(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】注射器の針管用の保護デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20231109BHJP
A61M 5/158 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
A61M5/32 510F
A61M5/32 510Z
A61M5/158 500Z
(21)【出願番号】P 2022502280
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(86)【国際出願番号】 EP2019079385
(87)【国際公開番号】W WO2021008717
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】202019103876.4
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522014840
【氏名又は名称】フィッシャー、シュテファン
(73)【特許権者】
【識別番号】522014851
【氏名又は名称】ヴィルケ、トビアス
(73)【特許権者】
【識別番号】522014862
【氏名又は名称】モール、ベルント
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルケ、トビアス
(72)【発明者】
【氏名】モール、ベルント
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-533020(JP,A)
【文献】国際公開第2018/172853(WO,A1)
【文献】特開平08-280805(JP,A)
【文献】特開2012-130371(JP,A)
【文献】特表2012-525893(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0046616(US,A1)
【文献】特表2007-503871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
A61M 5/32
A61M 5/158
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器の針管(2)用の保護デバイス(1)であって、該保護デバイス(1)がハウジング(4)を備え、
前記ハウジング(4)が、支持要素(3)上で枢動され得るようになっており、枢動平面に開口ハウジング側(5)を有し、それにより、前記針管(2)が、注射に使用された後で前記ハウジング(4)内へ枢動され得るようになっており、
フィルム・ヒンジ(8)の接続に加えて、枢動軸を形成するために、前記支持要素(3)及び枢動可能な前記ハウジング(4)が、所定破壊点(9)を介してさらに互いに接続される、前記保護デバイス(1)において、
内向きに枢動された前記針管(2)のための保持手段(6)が、前記ハウジング側上に設けられ、
注射のために使用された後で、前記ハウジング(4)が、破壊された前記所定破壊点(9)を越えてラッチ位置へと逆向きに枢動され得るようになっており、前記針管(2)が、前記ハウジング(4)内に設けられた保持手段(6)と動作可能に接続され得るようになって
おり、
前記保護デバイス(1)が、留め具手段(10)をさらに備え、該留め具手段(10)は、前記ハウジング(4)が破壊された前記所定破壊点(9)を越えて逆向きに枢動された後に、前記フィルム・ヒンジ(8)上で僅かに傾斜した位置で前記ハウジング(4)をラッチングするように構成されており、
前記留め具手段(10)は前記フィルム・ヒンジ(8)の反対側に配置され、
前記所定破壊点(9)は、射出成形された可撓性のウェブ要素(11)からなり、
前記ウェブ要素(11)は、前記支持要素(3)及びハウジング縁部(4)の縁部領域(12及び13)上に配置されることを特徴とする、保護デバイス(1)。
【請求項2】
前記ウェブ要素(11)が、前記支持要素(3)及び前記ハウジング(4)の前記縁部領域(12及び13)にわたって分散されることを特徴とする、請求項
1に記載の保護デバイス。
【請求項3】
前記保持手段(6)が、前記ハウジング(4)内で前記ハウジング壁上に形成された2つのタング(14及び15)で構成され、前記2つのタング(14及び15)が、前記針管(2)が内向きに枢動する方向に銛の態様で配向されることを特徴とする、請求項1
または2に記載の保護デバイス。
【請求項4】
三角形の構造を有するペグ要素(16)が前記タング(14及び15)間に設けられ、前記ペグ要素(16)が、内向きに枢動された前記針管(2)を一方又はもう一方のタング(14)、(15)の下に追いやるようになっていることを特徴とする、請求項
3に記載の保護デバイス。
【請求項5】
前記保持手段(6)が、鋸歯様の所定破壊点(18)を介して前記ハウジング(4)に接続される変形可能なスリーブ(17)で構成されることを特徴とする、請求項1から
4まで
のいずれか1項に記載の保護デバイス。
【請求項6】
前記所定破壊点(18)が、前記ハウジング前面上の突出するウェブ支柱(19)に形成されることを特徴とする、請求項
5に記載の保護デバイス。
【請求項7】
前記ウェブ支柱(19)が、前記ハウジング壁上に形成されることを特徴とする、請求項
6に記載の保護デバイス。
【請求項8】
前記支持要素(3)、針の前記ハウジング(4)、前記所定破壊点(9)、及び前記保持手段(6)を含む前記保護デバイス(1)が、射出成形部品から単体として作製される
ことを特徴とする、請求項1から
7まで
のいずれか1項に記載の保護デバイス。
【請求項9】
保護スリーブ(20)が、場合により、前記支持要素(3)上に枢動可能に取り付けられた前記ハウジング(4)と協働し、それにより、注射のために使用された後で、前記枢動平面に位置する前記開口ハウジング側(5)が閉じられ得ることを特徴とする、請求項1から
6まで
のいずれか1項に記載の保護デバイス。
【請求項10】
前記保護スリーブ(20)が、前記壁に配置された開口部(21)を有し、前記開口部(21)が、前記ハウジング上に位置する前記開口
ハウジング側(5)に一致することを特徴とする、請求項
9に記載の保護デバイス。
【請求項11】
前記保護スリーブ(20)が、前記ハウジング(4)上に回転可能に取り付けられ、それにより、注射のために使用された後に、前記保護
スリーブ(20)が、開位置から前記ハウジング(4)を閉じる位置に旋回され得るようになっていることを特徴とする、請求項
9または10に記載の保護デバイス。
【請求項12】
前記保護スリーブ(20)が、その下方ハウジング縁部(22)により、前記ハウジング(4)の前記縁部領域(12)に回転可能に取り付けられ、留め具要素(23)が、前記ハウジング(4)の前記縁部領域(12)上に形成され、前記留め具要素(23)が、前記保護スリーブ(20)を前記ハウジング(4)上で180°にわたって捻った後で、前記保護
スリーブ(20)の壁に配置された開口(24)とのラッチ位置につくようになっていることを特徴とする、請求項
9から
11まで
のいずれか1項に記載の保護デバイス。
【請求項13】
前記保護スリーブ(20)の上部カバー領域が、把持要素(25)を備え、前記把持要素(25)の下側(26)上に、成形された180°制御カム(28)を含むリング要素(27)が形成され、前記制御カム(28)が、前記ハウジング(4)のカバー領域(29)上に形成されたくさび(30)と協働し、前記くさび(30)が、前記制御カム(28)が前記くさび(30)と噛み合わされた後で前記保護スリーブ(20)が後方に旋回するのを防止することを特徴とする、請求項
9から
12まで
のいずれか1項に記載の保護デバイス。
【請求項14】
前記把持要素(25)が、前記リング要素(27)を通って到達するロッキング・タング(33)により前記ハウジング(4)の前記カバー領域(29)に固定され得るようになっていることを特徴とする、請求項
13に記載の保護デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射器の針管のための保護デバイスであって、支持要素上に枢動可能に形成された針管のためのハウジングを備え、ハウジングが、注射のために使用された後で針管がハウジング内に枢動され得るように、枢動平面に開口ハウジング側を有し、また、内方に枢動された針管のための保持手段がハウジング側上に設けられる、注射器の針管のための保護デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
皮下注射器の針は、通常、注射器に設けられ且つ中空支持要素に接続された金属管を備え、中空支持要素は、注射器の円筒体に接続されることが、知られている。ここで、本発明は、処置の後に針に接触する可能性がある人物に注射するのを避けるために、この場合は特に患者の身体に注射が行われた後で金属管を針刺しから保護することの問題に関与する。1人目に針が使用された後で2人目がその針で刺された場合、それが病気の伝播につながる可能性がある。したがって、それらの針の使用には、考慮すべき危険性が付随するものであり、そのような針を扱う仕事をする人、即ち病院及び診療所の職員にとっては、特にそうである。使用済みの針を廃棄物として処分することもまた、廃棄物容器を取り扱う人、又はそれらの容器に接近する人を危険にさらす。このような事情により、注射後に保護されることにより病気の伝播の可能性を防ぐことが、針管にとって特に重要である。
【0003】
この問題に対応するために、WO2009/007718A1、及び独国実用新案第202018107052号が、注射器の針管のための保護デバイスを既に開示している。従来技術から知られたこの保護デバイスでは、注射器の針管は、それによって収容される支持要素上に配置される。注射器の出口は、支持要素又は針管に取り付けられる。このようにして、保護デバイスは、次いで注射器の本体に接続される。この点に関して、保護のために、枢動可能に取り付けられるハウジングが、支持要素上に配置され、このハウジングは、特に、具体的にはその枢動平面に、開口ハウジング側を有する。注射を行うために注射器が使用される場合、支持要素上に枢動可能に取り付けられたハウジングは、針管が自由になるように、邪魔にならない所へ枢動され、次いで注射が行われ得る。注射の後、ハウジングは逆向きに枢動され、すると、針管は、開口ハウジング側を通って元のハウジング内へ枢動し、そのため、針管は、注射のために使用された後、ハウジング内に再度位置する。従来技術によれば、使用後の支持要素上のハウジング部分の不注意な枢動が防止されるように、クランプ又は留め具(catch)の形態をした保持手段が、枢動可能なハウジングのハウジング壁上に設けられ、この保持手段は、針管を握持し、したがって、ハウジング外への針管の不注意な枢動を防止する。
【0004】
従来技術のこの知られた保護デバイスに認められる欠点は、知られた実施例によれば、いわゆる故意でない枢動プロセスが起こり得ることであり、その結果-注射が行われることなしに-針管が露出される。さらに、ハウジングが後方に揺動されているために注射に使用された後で保持手段が確実な保持を保証することができないという事実もまた、欠点と見なされる。
【0005】
別の問題は、注射器が使用されていないときでも故意でない枢動プロセスが開始され、それが針管を露出させ、その針管が保護されないので、問題が生じ得ることである。この点に関して、注射器は、包装内に横に並んで保管される。次いでこの包装から1つ又は複数の注射器が取り出される場合に、外側の包装が不正確に開けられることにより、フィルムで覆われたハウジングから針が飛び出し得るという問題が生じる。さらに、現在知られている保持デバイスは、ハウジング内の所望の保護位置に針管を保持せず、その結果として不適切な取出し時にはいつでも針管がハウジングから飛び出し得るという問題が生じる。結果として、特に保持デバイスがハウジング内に針をしっかりと保持していることを示すものがない。
【0006】
さらに、保護デバイスの知られた実施例はそれらの製造コストに関して非常に高額であるという事実もまた、欠点と見なされる。また、この点に関して、安価な製造は、製造コスト構造に影響するため、細部に関する重要な要件が見落とされることをしばしば意味するという事実も、考慮されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2009/007718号
【文献】独国実用新案第202018107052号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明によって解決されるべき問題は、特に前述の欠点を克服する、注射器の針管のための保護デバイスをさらに開発することであり、この場合、保護デバイスは、特に製造コストが実質的に削減され得るという条件で、いわゆるパーク・ステーションのために保護デバイスが実質的により衛生的に設計されるような態様で、実質的に修正される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この問題は、特許請求1に記載の特徴によって解決される。本発明の有利な実施例が、従属請求項において定義される。
【0010】
本発明によって得られる利点は、注射器の針管のための単体保護デバイスの安価な製造により、物品の安全な取扱いに対する要求の全てが満たされるという事実にある。この点に関して、注射に先立つハウジング領域の故意でない開放(flipping open)が妨げられることが確実とされるが、これは、この場合では射出成形される所定破壊点により、そのような開放が防止されるためである。さらに、本発明による保持デバイスは、逆向きに枢動されたハウジングから針管が緩むのを防止されることを、確実にする。
【0011】
したがって、本発明によれば、フィルム・ヒンジの接続に加えて、枢動軸を形成するために、支持要素及び枢動可能なハウジングが、所定破壊点を介して互いにさらに接続されることが提案され、ここで、注射のために使用された後で、ハウジングは、破壊された所定破壊点を超えて逆向きに枢動され得る。この構造のため、保護デバイスの単体構成により、支持要素は、この場合、使用に先立って、枢動可能なハウジングにしっかりと接続され、ここで、次いで枢動が行われ得るように指圧の印加によって裂き開かれ得るいわゆる所定破壊点により、枢動可能性は損なわれない。具体的には、この場合、所定破壊点は、包装からの取出しの際に、いわゆるスウィング・アウトを防止する。さらに、所定破壊点が破壊された後、保護デバイスは、依然として、注射後の枢動可能なハウジング内に針をなおも収容することができる状態にあり、これは、一方では、ハウジングが逆向きに揺動するので、保持手段がハウジングに係合するためであり、他方では、ハウジングの過度の揺動が、注射後に針管が枢動可能なハウジング内に収容されることを保持手段が確実とするように針管が内部ラッチと協働することを意味するためである。
【0012】
本発明の変形例では、所定破壊点は、射出成形される可撓性ウェブ要素から構成される。この点に関して、ウェブ要素は、支持要素の縁部領域及びハウジング縁部上に配置され且つそれらに接続され、この場合、ウェブ要素は、支持要素及びハウジングの縁部領域にわたって分散した態様で射出成形される。
【0013】
有利な実施例によれば、注射のために使用された後、ハウジングは、所定破壊点を越えてラッチ位置へと逆向きに枢動され得、針管は、ハウジング内に設けられた保持手段と動作可能に接続され得る。この実施例では、ハウジングは、最終ラッチ位置において支持要素及びハウジングが互いに対して僅かに傾斜した位置にあるように、枢支点を越えて枢動される。これは、傾斜した位置が、保持手段が針管のためのハウジング内に係合することを確実にするという、特別な利点を有する。
【0014】
本発明によれば、この点に関して、ハウジング内でハウジング壁上に形成された2つのタングから構成される保持手段が提案され、2つのタングは、針管が内向きに枢動する方向に銛の態様で配向される。針がタングのうちの一方の後ろ又はタングのうちのもう一方の後ろに跳躍するように、針が内向きに枢動するときに針を強制的に案内するために、三角形の構造を有するペグ要素がタング間に設けられ、このペグ要素は、内向きに枢動した針管を一方又はもう一方のタングの下に追いやる。
【0015】
射出成形された単体構成要素としての保護デバイスのさらなる変形例において、ここでの保持手段は、鋸歯様の所定破壊点を介してハウジングに接続される、変形可能なスリーブから構成される。所定破壊点は、突出するウェブ支柱により、ハウジング前面上に形成され、ここで、ウェブ支柱は、ハウジング壁の外側上に形成される。この構造のため、この場合、変形可能なスリーブの形態をした保持手段が設けられ、この保持手段は、ハウジング部品とともに直接射出成形することができ、これは、この場合もやはり製造コストが実質的に削減されることを意味する。
【0016】
この点に関して、支持要素、針のハウジング、所定破壊点、及び保持手段を含む保護デバイスは、射出成形部品から単体として作製されることが、留意されるべきである。
【0017】
本発明の有利な変形例によれば、場合により、保護スリーブが、支持要素上に枢動可能に取り付けられたハウジングと協働することができ、それにより、注射のために使用された後で、枢動平面に位置する開口ハウジング側が閉じられ得る。保護スリーブは、内部に針管が挟持され且つ噛み合わせられる保護デバイスがさらに密閉され得ることを意味する。この点に関して、保護スリーブは、ハウジング上に位置する開口側に一致する、壁に配置された開口部を有する。これは、針が外向きに枢動するときに、保持された針が保護スリーブの開口部を通って枢動することができるので、保護スリーブが針を邪魔しないことを意味する。保護スリーブは、注射のために使用された後で開位置からハウジングを閉じる位置に戻され得るように、ハウジング上に回転可能に取り付けられる。
【0018】
この点に関して、保護スリーブは、噛み合いにより、その下方ハウジング縁部でハウジングの縁部領域に接続され且つ回転可能に取り付けられる。注射のために使用された後でのハウジング上の保護スリーブの故意でない捻れを阻止するために、ハウジングの縁部領域上に留め具要素が形成され、これは、ハウジング上で保護スリーブを180°にわたって捻った後で、保護スリーブの壁に配置された開口と協働し、それにより、ハウジング上の保護スリーブのラッチ位置が作り出される。保護スリーブの上部カバー領域は、把持要素を備え、把持要素の下側には、リング要素が形成され、このリング要素は、ハウジングのカバー領域上に形成されたくさびと協働する成形された180°制御カムと協働し、それにより、制御カムとくさびとの噛み合い後に保護スリーブが後方に戻ることが防止される。
【0019】
特に有利な変形例によれば、保護スリーブの上部カバー領域は、把持要素を有する。把持要素の下側上にリング要素が形成され、約180°湾曲された制御カムが、リング要素内に成形される。この点に関して、形成された制御カムは、ハウジングのカバー領域上に形成されたくさびと協働し、このくさびは、制御カムを横断するときに、曲線の端部領域内にロックされる。このようにして、制御カムとくさびとの噛み合い後の保護スリーブの後方への捻れが阻止される。把持要素を保護スリーブ上に固定するために、リング要素は、回転軸に位置する円形開口を有し、この円形開口を通して、ロッキング・クランプがハウジングのカバリング領域に到達し、それと係合する。
【0020】
次に、図に示された例示的な実施例を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施例による保護デバイスの斜視図である。
【
図2】さらなる実施例によるさらなる斜視図である。
【
図3】特に支持要素と枢動可能なハウジングとの間の本発明の所定破壊点の詳細図である。
【
図4】別の視点における、
図3によるさらなる斜視図である。
【
図5】支持要素に対するハウジングの傾斜位置でのラッチ状態における、
図3及び4によるさらなる図である。
【
図7】いわゆるラッチ位置における、
図6による詳細図における保持手段のさらなる図である。
【
図8】第2の実施例による、つまりは
図2による、保持手段のさらなる側面図である。
【
図9】開位置における保護スリーブを含む保護デバイスの斜視図である。
【
図11】閉位置における保護スリーブを有する保護デバイスのさらなる斜視図である。
【
図12】破線で示された、ハウジングとの動作可能な接続における保護スリーブのための把持要素の斜視図である。
【
図13】底面図における、把持要素のさらなる斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1及び2は、詳細には示されていない2つの異なる例示的な実施例における注射器の針管2のための保護デバイス1を、それぞれ斜視図で示す。この点に関して、保護デバイス1は、針管2のためのハウジング4を備え、ハウジング4は、支持要素3上で枢動可能であるように構成され、また、ハウジング4は、ハウジング4の枢動平面に開口ハウジング側5を有する。開口ハウジング側5により、針管2は、注射のために使用された後でハウジング4内へ枢動されることが可能であり、その結果、針管2は保護される。
【0023】
具体的には、針管2を注射後の不適切な使用から保護するために、内向きに枢動された針管2のための保持手段6が、ハウジング側上に設けられ、
図1は、ここでは挟持手段として構成されている、ハウジング4内部の保持手段6を示し、一方で
図2は、針管2を保護するためにスリーブ7で針管2を覆う保持手段6を示す。
【0024】
本発明による保護デバイス1では、
図3及び4により詳細に見られるように、支持要素3及び枢動可能なハウジング4は、フィルム・ヒンジ8によって接続されることに加えて、所定破壊点9を介しても接続され、支持要素3及びハウジング4は、枢動軸を形成するために所定破壊点9を介して接続される。所定破壊点9が破壊されると、本発明による実施例では、
図5に見られるように、ハウジング4は、注射のために使用された後で、破壊された所定破壊点9を越えて逆向きに枢動されることが可能であり、すると、
図5に示される留め具手段10が、動作される。この
図5の位置では、ハウジング4は、
図7に見られる保持手段6も動作されるように、支持要素3に対して僅かに傾斜した位置にある。この位置では、ハウジング4は、ラッチ位置にあり、そのため、ハウジング4は、フィルム・ヒンジ8上で僅かに傾斜した位置を取り、すると、留め具手段10のラッチングが生じる。
【0025】
特に
図3及び4でより詳細に分かるように、所定破壊点9は、射出成形された可撓性のウェブ要素11で構成され、このウェブ要素11は、支持要素3の縁部領域12及びハウジング4の縁部領域13上に配置される。この点に関して、ウェブ要素11は、
図3及び4を一緒に見たときに分かるように、また、
図2でも分かるように、縁部領域12及び13上で分散されている。既に述べたように、注射のために使用された後、ハウジング4は、所定破壊点9を越えて
図4及び5に示されたラッチ位置へと逆向きに枢動され得、ここで、針管2は、ハウジング4内に設けられた保持手段6と動作可能に接続され得る。
【0026】
ここで、
図6及び7、並びに
図1及び8では、異なる保持手段6がより詳細に示されている。この点に関して、
図6及び7は
図1と一緒に、特に
図6及び7でより詳細に分かるように、ハウジング4内のハウジング壁上に形成された2つのタング14及び15で構成される保持手段6を示す。この点に関して、タング14及び15は、針管2が通過した後で針管2の内向きに枢動する方向において針管2の背後で係合するように、銛の態様で構成されている。係合プロセスを促進するために、タング14と15との間には、三角形の形状で形成されたペグ要素16が設けられ、このペグ要素16は、内向きに枢動された針管2を一方のタング14又はもう一方のタング15の下に押し込む。針管2が内向きに枢動して、
図5によるいわゆるラッチ位置が作り出されるときには、
図7に示される針管2の位置が取られることは明らかであり、針管2が内向きに枢動するときに、針管2は右側又は左側に押され、したがって、保持される安定した位置につく。
【0027】
特に
図2とともに
図8に示されるように、保持手段6に関するさらなる実施例によれば、保持手段6は、鋸歯様の所定破壊点18を介してハウジング4に接続される、変型され得るスリーブ17で構成される。図に示されるように、所定破壊点18は、突出するウェブ支柱19を含むハウジング側面上に形成される。この点に関して、ウェブ支柱19は、特に
図2でよく分かるだけでなく、
図8の断面図でも分かるように、ハウジング壁の外側に形成される。保持手段6の両方の実施例において、特にこれらの保持手段は、
図6、7で、また
図8でも説明され且つ示されているように、全てが単一の射出成形プロセスで一緒に射出成形されることが適用され、そのため、ハウジング4及び支持要素3に加えて、保持手段6もまた、共に射出成形され且つ成形される。
【0028】
このことは、保護デバイス1全体にも当てはまり、この場合、保護デバイス1は、所定破壊点9、18に加えてフィルム・ヒンジ8、留め具手段10、及び2つの異なる保持手段6が単一の操作又は単一のツールにおいて射出成形され得るような態様で、単体部品として射出成形され得る。
【0029】
図9、10、及び11に示される本発明の有利な変形例によれば、保護スリーブ19が、場合により、支持要素3上に枢動可能に取り付けられたハウジング4と協働することができ、その保護シースにより、注射のために使用された後で、枢動平面に位置する開口ハウジング側5が閉じられ得る。保護スリーブ19は、内部に針管2が挟持され且つ噛み合わせられる保護デバイス1がさらに密閉されることを可能にする。この目的のために、保護スリーブ20は、壁に配置された開口部21を有し、この開口部21は、ハウジングの開口側5に一致する。このようにして、保護スリーブ20は、保持された針管2が保護スリーブ20の開口部21を通って枢動することができるので、針管2が外向きに枢動するのを妨げない。保護スリーブ20は、ハウジング4上に回転可能に取り付けられ、それにより、保護スリーブ20は、注射のために使用された後に、
図9に示された開位置から
図11に示されたハウジング4を閉じる位置に旋回され得る。
【0030】
この点に関して、保護シース20の下部ハウジング縁部22は、ハウジング4上に回転可能に取り付けられ、且つ、ハウジング4と噛み合わせられる。ここでの噛み合いは、例えば、スナップ嵌め接続によって得られ得る。注射のために使用された後のハウジング4上の保護スリーブ20の故意でない捻れを防ぐために、ハウジング4の縁部領域12に留め具要素23が形成され、この留め具要素23は、
図11に示される、保護スリーブ20を180°にわたって捻った後に、保護スリーブ20の壁に配置された開口24とハウジング4上で協働し、それにより、ハウジング4上の保護スリーブ20のラッチ位置が作り出される。
【0031】
図12及び13に示された特に有利な変形例によれば、保護スリーブ20は、その上部カバー領域に把持要素25を有する。リング要素27が、把持要素25の下側26上に形成され、180°湾曲した制御カム28が、リング要素27内に形成される。形成された制御カム28は、この点に関して、ハウジング4のカバー領域29上に形成されたくさび30と協働し、このくさび30は、制御曲線28を横断するときに、段31において曲線の端部領域内にロックされる。このようにして、制御カム28とくさび30とのロック後に保護スリーブ20を後方に捻ることが阻止される。
【0032】
把持要素25を保護スリーブ20上に固定するために、リング要素27は、回転軸に位置する円形の開口32を有し、それを通して、ハウジング4のカバー領域上に形成されたロッキング・タング33が到達する。把持要素25の挿入された状態では、ロッキング・タング33は、円形の開口32の縁部に噛み合い、それに応じて、説明されたように、制御カム28は、くさび30と動作可能に接続する。
【符号の説明】
【0033】
1 保護スリーブ
2 針管
3 支持要素
4 ハウジング
5 開口ハウジング側
6 保持手段
7 スリーブ
8 フィルム・ヒンジ
9 所定破壊点
10 留め具手段
11 ウェブ要素
12 縁部領域
13 縁部領域
14 タング
15 タング
16 ペグ要素
17 スリーブ
18 鋸歯所定破壊点
19 ウェブ支柱
20 保護スリーブ
21 保護スリーブの壁における開口部
22 保護スリーブの下のハウジング縁部
23 留め具要素
24 開口
25 把持要素
26 把持要素、下側
27 リング要素
28 制御カム
29 ハウジングのカバー領域
30 くさび
31 段
32 リング要素開口
33 ロッキング・タング