクタ又は熱処理を使用して層を結合して触媒複合体を形成するのを補助することができる。例えば、アセンブリ化された層又はアセンブリ化された層のサブセットは、2つ以上の層を結合する連続又は不連続接着剤を含むことができる接着剤によってさらに互いに結合されうる(行為412)。アセンブリ化された層、又はアセンブリ化された層のサブセットは、少なくとも部分的に層を一緒に接着する熱処理によって一緒に結合されうる(行為414)。穿孔工程(行為410)と同様に、接着及び/又は熱処理工程(行為412,414)は、アセンブリの中間段階で、例えばスクリムを追加する(行為406)前、第二のフェルトバットを追加する(行為408)前又は多孔質保護膜を追加する(行為408)前に行うことができる。例えば、ニードリング又はニードルパンチング工程の前に、フルオロポリマーフィルム、スクリムならびに第一及び第二のフェルトバットを含む層状アセンブリを作成し、次いで、非穿孔保護膜層と層状化し、次いで、熱処理して触媒複合体を形成することができる。あるいは、保護膜層を含む上記の層のすべてを含む層状アセンブリを製造することができ、これは、続いてニードル加工又はニードルパンチング加工され、次いで、熱処理により硬化して、触媒複合体を形成し、又は、熱処理工程(行為414)は省略されてもよく、又は、接着工程(行為412)に置き換えられてもよい。
【0053】
特定の例示的なアセンブリ工程500を示す簡略化されたブロックダイアグラムは図5に示されている。1つの実施形態によれば、ステープル繊維502に対して第一のカーディング操作を行って、第一のフェルトバット又はフリース504を製造することができ、別のステープル繊維510に対して第二のカーディング操作を行って、第二のフェルトバット又はフリース512を製造することができる。これらのフェルトバット504,512は、触媒フルオロポリマーフィルム506及びスクリム508の両側に層を形成して、層状アセンブリを製造することができ、これは穿孔工程、例えば、ニードリングプロセス又はニードルパンチングプロセス514を受ける。この工程は、一緒に結合され、触媒フルオロポリマーフィルム506が穿孔されている触媒アセンブリをもたらす。
【0054】
アセンブリを290℃超で1~2分間加熱することによって層が硬化(固定)されるヒートセットプロセス516を使用して層をさらに結合することができる。ヒートセット温度は290℃~330℃の範囲で変化することができ、ヒートセット時間は1~2分の範囲で変化することができる。次いで、ヒートセット触媒複合体は、巻物518であることができ、又は、他の製造工程を受けることができる。層追加プロセス520は、層、例えば、保護膜(例えば、保護膜208(図2)又は306(図3))を触媒複合体に追加するために含まれることができる。ニードルパンチング/ニードリングプロセス514の後に追加の層又は膜を結合された層と組み合わせることができ、これにより、追加の層はニードリングを受けないが、なおも、ヒートセットプロセス516によりアセンブリに取り付けられる。あるいは、追加の層又は膜は、ニードリング又はニードルパンチプロセス514の前に、アセンブリ化された層に追加されることができ、したがって、同様に穿孔されることができる。
【0055】
別の実施形態において、図1を参照して上述したとおりのフルオロポリマーフィルム102(又はフィルム202、図2など)は、触媒材料で実質的に満たされ又は完全に満たされた適切な穿孔多孔質膜、すなわち、穿孔触媒多孔質膜で置き換えることができる。このような膜は、フルオロポリマー膜又はフィルム、あるいは、多孔性非フルオロポリマー膜を含む代替材料であることができ、そして、上記のとおりの任意の適切な触媒材料(例えば、触媒粒子)を吸収し、コーティングし、絡み合い、充填し又は別の方法で組み合わせることができる。適切な膜材料としては、限定するわけではないが、PTFE及びePTFEを含むフルオロポリマー、アラミド、ポリエステル及びポリフェニレンエステル(PPE)を挙げることができる。
【0056】
幾つかの実施形態において、触媒材料は、穿孔を導入する前に、多孔質膜の細孔中に吸収されうる。幾つかの代替実施形態において、触媒材料を膜の細孔に吸収させることに加えて又はその代わりに、触媒材料を多孔質膜の穿孔に導入(例えば、吸収)させることができる。様々な実施形態において、触媒材料は、多孔質膜の細孔内及び/又は多孔質膜の穿孔内に延在することができる。
【0057】
幾つかの実施形態において、多孔質膜は、フィブリル化微細構造、すなわちフィブリルを含む微細構造を有することができる。適切なフィブリル化微細構造は、例えば、米国特許第5,849,235号明細書に記載されており、これを、あらゆる目的のために参照により本明細書に取り込む。多孔質膜がフィブリルを含む微細構造を有する場合には、触媒材料は、膜の細孔に吸収されるか、微細構造のフィブリル内に絡み合うか、又はその両方であることができる。絡み合った触媒材料を有する実施形態において、触媒材料(触媒粒子であることができる)は、膜を穿孔する前にフィブリル微細構造内で絡み合う。この充填構造により、バインダが触媒材料を所定の位置に保持する必要がなくなり、多孔質膜の細孔又は穿孔を介して、触媒材料が汚染物質にアクセスできるようになる。他の適切な微細構造は、例えば、米国特許第7,572,502号、米国特許第7,118,801号、米国特許第5,891,402号、米国特許第4,096,227号、米国特許第3,953,566号及び米国特許出願公開第2015/0315352 A1号明細書に記載されている。
【0058】
本発明は、これまで、明確化及び理解の目的で詳細に記載されてきた。しかしながら、当業者は、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることを理解するであろう。
【0059】
上述の記載において、説明の目的で、本開示の様々な実施形態の理解を提供するために多数の詳細が示されてきた。しかしながら、特定の実施形態は、これらの詳細の一部なしで、又は追加の詳細を用いて実施されうることが当業者に明らかであろう。さらに、1つの実施形態を参照して記載されるとおりの特定の材料及び材料特性(例えば、材料密度、多孔度、厚さ、代替材料など)は、明示的に禁忌がある場合を除き、他の実施形態で記載される材料を組み合わせるか、又は、代わりに使用することができる。
【0060】
幾つかの実施形態を開示してきたが、実施形態の主旨から逸脱することなく、様々な修正、代替構造及び均等形態を使用できることが当業者に理解されるであろう。さらに、本開示を不必要に不明瞭にすることを回避するために、幾つかの周知のプロセス及び要素は記載されていない。したがって、上記の記載は本開示又は特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0061】
値の範囲が提供される場合に、文脈が明確に他のことを指示しない限り、その範囲の上限と下限の間の各介在値が、下限の単位の最小部分まで具体的に開示されるものと理解される。任意の記載された値又は記載された範囲内の記載されていない介在値及びその記載された範囲内の他の記載された値又は介在する値の間のより狭い範囲は包含される。それらのより小さな範囲の上限と下限は、独立して、その範囲に含まれ又は除外されることができ、いずれかの限度がより小さな範囲に含まれ、両方の限度がより小さな範囲に含まれず、又は両方の限度がより小さな範囲に含まれる各範囲も本開示内に含まれ、記載された範囲内の具体的に除外された限度を受ける。記載された範囲が1つ又は両方の限度を含む場合に、含まれた限度のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0062】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるときに、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。また、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含む(contain)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、「含む(including)」及び「含む(includes)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用されるときに、記載されている特徴部、整数、構成要素又は工程の存在を特定することを意図しているが、1つ以上の他の特徴部、整数、構成要素、工程、行為又は群の存在又は追加を排除するものではない。
【0063】
以下では、本開示の理解を容易にするために、さらなる態様例を記載する。
【0064】
E1.触媒複合体は、第一の上流側及び第二の下流側を有する多孔質触媒フルオロポリマーフィルムを含む触媒層状アセンブリを含むことができ、そして1つ以上のフェルトバットは、該多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの上流側に隣接して配置されて触媒複合体を形成する少なくとも第一のフェルトバットを含み、該多孔質触媒フルオロポリマーフィルムは穿孔されている。
【0065】
E2.1つ以上のフェルトバットはPTFEステープル繊維から形成されたフリースから形成されている、先行の例に記載の複合体。
【0066】
E3.前記層状アセンブリはニードルパンチングプロセスによって形成された複数の穿孔によって互いに結合されている、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0067】
E4.前記多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの下流側に配置されたスクリムをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0068】
E5.前記1つ以上のフェルトバットは、前記多孔質触媒フルオロポリマー層の下流に配置された第二のフェルトバットをさらに含む、E4記載の複合体。
【0069】
E6.前記第一のフェルトバットは前記多孔質触媒フルオロポリマーフィルムに直接隣接して配置され、そして前記第二のフェルトバットは前記スクリムの下流側に直接隣接して配置される、E5記載の複合体。
【0070】
E7.粒子の侵入を遮断するために、前記第一のフェルトバットの上流側に配置された多孔質保護層をさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0071】
E8.前記多孔性保護層は低ドラッグePTFE膜である、E7記載の複合体。
【0072】
E9.前記多孔質保護層は多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)層である、E7記載の複合体。
【0073】
E10.前記多孔質保護層は、124.5Paにおいて0.6~16.0m/分の範囲の通気度により規定される多孔度を有する、E7~9のいずれか1項記載の複合体。
【0074】
E11.前記多孔質触媒フルオロポリマーフィルムは0.3~6.5mmのパンチ直径に対応する直径でパンチングすることによって穿孔される、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0075】
E12.前記多孔質触媒フルオロポリマーフィルムは0.1~3.0mmのニードル直径に対応する直径でニードリングによって穿孔される、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0076】
E13.前記1つ以上のフェルトバットはフルオロポリマーを含む、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0077】
E14.前記フルオロポリマーフィルムは延伸フルオロポリマーフィルムである、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0078】
E15.前記フルオロポリマーフィルムは延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)フィルムである、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0079】
E16.前記多孔質触媒フルオロポリマーフィルムは第一の多孔質触媒フルオロポリマーフィルムであり、第一の多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの下流に積層された第二の多孔質触媒フルオロポリマーフィルムをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0080】
E17.前記フルオロポリマーフィルムはePTFEマトリックス中に懸濁された触媒粒子を含む、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0081】
E18.前記1つ以上のフェルトバットのそれぞれはフルオロポリマーから形成されている、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0082】
E19.前記1つ以上のフェルトバットのそれぞれはPTFEステープル繊維から形成されたPTFEフェルトフリースから形成されている、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0083】
E20.前記1つ以上のフェルトバットのそれぞれは、200グラム/平方メートル~450グラム/平方メートルの密度を有するフルオロポリマーを含む、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0084】
E21.前記フルオロポリマーフィルムは少なくとも0.2%の開口面積率を有する穿孔パターンで穿孔されている、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0085】
E22.前記複合体は124.5Paにおいて少なくとも0.6m/分の流量に相当する通気性を有する、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0086】
E23.前記複合体は124.5Paにおいて0.6~21.3m/分の範囲の流量に相当する通気度を有する、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0087】
E24.前記複合体は少なくとも150℃の温度への連続的な暴露に耐えることができる、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0088】
E25.前記多孔質膜はフィブリルを含む微細構造を有する、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0089】
E26.前記触媒材料は微細構造のフィブリルと絡み合っている、先行の例の複合体。
【0090】
E27.前記触媒材料は多孔質膜の細孔内に延在している、先行の例のいずれか1項記載の複合体。
【0091】
E28.先行の例のいずれか1項記載の複合体を含んでなるフィルタ。
【0092】
E29.穿孔多孔質ポリマー膜の内部に触媒材料を含んでなる触媒物品。
【0093】
E30.前記穿孔多孔質膜はフィブリルを含む微細構造を有する、先行の例の触媒物品。
【0094】
E31.前記触媒材料は前記微細構造のフィブリルと絡み合っている、先行の例の触媒物品。
【0095】
E32.前記触媒材料は前記多孔質膜の細孔内に延在している、先行の例のいずれか1項記載の触媒物品。
【0096】
E33.前記触媒材料は前記多孔質膜の細孔内に吸収されている、先行の例のいずれか1項記載の触媒物品。
【0097】
E34.前記触媒材料は前記多孔質膜の穿孔内に吸収されている、先行の例のいずれか1項記載の触媒物品。
【0098】
E35.多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの第一の側に第一のフェルトバットを積層することにより触媒層状アセンブリを形成し、該多孔質触媒フルオロポリマーフィルムと該第一のフェルトバットとを結合して多層化複合体を形成し、そして該多層化複合体が124.5Paにおいて少なくとも0.6m/分の最小通気度を有するように該フルオロポリマーフィルムを穿孔することを含んでなる、触媒複合体を形成する方法。
【0099】
E36.前記第一の側とは反対側の前記多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの第二の側で触媒層状アセンブリにスクリムを追加することをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の方法。
【0100】
E37.前記スクリムに隣接し、前記多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの反対側に層状アセンブリに第二のフェルトバットを追加することをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の方法。
【0101】
E38.前記第一のフェルトバットに隣接し、前記多孔質触媒フルオロポリマーフィルムの反対側で層状アセンブリに多孔質保護膜を追加することをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の方法。
【0102】
E39.前記触媒層状アセンブリを接着剤により一緒に結合することをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の方法。
【0103】
E40.290℃~330℃の範囲の温度で少なくとも1分間多層化複合体を熱処理することをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の方法。
【0104】
E41.260℃で2時間保持した後に測定された非拘束収縮が横断方向及び機械方向の両方で2%未満になるまで多層化複合体を熱処理することにより多層化複合体をヒートセットすることをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の方法。
【0105】
E42.前記フルオロポリマーフィルムを穿孔することは、少なくとも0.2%の開口面積率まで穿孔パターンをフルオロポリマーフィルムにニードルパンチングすることをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の方法。
【0106】
E43.前記フルオロポリマーフィルムを穿孔することは、少なくとも0.2%の開口面積率まで穿孔パターンを多層化複合体にニードルパンチングすることをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の方法。
【0107】
E44.前記フルオロポリマーフィルムを穿孔することは、少なくとも0.2%の開口面積率まで穿孔パターンをフルオロポリマーフィルムにニードリングすることをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の方法。
【0108】
E45.前記フルオロポリマーフィルムを穿孔することは、少なくとも0.2%の開口面積率まで穿孔パターンを多層化複合体にニードリングすることをさらに含む、先行の例のいずれか1項記載の方法。
【0109】
E46.多孔質触媒フルオロポリマーフィルムと、該フルオロポリマーフィルムに隣接配置された少なくとも1つのフェルトバットとを含む触媒層状アセンブリを含んでなる触媒フィルタであって、該フルオロポリマーフィルムは穿孔されている触媒フィルタを提供し、該触媒フィルタを、流体流れにおいて、該流体流れの流動方向に対して該フルオロポリマーフィルムの上流にスクリムが配向されるように配置し、そして該流体流れを、該触媒フィルタを通して通過させることを含んでなる、流体をろ過する方法。
図1
図2
図3
図4
図5