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特許7382498高出力レーザデバイスのためのパッケージ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】高出力レーザデバイスのためのパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/024 20060101AFI20231109BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20231109BHJP
【FI】
H01S5/024
H01L23/46 Z
【請求項の数】 42
(21)【出願番号】P 2022522626
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 US2020055890
(87)【国際公開番号】W WO2021076836
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】16/654,339
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514134192
【氏名又は名称】テラダイオード, インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロッホマン, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ソーター, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ビエン
(72)【発明者】
【氏名】ドイチュ, マイケル
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-526165(JP,A)
【文献】特開2005-079065(JP,A)
【文献】国際公開第2017/141894(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0043164(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0314467(US,A1)
【文献】米国特許第06192062(US,B1)
【文献】米国特許第5263536(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0118902(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0028094(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0218483(US,A1)
【文献】特開2016-178207(JP,A)
【文献】特開2014-082311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
H01L 33/00
H01L 33/48-33/64
H01L 23/34-23/473
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザパッケージであって、前記レーザパッケージは、
底部アノード冷却器であって、前記底部アノード冷却器は、(i)上面と、(ii)前記上面と反対側の底面と、(iii)前記底面に画定されている進入凹所と、(iv)前記上面に画定されている上部凹所と、(v)複数の中空ポートとを有し、前記複数の中空ポートは、前記進入凹所と前記上部凹所とを流体的に接続し、前記複数の中空ポートを通して冷却流体の噴出を形成する、底部アノード冷却器と、
前記底部アノード冷却器の一部のみの上方に配置されている上部アノード冷却器であって、前記上部アノード冷却器は、(i)上面と、(ii)前記上面と反対側の底面とを有し、前記上部アノード冷却器の前記底面は、前記底部アノード冷却器の前記上部凹所の中に突出する非平面的パターンを画定する衝突表面を備え、これにより、前記底部アノード冷却器の中に導入され、前記複数の中空ポートを通して噴出させられた冷却流体は、前記上部アノード冷却器の前記衝突表面に衝打し、前記上部アノード冷却器の前記上面上に配置されているレーザエミッタを冷却する、上部アノード冷却器と
を備える、レーザパッケージ。
【請求項2】
前記上部アノード冷却器の熱伝導率は、前記底部アノード冷却器の熱伝導率より大きい、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項3】
前記非平面的パターンは、複数の隆起特徴を備える、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項4】
前記底部アノード冷却器は、前記複数の中空ポートの開口部間に配置されている複数の隆起支柱を画定する、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項5】
前記レーザパッケージは、(i)前記上部アノード冷却器の上に配置されているカソード冷却器をさらに備え、前記カソード冷却器の一部は、張り出し、かつ、前記上部アノード冷却器の上面に接触していない、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項6】
前記カソード冷却器は、前記カソード冷却器を通した冷却流体の流動のために構成されていない、請求項5に記載のレーザパッケージ。
【請求項7】
前記上部アノード冷却器は、前記上部アノード冷却器を通した冷却流体の流動のために構成されていない、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項8】
前記非平面的パターンは、前記冷却流体のための混合チャネルを形成するために、前記複数の中空ポートの開口部から間隔を置かれている、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項9】
前記混合チャネルは、約0.025mm~約50mmの範囲から選択される高さを有する、請求項8に記載のレーザパッケージ。
【請求項10】
前記複数の中空ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネル高さの比は、約0.1~約30の範囲から選択される、請求項8に記載のレーザパッケージ。
【請求項11】
前記複数の中空ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネル高さの比は、約8~約30の範囲から選択される、請求項8に記載のレーザパッケージ。
【請求項12】
前記複数の中空ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネル高さの比は、約0.1~約2の範囲から選択される、請求項8に記載のレーザパッケージ。
【請求項13】
前記複数の中空ポートの中心間間隔は、約0.1mm~約8mmの範囲から選択される、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項14】
前記複数の中空ポートのうちの少なくとも1つの直径は、約0.025mm~約5mmの範囲から選択される、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項15】
前記上部アノード冷却器の前記上面の面積は、前記底部アノード冷却器の前記上面の面積より小さい、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項16】
前記底部アノード冷却器は、出口チャネルをその内側に画定し、前記出口チャネルは、前記上部凹所を前記底部アノード冷却器の前記底面に画定されている出口開口と流体的に接続し、前記出口開口は、前記進入凹所から間隔を置かれている、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項17】
前記レーザパッケージは、前記上部アノード冷却器の前記底面の一部を前記底部アノード冷却器の前記上面の一部に取り付ける取り付け材料をさらに備える、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項18】
前記取り付け材料は、接着剤、はんだ、またはろう付け材料のうちの少なくとも1つを備える、請求項17に記載のレーザパッケージ。
【請求項19】
前記底部アノード冷却器は、アルミナを備え、前記上部アノード冷却器は、SiCを備える、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項20】
前記上部アノード冷却器および前記底部アノード冷却器は、電気絶縁する、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項21】
前記レーザパッケージは、前記上部アノード冷却器の前記上面上に配置されているレーザエミッタをさらに備え、前記レーザエミッタは、複数のビームを放出するように構成されているレーザダイオードバーを備える、請求項1に記載のレーザパッケージ。
【請求項22】
波長ビーム合成レーザシステムであって、前記レーザシステムは、
複数の別々のビームを放出するビームエミッタと、
分散要素に向かって前記複数の別々のビームを集中させるための集中光学系と、
前記複数の別々のビーム受け取り、前記複数の別々のビームを分散させるための分散要素と、
部分的反射性出力結合器であって、前記部分的反射性出力結合器は、前記分散要素によって分散された前記複数の別々のビームを受け取ることと、前記分散要素によって分散された前記複数の別々のビームの一部を前記部分的反射性出力結合器を通して多波長出力ビームとして透過させることと、前記分散要素に向かって戻るように前記分散要素によって分散された前記複数の別々のビームの第2の部分を反射することとを行うように位置付けられている、部分的反射性出力結合器と、
底部アノード冷却器であって、前記底部アノード冷却器は、(i)上面と、(ii)前記上面と反対側の底面と、(iii)前記底面に画定されている進入凹所と、(iv)前記上面に画定されている上部凹所と、(v)複数の中空ポートとを有し、前記複数の中空ポートは、前記進入凹所と前記上部凹所とを流体的に接続し、前記複数の中空ポートを通して冷却流体の噴出を形成する、底部アノード冷却器と、
前記底部アノード冷却器の一部のみの上方に配置されている上部アノード冷却器であって、前記上部アノード冷却器は、(i)上面であって、前記ビームエミッタは、前記上部アノード冷却器の前記上面の上に配置されている、上面と、(ii)前記上面と反対側の底面とを有し、前記上部アノード冷却器の前記底面は、前記底部アノード冷却器の前記上部凹所の中に突出する非平面的パターンを画定する衝突表面を備え、これにより、前記底部アノード冷却器の中に導入され、前記複数の中空ポートを通して噴出させられた冷却流体は、前記上部アノード冷却器の前記衝突表面に衝打し、前記ビームエミッタを冷却する、上部アノード冷却器
を備える、レーザシステム。
【請求項23】
前記分散要素は、回折格子を備える、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項24】
前記上部アノード冷却器の熱伝導率は、前記底部アノード冷却器の熱伝導率より大きい、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項25】
前記非平面的パターンは、複数の隆起特徴を備える、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項26】
前記底部アノード冷却器は、前記複数の中空ポートの開口部間に配置されている複数の隆起支柱を画定する、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項27】
前記レーザシステムは、(i)前記上部アノード冷却器の上に配置されているカソード冷却器をさらに備え、前記カソード冷却器の一部は、張り出し、かつ、前記上部アノード冷却器の前記上面に接触していない、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項28】
前記カソード冷却器は、前記カソード冷却器を通した冷却流体の流動のために構成されていない、請求項27に記載のレーザシステム。
【請求項29】
前記上部アノード冷却器は、前記上部アノード冷却器を通した冷却流体の流動のために構成されていない、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項30】
前記非平面的パターンは、前記冷却流体のための混合チャネルを形成するために、前記複数の中空ポートの開口部から間隔を置かれている、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項31】
前記混合チャネルは、約0.025mm~約50mmの範囲から選択される高さを有する、請求項30に記載のレーザシステム。
【請求項32】
前記複数の中空ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネル高さの比は、約0.1~約30の範囲から選択される、請求項30に記載のレーザシステム。
【請求項33】
前記複数の中空ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネル高さの比は、約8~約30の範囲から選択される、請求項30に記載のレーザシステム。
【請求項34】
前記複数の中空ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネル高さの比は、約0.1~約2の範囲から選択される、請求項30に記載のレーザシステム。
【請求項35】
前記複数の中空ポートの中心間間隔は、約0.1mm~約8mmの範囲から選択される、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項36】
前記複数の中空ポートのうちの少なくとも1つの直径は、約0.025mm~約5mmの範囲から選択される、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項37】
前記上部アノード冷却器の前記上面の面積は、前記底部アノード冷却器の前記上面の面積より小さい、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項38】
前記底部アノード冷却器は、出口チャネルをその内側に画定し、前記出口チャネルは、前記上部凹所を前記底部アノード冷却器の前記底面に画定されている出口開口と流体的に接続し、前記出口開口は、前記進入凹所から間隔を置かれている、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項39】
前記上部アノード冷却器の前記底面の一部を前記底部アノード冷却器の前記上面の一部に取り付ける取り付け材料をさらに備える、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項40】
前記取り付け材料は、接着剤、はんだ、またはろう付け材料のうちの少なくとも1つを備えている、請求項39に記載のレーザシステム。
【請求項41】
前記底部アノード冷却器は、アルミナを備え、前記上部アノード冷却器は、SiCを備える、請求項22に記載のレーザシステム。
【請求項42】
前記上部アノード冷却器および前記底部アノード冷却器は、電気絶縁する、請求項22に記載のレーザシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、その開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる2019年10月16日に出願された米国特許出願第16/654,339号の利益および優先権を主張する。
(技術分野)
【0002】
種々の実施形態において、本発明は、レーザダイオードおよびレーザダイオードバー等のレーザデバイス、具体的に、そのようなレーザデバイスをパッケージ化するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
高出力レーザシステムが、溶接、切断、穿孔、および材料処理等の多数の異なる用途のために利用されている。そのようなレーザシステムは、典型的に、レーザエミッタ(それからのレーザ光が光ファイバ(または単に「ファイバ」)の中に結合される)と、ファイバから処理されるべき工作物上にレーザ光を集中させる光学システムとを含む。波長ビーム合成(WBC)は、レーザダイオード、レーザダイオードバー、ダイオードバーのスタック、または、1または2次元アレイに配置された他のレーザからの出力電力および輝度をスケーリングするための技法である。WBC方法は、エミッタのアレイの一方または両方の次元に沿ってビームを組み合わせるために開発されてきた。典型的WBCシステムは、1つ以上のダイオードバー等の複数のエミッタを含み、それらは、多波長ビームを形成するために、分散要素を使用して組み合わせられる。WBCシステム内の各エミッタは、個別に共振し、共通の部分的反射出力結合器からの波長特有のフィードバックを通して安定させられ、結合器は、ビーム合成次元に沿って分散要素によってフィルタ処理される。例示的WBCシステムは、2000年2月4日に出願された米国特許第6,192,062号(特許文献1)、1998年9月8日に出願された米国特許第6,208,679号、2011年8月25日に出願された米国特許第8,670,180号、および2011年3月7日に出願された米国特許第8,559,107号(それぞれの開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に詳述される。
【0004】
WBC等の技法が、多種多様な用途のためのレーザベースのシステムを生産することに成功しているが、そのようなシステムのより広い採用は、これまで以上に高いレベルのレーザ出力電力の需要をもたらしている。典型的に、より高いレーザ出力は、ますます高い電流におけるレーザダイオードの駆動を伴い、それは、より高い動作温度、および温度ベースの信頼性課題を防止することを目的としている同時熱管理課題をもたらす。高出力レーザシステムのためのレーザは、例えば、2015年3月24日に出願された米国特許第9,178,333号(特許文献2)(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、高熱伝導性のマウントを利用してパッケージ化されており、マウントは、それを通した冷却流体の流動のための封入通路を画定し得る。しかしながら、そのような解決策でさえも、高出力レーザシステムにおいて生じる熱管理問題の全てに完全には対処しないこともある。さらに、機械的安定性、応力、および腐食(例えば、冷却流体によって引き起こされる)等のパッケージ化関連問題が、高出力レーザシステムにおいて生じ得る。したがって、そのようなデバイスのための熱的、機械的、および電気的必要性に対処する高出力レーザのための改良されたパッケージ化システムの必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6,192,062号明細書
【文献】米国特許第9,178,333号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によると、レーザダイオードバー等のレーザエミッタが、デバイスの機械的、熱的、および電気的性能を改良するように設計されたマルチ構成要素パッケージとともに利用される。本発明の実施形態は、レーザエミッタのための2部品アノード冷却器を特徴とし、アノード冷却器の2つの部分は、腐食および機械的変形等の悪影響にも抵抗しながら、レーザエミッタの液体冷却の有効性を最適化するように設計される。本発明の実施形態は、レーザエミッタから追加の熱を奪い、デバイスの熱的特性をさらに改良するように、レーザエミッタの上に配置される(および/またはそれと熱的に接触する、および/または機械的に接触する)随意のカソード冷却器も含み得る。
【0007】
種々の実施形態において、アノード冷却器は、底部アノード冷却器と、それの上に配置された上部アノード冷却器とを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り、上部アノード冷却器は、レーザエミッタと直接接触する。底部アノード冷却器は、レーザエミッタの直接下にある上部アノード冷却器の受け取り部分に向かって上向きに冷却流体(例えば、水)を方向付ける貫通孔またはノズルのアレイを特徴とする能動的冷却部分を含み得る。上部アノード冷却器のこの部分上の冷却流体の衝突は、レーザエミッタの動作中に温度制御を提供する。冷却は、動作中にレーザエミッタのより低い接合部温度を可能にし、それによって、デバイスの改良された信頼性を提供し、および/またはより高い電力出力のための高い電流レベルにおけるレーザエミッタの動作を可能にする。
【0008】
上部アノード冷却器の受け取り部分の裏面は、底部アノード冷却器から出現し、上部アノード冷却器に衝突する冷却噴出の有効性を改良するために修正され得る。例えば、上部アノード冷却器のこの衝突表面は、それを通して対流が生じる接触の面積を増加させるように、冷却乱流への冷却流体の移行を加速するように、冷却流体の混合および循環を促進するように、および/または、冷却流体噴出における任意の境界層を妨害するように、非平面的であり得、および/または、テクスチャ加工または成形され得る。例えば、衝突表面は、デバイスの熱的性能を改良するために、スタッド、溝、および/またはくぼみのパターンを組み込み得る。上部アノード冷却器は、パターン化された衝突表面によって生成される熱抵抗の減少を実質的に維持しながら、上部アノード冷却器の機械的強度(例えば、機械的変形に対するその抵抗)を改良する補強支柱も組み込み得る。そのような支柱は、衝突表面の少なくとも一部が極めて薄いことを可能にし、それによって、上に重なるレーザエミッタの冷却を改良し得る。種々の実施形態において、補強支柱は、底部アノード冷却器に形成される。例えば、支柱が、形成され、冷却流体噴出を形成するように底部アノード冷却器に形成される貫通孔またはノズルの上方に突出し得る。
【0009】
種々の実施形態において、上部および底部アノード冷却器、または冷却流体が直接接触するその少なくとも一部は、移動する冷却流体に起因する浸食および冷却流体との反応によって引き起こされる腐食の両方に抵抗する1つ以上の材料を含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成る。例えば、本発明の実施形態は、約10m/秒またはさらに高い速度において進行する冷却流体の噴出を利用し得、そのような高速流体(例えば、水)は、アルミニウムまたは銅等の従来のヒートシンク材料を浸食し、および/または、腐食させ得る。これらの材料は、好ましくは、動作、パッケージ化、および貯蔵の間の変形に抵抗するように、機械的に頑丈かつ堅くあるとともに、少なくとも若干導電性でもある。材料は、レーザエミッタ自体の材料のそれら、例えば、GaAs(6~8ppmのCTE)またはInP(4~5ppmのCTE)に実質的に合致する熱膨張係数(CTE)を有し得る。種々の実施形態において、上部および/または底部アノード冷却器の材料は、約0.5ppm~約12ppmに及ぶCTEを有し、それによって、レーザデバイスの動作中の低いサイクル疲労およびパッケージプロセス自体の間の低い応力を可能にする。種々の実施形態において、上部および/または底部アノード冷却器の材料は、約0.5ppm~約4ppmに及ぶ、または約6ppm~約10ppmに及ぶCTEを有する。種々の実施形態において、上部または底部アノード冷却器のうちの一方が、約0.5ppm~約4ppmに及ぶ(または約2ppm~約4ppmに及ぶ)CTEを有する一方、他方のものは、約6ppm~約10ppmに及ぶ(または約6ppm~約8ppmに及ぶ)CTEを有する。
【0010】
例示的実施形態において、上部および/または底部アノード冷却器の全てまたは一部は、銅およびタングステンの合金(CuW)、タングステン、炭化タングステン(WC)、アルミナ、ムライト、ダイヤモンド、または炭化ケイ素(SiC)(例えば、単結晶SiC)等の1つ以上の材料を含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成る。種々の実施形態において、上部および/または底部アノード冷却器の全てまたは一部は、アルミニウム、銅、またはステンレス鋼等の別の材料を含むか、本質的にそれらから成り、またはそれらから成り、上部および/または底部アノード冷却器の少なくとも一部は、CuW、タングステン、WC、アルミナ、ムライト、ダイヤモンド、またはSiC等の1つ以上の材料のコーティングでコーティングされる。種々の実施形態において、上部アノード冷却器および底部アノード冷却器は、異なる材料を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成る。例えば、種々の実施形態において、上部アノード冷却器が、SiCを含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成る一方、底部アノード冷却器は、アルミナを含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成る。種々の実施形態において、上部および/または底部アノード冷却器は、電気絶縁し、および/または、1つ以上の金属を含まないか、本質的にそれらから成らないか、またはそれらから成らない。そのような実施形態の1つの利益は、それによって冷却されているビームエミッタを損傷し得るアノード冷却器を通した疑似電荷伝導の排除である。
【0011】
本明細書で利用されるように、高い熱伝導率を伴う材料または「熱伝導性材料」は、少なくとも100ワット毎メートル毎ケルビン(W・m-1・K-1)、少なくとも170W・m-1・K-1、少なくとも200W・m-1・K-1、少なくとも250W・m-1・K-1、またはさらに少なくとも300W・m-1・K-1の熱伝導率を有する。本明細書で利用されるように、高い電気伝導率を伴う材料または「導電性材料」は、例えば、20℃において、少なくとも1×10ジーメンス毎メートル(S/m)、少なくとも1×10S/m、またはさらに少なくとも1×10S/mの電気伝導率を有する。本明細書で利用されるように、高い電気抵抗率を伴う材料または「電気絶縁材料」は、少なくとも1×10オーム・メートル(Ω・m)、少なくとも1×1010Ω・m、またはさらに少なくとも1×1012Ω・mの電気抵抗率を有する。
【0012】
本発明の実施形態によるレーザデバイスは、高輝度で低ビームパラメータ積(BPP)のレーザシステムを形成するために、WBCシステム内で利用され得る。BPPは、レーザビームの発散角(半角)とその最も狭い点(すなわち、ビームウェスト、最小スポットサイズ)におけるビームの半径との積である。BPPは、レーザビームの品質およびそれが小さいスポットに集中させられ得る程度を定量化し、典型的に、ミリメートル-ミリラジアン(mm-mrad)の単位で表される。ガウスビームは、piによって除算されるレーザ光の波長によって求められる可能な限り最も低いBPPを有する。同一の波長における理想的ガウスビームのBPPに対する実際のビームのBPPの比は、ビーム品質の波長非依存性測定値であるMまたは「ビーム品質係数」で表され、「最良の」品質は、1の「最も低い」ビーム品質係数に対応する。
【0013】
当業者に公知であるように、レーザは、概して、光の誘導放出を通して可視または不可視光を発生させるデバイスとして定義される。レーザは、概して、それらを上で述べられるような種々の用途で有用にする特性を有する。一般的なレーザタイプは、半導体レーザ(例えば、レーザダイオードおよびダイオードバー)、固体レーザ、ファイバレーザ、およびガスレーザを含む。レーザダイオードは、概して、光子(光)の放出を支持する単純なダイオード構造に基づく。しかしながら、効率、電力、ビーム品質、輝度、同調性等を改良するために、この単純な構造は、概して、種々の多くの実用的なタイプのレーザダイオードを提供するように修正される。レーザダイオードタイプは、高いビーム品質を伴うビームにおいて数ミリワットからおよそ半ワットまでの出力電力を発生させる小型縁発光型の種類を含む。ダイオードレーザの構造タイプは、2つの高バンドギャップ層間に挟まれた低バンドギャップ材料の層を含む二重ヘテロ構造レーザ;レーザのエネルギーの高い効率および量子化をもたらす非常に薄い中間層(量子井戸層)を含む量子井戸レーザ;利得特性を改良する1つを上回る量子井戸層を含む複数の量子井戸レーザ;中間層をワイヤまたはより高い効率の量子井戸レーザを生成するドットと置換する量子ワイヤまたは量子海(ドット)レーザ;量子層の厚さを改変することによって同調され得る比較的に長い波長においてレーザ作用を可能にする量子カスケードレーザ;最も一般的な商業用レーザダイオードであり、生成される光を効率的に閉じ込めるように量子井戸層の上方および下方に別の2つの層を含む別個の閉じ込めヘテロ構造レーザ;要求の厳しい光学通信用途で一般的に使用され、利得領域に戻るように単一の波長を反射することによって製造中に安定した波長セットを発生させることを促進する統合回折格子を含む分散フィードバックレーザ;光がその縁ではなく、その表面から放出されるという点で他のレーザダイオードと異なる構造を有する垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL);および、主に二重ヘテロ構造ダイオードを使用し、格子または多重プリズム格子構成を含む同調可能なレーザである垂直外部キャビティ面発光レーザ(VECSEL)および外部キャビティダイオードレーザを含む。外部キャビティダイオードレーザは、多くの場合、波長同調可能であり、小さい輝線幅を示す。レーザダイオードタイプは、縦長出力ファセットを伴うマルチモードダイオードによって特徴付けられ、概して、不良なビーム品質を有するが、数ワットの電力を発生させる広域レーザ;広域レーザと比較すると、改良されたビーム品質および輝度を示すテーパ状出力ファセットを伴う非点収差モードダイオードによって特徴付けられるテーパ状レーザ;長円形の出力ファセットを伴う楕円形モードダイオードよって特徴付けられるリッジ導波管レーザ;および、出力ファセットを伴う円形モードダイオードによって特徴付けられ、略円形の外形を伴う回折限界ビームにおいてワットレベル出力を発生させ得るスラブ結合型光導波路レーザ(SCOWL)を含む種々の高出力ダイオードベースのレーザも含む。
【0014】
ダイオードレーザバーは、広域エミッタの1次元アレイを含むか、または代替として、例えば、10~20個の狭ストライプエミッタを含むサブアレイを含む半導体レーザのタイプである。広域ダイオードバーは、典型的に、例えば、各々が約1μm×100μmの寸法を有する、例えば、19~49個のエミッタを含む。1μm寸法または高速軸に沿ったビーム品質は、典型的に、回折限定される。100μm寸法または低速軸またはアレイ寸法に沿ったビーム品質は、典型的に、何倍も回折限定される。典型的に、商業用途のためのダイオードバーは、約1~4mmのレーザ共振器長さを有し、幅約10mmであり、数十ワットの出力電力を発生させる。殆どのダイオードバーは、780~1,070nmの波長領域内で動作し、(ネオジムレーザを励起するための)808nmおよび(Yb:YAGを励起するための)940nmの波長が、最も顕著である。915~976nmの波長範囲が、エルビウムドープまたはイッテルビウムドープ高出力ファイバレーザおよび増幅器を励起するために使用される。
【0015】
本発明の実施形態は、1つ以上の入力レーザビーム(例えば、本明細書に詳述されるようにパッケージ化されるレーザデバイスによって放出される)を光ファイバの中に結合する。種々の実施形態において、光ファイバは、単一のコアを包囲する複数のクラッディング層、単一のクラッディング層内の複数の別々のコア領域(または「コア」)、または複数のクラッディング層によって包囲される複数のコアを有する。
【0016】
本明細書では、「光学要素」は、電磁放射線を再方向付けること、反射すること、曲げること、または任意の他の様式で光学的に操作することを行うレンズ、ミラー、プリズム、格子等のうちのいずれかを指し得る。本明細書では、ビームエミッタ、エミッタ、またはレーザエミッタ、またはレーザは、電磁ビームを発生させるが、自己共振型であることも、そうではないこともある半導体要素等の任意の電磁ビーム発生デバイスを含む。これらはまた、ファイバレーザ、ディスクレーザ、非固体レーザ等も含む。概して、各エミッタは、後反射面と、少なくとも1つの光学利得媒体と、前反射面とを含む。光学利得媒体は、電磁スペクトルのいずれの特定の部分にも限定されないが、可視、赤外線、および/または紫外線光であり得る電磁放射線の利得を増加させる。エミッタは、複数のビームを放出するように構成されるダイオードバー等の複数のビームエミッタを含み得るか、または本質的にそれらから成り得る。本明細書の実施形態において受け取られる入力ビームは、当業者に公知である種々の技法を使用して組み合わせられる単波長または多波長ビームであり得る。加えて、本明細書の「レーザ」、「レーザエミッタ」、または「ビームエミッタ」の言及は、単一ダイオードレーザだけではなく、ダイオードバー、レーザアレイ、ダイオードバーアレイ、および単一の垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)またはそのアレイも含む。
【0017】
ある側面では、本発明の実施形態は、底部アノード冷却器と、上部アノード冷却器とを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成るレーザパッケージを特徴とする。底部アノード冷却器は、少なくとも部分的にそれを通して、ポートを通して冷却流体の噴出を形成するための複数のポートを画定する。上部アノード冷却器は、底部アノード冷却器の上方に配置される。上部アノード冷却器は、その上にレーザエミッタを受け取るためのレーザプラットフォームを備えているか、または画定する。上部アノード冷却器は、その中に凹所を画定する。凹所は、レーザプラットフォームの下に配置される。凹所は、底部アノード冷却器のポートに面する衝突表面を有し、それによって、底部アノード冷却器の中に導入され、ポートを通して噴出させられた冷却流体は、上部アノード冷却器の衝突表面に衝打し、レーザプラットフォーム上に配置されるレーザエミッタを冷却する。
【0018】
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのうちのいずれかで以下のうちの1つ以上のものを含み得る。底部アノード冷却器および/または上部アノード冷却器の少なくとも一部は、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、CuW、タングステン、WC(炭化タングステン)、アルミナ、ムライト、ダイヤモンド、および/またはSiCを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。衝突表面の少なくとも一部は、噴出させられた冷却流体の冷却を向上させるためのパターン(例えば、隆起および/または凹所状テクスチャ、粗度、および/または隆起および/または凹所形状特徴の組)を画定し得る。パターンは、複数のくぼみ、複数の溝、および/または複数のスタッドを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。衝突表面の少なくとも一部は、レーザプラットフォームの機械的安定性を向上させるための複数の支柱を画定し得る。パッケージは、上部アノード冷却器の上に配置されたカソード冷却器を含み得る。カソード冷却器の一部は、張り出し得、上部アノード冷却器のレーザプラットフォームに接触していないこともある。ポートは、混合チャネルを形成するように衝突表面から間隔を置かれ得る。パッケージは、底部アノード冷却器を通して、(i)ポートを通して混合チャネルの近位端の中に冷却流体を伝導するための入口ラインと、(ii)混合チャネルの遠位端から外に冷却流体を伝導するための出口ラインとを含み得る。混合チャネルは、約0.01mm~約30mmの範囲から選択される高さを有し得る。ポートの中心間間隔は、約0.1mm~約8mmの範囲から選択され得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径(または幅または長さ等の他の横寸法)は、約0.025mm~約5mmの範囲から選択され得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する混合チャネルの高さの比は、約0.1~約30の範囲から選択され得る。上部アノード冷却器および/または底部アノード冷却器の熱膨張係数は、約0.5ppm~約12ppm、またはさらに約3ppm~約10ppmの範囲から選択され得る。パッケージは、レーザプラットフォーム上に配置されるレーザエミッタを含み得る。レーザエミッタは、それぞれ、複数の別々のビーム(例えば、レーザビーム)を放出し、かつ放出するように構成される1つ以上のダイオードバーを含み得るか、または本質的にそれらから成り得る。
【0019】
別の側面では、本発明の実施形態は、ビームエミッタと、集中光学系と、分散要素と、複数の反射性出力結合器と、底部アノード冷却器と、上部アノード冷却器とを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成る波長ビーム合成レーザシステムを特徴とする。ビームエミッタは、複数の別々のビーム(例えば、レーザビーム)を放出し、第1および第2の対向表面を有し得る。集中光学系は、分散要素上に複数のビームを集中させる。分散要素と集中光学系との間の距離は、集中光学系の焦点距離にほぼ対応し得る(他の実施形態において、この距離は、集中光学系の焦点距離未満であるか、またはそれを上回る)。分散要素は、受け取られた集中ビームを受け取り、分散させる。複数の反射性出力結合器は、分散ビームを受け取り、多波長出力ビームとしてそれを通して(すなわち、出力結合器を通して、例えば、多波長ビームを用いて処理される、またはそれを受けるべき工作物に向かって)分散ビームの一部を透過させ、分散要素に向かって戻るように分散ビームの第2の部分を反射するように位置付けられる。分散ビームの第2の部分は、ビームのためのフィードバックとしてビームエミッタに戻るように伝搬し、各ビームをその個々の波長に固定し得る。異なるビームの波長は、互いに異なり得る。底部アノード冷却器は、少なくとも部分的にそれを通して、ポートを通して冷却流体の噴出を形成するための複数のポートを画定する。上部アノード冷却器は、底部アノード冷却器の上方に配置される。上部アノード冷却器は、その上にレーザエミッタを受け取るためのレーザプラットフォームを備えているか、または画定する。上部アノード冷却器は、その中に凹所を画定する。凹所は、レーザプラットフォームの下に配置される。凹所は、底部アノード冷却器のポートに面する衝突表面を有し、それによって、底部アノード冷却器の中に導入され、ポートを通して噴出させられた冷却流体は、上部アノード冷却器の衝突表面に衝打し、レーザプラットフォーム上に配置されるビームエミッタを冷却する。
【0020】
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのうちのいずれかで以下のうちの1つ以上のものを含み得る。分散要素は、回折格子(例えば、反射格子または透過格子)を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成り得る。衝突表面の少なくとも一部は、噴出させられた冷却流体の冷却を向上させるためのパターン(例えば、隆起および/または凹所状テクスチャ、粗度、および/または隆起および/または凹所形状特徴の組)を画定し得る。パターンは、複数のくぼみ、複数の溝、および/または複数のスタッドを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。衝突表面の少なくとも一部は、レーザプラットフォームの機械的安定性を向上させるための複数の支柱を画定し得る。パッケージは、上部アノード冷却器の上に配置されたカソード冷却器を含み得る。カソード冷却器の一部は、張り出し得、上部アノード冷却器のレーザプラットフォームに接触していないこともある。カソード冷却器の一部は、ビームエミッタの上に配置され、それと熱的に接触し得る。
【0021】
さらに別の側面では、本発明の実施形態は、アノード冷却器と、レーザエミッタを受け取るためのアノード冷却器上のレーザプラットフォームと、アノード冷却器とレーザプラットフォームとの間の混合チャネルとを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成るレーザパッケージを特徴とする。混合チャネルは、レーザプラットフォームと熱的に接触する衝突表面と、混合チャネルを横断して衝突表面から反対側にある噴出アレイとを含む。噴出アレイは、それを通して冷却流体の噴出を形成するための複数のポートを含み、それによって、アノード冷却器の中に導入され、ポートを通して噴出させられた冷却流体は、衝突表面に衝打し、レーザプラットフォーム上に配置されるレーザエミッタを冷却する。
【0022】
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのうちのいずれかで以下のうちの1つ以上のものを含み得る。混合チャネルは、アノード冷却器内に部分的または実質的に完全に封入され得る。アノード冷却器の少なくとも一部は、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、CuW、タングステン、WC(炭化タングステン)、アルミナ、ムライト、ダイヤモンド、および/またはSiCを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。衝突表面の少なくとも一部は、噴出させられた冷却流体の冷却を向上させるためのパターン(例えば、隆起および/または凹所状テクスチャ、粗度、および/または隆起および/または凹所形状特徴の組)を画定し得る。パターンは、複数のくぼみ、複数の溝、および/または複数のスタッドを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。衝突表面の少なくとも一部は、レーザプラットフォームの機械的安定性を向上させるための複数の支柱を画定し得る。パッケージは、アノード冷却器の上に配置されたカソード冷却器を含み得る。カソード冷却器の一部は、張り出し得、アノード冷却器のレーザプラットフォームに接触していないこともある。混合チャネルは、約0.01mm~約30mmの範囲から選択される高さを有し得る。ポートの中心間間隔は、約0.1mm~約8mmの範囲から選択され得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径(または幅または長さ等の他の横寸法)は、約0.025mm~約5mmの範囲から選択され得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する混合チャネルの高さの比は、約0.1~約30の範囲から選択され得る。アノード冷却器の熱膨張係数は、約0.5ppm~約12ppm、またはさらに約3ppm~約10ppmの範囲から選択され得る。パッケージは、レーザプラットフォーム上に配置されるレーザエミッタを含み得る。レーザエミッタは、それぞれ、複数の別々のビーム(例えば、レーザビーム)を放出し、かつ放出するように構成される、1つ以上のダイオードバーを含み得るか、または本質的にそれらから成り得る。
【0023】
別の側面では、本発明の実施形態は、ビームエミッタと、集中光学系と、分散要素と、複数の反射性出力結合器と、アノード冷却器と、ビームエミッタを受け取るためのアノード冷却器上のレーザプラットフォームと、アノード冷却器とレーザプラットフォームとの間の混合チャネルと含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成る波長ビーム合成レーザシステムを特徴とする。ビームエミッタは、複数の別々のビーム(例えば、レーザビーム)を放出し、第1および第2の対向表面を有し得る。集中光学系は、分散要素上に複数のビームを集中させる。分散要素と集中光学系との間の距離は、集中光学系の焦点距離にほぼ対応し得る(他の実施形態において、この距離は、集中光学系の焦点距離未満であるか、またはそれを上回る)。分散要素は、受け取られた集中ビームを受け取り、分散させる。複数の反射性出力結合器は、分散ビームを受け取り、多波長出力ビームとしてそれを通して(すなわち、出力結合器を通して、例えば、多波長ビームを用いて処理される、またはそれを受けるべき工作物に向かって)分散ビームの一部を透過させ、分散要素に向かって戻るように分散ビームの第2の部分を反射するように位置付けられる。分散ビームの第2の部分は、ビームのためのフィードバックとしてビームエミッタに戻るように伝搬し、各ビームをその個々の波長に固定し得る。異なるビームの波長は、互いに異なり得る。混合チャネルは、レーザプラットフォームと熱的に接触する衝突表面と、混合チャネルを横断して衝突表面から反対側にある噴出アレイとを含む。噴出アレイは、それを通して冷却流体の噴出を形成するための複数のポートを含み、それによって、アノード冷却器の中に導入され、ポートを通して噴出させられた冷却流体は、衝突表面に衝打し、レーザプラットフォーム上に配置されるビームエミッタを冷却する。
【0024】
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのうちのいずれかで以下のうちの1つ以上のものを含み得る。分散要素は、回折格子(例えば、反射格子または透過格子)を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成り得る。衝突表面の少なくとも一部は、噴出させられた冷却流体の冷却を向上させるためのパターン(例えば、隆起および/または凹所状テクスチャ、粗度、および/または隆起および/または凹所形状特徴の組)を画定し得る。パターンは、複数のくぼみ、複数の溝、および/または複数のスタッドを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。衝突表面の少なくとも一部は、レーザプラットフォームの機械的安定性を向上させるための複数の支柱を画定し得る。パッケージは、アノード冷却器の上に配置されたカソード冷却器を含み得る。カソード冷却器の一部は、張り出し得、レーザプラットフォームに接触していないこともある。カソード冷却器の一部は、ビームエミッタの上に配置され、それと熱的に接触し得る。
【0025】
ある側面では、本発明の実施形態は、底部アノード冷却器と、上部アノード冷却器とを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成るレーザパッケージを特徴とする。底部アノード冷却器は、(i)上面と、(ii)上面と反対側の底面と、(iii)底面に画定される進入凹所と、(iv)上面に画定される上部凹所と、(v)進入凹所および上部凹所を流体的に接続するそれを通して冷却流体の噴出を形成するための複数の中空ポートとを有する。上部アノード冷却器は、底部アノード冷却器の上方に配置される。上部アノード冷却器は、底部アノード冷却器の一部のみの上に配置され得る。上部アノード冷却器は、底部アノード冷却器と直接、機械的に接触し得る。上部アノード冷却器は、取り付け材料を介して、底部アノード冷却器に直接取り付けられ得る。上部アノード冷却器は、(i)上面と、(ii)上面と反対側の底面とを有する。底面は、底部アノード冷却器の上部凹所の中に突出する非平面的パターンを画定する衝突表面を含むか、本質的にそれから成り、またはそれから成り、それによって、底部アノード冷却器の中に導入され、ポートを通して噴出させられた冷却流体は、上部アノード冷却器の衝突表面に衝打し、上部アノード冷却器の上面上に配置されたレーザエミッタを冷却する。
【0026】
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのうちのいずれかで以下のうちの1つ以上のものを含み得る。底部アノード冷却器および/または上部アノード冷却器の少なくとも一部は、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、CuW、タングステン、WC(炭化タングステン)、アルミナ、ムライト、ダイヤモンド、および/またはSiCを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。上部アノード冷却器の熱伝導率は、底部アノード冷却器の熱伝導率を上回り得る。非平面的パターンは、複数の隆起特徴を含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。底部アノード冷却器は、ポートの開口部間に配置された複数の隆起支柱を画定し得る。パッケージは、上部アノード冷却器の上に配置されたカソード冷却器を含み得る。カソード冷却器の一部は、張り出し得、上部アノード冷却器の上面に接触していないこともある。カソード冷却器は、それを通した冷却流体の流動のために構成されないこともある。上部アノード冷却器は、それを通した冷却流体の流動のために構成されないこともある。
【0027】
非平面的パターンは、冷却流体のための混合チャネルを形成するために、ポートの開口部から間隔を置かれ得る。混合チャネルは、約0.025mm~約50mmの範囲から選択される高さを有し得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する混合チャネルの高さの比は、約0.1~約30の範囲から選択され得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する混合チャネルの高さの比は、約8~約30の範囲から選択され得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する混合チャネルの高さの比は、約0.1~約2の範囲から選択され得る。ポートの中心間間隔は、約0.1mm~約8mmの範囲から選択され得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径(または幅または長さ等の他の横寸法)は、約0.025mm~約5mmの範囲から選択され得る。上部アノード冷却器の上面の面積、長さ、および/または幅は、底部アノード冷却器の上面の面積、長さ、および/または幅より小さくあり得る。底部アノード冷却器は、上部凹所を、底部アノード冷却器の底面に画定され、進入凹所から間隔を置かれる出口開口と流体的に接続する出口チャネルをその内側に画定し得る。取り付け材料は、上部アノード冷却器の底面の一部(例えば、周辺部分の少なくとも一部)を底部アノード冷却器の上面の一部に取り付け得る。取り付け材料は、接着剤、はんだ、および/またはろう付け材料を含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。上部アノード冷却器および/または底部アノード冷却器の熱膨張係数は、約0.5ppm~約12ppmの範囲から選択され得る。底部アノード冷却器は、アルミナを含むか、本質的にそれから成り、またはそれから成り得、および/または上部アノード冷却器は、SiCを含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成り得る。上部アノード冷却器および/または底部アノード冷却器は、電気絶縁し得る。パッケージは、レーザプラットフォーム上に配置されるレーザエミッタを含み得る。レーザエミッタは、それぞれ、複数の別々のビーム(例えば、レーザビーム)を放出し、かつ放出するように構成される、1つ以上のダイオードバーを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれから成り得る。
【0028】
別の側面では、本発明の実施形態は、ビームエミッタと、集中光学系と、分散要素と、複数の反射性出力結合器と、底部アノード冷却器と、上部アノード冷却器とを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成る波長ビーム合成レーザシステムを特徴とする。ビームエミッタは、複数の別々のビーム(例えば、レーザビーム)を放出し、第1および第2の対向表面を有し得る。集中光学系は、分散要素に向かって複数のビームを集中および/または収束させる。分散要素と集中光学系との間の距離は、集中光学系の焦点距離にほぼ対応し得る(他の実施形態において、この距離は、集中光学系の焦点距離未満である、またはそれを上回る)。分散要素は、受け取られた集中ビームを受け取り、分散させる。複数の反射性出力結合器は、分散ビームを受け取り、多波長出力ビームとしてそれを通して(すなわち、出力結合器を通して、例えば、多波長ビームを用いて処理されるべきまたはそれを受けるべき工作物に向かって)分散ビームの一部を透過させ、分散要素に向かって戻るように分散ビームの第2の部分を反射するように位置付けられる。分散ビームの第2の部分は、ビームのためのフィードバックとしてビームエミッタに戻るように伝搬し、各ビームをその個々の波長に固定し得る。異なるビームの波長は、互いに異なり得る。底部アノード冷却器は、(i)上面と、(ii)上面と反対側の底面と、(iii)底面に画定される進入凹所と、(iv)上面に画定される上部凹所と、(v)進入凹所および上部凹所を流体的に接続するそれを通して冷却流体の噴出を形成するための複数の中空ポートとを有する。上部アノード冷却器は、底部アノード冷却器の上方に配置される。上部アノード冷却器は、底部アノード冷却器の一部のみの上に配置され得る。上部アノード冷却器は、底部アノード冷却器と直接、機械的に接触し得る。上部アノード冷却器は、取り付け材料を介して、底部アノード冷却器に直接取り付けられ得る。上部アノード冷却器は、(i)上面と、(ii)上面と反対側の底面とを有する。ビームエミッタは、上部アノード冷却器の上面にわたって、またはその上に配置される。底面は、底部アノード冷却器の上部凹所の中に突出する非平面的パターンを画定する衝突表面を含むか、本質的にそれから成り、またはそれから成り、それによって、底部アノード冷却器の中に導入され、ポートを通して噴出させられた冷却流体は、上部アノード冷却器の衝突表面に衝打し、ビームエミッタを冷却する。
【0029】
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのうちのいずれかで以下のうちの1つ以上のものを含み得る。分散要素は、回折格子(例えば、反射格子または透過格子)を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成り得る。底部アノード冷却器および/または上部アノード冷却器の少なくとも一部は、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、CuW、タングステン、WC(炭化タングステン)、アルミナ、ムライト、ダイヤモンド、および/またはSiCを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。上部アノード冷却器の熱伝導率は、底部アノード冷却器の熱伝導率を上回り得る。非平面的パターンは、複数の隆起特徴を含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。底部アノード冷却器は、ポートの開口部間に配置された複数の隆起支柱を画定し得る。レーザシステムは、上部アノード冷却器の上に配置されたカソード冷却器を含み得る。カソード冷却器の一部は、張り出し得、上部アノード冷却器の上面に接触していないこともある。カソード冷却器は、それを通した冷却流体の流動のために構成されていないこともある。上部アノード冷却器は、それを通した冷却流体の流動のために構成されていないこともある。
【0030】
非平面的パターンは、冷却流体のための混合チャネルを形成するために、ポートの開口部から間隔を置かれ得る。混合チャネルは、約0.025mm~約50mmの範囲から選択される高さを有し得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する混合チャネルの高さの比は、約0.1~約30の範囲から選択され得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する混合チャネルの高さの比は、約8~約30の範囲から選択され得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する混合チャネルの高さの比は、約0.1~約2の範囲から選択され得る。ポートの中心間間隔は、約0.1mm~約8mmの範囲から選択され得る。ポートのうちの少なくとも1つの直径(または幅または長さ等の他の横寸法)は、約0.025mm~約5mmの範囲から選択され得る。上部アノード冷却器の上面の面積、長さ、および/または幅は、底部アノード冷却器の上面の面積、長さ、および/または幅より小さくあり得る。底部アノード冷却器は、上部凹所を、底部アノード冷却器の底面に画定され、進入凹所から間隔を置かれる出口開口と流体的に接続する出口チャネルをその内側に画定し得る。取り付け材料は、上部アノード冷却器の底面の一部(例えば、周辺部分の少なくとも一部)を底部アノード冷却器の上面の一部に取り付け得る。取り付け材料は、接着剤、はんだ、および/またはろう付け材料を含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。上部アノード冷却器および/または底部アノード冷却器の熱膨張係数は、約0.5ppm~約12ppmの範囲から選択され得る。底部アノード冷却器は、アルミナを含むか、本質的にそれから成り、またはそれから成り得、および/または上部アノード冷却器は、SiCを含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成り得る。ビームエミッタは、1つ以上のダイオードバーを含み得るか、または本質的にそれらから成り得る。上部アノード冷却器および/または底部アノード冷却器は、電気絶縁し得る。
【0031】
これらおよび他の目的が、本明細書に開示される本発明の利点および特徴とともに、以下の説明、付随する図面、および請求項の参照を通して、より明白となるであろう。さらに、本明細書に説明される種々の実施形態の特徴は、相互排他的ではなく、種々の組み合わせおよび順列で存在し得ることを理解されたい。本明細書で使用されるように、用語「実質的に」は、±10%、いくつかの実施形態において、±5%を意味する。用語「本質的に~から成る」は、本明細書で別様に定義されない限り、機能に寄与する他の材料を除外することを意味する。それでもなお、そのような他の材料は、集合的または個別に、微量で存在し得る。本明細書では、用語「放射線」および「光」は、別様に示されない限り、同義的に利用される。本明細書では、用語「下流」または「光学的に下流」は、第1の要素に遭遇した後に光ビームが衝打する、第2の要素の相対的設置を示すために利用され、第1の要素は、第2の要素の「下流」または「光学的に下流」にある。本明細書では、2つの構成要素の間の「光学距離」は、光ビームによって実際に進行される2つの構成要素の間の距離であり、光学距離は、例えば、ミラーからの反射、または構成要素のうちの一方から他方まで進行する光によって被られる伝搬方向の変化に起因する、2つの構成要素の間の物理的距離に等しくあり得るが、必ずしもそうではない。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
レーザパッケージであって、前記レーザパッケージは、
底部アノード冷却器であって、前記底部アノード冷却器は、(i)上面と、(ii)前記上面と反対側の底面と、(iii)前記底面に画定される進入凹所と、(iv)前記上面に画定される上部凹所と、(v)複数の中空ポートとを有し、前記複数の中空ポートは、前記進入凹所と前記上部凹所とを流体的に接続し、それられを通して冷却流体の噴出を形成する、底部アノード冷却器と、
前記底部アノード冷却器の一部のみの上方に配置された上部アノード冷却器と
を備え、
前記上部アノード冷却器は、(i)上面と、(ii)前記上面と反対側の底面とを有し、
前記底面は、前記底部アノード冷却器の前記上部凹所の中に突出する非平面的パターンを画定する衝突表面を備え、それによって、前記底部アノード冷却器の中に導入され、前記ポートを通して噴出させられた冷却流体は、前記上部アノード冷却器の前記衝突表面に衝打し、前記上部アノード冷却器の前記上面上に配置されたレーザエミッタを冷却する、レーザパッケージ。
(項目2)
前記上部アノード冷却器の熱伝導率は、前記底部アノード冷却器の熱伝導率より大きい、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目3)
前記非平面的パターンは、複数の隆起特徴を備えている、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目4)
前記底部アノード冷却器は、前記ポートの開口部間に配置された複数の隆起支柱を画定する、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目5)
(i)前記上部アノード冷却器の上に配置されたカソード冷却器をさらに備え、前記カソード冷却器の一部は、張り出し、前記上部アノード冷却器の上面に接触していない、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目6)
前記カソード冷却器は、それを通した冷却流体の流動のために構成されていない、項目5に記載のレーザパッケージ。
(項目7)
前記上部アノード冷却器は、それを通した冷却流体の流動のために構成されていない、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目8)
前記非平面的パターンは、前記冷却流体のための混合チャネルを形成するために、前記ポートの開口部から間隔を置かれている、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目9)
前記混合チャネルは、約0.025mm~約50mmの範囲から選択される高さを有する、項目8に記載のレーザパッケージ。
(項目10)
前記ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネルの前記高さの比は、約0.1~約30の範囲から選択される、項目8に記載のレーザパッケージ。
(項目11)
前記ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネルの前記高さの比は、約8~約30の範囲から選択される、項目8に記載のレーザパッケージ。
(項目12)
前記ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネルの前記高さの比は、約0.1~約2の範囲から選択される、項目8に記載のレーザパッケージ。
(項目13)
前記ポートの中心間間隔は、約0.1mm~約8mmの範囲から選択される、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目14)
前記ポートのうちの少なくとも1つの直径は、約0.025mm~約5mmの範囲から選択される、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目15)
前記上部アノード冷却器の前記上面の面積は、前記底部アノード冷却器の前記上面の面積より小さい、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目16)
前記底部アノード冷却器は、出口チャネルをその内側に画定し、前記出口チャネルは、前記上部凹所を前記底部アノード冷却器の前記底面に画定された出口開口と流体的に接続し、前記出口開口は、前記進入凹所から間隔を置かれている、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目17)
前記上部アノード冷却器の前記底面の一部を前記底部アノード冷却器の前記上面の一部に取り付ける取り付け材料をさらに備えている、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目18)
前記取り付け材料は、接着剤、はんだ、またはろう付け材料のうちの少なくとも1つを備えている、項目17に記載のレーザパッケージ。
(項目19)
前記底部アノード冷却器は、アルミナを備え、前記上部アノード冷却器は、SiCを備えている、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目20)
前記上部アノード冷却器および前記底部アノード冷却器は、電気絶縁する、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目21)
前記上部アノード冷却器の前記上面上に配置されたレーザエミッタをさらに備え、前記レーザエミッタは、複数のビームを放出するように構成されたレーザダイオードバーを備えている、項目1に記載のレーザパッケージ。
(項目22)
波長ビーム合成レーザシステムであって、前記レーザシステムは、
複数の別々のビームを放出するビームエミッタと、
分散要素に向かって前記複数のビームを集中させるための集中光学系と、
前記ビーム受け取り、前記受け取られたビームを分散させるための分散要素と、
複数の反射性出力結合器であって、前記複数の反射性出力結合器は、前記分散ビームを受け取ることと、多波長出力ビームとしてそれらを通して前記分散ビームの一部を透過させることと、前記分散要素に向かって戻るように前記分散ビームの第2の部分を反射することとを行うように位置付けられている、複数の反射性出力結合器と、
底部アノード冷却器であって、前記底部アノード冷却器は、(i)上面と、(ii)前記上面と反対側の底面と、(iii)前記底面に画定される進入凹所と、(iv)前記上面に画定される上部凹所と、(v)複数の中空ポートとを有し、前記複数の中空ポートは、前記進入凹所と前記上部凹所とを流体的に接続し、それられを通して冷却流体の噴出を形成する、底部アノード冷却器と、
前記底部アノード冷却器の一部のみの上方に配置された上部アノード冷却器と
を備え、
前記上部アノード冷却器は、(i)上面であって、前記ビームエミッタは、前記上部アノード冷却器の前記上面の上に配置されている、上面と、(ii)前記上面と反対側の底面とを有し、前記底面は、前記底部アノード冷却器の前記上部凹所の中に突出する非平面的パターンを画定する衝突表面を備え、それによって、前記底部アノード冷却器の中に導入され、前記ポートを通して噴出させられた冷却流体は、前記上部アノード冷却器の前記衝突表面に衝打し、前記ビームエミッタを冷却する、レーザシステム。
(項目23)
前記分散要素は、回折格子を備えている、項目22に記載のレーザシステム。
(項目24)
前記上部アノード冷却器の熱伝導率は、前記底部アノード冷却器の熱伝導率より大きい、項目22に記載のレーザシステム。
(項目25)
前記非平面的パターンは、複数の隆起特徴を備えている、項目22に記載のレーザシステム。
(項目26)
前記底部アノード冷却器は、前記ポートの開口部間に配置された複数の隆起支柱を画定する、項目22に記載のレーザシステム。
(項目27)
(i)前記上部アノード冷却器の上に配置されたカソード冷却器をさらに備え、前記カソード冷却器の一部は、張り出し、前記上部アノード冷却器の前記上面に接触していない、項目22に記載のレーザシステム。
(項目28)
前記カソード冷却器は、それを通した冷却流体の流動のために構成されていない、項目27に記載のレーザシステム。
(項目29)
前記上部アノード冷却器は、それを通した冷却流体の流動のために構成されていない、項目22に記載のレーザシステム。
(項目30)
前記非平面的パターンは、前記冷却流体のための混合チャネルを形成するために、前記ポートの開口部から間隔を置かれている、項目22に記載のレーザシステム。
(項目31)
前記混合チャネルは、約0.025mm~約50mmの範囲から選択される高さを有する、項目30に記載のレーザシステム。
(項目32)
前記ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネルの前記高さの比は、約0.1~約30の範囲から選択される、項目30に記載のレーザシステム。
(項目33)
前記ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネルの前記高さの比は、約8~約30の範囲から選択される、項目30に記載のレーザシステム。
(項目34)
前記ポートのうちの少なくとも1つの直径に対する前記混合チャネルの前記高さの比は、約0.1~約2の範囲から選択される、項目30に記載のレーザシステム。
(項目35)
前記ポートの中心間間隔は、約0.1mm~約8mmの範囲から選択される、項目22に記載のレーザシステム。
(項目36)
前記ポートのうちの少なくとも1つの直径は、約0.025mm~約5mmの範囲から選択される、項目22に記載のレーザシステム。
(項目37)
前記上部アノード冷却器の前記上面の面積は、前記底部アノード冷却器の前記上面の面積より小さい、項目22に記載のレーザシステム。
(項目38)
前記底部アノード冷却器は、出口チャネルをその内側に画定し、前記出口チャネルは、前記上部凹所を前記底部アノード冷却器の前記底面に画定された出口開口と流体的に接続し、前記出口開口は、前記進入凹所から間隔を置かれている、項目22に記載のレーザシステム。
(項目39)
前記上部アノード冷却器の前記底面の一部を前記底部アノード冷却器の前記上面の一部に取り付ける取り付け材料をさらに備えている、項目22に記載のレーザシステム。
(項目40)
前記取り付け材料は、接着剤、はんだ、またはろう付け材料のうちの少なくとも1つを備えている、項目39に記載のレーザシステム。
(項目41)
前記底部アノード冷却器は、アルミナを備え、前記上部アノード冷却器は、SiCを備えている、項目22に記載のレーザシステム。
(項目42)
前記上部アノード冷却器および前記底部アノード冷却器は、電気絶縁する、項目22に記載のレーザシステム。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図面では、同様の参照記号は、概して、異なる図の全体を通して同一の部分を指す。また、図面は、必ずしも一定の縮尺ではないが、代わりに、概して、本発明の原理を例証することに重点が置かれている。以下の説明では、本発明の種々の実施形態が、以下の図面を参照して説明される。
【0033】
図1図1は、本発明の実施形態による、レーザエミッタのための2部品アノード冷却器の斜視図である。
【0034】
図2図2は、本発明の実施形態による、図1の2部品アノード冷却器およびカソード冷却器を組み込むレーザパッケージの斜視図である。
【0035】
図3図3A-3Cは、それぞれ、本発明の実施形態による、底部アノード冷却器の斜視図、上面図、および底面図である。
【0036】
図4図4は、本発明の実施形態による、底部アノード冷却器内の開口部によって形成される流体噴出の概略図である。
【0037】
図5A図5Aは、本発明の実施形態による、上部アノード冷却器の側面図である。
【0038】
図5B図5Bは、図5Aの上部アノード冷却器の断面図である。
【0039】
図5C図5Cは、図5Bの断面図の拡大部分である。
【0040】
図5D図5Dは、図5Aの上部アノード冷却器の底面図である。
【0041】
図6A図6Aは、本発明の実施形態による、上部アノード冷却器の底面図である。
【0042】
図6B図6Bは、図6Aの上部アノード冷却器の断面図である。
【0043】
図6C図6Cは、本発明の実施形態による、上部アノード冷却器の底面図である。
【0044】
図6D図6Dは、図6Cの上部アノード冷却器の断面図である。
【0045】
図7図7は、本発明の実施形態による、レーザパッケージの側面/断面図である。
【0046】
図8A図8Aは、本発明の実施形態による、レーザエミッタのための2部品アノード冷却器の分解断面図である。
【0047】
図8B図8Bは、本発明の実施形態による、レーザエミッタのための2部品アノード冷却器の分解断面図である。
【0048】
図8C図8Cは、本発明の実施形態による、レーザエミッタのための2部品アノード冷却器の断面図である。
【0049】
図8D図8Dは、本発明の実施形態による、上部アノード冷却器の斜視図である。
【0050】
図8E図8Eは、本発明の実施形態による、底部アノード冷却器の斜視図である。
【0051】
図9図9は、本発明の実施形態による、パッケージ化されたレーザを組み込む、波長ビーム合成レーザシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、本発明の実施形態による2部品アノード冷却器100を描写する。示されるように、冷却器100は、底部アノード冷却器120の上に位置する上部アノード冷却器110を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成る。上部アノード冷却器110は、典型的に、レーザエミッタ(明確にするために示されていない)が配置されるプラットフォーム130を特徴とする。プラットフォーム130は、所望のレーザエミッタ(例えば、ダイオードバー)に適応するようにサイズおよび形状を決定され得る。示されるように、プラットフォーム130は、レーザエミッタの意図された放出方向に、上部アノード冷却器の他の部分より上にわずかに高くあり得る。他の実施形態において、上部アノード冷却器110の上面は、実質的に平面的であり、プラットフォーム130は、その平面状表面の一部である。上部アノード冷却器110は、少なくとも動作中、1つ以上のねじまたは他の留め具を介して、底部アノード冷却器120に留められ得る。他の実施形態において、上部および底部アノード冷却器110、120は、例えば、溶接、はんだ付け、またはろう付け等の技法を利用して、一緒に取り付けられ、それによって、一体型の1部品アノード冷却器を形成する。そのような実施形態において、上部アノード冷却器110は、それを通して、ねじまたは他の留め具を受け取るための孔または開口部を画定しないこともある。さらに他の実施形態において、上部および底部アノード冷却器110、120は、本明細書に詳述される上部および底部アノード冷却器110、120の特徴を有する、単部品アノード冷却器によって置換され得、そのような単部品冷却器は、固体金属または他の材料片から機械加工され得る。したがって、「上部アノード冷却器」および「底部アノード冷却器」の本明細書での言及は、種々の実施形態において、単一の材料片から機械加工されるか、または(例えば、溶接、はんだ付け、またはろう付け等によって)実質的に恒久的に一緒に留められる複数の部品として製作されるかのいずれかである一体型「アノード冷却器」の対応する部分を指すと見なされ得る。
【0053】
下でより詳細に説明されるように、底部アノード冷却器120は、冷却噴出のアレイを組み込み、冷却噴出のアレイを通して、冷却流体(例えば、水)が流動し、レーザエミッタの直接下方の上部アノード冷却器110上の衝突表面に衝突する。冷却流体の噴出は、レーザエミッタを冷却し、それによって、性能および信頼性を改良し、および/または、高電流(したがって、高出力)動作を可能にする。上部アノード冷却器110および/または底部アノード冷却器120の全てまたは一部は、銅、CuW、タングステン、アルミナ、ムライト、ダイヤモンド、SiC、および/またはWC等の1つ以上の材料を含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。種々の実施形態において、上部および/または底部アノード冷却器110、120の全てまたは一部は、アルミニウム、銅、またはステンレス鋼等の別の材料を含み、本質的にそれらから成り、またはそれらから成り、上部および/または底部アノード冷却器110、120の少なくとも一部は、CuW、タングステン、WC、アルミナ、ムライト、ダイヤモンド、SiC、または流体誘発腐食および/または浸食に耐性がある1つ以上の他のコーティング材料等の1つ以上の材料のコーティングでコーティングされる。上部アノード冷却器110および/または底部アノード冷却器120の全てまたは一部は、電気絶縁し得る。
【0054】
上部アノード冷却器110および/または底部アノード冷却器120の全てまたは一部は、異なる材料を含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。例えば、種々の実施形態において、上部アノード冷却器110が、SiC(例えば、単結晶SiC)を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成る一方、底部アノード冷却器120は、アルミナを含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成る。上部および底部アノード冷却器の異なる材料の使用は、本発明の種々の実施形態において、1つ以上の利点を提供し得る。例えば、種々の実施形態において、上部アノード冷却器110が高い熱伝導率を有する一方、底部アノード冷却器120が、より低い熱伝導率を有することが望ましい。(例えば、種々の実施形態において、単結晶SiC冷却器の熱伝導率(温度に依存し得る)が、300~400W・m-1・K-1、またはさらに高く(例えば、最大約500W・m-1・K-1まで)及ぶ一方、アルミナ冷却器の熱伝導率は、5~30W・m-1・K-1に及び得る。)種々の実施形態において、上部アノード冷却器110の熱伝導率は、2倍以上、5倍以上、またはさらに10倍以上、底部アノード冷却器120の熱伝導率を上回る。上部アノード冷却器110の熱伝導率が底部アノード冷却器120のそれを超える実施形態において、熱が上部アノード冷却器110によってビームエミッタから容易に奪われ得るので、ビームエミッタの優れた熱制御を可能にし得る一方、底部アノード冷却器120自体は、ビームエミッタ、上部アノード冷却器110、またはそれを通して流動する冷却流体(本明細書に詳述されるようにビームエミッタから熱を吸収していることもある)からの熱によって誘発される温度変動(および同時機械的応力および/または変形)により耐性がある。
【0055】
種々の実施形態において、上部アノード冷却器110は、例えば、上部アノード冷却器と底部アノード冷却器との間の取り付け(種々の実施形態において、ろう付けまたははんだ継手取り付けを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る)における電気化学腐食を防止するために、半導体材料および/または高い電気抵抗を有する材料(例えば、SiC)を含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成る。上部アノード冷却器110は、望ましくは、高い機械的強度も有し、その厚さが縮小されること、または最小化されることを可能にし、上部アノード冷却器110の下方の冷却流体の圧力からの曲がりに対する抵抗を維持しながら、冷却流体の冷却効果を最大化し得る。そのような曲がりは、レーザデバイスにおける「スマイル」欠陥と、レーザデバイスが動作するレーザシステムの性能および/または効率の同時損失とをもたらし得る。
【0056】
上で述べられるように、種々の実施形態において、底部アノード冷却器120は、低い熱伝導率(例えば、アルミナ)を有する材料を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成る。底部アノード冷却器120の低い熱伝導率は、冷却流体の低い温度から生じるレーザデバイスの曲がりまたは変形(および結果として生じる出力不安定)を防止し得る。本発明の種々の実施形態において、底部アノード冷却器120は、セラミック材料を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成るので、そのような材料は、例えば、射出成型または3次元印刷等の付加製造技法を介して複雑な形状に形成され得る。
【0057】
図2は、図1の2部品アノード冷却器100を組み込んだレーザパッケージ150を描写し、レーザパッケージ150は、上部アノード冷却器110およびレーザエミッタプラットフォーム130(したがって、動作時、レーザエミッタ自体の少なくとも一部)の上に配置されたカソード冷却器200を追加している。カソード冷却器200は、レーザエミッタから追加の熱を奪うことによって、パッケージ化されたデバイスの熱的性能を改良し得る。カソード冷却器200は、パッケージ化されたデバイスの機械的安定性も改良し、それによって、パッケージ化、焼き付き、および/または、動作中のレーザエミッタの変形を最小化し得るか、または、実質的に排除し得る。カソード冷却器200は、受動的に冷却し得る、または1つ以上の内部チャネルを組み込み、それを通して冷却流体を伝導し得る。すなわち、いくつかの実施形態において、カソード冷却器200は、それを通して冷却流体を伝導するように構成され得る一方、他の実施形態において、カソード冷却器200は、中実であり、それを通して冷却流体を受け入れないように、または伝導しないように構成され得る。種々の実施形態において、カソード冷却器200は、その上にレーザエミッタを受け入れないように構成され、すなわち、カソード冷却器200は、レーザエミッタプラットフォームを組み込まないこともあり、その上の別のレーザエミッタの取り付けのためにサイズ決定、成形、および/または、構成されないこともある。示されるように、カソード冷却器200は、底部アノード冷却器120のそれより、面積、長さ、および/または幅が小さい上部および/または底面を有し得る。すなわち、種々の実施形態において、カソード冷却器200は、底部アノード冷却器120および/または上部アノード冷却器110の全体に重ならない(および/またはそれらと異なるサイズを有する)。
【0058】
カソード冷却器200は、上部および底部アノード冷却器110、120に関して上で規定される材料のうちの1つ以上のものを含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得るか、または、上部および底部アノード冷却器110、120に関して上で規定される材料のうちの1つ以上のもので、または1つ以上の他の材料でコーティングされる1つ以上の追加の材料(例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼)を含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成り得る。他の実施形態において、カソード冷却器200は、銅(例えば、コーティングされていない銅)を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成り得る。種々の実施形態において、カソード冷却器200は、上部および底部アノード冷却器110、120に関して上で説明されるような電気絶縁材料を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成り得る。
【0059】
図3A、3B、および3Cは、それぞれ、本発明の種々の実施形態による底部アノード冷却器120の斜視図、上面図、および底面図である。示されるように、底部アノード冷却器120は、略直線的であり得、上部アノード冷却器110および/またはレーザシステム内の下層基板またはマウントまたは他のハードウェアへの底部アノード冷却器120の接続のための1つ以上の貫通孔300を特徴とし得る。底部アノード冷却器120の上面の少なくとも一部310は、開口部(または「ポート」)320のアレイを画定し、それを通して、冷却流体が、上部アノード冷却器110に向かって方向付けられ、底部アノード冷却器110のこの部分は、本明細書では「能動的冷却部分」310とも称される。開口部320は、実質的に円筒形状であり得、開口部320の断面積は、それらの厚さを通して実質的に一定であり得る。他の実施形態において、開口部320のうちの1つ以上のものの側壁は、テーパ状になり、ノズルを形成する。種々の実施形態において、開口部320の中心間間隔は、約0.1mm~約8mmに及ぶ。種々の実施形態において、開口部320の直径(または他の横寸法、例えば、非円形開口部を特徴とする実施形態において、幅)は、約0.025mm~約5mmに及ぶ。底部アノード冷却器120の能動的冷却部分310は、実質的に長方形状であり得、底部アノード冷却器120の上面の残りの部分と実質的に同一平面上にあり得る。他の実施形態において、図3Aに示されるように、能動的冷却部分310は、底部アノード冷却器120の上面の残りの部分から上向きに、例えば、約0.1mm~約5mm延びている。さらに他の実施形態において、能動的冷却部分(少なくとも開口部320)は、底部アノード冷却器120の上面の残りの部分の下方に、例えば、約0.025mm~約50mm凹所に置かれる。
【0060】
底部アノード冷却器120は、冷却流体の入口および出口のための通路330も特徴とし、冷却流体は、底部アノード冷却器120を通して、(下記により詳細に議論されるように)能動的冷却部分310を通して上部アノード冷却器110に向かって、(例えば、能動的冷却部分の周辺に近接する1つ以上の開口部を介して)底部アノード冷却器120から外に戻るように流動する。動作時、底部アノード冷却器120の中へ、それを通した、およびそこから外への冷却流体の流動は、パルス化され得るか、または、実質的に連続的であり得る。
【0061】
図4は、底部アノード冷却器120内の開口部320のうちの1つによって形成される単一の冷却流体噴出400の概略図を描写し、図において、ノズルの端部(本発明の実施形態では上向きに面するが、図4では下に面する)は、衝突表面(それに向かって冷却流体が流動する。例えば、上部アノード冷却器の衝突表面の少なくとも一部)から、距離zだけ間隔を置かれている。
開口部320と衝突表面との間のこの距離zは、底部アノード冷却器120と上部アノード冷却器110との間に形成される「混合チャネル」の高さを画定し、混合チャネルの中、冷却流体が、衝突表面(したがって、その上に配置されるレーザエミッタ)を冷却するために開口部320から噴出させられる。種々の実施形態において、混合チャネルは、衝突表面も含むと見なされ得る。ノズルは、直径dを有する。本発明の種々の実施形態によると、dに対するzの比は、約0.1~約30、約0.1~約2、約0.1~約1、約1~約2、約8~約30、約8~約10、約10~約30、約15~約30、または約20~約30であるように選択される。ノズル直径に対するノズル距離のそのような比は、種々の実施形態において、ノズルを通して流動する噴出から発生させられる乱流を介して、冷却流体の熱的性能を改良することが見出されており、この範囲外の比は、冷却流体の不十分な乱流、混合、および冷却作用をもたらし得る。種々の実施形態において、能動的冷却部分は、複数の異なる開口部320を特徴とする。そのような実施形態において、開口部320間の間隔は、(図4に描写されるように)噴出の停滞ゾーンを最小化するために、または、実質的に排除するために十分な各開口部から噴出させられる冷却流体の混合をもたらし得る。すなわち、隣接する噴出からの乱流および/または混合冷却流体は、噴出からの冷却作用を改良し、その逆も同様であり得る。
【0062】
図5Aおよび5Dは、それぞれ、本発明の種々の実施形態による上部アノード冷却器110の側面図および底面図である。示されるように、図5Bは、図5Aの図上の線5B-5Bを通した断面図であり、図5Cは、図5Bの一部の拡大図である。示されるように、上部アノード冷却器110は、レーザエミッタを支持するための略平面的な上部プラットフォーム130を有する。レーザエミッタプラットフォーム130の下方で、上部アノード冷却器110は、上部および底部アノード冷却器が一緒に取り付けられるときに底部アノード冷却器120の能動的冷却部分310を受け取るための凹所500を画定し得る。凹所510は、底部アノード冷却器120の能動的冷却部分310の全てまたは一部に適応するようにサイズおよび形状を決定された下側部分502を有し得る。種々の実施形態において、下側部分520の厚さ503は、能動的冷却部分310が底部アノード冷却器120の上面の残りの部分の上方に突出する高さとほぼ等しい。凹所510は、能動的冷却部分310によって生成される冷却液体噴出を受け取るための上側部分505も有し得る。
【0063】
凹所500の上側表面の少なくとも一部は、底部アノード冷却器120の能動的冷却部分310によって上向きに方向付けられる冷却流体の噴出を受け取るための衝突表面510を形成する。衝突表面510と上部アノード冷却器110の上面(レーザエミッタが配置される)との間の間隔520は、典型的に、極めて小さく、それによって、噴出の冷却有効性を向上させる。種々の実施形態において、この間隔520は、約0.1mm~約5mmに及ぶ。
【0064】
図5Bおよび5Cに示されるように、上部アノード冷却器110の衝突表面510の少なくとも一部は、その上に方向付けられる噴出の冷却効果を向上させるために、修正(すなわち、成形)され得る。例えば、衝突表面510は、レーザエミッタに向かって上向きに方向付けられた1つ以上のくぼみ530を画定し、衝突表面510の薄い成形領域を効果的に生成し得る。他の実施形態において、くぼみ530は、レーザエミッタから離れるように下向きに方向付けられ得る。くぼみ530(または他の形状)は、例えば、0.001mm~1.8mmの高さ540を有し得る。くぼみ530は、図5Dでは円形として描写され、規則的パターンで分配されるが、種々の実施形態において、くぼみ530は、他の形状を有し得、単一の上部アノード冷却器110内に種々の異なる形状を有し得、種々の異なる間隔または幾何学形状のうちのいずれかで分配および/または間隔を置かれ得る。
【0065】
衝突表面510は、上部アノード冷却器110内の凹所の幅を横断して延びている1つ以上の支柱550を画定し得る。支柱550は、上部アノード冷却器110の1つ以上の周辺部分の厚さ(例えば、冷却流体噴出の熱的性能を改良するように成形または別様に薄層化され得る)を上回る厚さ560を有する上部アノード冷却器110の一部によって画定される。種々の実施形態において、上部アノード冷却器110内の凹所500内の1つ以上の支柱550の存在は、レーザエミッタの組立および/または動作中の上部アノード冷却器110の機械的強度を改良する(例えば、変形に抵抗する)。種々の実施形態によると、支柱550は、約0.01mm~約6.2mmに及ぶ支柱高さ560(すなわち、衝突表面の周辺部分の上方の延長の距離)を有し得る。支柱550は、約0.045mm~約6mmに及ぶ支柱幅570を有し得る。種々の実施形態において、隣接する支柱間の間隔580は、約0.25mm~約3.6mmに及び得る。支柱550は、長方形であり、一定の幅を有するものとして図5Dに描写されるが、種々の実施形態において、支柱550は、他の形状を有し得る。種々の実施形態において、上部アノード冷却器110は、支柱550を組み込まない。図5Dに示されるように、上部アノード冷却器110はま、上部アノード冷却器110と底部アノード冷却器120との結合を促進するための1つ以上の貫通孔590も特徴とし得る。種々の実施形態において、1つ以上の支柱550は、上部アノード冷却器110に形成されることに加えて、またはその代わりに、底部アノード冷却器120に形成され得る。
【0066】
図6Aおよび6Cは、本発明の追加の実施形態による、上部アノード冷却器110の追加の例示的実施形態の底面図である。示されるように、図6Bは、線6B-6Bに沿った図6Aの断面図であり、図6Dは、線6D-6Dに沿った図6Cの断面図である。図6Aに示されるように、上部アノード冷却器100の衝突表面510は、間隔610において間隔を置かれた凹所溝600のパターンを形成するように修正され得る。種々の実施形態において、間隔610は、約0.01mm~約2.8mmに及び得る。図6Cに示されるように、上部アノード冷却器100の衝突表面510は、高められた(すなわち、上部アノード冷却器110の上面から離れるように)スタッド620のパターンを形成するように修正され得る。示されるように、スタッド620は、断面が実質的に正方形または長方形であり得、規則的パターンまたはグリッドに配置され得る。他の実施形態において、スタッド620の全てまたはいくつかは、他の断面形状(例えば、円形、多角形等)を有し得る。種々の実施形態において、スタッド620のうちの1つ以上のもののサイズは、その厚さ(すなわち、高さ)に沿って変動し得る。例えば、スタッド620のうちの1つ以上のもののサイズは、レーザプラットフォーム130から離れる方向に増加または減少し得る。各スタッド620の幅(または他の横寸法)は、例えば、0.1mm~5mmに及び得る。隣接スタッド620の間の間隔は、例えば、0.1mm~5mmに及び得る。図6Aおよび6Cの実施形態も、上で説明されるような、かつ図5B-5Dに示されるような1つ以上の支柱550を特徴とし得る。
【0067】
図7は、本発明の実施形態による、図2の斜視図に対応する組み立てられたレーザパッケージ150の断面/側面図である。示されるように、レーザパッケージ150は、上部および底部アノード冷却器110、120、および上に重なるカソード冷却器200を特徴とする。カソード冷却器200と上部アノード冷却器とは、それらの間に、レーザエミッタを受け取るための開口部700を画定し、開口部内に受け取られると、レーザエミッタは、底部アノード冷却器120から出現し、上部アノード冷却器110の衝突表面510に衝打する冷却流体噴出を介して、冷却される。図7上に示されるように、上部アノード冷却器110の衝突表面510と底部アノード冷却器120の能動的冷却部分310の上側表面との間の距離710は、上で議論され、図4に描写される距離zに対応する。
【0068】
図8A-8Cは、本発明の種々の実施形態による別の2部品アノード冷却器100を描写する。示されるように、種々の実施形態において、上部アノード冷却器110は、その中に凹所を画定しないこともある。代わりに、図8A-8Cに示されるように、上部アノード冷却器110の上面および底面は、スタッド620のアレイ等の複数の突出特徴を特徴とし得る衝突表面510の全てまたは一部を除いて、実質的に平面的であり得る。すなわち、上部アノード冷却器の上面110の全てまたは一部は、レーザプラットフォーム130であり得、レーザプラットフォーム130は、上部アノード冷却器110の上面の任意の他の部分と実質的に同一平面上にあり得る。そのような実施形態において、上部アノード冷却器110は、冷却流体ポート320の上部開口部の上方で底部アノード冷却器120に画定される凹所800を覆うように、および/またはシールするように構成(例えば、サイズおよび形状を決定)され得る。したがって、種々の実施形態において、底部アノード冷却器120のいずれの部分も、上部アノード冷却器110の任意の部分によって包囲されない、またはその内側に収まらない。種々の実施形態において、(例えば、底部アノード冷却器120の上面における)凹所800の長さおよび/または幅は、例えば、約0.5mm~約50mm、または約3mm~約50mm、または約3mm~約30mm、または約10mm~約30mm、または約5mm~約30mm、または約5mm~約20mm、または約1mm~約20mmに及び得る。種々の実施形態において、凹所800の上部の長さが、その幅と異なる一方、他の実施形態において、長さおよび幅は、互いにほぼ等しい。種々の実施形態において、上部アノード冷却器110の上面は、凹所800のそれより約20%、約30%、約50%、または約100%大きい長さおよび/または幅を有する。
【0069】
種々の実施形態において、上部アノード冷却器110は、例えば、接着剤、はんだ、および/またはろう付け材料を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成り得る取り付け材料810を介して、底部アノード冷却器120に取り付けられ得る。他の実施形態において、以前の図に示されるように、上部アノード冷却器110は、1つ以上のねじまたは他の留め具を介して、底部アノード冷却器120に取り付けられ得る。(図8Bに示されるように、上部アノード冷却器110の上面は、それへのレーザエミッタの取り付けのためにその上に取り付け材料(取り付け材料810に関して説明されるもののうちのいずれか等)を組み込み得る。)
【0070】
図8A-8Cにも示されるように、底部アノード冷却器120は、(例えば、外部リザーバまたは熱交換器から)冷却流体を受け取るための下側凹所820を画定し得る。冷却流体は、下側凹所820からポート320の中に流動し、上部アノード冷却器110の衝突表面510に衝突する冷却流体噴出を形成する。したがって、本発明の種々の実施形態において、冷却流体ポートは、下側凹所820を上側凹所800に流体的に接続する。すなわち、種々の実施形態において、冷却流体ポートは、底部アノード冷却器120の上面および/または底面まで延びていない。そのような実施形態は、冷却流体の有益な混合、および冷却流体ポートの下方および上方の両方に優れた熱制御を提供し得る。
【0071】
冷却流体がレーザプラットフォーム130上のレーザエミッタを冷却した後、1つ以上の出口チャネル830を介して、底部アノード冷却器120から流出し得る。示されるように、出口チャネル830は、部分的にのみ凹所800に交差し得;すなわち、凹所800から離れた出口チャネル830の直径(または幅または他の横方向)は、出口チャネル830を凹所800と実際に流体的に接続する出口チャネル830の末端のサイズより大きくあり得る。そのような実施形態は、出口チャネル830を通した排出率を有益に減速し、凹所800内の十分な混合および冷却を確実にし得る。種々の実施形態において、出口チャネル830の断面積は、それからの冷却流体の流動に適応するために、ポート320の断面積の総和を上回るか、または、それとほぼ等しい。種々の実施形態において、底部アノード冷却器120は、基部プラットフォーム(例えば、各々がその上にレーザエミッタを伴う複数の異なるアノード冷却器120のための基部)上に搭載され、および/または、それに取り付けられ得、下側凹所820が、流体源(例えば、基部プラットフォーム内の送給ラインまたはポート)に流体的に接続され得る一方、出口チャネル830は、流体シンク(例えば、基部プラットフォーム内の流体ラインまたはポート)に流体的に接続され得る。下側凹所820および/または出口チャネル830は、例えば、冷却流体の漏出を防止するためのOリングまたは他のシーリングエージェントを介して、基部プラットフォームにシールされ得る。図8A-8Cに示されるように、冷却中、冷却流体は、(すなわち、ポート320から)その底部における凹所800に流入し得、その外側面における凹所800から退出し、それによって、ポートによって形成される冷却噴出のために利用可能な面積を最大化し得る。
【0072】
種々の実施形態において、ポート320の中心間間隔は、例えば、約0.1mm~約8mmに及び得る。種々の実施形態において、ポート320の直径(または幅)は、例えば、約0.025mm~約5mmに及び得る。種々の実施形態において、スタッド620(および/または上部アノード冷却器110の底面から突出する他の特徴)は、例えば、約0.01mm~約15mmに及ぶ高さを有し得る。図8A-8Cに示されていないが、種々の実施形態において、図8A-8Cに示されるアノード冷却器100も、その上のカソード冷却器200とともに利用され得る。
【0073】
示されるように、上部アノード冷却器110は、極めて薄くあり得、したがって、底部アノード冷却器120は、上部アノード冷却器120の上部上のレーザエミッタによって放出されるビーム(例えば、その発散)に適応するための前部くぼみ840をその中に画定し得る。すなわち、種々の実施形態において、底部アノード冷却器120の上面は、放出されたビームの方向へ上部アノード冷却器110の前方に位置付けられる前部くぼみ840を除いて、(凹所800およびその中に形成される任意の貫通孔300を除いて)実質的に平面的であり得る。前部くぼみ840の上部における底部アノード冷却器120の縁はまた、ビームエミッタおよび/またはそれに関連付けられる、またはそれに留められる光学系のための整列表面を有益に提供し得る。前部くぼみ840では、底部アノード冷却器120の上面は、上面の下方に、例えば、約0.025mm~約20mm凹所に置かれ得る。種々の実施形態において、前部くぼみ840の領域内の底部アノード冷却器120の厚さは、例えば、底部アノード冷却器120の残りの部分の厚さの約85%未満、約75%未満、または約50%未満であり得る。種々の実施形態において、前部くぼみ840の領域内の底部アノード冷却器120の厚さは、例えば、底部アノード冷却器120の残りの部分の厚さの少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも70%であり得る。
【0074】
示されるように、上部アノード冷却器110は、底部アノード冷却器120の上面に重複し、それに取り付けられ得る外側部分を有し得る。外側部分は、衝突表面(例えば、スタッドおよび/またはくぼみ等の特徴)が配置された内側部分を包囲し得る。上部アノード冷却器110の外側部分の厚さは、例えば、約0.05mm~約5mm、約0.05mm~約2mm、約0.5mm~約2mm、または約1mm~約5mmに及び得る。種々の実施形態において、上部アノード冷却器110の内側部分の厚さは、衝突特徴が、例えば、約0.05mm~約5mm、約0.05mm~約2mm、約0.5mm~約2mm、または約1mm~約5mmにおよび得る距離だけ内側部分から突出し得ることを除いて、外側部分のそれとほぼ同一である。種々の実施形態において、底部アノード冷却器120(少なくとも凹所800を画定する部分および/または前部くぼみ840を除く部分)の厚さまたは高さは、上部アノード冷却器110のそれよりかなり厚い。そのような実施形態は、材料の厚さ(それを通してビームエミッタによって発生させられる熱が奪われる)を最小化しながら、底部アノード冷却器120内の強力な冷却噴出の形成を有益に可能にする。例えば、底部アノード冷却器120の厚さは、例えば、約0.8mm~約35mm、約5mm~約35mm、約10mm~約35mm、または約20mm~約35mmに及び得る。種々の実施形態において、底部アノード冷却器120の厚さは、上部アノード冷却器110(例えば、その内側部分または外側部分のいずれか)の厚さを約50%、約100%、約200%、約300%、約400%、約500%、またはさらに約700%を超え得る。
【0075】
上部アノード冷却器110の1つ以上の寸法(例えば、長さおよび/または幅)および/または表面積は、底部アノード冷却器120の対応する寸法および/または表面積未満であり得る。例えば、種々の実施形態において、(例えば、前部くぼみ840に向かってレーザエミッタによって放出されるビームのそれと平行な方向への)上部アノード冷却器110の長さは、底部アノード冷却器120(および/またはその上面)の対応する長さの75%未満、50%未満、40%未満、30%未満、またはさらに20%未満であり得る。種々の実施形態において、上部アノード冷却器110の長さおよび/または幅は、例えば、約2mm~約50mm、約2mm~約20mm、約2mm~約10mm、または約10mm~約20mmに及び得る。
【0076】
種々の実施形態において、底部アノード冷却器120の(例えば、その上面および/または底面の)長さ(すなわち、図8Cに示される寸法)は、上部アノード冷却器110のそれより少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、または少なくとも500%大きくあり得る。種々の実施形態において、底部アノード冷却器120の長さは、例えば、約10mm~約75mm、または約20mm~約75mm、約30mm~約75mm、または約40mm~約75に及び得る。
【0077】
種々の実施形態において、底部アノード冷却器120の幅(すなわち、図8Cのページの中への寸法)は、上部アノード冷却器110のそれより少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、または少なくとも500%大きくあり得る。種々の実施形態において、底部アノード冷却器120の幅は、例えば、約2mm~約55mm、約3mm~約55mm、約5mm~約55mm、約10mm~約55mm、または約20mm~約55mmに及び得る。
【0078】
種々の実施形態において、上部アノード冷却器110および底部アノード冷却器120は、上部アノード冷却器110および底部アノード冷却器120の上面および/または底面と略平行な冷却流体の流動のために向けられたその中に画定されるどんなチャネル(例えば、流体チャネル)も欠いている。そして、示されるように、種々の実施形態において、上部アノード冷却器110は、その中のどんな流体チャネルも完全に欠き得る。したがって、本発明の種々の実施形態は、そのようなチャネルを組み込む冷却器と比較して、優れた機械的強度を提供し得る。
【0079】
図8Dは、図8A-8Dに描写される上部アノード冷却器110の裏面の図である。示されるように、種々の実施形態において、衝突表面510(または「内側部分」)は、底部アノード冷却器120内の凹所800の開口部のほぼ同一のサイズおよび形状を有し得、衝突表面510に方向付けられる冷却流体噴出の冷却を向上させるスタッド620等の1つ以上の(典型的に、複数の)突出特徴を含み得る。上で述べられるように、衝突表面510は、そうでなければ上部アノード冷却器110の底面の外側境界(または「外側部分」)840と実質的に同一平面上にあり得るが、しかしながら、種々の実施形態において、衝突表面510は、外側境界840と同一平面上ではなく、すなわち、衝突表面510は、外側境界840の下または上方に突出し得る。図8Aおよび8Bに示されるように、外側境界840は、取り付け材料810を受け取り得、したがって、上部アノード冷却器110を底部アノード冷却器120に取り付け得る。種々の実施形態において、衝突表面510(および/またはその上の任意の突出特徴)は、外側境界840および/または上部アノード冷却器110の別の部分(例えば、その上面)のそれと異なる材料を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成り得る。
【0080】
種々の実施形態において、衝突表面510は、突出特徴を含まないこともあり、すなわち、衝突表面510は、実質的に平面的であり得る。そのような実施形態は、より容易に製造され得るが、突出特徴または他の非平面的パターンの不足は、衝突表面510に衝突する冷却噴出の冷却有効性を損なわせ得る。
【0081】
図8Eは、本発明の種々の実施形態による、底部アノード冷却器120の上面斜視図である。示されるように、凹所800内で、例えば、ポート320の列間に、1つ以上の支柱550が画定され得る。上で述べられるように、支柱550は、向上した機械的強度をアノード冷却器100に提供し得る。種々の実施形態において、支柱550が、凹所800の寸法全体(例えば、長さおよび/または幅)を横断して延びている一方、他の実施形態において、支柱は、凹所800の対応する寸法を横断して部分的にのみ延びている。支柱550が、ポート320の開口部の上方に延びている一方、典型的実施形態において、支柱550は、底部アノード冷却器120の上面まで(すなわち、凹所800から外に)延びず、種々の実施形態において、支柱550は、凹所800内の冷却流体の流動を遮断または別様に妨害しないために、ポート320と衝突表面510から突出する特徴との間の距離の一部のみに延びている。
【0082】
種々の実施形態において、底部アノード冷却器120内の支柱550は、出口チャネル830を介した凹所800からの冷却剤流体の流動のための出口チャネルを形成すること、または形成することに役立つ。これらの支柱550の寸法は、冷却剤流体が、より広いエリアにわたって流動し、それによって、より広いエリアにわたってより低い冷却剤流体速度をもたらすので、底部アノード冷却器120の前部に近接するポート320(または「前部ポート」)と出口チャネル830に近接するポート320(または「後部ポート」)との間の圧力の大きな変動を防止することに役立ち得る。この低圧力変動は、次に、流動がポートを横断した圧力降下の関数であるので、前部ポートと後部ポートとの間のより均等な流動の形成を促進する。
【0083】
本発明の実施形態による、パッケージ化されたレーザエミッタ(例えば、ダイオードバー)は、WBCレーザシステム内で利用され得る。図9は、パッケージ化されたレーザ905を利用する、例示的WBCレーザシステム900を描写する。パッケージ化されたレーザ905は、例えば、レーザパッケージ150内に、または本明細書に詳述されるような2部品アノード冷却器100の上に配置された1つ以上のレーザエミッタに対応し得、本明細書に詳述されるような1つ以上の流体噴出の熱管理(例えば、冷却)のために利用され得る。図9の実施例では、レーザ905は、ビーム910を放出する4つのビームエミッタを有するダイオードバーを特徴とする(拡大入力図915参照)が、本発明の実施形態は、任意の数の個々のビームを放出するダイオードバー、またはダイオードまたはダイオードバーの2次元アレイまたはスタックを利用し得る。図915では、各ビーム910は、線によって示され、線の長さまたは長い方の寸法は、ビームの低速発散寸法を表し、高さまたは短い方の寸法は、高速発散寸法を表す。コリメーション光学系920が、高速寸法に沿って各ビーム910をコリメートするために使用され得る。1つ以上の円筒または球面レンズおよび/またはミラーを含むか、または本質的にそれらから成り得る変換光学系925が、WBC方向930に沿って各ビーム910を組み合わせるために使用される。変換光学系925は、次いで、分散要素935(例えば、反射または透過回折格子等の回折格子を含むか、本質的にそれから成るか、またはそれから成り得る)上に複合ビームを重さね、複合ビームは、次いで、単一の出力プロファイルとして出力結合器940上に透過される。出力結合器940は、次いで、出力正面図950上に示されるように、複合ビーム945を透過させる。出力結合器940は、典型的に、部分的に反射性であり、この外部空洞システム900内のすべてのレーザ要素のための共通正面ファセットとしての機能を果たす。外部空洞は、レーザ発振システムであり、二次ミラーが、各レーザエミッタの放出開口またはファセットから離れた距離に変位させられている。いくつかの実施形態において、追加の光学系が、放出開口またはファセットと出力結合器または部分的反射性表面との間に設置される。出力ビーム945は、光ファイバの中に結合され、および/または、溶接、切断、焼鈍等の用途のために利用され得る。
【0084】
本明細書に採用される用語および表現は、限定ではなく、説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用に、示され、説明される特徴、またはその一部の任意の均等物を除外するという意図は存在せず、種々の修正が請求される本発明の範囲内で可能性として考えられることが認識される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9