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特許7382487オンデマンド位置決め関連アプリケーションデータのための方法及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】オンデマンド位置決め関連アプリケーションデータのための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 64/00 20090101AFI20231109BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20231109BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20231109BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20231109BHJP
   G01S 1/10 20060101ALI20231109BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20231109BHJP
【FI】
H04W64/00 171
H04W72/20
H04W16/28
H04W24/10
G01S1/10
G01S5/02 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022509625
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 US2020040981
(87)【国際公開番号】W WO2021029986
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-03-14
(31)【優先権主張番号】1930269-4
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プリヤント,バスキ
(72)【発明者】
【氏名】ヒル,ジョアン
【審査官】田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/196246(WO,A2)
【文献】国際公開第2019/062736(WO,A1)
【文献】特表2019-524003(JP,A)
【文献】特表2020-535680(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0220392(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0111880(US,A1)
【文献】国際公開第2018/149648(WO,A1)
【文献】特表2020-508020(JP,A)
【文献】国際公開第2015/027118(WO,A1)
【文献】LG Electronics,Discussion on necessity and details for physical-layer procedures to support UE/gNB measurements [online],3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1906722, [検索日: 2023年3月6日],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1906722.zip>,2019年05月04日
【文献】Qualcomm Incorporated,On Demand Transmission of PRS for NR [online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #105 R2-1901373, [検索日: 2023年3月6日],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG2_RL2/TSGR2_105/Docs/R2-1901373.zip>,2019年02月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
G01S 1/10
G01S 5/02
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信デバイスによって実行される、前記ワイヤレス通信デバイスの位置決めのための方法であって、
複数のネットワークノードのうち第1のネットワークノードセットから1つ又は複数の所定の基準信号を受信するステップと、
前記1つ又は複数の所定の基準信号に対して初期位置決め測定を実行するステップと、
サービングネットワークノードに測定報告を送信するステップと、
位置決め動作のために使用可能な前記複数のネットワークノードのうちネットワークノードセットの各々からターゲット基準信号の送信のための構成情報を前記サービングネットワークノードから受信するステップと、前記ターゲット基準信号の送信は、前記ワイヤレス通信デバイスに固有であり、
前記構成情報の各々に基づいてネットワークノードの前記第ネットワークノードセットからそれぞれ1つ又は複数のターゲット基準信号を受信するステップと
受信された前記1つ又は複数の基準信号に対して位置決め測定を実行するステップとを含む方法。
【請求項2】
記第ネットワークノードセットから選択された前記第ネットワークノードセットからの前記ターゲット基準信号の送信のために、前記サービングネットワークノードにビーム測定要求を送信するステップをさらに含む請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記測定報告が、前記ワイヤレス通信デバイスが前記第ネットワークノードセットから所定の基準信号をそれぞれ受信する際に前記サービングネットワークノードが使用する送信ビームを含み、前記送信ビームが、前記ターゲット基準信号の送信の構成を支援するために好ましいビームを示す請求項又はに記載の方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数のターゲット基準信号を受信するステップが、前記第ネットワークノードセットからの送信ビームのそれぞれのセット上で前記1つ又は複数のターゲット基準信号を受信するステップをさらに含む請求項1~のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記構成情報の各々、送信ビームの前記それぞれのセットを前記送信ビームにマッピングする請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記構成情報の各々、前記第ネットワークノードセットによってそれぞれ送信された前記1つ又は複数のターゲット基準信号のための少なくともそれぞれのリソース情報を含む請求項1~のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように構成されたワイヤレス通信デバイスであって、
1つ又は複数のネットワークノードとのワイヤレス通信がそれを介して遂行されるワイヤレスインターフェース、及び、
請求項1~のいずれか1つに記載の方法を遂行するように構成された制御回路を備えるワイヤレス通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年8月15日に出願されたスウェーデン特許出願第1930269-4号の利益を主張する。前述の特許出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の技術は、一般に、ワイヤレス通信ネットワークにおけるネットワークノード及び/又はワイヤレス通信デバイスの動作に関し、より詳細には、デバイスの位置決めのための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
既存のワイヤレス通信システム(例えば、3G又は4Gベースのシステム)では、デバイス位置の推定は、一般に、規制上の位置決め要件が満たされたときに許容可能であると考えられる。例えば、緊急コールの場合、位置推定は、4Gシステムにおいて50メートル以内の正確さであることが要求されるだけである。位置決めは、新無線(NR)などの5Gシステムについての第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の検討中の重要な機能である。本明細書は、商用ユースケースなどの緊急コールサービス(すなわち、規制要件)を超えるユースケースを対象としており、5Gシステムはサブメートルの位置決め精度を実現することが期待されてもよい。
【0004】
セルラーベースの位置決めは、ダウンリンクベース又はアップリンクベースであってもよい。レガシーシステムでは、タイミング測定及び角度測定は、ダウンリンクベースの位置決めにおける一般的な技法である。例えば、観測到達時間差(OTDOA)は、4Gシステムにおけるマルチラテレーション技法である。この技法では、基地局(eNB)は位置決め基準信号(PRS)を送信する。ユーザ機器(UE)は、受信されたPRSに基づいて到達時間(TOA)を推定する。複数の基地局のPRSから測定されたTOAが基準基地局に対応するTOAから減算されて、OTDOA測定値が生成される。UEは、OTDOA測定値又は測定された時間差(例えば、基準信号時間差(RSTD))をロケーションサーバに報告する。ロケーションサーバは、RSTD報告及び基地局の既知の座標に基づいてUEの位置を推定する。LTEシステムを用いた拡張セルIDなどの別の技法は、基地局がUEによって送信された信号の到来角(AoA)を推定することを含む。基地局は、例えば、少なくとも2つの受信アンテナからの位相差を活用してAoAを推定する。
【0005】
アップリンクベースの位置決めのためのレガシーシステムにおける1つの手法は、アップリンク到達時間差(UTDOA)である。この手法では、ユーザ機器(UE)が基準信号を送信し、基準信号は1つ若しくは複数の基地局又は専用位置測定ユニット(LMU)によって受信される。基地局(又はLMU)は、到達時間を推定し、その推定値をロケーションサーバに報告して、(例えば、複数の基地局が到達時間を測定する場合、マルチラテレーションを介して)UEの位置を推定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
レガシーシステムでは、UEの位置決め、特にダウンリンクベースの位置決めは、基地局によってブロードキャストされた周期信号(例えば、位置決め基準信号(PRS)又は他の基準信号)に基づく。NRシステムでは、同様のダウンリンクベースの位置決めに対するサポートが検討されている。原則として、NRシステム内の基地局はPRSを送信し、UEは各基地局からの到達時間(ToA)を計算する。通常、UEは、位置決め推定を実行するために、少なくとも3つの基地局からのToAを測定する。NRシステムは、レガシーシステムのように無指向性又はセクタ化された送信とは対照的に、ビーム方向を有する送信をサポートする。(例えば、複数の方向の)良好なカバレッジを提供するために、基地局は、すべての方向をカバーするためにビーム掃引動作を使用してPRSを送信することができる。シグナリングオーバーヘッドは、平衡化の考慮事項である。基地局は、(ビーム幅に関して)非常に狭いビームを使用して送信するように動作可能であり得るが、結果として生じるビーム掃引動作がPRS送信のために確保されるリソースを著しく増加させるので、シグナリングオーバーヘッドが高くなる。
【0007】
カバレッジ及びオーバーヘッドに関する上記の考慮事項を考えると、PRSは比較的広いビームで送信されてもよい。この設定では、特に緊急コールのための合理的な位置決め精度が取得されてもよい。5G NRシステムでは、位置決めについてのユースケースは、緊急コールサポートに限定されなくてもよく、商用のユースケースを含んでもよい。これらのユースケースは、位置決め結果(例えば、垂直位置決め、水平位置決め、移動度、及び/又は待ち時間)並びに様々な精度要件(例えば、数百メートル以内、数十メートル以内、又はサブメートル以内)についての様々なパラメータを必要とする場合がある。従来の手法は、これらの要件を達成することができない場合がある。その上、従来の位置決め技法は、すべてのUEを全体的にサポートするように設計されている。UEは、異なるUE固有のレベルの位置決め精度及び/又は待ち時間を有してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
シグナリングオーバーヘッドが低いカバレッジも改善しながら、位置決めにおける高精度をサポートするために、本明細書に記載される技法は、UEのオンデマンド位置決めに関する。開示された手法により、選択された基地局が、UEをターゲットとし、UEによって好ましいと識別された選択されたビーム方向で基準信号をオンデマンドで送信することが可能になる。これらのターゲット送信は、UEによる高品質の位置決め測定を可能にすることにより、位置決め精度を向上させ、位置決めにおける待ち時間を短縮することができる。
【0009】
本開示の一態様によれば、ワイヤレス通信デバイスによって実行される、ワイヤレス通信デバイスの位置決めのための方法は、位置決め動作のために使用可能なネットワークノードの第1のセットからターゲット送信のための構成情報を受信することと、ターゲット送信がワイヤレス通信デバイスに固有であり、構成情報に基づいてネットワークノードの第1のセットからそれぞれ1つ又は複数のターゲット基準信号を受信することと、受信された1つ又は複数の基準信号に対して位置決め測定を実行することとを含む。
【0010】
一実施形態によれば、構成情報を受信することより前に、方法は、ネットワークノードの第2のセットから1つ又は複数の一般基準信号を受信することと、1つ又は複数の一般基準信号に対して初期位置決め測定を実行することと、サービングネットワークノードに測定報告を送信することとを含む。
【0011】
一実施形態によれば、方法は、ネットワークノードの第2のセットから選択されたネットワークノードの第1のセットからのターゲット基準信号の送信のために、サービングネットワークノードにビーム測定要求を送信することをさらに含む。
【0012】
方法の一実施形態によれば、測定報告は、ワイヤレス通信デバイスがネットワークノードの第2のセットから一般基準信号をそれぞれ受信する選択された送信ビームを識別し、選択された送信ビームは、ターゲット送信の構成を支援するために好ましいビームを示す。
【0013】
一実施形態によれば、方法は、ネットワークノードの第1のセットから送信ビームのそれぞれのセット上で1つ又は複数のターゲット基準信号を受信することをさらに含む。
【0014】
方法の一実施形態によれば、構成情報は、選択された送信ビームとの送信ビームのそれぞれのセットの関連付けを含む。
【0015】
方法の一実施形態によれば、構成情報は、ネットワークノードの第1のセットによってそれぞれ送信された1つ又は複数のターゲット基準信号のための少なくともそれぞれのリソース情報を含む。
【0016】
本開示の別の態様によれば、ネットワークノードによって実行される、ワイヤレス通信デバイスの位置決めを容易にするための方法は、送信ビームの第1のセットを介して一般基準信号を送信することと、送信ビームの第2のセットを介してワイヤレス通信デバイスに固有のターゲット基準信号を送信することとを含み、ターゲット基準信号を送信することが、周期基準信号を受信した後にワイヤレス通信デバイスによって報告された情報に少なくとも部分的に基づく。
【0017】
方法の一実施形態によれば、ワイヤレス通信デバイスによって報告された情報は、送信ビームの第1のセットからの選択されたビームを示し、送信ビームの第2のセットは、選択されたビームに基づいて決定された送信ビームを含む。
【0018】
一実施形態によれば、方法は、一般基準信号の送信に続いてターゲット基準信号を送信する要求を受信することをさらに含む。
【0019】
一実施形態によれば、ネットワークノードはサービングネットワークノードであり、方法及び方法は、ワイヤレス通信デバイスによって受信された一般基準信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイスから測定報告を受信することと、測定報告に少なくとも部分的に基づいて、ワイヤレス通信デバイスにターゲット基準信号を送信するためのリソースを決定することと、測定報告に少なくとも部分的に基づいて、ワイヤレス通信デバイスにターゲット基準信号を送信するように、隣接ネットワークノードのセットに要求することとをさらに含む。
【0020】
一実施形態によれば、ネットワークノードはサービングネットワークノードであり、方法は、隣接ネットワークノードのセットによるターゲット基準信号の送信のためのリソースを交渉することと、サービングネットワークノード及び隣接ネットワークノードのセットによるターゲット基準信号の送信のために決定された少なくともリソースを示す構成情報をワイヤレス通信デバイスに送信することとをさらに含む。
【0021】
一実施形態によれば、方法は、測定報告に少なくとも部分的に基づいて、隣接ネットワークノードのセットを選択することを含む。
【0022】
本開示別の態様によれば、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように構成されたワイヤレス通信デバイスは、1つ又は複数のネットワークノードとのワイヤレス通信がそれを介して遂行されるワイヤレスインターフェース、並びに、位置決め動作のために使用可能なネットワークノードの第1のセットからターゲット送信のための構成情報を受信することと、ターゲット送信がワイヤレス通信デバイスに固有であり、構成情報に基づいてネットワークノードの第1のセットからそれぞれ1つ又は複数のターゲット基準信号を受信することと、受信された1つ又は複数の基準信号に対して位置決め測定を実行することとを行うように構成された制御回路を含む。
【0023】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、構成情報を受信することより前に、制御回路は、ネットワークノードの第2のセットから1つ又は複数の一般基準信号を受信することと、1つ又は複数の一般基準信号に対して初期位置決め測定を実行することと、サービングネットワークノードに測定報告を送信することとを行うようにさらに構成される。
【0024】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、制御回路は、ネットワークノードの第2のセットから選択されたネットワークノードの第1のセットからのターゲット基準信号の送信のために、サービングネットワークノードにビーム測定要求を送信するようにさらに構成される。
【0025】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、測定報告は、ワイヤレス通信デバイスがネットワークノードの第2のセットから一般基準信号をそれぞれ受信する選択された送信ビームを識別し、選択された送信ビームは、ターゲット送信の構成を支援するために好ましいビームを示す。
【0026】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、制御回路は、ネットワークノードの第1のセットから送信ビームのそれぞれのセット上で1つ又は複数のターゲット基準信号を受信するようにさらに構成される。
【0027】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、構成情報は、選択された送信ビームとの送信ビームのそれぞれのセットの関連付けを含む。
【0028】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、構成情報は、ネットワークノードの第1のセットによってそれぞれ送信された1つ又は複数のターゲット基準信号のための少なくともそれぞれのリソース情報を含む。
【0029】
本開示の別の態様によれば、ワイヤレス通信ネットワーク内で動作するように構成されたネットワークノードは、通信がそれを介して遂行されるインターフェース、及び、送信ビームの第1のセットを介して一般基準信号を送信することと、送信ビームの第2のセットを介してワイヤレス通信デバイスに固有のターゲット基準信号を送信することとを行うように構成された制御回路を含み、ターゲット基準信号を送信することが、周期基準信号を受信した後にワイヤレス通信デバイスによって報告された情報に少なくとも部分的に基づく。
【0030】
ネットワークノードの一実施形態によれば、ワイヤレス通信デバイスによって報告された情報は、送信ビームの第1のセットからの選択されたビームを示し、送信ビームの第2のセットは、選択されたビームに基づいて決定された送信ビームを含む。
【0031】
ネットワークノードの一実施形態によれば、制御回路は、一般基準信号の送信に続いてターゲット基準信号を送信する要求を受信するようにさらに構成される。
【0032】
一実施形態によれば、ネットワークノードはサービングネットワークノードであり、制御回路は、ワイヤレス通信デバイスによって受信された一般基準信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイスから測定報告を受信することと、測定報告に少なくとも部分的に基づいて、ワイヤレス通信デバイスにターゲット基準信号を送信するためのリソースを決定することと、測定報告に少なくとも部分的に基づいて、ワイヤレス通信デバイスにターゲット基準信号を送信するように、隣接ネットワークノードのセットに要求することとを行うようにさらに構成される。
【0033】
ネットワークノードの一実施形態によれば、制御回路は、隣接ネットワークノードのセットによるターゲット基準信号の送信のためのリソースを交渉することと、サービングネットワークノード及び隣接ネットワークノードのセットによるターゲット基準信号の送信のために決定された少なくともリソースを示す構成情報をワイヤレス通信デバイスに送信することとを行うようにさらに構成される。
【0034】
ネットワークノードの一実施形態によれば、制御回路は、測定報告に少なくとも部分的に基づいて、隣接ネットワークノードのセットを選択するようにさらに構成される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、ユーザ機器(UE)とも呼ばれるワイヤレス通信デバイスのための代表的な動作ネットワーク環境の概略ブロック図である。
図2図2は、ネットワーク環境からの無線アクセスネットワーク(RAN)ノードの概略ブロック図である。
図3図3は、ネットワーク環境からのUEの概略ブロック図である。
図4図4は、ネットワーク環境からの位置決め計算ノードの概略ブロック図である。
図5図5は、例示的な位置決め技法の概略図である。
図6図6は、例示的な位置決め技法の概略図である。
図7A図7Aは、UEのオンデマンド位置決め用の手順の例示的な実施形態のシグナリング図である。
図7B図7Bは、UEのオンデマンド位置決め用の手順の例示的な実施形態のシグナリング図である。
図8図8は、サービングネットワークノードにおいて実行される、ワイヤレス通信デバイスのオンデマンド位置決めのための代表的な方法のフロー図である。
図9図9は、隣接ネットワークノードにおいて実行される、ワイヤレス通信デバイスのオンデマンド位置決めのための代表的な方法のフロー図である。
図10図10は、ワイヤレス通信デバイスにおいて実行される、ワイヤレス通信デバイスのオンデマンド位置決めのための代表的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、図面を参照して実施形態が記載され、全体を通して同様の要素を参照するために同様の参照番号が使用される。図は必ずしも縮尺通りではないことが理解されよう。1つの実施形態に関して記載及び/又は図示された特徴は、1つ若しくは複数の他の実施形態において同じ方法若しくは同様の方法で、並びに/又は他の実施形態の特徴と組合せて、若しくはその代わりに使用されてもよい。
【0037】
[システムアーキテクチャ]
図1は、開示された技法が実装される例示的なネットワーク環境の概略図である。図示されたネットワーク環境は代表的なものであり、開示された技法を実装するために他の環境又はシステムが使用されてもよいことが諒解されよう。また、様々な機能は、無線アクセスノード、ユーザ機器、又はコアネットワークノードなどの単一のデバイスによって遂行されてもよく、コンピューティング環境又はワイヤレス通信環境のノードにわたって分散方式で遂行されてもよい。
【0038】
ネットワーク環境は、ユーザ機器(UE)100などの電子デバイスに対する。3GPP規格によって検討されたように、UEはモバイル無線電話(「スマートフォン」)であってもよい。他の例示的なタイプのUE100には、ゲームデバイス、メディアプレーヤ、タブレットコンピューティングデバイス、コンピュータ、カメラ、及びモノのインターネット(IoT)デバイスが含まれるが、それらに限定されない。開示された技法の態様は、非3GPPネットワークに適用可能であり得るので、UE100は、より一般的に、ワイヤレス通信デバイス又は無線通信デバイスと呼ばれてもよい。
【0039】
ネットワーク環境は、3Gネットワーク、4Gネットワーク、又は5Gネットワークなどの1つ又は複数の3GPP規格に従って構成され得るワイヤレス通信ネットワーク102を含む。開示された手法は、他のタイプのネットワークに適用されてもよい。
【0040】
ネットワーク102が3GPPネットワークである例では、ネットワーク102は、コアネットワーク(CN)104及び無線アクセスネットワーク(RAN)106を含む。コアネットワーク104は、データネットワーク(DN)108へのインターフェースを提供する。DN108は、オペレータサービス、インターネットへの接続、サードパーティサービスなどを表す。コアネットワーク104の詳細は説明を簡単にするために省略されるが、コアネットワーク104は、様々なネットワーク管理機能をホストする1つ又は複数のサーバを含み、ネットワーク管理機能の例には、ユーザプレーン機能(UPF)、セッション管理機能(SMF)、コアアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)、認証サーバ機能(AUSF)、ネットワーク公開機能(NEF)、ネットワークリポジトリ機能(NRF)、ポリシー制御機能(PCF)、統合データ管理(UDM)、アプリケーション機能(AF)、並びにネットワークスライス選択機能(NSSF)が含まれるが、それらに限定されないことが理解される。加えて、コアネットワーク104は、ダウンリンクベースの位置決めのためにUE100によって報告された測定値、例えば、アップリンクベースの位置決めを用いてRAN106によって報告された測定値、又は本明細書に記載された両方の組合せに基づいて、UE100の位置を推定するように構成された位置決め計算ノード105を含んでもよい。後述されるように、位置決め計算ノード105は、双方向位置決めをサポートするようにUE100及び/又はRAN106に要求することができる。さらに、図1ではコアネットワーク104に含まれるものとして示されているが、位置決め計算ノード105は、RAN106のノードを含む任意のネットワークノード、又はUE100などのデバイスに含まれてもよい。
【0041】
RAN106は複数のRANノード110を含む。図示された例では、3つのRANノード110a、110b、及び110cが存在する。3つよりも少ないか又は多いRANノード110が存在してもよい。3GPPネットワークの場合、各RANノード110は、発展型ノードB(eNB)基地局又は5G世代gNB基地局などの基地局であってもよい。RANノード110は、1つ又は複数のTx/Rxポイント(TRP)を含んでもよい。開示された技法の態様は、非3GPPネットワークに適用可能であり得るので、RANノード110は、より一般的に、ネットワークアクセスノード又はネットワークノードと呼ばれてもよく、その代替例はWiFiアクセスポイントである。
【0042】
UE100にワイヤレス無線サービスを提供するために、UE100とRANノード110のうちの1つとの間に無線リンクが確立されてもよい。無線リンクが確立されたRANノード110は、サービングRANノード110又はサービング基地局と呼ばれる。他のRANノード110は、UE100の通信範囲内にあってもよい。RAN106は、ユーザプレーン及び制御プレーンを有すると考えられる。制御プレーンは、UE100とRANノード110との間の無線リソース制御(RRC)シグナリングで実装される。UE100とコアネットワーク104との間の別の制御プレーンが存在し、非アクセス層(NAS)シグナリングで実装されてもよい。
【0043】
さらに図2を参照すると、各RANノード110は、通常、本明細書に記載された動作を遂行するようにRANノード110を制御することを含む、RANノード110の全体的な動作に関与する制御回路112を含む。例示的な実施形態では、制御回路は、RANノード110の動作を遂行するために、制御回路112のメモリ(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)によって記憶された論理命令(例えば、コード行、ソフトウェアなど)を実行するプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、又はマイクロプロセッサ)を含んでもよい。
【0044】
RANノード110はまた、UE100との無線による接続を確立するためのワイヤレスインターフェース114を含む。ワイヤレスインターフェース114は、TRPを形成するために1つ又は複数の無線トランシーバ及びアンテナアセンブリを含んでもよい。RANノード110はまた、コアネットワーク104へのインターフェース116を含む。RANノード110はまた、RAN106においてネットワーク調整を行うための1つ又は複数の隣接RANノード110へのインターフェース(図示せず)を含む。
【0045】
さらなる態様によれば、ネットワーク102は、位置測定ユニット(LMU)を含んでもよい。LMUは、(例えば、RAN106又はCN104内の)別個のノードであってもよく、RANノード110と同じ場所に配置されてもよく、RANノード110の構成要素であってもよい。例えば、LMUは、RANノード110と通信可能に結合され、その近くに配置されたコンピュータベースのシステムであってもよい。あるいは、LMUは、RANノード110に統合されてもよく、制御回路112のメモリに記憶された論理命令によって実装されてもよい。
【0046】
さらなる態様によれば、RANノード110はまた、位置決め計算ノード105と同様の機能を含んでもよい。RANノード100は、機能が制限された位置決め計算ノード105を含んでもよい。例えば、RANノード110は、UE位置決め測定値を受信し処理することを可能にする機能を含んでもよい。測定及び後処理に基づいて、RANノード110は、他のRANノード110に信号を送り、他のRANノード110と調整することができる。
【0047】
さらに図3を参照すると、UE100の概略ブロック図が示されている。UE100は、本明細書に記載された動作を遂行するようにUE100を制御することを含む、UE100の全体的な動作に関与する制御回路118を含む。例示的な実施形態では、制御回路118は、UE100の動作を遂行するために、制御回路118のメモリ(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)又は別個のメモリ120によって記憶された論理命令(例えば、コード行、ソフトウェアなど)を実行するプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、又はマイクロプロセッサ)を含んでもよい。
【0048】
UE100は、サービング基地局110との無線による接続を確立するための無線トランシーバ及びアンテナアセンブリなどのワイヤレスインターフェース122を含む。いくつかの例では、UE100は、充電式バッテリ(図示せず)によって給電されてもよい。デバイスのタイプに応じて、UE100は、1つ又は複数の他の構成要素を含んでもよい。他の構成要素には、センサ、ディスプレイ、入力構成要素、出力構成要素、電気コネクタなどが含まれてもよいが、それらに限定されない。
【0049】
図4では、位置決め計算ノード105の例示的な実施形態の概略ブロック図が示されている。位置決め計算ノード105は、(例えば、1つ又は複数のソフトウェアアプリケーションの形態の)論理命令を実行して位置決め推定値を生成する。しかしながら、位置決め計算ノード105の態様は、コアネットワーク104又は別のコンピューティング環境の様々なノードにわたって分散されてもよいことを理解されたい。
【0050】
位置決め計算ノード105は、計算ノード105の機能を遂行するコンピュータアプリケーション(例えば、ソフトウェアプログラム)を実行することが可能なコンピュータベースのシステムとして実装されてもよい。コンピュータプラットフォームの常であるように、位置決め計算ノード105は、データ、情報セット、及びソフトウェアを記憶するメモリ126などの非一時的コンピュータ可読媒体、並びにソフトウェアを実行するためのプロセッサ124を含んでもよい。プロセッサ124及びメモリ126は、ローカルインターフェース127を使用して結合されてもよい。ローカルインターフェース127は、例えば、制御バスが付随するデータバス、ネットワーク、又は他のサブシステムであってもよい。計算ノード105は、様々な周辺デバイスに動作可能に接続するための様々な入力/出力(I/O)インターフェース、並びに1つ又は複数のインターフェース128を有してもよい。インターフェース128は、例えば、モデム及び/又はネットワークインターフェースカードを含んでもよい。通信インターフェース128は、計算ノード105が、コアネットワーク104、RAN106、及び/又は必要に応じて他の場所にある他のコンピューティングデバイスとの間でデータ信号を送受信することを可能にすることができる。
【0051】
[オンデマンド位置決め]
上述されたように、従来の位置決め技法は、大幅な待ち時間なしに必要な精度を達成することができない場合がある。正確な位置を取得する際の遅延は、部分的には、周期的にのみ発生する可能性がある一般基準信号の送信に基づいて十分な数の測定値を取得するために必要な時間であり得る。しかしながら、移動度が増加した場合、周期的な送信に基づいて多くの測定値をコンパイルするだけでは十分でない可能性がある。オンデマンド方式でワイヤレス通信デバイスの正確で低遅延の位置決めをサポートするための技法が記載される。
【0052】
一実施形態では、本明細書に記載されたオンデマンド位置決めは、ワイヤレス通信デバイスとネットワークノード(例えば、RANノード)のセットとの間の好ましいビームペアを識別することを含んでもよい。ビームペアは、データチャネル及び制御チャネルのための(例えば、ビーム幅に関して)狭いビームを有するサービングセルのために接続モードで維持されてもよい。これらのビームペアは、チャネル状態情報-基準信号(CSI-RS)を利用して維持されてもよい。位置決めの目的で、2つ以上のセルが利用される。隣接セルは、特定の時間間隔で測定されてもよい。隣接セル用のビームペアは、通常、より広いビームであり得る同期信号ブロック(SSB)を使用して監視される。アイドルモード又は非アクティブモードでは、セルは依然として監視される場合があるが、より広いビームを有するSSBレベルにある。
【0053】
SSBレベルでの測定を示すために、測定ギャップは、ワイヤレス通信デバイスが接続モード、アイドルモード、又は非アクティブモードで隣接セルを測定するようにスケジュールされてもよい。送信ポイント(例えば、隣接基地局)とワイヤレス通信デバイスとの間の位置及び経路がサービングセルとは異なるので、最初に、これらの測定値はセルに同期するために使用される。送信ポイント(例えば、隣接基地局)は、2つの同期基準信号(例えば、一次同期信号(PSS)及び二次同期信号(SSS))並びにブロードキャストチャネル(例えば、物理ブロードキャストチャネル(PBCH))を含むSSBを送信する。SSBはビームを使用して送信することができるが、ビームは、他のチャネルに使用される可能性が高いビームとは異なってもよい。SSBを測定することにより、ワイヤレス通信デバイスは、セルがどの程度強く受信されているかを示す値、セルのセルID、及びビームペア構成を取得する。ビームペア構成は、ワイヤレス通信デバイスによって使用される受信ビームと、セルの送信ポイントによって使用される送信ビームとを含む。
【0054】
一例によれば、ワイヤレス通信デバイス(例えば、UE100)は、位置決め動作を実行するように要求しても、要求されてもよい。例えば、(位置決め計算ノード105及び/又はRANノード110などの)ワイヤレス通信ネットワークのノードは、ワイヤレス通信デバイスの位置決め/位置特定要求をトリガすることができる。あるいは、ワイヤレス通信デバイスは、位置決め動作を実行又はサポートするようにワイヤレス通信ネットワークをトリガすることができる。
【0055】
最初のステップでは、ワイヤレス通信デバイスは、セル又はネットワークノードのセットからの基準信号を測定する。セットは、サービングネットワークノードと、1つ又は複数の隣接ネットワークノードとを含んでもよい。ネットワークノードは、一般基準信号を周期的に送信することができる。基準信号は、一例では、レガシーシステム内の位置決め基準信号(PRS)と同様のPRSであってもよい。別の例では、データ送信を支援するために一般的に利用される他の既存信号が、位置決め目的に使用されてもよい。例えば、チャネル状態情報-基準信号(CSI-RS)、トラッキング基準信号(TRS)、及び/又は同期信号ブロック(SSB)が、位置決め目的用の基準信号として利用されてもよい。ワイヤレス通信デバイスは、受信された基準信号に対して位置決め測定を実行する(例えば、位置決めパラメータを測定する)ことができる。位置決め測定値は、タイミングベース(例えば、TOA、相対TOA(RTOA)、UTDOAなど)及び/又は信号強度ベース(例えば、基準信号受信電力(RSRP)、受信信号強度指示(RSSI)など)であってもよい。位置決め測定値は、サービングセル又は位置決め計算ノードに送信される測定報告内で収集されてもよい。
【0056】
別の実施形態では、ネットワークノードは、ビーム掃引を利用して基準信号を送信することができる。したがって、測定報告はまた、ビーム関連情報を含んでもよい。上述されたように、ビーム関連情報は、好ましいか又は選択されたビームペアの識別情報を含んでもよい。ビームペアは、ネットワークノードの送信ビームとワイヤレス通信デバイスの受信ビームとの間の対応関係を示すことができる。
【0057】
ワイヤレス通信デバイスは、サービングセル(例えば、サービングネットワークノード又はRANノード)に測定報告を送信することができる別の例では、測定報告はまた位置決め計算ノードに送信されてもよく、位置決め計算ノードはコアネットワークの機能であってもよく、サービングネットワークノードと統合されてもよい。別の例では、上述されたように、サービングネットワークは、受信された測定報告を処理するために、位置決め計算ノードと同様の機能を含んでもよい。ワイヤレス通信デバイスはまた、ビーム測定要求を送信することができ、ビーム測定要求は、ターゲットビーム手法を使用するオンデマンド位置決めに対する要求を示す。したがって、ワイヤレス通信デバイスは、ワイヤレス通信デバイスへの基準信号のターゲット送信を包含する位置決め動作の第2のステップ又は第2の段階を開始することができる。第1のステップ又は第1の段階は、上述された基準信号の周期的な送信及び測定を含んでもよい。
【0058】
第2の段階では、サービングセルは、1つ又は複数の隣接セルとターゲット送信を調整することができる。1つ又は複数の隣接セルは、例えば、第1の段階における測定の品質に基づいて、ワイヤレス通信デバイス及び/又はサービングセルによって選択されてもよい。サービングセルは、所望の待ち時間に基づくタイミングで、ワイヤレス通信デバイスに基準信号を送信するように1つ又は複数の隣接セルに要求する。サービングセルはまた、ワイヤレス通信デバイスによって1つ又は複数の隣接セルに対してそれぞれ識別された選択されたビームペアを報告することができる。サービングセルと1つ又は複数の隣接セルとの間の調整に続いて、サービングセルは、ターゲット送信の受信及び測定を可能にするためにワイヤレス通信デバイスに構成を送信することができる。
【0059】
サービングセル及び1つ又は複数の隣接セルは、構成に従って、送信ビームのセットにわたるビーム掃引を利用して、ワイヤレス通信デバイスに基準信号を送信することができる。送信ビームのセットは、第1のステップにおいて周期的な送信に利用されたビームの数と比較して削減されたビームのセットであってもよい。送信ビームのセットは、第1のステップにおいて使用されたビームと比較して縮小された領域しかカバーすることができない。すなわち、ターゲット送信に使用される送信ビームのセットは、周期的な送信のためにセルによって使用される比較的広いビームと比較して狭くなる可能性がある。一態様では、送信ビームのセットは、測定報告内でワイヤレス通信デバイスによって識別されたより広いビームと実質的に同様の領域を掃引する狭いビームであってもよい。別の態様では、周期的な送信に使用される送信ビームは、ターゲット送信に使用される送信ビームのセットとは異なるアンテナ構成を有してもよい。例えば、ターゲット送信は2つのアンテナポートを利用することができるが、周期的な送信は1つのポートしか利用することができない。
【0060】
ワイヤレス通信デバイスは、構成に従ってサービングセル及び1つ又は複数の隣接セルから基準信号を受信することができる。例えば、構成は、セルごとに所与のタイミング又は測定機会を指定することができる。構成はまた、セル用のビーム構成(例えば、送信ビームのセット)を示すことができる。特定の測定機会において、ワイヤレス通信デバイスは、そのワイヤレス通信デバイスのためにセルによって特に利用される送信ビームのセットにわたって、セルから基準信号を受信する。ワイヤレス通信デバイスは、セルからの基準信号並びに他のセルからの基準信号に対して、上述されたものと同様の位置決め測定を実行することができる。ワイヤレス通信デバイスは、位置決め推定値の計算のために位置決め計算ノード(例えば、ロケーションサーバ)に測定値を報告することができるか、又はワイヤレス通信デバイスは、例えば、セル内の送信ポイントの位置がワイヤレス通信デバイスに知られているときに位置決め推定値を計算することができる。
【0061】
図5及び図6を参照すると、例示的な位置決め技法の概略図が示されている。上述されたように、本明細書に開示された位置決め技法は2ステッププロセスであってもよく、第1のステップは粗い位置決めを実現することができ、第2のステップは精密な位置決めを実現することができる。図5は第1のステップの概略図である。図5は簡略化のために3つのRANノード110を含むが、3つより多くのRANノード110がUE100の位置決め動作に関与できることを諒解されたい。この説明の目的のために、RANノード110aは、UE100にサービングセルを提供するサービングネットワークノードであり、RANノード110b、cは、隣接セルに関連付けられた隣接ネットワークノードである。
【0062】
RANノード110は、ビーム掃引を介して、周期的であり得る基準信号を送信するように構成されてもよい。例えば、RANノード110は、構成されたビームのセットを介して基準信号の送信を繰り返す。図5では、RANノード110aは、送信ビーム111a~cを使用して基準信号を送信し、RANノード110bは、ビーム113a~cを使用して基準信号を送信し、RANノード110cは、ビーム115a~cを使用して基準信号を送信する。UE100は、それぞれの基準信号を受信し、位置決め測定を実行する。位置決め測定は、タイミングベース及び/又は信号強度ベースであってもよい。さらに、UE100は、各RANノード110に関連付けられた好ましいビームを識別する。UE100は、それぞれの基準信号のリソースIDに基づいて、ビーム識別情報(ID)の形態で好ましいビームを識別することができる。好ましいビームは、最良のチャネル条件を有する送信ビーム及び/又は最良の品質の位置決め測定値に関連付けられた送信ビームであってもよい。好ましいビームは2つ以上のビームを含んでもよい。例えば、しきい値を上回るチャネル条件を有し、且つ/又は少なくともしきい値品質を有する測定値に関連付けられた任意の送信ビームがUE100によって選択されてもよい。
【0063】
UE100は、取得された測定値に基づいて位置決め測定を実行することができる。しかしながら、位置決め測定は、粗い位置決め測定であってもよく、例えば、位置決め計算ノード105による粗い位置決め推定値につながってもよい。例えば、送信ビーム111、113、115は、シグナリングオーバーヘッドも低減しながら十分なカバレッジを提供するために、より広い領域をカバーする比較的広いビームであってもよい。したがって、位置決め測定値及び/又は結果として生じる位置決め推定値は、UE100によって必要とされる精度を達成しない可能性がある。UE100は、粗い位置決めがその要件を満たすか否かを判定することができる。要件は精度要件であってもよい。別の態様では、要件は位置決め測定自体の要件に関連してもよい。例えば、要件は位置決め測定品質要件であってもよく、信号強度、相関結果、マルチパス測定、タイミング測定品質などに関連してもよい。要件が満たされた場合、位置決め動作は完了したと見なされてもよい。位置決め要件が満たされない場合、UE100は、オンデマンドの精密な位置決めの要求130をRANノード110a(例えば、サービングネットワークノード)に送信することができる。特に、UE100は、位置決め動作のために使用可能な、RANノード110からUE100へのターゲット送信を要求することができる。ターゲット送信はUE100に固有であってもよく、その結果、送信はUE100による受信のために構成され、UE100のみの位置決めを支援するように意図される。すなわち、ターゲット送信は、RANノード110によってカバーされる領域内の任意のUE又は他の通信デバイスによる一般的な使用向けではない。
【0064】
要求とともに、UE100は、位置決め測定値、並びにRANノード110a~cにそれぞれ関連付けられた好適なビームを含む場合がある測定報告をRANノード110aに送信することができる。一態様では、位置決め要件は、初期位置決め測定に使用される信号の特性(例えば、SSBベース、帯域幅が小さいPRS、ビームが広いPRSなど)に基づき、且つ/又は初期位置決め測定値の品質(例えば、より低い相関値、より低い信号強度など)に基づいてもよい。測定報告は、好ましいビームについての測定値、しきい値を超える測定メトリックを有する1つ若しくは複数のビーム、又はすべてのビームについての測定値を含んでもよい。後の例では、RANノード110a又は他のネットワークノードは、測定報告に基づいて好ましいビームを決定することができる。
【0065】
サービングネットワークノード、RANノード110aは、隣接ネットワークノード、RANノード110b~cと調整する。例えば、RANノード110aは、それぞれ、RANノード110b及び110cとメッセージ132a~bを交換することができる。これらのメッセージは、UE100に固有の基準信号のターゲット送信のためのRANノード110による送信機会の交渉を含んでもよい。さらに、RANノード110aは、UE100によって報告された好ましいか又は選択されたビームをRANノード110b及び110cに通信することができる。あるいは、前述の調整は位置決め計算ノード105によって管理することもできる。メッセージ交換は位置決め計算ノード105に一元化されてもよい。
【0066】
図6を参照すると、位置決め動作の第2のステップの概略図が描写されている。この例では、UE100は、RANノード110a、110b、及び110cにそれぞれ関連付けられた好ましいビームとして、ビーム111a、113b、及び115cを報告した。第2のステップでは、RANノード110は、第1のステップ(図5)で利用された送信ビームのセットとは異なる送信ビームのセットにわたってビーム掃引を利用する。第2のステップにおける送信ビームのセットは、第1のステップにおけるビームに基づいてもよい。例えば、図6に示されたように、第2のステップにおける送信ビームのセットは、第1のステップにおけるビームよりも狭くてもよい。より具体的には、一実施形態では、第2のステップにおけるビームは、UE100によって選択されたより広いビームと同様の領域を一括してカバーする狭いビームのセットであってもよい。図6では、RANノード110aは、送信ビーム111aと相関する送信ビーム121のセット(例えば、ビーム121a~d)にわたってビーム掃引を利用することができ、RANノード110bは、送信ビーム113bに関連付けられた(ビーム123a~dを含む)ビーム123のセットにわたって掃引し、RANノード110cは、ビーム115cに関連付けられた(ビーム125a~dを有する)ビーム125のセットを用いてビーム掃引を介して送信することができる。
【0067】
UE100は、ビームセット121、123、及び125を介してそれぞれ送信された基準信号に対して、(例えば、タイミングベース及び/又は信号強度ベースの)位置決め測定を実行する。測定値は、位置決め推定のためにロケーションサーバ(例えば、位置決め計算ノード105)に報告され、且つ/又は位置決め推定値を計算するためにUE100によって利用されてもよい。UE100をターゲットとする比較的狭いビーム121、123、及び125のセットを使用して追加の基準信号を送信することにより、UE100は、例えば20msごとに発生する可能性がある周期的な送信のみを介して利用可能なものよりも低い遅延でより高い品質のデータ(例えば、測定値)を取得することができる。第2のステップにおける測定値は、第1のステップにおける測定値を精緻化して、UE100のより正確な位置決め推定値を生成することができる。
【0068】
図7Aを参照すると、ワイヤレス通信デバイスのオンデマンド2ステップ位置決めについての例示的なシグナリング図が描写されている。図示されたように、位置決め計算ノード105は、位置決め要求140及びセルリスト142をUE100に送信することができる。位置決め要求140は、位置決め測定を実行して位置決め推定値の計算をサポートするようにUE100をトリガすることができ、セルリスト142は、UE100によって測定されるべきセル又はネットワークノードの初期セットを示すことができる。別の態様によれば、UE100は、位置決め推定自体をトリガすることができ、したがって、位置決め計算ノード105からの位置決め要求140は任意選択である。図7では別個のノードとして示されているが、位置決め計算ノード105は、サービングRANノード110aなどのRANノードと同じ場所に配置されてもよく、RANノードと統合されてもよいことを諒解されたい。
【0069】
位置決め動作が(位置決め計算ノード105によってであれ、UE100によってであれ)トリガされると、第1のステップが実行される。第1のステップでは、UE100は、サービングRANノード110a及び隣接RANノード110bから一般基準信号144及び146を受信する。これらの基準信号は、通常、周期的であり、同期、セル測定、及びチャネル品質測定などのデータ送信をサポートする目的を有する。図7は単一の隣接RANノード110bを示しているが、位置決め動作は複数の隣接ネットワークノードを含んでもよく、RANノード110bに関連付けられたシグナリングは、さらなる隣接ネットワークノードのために適宜複製されてもよい。
【0070】
一般基準信号144、146は、SSB、CSI-RS、PRS、又は位置決めに使用可能な別の信号であってもよく、送信ビームのそれぞれのセットにわたるビーム掃引を使用してRANノード110a~bによって送信されてもよい。任意選択のステップでは、UE100は、受信された基準信号144、146に基づいてセル測定148を実行することができる。一態様では、セル測定148は、基準信号受信電力(RSRP)測定値を含み、位置決めのために測定されたセルの数を、セルリスト142に含まれているものから削減するように動作することができる。別の態様では、RSRP測定値は、RANノード110のためのそれぞれの好ましいビームを選択するためにUE100によって利用されてもよい。上述されたように、一般基準信号144、146に関連付けられた好ましいビームは、UE100に固有ではない粗いビーム又は広いビームであってもよい。
【0071】
UE100は、基準信号144、146に対して位置決め測定150を実行する。位置決め測定は、タイミングベース及び/又は信号強度ベースの測定であってもよい。UE100は、測定報告152及び/又はビーム測定要求154をサービングRANノード110aに送信することができる。測定報告152は、基準信号144、146に対する位置決め測定値150を含んでもよい。加えて、測定報告152は、(例えば、セル測定148に基づく)RANノードの選択、及びそれらのRANノードに対して識別されたそれぞれの好ましいビームを含んでもよい。さらなる態様では、UE100は、一般基準信号144、146に基づく位置決め測定150が、任意の位置決め要件(例えば、精度要件)を満たす位置決め推定をサポートするかどうかを判定することができる。そのような要件が満たされた場合、さらなるステップはバイパスされてもよい。要件が満たされない場合、UE100は、位置決めを精緻化するために、ビーム測定要求154を介して基準信号のターゲット送信を要求することができる。
【0072】
上述されたように、位置決め計算ノード105は、サービングRANノード110aと同じ場所に配置されてもよく、サービングRANノード110aと統合されてもよい。さらなる態様によれば、サービングRANノード110はまた、位置決め計算ノード105の同様の機能を含んでもよい。すなわち、サービングRANノード110aは、機能が制限された位置決め計算ノード105であってもよい。例えば、RANノード110aは、測定報告152内の位置決め測定値を受信し処理することを可能にする機能を含んでもよい。測定及び後処理に基づいて、サービングRANノード110aは、以下に記載されるように、他のRANノード110bに信号を送り、他のRANノード110bと調整することができる。
【0073】
測定報告152に基づいて、且つ/又はビーム測定要求154に応答して、サービングRANノード110aは、UE100のオンデマンド2ステップ位置決めの第2のステップのための準備を開始することができる。図7に示されたように、サービングRANノード110aは、隣接RANノード110bと基準信号タイミング156を交渉する。一例では、サービングRANノード110aは、特定の送信機会158の要求を隣接RANノード110bに送信することができる。許容可能である場合、隣接RANノード110bは機会160を承認することができる。要求された機会が許容可能でない場合、隣接RANノード110bは拒否で応答することができ、それにより、異なる機会を要求するようにサービングRANノード110aがトリガされる。このプロセスは、機会が承認されるまで繰り返してもよい。隣接RANノード110bは、許可された送信機会のリストをサービングRANノード110aに事前に提供することができる。要求158は、このリストから選択された機会を含んでもよい。別の例では、送信機会の選択は、隣接RANノード110bによって行われてもよい。例えば、隣接RANノード110bは、サービングRANノード110aからの要求に応答して機会を選択することができる。サービングRANノード110aは、隣接RANノード110bによって選択された機会を承認又は拒否することができる。拒否は再選択をトリガすることができ、そのような再選択は、選択された機会が承認されるまで繰り返してもよい。
【0074】
156における交渉に続いて、サービングRANノード110aは、構成情報162をUE100に送信する。構成情報162は、サービングRANノード110a及び隣接RANノード110bなどの隣接RANノードによるターゲット基準信号のための送信機会及びビーム構成をUE100に通知する。ビーム構成は、後続の基準信号164、166の関連付け、及び以前の基準信号144、146に対する可能な関係を含んでもよい。さらに、これは、送信構成インジケータ(TCI)状態情報の形態であってもよい。例えば、このビーム構成に基づいて、UEは、後続の基準信号164、166及び以前の基準信号144、146が同じ準コロケーションタイプ(QCL)などの同様の構成を有すると想定することができる。サービングRANノード110aはターゲット基準信号164を送信し、隣接RANノード110bはターゲット基準信号166を送信する。ターゲット基準信号164及び166は、送信ビームのセットのビーム掃引を使用して送信されてもよい。上述されたように、送信ビームのセットは、UE100によって報告された好ましいビームに基づいてもよい。例えば、送信ビームのセットは、セットのビーム掃引が好ましいビームと同様の領域をカバーするように、(報告された好ましいビームに比べて)狭いビームのセットであってもよい。
【0075】
ターゲット基準信号164及び166に基づいて、UE100は、位置決め測定及び/又は推定168を実行する。位置決め測定は、タイミングベース及び/又は信号強度ベースであってもよい。測定されたサービングRANノード110a、隣接RANノード110b、及び他の隣接RANノードについて位置が知られているとき、UE100は位置決め推定値を計算することができる。UE100は、位置決め計算ノード105に位置決め情報170(例えば、位置決め推定値及び/又は測定報告)を送信することができる。
【0076】
図7Bを参照すると、ワイヤレス通信デバイスのオンデマンド2ステップ位置決めの別の実施形態についての例示的なシグナリング図が描写されている。この説明の目的のために、(同様の参照番号で言及された)図7Aと類似するこの実施形態の部分の説明は省略される。一態様によれば、図7Aは、サービングRANノード110aがUE100向けの基準信号のターゲット送信を調整する実施形態を描写する。図7Bでは、ターゲット送信の調整及び構成は、位置決め計算ノード105によって処理されてもよい。例えば、位置決め測定150に続いて、UE100は、位置決め計算ノード105に測定報告153及び/又はビーム測定要求155を送信することができる。測定報告153及びビーム測定要求155は、図7Aに関して上述された測定報告152及びビーム測定要求154と同様であってもよい(例えば、同様の情報を含んでもよい)。
【0077】
測定報告153に基づいて、且つ/又はビーム測定要求155に応答して、位置決め計算ノード105は、UE100のオンデマンド2ステップ位置決めの第2のステップを調整することができる。図7Bに示されたように、位置決め計算ノード105は、サービングRANノード110a及び隣接RANノード110bと基準信号タイミングを交渉する。一例では、位置決め計算ノード105は、要求をサービングRANノード110a及び隣接RANノード110bに特定の送信機会157に対するそれぞれの送信することができる。要求された機会が許容可能である場合、サービングRANノード110a及び隣接RANノード110bは、それぞれの肯定応答159を位置決め計算ノード105に送信することができる。要求された機会が許容可能でない場合、サービングRANノード110a及び/又は隣接RANノード110bは拒否で応答することができ、それにより、異なる機会を要求するように位置決め計算ノード105がトリガされる。このプロセスは、サービングRANノード110a及び隣接RANノード110bによって機会が承認されるまで繰り返してもよい。上述されたように、別の実施形態では、サービングRANノード110a及び隣接RANノード110bは、許可された送信機会のリストを位置決め計算ノード105に事前に提供することができる。したがって、要求157は、それぞれのリストから選択された機会を含んでもよい。別の例では、送信機会の選択は、サービングRANノード110a及び隣接RANノード110bによって行われてもよい。例えば、サービングRANノード110a及び隣接RANノード110bは、位置決め計算ノード105からの要求に応答してそれぞれの機会を選択することができる。位置決め計算ノード105は、サービングRANノード110a及び隣接RANノード110bによって選択された機会を承認又は拒否することができる。拒否は再選択をトリガすることができ、そのような再選択は、選択された機会が位置決め計算ノード105によって承認されるまで繰り返してもよい。
【0078】
上述された調整に続いて、位置決め計算ノード105は、構成情報161をUE100に送信する。構成情報161は、上述された構成情報162と同様であってもよい。例えば、構成情報161は、サービングRANノード110a及び隣接RANノード110bなどの隣接RANノードによるターゲット基準信号のための送信機会及びビーム構成をUE100に通知する。
【0079】
図7A図7Bに記載された上記のシーケンスは例示的なものであり、それぞれのシーケンスにおいて代替の順序が利用されてもよいことを諒解されたい。
【0080】
図8図10は、UE100及びネットワークノード110によって具現化され得るステップを表す例示的なプロセスフローを示す。論理的な進行で示されているが、図8図10の示されたブロックは、他の順序で、且つ/又は2つ以上のブロック間の同時発生で実行されてもよい。したがって、図示されたフロー図は、変更されてもよく(ステップを省略することを含む)、且つ/又はオブジェクト指向方式若しくは状態指向方式で実装されてもよい。
【0081】
図8は、ワイヤレス通信デバイスのオンデマンド2ステップ位置決めのための代表的な方法を示す。図8の方法は、サービングRANノード110aなどのネットワークノードによって遂行されてもよい。論理フローは、サービングネットワークノードが送信ビームの第1のセットを介して一般基準信号を送信するブロック172で開始することができる。一般基準信号は、通常、周期的であり、同期、セル測定、及びチャネル品質測定などのデータ送信をサポートする目的用である。送信ビームの第1のセットは、一般的に大幅なシグナリングオーバーヘッドなしに領域内の任意のUEにカバレッジを提供するように構成された比較的広く粗いビームを含んでもよい。上述されたように、一般基準信号の送信は、2ステップ位置決め動作の第1のステップであってもよい。ブロック174において、サービングネットワークノードは、ワイヤレス通信デバイスから、測定報告及び/又は基準信号のターゲット送信の要求を受信する。測定報告は、サービングネットワークノードからの一般基準信号の位置決め測定値、並びに1つ又は複数の隣接ネットワークノードからの一般基準信号の位置決め測定値を含む。測定報告はまた、サービングネットワークノード及び1つ又は複数の隣接ネットワークノードに関連付けられた好ましいか又は選択されたビームの識別情報を含んでもよい。好ましいビームは、信号強度メトリック又は他の測定値に基づいて選択されてもよい。
【0082】
ブロック176において、隣接ネットワークノードのセットが選択され、サービングネットワークノードは、選択されたノードからワイヤレス通信デバイスへのターゲット送信を要求する。隣接ネットワークノードのセットは、ワイヤレス通信デバイスによって選択され、測定報告内で識別されてもよい。別の実施形態では、サービングネットワークノードは、例えば、報告内の測定値に基づいて隣接ネットワークノードを選択する。
【0083】
ブロック178において、サービングネットワークノードは、隣接ネットワークノードのセットと、ターゲット送信のためのリソースを交渉する。一例では、サービングネットワークノードは、隣接ネットワークノードに特定の送信機会を要求することができ、隣接ネットワークノードは、要求された機会を承認又は拒否することができる。拒否は、肯定応答が受信されるまで、異なる送信機会の要求をトリガすることができる。別の手法では、隣接ネットワークノードは送信機会を選択することができ、送信機会は、その後、サービングネットワークノードによって承認又は拒否される。ブロック180において、サービングネットワークノードは、ワイヤレス通信デバイスに送信されるべきそれ自体のターゲット基準信号のためのリソースを決定する。ブロック182において、サービングネットワークノードは、サービングネットワークノード及び選択された隣接ネットワークノードのセットからのターゲット基準信号のためのそれぞれの送信機会及びビーム構成を示すことができる構成情報をワイヤレス通信デバイスに送信する。ブロック184において、サービングネットワークノードは、送信ビームの第2のセットを介してターゲット基準信号を送信する。送信ビームの第2のセットは、ブロック172で利用された送信ビームの第1のセットからワイヤレス通信デバイスによって報告された好ましいビームに基づいてもよい。例えば、送信ビームの第2のセットは、好ましいビームと相関するより狭いビームのセットであってもよい。一例では、送信ビームの第2のセットは、好ましいビームによってカバーされる領域と実質的に同様の領域を一括してカバーすることができる。送信ビームの第2のセットを介して送信されるターゲット基準信号により、ワイヤレス通信デバイスが一般基準信号に基づく測定値よりも高い精度を有する位置決め推定値をサポートする位置決め測定値を取得することが可能になる。
【0084】
図9を参照すると、ワイヤレス通信デバイスのオンデマンド2ステップ位置決めのための代表的な方法が提供される。図9の方法は、RANノード110b~cなどの隣接ネットワークノードによって遂行されてもよい。論理フローは、隣接ネットワークノードが送信ビームの第1のセットを介して一般基準信号を送信するブロック186で開始することができる。一般基準信号は、通常、周期的であり、同期、セル測定、及びチャネル品質測定などのデータ送信をサポートする目的用である。送信ビームの第1のセットは、一般的に大幅なシグナリングオーバーヘッドなしに領域内の任意のUEにカバレッジを提供するように構成された比較的広く粗いビームを含んでもよい。ブロック188において、隣接ネットワークノードは、サービングネットワークノードから、ターゲット基準信号を特定のワイヤレス通信デバイスに送信する要求を受信することができる。要求は、好ましいビームとしてワイヤレス通信デバイスによって報告された、送信ビームの第1のセットからの選択された送信ビームを示すことができる。
【0085】
ブロック190において、隣接ネットワークノードは、サービングネットワークノードと、ターゲット送信のためのリソースを交渉する。一例では、サービングネットワークノードは、隣接ネットワークノードに特定の送信機会を要求することができ、隣接ネットワークノードは、要求された機会を承認又は拒否することができる。拒否は、隣接ネットワークノードによる肯定応答まで、異なる送信機会の要求をトリガすることができる。別の手法では、隣接ネットワークノードは送信機会を選択することができ、送信機会は、その後、サービングネットワークノードによって承認又は拒否される。ブロック192において、隣接ネットワークノードは、送信ビームの第2のセットを介してターゲット基準信号を送信する。送信ビームの第2のセットは、ブロック186で利用された送信ビームの第1のセットからワイヤレス通信デバイスによって報告された好ましいビームに基づいてもよい。例えば、送信ビームの第2のセットは、好ましいビームと相関するより狭いビームのセットであってもよい。一例では、送信ビームの第2のセットは、好ましいビームによってカバーされる領域と実質的に同様の領域を一括してカバーすることができる。送信ビームの第2のセットを介する送信は、ワイヤレス通信デバイスの位置決めを精緻化することができる位置決め動作の第2のステップである。
【0086】
図10は、ワイヤレス通信デバイスのオンデマンド2ステップ位置決めのための代表的な方法を示す。図10の方法は、UE100などのワイヤレス通信デバイスによって遂行されてもよい。論理フローは、ワイヤレス通信デバイスがネットワークノードのセットから一般基準信号を受信することができるブロック194で開始することができる。これらの基準信号は、通常、周期的であり、同期、セル測定、及びチャネル品質測定などのデータ送信をサポートする目的用である。ネットワークノードのセットは、サービングネットワークノードと、1つ又は複数の隣接ネットワークノードとを含んでもよい。各ネットワークノードは、送信ビームの第1のセットを使用して一般基準信号を送信することができる。送信ビームの第1のセットは、一般的に大幅なシグナリングオーバーヘッドなしに領域内の任意のUEにカバレッジを提供するように構成された比較的広く粗いビームを含んでもよい。
【0087】
ブロック196において、ワイヤレス通信デバイスは、受信された一般基準信号に対して初期位置決め測定を実行する。加えて、ワイヤレス通信デバイスは、ネットワークノードのセットに対してそれぞれの好ましいビームを選択することができる。位置決め測定は、タイミングベース又は信号強度ベースであってもよい。一例では、好ましいビームは、周期基準信号のRSRP測定値に基づいて選択されてもよい。
【0088】
ブロック198において、ワイヤレス通信デバイスは、サービングネットワークノードに、測定報告及び/又は基準信号のターゲット送信の要求を送信することができる。測定報告は、初期位置決め測定値及び/又は好ましいビームの識別情報を含んでもよい。初期位置決め測定値は、所望の精度を達成するのに十分な品質をもたない場合がある。したがって、ワイヤレス通信デバイスは、位置決めを精緻化するために、ワイヤレス通信デバイスをターゲットとし、且つワイヤレス通信デバイスに固有の位置決め動作の第2のステップを要求することができる。
【0089】
ブロック200において、ワイヤレス通信デバイスは、サービングネットワークノードから構成情報を受信することができる。構成情報は、サービングネットワークノード及び選択された隣接ネットワークノードのセットからのターゲット基準信号に対するそれぞれの送信機会及びビーム構成を示すことができる。ブロック202において、構成情報に基づいて、ワイヤレス通信デバイスは、サービングネットワークノード及び選択された隣接ネットワークノードのセットからターゲット基準信号を受信することができる。各ネットワークノードは、ワイヤレス通信デバイスによって選択された好ましいビームに関連する送信ビームの第2のセットを介してターゲット基準信号を送信することができる。例えば、送信ビームの第2のセットは、好ましいビームと相関するより狭いビームのセットであってもよい。一例では、送信ビームの第2のセットは、好ましいビームによってカバーされる領域と実質的に同様の領域を一括してカバーすることができる。
【0090】
ブロック202において、ワイヤレス通信デバイスは、受信されたターゲット基準信号に基づいて位置決め測定を実行することができる。位置決め測定値は、ワイヤレス通信デバイスについての位置決め推定値を計算するために使用されてもよい。基準信号はワイヤレス通信デバイスに固有のものであり、ワイヤレス通信デバイスをターゲットとするので、位置決め推定値は、周期基準信号のみに基づく推定値と比較してより高い精度を有するべきである。
【0091】
[結論]
いくつかの実施形態が図示され記載されたが、本明細書を読んで理解すれば、添付の特許請求の範囲内に入る均等物及び修正形態が当業者には思い浮かぶであろうことが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10