(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】通信監視装置、通信監視装置の制御方法、及び通信監視装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 24/08 20090101AFI20231109BHJP
【FI】
H04W24/08
(21)【出願番号】P 2022141313
(22)【出願日】2022-09-06
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】井上 翔太
(72)【発明者】
【氏名】堀内 崇
(72)【発明者】
【氏名】富澤 涼
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊之
(72)【発明者】
【氏名】毛 福佳
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-207241(JP,A)
【文献】特開2017-16632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04L 43/00
H04B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセスネットワークに生じた異常の原因を特定する通信監視装置であって、
実測された前記無線アクセスネットワークの通信品質を示す品質データを時系列で取得する取得部と、
前記取得部が取得した時系列の品質データを用いて、所定期間にわたる品質データを予測する予測部と、
第1期間における時系列の品質データを、前記取得部が取得した前記第1期間以前の時系列の品質データを用いて前記予測部が予測した第1予測データと、前記取得部が取得した前記第1期間における時系列の品質データである第1実測データとの乖離度に応じて、前記無線アクセスネットワークの異常を判定する判定部と、
前記判定部によって異常と判定された場合、前記取得部が取得した、前記第1期間を少なくとも含む第2期間における時系列の品質データと、前記第2期間において前記無線アクセスネットワーク内で生じた事象との関連度を求め、当該関連度が所定の条件を満たす事象を、前記異常の原因として特定する特定部と、
を備える、通信監視装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記第1予測データと前記第1実測データとの乖離度が所定の閾値を超える場合、または、前記第1予測データと前記第1実測データとの間に有意差がある場合に、前記無線アクセスネットワークを異常であると判定する、
請求項1に記載の通信監視装置。
【請求項3】
前記予測部は、前記第1期間以降の将来の品質データをさらに予測し、
前記判定部は、前記将来の品質データが劣化傾向にあることを示す場合、前記無線アクセスネットワークを異常であると判定する、
請求項1に記載の通信監視装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記事象として、前記無線アクセスネットワークを構成する基地局を含む通信設備で実行された処理に関するログデータ、及び、前記無線アクセスネットワーク内の通信端末で実行された処理に関するログデータに含まれるログの少なくともいずれかを用いて、前記関連度を求める、
請求項1に記載の通信監視装置。
【請求項5】
前記特定部によって特定された異常の原因としての事象に関する情報を通知する通知部をさらに備える、
請求項1に記載の通信監視装置。
【請求項6】
前記予測部は、前記所定期間にわたる品質データの予測に、時系列のデータに対する所定の分析モデルを適用するものであって、前記分析モデルに用いる複数のパラメータについて、当該複数のパラメータの組み合わせを変更した複数種類の前記分析モデルによって予測した前記第1予測データと、前記第1実測データとの乖離度を求め、前記乖離度が最も小さいパラメータの組み合わせを前記分析モデルに用いて、前記第1期間以降の将来の品質データを予測する、
請求項3に記載の通信監視装置。
【請求項7】
前記無線アクセスネットワークは、当該無線アクセスネットワークによって実現される無線通信サービスの提供地域、前記無線通信サービスを提供する事業者、前記無線アクセスネットワークで使用される周波数帯域、前記通信設備の提供元の少なくともいずれかに関する属性を有し、
前記属性の選択をユーザから受け付ける受付部をさらに備え、
前記ユーザによって選択された属性を有する無線アクセスネットワークについて、前記異常の判定処理が行われる、
請求項4に記載の通信監視装置。
【請求項8】
無線アクセスネットワークに生じた異常の原因を特定する通信監視装置の制御方法であって、
コンピュータが、
実測された前記無線アクセスネットワークの通信品質を示す品質データを時系列で取得するステップと、
前記取得するステップで取得した時系列の品質データを用いて、所定期間にわたる品質データを予測するステップと、
第1期間における時系列の品質データを、前記取得するステップで取得した前記第1期間以前の時系列の品質データを用いて前記予測するステップで予測した第1予測データと、前記取得するステップで取得した前記第1期間における時系列の品質データである第1実測データとに応じて、前記無線アクセスネットワークの異常を判定するステップと、
前記判定するステップによって異常と判定された場合、前記取得するステップで取得した、前記第1期間を少なくとも含む第2期間における時系列の品質データと、前記第2期間において前記無線アクセスネットワーク内で生じた事象との関連度を求め、当該関連度が所定の条件を満たす事象を、前記異常の原因として特定するステップと、
を実行する、通信監視装置の制御方法。
【請求項9】
無線アクセスネットワークに生じた異常の原因を特定する通信監視装置の制御プログラムであって、
コンピュータに、
実測された前記無線アクセスネットワークの通信品質を示す品質データを時系列で取得する取得機能と、
前記取得機能が取得した時系列の品質データを用いて、所定期間にわたる品質データを予測する予測機能と、
第1期間における時系列の品質データを、前記取得機能が取得した前記第1期間以前の時系列の品質データを用いて前記予測機能が予測した第1予測データと、前記取得機能が取得した前記第1期間における時系列の品質データである第1実測データとに応じて、前記無線アクセスネットワークの異常を判定する機能と、
前記判定する機能によって異常と判定された場合、前記取得機能が取得した、前記第1期間を少なくとも含む第2期間における時系列の品質データと、前記第2期間において前記無線アクセスネットワーク内で生じた事象との関連度を求め、当該関連度が所定の条件を満たす事象を、前記異常の原因として特定する機能と、
を実現させる、通信監視装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信監視装置、通信監視装置の制御方法、及び通信監視装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを流れるトラフィックを監視するにあたり、ネットワーク全体のトラフィックを大局的に分析できるとした管理装置等が開示されている(例えば、特許文献1)。また、近年のクラウドシステムや仮想計算機の進展に伴う、アプリケーションの性能劣化による障害、及び、アプリケーションのバージョンアップデートに含まれるソースコードのバグによる障害といった異常の検出に、データフローの組を相関分析することが開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-207241号公報
【文献】国際公開番号2017/163352号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2に記載の技術では、通信ネットワークにおける異常の検出についての開示はあるものの、その原因を特定することまでは開示されていない。したがって、異常を検知しつつ、その原因を特定できる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る、無線アクセスネットワークに生じた異常の原因を特定する通信監視装置は、実測された無線アクセスネットワークの通信品質を示す品質データを時系列で取得する取得部と、取得部が取得した時系列の品質データを用いて、所定期間にわたる品質データを予測する予測部と、第1期間における時系列の品質データを、取得部が取得した第1期間以前の時系列の品質データを用いて予測部が予測した第1予測データと、取得部が取得した第1期間における時系列の品質データである第1実測データとの乖離度に応じて、無線アクセスネットワークの異常を判定する判定部と、判定部によって異常と判定された場合、取得部が取得した、第1期間を少なくとも含む第2期間における時系列の品質データと、第2期間において無線アクセスネットワーク内で生じた事象との関連度を求め、当該関連度が所定の条件を満たす事象を、異常の原因として特定する特定部と、を備える。
【0006】
本開示の一実施形態に係る通信監視装置において、判定部は、第1予測データと第1実測データとの乖離度が所定の閾値を超える場合、または、第1予測データと第1実測データとの間に有意差がある場合に、無線アクセスネットワークを異常であると判定してよい。
【0007】
本開示の一実施形態に係る通信監視装置において、予測部は、第1期間以降の将来の品質データをさらに予測し、判定部は、将来の品質データが劣化傾向にあることを示す場合、無線アクセスネットワークを異常であると判定してよい。
【0008】
本開示の一実施形態に係る通信監視装置において、特定部は、事象として、無線アクセスネットワークを構成する基地局を含む通信設備で実行された処理に関するログデータ、及び、無線アクセスネットワーク内の通信端末で実行された処理に関するログデータに含まれるログの少なくともいずれかを用いて、関連度を求めてよい。
【0009】
本開示の一実施形態に係る通信監視装置において、特定部によって特定された異常の原因としての事象に関する情報を通知する通知部をさらに備えてよい。
【0010】
本開示の一実施形態に係る通信監視装置において、予測部は、所定期間にわたる品質データの予測に、時系列のデータに対する所定の分析モデルを適用するものであって、分析モデルに用いる複数のパラメータについて、当該複数のパラメータの組み合わせを変更した複数種類の分析モデルによって予測した第1予測データと、第1実測データとの乖離度を求め、乖離度が最も小さいパラメータの組み合わせを分析モデルに用いて、第1期間以降の将来の品質データを予測してよい。
【0011】
本開示の一実施形態に係る通信監視装置において、無線アクセスネットワークは、当該無線アクセスネットワークによって実現される無線通信サービスの提供地域、無線通信サービスを提供する事業者、無線アクセスネットワークで使用される周波数帯域、通信設備の提供元の少なくともいずれかに関する属性を有し、属性の選択をユーザから受け付ける受付部をさらに備え、ユーザによって選択された属性を有する無線アクセスネットワークについて、異常の判定処理が行われてよい。
【0012】
本開示の一実施形態に係る、無線アクセスネットワークに生じた異常の原因を特定する通信監視装置の制御方法は、コンピュータが、実測された無線アクセスネットワークの通信品質を示す品質データを時系列で取得するステップと、取得するステップで取得した時系列の品質データを用いて、所定期間にわたる品質データを予測するステップと、第1期間における時系列の品質データを、取得するステップで取得した第1期間以前の時系列の品質データを用いて予測するステップで予測した第1予測データと、取得するステップで取得した第1期間における時系列の品質データである第1実測データとに応じて、無線アクセスネットワークの異常を判定するステップと、判定するステップによって異常と判定された場合、取得するステップで取得した、第1期間を少なくとも含む第2期間における時系列の品質データと、第2期間において無線アクセスネットワーク内で生じた事象との関連度を求め、当該関連度が所定の条件を満たす事象を、異常の原因として特定するステップと、を実行する。
【0013】
本開示の一実施形態に係る、無線アクセスネットワークに生じた異常の原因を特定する通信監視装置の制御プログラムは、コンピュータに、実測された無線アクセスネットワークの通信品質を示す品質データを時系列で取得する取得機能と、取得機能が取得した時系列の品質データを用いて、所定期間にわたる品質データを予測する予測機能と、第1期間における時系列の品質データを、取得機能が取得した第1期間以前の時系列の品質データを用いて予測機能が予測した第1予測データと、取得機能が取得した第1期間における時系列の品質データである第1実測データとに応じて、無線アクセスネットワークの異常を判定する機能と、判定する機能によって異常と判定された場合、取得機能が取得した、第1期間を少なくとも含む第2期間における時系列の品質データと、第2期間において無線アクセスネットワーク内で生じた事象との関連度を求め、当該関連度が所定の条件を満たす事象を、異常の原因として特定する機能と、を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信監視システムの構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る通信監視装置の構成図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る通信監視装置による処理を示すフローチャートの一例である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る品質データの一例である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る通信監視装置による予測を説明する図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る事象データの一例である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る通信監視装置による予測を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以降、図を用いて、本開示に係る発明(本発明ともいう)の一実施形態を説明する。なお、図は一例であって、本発明は図に示すものに限定されない。例えば、図示した通信監視装置(サーバ)、基地局、通信端末の数、データセット(テーブル)、フローチャートは一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】
図1は、一実施形態に係る通信監視システムの構成を示す概略図である。通信監視システム500は、通信端末300に対して無線通信サービスを提供する、基地局200を含む無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)400を、通信監視装置100が監視・管理する情報処理システムであってよい。無線アクセスネットワーク400は、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、LTE(long term evolution)、LTE-Advanced、第4世代通信(4G)、第5世代通信(5G)、及び第6世代通信(6G)以降の移動体通信システムの少なくともいずれかを含んでよい。なお、無線アクセスネットワーク400は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)、衛星通信網、専用網等であってもよい。また、無線アクセスネットワーク400は、これらの組み合わせであってもよい。
【0017】
通信監視装置100は、無線アクセスネットワーク400の監視に係る種々の処理を実行することができる情報処理装置であればどのような装置であってもよく、例えば、サーバであってよい。なお、
図1において、通信監視装置100は1つのみ示してあるが、これに限られるものではない。すなわち、これ以降に通信監視装置100が備えるとして説明する各機能は、複数のサーバによって実現されてもよい。また、通信監視装置100は、例えば、ネットワークを介して通信を行うことで協調動作する分散型サーバシステムでもよく、いわゆるクラウドサーバでもよい。すなわち、通信監視装置100は、物理的なサーバに限らず、ソフトウェアによる仮想的なサーバも含まれてよい。
【0018】
基地局200及び通信端末300は、上述したLTE、LTE-Advanced、3G、4G、5G及び6G以降の移動体通信システムのいずれかに準拠していてよい。
【0019】
通信端末300は、無線アクセスネットワーク400によって提供される種々の無線通信サービスを利用できてよい。無線通信サービスとしては、インターネットサービス、VoLTE(Voice over LTE)、ViLTE(Video over LTE)、VoNR(Voice over New Radio)等を含んでよい。なお、通信端末300としては、
図1に示すスマートフォン以外にも、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(例えば、タブレット端末、デスクトップパソコン、ノートパソコン)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)であってよい。
【0020】
次に、
図2を用いて、本発明の一実施形態に係る通信監視装置100のハードウェア構成、機能構成について説明する。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態に係る通信監視装置100の構成図である。通信監視装置100は、ハードウェア構成として、制御部110と、通信部120と、入出力部130と、記憶部170とを備えてよい。なお、通信監視装置100は、図示しないが、一般的なサーバが備える構成を適宜備えてもよい。
【0022】
制御部110は、典型的にはプロセッサであって、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等であってよい。制御部110は、記憶部170に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムに含まれるコード又は命令を実行することによって、各実施形態に示す機能、方法を実行してよい。
【0023】
記憶部170は、通信監視装置100が動作するうえで必要とする各種プログラムや、各種データを記憶(格納)する。例えば、詳細は後述するが、記憶部170は、品質データ、事象データを記憶してよい。記憶部170は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含んでよい。また、記憶部170は、制御部110に対する作業領域を提供するメモリを含んでよい。
【0024】
通信部120は、NIC(Network Interface Card)等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部120は、通信監視装置100と他の装置との間で情報の送受信を行ってよく、例えば、図示しない他のサーバや記憶装置から、ネットワークの監視に必要なデータを受信したり、図示しない管理者の端末に、ネットワークの監視に関するデータを送信したりしてよい。
【0025】
次に、通信監視装置100の機能構成について説明する。通信監視装置100は、制御部110によって実現される機能として、取得部111、予測部112、判定部113、特定部114、受付部115、及び通知部116を備えてよい。なお、
図2において、これ以降に説明する各実施形態で必須でない機能部はなくともよい。また、各機能部の機能又は処理は、実現可能な範囲において、機械学習又はAIにより実現されてもよい。
【0026】
以降、本発明の一実施形態について、通信監視装置100の各機能部の処理とともに、
図3~6を用いて説明する。
【0027】
図3は、一実施形態に係る通信監視装置100による処理を示すフローチャートの一例である。まず、取得部111は、実測された無線アクセスネットワーク400の品質を示す品質データを時系列で取得する(ステップS11)。ここで、品質を示す品質データとは、通信の安定性や信頼性といった品質を指標化したKPI(Key Performance Indicator:主要性能指標)に関するデータであってよい。無線アクセスネットワーク400の品質を示すKPIは、基地局200が取得可能なネットワークKPIであってよく、その種類は数百から数千存在する。ネットワークKPIの例としては、ダウンリンク・アップリンクのスループット、ダウンリンク・アップリンクの遅延、VoLTEの異常切断率、VoLTEの接続成功率、及びPRB(Physical Resource Block)の利用率、IMS(IP Multimedia Subsystem)登録成功率等であってよい。なお、ここでは、KPIとしてVoLTEの接続成功率を例に説明するが、本発明が利用するKPIはこれに限定されない。
【0028】
基地局200が取得した品質データは、基地局200から所定の間隔(例えば、15分毎、1時間毎、1日毎等)で送信され、所定の記憶装置(品質データ記憶部171)に格納されてよい。
図4に、品質データ記憶部171に記憶された品質データの一例を示す。なお、図は一例であって、記憶される品質データとしては、これ以上でもこれ以下であってもよい。
図4に示すように、品質データテーブルTB10には、当該品質データが測定された日時情報、測定された基地局、測定されたKPIに関する情報(
図4の場合、VoLTEの接続成功率)が少なくとも記憶されてよい。すなわち、取得部111は、無線アクセスネットワーク400を構成する基地局200と、無線アクセスネットワーク400と接続する通信端末300との間の通信品質に関するデータ、及び、無線アクセスネットワーク400を介した、通信端末300と不図示のコアネットワークとの間の通信品質に関するデータを、品質データとして取得してよい。取得部111は、品質データを基地局200からSNMP(Simple Network Management Protocol)のような既知の通信プロトコルを用いて、直接的または間接的に取得してよい。また、取得部111は、SSH(Secure SHell)またはTelnetなどの既知のプロトコルを用いて、基地局200に対して所定のコマンドを発行し、そのレスポンスを取得することで直接的または間接的に品質データを取得してよい。間接的とは、例えば、品質データの収集を行う不図示の品質情報収集装置が基地局200から品質データを収集し、取得部111は、品質データを品質情報収集装置から取得する方法であってよい。
【0029】
ここで、VoLTEの接続成功率とは、所定の時間内に一の基地局200に接続する通信端末300から発信されたVoLTE呼接続要求の数と、その接続要求への応答としてIMSが送信した信号の内、SIP(Session Initiation Protocol)ステータスコードが所定のステータスコードであった信号の数とを用いて算出した値であってよい。SIPは既知の技術であるため、詳細な説明は割愛するが、ステータスコードは、例えば、200であれば接続成功、486であれば通話中を示す。
【0030】
上述したVoLTE接続成功率の算出処理は、通信監視装置100、基地局200、不図示の品質情報収集装置のいずれで行われてもよい。通信監視装置100または、不図示の品質情報収集装置は、呼接続要求の数、応答信号に含まれる各ステータスコードの数を既知のプロトコルを用いて、基地局200から取得してよい。また、通信監視装置100または、不図示の品質情報収集装置は、基地局200が送受信するパケットをキャプチャし、内容を解析することで、呼接続要求の数、応答信号に含まれる各ステータスコードの数を取得してよい。また、VoLTEの異常切断率についても、同様の手法で異常切断を示すステータスコードの割合を算出してよい。上述したKPIの算出方法および取得方法は一例であり、方法はこれに限定されるものではなく、扱うKPIの種類ごとに適切な方法を選択しうる。
【0031】
図3を参照し、予測部112は、取得部111が取得した時系列の品質データを用いて、所定期間にわたる品質データを予測してよい(ステップS12)。この、本発明の一実施形態にかかる予測処理について、
図5を用いて説明する。なお、予測処理は、無線アクセスネットワークの通信品質における劣化を検知するために行われる処理であって、基地局ごとに行われてよい。
【0032】
図5は、KPIの時系列の変化を示すグラフの一例である。なお、予測部112は、予測処理にあたり、例えば15分毎に取得された品質データを、平均値を算出する等によって一日単位のデータに変換してよい。ここでは、予測処理に用いる品質データが一日単位である場合について説明するが、本発明はこれに限定されず、半日毎、3時間毎、2日毎のように任意の間隔であってよい。
【0033】
図5において、日付「d10」が現在の日付であって、検知処理日であるとする。ここで、「検知処理日」とは、予測処理を実行する日を指してよい。予測部112は、検知処理日「d10」に、第1期間T10における時系列の品質データである第1予測データ20を、取得部111が取得した時系列の品質データ10のうち、第1期間T10以前の期間T11における時系列の品質データを用いて予測してよい。なお、第1予測データ20の予測処理は、現在の日付(検知処理日「d10」)に行われる必要はなく、第1予測データ20の算出に要する期間の品質データ(
図5では、例えば期間T11における時系列の品質データ)が取得された後であれば、どのタイミングで行われてもよい。なお、これに限定されるものではないが、第1期間T10における品質データの予測に用いる期間T11(d07~d09)は、半年間であってよく、予測する第1期間T10(d09~d10)は、一か月間であってよい。ここで、予測には、既存の時系列分析の手法を用いてよく、例えば、AR(AutoRegressive:自己回帰)モデル、MA(Moving Average:移動平均)モデル、ARIMA(AutoRegressive Integrated Moving Average)モデル、SARIMA(Seasonal AutoRegressive Integrated Moving Average)モデル、ARCH(AutoRegressive Conditional Heteroscedasticity)モデル、GARCH(Generalized AutoRegressive Conditional Heteroscedasticity)モデル、状態空間モデル等が用いられてよい。
【0034】
判定部113は、上述した第1予測データ20と、取得部111が取得した品質データ10のうち、第1期間T10における時系列の品質データである第1実測データとの乖離度に応じて、無線アクセスネットワークの異常を判定してよい(ステップS13)。乖離度の判定としては、既存の統計的検定の手法を用いて、予測値と実測値との間に有意差があるか否かを判定することで行われてよい。または、予測値と実績値の差分比較には、任意の検定手法を用いてよい。具体的には、例えば、ウィルコクソン(wilcoxon)の符号付き順位和検定、マン・ホイットニー(Man-Whitney)のU検定、Z検定、T検定であってよい。また、例えば、予測値と実測値との差異が所定の閾値を超えた日が所定数以上存在すること等であってよいが、これらに限定されない。
【0035】
判定部113による判定の結果、無線アクセスネットワークに異常があると判定されない場合(ステップS14でNO)、処理を終了してよい。判定部113による判定の結果、無線アクセスネットワークに異常があると判定された場合(ステップS14でYES)、特定部114は、第1期間T10を少なくとも含む第2期間(図示せず)における時系列の品質データと、第2期間において無線アクセスネットワーク内で生じた事象との関連度を求め、無線アクセスネットワーク内で生じた事象のうち、当該関連度が所定の条件を満たす事象を、異常の原因として特定してよい(ステップS15)。「無線アクセスネットワーク内で生じた事象」とは、無線アクセスネットワーク400を構築する、基地局200のほか、図示しない伝送線、アンテナ設備、回線制御装置といった機器のほか、図示しないコアネットワーク内で発生したイベントであって、例えば、それら機器のファームウェアのアップデート、メンテナンス作業、交換作業等であってよい。また、無線アクセスネットワーク内で生じた事象には、通信端末300のOS(Operating System:オペレーティングシステム)のアップデートが含まれてよい。なお、関連度を求める第2期間は、第1期間と同一であってもよい。
【0036】
上述のような、無線アクセスネットワーク400に対して行われる作業は、ネットワークへの接続率の低下や、音声通話の途切れといった、無線通信サービスの品質を劣化させる原因となり得る。このため、電気通信事業者は無線アクセスネットワーク400の品質を監視し、品質が劣化する傾向が検知されると、その原因を特定することが求められる。ここで、5G以降の無線アクセスネットワークでは、制御部として機能するCU(Central Unit)及びDU(Distributed Unit)を仮想化するvRAN(virtual RAN)が進められている。仮想化では、更新するアプリケーションの数が増加するため、今後5Gに準拠した基地局200の設置規模が拡大するにつれアップデートの頻度も増し、無線アクセスネットワーク400の監視対象が膨大になることが考えられる。これに対し、本発明の一実施形態によれば、無線アクセスネットワークにおける品質の劣化の原因を、上述のようなソフトウェアアップデートなどの無線アクセスネットワーク内で生じた事象から特定することが可能となる。
【0037】
なお、無線アクセスネットワーク400内で生じた事象は、事象データ記憶部172に記憶されてよい。
図6に、事象データテーブルの一例を示す。事象データは、例えば、基地局装置の状態(ソフトウェアバージョン、基地局装置に設定されている設定値、基地局装置のステータスなど)を示す情報の変化、基地局装置に対して所定の作業(
図6の例では、ソフトウェアバージョンの更新)が行われた回数(すなわち、更新が行われた基地局の台数)、基地局装置に接続する端末の状態(ソフトウェアバージョンごとの割合、端末種別ごとの割合など)を示す情報の変化であってよい。事象データは、ネットワークを介して接続される不図示の外部システムから取得できてよい。具体的には、例えば、基地局装置に対して所定の作業が行われた回数であれば、作業ログを管理するシステムのデータベースから取得されてよい。
【0038】
特定部114は、上述した関連度を、品質データと事象データとの相関をとることによって算出してよい。品質データと事象データとの相関とは、品質データと、その品質データを取得した日時における事象データの値とを対応付けた場合に、それら2つのデータの時系列に沿った相関を意味し、既知の手法によって算出された相関係数が、所定の閾値を超過するか否かに基づいて判定されてよい。相関係数は、例えば、ピアソンの積率相関係数、ケンドールの順位相関係数、スピアマンの順位相関係数などが用いられてよい。相関係数については既知であるため詳細は省略するが、一般に-1~0~1の範囲で表され、0でない場合は相関があることを示す。また、0から離れるほど強い相関があることを示す。所定の閾値は、固定の値(例えば、強い相関があることを示す絶対値0.8以上など)が用いられてもよいし、品質データと事象データとの組み合わせごとに異なる値が設定されてもよい。すなわち、特定部114は、関連度を示す相関係数が所定の閾値を超過することを所定の条件として、異常の原因を特定してよい。
【0039】
なお、特定部114は、事象として、無線アクセスネットワーク400を構成する基地局200を含む通信設備で実行された処理に関するログデータ、及び、無線アクセスネットワーク400に接続する通信端末300で実行された処理に関するログデータの少なくともいずれかを用いて、関連度を求めてよい。
【0040】
このように、本発明の一実施形態によれば、通信品質の劣化を検知し、その原因を、無線アクセスネットワーク内で生じた事象から特定することが可能となる。なお、品質の劣化の判定は、過去に予測された品質データの予測値と実測値との乖離度に加え、将来の品質データの予測値が劣化傾向にあるか否かにも基づいて行われる。したがって、より精度の高い判定が可能となる。
【0041】
通知部116は、特定部114によって特定された、異常の原因としての事象に関する情報を、無線アクセスネットワーク400の管理者(無線通信サービス事業者)に通知してよい。これにより、管理者は、異常の発生に対して迅速に対応することが可能となる。
【0042】
なお、無線アクセスネットワーク400によって実現される無線通信サービスの提供地域、無線通信サービスを提供する事業者、無線アクセスネットワーク400で使用される周波数帯域、通信設備の提供元(ベンダー)の少なくともいずれかに関する属性が、無線アクセスネットワーク400ごとに関連付けられて管理されてよい。受付部115は、ユーザ(管理者)から、それらの属性の選択を受け付け、上述した異常の判定が、ユーザによって選択された属性を有する無線アクセスネットワーク400について行われてよい。
【0043】
無線アクセスネットワーク400を構成する機器のベンダー(メーカー等の提供元)は複数存在してよく、基地局200によってベンダーが異なる場合がある。また、5G以降、Open RANの推進により、基地局を構成する機器間のインタフェースがオープンな規格とされ、異なるベンダーの機器の組み合わせによる基地局が広がると考えらえる。上述したアプリケーションやファームウェアの更新は、ベンダーによってタイミングが異なるため、更新を行うベンダーが提供する機器を含む無線アクセスネットワーク400についてのみ、異常の判定処理が行われてよい。同様に、無線通信サービスの提供地域(すなわち、基地局200の設置地域)や、周波数帯域ごとに、異常の判定処理が行われてよい。これにより、様々な粒度で異常検知を行うことができる。
【0044】
また、予測部112は、検知処理日「d10」に、検知処理日までの時系列の品質データ10のうち、期間T31(d08~d10)にわたる時系列の品質データを用いて、第1期間T10以降の将来の期間T30(d10~d11)にわたる品質データ31または32を予測してよい。なお、これに限定されるものではないが、将来の期間T30における品質データの予測に用いる期間T31(d07~d09)は、半年間であってよく、予測する期間T30(d10~d11)は、一か月間であってよい。判定部113は、将来の品質データが、劣化傾向にあるか否かを判定してよい。
図5の例では、将来の品質データが一点鎖線で示す品質データ31である場合、判定部113は、将来の品質データが劣化傾向にないと判定してよい。しかしながら、将来の品質データが点線で示す品質データ32である場合、判定部113は、将来の品質データが劣化傾向にあると判定してよい。なお、劣化傾向にあるか否かの判定には、既存の統計手法を用いてよい。例えば、判定部113は、まず、検知処理日「d10」から過去1週間の品質データにおける平均値と標準偏差を計算する。そして、予測した将来の所定期間における最後の1週間の品質データの平均値が、計算した過去1週間の「平均値±標準偏差」以内であれば、劣化していないと判定し、「平均値±標準偏差」以外であれば、劣化していると判定してよい。
【0045】
なお、本発明の一実施形態によれば、現在までの第1期間T10における第1予測データと第1実測データとの乖離度が、無線アクセスネットワークにおける異常の発生を示すものであっても、将来の品質データに劣化傾向がみられない場合、無線アクセスネットワークに異常が発生したと判定されなくてもよい。これにより、異常発生の原因の特定に係る処理を低減でき、通信監視装置100における制御負荷を削減することができる。
【0046】
<予測モデルについて>
予測部112は、将来の品質データの予測に、時系列のデータに対する所定の分析モデルとして、既知のSARIMAモデルを適用してよい。ここで、SARIMAモデルに用いる複数のパラメータの設定手法について、
図7を用いて説明する。なお、上述のように、予測モデルはSARIMAモデルに限定されるものではない。
【0047】
SARIMAモデルについては既知であるため詳細は省略するが、SARIMAモデルでは、7つのパラメータ(非季節性パラメータ(p,d,q)と、季節性パラメータ(sp,sd,sq,s))を設定する。予測部112は、これらパラメータの組み合わせを変更した複数種類のパターンのSARIMAモデルによって、
図7における訓練期間Aの時系列の品質データ(実線10A)を用いて、予測期間Aの品質データの予測値(点線20A)を算出してよい。そして、それぞれのパラメータの組み合わせパターンにおいて、実測値(実線10A)と予測値(点線20A)との間の類似性(乖離度)を算出する。類似性の算出には、上述した任意の検定手法または、任意の距離推定手法を用いてよい。具体的には、例えば、距離推定手法は、DTW(Dynamic Time Warping:動的時間伸縮法)、マンハッタン距離(Manhattan Distance)、ユークリッド距離(Euclidean Distance)等であってよい。上述した類似性の算出手法は、一例であって、これに限定されず、そのほかのアルゴリズムを用いてよい。予測部112は、実測値と予測値との間の乖離度が最も低いパラメータの組み合わせをSARIMAモデルに適用して、将来の品質データを予測してよい。すなわち、実測値と予測値との間の乖離度が最も低いパラメータの組み合わせによるSARIMAモデルで、訓練期間Bのデータから、予測期間Bの品質データを算出してよい。
【0048】
これにより、実測値の傾向に沿った予測が可能な分析モデルを設定することができ、予測の精度を上げることが可能となる。
【0049】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。例えば、通信監視装置100が備えるとして説明した各構成部は、複数のサーバによって分散されて実現されてもよい。
【0050】
例えば、上述では、品質データとしてVoLTEの接続成功率を一例に説明したが、そのほかの品質データに基づいて異常の判定が行われてよい。また、異常の原因は複数存在してもよい。
【0051】
本開示の各実施形態のプログラムは、情報処理装置に読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、例えば、ソフトウェアプログラムや情報処理装置プログラムを含む。情報処理装置としての通信監視装置100の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、通信監視装置100は、プロセッサがメモリ上にロードされたプログラムを実行することにより、取得部111、予測部112、判定部113、特定部114、受付部115、及び通知部116として機能する。
【0052】
記憶媒体は適切な場合、1つ又は複数の半導体ベースの、又は他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)等)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、又はこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0053】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、通信監視装置100に提供されてもよい。
【0054】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。なお、本開示のプログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)、Python等のスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift,Koltin、Java(登録商標)等を用いて実装されてよい。
【0055】
以上説明した本開示の各態様によれば、5G以降のネットワーク技術に向けたKPI監視に係る技術の提供や、通信品質の改善に供する技術を提供することにより、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0056】
100 通信監視装置
110 制御部
111 取得部
112 予測部
113 判定部
114 特定部
115 受付部
116 通知部
120 通信部
170 記憶部
171 品質データ記憶部
172 事象データ記憶部
200 基地局
300 通信端末
400 無線アクセスネットワーク
500 通信監視システム
【要約】
【課題】無線アクセスネットワークにおける異常を検知しつつ、その原因を特定できる技術を提供すること。
【解決手段】無線アクセスネットワークに生じた異常の原因を特定する通信監視装置は、無線アクセスネットワークの通信品質を示す品質データを時系列で取得する取得部、取得した時系列の品質データを用いて、所定期間にわたる品質データを予測する予測部、第1期間における時系列の品質データを、取得した第1期間以前の時系列の品質データを用いて予測した第1予測データと、取得した第1期間における時系列の品質データである第1実測データとの乖離度に応じて、無線アクセスネットワークの異常を判定する判定部、異常と判定された場合、第1期間を少なくとも含む第2期間における時系列の品質データと、第2期間において無線アクセスネットワーク内で生じた事象との関連度が所定の条件を満たす事象を、異常の原因として特定する特定部を備える。
【選択図】
図2